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1988-08-22 第113回国会 参議院 予算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年八月二十二日(月曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  八月五日     辞任         補欠選任      青木  茂君     木本平八郎君  八月六日     辞任         補欠選任      野末 陳平君     田  英夫君  八月九日     辞任         補欠選任      吉岡 吉典君     吉井 英勝君  八月十九日     辞任         補欠選任      田  英夫君     秋山  肇君  八月二十二日     辞任         補欠選任      岩上 二郎君     久世 公堯君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         初村滝一郎君     理 事                 青木 幹雄君                 遠藤  要君                 工藤万砂美君                 田沢 智治君                 野沢 太三君                 久保  亘君                 中野 鉄造君                 吉川 春子君                 三治 重信君     委 員                 石本  茂君                大河原太一郎君                 梶木 又三君                 金丸 三郎君                 北  修二君                 久世 公堯君                 坂野 重信君                 坂元 親男君                 志村 哲良君                 下稲葉耕吉君                 関口 恵造君                 田代由紀男君                 田中 正巳君                 中曽根弘文君                 中西 一郎君                 永田 良雄君                 林 健太郎君                 降矢 敬義君                 増岡 康治君                 松岡滿壽男君                 青木 薪次君                 大木 正吾君                 千葉 景子君                 対馬 孝且君                 矢田部 理君                 山本 正和君                 及川 順郎君                 広中和歌子君                 和田 教美君                 上田耕一郎君                 吉井 英勝君                 勝木 健司君                 秋山  肇君                 下村  泰君                 木本平八郎君    国務大臣        内閣総理大臣   竹下  登君        法 務 大 臣  林田悠紀夫君        外務大臣臨時代        理        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 小渕 恵三君        大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君        文 部 大 臣  中島源太郎君        厚 生 大 臣  藤本 孝雄君        農林水産大臣   佐藤  隆君        通商産業大臣   田村  元君        運 輸 大 臣  石原慎太郎君        郵 政 大 臣  中山 正暉君        労 働 大 臣  中村 太郎君        建 設 大 臣  越智 伊平君        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    梶山 静六君        国 務 大 臣        (総務庁長官)  高鳥  修君        国 務 大 臣        (北海道開発庁        長官)        (沖縄開発庁長        官)       粕谷  茂君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  瓦   力君        国 務 大 臣        (経済企画庁長        官)       中尾 栄一君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       伊藤宗一郎君        国 務 大 臣        (環境庁長官)  堀内 俊夫君        国 務 大 臣        (国土庁長官)  内海 英男君    政府委員        内閣法制局長官  味村  治君        内閣法制局第一        部長       大出 峻郎君        総務庁長官官房        審議官        兼内閣審議官   紀 嘉一郎君        防衛庁参事官   小野寺龍二君        防衛庁参事官   福渡  靖君        防衛庁参事官   村田 直昭君        防衛庁参事官   鈴木 輝雄君        防衛庁長官官房        長        依田 智治君        防衛庁防衛局長  日吉  章君        防衛庁教育訓練        局長       長谷川 宏君        防衛庁人事局長  児玉 良雄君        防衛庁経理局長  藤井 一夫君        防衛庁装備局長  山本 雅司君        防衛施設庁施設        部長       鈴木  杲君        防衛施設庁労務        部長       吉住 愼吾君        国土庁長官官房        長        公文  宏君        法務省刑事局長  根來 泰周君        外務省北米局長  有馬 龍夫君        外務省条約局長  斉藤 邦彦君        大蔵大臣官房審        議官        兼内閣審議官   土居 信良君        大蔵省主計局長  小粥 正巳君        大蔵省主税局長  水野  勝君        大蔵省証券局長  角谷 正彦君        大蔵省銀行局長  平澤 貞昭君        国税庁次長    伊藤 博行君        文部大臣官房長  加戸 守行君        文部省初等中等        教育局長     古村 澄一君        文部省高等教育        局長       國分 正明君        厚生大臣官房総        務審議官     末次  彬君        農林水産大臣官        房長       浜口 義曠君        農林水産省経済        局長       塩飽 二郎君        農林水産省農蚕        園芸局長     吉國  隆君        農林水産省畜産        局長       京谷 昭夫君        食糧庁長官    甕   滋君        運輸大臣官房国        有鉄道改革推進        総括審議官    丹羽  晟君        運輸省運輸政策        局長       塩田 澄夫君        海上保安庁長官  山田 隆英君        労働大臣官房長  清水 傳雄君        建設省建設経済        局長       望月 薫雄君        建設省都市局長  木内 啓介君        建設省住宅局長  伊藤 茂史君        自治省行政局選        挙部長      浅野大三郎君        自治省財政局長  津田  正君    事務局側        常任委員会専門        員        宮下 忠安君    参考人        住宅都市整備        公団総裁     丸山 良仁君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○予算執行状況に関する調査参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を開会いたします。  予算執行状況に関する調査を議題といたします。     ─────────────
  3. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) まず、理事会における協議決定事項について御報告いたします。  質疑を行う期間は本日二十二日から二十四日までの三日間とすること、質疑時間総計は四百二十分とし、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党護憲共同それぞれ百十三分、公明党・国民会議六十五分、日本共産党四十八分、民社党・国民連合三十二分、新政クラブ税金党、二院クラブ・革新共闘及びサラリーマン新党・参議院の会それぞれ十六分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。     ─────────────
  4. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本調査のため、本日、住宅都市整備公団総裁丸山良仁君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) それでは、これより質疑を行います。久保亘君。
  7. 久保亘

    久保亘君 私は、税制改革を論じようとするならば、その前にやらなければならない問題があると思います。我が党は、それを国民意思に基づいて妥協を許されない問題であることを主張してまいりました。  第一は、リクルート疑惑国民の間に政治不信不公平感を募らせていることでありまして、この問題の真相を究明し、そして責任ある決着をつけない限り、政府税制改革を提案する資格はないだろうと思います。また、国会もこの決着なしにそれを論ずることはできないだろうと思うのであります。  第二に、このリクルート疑惑が、キャピタルゲイン課税を中心にして不公平税制実態国民に明らかにしつつあります。特定者たちが特権的に巨額の利益を得るような未公開株譲渡、売買に税金がかからない、創業者なるがゆえをもって百五十億円に近い売却所得を得ながら、これが非課税のまま放置されるというようなことを決して国民は許さないだろうと思うのであります。こういう問題について、その真相を究明して不公平税制実態を明らかにすることが重要だと考えております。  三番目には、消費税を論じようとするならば、その前に、竹下さんの前任者であります中曽根さんが選挙公約を通じて国民を欺いた責任を清算しなければならぬのであります。このことがそのままになって、いかに竹下さんがつじ立ちされようとも、さらに聞く人はないだろうと私は思うのであります。もしこのことを清算しておやりになるというならば、国民に信を問うて、その責任のもとにつじ立ちをなさるべきだと思うのであります。  私は、そのような立場に立ってこれから質問をしたいと思うのでありますが、今私が申し上げたことについて総理に御意見があれば伺っておきたいと思います。
  8. 竹下登

    国務大臣竹下登君) まず最初は、リクルート問題についての御見解でございます。  いわゆるリクルートコスモスの問題につきましては、株式公開に至るプロセスが投資家保護及び公正な証券取引の確保といった見地から適切な規制のもとに置かれていたかどうか、こういう法的な問題が一つございます。これにつきましてはいろいろ部内で調査等を行っておるところでありますが、それ以上に、やはりいわゆるリクルート社が保有しておりましたリクルートコスモス社株式あるいはリクルートコスモス社の増資における第三者割り当て、そういうものが経過的に政治家ないしその関係者に渡っておったという事実、これは私を含めて。この政治的、道義的問題ということがより重要であるという見地からのお尋ねではなかろうかと思います。  この点につきましては、それは政治家個人個人がまさに李下に冠を正さずという心構えで、よしんばそれが純粋な経済行為であったといたしましても、例えば私に限って申しますならば、まことに軽率であったという批判は免れないというふうに私自身感じておるところでございます。したがって、個々の考え方について正さなければならない課題であるというふうに考えるわけでございます。  それから、選挙公約の問題でございますが、いろいろな本院における議論あるいは選挙の際の発言というようなものに基づきまして、昨年いろいろ工夫していわゆる売上税というものの成案を得て国会へ提出し、結果としてこれが廃案になった。まずその反省の原点に立ちまして、どうしたら国民にその仕組み、構造等について理解を得られるものかということからして、精いっぱいの努力を重ねて今般提出いたしておりますのが税制改革法全体の内容である。したがって、御審議の中において正すべきは正し、私どもに対してもまた叱咜鞭撻を与えていただきたい、このように考えておるところでございます。
  9. 久保亘

    久保亘君 李下に冠を正さずというのは、疑われるようなことをしないということでありまして、今回の場合は、あなたも認められているように、そういうことをなさったんですから、李下に冠を正さずという言葉は正しくない。この際、大蔵省リクルート問題に関する調査の結果を詳細に御報告いただきたい。
  10. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 昭和五十九年の十二月に株式会社リクルートコスモスが行いました同社所有環境開発株式会社、それがその後昭和六十年三月にリクルートコスモス社に社名変更したわけでございますが、その株式売却につきましては、これが証取法四条一項に規定されております「売出し」に該当するかどうかといった観点から現在大蔵省事情を聴取しておるところでございます。  これまでの調査によって判明いたしました売却状況を申し上げます。  五十九年十二月に株式会社リクルートは、当時税引き前利益の伸びを二けたを目指していたわけでございますが、そこで減益となるおそれがあるといったことから、決算対策上の観点から環境開発株式会社株式売却するということにいたしまして、二回に分けまして合計七十六名に対しまして、一株五十円額面に換算いたしまして大体千 二百円で売却をいたしております。第一回と第二回のを合わせまして売却額は総額で十五億七百二十万円でございまして、売却株数は十二万五千六百株でございます。売却に伴う払い込みは十二月二十日から十二月三十一日の間に行われております。なお、第一回と第二回のそれぞれの売却人数は五十名を下回っております。  これらの事実関係のうち、株式会社リクルートの行いましたリクルートコスモス社株式売却それ自身は証取法に触れるものではございませんけれども、買い受け人が合わせまして七十六名であったといったこともございまして、この売却証券取引法上に言いますところの売り出し行為に該当し、したがいましてその場合、証券取引法四条第一項の届出書の提出を必要とするものであったかどうかといったことにつきまして現在引き続き事情を聴取、調査しているところでございます。
  11. 久保亘

    久保亘君 四条に抵触するかどうかを長期間かけて大蔵省として判定できないのはどういうわけですか。
  12. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 今申しましたように、株式会社リクルート決算対策上、利益補てんのために昭和五十九年十二月中旬に同社決算見通しに基づきまして第一回目の売却を行うことを決めたわけでございますが、下旬にもう一回同社決算見通しを再確認したところ、さらにそれが悪化しているといった状況が判明いたしましたために第二回目の売却を行ったのでございまして、二回の売却は別々の行為であるというふうにリクルートコスモス社の方は主張しているわけでございます。  一方、リクルート社株式売却意思決定が二回に分けて行われているといったことは事実でございますし、その間の事情について同社の主張というのはある程度理解できないではない点はございます。  また、払込日が短期間とはいえ別々であるといったことが認められるわけでございますが、他方におきまして、第一回目と第二回目の売却価格同一の千二百円であるといったこと、第一回目と第二回目の払込日が、先ほど申しましたように、十二月二十日から三十一日と非常に近接しているということ、それからまた、株式会社リクルート決算日が十二月三十一日でございまして、決算対策という観点から、遅くとも十二月三十一日までに払い込みを行うように要請しているといったふうなことから見れば、第一回目と第二回目の売却人数が合わせて七十六名であるといったことも勘案いたしますと、第一回目の売却と第二回目の売却は一体として同一のものではないかというふうなことに該当する可能性が強いというふうに考えられますけれども、この辺の事情につきましては引き続き調査いたしますとともに、証取法四条第一項の法令適用上の諸問題についてもいろいろ現在検討しているといった状況でございます。
  13. 久保亘

    久保亘君 余りなめた答弁をするんじゃないよ。今までこの問題が発生してからどれだけ期間がたっていると思う。そういうことも判定できないで大蔵省証券局の仕事が勤まるのかね。  第一回と第二回が何人ずつか言ってごらん。
  14. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 意思決定のベースによりますと、第一回目は三十九名、第二回目が三十七名でございます。
  15. 久保亘

    久保亘君 江副氏は百人にお願いをして七十六人に引き受けてもらったと新聞社のインタビューで答えておるんです。わかり切ったことじゃないの。どうして証取法四条に基づく適切な届け出リクルートに対して求めないんですか。
  16. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 問題は、第一回目と第二回目が同一行為認定できるかどうかといった点でございます。リクルート社のいろいろ内部意思決定あるいはリクルートコスモス社における意思決定を見ますと、形式的には二回に分けて行われているという事実がございます。それから払い込みもばらばらであるという事実がございます。  実は、証取法四条について届出書が提出されなかったケースというのは、今まで実際の実行行為といいますか意思決定行為は一回であったわけでございまして、二回に分けて行われたというケースは実はこれが初めてであるといった問題が一つございます。  それからもう一つは、仮に証取法違反だと認定いたしました場合におきましても、今回のケースはいわば三年間の時効が成立しておりますし、届出書につきまして、これは我々、もし認定した場合には提出してもらうことが望ましいと考えておりますけれども、これについて届出書を提出すべき旨の法令上の権限を持っていないわけでございまして、そういった意味ではある程度行政指導によらざるを得ないと、こういったふうな事情もあるわけでございます。  そういったことから、第一回目と第二回目の売り出し状況といったものが、具体的に果たして二回と見るものか一回と見なし得るものかといった点については、さらに相手方の事情等について引き続き調査している。と同時に、法令適用上の問題についても、先ほど申しましたように、どう考えるかといったことについていろいろ研究しているといった段階でございます。
  17. 久保亘

    久保亘君 リクルート実質責任者である江副氏から事情を聞きましたか。
  18. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 江副氏につきましては入院中という御事情もあるようでございまして、私ども江副氏から直接事情は聞いておりません。しかしながら、私どもこの事実認定に必要な事実関係につきましては、会社責任者の方から十分な資料は提供していただいているというふうに思っております。
  19. 久保亘

    久保亘君 この譲渡実行責任者江副氏だ。それをあなた方は、本人に聞かずにおいて、そしてこれはどうも証取法にも該当しないのではないかというような判断を持つということはおかしいじゃないですか。
  20. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 株式会社リクルートにおける意思決定役員会取締役会において行われているわけでございまして、やはり機関として行われているわけでございますので、そのリクルート社から必要な事情を聴取するということでございます。
  21. 久保亘

    久保亘君 代表取締役である江副氏に事情を聞かずにどうして――これは該当するかどうかわからないからといって、実際は大蔵省としてはこれをやみの中に葬ろうとしておるんじゃないのか。そういうことは我々は許すことはできない。当然、四条に該当するなら、さかのぼってそれに基づく届け出を求めるべきだ。
  22. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 現在、私どもリクルート社はシロであるという認定を持っているわけではございません。むしろ疑いを持って調査しているわけでございます。まだその疑いにつきまして十分な結論が得られていないという状況でございます。  それから届出書の点でございますけれども、先ほど申しましたように、法令届出書を提出させるという権限は実は証取法に書いてございません。したがいまして、もし疑いにつきましてこれが違法であるというふうに仮に認定いたしました場合におきましても、届出書を提出させるかどうかということは、いわば行政指導によらざるを得ないというのが実際の法令上の制約であるということでございます。
  23. 久保亘

    久保亘君 もし届出書を提出させるということになれば、省令に基づいて見るならば、当然に引受人の概要を届出書に添付しなければならないようになっておりますね。
  24. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) リクルートコスモス社店頭登録しました時点におきましては、証取法第二十四条第二項の規定によりまして「有価証券報告書」というもの、届出省令第四号様式でございますが、これを提出することになっておりまして、これは提出されております。この報告におきましては、御指摘の引受人氏名または名称等事項を記載することは求められていないわけでございます。したがって、昭和六十一年に店頭登録 しましたリクルートコスモス社の場合におきましても、これらの事項は記載されておりません。  なお、今お話がございました引受人名前を書かなきゃならないケースは、これは株式の募集または売り出しのときにおきましてこれを行う必要があるわけでございますが、リクルートコスモス社の六十年におきますところの店頭登録でございますが、これはいわゆる分売という方式で行われました。この分売という方式におきましては、これは必ずしも均一条件で不特定多数の者に売るという場合の均一条件に該当しないといった法律上の問題がございますので、これにつきましては届出書は提出されていない。したがって、引受人氏名または住所というものは、届出書が提出されていない以上はこれは書いてないということでございます。
  25. 久保亘

    久保亘君 これは店頭公開のときじゃなくて、今、四条の問題を言っているのは五十九年の問題でしょう。
  26. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) これは株式会社リクルートが自分の持っております株を売却するわけでございまして、引受人はございません。ございませんので、これについては引受人名前は記載するわけにもまいらないし、記載する必要もないということでございます。
  27. 久保亘

    久保亘君 それでは、五十九年にリクルートがコスモスの株を譲渡するときには、その売り出しについては何も届け出る必要はなかったということですか。
  28. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 仮に「売出し」に該当するといたしました場合には、リクルート社から発行会社であるリクルートコスモス社に対しまして届出書を提出することを要請いたしまして、リクルートコスモス社の方からこれは提出してもらう、こういうことであるはずでございます。
  29. 久保亘

    久保亘君 大蔵省というのは、こういう疑惑のある問題についても企業の立場を守るということがあなた方の仕事になっているのかね。今の答弁は、一貫していかにして隠ぺいするかということに終始しているじゃないか。そんなことを我々認めるわけにはいかぬ。しかも、江副氏自身について何にも聞いていないじゃないか。どうしてそういうことが言えるんだ。
  30. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 繰り返しになりますけれども、この株式売却というのは、リクルート社がその会社利益が減るということのため、その利益を補てんする目的のために会社として行ったものでございまして、その会社としての行為調査するわけでございます。したがって、江副さんにつきまして事情聴取できればそれはそれにこしたことはございませんけれども江副さん自身が入院中という御事情もございますので、会社として責任ある方から必要な事情調査しているということでございます。
  31. 久保亘

    久保亘君 江副氏はコスモスの方の会長でもあったはずです。そういうような大蔵省の態度がこの疑惑をますます深める原因になっていることを私は強く指摘しておきたい。  それから、大蔵省にもう一つ聞きたいのは、ファーストファイナンスがこの七十六人のうちの数十名に融資をしたという実態については御調査になっておりますか。
  32. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 先ほど申し上げましたように、この株式売却は十二月三十一日に決算期を迎えるリクルート社決算対策として行われたと。したがいまして、十二月三十一日までに払い込みが行われるということをリクルート社は要請していたようでございます。そういった意味で、その当時勧誘されてその株式を買うことを引き受けられた方のうちの一部につきまして、リクルート社からファーストファイナンスという会社に対しまして融資を行い、そこで払い込みを行ってもらったというふうなことは事情聴取しておりますけれども、それが何人であるかとかどういう方であるかということについては存じておりません。
  33. 久保亘

    久保亘君 融資条件や人数について聞かずに、何を聞いたんですか。
  34. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) つまり、均一条件に該当するかどうかという一つのポイントといたしまして、払込日というのがあるわけでございます。したがって、私ども払込日を確認したということでございまして、払込日を確認する段階におきまして、それが遅くとも十二月三十一日までに行われたというその事情を聞く過程におきましてそういうことを事情聴取したということでございます。
  35. 久保亘

    久保亘君 それじゃ、七十六人の確認、第一回三十九人、第二回三十七人という確認は何によってなされましたか。
  36. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) まず、リクルート社から事情聴取した結果、七十六名ということの供述を受けておるわけでございます。  さらに、リクルート社から事情聴取した結果によりますと、同社が五十九年十二月十九日の取締役会におきまして第一回目の売却を決定しております。それから続きまして、その第一回目の売却だけでは決算が十分じゃないということで、さらに第二回目の意思決定をしておるわけでございますが、この意思決定は十二月二十七日の取締役会で行われているという事情がございます。さらに環境開発株式会社、これは先ほど申し上げましたリクルートコスモス社とその後名称を変更しておるわけでございますけれども、その定款におきましては、その当時同社は非公開会社でございまして、その株式譲渡につきましては取締役会の承認が必要である、こういうことになっておりました。  したがいまして、その株式会社リクルートが行いました売却意思決定に対応いたしまして、環境開発株式会社につきましても株式売却につきまして、第一回目につきましては五十九年の十二月二十日でございます。第二回目につきましては五十九年の十二月二十八日でございますが、それぞれ株式譲渡を承認するという取締役会の決議をいたしております。そこで確認いたしております。
  37. 久保亘

    久保亘君 相手の供述によって確認したというなら、リクルートがそう言ったということで、あなた方は七十六人を確認されていないじゃないですか。どうして七十六人だと言えるんですか。
  38. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 環境開発株式会社取締役会の議事録で確認いたしております。
  39. 久保亘

    久保亘君 議事録で確認されたのならば、その議事録に引受人名前は出ていませんか。
  40. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 議事録の中で、七十六名のリストについてはリクルート社からは提出されておりません。
  41. 久保亘

    久保亘君 それを求めなければ確認できないじゃないですか。
  42. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 七十六名ということにつきまして、第一回目が三十九名、第二回目が三十七名でございまして、それについては既に人数は確認されているわけでございます。  そもそも、証券取引法の第四条の規定というのは何のための規定かと申しますと、均一条件で不特定多数の者に株式売却するあるいは募集するといった行為の場合には、投資家保護のために一定の届出書を出す、あるいは株式を買う人に対して目論見書を交付する、こういう何といいますか、投資家保護のための規定でございまして、それがだれであるか、その買い受け人がだれであるかということにつきましては、証券取引法四条はこれは必ずしもそういうことまで調べることを目的としていないわけでございます。したがって私どもとしては、人数が合わせまして七十六名である、つまり私どもの行政基準でございます不特定多数の五十名を超えるかどうかといったことが確認できれば足りるわけでございまして、あえてその先の固有名詞がだれであるかといったことは、私ども調査の目的の範囲を超えているというふうに考えております。
  43. 久保亘

    久保亘君 通常の場合はそうでしょう。しかし、今度の場合には、四条に違反するかどうかをあなた方は調査されているんだ。それならば、必要な書類の提出を求めて調査をしなければわから ぬじゃないですか。責任者にも来てもらって聞かなきゃわからぬじゃないですか。そういうことをあいまいにして、そしてできることならば、この問題についてもう疑惑にふたをしてわからぬようにしようという気持ちが大蔵省の中にあるんじゃないですか。
  44. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 私どもが行っております調査は、証券取引法四条に違反するかどうかといったことについての調査でございます。そういった意味では特に不特定多数、つまり私どもの行政的な慣行からいいますと五十名という人数が一つの基準になっておるわけでございますが、第一回目及び第二回目の売却がそれぞれ何名程度に対して行われたか、あるいは第一回目と第二回目が同一のものと判断するかどうかといった問題に関連いたしまして、第一回と第二回の売却が五十名を超えるかどうかといった人数の点がポイントでございまして、だれが一体何株お買いになったかというそういった個別の固有名詞その他につきましては、調査の目的とはややかけ離れている点があるということでございます。
  45. 久保亘

    久保亘君 大蔵省調査は、このリクルート疑惑真相、また証券取引法上の違反があったかどうかということをただそうという姿勢ではない。それならば、大蔵省ができないのならば、我々自身がここでそのことをやらしてもらわなければならぬ。  次に、私はもう一つ住宅都市整備公団についてお尋ねしたい。  住宅都市整備公団は、五十五年の三月にかわさきテクノピア堀川町に明治製糖から用地を取得し、その後この用地をリクルート譲渡いたしておりますが、その間の経緯について御報告をいただきたい。
  46. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 今お話しのございましたように、この土地につきましては五十五年の三月に明治製糖から公団が取得したものでございます。  この土地の利用につきましては、川崎市の意向もございまして、川崎駅周辺における市の整備計画に合わして利用することとしておったのであります。その後昭和五十八年の十月に至りまして、川崎市は川崎駅西口地区都心整備構想を発表し、この用地一帯は商業業務施設と住宅により構成される複合市街地として位置づけられたのでございます。その後川崎市は公団に対しまして、昭和五十九年八月には東芝につきまして、また同年十二月にはリクルートにつきまして、それぞれ業務施設の導入に協力してほしい旨の要請があったわけでございます。  公団といたしましては、先ほど申しましたように、取得のときのいきさつ、並びに再度川崎市からの要請もあることを考慮いたしますとともに、公団の利用地として隣接の興和不動産所有地の一部を取得することができましたので、市の要請にこたえて川崎駅西口地区整備の推進に協力することとし、昭和六十年四月に東芝及びリクルートにこの土地を譲渡したわけでございます。
  47. 久保亘

    久保亘君 最初の明治製糖からの取得のときの目的は何ですか。利用目的は何でお買いになったんですか。
  48. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 五十五年の三月にこの明治製糖の土地を買う場合に、川崎市に当公団としては照会をしているわけでございます。その際に、川崎市といたしましては駅周辺の再開発整備に協力してもらいたい、そのためにこの用地を買っておいていただきたい、こういうお話があったわけでございます。したがいまして、当時といたしましては住宅並びに業務施設用地にする予定でこの土地を買ったわけでございます。
  49. 久保亘

    久保亘君 よくわからぬことがあるんだけれども、とにかくそのことで川崎市が何に使うか決めるから住宅都市整備公団で買って持っておいてくれ、こういうことだったんですか。
  50. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 当公団が用地を取得し、仕事をする場合には、川崎市等それぞれの公共団体の意見を聞くことになっております。その意見を聞いた場合に、川崎市が将来駅周辺の再開発をするから公団としても買っておいてくれ、こういうお話もあったわけでございますし、公団といたしましても、市の都市開発あるいは住宅建設に協力するのが任務でございますから、両方の意見が一致してこの土地を買った、こういうことでございます。
  51. 久保亘

    久保亘君 公団は、利用目的がはっきりしなくても土地を取得して保有することも仕事になっておりますか。自己目的は何ですか。
  52. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 利用目的なしに買うということはまず考えられません。したがいまして、この土地につきましては、ただいまも申し上げましたように、市の都市整備計画に協力するための種地として使う、こういうことで買ったわけでございます。
  53. 久保亘

    久保亘君 幾らで買いましたか。
  54. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 土地の価格につきましては、相手方のプライバシーの問題、あるいは今後公団が用地を取得する場合に値段を公表しますと買いにくくなる、こういうような点がございまして、従来からこのようなことにつきましては答弁を差し控えさしていただいていたわけでございますが、特に委員会においてお尋ねがございましたものですから、本日はその点を申し上げたいと存じます。  まず、明治製糖から取得した土地でございますが、昭和五十五年三月三十一日に当公団といたしましては二万八十七・七七平米、総額四十九億三千三百五十五万円、平米単価で二十四万六千円でございます。
  55. 久保亘

    久保亘君 その後これが譲渡されるときに、東芝については、全体の中で道路用地その他との交換の関係もあって、川崎市が相談をされたということはよくわかりますが、五十九年十二月、ちょうど株の譲渡が行われたそのとき、リクルートについて業務施設導入に協力をということを川崎市からどういう形で求められましたか。
  56. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 川崎市からは十二月に、この土地を業務地域としたい、リクルートがその進出の希望を持っておるからひとつ協力してもらいたい、こういうことで公文書が参りまして、それに従いましてリクルートにも譲渡したわけでございます。
  57. 久保亘

    久保亘君 公文書の発信者はだれですか。それから公文書の内容をちょっと読み上げてください。
  58. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 公文書が参りましたのは五十九年の十二月七日でございます。発信者は川崎市長の伊藤さんでございます。相手方は当公団の関東支社長の川原井君でございます。  内容につきましては、長くなりますが、概略だけでよろしゅうございますか。――概略について申し上げますと、既に西口駅前広場整備との関連も含めて貴公団に対し株式会社東芝の業務施設の導入をお願いしているところでございますが、さらにこの地区の整備計画を推進するため、情報機関の導入を強く希望しているところであります。その一環として、情報産業を主とする株式会社リクルートから整備計画に参加したいという意向が出され、本市としても西口の業務地区整備を進める上で好ましいものと考えております。つきましては、貴公団所有地の利用につきまして当趣旨を御理解の上御協力をお願いしたいと存じます。こういうことでございます。
  59. 久保亘

    久保亘君 公団はリクルートに対してこれ幾らで譲渡しましたか。
  60. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) リクルートに対しましては六十年の四月二日、五千六百六十八・二三平米、総額三十五億五千三百九十八万円、平米単価は六十二万七千円でございます。
  61. 久保亘

    久保亘君 公団は、このような土地を買い占めてトンネルで渡すというようなそういう地上げの仕事もおやりになるんですか。
  62. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 先ほどから申し上げておりますように、当初明治製糖から購入した場合には、市の都市整備計画に協力するために買ったわけでございます。したがいまして、それを市の計画で定められた都市整備計画に譲渡するというこ とはあり得ることでございまして、決して我々はこれを地上げとは考えていないわけでございます。
  63. 久保亘

    久保亘君 それでは、公団自体はここに一つの自己目的を持っていたはずです。だから、リクルート譲渡する土地のすぐ隣に、リクルート譲渡するかわりに興和不動産という不動産屋から土地を購入したはずですが、この土地の購入の価格は幾らですか。
  64. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 興和不動産から買収いたしましたのは昭和六十年一月二十六日でございまして、その面積は六千八百四十一・九六平米、価格は二十七億三千六百七十八万円、単価は四十万円ちょうどでございます。
  65. 久保亘

    久保亘君 自分の所有した土地を売って、そして新たにまたそこに土地を買うという事情は私どもにはよくわかりにくいんだけれども、川崎市からリクルートにどうしても譲ってくれという非常に強い要請があったわけですね。
  66. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 川崎市の駅の周辺の整備計画につきましては、当公団も参画して川崎市と一緒にいろいろと検討をしていたわけでございます。その中で、この地区につきましては情報産業あるいは近代的な研究施設の整備をする、こういう結論に達したわけでございまして、リクルートがこれに適しているということで川崎市からの要望があったわけでございます。したがいまして売却した、こういうことでございます。
  67. 久保亘

    久保亘君 リクルートに六十二万で売って、そして四十万の土地をすぐ隣にちょっと広い面積を買った、こういうことなんですが、その当時、この付近の土地の値段というのは幾らぐらいだったんですか。
  68. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 土地の値段といいますのは非常に難しいわけでございまして、当時のこの辺の地価公示を見ますと五十一万五千円ぐらいになっています。しかし、今先生のお話しのございましたように、リクルートが六十二万七千円で、買った興和不動産が四十万円ではないか、こういうことでございますが、これにはいろいろのいきさつがございます。  と申しますのは、道路用地をどれだけ無償で川崎市に提供するか、こういう問題があるわけでございます。リクルート分につきましては、公団が大部分の用地を提供した後で売ったわけでございますから六十二万七千円になっております。それから、興和不動産につきましては、興和不動産から取得した後に無償で川崎市に当公団が用地を出しました関係上四十万、こういう形になっているわけでございます。
  69. 久保亘

    久保亘君 要するに、ちょうど株式譲渡が行われたその時期に、これは川崎市の前助役がかかわっている問題でありますが、そういう時期に住宅都市整備公団の土地をぜひリクルート譲渡してもらいたい、こういうことになって、住宅都市整備公団は五十五年に買った土地をトンネルでリクルートへ渡した、こういうことで、その間の事情はこれはリクルート側にも少し尋ねてみなければならぬ問題だと思っております。  もう一つ、多摩ニュータウンの豊ヶ丘三丁目五番地の用地を、新都市開発法ですか、それに基づいて整備をされた住宅都市整備公団がリクルートコスモス譲渡されたいきさつをお伺いしたい。
  70. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 当公団が実施しておりますニュータウンにおきましては、住宅需要の多様化に対応するとともに、ニュータウンの早期完成を図るために政令を改正していただきまして、昭和六十年度より民間デベロッパーに宅地を分譲し、その上に分譲住宅をつくってもらって民間個人に分譲する、こういう制度をつくったわけでございまして、六十二年度までの三年間で四十四件、六十五ヘクタールの土地を既に売却しているわけでございます。  多摩ニュータウンにつきましても、この民間デベロッパー向け分譲事業を実施することといたしまして、多摩市豊ヶ丘地区及び稲城市向陽台地区におきまして、三地区について昭和六十一年十二月に民間デベロッパーの募集を行ったのであります。これに対しまして、昭和六十二年二月二十七日から三月六日まで申し込み受け付けを行いまして、三敷地のうち多摩市豊ヶ丘地区の土地につきましてリクルートコスモスほか十一社の申し込みがあり、昭和六十二年の四月に審査、選考の結果・リクルートコスモス社を譲り受け人とすることを決定し、処分計画について建設大臣の認可をいただきまして、六十二年五月、土地の譲渡契約を締結したものであります。その面積は二万一千五百三十・七二平米でございまして、譲渡代金は四十六億七千二百万円、平米当たり単価は二十一万七千円となっております。
  71. 久保亘

    久保亘君 十二社の応募に対してリクルートコスモスが公団によって選定をされたその根拠は何ですか。
  72. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 民間デベロッパーに宅地を分譲いたします場合には、申込要綱に定める書類を提出していただきまして、それを審査して決めるわけでございますが、その中で最も重要なことは、その事業計画がどうなっているかと、こういうことでございます。そのほか、その事業を遂行する能力があるか、技術力があるか、資金力があるか、こういうことを検討するわけでございます。この検討はそれぞれの、この場合におきましては南多摩開発局長にその権限は任せてあるわけでございまして、南多摩開発局におきましては、関係課長から成る幹事会におきまして厳密にこれを審査し、さらに全部長の入った委員会におきまして審査をして決定しているわけでございます。
  73. 久保亘

    久保亘君 コスモスが最もその能力があるという判断をされたということでありますけれども、この公募が行われる前の月に、リクルートコスモスは都市開発部を設置して大規模開発、市街地再開発を本格的に開始したというふうに聞いておりますが、そのとおりですか。
  74. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) その辺につきましては私どもは存じ上げておりませんが、リクルートコスモスからは、はっきり記憶しておりませんが、この一年ぐらい前にも港北ニュータウンにおきまして同じような応募がございましたが、そのときは不合格になっております。
  75. 久保亘

    久保亘君 私が今言ったのは、リクルートコスモス有価証券報告書に書いてあるんですよ。「六十二年の一月に都市開発部を設置、大規模開発、市街地再開発を本格的に開始した」、こう書いてあるんです。そしてその翌月、あなたの方は公募されたわけだ。どうしてリクルートコスモスが最も実績があり、そして適当だという判断が行われるんですか。
  76. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) その計画の内容につきましては、幅広い年齢層の安定的居住に適し、今後の高齢化社会にも十分対応できる計画としていること、住居構成については、二世帯同居、隣居・近居型など、多様なバリエーションを持たしていること、カルチャー機能や健康増進機能を備えたコミュニティー施設、二十四時間セキュリティーサービス、全戸エレベーターサービスなどを計画している、これらの点を勘案して決めたわけでございます。  なお、リクルートコスモスにつきましては、既に昭和六十年度におきましてマンションの建設戸数におきましては業界第二位になっております。その後も、六十一年、六十二年とやはり第二位になっておるわけでございます。
  77. 久保亘

    久保亘君 建設戸数が第二位ですか。
  78. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 発売戸数でございます。
  79. 久保亘

    久保亘君 違うじゃないか、建設戸数と……
  80. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 言い間違いました。発売戸数でございます。
  81. 久保亘

    久保亘君 もともとリクルートコスモスというのはマンションの仲介売買業をやっておったんだよ。それで発売戸数は九位から二位に、これはどういう事情か知らぬが、急激に伸びるんだ。自分がそういう都市開発のところに建設してやるという仕事はそんなにやっていたわけじゃないんだ。だから、あなたの方は、建設戸数が多いからというようなことでリクルートコスモスを選んだとすれば、それは違うんじゃないか。
  82. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 別に建設戸数が多いから選んだと申し上げているわけではございません。一つの参考として申し上げたわけでございまして、その前に申し上げましたように、資力、信用あるいは計画の達成能力が十分ある、こういうことを判断してやっているわけでございまして、現実にリクルートコスモスは現在多摩ニュータウンで工事の建設中でございますが、今までのところ何ら支障は起こっておりません。
  83. 久保亘

    久保亘君 支障が起こったら、あなた今ごろそんなところにおられぬよ。  リクルートコスモスが十二社のうちで最もすぐれた譲り受け人だということで判定をされたということですが、参考までに十二社の企業名をちょっと御報告いただきたい。
  84. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) この十二社につきましては、やはり不合格になった者でございますから会社の名誉にも関することでございまして、答弁は差し控えさしていただきたいと存じます。
  85. 久保亘

    久保亘君 今あなたは、一年前にリクルートコスモスは不合格になったということをここで言われたじゃないですか。
  86. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) ただいま申し上げましたように、発表すべきことではないと私は存じますが、たっての御質問でございますから、これは会社の了解をとってないから、後で私が会社に謝ることといたしまして御答弁申し上げます。  十二社を申し上げます。リクルートコスモス、三菱地所、清水建設、有楽土地、興和不動産、積水ハウス、中銀マンション、伊藤忠商事、近鉄不動産、新日鉄、相互住宅、ダイア建設の十二社でございます。
  87. 久保亘

    久保亘君 その技術力や資金力や実績その他からいって、リクルートコスモスがこの十二社の中で最もすぐれているという判断になるのはどういうわけですか。
  88. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 先ほども申しましたように、技術力、資金力等はそれを行う能力があれば足りるわけでございます。したがいまして、今までも四十四社につきまして既にやっているわけでございまして、これがすべて一番資金力、技術力がすぐれたところにやっているわけじゃございませんで、大体四十四社の場合に、ダブっている場合もございますけれども、何十社かに分かれているわけでございます。  そういう点から申しますと、やはりその場所に最もふさわしい計画であるかどうかということが一番の問題になるわけでございまして、あとは実行する能力があれば足りると、このように考えております。したがいまして、協同組合等にもこれはやってもらっておるわけでございます。したがって、ここではリクルートコスモスが一番その設計がよかったと、こういうことでございます。
  89. 久保亘

    久保亘君 どうしてこういうものについて住宅都市整備公団は入札という最も民主的な方法をおとりにならないんですか。川崎の土地の譲渡にしても、川崎市の要請でその業者が指名されてくる、こういうようなことになっているのはどういうわけですか。
  90. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 私もそれは非常に貴重な意見だと思っております。したがいまして、中でそのようなことをやろうと検討したこともございます。しかし、新住法の規定によりまして入札はできない、一番いい計画の者に選考でやらなきゃならない、こういうぐあいに書いてあるものですから、その選考でやっているわけでございます。
  91. 久保亘

    久保亘君 それでは、平米二十一万七千円で譲渡されたこの豊ヶ丘の土地というのは、相場はこの譲渡の時点において幾らですか。
  92. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 四月に譲渡しているわけでございますが、そのときのずばりの値段はございません。  ただ、地価公示を見ますと、六十二年の一月一日現在でございますが、その近くの点が二点ございますけれども、これは一点は平米当たり二十二万五千円、もう一点は二十五万円となっております。ただし、これは戸建ての住宅の地価公示でございまして、我々がリクルートコスモスに売りました地域は二万平米以上という大規模な宅地でございますから、細街路その他が要らないわけでございます。通常、大規模の宅地の売買価格は戸建ての住宅地の売買価格の三割安というのが相場でございます。
  93. 久保亘

    久保亘君 それでは、このリクルートコスモスに対して譲渡された土地の支払い条件とかそういうものほどうなっておりますか。
  94. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) すべて支払いは完了いたしておりますが、三回に分けて一年間で支払われております。
  95. 久保亘

    久保亘君 全部支払いは完了しているんですか。間違いありませんか。
  96. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 間違いございません。
  97. 久保亘

    久保亘君 契約時点においてはそうではありませんでしたね。
  98. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 今御答弁申し上げましたように、三回に分けて一年間で……
  99. 久保亘

    久保亘君 それは契約ですか。
  100. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) それが契約でございます。利子はいただいております。
  101. 久保亘

    久保亘君 私のところにことしの八月二十日に発行されたあの土地の登記書があるんですが、これでは十年間の買い戻し特約をつけて譲渡されておりますね。
  102. 丸山良仁

    参考人丸山良仁君) 新住法の規定により、工事をする場合には収用権まで発動して土地を買収するわけでございます。したがいまして、勝手に売られては困るわけでございますから、売り払うときには、個人に対しましても同様でございますが、十年間の特約をつけまして、もし違反があった場合には当公団で買い戻すことにいたしております。
  103. 久保亘

    久保亘君 この住宅都市整備公団とリクルート並びにリクルートコスモスとの関係についても、私どもとしては、川崎市の要請に基づいて住宅都市整備公団が土地のトンネル譲渡の役割を果たしているということ、また多摩ニュータウンにおいては入札によらずこの十二社の中から、歴史的に言うならば、かなり実績に乏しいリクルートコスモスが公団の指名を受けたというようなことについて、ちょうどコスモスの株が七十六人に譲渡されたと言われるその時期に川崎の堀川町の土地が譲渡されております。そして、店頭公開されたその直後に多摩ニュータウンの公募が行われ、リクルートコスモスが指名を受けております。  こういうことで、私どもとしてはこの点についても、総裁は御存じないかもしれませんが、この株式譲渡売却等の経過とあわせていろいろ調査をさしていただきたいと思うのでありまして、この点についてもリクルート側の証言がぜひ必要であろうと考えております。  きょうは事実についてお尋ねいたしましたので、総裁に対する質問はこれで結構です。  次に、総理にお尋ねをいたしますが、総理は本会議並びに衆議院予算委員会において、国民感情として割り切れないものがあるという批判についてはこれをしっかり受けとめなければならない、私自身の問題も含めてそのように受けとめているという御答弁でございますが、国民感情というのはどういうことを言っておられるのか、それからあなたの考えておられた国民感情は、これまでの国会審議を通じて割り切れたのか割り切れていないのか、その点をお尋ねしたいと思います。
  104. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私は、国民感情という言葉を使いましたのは、いわゆる勤労による所得というようなものとかけ離れたところにおきまして、言ってみれば、純粋な経済行為とは言ってみましても、それが、これは利益のあるときも損失のあるときもあるでございましょうけれども、あらかじめ値上がりを見込んだ形で勤労によらざる所得というものが大きく個人に帰着するということについての国民感情、こういう意味で申し上げたわけでございます。  したがって、それを解明するということは、結局株式譲渡益という問題について、現在の証取法上の問題からいたしますと疑わしいところはな いにいたしましても、国会とかあるいは証券取引審議会とか、そういうところで意見を聞いた上で正すべきは正すべきものであろうというふうな考え方で申し上げたわけでございます。
  105. 久保亘

    久保亘君 通産大臣、あなたは高知の記者会見でこの問題について御発言になっておりますが、あのときあなたのおっしゃった意味をもう一遍お聞きしたいと思います。
  106. 田村元

    国務大臣(田村元君) 詳しく覚えてはおりませんけれども、私も事件の内容を全然知りませんから断定はできませんが、違法行為ではないかもしれないけれども、まあ庶民感情から見れば不当な行為というふうに見るんだろうな、庶民から見れば、何と申しますか、自分たち以外のところでいい話もあるものだというような感情を持つだろうと。率直なことを言って、私はそのときに感じた感想、ということは事件の内容を知りませんから、また知っておっては困るんですけれども、全然知りませんので、気楽に私の庶民的感覚という点での感想を述べた、こういうことです。
  107. 久保亘

    久保亘君 目的によっては、江副氏が目的を持っていたとすればこれは汚職と言わなきゃならぬ、こういうことをおっしゃったんじゃないですか。
  108. 田村元

    国務大臣(田村元君) 江副さんという方が実際に思惑を持ち、何らかの具体的な請託でもあれば実質的に汚職のようなものになるかもしれませんねというような意味で申し上げました。  ただ、それはあくまでも仮定の問題ですから、江副さんにそういう意思があったのかあるいは請託があったのかなかったのか、これは私にもわかりませんし、中には、有名人にお祝儀のように配って、大変喜んで名刺を持って歩くというような俗に言う名刺病というのも世の中にはおりますので、一概には言えないかもしれません。
  109. 久保亘

    久保亘君 総理の答弁を聞いておりますと、どうも国民感情ということについて、あなたのところの政調会長が言っていることを上品に言われたにすぎぬのじゃないかという気がして、私は非常に不信感を持つんですが。よもや、渡辺政調会長が、あれは取引上何ら問題はないんだ、法律上何ら問題ないんだ、もうけ損なったやつというか、もうけられないやつがねたんで言っていることだ、こういうようなことを言っておられますが、国民感情というのをその程度のことでお考えになりますか。
  110. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私が国民感情という表現を使いましたのは、一般的にやっぱり勤労によってあがなったところの所得というものが一番とうといものだと。肉体労働によらず、あるいはこれは知能労働もあるわけでございますけれども、しかし私が申しましたのは、そういう努力の集積の中で行われたというのが一般的にとうといことであるのでありまして、それが値上がりということのある種の可能性というものを前提に置いて取得し売却して利益を受けたとするならば、やはり証券取引上の問題について、これは各方面の意見を聞いて正すべきは正すべき問題だというふうに申し上げたわけでございます。人がねたんでとか、そんなことを意識しておったわけでは全くございません。
  111. 久保亘

    久保亘君 それじゃもう一つ、私が聞いたことにお答えになっていない点があるんですが、あなたがそうお考えになっているような国民感情というのは、これまでの審議を通じて国民の皆さんは割り切れたんだと思っていらっしゃるんですか、今も割り切れていないと思っていらっしゃいますか。
  112. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 所得の種類にはいろいろあるにいたしましても、勤労によってあがなった報酬からすれば、やはりそうしたことについては法的整備等も行われなければいけないではないかなという国民の皆様方の考えは、そこまでは議論の中でいっておるんじゃないかな、こんな感じがしております。
  113. 久保亘

    久保亘君 とてもじゃないが、国民の皆さんはこれまでの審議で割り切れるどころか、あなた方によってこの解明が妨げられていると思っていると思うんです。そして、これは単なる国会外や政治家以外の人たちだけの問題じゃなくて、自由民主党の中でも割り切れていないんじゃないですか。  今度のリクルート事件について月刊誌が九月号にアンケートを自民党の議員さんたちに求めておりますね。その中で八十一人回答されておりますが、宮澤さん得意のノーコメントとここで答えた人が十九人ですね。それから、是認するような意味の回答をされている方が四人です。批判する立場の人が五十八人あります。  それで、その中には、予算委員会で十分に解明すべきことだと思うというのもあります。また、「常識的に考えると、リクルート問題はあきれてしまう」、これは自民党の国会議員さんの回答ですよ。それから、今党の幹部の方で、「不愉快です」と答えておられます。「事の善悪をはっきりさせるべきだ」、「国民の皆様に大きな不快感を与えたことは事実であり、たいへん遺憾です」、「政治家によりよいこと求めてもやるわけがないじゃないか」という答弁もあります。「あきれて感想もいえない。確実に金になるのに秘書がやったとか……」言うのはどういうことかと、こういう回答。これは自民党の国会議員の回答ですよ。それで、中には、これリクルートのことでしょう、「会社が下らないし、良からぬ下品な風潮です。よくありがちな」、これがくっついておりますね。それから、「他人事ながら恥ずかしいことで、政治の信用を失う困ったことだと思っています」。  きわめつきは、今は国会議員ではありませんが、秦野元法務大臣の談話であります。「まず、どこの馬の骨ともわからない奴が、そんなおいしい株を貰えるかい?貰えっこないよな。(リクルート側にしても)バカじゃない。何らかの関係がなければ、おいしい株を持っていかないよ。まして秘書にやるわけない。マスコミが怖いから、悪いことをしたように書かれそうだから、秘書や息子だと逃げる。堂々と”私は買った”と言えばいいんだ。逃げるから、後ろめたいことがあると思われるわけでね」、「貰った奴が、そう言えないことがオレには悲しい」。これが秦野元法務大臣の談話としてこのアンケートの後ろについております。  自民党のあなたの党の中でさえも、この問題については割り切れないどころか、政治の信用にかかわる大変な問題だとたくさんの人たちが答えているんですよ。こういう問題をこのまま放置していいと思いますか、総理大臣と大蔵大臣。
  114. 竹下登

    国務大臣竹下登君) やっぱり改めるべき点は改めなきゃいかぬという趣旨に沿って久保委員が御質問なされておることであり、私どももそれに対して誠心誠意改めるべきを改めることがあるかどうかについてお答えをしておるということであろうかと思います。
  115. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 一方におきまして、この問題はいわば違法ではないあるいは不正ではないという主張はこれはあるといたしましても、結果として国民の目に映じておりますことは、先ほど総理大臣の言われたとおりのことであります。私どもも反省をいたしております。  そこで、問題といたしましては、一つは、やはり証券取引法の関連のことであろうと思われます。もう一つは、税制、キャピタルゲインの問題であろうというふうに考えます。おのおの、現在の制度あるいは政府が御提案をいたしております制度改正にはそれぞれの理屈のあることではございますけれども、それだけで十分なのかということが今問題になっているのだと思います。  したがいまして、私どもとして、証券取引審議会の不公正取引特別部会におきまして今後この問題をどういうふうにしていくかを九月早々から検討していただきたいと思っております。  また、キャピタルゲインにつきましては、政府は既に原則非課税ということを改めまして源泉分離、申告分離という二つの制度を御提案申し上げておるわけでございますが、それだけであらゆる場合に十分であるか。実はこれには納税者番号等々の御承知のような問題がございますものです から、現実の行政とのバランスでそういう御提案をいたしておりますが、すべての場合にそれで十分であるかというやはり問題意識がそこに出てきていると、私どもはそういうふうに考えております。
  116. 久保亘

    久保亘君 今、総理や大蔵大臣が言われたこと、つまりこれでいいのか、株式譲渡をめぐる問題がこれでいいのか、そのことを考えなければならぬとおっしゃるならば、今度のこの問題の導火線になっているリクルート疑惑の問題をしっかりだれにもわかるように明らかにして、その上でやらなきゃいけないんじゃないですか。  この辺をはっきりさせるためには、当然のこととして譲渡した側の人にも来てもらわなければならないし、大蔵省当局のように逃げ腰にならないで必要な資料を当然相手方に求める、こういうことでなければできないんじゃないですか。
  117. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) その点は先ほど政府委員から申し上げたところでございましたが、要するに、第四条による届け出を要するかどうかということは、全体が五十名を上回っておったかどうかということでございますが、二回に分けまして三十七と三十九でございますから、おのおののケースは五十を上回っていない、しかし合計いたしますとそれは七十六になるということを申し上げておりまして、そのこと自身は、もしそれが一つの行為と考えられるようなほかの要素があれば明白に五十を上回るということでございますから、役所といたしましては、五十を上回っていることの確認があればそれで行政目的は達するわけであって、それが七十六であるか七十八であるか、だれだれであるかというふうなことは行政の目的の外にある、こう申し上げたわけでございます。
  118. 久保亘

    久保亘君 真っすぐ答弁してもらわないと、何とかかんとか言い逃れをしようということでは困る。どうしても、そういうことであなた方がこの真相国会も一緒になって徹底的に究明をして、国民の信頼を回復しようということについて決意をお示しにならないのでしたら、私はもっと聞きにくい具体的なことをお聞きいたします。  竹下総理は、元秘書の報告によれば、六十一年九月に二千株を取得し、店頭登録後に約一千万円で売却して約四百万円の利益を得た。このことは残念なことであり軽率であったことを率直に認めるべきものだと、こうおっしゃっておりますが、残念なことであり軽率であったというのは、どういうことですか。
  119. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私が申しましたのは、某新聞記者の取材を私の元秘書が受けました際に、報告を私自身が受けておりますと。その報告によりますと、今申し述べられました事実、金額等でありまして、このことはやはり自己責任に所属するものとはいえ、大変自分としても軽率でありましたという報告を聞きましたので、それは残念だったというふうに申したわけでございます。
  120. 久保亘

    久保亘君 総理大臣は非常に詭弁を弄されていると私は思うのは、インタビューを受けたときに私は報告を受けたと言われたけれども、参議院本会議のときには、まだそのことについて調査をしていないのでお答えできないと言われたはずです。そして翌日、衆議院の予算委員会で今のようなことをお答えになった。  だから、あなたはそうすると参議院のときには知っておられてそういう御答弁をなすったんですか。
  121. 竹下登

    国務大臣竹下登君) たしか、調査したかという御質問でありましたので、私は、報告を承っておりましたが、正確な数字、記録等もございませんでしたので、調査はいたしておりませんと。私の方が報告を聞いておったことは事実でございます。が、それは別に場所を選んで申し上げたというものではございません。
  122. 久保亘

    久保亘君 元秘書というのはどなたですか。
  123. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 青木伊平氏であります。
  124. 久保亘

    久保亘君 青木伊平氏はいつまで秘書をなさっておりましたか。  それから、現在、総理と仕事上どのような御関係におありですか。
  125. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私の前任者の古い衆議院議員、それから本院の議員であられた方の秘書をいたしておりまして、昭和三十三年に私が初めて衆議院に議席を得まして以来、たしか建設大臣をやめるころ、建設大臣秘書官になる前までが衆議院の第一秘書であったと。その間、内閣官房長官を二回いたしておりますので、その間は秘書官であったというふうに記憶しております。
  126. 久保亘

    久保亘君 今は。
  127. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 今日は、本人自身が会社の経営をいたしておりますが、私の古い友人でありまして、いろいろな問題について相談相手になっておるということは事実でございます。
  128. 久保亘

    久保亘君 青木伊平氏は、今も総理と御関係のある肩書を名刺にお使いになっておりませんか。
  129. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 竹下事務所という名刺を持っておるかもしれませんが、それは確認をいたしておりません。
  130. 久保亘

    久保亘君 それではもう一つお聞きしたいのは、六十一年の九月に青木伊平氏が割り当て譲渡を受けたということでありますが、六十一年の九月といえばリクルートコスモス第三者割り当ての増資などをやっていないんです。そうすると、このときあなたはある経済人からとおっしゃっているが、ある経済人というのがもしもコスモスの大株主に属すれば、これはその事実があれば店頭登録は受け付けられないはずですね。大蔵大臣、そうですね。
  131. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) 証券業協会の自主ルールによりますと、店頭登録前一定期間以前、具体的には直前の一年前の決算期以降でございますけれども、それ以前に大株主等特別利害関係者等からの株式の移動があった場合におきましては、これは店頭登録を受理しないというのが自主ルールの内容となっております。
  132. 久保亘

    久保亘君 したがって、だれがあなたの元秘書にこの株を譲渡したかということが明らかにならないと、店頭登録が証券業協会の規則に違反したかどうかが明らかにならないんです。もし違反しておれば、店頭登録について問題としなければならぬのであります。  それから、もしもリクルート関係のない経済人が譲渡したということになれば、一月後に株価が上がってもうかることがわかっている株をお渡しになったわけですから、元秘書を通してその経済人とあなたとの関係はどうだったかということを調べなければ、田村通産大臣が言われるように、これは何らかの特定の目的で譲渡されたものではないかという疑問が残るのであります。  それは、私の言っていることは無理がありますか。
  133. 角谷正彦

    政府委員角谷正彦君) まず、事実関係だけ申し上げさせていただきますが、今、久保委員御指摘の点につきまして、特別利害関係人等による譲渡制限期間内に株式移動があったかどうかにつきましては、証券業協会を通じまして調査いたしましたけれども、そのような特別利害関係人等による譲渡制限期間内の株式譲渡はなかったという報告を受けております。
  134. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 特別利害関係人であったかどうかという問題、私自身は承知しておりませんが、ある経済人からちょうだいしたという、自己責任の中でそれを処理したということは、私も事実であるという報告を受けておるわけでございます。  だれからもらったか、だれから譲り受けたかということにつきましての問題については、やはりこれは相手方に迷惑がかかってはいけませんので、新聞の取材についてもお断りをいたしましたという報告を受けたわけでございます。
  135. 久保亘

    久保亘君 それでは国民の方は納得していただけないと私は思うんですよね。だから、あなた方はどこかでカーテンを引いて、この真相の解明を妨げておられる。私は、政治家というのはもっと国民に対して大きな責任を持たなきゃならぬと思うんですね。  かつて、株で本当にもうけているのは永田町、政界のことを言っているんです。大蔵省がどんな に頑張ってもキャピタルゲイン課税なんてとても無理、兜町ではそういうささやきがあるということを新聞で見たことがございます。この記事を掲載した新聞の社長は、先日、リクルート問題の責任をとっておやめになりました。私は、この報道人が、法的責任を問われたのではないのに、報道に責めを負う者としてその社会的責任を明確にされた。最も国民責任を負うべき政治家が、言を左右にしてその責任を明らかにしない。国会責任である真相の解明にさえも協力しようとしないということは、これは国民の信頼を絶対に回復できないことだと思うんです。  どうしても、ここで私どもとしては、この譲渡にかかわった贈った側、譲渡を受けた側、その内容、ファーストファイナンスの融資の状況条件などについて明確にすることによって今度の問題を解明することができるんじゃないでしょうか。このことについては、絶対にそういうことをやるべきでないとお考えになっているんですか、大蔵大臣。
  136. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 行政官庁といたしまして、この点につきましていたすべき調査をいたしておりますことは、先ほど証券取引法四条の問題、るるお尋ねがございました問題と、それからまた、ただいま特別利害関係人がこれに関与をしたかどうかということにつきましては、証券業協会の自主規制ルールに触れることでございますから、この点はないということの確認、行政といたしましてはやるべきことはすべてそういうことでただいまただしておるというふうに考えております。
  137. 久保亘

    久保亘君 先ほど大蔵省局長たちが言っていることは、一方的に、向こうがそう言うから、ないと言っているだけじゃないですか。何にも事実を究明していないんですよ。だから、もしないと言うなら、そのことを証拠をもって示さないと我々は納得できないんです。だから、証人や資料というものがなければ、結局あなた方の答弁をもってこの問題を究明することは不可能だということは明らかじゃないですか。
  138. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) これはお言葉を返すようでございますけれども、行政としては証券取引法等々の運用をいたします上で、その法律の法益が間違いなく守られておるかということを確認いたさなければならないわけでございます。その限りにおいてのことはいたしておるということを申し上げておるのでありまして、その間に何か証券取引法以外の法益、つまり、例えば刑法であるとかその他の問題があり得るという意味では、それは大蔵省の行政そのものの範囲ではない、こういうことは御理解をいただきたいと思うのでございます。
  139. 久保亘

    久保亘君 あなたがそこまでおっしゃるなら、宮澤さん、あなたはこのリクルート疑惑の問題が報ぜられたときに、ノーコメントということをしきりにおっしゃった。あなたは日本語よりも英語がうまいと言われる人だが、ノーコメントというのはどういう場合に使うんですか。
  140. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) これは、私の場合は既に本会議でおわびを申し上げたところでございますが、実は私の事務所がこの関係の取引を自分でいたしたわけではなかったものでございますから、報道がありましたときにこれについて思い当たりがいわばなかったわけでございます、正直申しますと。しばらくたちまして、名前を借りた、貸したという関連がわかりまして、それがわかりまして申し上げておわびをしたと、こういうことでございました。  したがって、あの時点におきまして、正直申しますとどういうことであったかがわからずにああいうことを申し上げておりまして、調べましてわかりました結果を申し上げておわびをしたわけでございます。
  141. 久保亘

    久保亘君 それはおかしいんじゃないですか。そういう場合にノーコメントということをお使いになりますか。そのような事実はない、私はそのような事実は一切聞いていない、そのような事実はないという答えをされるべきじゃないですか。ノーコメント、ノーコメントはノーコメントだ、そういうことを繰り返しておられるのは、知っておるが何も言えないということじゃないんですか。
  142. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) それはそうではございませんで、報道がございましたので、これを一概にそういうことはないと、存じませんでしたけれども、申すことは正確でないだろう、何かそういうことがあったのかもしれないということで、その調査をいたすまでの間コメントができないということを申し上げておったわけでございます。初めからそういうことはなかったということにいたしましては、いろいろな報道がございましたから、そこはやはり確かめておくことがよかろうと思いまして、ああ申したわけでございます。
  143. 久保亘

    久保亘君 どうも正直でないんですね。そして今、事務所がかかわっていたものではなかったものだからと、あなたは一秘書と友人の関係だったからわからなかったと、こうおっしゃった。ところが、国会の本会議で御答弁になっているのは、事務所の判断が慎重を欠き、監督が十分でなかったことは責任を感じている、こうおっしゃったんじゃないですか。
  144. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) そのとおりでございます。  このような問題について、いわば親しい友人からひとつ自分にやらしてくれと言われて、まあ違法なことではないし、秘書という職業柄、いわばこれはまことにうかつであったと思いますけれども、どうぞと言ったこと、その当時、えらい世間を騒がすようなことと思っていなかったんだと思いますが、結果としてそうなりました。これはとりもなおさず私の監督責任である、こう考えております。
  145. 久保亘

    久保亘君 聞いたことに答えてくださいよ。事務所の判断が慎重を欠いた、こうおっしゃったことは、あなたの事務所にこの問題が持ち込まれたということじゃありませんか。あなたの一秘書と友人の関係で処理された問題なら、何も事務所の判断は要らぬじゃないですか。事務所の判断が慎重でなかったということは、事務所がその譲渡に関する話を受けたということになりませんか。
  146. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 事務所と申しましたのは、事務所の総括の監督は私でございますので、私がという意味で申し上げようとしたのであります。
  147. 久保亘

    久保亘君 そうすると、あなたの判断が慎重を欠いたんですか。
  148. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 私自身は存じませんでしたけれども、しかし、事務所のしたことだといって私は知らないと申すわけにはまいらないので、やはり私に責任がある、自分はそう考えて申し上げたわけであります。
  149. 久保亘

    久保亘君 随分私は宮澤さんの答弁は苦しい言い逃れだと思っているんですが、あなたの秘書の報告によると、依頼を受けて、深く考えずに一友人に名前を貸し、その結果、その友人は六十年に株式を購入して、六十一年十月末売却、二千万円余りの差益を得た由である、こういうことを言われておりますが、一体、普通だったら、あなたの秘書に来た話を、友人に名義を借りてやったというなら、これはちょっとよくある話だと、こう思うんですよ。そんな逆の形でやられたということは、宮澤という名前が必要だったのではありませんか、友人にとって。譲渡を受けられない、宮澤という名前がなければ譲渡を受けられないという状況があったからこそ、そういう話が持ち込まれたのではないか。  また、その友人が秘書の名義を必要とした理由について御調査になりましたか。
  150. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 詳細にはわかっておりませんけれども、やはりそれはおっしゃいますように、この話には宮澤という名前がありましてこういうことが起こったというふうに、それは御批判があれば、私はそれは甘んじて受けなければならないと思います。そういう意味で、名前を使わせたということはまことに軽率なことであって、これは私は申しわけないことだと思っております。
  151. 久保亘

    久保亘君 どうしてもお答えにならないことをここで繰り返し聞いても無理だと思いますが、私は先ほど当委員会に資料をお配りいたしました。この新規の店頭登録に当たって、去年からことしにかけて公開値と初値との関係を見ますと、一銘柄として下がったものはありません。特筆すべきは、昨年公開をされました日本エアシステムは、七千二百六十円で公開されて初値が三万円でついております。だから、一般の人がこのことにタッチできない新規の店頭登録に当たって、このことに介入すれば必ずもうかるということは、これは経験に照らして、実績に照らして非常に明らかなことであります。  ちなみに、私は大蔵省から新規上場のものについても資料を求めました。新規上場のものについても、上場直後に下がった株はほとんどございません。全部かなりな値上がりを示しております。だから、このような株式の取引を通じて政治資金の調達に政治家がかかわったのではないかということは、リクルートを通じて国民のだれしもが非常に深い疑惑を持っている問題であります。  私は、したがって、どうしてもただいまの総理や大蔵大臣の答弁、大蔵省報告、このようなものによってはこの真相を解明することは困難である。この際、この株を譲渡した側の証人の喚問、そして引き続いて関係者の喚問がなければならぬと思っております。また、必要な資料をぜひ当委員会に示していただいて、この真相究明の審議国民の期待にこたえられるよう、信頼を回復できるよう前々から委員長に要求をいたしております。  証人喚問、資料提出について、この際ぜひ強く要求をしたいと思います。その上に立って私の審議を続けさせていただきたい。
  152. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) ただいま久保君の申し出の件につきましては、理事会において協議をいたしますから、質問を続行してください。  速記をとめて。    〔午前十一時三十五分速記中止〕    〔午前十一時五十分速記開始〕
  153. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 速記を始めて。
  154. 久保亘

    久保亘君 それじゃ、重ねて質問いたしますが、総理の元秘書にこのリクルートコスモスの株を譲渡した人はだれか。それから、宮澤さんの秘書にその株を譲渡するように話を持ちかけてきて、そして実際にあなたの秘書の名前を借りてその友人が譲渡を受けた相手はだれか。それを明確にしてください。
  155. 竹下登

    国務大臣竹下登君) その問題については本人も私に、新聞社の取材に対して迷惑がかかってはいけないのでそれは申し上げなかったと、こういう報告を受けておるわけでございます。したがって、私もそれをだれだったかということを念押しして聞いたことはございません。
  156. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) その相手方は河合という人でありますけれども、河合氏について聞きましたが、だれからそれを買い受けたかというようなことは御本人は覚えておりません。わかっておりません。
  157. 久保亘

    久保亘君 そのような事実が明らかにならない状況審議を続けることは非常に困難であります。必要な証人の出席を求めます。
  158. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 委員会を暫時休憩いたします。  午後一時に再開いたします。    午前十一時五十四分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕