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緒方委員 時間が迫ってきましたから、安全問題について少し触れてみたいと思います。
JRの労務政策、労使紛争で事故が多発をしているわけでありますが、それを防止するためにも労使の安定化ということが
政府主導で必要だということだと思います。特に
輸送を担当するJRにとって、安全で正確な、そして
利用者を、また貨物を運ぶということは
最大の使命であるというふうに思うわけです。
先日も
質問しましたけれ
ども、JRと国労の間では、現在全国四十の都道府県で二百十二件が争われているわけです。JRの労使
関係は戦後最悪であって、
最大の労使紛争であると思っております。労使の紛争は必ず事故があるということで、過去の例でも三十年前の三井三池の大惨事であるとか、ホテル・ニュージャパンであるとか、日航ジャンボ機などでも労使問題わけても前近代的な労使
関係が問われているわけです。労使の紛争は職場の人間
関係を悪化させて、必ず事故へと結びつくことが証明されているわけですが、そういう中で
幾つかの問題が起きております。
昨年の十二月五日の東中野駅の事故の直前に、「選択」という雑誌では、「心配されたJRの安全」「大事故頻発の裏で対立深める労使」等の小論文が出されています。また、最近出された「経済界」という雑誌でも、「JR東
日本は第二の
日本航空になる?」「経営効率重視で安全を置き去り」というふうなことで出ているわけです。この中でも労使
関係が問題になっておるわけですが、そういう中で、
運輸大臣としては鉄道事業法二十三条によって、
運輸省、
政府は安全確保のために労使紛争を
指導すべきじゃないかというふうに思うのですが、ここで非常に問題の点を報告したいと思うのです。
実はこれは一九八八年一月六日にJR東
日本の「
地域間
異動に関する現場長
会議」というのがあっております。盛岡支店の
会議室であっているわけですが、驚くべき発言があったわけですね。
地域間
異動というのは東
日本の中での人事
異動がされたわけですが、それについての発言の要旨、議事録があるわけです。どういうことが言われているかといいますと、安全は何も出ておりませんが、今度のいわゆる東
日本の中の人事
異動全体は、二十項目ありますけれ
ども、「労務管理を目的に配置された。」ということがまず第一。その中にはいろいろありまして、五番目に、「国労財政破綻を狙え。会社は「知恵と金」がある。」九番目に「生首では切らないが、徹底して国労と他組合員との差をつけろ。」いろいろなことを言っておりますけれ
ども、一番大きな問題は、十九番目に、会社、いわゆる盛岡支店の方針、東
日本会社の方針として、人事
異動に当たっては何をやるかということで「地元から一旦はずす。通勤可能な遠距離地へ。」飛ばすということなんですよ。
結局、JRとか
輸送業務というのは、事故が起きたときにはいろいろな意味ですぐ応援に来なければならぬとかできるだけ職場に近い方がいいということもあるわけですが、労務政策上、地元から切るということで、通勤可能な遠距離へ、そんなむちゃくちゃなことを会社の方針としてやっているわけで、もう考えられないことですね。通勤距離が
伸びればそれだけ労働者は疲れるし、現場でも事故を起こす可能性があるわけですよ。できるならば通勤距離は短い方がいいというのが当たり前じゃないですか。そういうようなことが今東
日本では行われている現実があります。
このメモについては盛岡の地方労働
委員会で採用されているわけです。そういった安全よりも労務政策中心で、とにかく組合分断をやればいいというようなむちゃくちゃな実態があるわけで、このことについて考えた場合に、今のJRの労務政策というのは、安全に直接影響するようなことを労務政策のためにむちゃくちゃなことをやっているというのがこの発言要旨でも明らかになっているわけであります。こういう問題については
運輸省としては十分
指導をすべきじゃないかというふうに思いますが、その辺についてお尋ねします。