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菅野久光君 まず初めに、今度の
国家公務員等に関する
給与法等の
改正案について、八月の四日に
人事院勧告がなされまして、十月の二十五日にこの勧告についての取り
扱いが完全実施ということで
閣議で決定されました。
国会にこの法案が出されたのは十一月二十二日です。
閣議決定から約一月、人勧があってから約三カ月ですか、このようにおくれたことは勧告の
趣旨からいっても極めて遺憾だということを私は申し上げなければならないというふうに思います。
とりわけ今度の御提案は、
給与法の
改正案と
手当の切り下げを
内容とする
寒冷地手当法の
改正案、しかも実施時期の異なるものを一本化して提案しております。この点については何としても納得ができないんです。特に、
寒冷地手当法の
改正案は、今申し上げましたように切り下げの提案です。私は、切り下げというのは
人事院ができて以来初めてじゃないかなというふうに思います。
そういうことでこのことについても十分な論議をしなければいけないというふうに思っておりますけれ
ども、いよいよ暮れが押し迫って、先ほどの長官の御提案にも「何とぞ、慎重御
審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。」と、これは決まり文句にしても、わずか二時間ちょっとぐらいで慎重
審議というわけにはいかないわけです。
給与法の関係についてはある程度
理解ができますが、引き下げを伴う
寒冷地手当の問題については私も北海道出身という
立場からいえば北海道に住む
公務員の人
たちの生活に直接かかわる問題だということでこの場でもいろいろ論議をしたいわけですが、もう限られた時間でありますから極めて残念でございます。
今回は、
寒冷地手当の本体そのものはいじらないで、特に灯油の価格が下がっているということで
加算額の問題について減額提案、こういうことになりました。甲地——甲地といっても一般の
方々にはわからないかと思いますが、北海道を三つの
地域に区切って、一番寒い
地域を甲地、それから真ん中の
地域を乙地、そして道南の割と暖かいところを丙地とこういうふうにしておりますが、甲地では今まで現行十万五千三百円が今度は六万六千五百円、実に一度に三万八千八百円、約三七%引き下げということになります。乙地でも現行八万一千六百円が今度は五万一千六百円、三万円の減、丙地で現行六万一千円が今度の御提案では三万八千六百円、二万二千四百円という大幅な減になっています。これは、北海道の
地域における経済的な効果の面からいっても大きな
影響を受けることは申すまでもありません。
灯油の価格が下がったという事実は、これは確かに私
どもも認めます。北海道に住む
公務員の人
たちは、実は本州にあるポータブルのようなああいうものじゃなくて、十数万円もするような暖房器具をつけないと燃焼効率が悪いし暖房効果もよくないということで、灯油の価格が下がってちょっと余力があるときにそういうものを買いかえるということなどを含めて経済的にも
公務員にとっては大変な、今年度はそのままでありますけれ
ども来年度以降、そういう状況になる。そういうことも
人事院ではある程度承知しながらの今度の減額提案だとは思いますけれ
ども、私も社会党の寒冷地対策特別
委員会の
事務局長ということで総裁や
給与局長にもいろいろお話を申し上げた経過もあります。しかし、やはり北海道に住む
公務員にとって何とか納得ができるというような状況の中でこういう
手当の問題についていろいろなされることが必要じゃないかなというふうに思うんです。
特に使用量の問題を何度かお話しになりましたけれ
ども、全道平均では一冬約千八百リッターということでありますが、これは六十一年の調査でこの年は暖冬だったんですね。しかしそれ以前の、北海道の消費者協会の暖厨房用燃料調査によりますと、五十五年以降五十七年ぐらいまで灯油の価格は大変上がった。やっぱり、上がったときには暮らしを守るということで使用量が極端に少なくなっていっているんですね。暖冬ではありましたけれ
ども六十一年度は、使用量がちょっと上がっているということがあります。しかし、これも全道平均の使用量でありまして、しかもそれぞれの市町村での抽出が十件だとか十五件だとかという極めて少ない数です。この使用量を一体どのぐらいに見るかということは極めて難しいと思うんですね。家屋の構造がどうなっているか、単独の暖房器具かあるいは
幾つ暖房器具を使っているか、セントラルヒーティングになっているのかどうか、それから家族の構成によっても受験期の子供を持っている家庭は夜中じゅうたいていますし、そういったようなこと等を含めていきますと抽出されるところによっていろいろ違うわけであります。
例えば、札幌のすぐ近くに当別というところがありますが、消費者協会の調査を見ますとここは飛び抜けて多いんですね。平均で見ましても札幌が千七百六十六リットルですが、当別は二千九百二十八リットル、全道一高いんじゃないかと思いますが、そのように非常に差があります。
そこで、非常に難しいことだとは思いますけれ
ども、消費者協会のわずかの抽出で平均の灯油の使用量を決めるということではなくてもっと何らかの形で、いわば北海道に住む
公務員がこの程度が平均だなと納得のいくような形での調査をすべきではないかというふうに思いますが、今回減額勧告をなさったということを踏まえてその点についてお考えがあればひとつ聞かせていただきたい、このように思います。