○
最高裁判所長官代理者(金谷利廣君) 現
時点で、
裁判所のみならず、官庁
一般につきまして土曜
閉庁方式を採用するということにつきましては種々御議論があろうかと存じます。特に、
国民の役所利用の便という
観点からいたしますと、
委員御
指摘のようなさまざまな点で工夫すべきではないかということも傾聴に値する御意見であろうと存ずるわけでございます。
しかし、今回の
行政機関等におきます土曜閉庁の導入というのは、社会の諸般の情勢を踏まえられました上で、大局的には週休二日制を促進し、それによって
国民の生活を充実させる、そういうことを図るという
政府の大きな政策御判断によるものでございまして、こういう大きな流れの中で、また私
ども裁判所職員の勤務条件という面に配慮いたしまして、基本的には
裁判所も
行政機関と足並みをそろえさせていただいて閉庁を導入し、その結果、確かに閉庁日におきましては
国民に若干の御不便をおかけするということになるんですが、それもやむを得ないというふうに考えさせていただきましたわけで、そのあたりを御
理解願いたいと存じます。
ただ、私
どもの方といたしましては、土曜閉庁を導入するに当たりましては全体としての司法サービスというものを極力低下させないように努力してまいりたいと考えておるわけでございます。
午前中来のお話にも出ておりますとおり、
裁判所の行います事務の中には
国民の
権利あるいは社会秩序ということに直接かかわりますものがございますために、休みだからといって事務を行わないということではできないものがございますので、
裁判所におきましてはこれまでも日曜とか休日などは緊急に処理を要する
事件の処理というものを行ってきたわけでございます。今後、土曜閉庁が導入されました後も、従前と同様、緊急
事件の処理体制につきまして不備な点はないかとか、改善を要する点はないかとか、そういった点を再点検いたしまして、基本的にはそういう緊急
事件の処理に遺憾のないようにしてまいりたい、こう考えております。
なお、
国民に対する司法サービスを低下させないようにという
観点からは、閉庁土曜日のある週におきまして、金曜日までに出た
事件はできるだけ金曜日に頑張って仕事を処理するというふうに心がけたいと思いますし、また、これはちょっと別の面ではございますが、御
質問がありましたような方向では、例えば大都市の簡易
裁判所におきましては将来、夜間の調停を試みるということも
検討いたしております。
委員ごらんになりますと、それではまだまだサービスが足りないというおしかりがあろうかとも思いますが、私
どもといたしましても可能な範囲で少しずつ
委員のおっしゃったような御
趣旨に沿う方向での努力もしてみたい、こう考えておる次第でございます。