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薮仲委員 私もこの
答申はずっと古くからのものを勉強させていただきました。その上で現地の声をもう少しずばっと言った方が、言っていることを蒸し返してここで論議しても進まないと思うのです。ですから同じ御
答弁ではというふうに申し上げるのです。私は本音の部分で申し上げますから。
例えば、現地に行ってなぜ問題なのかと
指摘してまいりますと、簡単に言いますとこういうことなんですね。例えば現実社会、Aさん、Bさん、Cさんが共同
事業をやろうと
計画を組んだ。ところが世の中の
経営者というものは、たとえ
零細企業であろうと中小企業であろうと社長というのは一国一城の主なんです。
経営に対する哲学を持っているのです。また、この
変化に対してこうすべきだという
方針も理念もきちっと持っているのです。通産省は、おっしゃるように、川上、
川中、川下とあって、いわゆる消費者のニーズや国際
情勢に
クイックレスポンスで川上まで反応して
供給体制を早くつくればいいということはわかっているのです。でも、現実に例えば川上、
川中、川下の異業種の方が、社長が集まって、やろうかと言えば事もなげにできるのです。浜松が失敗したのは、いわゆる世間で言う共同
事業形態ですと、結局は形営
方針に対して意見が割れるのです。利害も相対立しているのです。例えば染色と織布と縫製とアパレルそれぞれの業者が集まれば、本当に商売をやれば全部利害が相反するのですよ。共同
事業は非常に成立しにくいなということについてどう解決をするかということをまず通産省としてもっと論議を深めていただかなければならないのです。いわゆる
経営者としてのそのしっかりとした
経営哲学に対してどうサポートしてそれをやっていけばいいのか。
ここで
一つ考え方があるわけです。それは、染色とかあるいは織布でもいいですよ、あるいはアパレルでも結構です、その一人の
経営者が、本当に元気のいいやる気満々の
経営者が、例えば織布なりアパレルをやっている人が自分で染色も縫製もあるいはデザインもやってみて、自分でやろうと言って立ち上がる。これは恐らく局長に今
答弁を求めると、それはまさしく
LPUのねらいでございます、こう
答弁すると思うのですよ。そのとおりなんです。そこまではいいのです。そのとおり、それをやりたいのです、こう言うと思うのです。ところが、そこから先へ進まないのです。そこを考えてくれ、私はこう言うのです。
なぜこれが進まないかといいますと、例えば今とうとうと
構造改善の
お話をなさいました。
構造改善といっても、通産省が手当てをするのはハードなんですよ。織機を今まで例えば五十台あるいは四十五台持っていました。全部それを新しくしますと、
設備は三割減でいいです、しかし
生産力は一・五倍に増強されました、これが
構造改善の強みなんです。人間も何名減りました、ですからやっていきます。ところが、ハード面しか手当てしないのです。しかも、そのためのいろいろないわゆるランニングにコストがかかるわけですよ。運転
資金や、運営上、金がかかるわけです。それは全然今手当てがないわけです。あるいはまた、
資金のすべては
高度化資金を利用できるわけではありません。民間の五%を超える金利でやらなければならない。そうしますと、
設備は改善したけれ
どもその返済に十年間追われるのです。新しいものに出ていこうというと、
資金ショートするのです。
もう時間がないからどんどん言ってしまいますよ。ここで
質問すると、例えば国金だとか中小企業金融公庫だとかいろいろと中小企業に対しては手当てがあります、こう
答弁する。それもだめなんです。きょうは恐らく中小企業庁長官お見えかもしれませんけれ
ども、そう御
答弁になったってだめなんです。なぜかというと、担保能力がございません。
構造改善でずぼんと担保をとられているのですよ。それは御承知でしょう。ですから、民間がお金を貸すのには、もう少し地価が高騰して担保に余力ができて、担保を見直さなければあなたにはお金は貸せません、こう言う。しかも五%から上の金利で借りていると大変なんです。
具体的に、私は工場を見てくれというので工場を見てまいりました。これは、局長、名誉のために企業名は言いませんけれ
ども、この方は通産省の言うとおりいわゆる
構造改善に乗ったのです。織機を全部かえたのです。そのために大体幾ら
投資したかといいますと、二億三千万の負債をしょい込んだのです。今営々とそれを五年目で返しております。約一億減ったのです。でも、この方は言っておりました。自分は五千万を超す自己
資金があったので、それを手当てをしたので何とか乗り越えてこられた。ところが、これは局長現地に行ってよく聞いてください、一億を超えた
構造改善をやって残っている人はたった一社だけなんですよ。あとはみんな撤退したのです。やめたのです。廃業して負債を払っていったのです。一人しか残っていないんですよ。この現実をもっとしっかり見きわめてこの
改正案の施行、実施要領をつくっていただきたい。これを見てもわかるとおり、この方のいわくは、私は新しいところへどう出した、ところが
資金ショートしているんです。銀行も貸さないのです。最近地価が高騰したので貸そうかと言ってきた。ところが、通常の場合は機械を
設備しますとその返済で十年かかるのです。十年たったときにはた織機は新鋭機になってくるんですよ。そうすると、私の十年何だったの、
構造改善の借金払いで、借金の中へ埋もれて終わってしまうのです。だから乗れないのです。だから私は、ハードだけでやればいいだろうというのはだめですよと言うのです。もっとここまで手を差し伸べないと、だれもこの
構造改善に乗れないんですよ。ですから、いわゆるランニングコストをどうするか、真剣に論議していただきたい。どうすればもっと乗りやすくなるのか。そうしてあげないと、私はここに収支のあれを持っておるのですが、これは申し上げませんけれ
ども、同じような苦しみを皆様お持ちになるのではなかろうか。
そこで、これは私の希望でございますけれ
ども、こういうのが現実でございます。恐らく今度
構造改善をやろうとすると、今度は無利子もございますが、それでも乗れない。
繊維リソースセンターについてはこの次やりますけれ
ども、いわゆる
資金面でもう少し乗りやすいように、そして体質を改善しやすいように、本当に参画しやすいように、力をつけられるようにしてあげなければいけないと思うのです。そういう
意味でのソフトの面で、ハードの面はわかります、ソフトの面での
施策が私は乗るためには重要な
課題ではなかろうかと思います。これは現地の生の声でございますから、これを今後
施策としてどう実現くださるか、御
答弁いただきたいと思います。