○渡部(一)
委員 その辺でもう勘弁しましょうか。明らかにこの問題は、そういう
意味で
我が国の
国民としては甚だ不本意な分野が発生しておるということは事実でありますし、そのための討議はもう少し長時間をかけて、当
委員会なり
国民の前で討議しないと、後々に禍根を残すのではないかと私は訴えておきたいと存じます。
今度は
大臣に伺います。これは余り難しいことを、
外交的な煩瑣なことを言っているわけではございませんが、
日本の宇宙
開発技術というものは、この間国際水準からますますおくれ始めております。例えばロケットの商業打ち上げというのは、欧米だけではなくて、最近
中国よりもおくれるようになったわけでございまして、
日本の提供する商業ロケット打ち上げというのは行われておりません。また人工衛星は、
日本のNASDAから人工衛星を他国に販売したという経緯は聞いていないわけであります。
事前に伺いましたところでは、その最大のガンというのは、予算にいたしまして
米国の四十分の一、欧州の四分の一の予算ということでございまして、この四十分の一とか四分の一というのはもう話にならぬわけであります。特に
中国の場合は、
日本との為替の交換比率を考えますと、これも十倍以上の落差がございますから、これも四十倍、百倍というようなレベルの差がございます。そうすると、これは実際上は、いかに科学技術
日本でございましても、宇宙
開発事業のところは穴があいてしまいまして、何のフルーツもそこからは得られないという
状況になってくるわけであります。これは私は
我が国の中の最大の失敗と思う。
〔中村(正三郎)
委員長代理退席、
委員長着席〕
大臣、もう
一つエラーがある。それは
中国では宇宙省というのをつくってしまっているのですね。宇宙省というのをつくって、
関係レベルを全部一本化して、今
開発に進んでいるわけであります。これは背後に、将来ミサイル部隊とか宇宙軍とかにつながる構想もあるのかもしれませんが、宇宙省として機構を統一したために非常にスピードが速かったことがわかっております。
アメリカは、御
承知の
NASAによってこの宇宙
開発関係を統括いたしておりまして、この
権限は交渉せられた科学技術庁の諸君がため息をつくほど、機構、システムその他全部整備されておりまして、
一つの国家に匹敵するほどの交渉能力まで持っているわけであります。
ヨーロッパでは、
我が国で言うところの局同士の連合体がつくられておりまして、宇宙連合のごときものを形成しておりまして、交渉の当事者として出てきたのは御
承知のとおりであります。
ところが、
我が国の方ですが、衛星だけ通じましても、気象衛星は科学技術庁、
通信衛星は郵政省、探査衛星は通産省、衛星
一つの小さな豆みたいのを三つの省がひったくり合いまして、どこに予算をつけて、どこが打ち上げるかけんかをする。もう本当に話のほかというか笑い話のたぐいであります。宇宙
開発はやらぬぞというニュアンスが濃厚であります。
しかも、今回の
宇宙基地の関連予算というのは、現在三百億レベルで拠出しなければならない。それからこれの維持運営安のためにも三百億ぐらい出さなければいけない。六百億要るわけですね。ところが宇宙
関係予算全部合わせて千二百億という大枠が決まってまして、そこに食い込んでくる。この
宇宙基地を打ち上げると半分なくなってしまうのですね。
宇宙基地を打ち上げると、科学技術
開発の予算が宇宙
関係半分になり、全体の方にさらに大きなしわ寄せがいくのは当たり前なのですね。これは四畳半か三畳に住んでいて、キャデラックを買って、BMWをもう
一つ買ったみたいな騒ぎになる。もう住んでいる場所がない。買う油がない、車庫がない、車庫の下に住むかというような
状況になる。恐るべきものをこれは
意味している。担当
大臣とは言いませんが、国務
大臣として、このような珍妙きわまる予算を組み立てて本
条約を出すことの
意味がどこにあるのかと私は言いたい。本当は予算
委員会でやりたかったのですが、リクルートで手いっぱいだから、
質問がはみ出しました。これは
我が国としてみっともないです、
大臣。実力
大臣と言われる
三塚さんに、私はぜひ根本的に筋の引き方をやり直してもらいたい。そうしなければ審議に値しない。法律もがたがたに穴があいているが、審議に値しないような予算措置からシステム措置からめちゃくちゃな宇宙
開発関係、何を考えているのか。どんと出てきて、審議してくれったって、ごみために手を突っ込んで飯をつくれというのと同じじゃありませんか。過激な言辞を弄したことについては、人柄の悪さに免じてお許しをちょうだいしたいと存じますが、もう見るに見かねて短い時間で
一言申し上げますが、御見識を承りたいし、今後の御努力を
お願いしたいと存じます。