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1988-11-22 第113回国会 参議院 文教委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年十一月二十二日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十一月十日     辞任         補欠選任      中村 太郎君     杉元 恒雄君      関  嘉彦君     勝木 健司君  十一月二十一日     辞任         補欠選任      高桑 栄松君     中野 鉄造君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         杉山 令肇君     理 事                 仲川 幸男君                 林  寛子君                 粕谷 照美君                 佐藤 昭夫君     委 員                 小野 清子君                 木宮 和彦君                 山東 昭子君                 世耕 政隆君                 田沢 智治君                 寺内 弘子君                 柳川 覺治君                 久保  亘君                 安永 英雄君                 高木健太郎君                 中野 鉄造君                 勝木 健司君                 下村  泰君    国務大臣        文 部 大 臣  中島源太郎君    政府委員        文部大臣官房長  加戸 守行君        文部省生涯学習        局長       齋藤 諦淳君        文部省初等中等        教育局長     古村 澄一君        文部省教育助成        局長       倉地 克次君        文部省高等教育        局長       國分 正明君        文部省高等教育        局私学部長    野崎  弘君        文化庁次長    横瀬 庄次君    事務局側        常任委員会専門        員        佐々木定典君    説明員        法務省刑事局刑        事課長      古川 元晴君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○教育職員免許法等の一部を改正する法律案(第百十二回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付) ○教育、文化及び学術に関する調査  (前文部事務次官リクルート疑惑との関連に関する件)     ─────────────
  2. 杉山令肇

    委員長杉山令肇君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る十一月十日、関嘉彦君及び中村太郎君が委員辞任され、その補欠として勝木健司君及び杉元恒雄君がそれぞれ選任されました。  また、昨二十一日、高桑栄松君が委員辞任され、その補欠として中野鉄造君が選任されました。     ─────────────
  3. 杉山令肇

    委員長杉山令肇君) 教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中島文部大臣
  4. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) このたび、政府から提出いたしました教育職員免許法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及びその内容概要について御説明申し上げます。  学校教育の直接の担い手である教員活動は、人間の心身の発達にかかわるものであり、幼児、児童、生徒人格形成に大きな影響を及ぼすものであります。このような教員資質能力向上は、その養成、採用、現職研修の各段階を通じて、総合的に図られるべきはもとよりでありますが、まず、その最初の段階である養成教育において真に教員にふさわしい人材を育成することが肝要であります。大学養成においては、幅広い人間性教科教職に必要とされる基礎的、理論的内容実践的指導力基礎を確実に修得させる必要があると考えております。  そのためには、開放制の原則に立ちつつ、教員養成課程における専門性の一層の向上を図るとともに、教職により深い学識を備えた者を招致できるようにする必要があります。  また、他方において、学校教育多様化等に対応するため、社会的経験を積んだ教員にふさわしい者を教育界に迎え入れるようにすることも重要であり、これによって学校教育に生気と広い視野を与えることも期待されます。  今回の改正は、臨時教育審議会答申及び教育職員養成審議会答申を受けて、このような観点から、教員免許制度改善を図ることを内容とするものであります。  以下、この法律案概要について申し上げます。  第一は、普通免許状種類改善であります。  教職につく者に対して、教員養成課程において、教科教職についての基礎的、理論的内容と広い教養、そして実践的指導力基礎を確実に身につけさせるためには、学部を卒業して免許状取得させることが必要であることから、学部卒業者に対する免許状一種免許状とし、教員資質能力の標準的な水準を示すものとしております。  この一種免許状基礎として修士課程等特定分野を修め、その分野について高度の資質能力を備えていることを示す免許状をすべての学校種について設けることとし、これを専修免許状としております。  これにより、現職教員修士課程等において研修することを促進し、また、修士課程等修了者が進んで教職につくことを期待しております。  他方、短期大学卒業程度とする免許状については、二種免許状としておりますが、二種免許状を有し、教員として採用された者については、その取得後、教員としてなお一層の資質能力向上を必要とし、さらに研さんが必要であることから、一種免許状取得に努めるよう努力義務を課すこととしております。  第二は、社会人として有為な人材教員として活用するための措置を講じることであります。  その一は、社会的経験を有する者に対して授与する特別免許状を設けることであります。特別免許状は、教員任命権者が、担任する教科についての専門的な知識または技能を有し、かつ、社会的信望等がある者を都道府県教育委員会推薦 し、その推薦に基づいて、都道府県教育委員会が行う教職員検定に合格した者に対して授与される教諭免許状であります。  その二は、教科の領域の一部にかかる事項等を担任する非常勤講師については、授与権者の許可を受けて、免許状を有しない者を充てることができることとするものであります。  第三は、大学において普通免許状授与を受けるために修得することを要する単位数引き上げ等であります。大学において普通免許状授与を受けるために修得することを必要とする単位数引き上げは、近年、学校教育において求められている教育方法、技術、生徒指導特別活動等指導力向上を図るためのものであります。また、教育実習については、その構造化内容改善を図るため、新たに事前及び事後指導を必修とすることとしております。  大学における単位修得については、大学卒業後の免許状取得を容易にするため、大学が設置する一年間の教職特別課程においても単位修得し、免許状取得することができるなどの措置を講じることとしております。  第四は、教育職員検定により他の種類免許状授与を受ける場合に必要とする最低在職年数最低単位を定め、最低在職年数を超える在職年数がある場合にはそれに応じて逓減する単位数を定めることであります。これは現職教員の自発的な研修の意欲を喚起するためのものでありますので、現行の二級普通免許状を有する者が一級普通免許状授与を受けようとする場合に、十五年の在職年数があれば単位修得を要しないとしている特例は、廃止することといたしております。  第五は、中学校、高等学校免許状については、免許法において定められている免許教科のほかに、文部省令で定める免許教科についても授与することができることとするものであります。これは近年の学校教育内容変化等に対応して、これらの教科を担任する教員の確保を速やかに行おうとするものでありますが、これらの文部省令を定めるに当たっては、教育職員養成審議会意見を聞いて慎重に対処することとしております。  第六は、その他所要の規定の整備を行うことであります。  この法律は、昭和六十四年四月一日から施行することとしておりますが、大学等に対する新しい免許基準の適用は、昭和六十五年四月一日からとしております。  なお、既に授与を受けている免許状は、それぞれ新しい免許状とみなすこととするほか、以上の制度改正に伴う所要経過措置を講じることとしております。以上がこの法律案提案理由及び内容であります。  何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  5. 杉山令肇

    委員長杉山令肇君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 林寛子

    林寛子君 きょう、今大臣趣旨説明をされました法案に対する質問の前に一言お伺いしたいことがございます。  それは、昨日、衆議院におきまして証人喚問が行われ、私どもも何度もこの委員会で顔を合わしておりました文部省高石文部次官証人喚問として証言をなさいました。中身の問題に対しては、衆議院段階ですから、今私はここでどうこう申し上げるつもりはありません。ただ、前回の委員会におきましても、私ども同僚議員から文部省の姿勢に対して質問がありました。昨日、証人喚問の後、高石文部次官文部省に立ち寄られたと伺っておりますけれども、どこに立ち寄られて、どのようなごあいさつがあったのかお答えいただきたいと思います。
  7. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 今のお答えの前に、昨日、院の御決定によりまして、衆議院におきまして証人喚問が行われました。文部省のOBであります前文部事務次官高石氏も証言をされたわけでありまして、院の御決定によりまして真実を明らかにするための質問が行われ、それに対しまして真実が明らかにされたということは、私どもの期待する方向と一致することでございまして、ただ、その真実が明らかになることは結構でありますが、しかし前事務次官としての立場において行われました行為は、その行為と同時に文部行政全体に対する信頼を損ねるという意味で、大変残念であり、遺憾なことであると思っております。 私どもは、文部行政を担当する者といたしまして今後一層気を引き締めて、そして現在、現職職員は全力を挙げて努力をしておるところでございますが、さらに厳正なる職務の遂行のために三倍も五倍も努力をいたしまして、そしてこの教育改革に挺身をし、そして文教行政に対する信頼を回復し、皆様方委員の熱心な御審議にこたえてまいりたい、このように考えておるところでございます。  なお、昨日、証言の後文部省に立ち寄られました。たまたま私は公用がございまして、公務のためにお会いできませんでしたが、私のもとには高石氏の名刺に御迷惑をかけて申しわけありませんという意味一言が記された名刺を受け取っております。御当人の意思は十分に伝わりますけれども、それなるがゆえに私は御当人が今後とも信義を重んじ、誠実さをもって身を処していただきたいということを言葉としてお送りしたい、こう思っておるわけでございます。  具体にどこに寄られてどの程度話されたかは、おりませんでした私から申し上げるのは失礼でございますので、政府委員からお答えさせていただきます。
  8. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 高石次官は、国会におきます証言を終了した後に文部省へ来省されまして、大臣はたまたま表彰式に御出席のため不在でございましたので、大臣秘書官室におきましては、先ほど大臣がお答え申し上げたような、名刺におわびを書かれてございます。それから事務次官室へ参られまして、事務次官に対しまして多大な御迷惑をかけたことをおわび申し上げたいという陳謝のお言葉がございました。阿部事務次官の方からは、さっき大臣がおっしゃいましたような大臣のお気持ちとして、今後信義と誠実さを重んじて対処していただきたいという大臣気持ちでございます旨をお伝えさしていただきました。  なお、その際、今回証言でも相当明らかになったわけでございますが、文部省としての従来から知りたかった点につきまして、今後の高石次官からの御報告等を求めたわけでございますが、それに対しましては、証言が終わった直後でございますので問題点を整理した上で、いずれ文部省に対しましても報告をしたいというような趣旨お話がございまして、会談を終了した次第でございます。
  9. 林寛子

    林寛子君 今伺いまして私は、お気持ちは、謝るという、反省しているという気持ちが十分伝わるということに関しては、私は現場に居合わせませんから、そういう趣旨であろうと存じます。けれども私は、文部省がかつて上司であった高石事務次官に三回問い合わせたらすべてノー、そしてその次には家内がしたことであるという答弁があり、そしてその後には実は私も知っていたという答弁に変わったということ。私は大変残念に思いますのは、道徳教育を重視し、将来日本の国をしょって立つ人間味豊かな生徒教育しようという、その頂点文部省最高の地位にある人が、自分のしたことを人に転嫁する、よしんば本当に家内がしたことであっても、実は私の不注意でというその態度こそが私は真の男らしさであり、家長であり、あるいは文部省頂点に立つ人間のすることであろう。自分責任を他人に転嫁するというようなことがあっていいんだろうか。  そして、今回の法案に関しては後で言いますけれども子供たち指導する教職員資質向上ということを私ども念願している一人として、私たちは大変残念だと言わざるを得ない。もしも、失礼ですけれども中島文部大臣であれば、たとえ家内がしたことであっても自分がしたんだと言ってこそ私は本来の夫婦愛であり、家庭愛であり、あ るいは職場で部下を思う気持ちであろうと思います。それが残念なことには、昨日いろいろな審議の中で、メンバーに入ったということが問い合わせがあったときでも、それは課長から上がってきたんだ、局長がしたことであって自分決裁したにすぎないということ。決裁というのは部下のしたことを全部責任を負うというのが私は決裁という言葉ではなかろうか、私はそう解釈いたします。  それがやはり私は残念であったと言わざるを得ないし、大臣から直接お聞きはしておりませんけれども大臣自身ワープロを打って五十になんなんとする質問高石事務次官に届けたというお話ですけれども、今の官房長お話ではそれらに対する、大臣ワープロを打ってまで質問なすったことに対する前事務次官の答えはきのうはなかったように受け取れます。ですから、これだけに長くはかかっていられませんけれども、一日も早く文部省がすべてを明らかにして、文部行政遂行をとおっしゃるその趣旨が徹底できるように最大の努力をしていただきたいと思いますし、もう一言、私がちょっと教えていただきたいことがあるので、文部省協力者会議というのがあると伺っておりますけれども協力者会議というものは幾つあって、どのような趣旨で、どのような選定をされるのか教えてください。
  10. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 文部省では、いろいろな行政を進めますに当たりまして各界各層からの御意見を伺いながら、もちろん審議会という基本的なスタイルございますが、それ以外に、事実上、各課仕事を進めますに当たり外部の意見を取り入れる、あるいは実務的な観点からそれぞれの専門的な御意見をちょうだいして行政を進めるという趣旨から各般の協力者会議と申すようなものを設置しておりまして、現在三十八、文部省の中にございます。
  11. 林寛子

    林寛子君 その三十八ある協力者会議各界専門家という官房長お話ですけれども、それはどういう方法で選任されるんでしょうか。
  12. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) それぞれの各課仕事を進めますに当たりまして、例えばその特定の課の仕事あるいは行政に関しまして、主として教育界関係者、あるいはそれぞれの実務に関しまして識見を有する方、あるいは文部省としてこういった点が行政を進める上で専門的な知識が不足しているという方をそれぞれの専門分野から御意見を聞かしていただくというような点で、特にその基準とかいうものはございませんので、それぞれの担当課におきます仕事を進める上で不足している分を文部省として協力をいただきたいという観点から選ぶわけでございますから、特定基準は存在いたしませんけれども、あくまでも行政実務を進める上で非常にお役に立っていただく、協力をいただけるというような趣旨から選ばれているものと理解しております。
  13. 林寛子

    林寛子君 そうすると、協力者会議はそれぞれ三十八あるとおっしゃいましたけれども人数は全部違うんでしょうか、人員構成
  14. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) それぞれの各課ごとのテーマに従いまして、少ないところは十名程度から、多い場合は二十数名、ちょっと人数は確認はいたしておりませんけれども、それぞればらつきはございます。
  15. 林寛子

    林寛子君 昭和五十九年の四月、大学入学者選抜方法改善に関する会議、これは江副リクルート社長、当時社長です。六十年の四月、教員資格認定制度等に関する調査研究協力者会議、これはリクルートリサーチ調査部次長、当時、大江氏です。それから六十年五月、産業教育改善に関する調査研究協力者会議、これは深水リクルート進路情報部次長、当時。そして六十年の九月、教育課程審議会委員、これはもうよく言われております江副社長です。そして六十年の四月、第二国立劇場設立準備協議会、これも同じく江副社長。六十年の九月大学審議会委員、これも江副社長御存じのとおり。そして六十三年一月、青少年の学校外活動に関する調査研究会、これはリクルートの取締役の戸張氏。六十三年五月、進路指導の総合的な実態に関する調査研究協力者会議、これは大江リクルートリサーチ調査部長、前の調査部次長が偉くなられて調査部長になられている。  私が今申しましたように、五十九年から六十三年の四年間だけでも実に江副氏の大学審議会委員など四ポストを最高にしまして、江副氏を含めて同社の幹部四人が八つの審議会協議会調査研究協力者会議委員に選任されているわけですね。一つ民間企業からこれだけの多くの委員が選任された例は過去にあるんでしょうか。
  16. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) その前に一つ。第二国立劇場設立準備協議会の場合には、たまたま江副氏が日本オペラ振興会理事長をバトンタッチを受けて就任いたしました。したがいまして、前任者の後、欠員補充ということで、ある意味ではエクスオフィシオのような形で選任されたわけでございまして、リクルートという観点で着目したものでないことを申し添えさしていただきます。  それから、特定企業お話がございましたが、比較的こういった点で文部省の方でいろいろお願いをしております場合に、例えば特定広告会社の方をこういった委員に任命する事例はかなり多いかと思います。それぞれの分野におきましてどういった視点からの文部省に新しい息吹を入れていただく、あるいはアイデアを出していただくという点からしますと、それぞれの分野でノーハウを持っております方々を活用するのはまた当然のことでもございますし、これは事リクルートに限ったわけではございませんが、先生おっしゃいますように、かなり数が多いということは事実でございます。
  17. 林寛子

    林寛子君 それが悪いというよりも、それが適材適所、本当にそれにふさわしい、余人をもってかえがたい方であれば私も何も異論を申し上げる筋もございませんけれども、今おっしゃったように、一つ企業からということからすれば、聞いているだけでも奇異な感じがするということだけを申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ教育改革を断行しようということで、私どももここにお座りの委員もみんな文教行政に関しては大変力を入れて御協力いただいているこの文教委員会の部屋でございます。けれども、その中でいつも言われることは、行政改革の一環として五年連続マイナスシーリングである、予算がどんどん削られていく。これでは文教行政が困るんだということでみんな質問もし、努力もし、なおかつ私学助成というものに関しても私どもは何とか、戦後の今日の日本教育を考えれば私学の果たした役割も大きいから私学助成を何とかふやしてあげたいという、その願いがいつもあるわけでございます。そしてまた、そのようにみんなで協力して行動してきたつもりでございます。まして、昨年もそうでございますけれども、大蔵省の原案で五%マイナスだと言ってきた私学助成も、文部省努力もさることながら、ここにいらっしゃる委員皆さんの力添えもあってやっと〇・四%増という、〇・四%ではありますけれども、やっと少しはということになった経緯もあるわけです。  ところが、御存じのとおり、思い出しても残念だと思いますけれども、数年前に教員水増し請求ということで幾つかの私学助成がカットされました。そして、その中に九州の産業大学というのがございました。そのときには、その当時のことはもう議事録にありますから詳しくは言いません。皆さん御存じのことです。それが改善されて産業大学に対する私学助成が復活したと聞いておりますけれども、その当時条件があって、五つの問題点が指摘されておりましたけれども、それが全部満たされたのか、またその後の状況どうなっているのか、簡単に御報告ください。
  18. 野崎弘

    政府委員野崎弘君) 今の九州産業大学の件でございますけれども、先生御指摘ございましたように、学校法人中村産業学園につきましては、五十七年当時、私立大学経常費補助金不正受領管理運営が著しく適正を欠くということで、五十八年から五年間補助金の交付をしない、いわゆる制裁措置を講じたわけでございます。その後、同法人におきましては、文部省指導を受けまして、運営体制刷新入学者選抜方法公正化教員組織充実経理適正処理内部監査機能の強化などについて改善に向けて努力が行われてきたところであります。  まず、運営体制刷新等につきましては、五十八年の十二月に当時の鶴岡三郎理事長引責辞任をして、その後、新理事が就任したわけですが、それでも十分でないということで、さらに昭和五十九年八月、青木理事青木氏を理事長といたします新理事体制が発足いたしまして、この新理事体制のもとで自主的な改善が進められてきたわけでございます。なお、現在は昭和六十三年七月にはさらに神田氏が理事長に就任をしておる状況でございます。  それから、入学者選抜方法公正化につきましては、九州産業大学におきましては寄附条件に入学させる例とか、いろいろあったわけでございまして、この点につきましては、理事、参与の入試判定会議への不関与とか、縁故者等特別入学廃止寄附金入学廃止等措置がとられておりまして、既に昭和五十八年度からこれが実行されている、こういうことでございます。  それから、教員組織充実につきましては、商学部教養部等におきまして専任教諭が著しく不足しているという状況があったわけでございますが、その後、学校法人及び大学では計画を立てて順次教員充足を図ってきておるわけでございます。昭和六十二年の十二月現在では三名の不足があったわけでございますけれども昭和六十三年四月当初にはこれが完全に充足をされた、こういう状況になっております。  それから、経理適正処理につきましては、学校法人に帰属すべき収入を正規の手続に従って適正かつ速やかに学校法人会計に繰り入れることなど、いろいろな点の指導をしておったわけでございますが、その後、学校法人におきましては、収入学校法人会計への適正迅速な繰り入れ、収入支出の証拠書類の整理、保存に努めるなど、適正処理に努めているということでございます。  それから、内部監査機能の強化、これにつきましては、監事につきまして昭和五十九年の四月から常任監事制を採用し、その一名を常任監事として配置をする。さらに内部監査の公正を確保するため二名の非常勤の監事でございますけれども、これを入れかえ補充をするというような措置を講じてきているわけでございます。
  19. 林寛子

    林寛子君 文部省が五年間助成金カットをし、そして改善が見られたと。人事面でも経理面でも、あるいは監査をふやし、そして改めて解除をして助成金をしているという件に関しては、もう少しまた機会があれば質問したいと思いますけれども、同じく九州でやはりもう一つだけ私申し上げなければならないのに生涯学習振興財団、今話題の財団でございます。けさの各紙にもこの財団の活字が大きく出ております。  この財団の趣旨に関しては大変いいことでございますし、長寿社会を迎えるに当たっては大変時宜を得た、さすがに前文部省事務次官の発想に基づく財団だなという、まことに時宜を得た財団名であるし、設立趣旨を拝見しましても、教育、文化、健康、福祉等に関する事業をしたいという、この財団の設立趣旨とか財団名に関しても私は時宜を得たものであるとむしろ思うんですよ。ところが、この財団が御存じのとおり福岡県の教育委員会に設立の許可申請が出されたのが七月の六日、許可されたのが二日後の七月の八日というスピード許可ですね。これは書類がそろっていたからという弁明ですから、これは別にしましょう。でも、スピード許可であるということだけでも、やはり一般の人はスピード許可だなという気がすることも指摘しておきたいと思います。  それからもう一つは、基本財産の八億円を拠出したということなんですけれども、その基本財産の八億円を拠出した帝京大学御存じのとおり日本私学振興財団から六十二年度二十四億五千五百六十六万円の助成が出ている。しかも系列の帝京女子短大も六十二年度四千八百十九万円の助成が出ている。八億円のお金がどういう出方をしたかは文部省でお調べになるでしょうから、私は今ここでは時間がありませんから申しませんけれども、八億円の基本財産をぽんと出せる、それだけのゆとりのあるところに二十四億五千五百六十六万円の私学助成はどう理解すればいいんだろうか。  それらの点を考えますと、私どもが先ほど申しましたように一生懸命私学助成を何とかアップして、そして私学の果たす役割にこたえたいというその気持ちと、これらの行為とが何か割り切れないものを感じるのは私一人でしょうか。何となく私は、どうしてもきょうこれだけは申し上げておきたいと思ったんですけれども、それに対して何かございましたらお答えいただきたいと思います。
  20. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 林委員からいろいろな御指摘を受けまして、私も一般の方々の素直な御疑念ではないか、こう思います。また、高石事務次官の行動に関しましても厳しい御批判をいただきまして、私もそのとおりと思います。一番残念でございますのは、文教行政でこれから特に男性と女性が相支え合って社会人として生きていき、しかもそれを生涯学習という立場でとらえ、そして学校教育をその重要な基礎部分であると唱えておるときに、お互いに苦労をともにされた伴侶をいたわりこそすれ、それにかずけるということは恥ずかしい行為であると私も思います。むしろその非を唱えることよりは、私どもがよりしっかりして今の文教行政を真に改革をしていくことに全身全霊を打ち込まなければならないというふうに考えておるところでございます。  また、それに付随をいたしまして、生涯学習という名のもとに、ある私学が八億円の寄附をいたした、一方において二十四億強の私学助成を受けておる、これは一般に意味が不明だ、どういうことなのかという御疑念が起こると思います。私は、これは違法か違法でないかということとは別問題であると思うんです。それが適正かどうかということになりますと、一つ一つ申し上げるとこれは適正でございます。しかし、適正であるということでいいのかということについて大変な大きな問題が提起されていたというふうに私は考えておるわけでございます。  せっかくの御質問に対する時間を余りとっては失礼でございますので、端的に申し上げるべきだと思いますが、私学助成は四十五年から始まりまして、そして五十年に議員立法でこの助成が決められております。そのときに経営内容を加味するかどうかということが大きな問題でございました。経営内容を加味して経営の悪いところには助成をし、いいところには助成をしないということになりますと、これは結構でありますが、一方におきまして自助努力を損なうという点もあると思いますので、今現在委員がよく御存じのような、非常に意思が入らないような算定ルールが細かく決められておるわけでございます。その一方で、その学校、私学が運営できるに必要な基本金部分、要するに一般法人でいえば積立金でございますが、これがしっかりしておりませんと、また私学運営の根底が崩れるわけでございますから、これがやはりしっかりしておらないといかぬと思います。  そのほかに、それでは寄附金ができる要素というのは何かと申しますと、これは学校法人の剰余金部分でございまして、剰余金が寄附金を上回る場合には理事決定によって寄附が行われるということは禁じられてもおりませんし、許容される範囲でございますので、一つ一つ取り上げますと全部適法でございます。したがって、これをどのように説明したらいいかというのに私自身が苦慮いたしておるわけでございます。適法ではあるがどこかおかしいのではないかと。しかも、これが適法ではあるが疑念が晴れないということによって、私学助成全体が疑念に包まれるということは、ほかの私学の方々が一生懸命経営運営されているということを考えますと、これは大変な疑念を広げてしまう。ここをひとつ、議員立法でおつくりいただいたことでもありますし、私の方がやはり行政としてどのようにこの私学助成を考えたらいいのか、これをまた院の方、あるいは党の方に御相談をし、投げ返しをさせていただいて、早急にお知恵をいただきながらこの点の解決を目指していくべきではないか、率直にこのように感じておるところでございます。
  21. 林寛子

    林寛子君 今の中島文部大臣の御答弁を伺いまして、そのとおりであろうと思いますし、私はこんなに立派な文部大臣をいただきながらなぜあのようなことが起こったんだろうかと、むしろ逆に泣きたいような気持ちに私自身もなります。情けない限りです。しかも文部大臣が御就任になって適正なまさに適任な失礼ですけれども文部大臣を得て、文部省教育改革に向かって前進していこうという第一歩であったにもかかわらず大変残念であった。けれども、これはもう過去形ですから、今までのことは国民の前に明らかにし、文部省自体がいけないところがあったのであれば姿勢を正して、将来の日本教育のために、日本をしょう子供たちのために、先ほどの法案趣旨説明大臣がおっしゃったこの言葉を尊重して、文部省は姿勢を改めて中島文部大臣指導のもとに姿勢を正して前進していただきたいということを希望しておきたいと思います。  さて、先ほど文部大臣から趣旨説明のありました今度の法案に関してでございます。  文部大臣趣旨説明提案理由にありましたように、私どもも二十一世紀を目前にして子供たち教育というものがいかに大事であるかというのは、この部屋でいつも審議していらっしゃる委員はもとより、一般国民も大きな教育に対する期待と関心を寄せている昨今であることは申し上げるまでもございません。けれども教育現場では私どもも本当に教育は人なりあるいは教育は師の道にありと言われるように、私どもは先生方を信頼し、またそれにふさわしい先生を求め、心の問題としても、生徒と教師のつながりというものが母親ではかなわない部分も先生と生徒の間にあると言われるぐらいな学校の生徒と教師のあり方というものを私どもは期待してやまないし、また子供にとっても、親よりも教師の方が何でも言える先生なんだといえるような学校の状況になることを望む一人でございます。そういう意味において、今大臣提案理由におっしゃいました教師の資質の向上等々を踏まえますと、今度のこの法案改正によってどのような教師ができるんだろうか、私どもが期待する、あるいは国民がひとしく願う教師像というものが改めて浮かんでくるのではないかと期待する一人でございます。  けれども、今回の法案の今趣旨説明がありました中身を拝見しておりまして、ただ近年社会が急速に変化してまいりまして、ついこの間も、後で申しますけれども、コンピューターを導入した学校で先生方にこのコンピューターを操作できるのかといったら、まあ十人に一人だろうという、あるいはテレビでしたかラジオでしたか、私車の中で聞いたのですからラジオかもしれませんけれども、新しい機械を導入しても先生自身がその機械の操作方法がわからないというような現状になるくらい年々この社会が急速に進歩し、なおかつ変化しております。それについていけるような資質の向上ということ、先生方の負担もたくさんあろうと思いますけれども、これはぜひそういう意味において今回の改正案に対する期待が大であると私はまず冒頭に申し上げておきたいと思うんですけれども、その中で一つ二つ教えていただきたいと思いますのは、今回の法改正によって専修免許状が新設された、これが新設の中で一番大きなことでございますけれども、それらの専修免許状が新設されたことによって、今趣旨は拝聴いたしましたけれども、あるいは人事、給与上、給料の面でどのような処置が講じられるのか教えていただきたいと思います。
  22. 倉地克次

    政府委員(倉地克次君) 専修免許状の新設に伴います人事などの問題でございますけれども、昇任、採用といいました人事につきましては、勤務成績その他の能力の実情に基づいて行うこととなるというふうに考える次第でございます。ただ、校長、教頭の任用資格の問題があるわけでございますけれども、これにつきましては、専修免許状高等学校の一級免許状に相当するということから、高等学校の一級免許状の現行の取り扱いを勘案いたしまして今後検討してまいりたい、そのように考えている次第でございます。また、給与でございますけれども、これは専修免許状の新設によりまして給与上の扱いを変更することにつきましては現在のところ考えていない次第でございます。
  23. 林寛子

    林寛子君 先ほどから私が申しましたように、現在の社会の変化にかんがみまして、特定分野においての高度な専門知識を必要とする、またその知識を持っております大学院の修士課程の修了者を学校の現場に招致するということに関しては、私は大変適切であるし、また時宜を得たものであろうと思いますけれども、今御報告にありましたように、あるいは人事面あるいは給与の上でそれにふさわしい、あるいはそれにこたえ得るような処置が講ぜられるように一層望むものであります。  それからまた、今回の改正案におきまして一種の免許状教育として求められる資質能力の標準的水準を示すこととされておりますけれども、その意味においてここにあります二種免許状所有者は一層の研さんが必要とされるわけですけれども、それに対してこの法案においてはどのような処置が講じられるんでしょうか。
  24. 倉地克次

    政府委員(倉地克次君) 今回の改正案でございますけれども、これは一種免許状教員に求められる資質能力の標準的な水準を示すものというふうに位置づけている次第でございます。そうしたことから、先生御指摘がありましたように、二種免許状を有しておりまして教員に採用された者につきましては、さらに一層の研さんを積み、一種免許状取得することが強く望まれるということでございまして、一種免許状取得努力義務を課しているところでございます。  それで、具体的な誘導策につきまして次のようなことを講じている次第でございます。  まず、第一でございますけれども、これにつきましては、二種免許状を所有する者が一種免許状取得するのには四十五単位をとることが必要でございますけれども、経験年数に応じて軽減措置を講じておりまして、採用後十二年で十単位に軽減されることになっている次第でございます。それから採用後十二年を経過した者につきましては、当該者の意見を聞きまして、授与権者単位修得のための認定講習等の指定を行うことになっている次第でございます。そういたしますと、任命権者につきましては単位修得の機会をこうした者に提供するよう努力義務が課されている次第でございます。  さらに採用後十五年を経過して所要単位修得しないという方につきましては、こうした単位の軽減措置がなくなるということになっている次第でございます。このように、採用後十五年を経過した教員につきましては単位修得の軽減措置を講じないこととなるのでございますけれども、これはその前段階におきます単位修得のための認定講習の指定、それから任命権者単位修得機会提供の努力義務というのがございまして、この便宜供与と一体をなすものでございます。まあこうした三者の努力が相まって、教員が積極的に研修を行われまして、一種免許状取得することを強く促し、誘導することをねらってこのような措置がされている次第でございます。  こうしたことによりまして、教員が自発的に専門性の一層の向上を図ることを強く期待しているところでございます。
  25. 林寛子

    林寛子君 今の教員の質的向上を図るというお答えの中に、これも関連しますけれども、今おっしゃった免許基準引き上げということに関しまして、もちろん教員の資質の能力について、今は教科書によります専門知識は備えているけれども生徒指導等に関しましては弱いという声が一部にあるわけですね。また両方兼ね備えている方も大勢いらっしゃいますけれども、一般にそのように言われております。学校教育に関する父母あるいは国民の期待にこたえて、私どもも児童生徒の個性に即した指導を行っていくためには、今おっしゃった教員の質的向上というものが図られなければいけないだろうと思います。  御存じのとおり、国際化あるいは情報化の時代と言われますけれども、先ほど申しましたように学校を取り巻く社会的な環境は急速に変化しているわけですから、いじめやあるいは登校拒否、そして校内暴力というような言葉に代表されましたような児童生徒状況も大きく変化しているわけですから、養成段階におきましてもこのような学校教育への課程に対応しなければいけないと考えるわけですけれども、その点に関しての見解を伺いたいと思います。
  26. 倉地克次

    政府委員(倉地克次君) ただいま御指摘がございましたように、近年情報化、国際化ということで社会の諸状況が大変に進展しているというふうに考える次第でございます。そうしたことから児童生徒状況にも非常な変化が見られているわけでございますけれども、こうしたことに対応いたしまして教育が行い得るように、養成段階においても何らかの措置を講ずることが必要だというふうに考える次第でございます。そうした観点から今回の改正案におきましては、主として教職専門教育科目の免許基準引き上げるということをしている次第でございます。  その内容を申し上げますと、コンピューターにも適切に対応できるよう教育方法、技術に関する科目を必修にするということをしている次第でございます。また、いじめ、登校拒否等、児童生徒の問題につきましては生徒指導に関する科目、それから特別活動に関する科目などを必修といたしまして、今回の改正案の全体は、学校現場における実践とのつながりを重視して、大学における養成教育充実を期待しているところでございます。
  27. 林寛子

    林寛子君 そのような教師を養成するためには、幅広く人材養成しなければならない。そのために数多くの私立大学においてもいろいろな教員養成が行われることがこれから不可欠になっていくだろうと思います。今回の改正案において免許基準引き上げと私立大学における教員養成との調和をどのように図っていくのか、教えていただきたいと思います。
  28. 倉地克次

    政府委員(倉地克次君) 現行の教員養成制度の原則でございますけれども、いわゆる開放制の原則というのをとっている次第でございます。これは教員養成大学学部と一般の大学学部がそれぞれ特色を発揮いたしまして教員養成を行っているのでございますけれども、こうした原則につきましては、今後とも維持すべきものだというふうに考えている次第でございます。  そうしたことを前提といたしまして、今回の改正における免許基準引き上げでございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、主として教職に関する専門教育科目について行うこととしている次第でございます。一般の大学でかかわりの大きい中学校、高等学校一種免許状の場合について申し上げますと、教育方法、技術に関する科目、生徒指導に関する科目、特別活動に関する科目というものを総合いたしまして五単位程度引き上げにとどめているところでございます。この程度引き上げにつきましては、私立の一般大学においても適切な対応が可能だというふうに考えている次第でございます。またこうした措置を講ずるに当たりましては、私立大学関係団体の意見も聞いているところでございまして、基本的には御理解をいただいているというふうに考えている次第でございます。
  29. 林寛子

    林寛子君 先生方にとりましても、六年たちますと四十五単位、そして一年ごとに五単位ずつ、そして十二年で十単位にまでなるわけですね。そして私は、十五年たった先生方が、またこれも今申し上げましたように、生徒が社会の変化に適応していくように先生方も社会の変化に適応できるように絶えず研修をしていただくという、そのことは先生方にとってはある意味では負担は大きいかもしれませんけれども、現状の戦後四十三年の日本を考えましてもこれはやはりぜひ頑張っていただいて先生方にも努力していただきたい。また今もおっしゃいましたように、養成に関してもそのような私立との適合性をぜひ考慮して、配慮して、そして育成に、養成に努めていただきたい、人材確保という意味でも努力していただきたいと思います。  そして今おっしゃいました社会の進展に適切に対応していくためにという、その一面をとってみても、学校教育を一層魅力あるものにするために豊かな経験と専門的な知識あるいは技能を有する社会人の活用を考えていくべきだと先ほど私も申しましたけれども、適切な分野での社会人の活用は、児童生徒の学習意欲を駆り立てますし、また高い教育効果を上げる場合も少なくないと考えられるわけでございます。先ほども申しましたように、例えば第一線のコンピューター技術者が教鞭をとるということによって生徒の学習意欲が増大する場合もあるわけですから、またそれとともに、社会人の活用は教員構成を多様化し、ともすれば閉鎖的であると言われます学校の風通しをよくするというと言葉が悪いかもしれませんけれども、そういう意味でも先生方にとっても新鮮な目に映るそういう社会人の活用というものも学校を活性化させる、そういう観点からも私は重要であるし、今度の改正によっていいことであると考えますけれども、今度の法案におきまして社会人の活用についてどのような配慮がされるのか、これも聞かしていただきたいと思います。
  30. 倉地克次

    政府委員(倉地克次君) 社会人学校教育への活用でございますけれども、これは御指摘のように学校教育内容の変化と多様化する児童生徒の関心にこたえまして、学校教育を一層魅力あるものとするために大変重要なことだというふうに考えている次第でございます。  今回の改正案におきましては、社会の第一線で活躍する方を教育界へ誘致するために、特別免許状制度と免許状を要しない非常勤講師制度というのを設けている次第でございます。特別免許状制度でございますけれども、これは専門知識、技能を有する方に教職員検定を受けていただきまして、特別免許状授与し、教諭として学校の現場に立っていただくものでございます。それから免許状を有しない非常勤講師制度でございますけれども、これは都道府県教育委員会の許可のもとに社会人非常勤講師として採用する制度でございます。  このような社会人の活用によりまして、学校教育の効果的な実施と学校全体の活性化が図られ、生き生きとした学校運営が行われることを強く期待している次第でございます。
  31. 林寛子

    林寛子君 今のその社会人の活用につきまして、あるいは大学における養成の原則に反するものであるという、そういう声を出す人もいるわけですけれども、そのような主張をどのように受けとめるのか。  また、幾ら社会人の活用といっても、先ほど例は悪いですけれども、ある民間会社一社から八つのポストを占めてしまったというような過去の例もありますので、その辺は専門家として社会人から採用するにふさわしい人材というものの選定を今お答えにありましたように地方の教育委員会が選任するというお話でございましたけれども、その辺も特に監督省庁としては心を配っていただきたいというふうに言っておきたいと思いますけれども、今申しました社会人を学校に入れるということに対する一部の声というものに対してどうお答えになりますか。
  32. 倉地克次

    政府委員(倉地克次君) 最初に先生御指摘ありましたけれども、今の教員養成制度におきましては大学における教員養成を原則としている次第でございまして、今回の改正におきましてもこれを変更することは考えていない次第でございます。  それで、今回の特別免許状の新設でございますけれども、これは小学校につきましては音楽、図画工作などの教科に限定して授与することとしている次第でございます。また、授与に当たりましては、授与権者の実施する教職員検定に合格することが必要でございますけれども、合格という決定を行うに当たりましては学識経験者の意見を聞くこととしている次第でございます。しかも免許状の効力の問題につきましても、これは当該都道府県の地域に限定しておりますし、期間についても制限を設けているところでございます。それから免許状を有しない講師の場合でございますけれども、これもその地位を非常勤の者に限るというふうにしている次第でございます。それから担当する分野でございますけれども、これも教科の領域の一部等の特定分野に限って担当することができるというふうにしている次第でございます。また、授与権者の許可を得て初めてこうした方を採用できることとしているところでございます。  こうしたことで今回の措置大学における教員養成の原則を踏まえまして、それとの調和を図りつつ社会人の活用を行おうとしているということが言えると思う次第でございます。
  33. 林寛子

    林寛子君 社会人の活用に関しては、先ほども申しましたように、特に英会話だとか調理だとか和裁だとか、あるいはそういう意味専門家ということもございましたけれども、これは特に社会的な人材を活用するという面に今後誤解のないように、またそれが後で問題になるというようなことがないようにということをぜひ配慮していただきたいと願うものでございますし、教師が二十一世紀に日本を担う青少年を、完全にあるいは確実にそれらの教師によって青少年を育てていくという重要な使命を有するわけですから、その使命を有するその教員が適切に果たしていくために、今度の法改正によって適切な教員の育成が図られるという面にとっては私は有意義であろうと思いますけれども、この法案審議に対して大臣に最後に一言言葉をいただいて質問を終わりたいと思います。
  34. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 御質疑伺っておりまして、林委員御自身がまた育児に大変なお力を注がれた母親の一人であることもよく存じております。そういう特に親にとりまして、幼児、児童、生徒の発達段階に応じまして、それに一番大きな影響を与える教員の資質というものは、すべての方々が期待し、注目しておるところだろうと思います。そういう面で、教員というものは、単にそういう幼児、児童、生徒知識を伝達するという手段に終わるものではなくて、その発達段階に応じて相談に乗り、そして適正にその発育に応じて指導できるという専門性もまた必要でございますから、開放性を維持しながら専門性を高めるという意味で、今御質疑にありましたように、専修免許状をつくり、また社会人の導入というものを、教員養成大学にあるという原則を踏まえつつ、調和を図りながらそれを導入することによりまして、幅広い範囲から教員教育の場にお迎えをする、同時にまたそこで研修をされる現職研修教員の方々の意欲を一層向上させる、両々相まちまして教員の資質を向上させ、教育の改革、充実に資してまいる重要な法案だと思いまして、御提案をしておるところでございまして、御賛成をいただければ、この趣旨に沿って万全の努力をしてまいりたいとこのように考えております。
  35. 林寛子

    林寛子君 以上です。
  36. 杉山令肇

    委員長杉山令肇君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  37. 杉山令肇

    委員長杉山令肇君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  38. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 昨日証人喚問で、きょうは文部省高石事務次官を軸とするリクルート疑惑の問題を中心にお尋ねをしたいと思うのでありますが、昨日、衆議院での証人喚問高石氏が証言をしたわけでありますけれども、驚くべきことに、リクルート株の譲渡について、文部省事務次官室でこれを行っておるという事態が得々と彼の口から語られているわけであります。文部大臣、こういう文部省の高官の部屋が個人の株の売買の場とされた、ひいてはそれが汚職の疑惑の場となりかねないような、こういうことについて、文部大臣としてどのように考えておられますか。
  39. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 私自身、昨日の院の御決定によります証言を、私自身ラジオを通じて聞き及んでおりました。その中に、御指摘の部分がございました。私自身大変残念に、遺憾に思いました。少なくとも、その職務にある者は、職務に専念すべきことでございます。もちろん、いろいろな来客があることは、それは推測はできますけれども、少なくとも行政上職務を遂行する神聖な自室でありますから、自室といいますか公務の部屋でございますから、少なくとも教育文教政策を推進するための重要な、事務的な部屋として使われるべきが当然のことながら本来でございます。それが個人的な、少なくとも単に経済行為といたしましても、そのような個人的な折衝に使われたということは、大変遺憾なことでありますし、これが私ども文部省に数十年籍を置いた者の行為といたしまして、単にその非をなじるのみにとどまらず、私ども自身がもう一度文部省の職務の遂行に対しまして、厳正に襟を正して、現職職員一同がもう一度厳正な職務の遂行に心していかなければならない、そのように率直に感じた次第でございます。
  40. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 官房長に尋ねますが、個室を持つ文部省高級役人の部屋は幾つありますか。
  41. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 文部省には、局長クラス、審議官クラス、それと官房三課長が個室を持っておりますので、大体見当としまして二十幾つの個室があると思います。
  42. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 二十幾つ個室を持つ高級幹部がおるということでありますけれども大臣高石事務次官の部屋でこういうことが行われておったということでありますけれども、ほかの部屋でも全くないと、信ずるということじゃないですよ、全くないかどうかということを確かめていますか。
  43. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 今おっしゃった具体のことを確かめたかどうかということは非常に難しいことでございますが、今お答えをいたしましたように、厳正な職務を遂行しようということについては再三申し合わせをいたしました。私から事務次官官房長に伝え、官房長から局長会議を開き、さらに課長連絡会を開きまして省内に徹底をせしめたところでございます。
  44. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 昨日の証言で、高石氏は江副氏と十年来親しいつき合いだ、しかしこの間株の話などは全くなかった、そして、たまたま昭和六十一年の九月、このときにファイナンスの小林社長の方から話が持ち込まれた、こういう言い方でありますけれども、こういう言い方をしたって、これは国民にはおよそ納得しがたい話でありますけれども大臣高石氏のこの説明をどう受けとられるでしょう、信じられますか。
  45. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 私から申し上げられることは、真実が明らかになるということは好ましいことでございますし、たまたま院の御決議でああいう証言をする場を与えられました。真剣な御質問があり、それに真剣に各位に答えられたと思いますので、私はそれを当然のことながら信じてまいるつもりでございます。
  46. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 同様でありますが、十一月の中旬に小林社長を通して一万株のうちの六千株の売却を頼んだ、しかしそれがどこへ行くのかということは知らなんだと言うんですが、こういう言い方というものを大臣は信用されますか。
  47. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 済みません、ちょっと最初のところ聞き取れませんでしたので……
  48. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 九月に買うたわけですね。そして十一月に売るわけでしょう。そのときに、その売るのがどこへ行くのかということについてよく知らなかったと、こう言っているでしょう。
  49. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 失礼でございますが、今の御質問は、九月に高石氏が株を買った、そして十一月にそれを売った、そういう証言をされたのは聞いておりますけれども、その株がどこへ行ったかわからないということでございましょうか。そこのところはちょっと私も御質問意味がちょっとわからないのと、それからきのうの証言をその点は聞き漏らしておりまして、ちょっと私の理解が遅いのか、ちょっとお答えしようがないという感じがいたしてございます。
  50. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 まあいいです。  とにかく、国民が常識的に見ても信じられないようなことを依然として証人喚問の席上でもぬけぬけと証言をしているという例を幾つか挙げたということでありますけれども、そこで、証言が終わってから、同僚議員も触れられておりましたけれども文部省に立ち寄っておわびの言葉があったというんでありますけれども、一番肝心の、文部大臣もみずからワープロを打たれたというほどこの問題の究明に熱意を示されてきた五十項目質問ですか、これについていつ回答をしますという確約はとれたんですか。新聞報道で見ますと、できるだけ早い機会にというままで、きのうも終わっておるような感じなんですけれども、そこら辺に文部省の詰めの甘さがあるんじゃないか。証人喚問が終わったら聞くと言って、きのうで証人喚問は終わったんですから、ですから、一体それでは約束の五十項目回答をいつしてくれるんだという、そこを詰め切ったんですか、官房長
  51. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 文部省から詳細な項目にわたりますそういったお問い合わせをいたしました時点は、既に新聞報道等におきまして国会における参考人の招致であるとか、あるいは証人喚問ということが具体的な話題として上っていた時点でございまして、私ども質問自体も奥様がなさったことを前提とした質問でございますので、多分御当人も相当内心は苦慮されたことではないか、つまり従来の第一回目の共同記者会見の内容のとおりの報告をするのか、あるいは真実を明らかにするのかを迷われていた時点だと思います。  そういう意味におきまして、現地におきます高石次官の第二回目の記者会見で、国会の場において真実を明らかにしたいということでございまして、その後文部省への御報告を申し上げたいという意向を共同記者会見の場を通じて知ったわけでございますし、昨日参りましたときには、国会証言をしたばかりでございますので、その辺の整理をした上でということでございまして、それは国会での神聖な証言でございますから、それがすべて私ども真実であると思います。あとは、国会での御質問がなかった部分に対する欠落した部分の補充であるとか、そういったような事柄をお詰めいただくことだと思いますし、また文部省に対しますそういった説明ぶりが、また今後、その他の段階におきます国会での場等も考えられるわけでございますが、その辺の慎重を期しているのであろうと私どもは思っております。
  52. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 質問に対する答えになってないんじゃないですか。  ということで、きのう証言を終わって、もう少しよくいろいろ整理、どういう回答を文部省に出すかということについて回答をするための日数も要ると。要るなら要るで遅くとも何月何日までには出せますというところまで答えを詰めたんですか。
  53. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 文部省は捜査当局でございませんので、実情の把握を文部省なりにいたしたいということでございますし、多くの事柄は昨日の証言におきまして明らかにされたところでございます。そういった意味におきまして、いつまでというタイムリミットではなくて、こちらは調査協力要請をしておるわけでございますので、速やかにということで私どもお願いをしておるわけでございますので、そう遠からず御報告はちょうだいできるものと考えております。
  54. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 遠からずと言いながら、それがもう延々として長引いているというのがこの現実じゃありませんか。そういう文部省の態度が、与党の議員の皆さん方もいら立ちを感じられるほどの今日の文部省高石氏との関係になっていると思うんですよ。  大臣は、高石氏のこの間の言動について一定の批判も示し、法的な問題の当否はそれはそれとしつつも、しかし子供たち教育責任を持つ府としての文部省が今日こういう事態に巻き込まれておるということについて深い憂慮もし、国民の前に真実を明らかにしなくちゃならぬということを示されておる。そこはそこで評価をするんですけれども、しかしそのことを本当にやり切っていくために、やはり詰めるべきものは詰めなくちゃいかぬと思うんですよ。だから、回答書を出すと言うんだったら遅くとも何月何日までに出すか、できるだけ早いものと期待をしていますという、期待だけで事は進むものじゃないでしょう。  ということで、早速きょうの終わったら、昼からでもいいから電話ででもして、何月何日までに出してくれるんかという、そういう返事をしっかりと取りつけてもらいたい。そうしなければ事が明らかになるのはずるずる延びるばかりじゃないですか。どうですか。
  55. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) せっかくの御質疑でございます。また、私自身は文部行政を守りたいということで頭がいっぱいでございます。したがって、厳しい態度もとりますが、それは私自身に対する厳しさを持たなければならないということで、ついそういう言葉も出ます。決して他をなじるのではなくて、自分の徳の至らなさを残念に思う点も多いわけでございます。  その一つは、私どもがこの高石次官の告白を聞きましたのは十一月三日でございました。そして六日に直接事務当局をして聞かしめたのでありますが、そのときにはまだ不分明、不鮮明な点が多うございました。したがって、上京を促して直接お会いしたい、こう申し上げたわけでございます。以後一週間たちまして、十三日が日曜日でございましたので、来週には上京されるという時点で、さあ漠然として上京されるということでもこれはかえって内容の聴取には手間取るかもしれないということで、ある意味で私どもが知りたい点を箇条書きにしてお渡しした方が答えやすいであろうということも含めまして、相当多岐にわたります質問を箇条書きにいたしてお渡しをしたわけであります。  したがって、私の発想では、やや官房長と違いますのは、参考人招致、証人喚問があろうとなかろうと、少なくとも文部省のOBとして真っ先に後輩である文部省職員に自分行為真実をまず語り、報告をしていただくものであろう。当然のことながらそれを信じておりましたから、何日までということとか、それから証人喚問、参考人招致があろうとなかろうとという時点での私の発意であったわけであります。したがいまして、それを信じておりました。しかし、金曜日だったと思いますが、地元で記者会見をされまして、今までの説明をされましたことを撤回というか修正をされたわけであります。そして、その詳細は証人喚問された時点で真実を述べる、こうおっしゃった時点で、私はある意味ではそういう機会を持たれることはいいことであるけれども、結局は我々にはその真実を語る機会として持ってもらえなかったということに対して大変残念に思ったことは事実でございます。  しかし、院でお決めになりましたそういう機会に真実を述べるということでありますから、私どもはそれに期待をし、むしろ今後は、ほとんど私きのう聞いておりまして聞かれるべきところは聞かれ、答えられるべきところは答えたと思っておりますし、それが真実と当然信じておりますけれども、なおかつ申し残したことがあれば御自身からあらゆる機会に公表してもらいたい、私はもうそう思っておるというのが現状の実際の心情でございます。
  56. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 長い経過の御説明はありましたけれども、私が繰り返し質問している点に対してはきちっとした答えがないままだと思うんですけれども、ちょっと角度変えて、今日までやってきたこの文部省調査はどういうものであったかという、そこを振り返ってみたいと思うんでありますけれども、一体だれを調査してきたんですか。調査の対象者はだれなんですか。
  57. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 十一月三日の時点におきまして、今回の株購入の前段階は奥様ということでございました概要を簡単に承ったわけでございまして、それは電話での高石次官からの御連絡でございます。それから十一月六日の時点におきましては高石事務次官から直接に面接といいますか、相対でお話を、事情聴取を伺わしていただいたということでございます。  それと、その後におきまして各般の問題も出てまいりました。例えば生涯学習振興財団のケース等もございましたので、これは寄附行為が行われた日時、経緯等につきましては、学校法人帝京大学から事実の確認をさしていただきました。それから、生涯学習振興財団の設立の手続等につきましては、福岡県教育委員会から報告をちょうだいしたということでございます。その他内部におきましてはそれぞれ当時の審議会委員の人選等につきまして、部内で当時の経緯等の事情把握にも努めたということでございまして、調査といってもあるいは事情聴取といたしましては各般にわたるものはございますけれども、メインは何と申しましても先ほど申し上げました十一月六日の事情聴取が中心でございました。ただ、この前提条件が奥様の独断でなさったという行為を前提とした組み立てでございまして、それが基本的には変わったわけでございますので、そこの問題に関しましては国会証言の場で私ども詳細を承知したというところでございます。
  58. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 高石氏を今までの調査でも重視をしてきたし、これからも重視をしていくという、そこは当然だと思うんです。  しかし、問題は教育にかかわって、いわゆるこの臨教審、それに基づく一連の教育改革の諸計画、そこをめぐっての関係をした人々のリクルート汚染者というのはたくさんいるわけでしょう。中曽根元総理大臣もそうだし、森元文部大臣もそうだし、それから藤波元中曽根時代の官房長官、それから江副氏本人、これが二つの審議会委員に入っているということだし、公文俊平氏、最近名前が出たところでいきますと臨政審の副会長ですか、諸井氏、こういう人たちのわんさとこれだけの名前が出ているんですから、文部省の方から聞きただして答えてくれないと言うんだったらくれないということなんですけれども、もっと事柄の全貌をつかむということで、いかにしてこの今日の教育をめぐっての国民の危惧と疑問、これに対してこたえていくかという、もっとそういう全貌を、全容を明らかにするこの立場が必要じゃありませんか。
  59. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) リクルート問題に関しましては、さまざまな御議論がなされているところでございますけれども、私どもの立場といたしましては文部行政が真に適正に執行されたかどうか、あるいは国民の信頼を損なうことはなかったかどうか、そういった視点におきましてこの関係いたします文部行政におきます従来の仕事面での対応を中心といたしまして、かつ高石事務次官が在任中にとられました行動についての解明を、あるいは事情把握をしたいという視点からの調査ないしは事情聴取でございまして、とても今先生のおっしゃった事柄万般にわたりますことまで文部省で事情を把握するということは極めて至難のことかと考えております。
  60. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 それは逃げですよ。それは高石氏は文部省側の関係者だということはこれはもう明明白々、だから徹底してここの究明をしなくちゃいかぬ。しかし、同時にこの江副氏であれば二つの審議会委員に加わっている、あるいは公文俊平氏はそうだ、諸井氏はそうだということで教育と無関係な人物じゃないじゃないですか。だから全容を明らかにするということで必要ならばそういう人たちから事情を聞くという、こういう文部省としての必要な努力がやられてしかるべき今日の国民的関心が寄せられておるこの問題だと思うんですよ。  そういう意味での中心として高石氏という人物がおるということで本当に先ほど来聞いてきたんですけれども、私は、後からも具体例を挙げて触れますけれども、なかなかのしたたかぶりな人物だと思いますね。それというのもやっぱり中曽根が後ろ盾にあるということで強がりを見せているというこのところ、私はここが軽視できないと思うんですけれども、その高石氏の一日に電話で聞き取りですか。そして三日に来てもらってやったという。この三日の東京に出向いてもらって事情を調査した、このときになぜ文部大臣はみずから陣頭指揮で、というのはいずれも文部省におる事務次官にしたって官房長にしたって何にしたってみんなかつては高石氏の方が上司におったんだからということで、文部大臣みずからが陣頭に立って聞くべきことは聞くということをなぜやられなかったんですか、三日の日に。——いや、文部大臣に聞いておるんだ。
  61. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 前後の御説明は省略をいたします。  今おっしゃった時点は十一月六日の時点であったと思います。十一月六日高石氏が上京されたわけでありますが、はっきり申し上げまして私が直接お会いするべきであったかもしらぬというふうに私自身考えております。しかし、そのときにはまず一番、机をともにしてこられた方々の間で忌憚なく、その前提に三日に電話で伺っておったものでございますから、電話で伺っておった第二弾目として上京されるということでございました。私が会ってかた苦しくなるよりはということもございましたし、どうせお会いするならば長時間いろいろとやりとりするよりは、もう少し整理をしてということもございまして、第一段階目は事務当局と申しますか、もっとわかりやすく言えばこれは先輩後輩かもしれませんが、同じ文部省というものを支えてきた内輪同士が、机を並べておった同士が一度胸襟を開いて真実も悩むところも全部語り合う機会が一度は必要ではないか、もしそうでなければ電話でも済むことであるという心が働いたことは事実でございます。  ただ、それで終わりとするわけにはいかないという不鮮明、不分明部分がありましたので、それを私自身が明らかにするために、質問しやすい、答えやすいように箇条書きにいたして、その後お渡しをしたということは、そういう段階があった。私もその段階ではその方がよかろうと判断したことがあったことは事実でございます。
  62. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 文部大臣は参加されなかったということでありますけれども、十一月の六日ですか、事務次官官房長を中心に事情の聴取をしておられるわけですけれども、そのときに女房が私の名義を使って勝手にやったんだと、こういう言い方がされている事実ね。そういう言い方をなぜうかうかと、やすやすと信ずるというようなことになったのか。もっと言えば売買契約書を見せてほしいということを言いましたか。
  63. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 大変申し上げにくい話でございますが、私ども高石夫人も承知申し上げておりまして、御家庭の状況等からすればあり得ることだという認識を持ちましたことでございます。その意味におきまして前次官のおっしゃった言葉は私どもは当時信じたわけでもございます。  それから、そういった書類等につきましては今手元にはない、奥様が、当時のお話でございますが、高石夫人の手元に持っていないということでございましたので、それは早く奥様にお願いして調べてほしいということは申し上げましたし、その後も何回かごらんいただけましたかということの督促はさせていただいております。
  64. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 それで、何回か督促をしてどういう答えだったのですか。
  65. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) まだ奥様が福岡にいらっしゃいまして、自宅以外の場所に保管をされているということで、そこへまだ接触するチャンスがないということはお伺いしておりました。
  66. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 それが大体調査の詰めの甘さです。本気になって売買契約書を見ようという気があるんですか。それ見たら、サインがしてあったら、ずっと長年、長年というかそんな長くもないけれども、何年か事務次官をやっていてそのサインで筆跡はわかるでしょう。筆跡を見たら本当に奥さんの筆跡なのか本人の筆跡なのかというのはわかりますよ。ということで、もっと言えば、出てくるときにそれ持って出てきてくれと、こう言うておけばよかった。本当に事実を調べようという、そういう気が果たしてあるのかということを私は文部大臣、篤と申し上げたいんです。それで、ぜひこれからも引き続き文部省としては必要な事実の解明をやっていくんだということでありますから、ぜひそういう方向で努力をしてもらう必要があると思うんです。  次の問題へ進めますけれども高石氏はきのうの証言で、株の譲渡は受けたけれども江副氏の審議会委員参加とは関係ないというふうに開き直っているわけであります。しかし十年来のつき合いの中で、年月が示しますように昭和六十年の九月に教育課程審議会委員、六十一年九月に株の譲渡、それで六十二年の九月に大学審議会委員という、この日取りを追うだけでも委員の任命が関係が深いという疑惑が出てくるのは当然であります。まず当然のこととして確認を求めておきたいんですけれども教育課程審議会委員に任命される昭和六十年九月当時は、高石氏は初中局長、それから大学審議会委員に任命される六十二年九月、これは事務次官ということで、この委員任命に関与できる地位にあった、どう関与したかどうかは次の問題として、そういう地位にあったことは事実ですね。
  67. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) そのとおりでございます。
  68. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 法務省はおられますか。  先日の、本年の七月十八日の最高決定で、一般人が入手困難で、値上がり確実な株の譲渡を受けるだけでも贈収賄罪になるというのが最高決定趣旨でしょうね。
  69. 古川元晴

    説明員(古川元晴君) 御指摘の決定は、最高裁の六十三年七月十八日のものと思います。殖産住宅事件に関するものでございますけれども、そこでは、未公開株を上場による公開前に公開価格で取得した事案でございますけれども、一定の事実関係、つまり「上場時にはその価格が確実に公開価格を上回ると見込まれる」ということ、それから「これを公開価格で取得することは、これらの株式会社ないし当該上場事務に関与する証券会社と特別の関係にない一般人にとっては、極めて困難であった」こと、こういう一定の事実関係のもとで、これが「贈収賄罪の客体になる」旨の判断をしたものと承知をいたしております。
  70. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 もっとわかりやすく。  とにかく値上がり確実な株を一般人が入手できない、特別な十年来のつき合いという、そういう関係でもらって入手するという、こういうことはそのことだけでもわいろ罪に該当するんだということなんです。  それで、高石氏が初中局長から事務次官を勤めている時期の間に、これは林委員からもありましたが、江副氏を初めとしてリクルート関係から四人の幹部が八つの文部省の諮問機関に入り込んでいるということはまことに異常だという、私もまことに異常と思うんですけれども、どうですか。文部省の諮問機関に特定一つ企業からこれだけごそっと諮問機関に参加をしている企業の例ありますか。あったら例を挙げてください。
  71. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 先ほど申し上げましたように、三十八の私的諮問機関あるいは研究協力者会議、そのほかに十七の審議会ございまして、全人数は恐らく膨大な人数に上ると思いますので、そこまでの分析、調査はいたしておりませんが、先ほど申し上げましたように、例えば特定いろいろな形で活躍されている方もいらっしゃいますし、ただ、量的に一つ企業から、これがリクルートのケースが一番多いかどうかということは、確認はいたしておりませんけれども、多い方であることは事実でございます。
  72. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 同一産業からというようなそんな意味じゃなくて、一つ企業からということで、そんなあいまいなことを言うんだったら、これを機会に一遍調べてみてくださいよ。
  73. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 人数的に多分一千名近い人員だと思いますが、ちょっと調べるには時間のかかる事柄でもございますし、多いということは私ども認識いたしております。
  74. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 多少日数をくれということはわからぬでもないんですけれども、そんなにむちゃくちゃ時間かかるわけではないんです、そんなもの。たくさん文部省の職員おるんだから手分けしてやったらすぐできる。  そこで、次は生涯学習振興財団と帝京大学の関係でありますけれども、念を押しますが、この財団は事実上高石氏の選挙母体なんですか。
  75. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 生涯学習振興財団は、名のとおり生涯学習の振興のために設立されたものでございまして、主たる目的は生涯学習会館を設置し運営することでございます。同時に、地域におきます生涯学習振興のための相談事業あるいは援助事業等を内容とするものでございまして、基本的にこれは財団法人として認可された、許可されたゆえんのものは、生涯学習振興のものでございます。しかして、その財団の理事長には高石氏が就任いたしておりますけれども、その生涯学習振興という財団の目的に即して財団を運営、管理する立場にあるわけでございまして、基本的に選挙目的のようなもので設立されたものでないことは明らかでございます。
  76. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 今の論法のごまかしは後から証明しましょう。  帝京大学がこの振興財団の基本財産八億円の全額を寄附をしているということでありますけれども、この寄附が他目的に流用されない保証、担保、これはあるんでしょうか。
  77. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 八億円のうち、福岡県教育委員会報告によりますれば、六億円が基本金でございますから、基本財産は、これは処分はすることはできないわけでございます。残りの二億円が運用財産ということでございまして、それをベースとして各般の事業を展開していくわけでございますが、もちろん財団法人として設立されました目的に従って支出されていくわけでございますので、その流用、いわゆる本来の財団の目的としている事業以外に支出することは不当なことだと考えております。
  78. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 もっと具体的に聞きましょう。  この帝京大学も、さっきも言われておりました文部省私学助成金を受けておる大学でありますし、そういう大学が政治的目的の資金を寄附するという結果がもし出ていたとすれば、これは許されないことですね。
  79. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 生涯学習振興財団は、先ほど申し上げましたように生涯学習の振興のために公益目的で設立された財団でございます。
  80. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私が尋ねているのは、政治資金規正法の二十二条の三、国から補助金、負担金等等、こういうものを受けている者は「政治活動に関する寄附をしてはならない。」という、この定めもあるから、帝京大学が結果として政治活動に使われていくような、そういう寄附をしてはなりませんねということを聞いておる。
  81. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) それは先生おっしゃるとおりだと思います。
  82. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そこで、この大学ですけれども文部省から資料をいただきましたが、例えば学費をちょっと比較をしてみますと、全国の私立大学の六十三年度の入学金、文科系二十三万円、授業料四十四万九千円。医学部について見ますと、九十八万五千円が入学金、授業料二百十万七千円。帝京大学は、法、文、経、まあ文科系といいましょうか、これが入学金五十万、授業料が七十万。医学部、入学金百五十万、授業料二百六十万ということで、学生からはがっぽりと取りながら八億のそういう寄附をするというのは一体どういうことかというふうに指摘せざるを得ないわけでありますが、その点について疑問感じませんか、文部省
  83. 野崎弘

    政府委員野崎弘君) 今御指摘の数字はそのとおり六十三年度の学費の状況でございます。その授業料等の学生納付金につきましては、本来的に私学自身の責任において自主的に決定されるべき事柄、このように私どもは考えておるわけでございます。しかし文部省としましては、従来から私立学校の学生等の修学上の経済負担の軽減等に資するために私学助成等を行っておるわけでございまして、一方私立学校に対しましては、経営努力を行って授業料等納付金の値上げについて極力抑制するように指導しているところでございます。  今御指摘ございましたけれども、帝京大学につきましては、例えば法、文、経でいきますと、入学金は六十一年度以降、授業料も六十一年度以降値上げを抑制しております。薬学部につきましては入学金は五十六年度以降、授業料につきましては五十九年度以降、医学部については入学金五十七年度以降、授業料につきましては五十九年度以降それぞれ値上げを抑制している、こういうことでございます。
  84. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 いや、私の質問は、片一方でそういう高学費を取りながら、片一方で八億円の寄附をするという、こういうありようを文部省はどう見ているかということです。
  85. 野崎弘

    政府委員野崎弘君) 学生納付金はもちろんこの授業の学生の方に還元されるべきものと私どもは考えておるわけでございます。  なお、御指摘の点につきましては、資産運用等によります中で生み出されてきたものでないか、このように考えております。
  86. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 何を言うとるのかわからぬ。  ちょっと時間がないので急ぎますが、文部省は、この生涯学習振興財団、一体これはどういうものか、どういう建物かということを実際に見たことありますか。
  87. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) 生涯学習振興財団は、福岡県の許可を受けて設立された福岡県に所在する財団でございまして、私どもまだ拝見はいたしておりません。なお、現在は生涯学習会館の建設のための土地の交渉をしている段階と聞いておりまして、そこに生涯学習会館を建設するという方向で、現在は仮事務所的な存在であると承知いたしております。
  88. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 実は私どもの党としてこの間ちょっと調べてきました。福岡県山門郡三橋町今古賀四十七の一のMKビルという四階建てのビルのその三階にこの生涯学習振興財団というのがある。その入り口のドアにプレートが三つかかっておるんです。一番上に高石邦男事務所、真ん中に生涯学習振興財団、一番下に高石邦男後援会、高石邦男事務所と後援会に挟まれて、こうある。  ごめんなさいと言って、ドアをあけて中へ入っていろいろ様子を聞いたわけですけれども、そうしますと、約二十坪ないし三十坪ぐらいのフロアの部屋ですけれども、この生涯学習振興財団というのはもうその中の二坪せいぜいぐらいということで、一番部屋の隅っこについ立てで仕切って、その奥にひそっと机が一つあるだけです。それで、そのつい立てには生涯学習振興財団という表示もない。生涯学習振興財団はどこですかと聞いたら、おった職員の人が、あれですよ、あれですよと言う、こういう姿になっておるということですね。本当にこの財団というのは一つのトンネル機関というか選挙活動資金の受け皿機関というか、そういうものじゃないかという疑いが極めて濃いと思いますので、ひとつ文部省、よくその実態を調査して、福岡県教委に対して指導すべき点は指導するということで対処をしてもらいたいと思うんですが、どうですか。
  89. 加戸守行

    政府委員加戸守行君) その間の事情も福岡県教育委員会から報告を受けておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、来年生涯学習会館を建設すべく現在用地の手当て中でございますが、会館が建設されるまでの間の仮事務所というような視点で許可がなされておるわけでございますので、会館が設置されましたときには当然そこが事務所の所在地として機能するということを伺っております。
  90. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 仮事務所というプレートが出ているわけじゃないんですよ、ちゃんとこれは見てきたんですから。この生涯学習振興財団というきちっとした正式名称によるプレートが出ておるんです。とにかく文部大臣、実態をよく調査をしていただきたいんです。  それで、もう時間がありませんから幾つかの例を挙げておきますけれども、これはほんの一例ですが、一つは九月の三重県議会で、九月十六日に東京で高石氏がパーティーやりましたね。「高石邦男君と語る会」、このパーティーについてのパーティー券、これを県教委が市町村教育委員会に強制割り当てをするような、こういうことになって非常に批判が出たということで、県議会で県教委として謝罪をするということが起こったんです。これはちゃんと普通の新聞に、赤旗だけじゃない、ちゃんと書いてありますから。普通の新聞にも書いてありますから、めくってみたらすぐ出てきます。こういうことが単に三重県では氷山の一角として露呈をしたわけだけれども、全国的に起こっているんじゃないだろうかということがあります。  さらに、大臣、ごらんになりましたか。この対談集、「日本の心と教育の将来 高石邦男対談集」という、こういう本を高石氏が出したのですけれども、これは事務次官当時からつくり出したのですよ、この本。そのときにこの本の目的を余りはっきり言わぬまま、こうやってほいほいほいと話に乗った人が、これが選挙に利用されるということで、例えばこの中で檀ふみさんだとか、あのノーベル賞をもらった福井謙一さんだとか、あるいは相撲の二子山勝治親方ということで、うまいこと乗せられたということで批判が出ているわけです。あるいはいろいろな後援会あるいはレスラーの選手、あれを呼んできて人集めをするという、その際に、後援を決定もしてない。これは九州の筑後市というところの例ですけれども、そこの名前を立て看板に書き込んで、後から抗議をされてこの立て看板を撤去するという、こういうことでの一もめが起こってみたり、とにかく非常に強引なやり方だ。  それで、要するにきょう結論として言いたいことは、片やリクルート事務次官の部屋まで使ってそういうお金をぽっぽにする。片一方で、言うなら文部省の省内がどうなっているか、この次に言うてくれというのだったら言いますけれども、いわゆるぐるみ選挙的なこういうやり方をしてやっているという、これは単に個人の選挙活動の自由だということで済ませたらいい問題じゃないと思うんです。本当にこれこそ文部省文部事務次官を務めたということであれば、文部省の名誉のためにも忠告すべき点は忠告をする。法務省もずっと残っていただいておりますから、よく話を聞いていただきましたでしょうし、必要な法務省として注意を向けるべき点は注意を向けるということでやっていただきたいと思いますけれども、最後に、大臣と法務省とそれぞれ一言ずつ聞いて終わっておきます。
  91. 古川元晴

    説明員(古川元晴君) 今国会におきまして繰り返し御答弁申し上げておるわけでございますけれども、このリクルート問題に関しましては、種々の御論議が国会等でなされておりますことは検察当局といたしましても十分承知いたしておるはずのところでございまして、そのような点につきましては、十分検討をしているものと承知いたしているところでございます。
  92. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) いろいろな御質疑をいただきました。私ども文部行政を進め、信頼を守るために最善を尽くしてまいりたいと思っております。
  93. 杉山令肇

    委員長杉山令肇君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会