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新井(彬)
委員 まあとりあえずは、やはり外務省にお願いする以外にないと思います。
バングラデシュとかいろいろなデータをこの前いただいたわけでございますが、ビザが要る国と要らない国があるのですけれども、ビザが要らないといってとにかく日本へ入ってきて、そのまま消えちゃって不法就労する。今は、上陸拒否をして本国へ帰す。その場合は、乗せてきた飛行機に責任があるわけですから、その飛行機を使って帰ってもらう。それから一泊する場合は、しようがないからホテルなどを
紹介しますけれども、ホテル代も自分持ち、逃げないようにガードマンを一人つけるのですが、その費用も自分持ち。こういうことですから、金を稼ぎに来て、余り金を持っているとも思えないのですが、そんな支払いでも大分困るのではないかな。しかし、それを振り切
ってまたどこかへ行ってしまって日本で仕事をしている。
今、入管の関係者の方々は大変な御努力の中で頑張っておられるなと思うわけでございますが、とにかく外務省を通じてビザの発給とかいろいろなときに、向こうの国に対して日本の国の場合はこういう条件でないと入国できないのですよということをよく教えてあげないと、私たち国
会議員であっても、ではアメリカが一体どういう条件なら入れているのかとか自分はどういうものをとったら入れるのかということはなかなかわかりにくいわけでございますので、ましてはかの国の人が日本へ入ってくるときは、こんなうるさい
法律があってこんなことになっているのかということはほとんどおわかりにならないのではないか。したがって、さっき言いましたような詐欺師的な男が、学校もつくるという希望もあるのでしょうけれども、行って先に入学金とか授業料を取ってしまって、実際には入ってこられなかったということがこれからもたびたび出てくる可能性は十分ある。特に中国の場合は、三万五千人ぐらいの方々がビザの発給を待っているというような現状でございますので、そういう問題についてはとりあえず外務省を中心といたしまして法務省あるいは文部省――文部省が幾らそういうものをきちんとしたからといって、来る人がわかっていなければ何にもならないわけでございますので、そういうところをよく詰めた上で国際問題にならないようにやっていただきたい、このようにお願いをしておく次第でございます。
法案も質問するという約束をしましたので、まだこの問題も大分ありますけれども法案の方を少し質問しておきたいと思います。
公明党の政策
審議会と公明党婦人局によりまして
パートタイマーに関するアンケート調査というものをやったわけです。これは
労働省にちゃんとお渡ししているかどうかわかりませんが、昨年の八月から九月末にかけての調査でございます。これを読むといろいろな意識、実態というものが明らかになっております。本当にパートの方というのは大変だなということを思うわけでございます。
その中で、一つは
賃金の問題を取り上げますと、いろいろと書いてますし時間がないのであれですけれども、今最低
賃金というのは時間給で四百二十八円、それから最低日額というのは三千四百二十四円、こういうことが決められているわけでございますが、これが最低が三百四十円あるいは日額が二千円とか、地域によっても大分違いがありますし、あるいは業種によっても非常に違いがある、こういう一つの実態がございます。それから、「一方、
所定労働時間は、限りなく正社員の
労働時間に接近しているにもかかわらず、その処遇をみると
社会保障面では、
雇用保険の
適用がない人(八二・〇%)、
健康保険の
適用がない人(七八・三%)、
労働災害保険の
適用がない人(八二・五%)、厚生
年金保険の
適用がない人(八一・四%)」こういうことで、八割以上の
パートタイマーというのが
一般の
労働者と同じように本来しなければいけないことがほとんど抜けているということがあるわけです。ちょうど
昭和五十九年五月の名古屋地方裁判所の判決でも、「
パートタイマーであることを
理由に正社員と
賃金を差別するのは、憲法、
労働基準法に違反する」という判決も出ているわけです。
それから、
事業主の一つの認識でございますけれども、「
パートタイマーには、
労働基準法、最低
賃金法、
労働安全衛生法、
雇用保険法、労災保険法は
適用しなくてもよいとの誤解」というのを非常に持っている。「また、知っていても、企業側が負担を免れるために、
適用していないケースも
かなり多い」ということです。それからもう一つは、「雇い入れ時の
労働条件の不徹底」というのがございまして、「
労働基準法第十五条により、使用者は
パートタイマーについても、主要な
労働条件を明示することが義務付けられています。しかし、現状では、
労働条件の明示が不徹底であり、よくても、採用の時に、口頭で
説明を受けるという
状況」である。だから、そのパートの方の初め勤めるときの気持ちというのは、ちょっと時間があいている、三時間がいい、あるいは五時間ぐらい行こうかな、それで職場は近くだ、いろいろな条件と
雇用側とが気持ちが一緒になりまして、そしてパートに出かける。しかし
賃金も、言っていることも大分違いがあるということでなるたけいいパートを探す、こんなことでずっと出発しているわけでございますから、働く方も自分たちは
一般の正社員みたいなそういうことについての要求は一切できないのだ、同じように八時間働いてもこれはあくまで私はパートなんだ、だからほかのそういう
法律は
適用されないのだという認識も皆ほとんど持っているわけですね。また、たまたまそういうことでない人であっても、そんなこと言ったら
雇用者に首切られてしまう、もうちょっとだからいいや、もう私は何カ月か何年かでやめるのだし、そんなことまで言っていられないという人もいる。この調査結果によれば、知っていて言わないのか、知らないで言わないのか、使用者側と
労働者側が両方ともそういう
状況になっている。こういうことについて、
労働省としては一体使用者側に対してどのようなパートの問題の徹底をされているのか、お聞かせ願いたいと思います。