○吉川春子君 私は、
日本共産党を
代表して、
防衛庁設置法及び
自衛隊法の一部を改正する
法律案に反対の討論を行います。
まず、本日、この
防衛二法の
委員会審議を打ち切り採決に入ることに反対します。なぜならば、これらの法案は十分に審議を尽くしたとは言いがたく、
国民生活及び
日本の運命に深くかかわる本法案の内容を広く
国民に知らせる上で余りにも少ない審議時間であると言わなくてはならないからです。
また、昨年十二月八日、本
委員会で
防衛二法が通ってわずか十カ月の間に再び軍備拡大のための同法改正を行うなどということを認めることはできません。
今、世界は、
米ソのINF全廃条約の締結を契機に、核廃絶と
軍縮を求める声が一層大きくなっています。ヨーロッパでは、ギリシャで米空軍基地閉鎖、スペインでは米空軍戦闘航空団の移転など、米軍基地撤去の動きがあります。
戦争放棄の憲法を持ち、唯一の
被爆国である
日本の役割は、世界の平和の動きを加速させることであるはずです。しかし、
政府は、六十三年版の
防衛白書でも相変わらずソ連脅威をあおり、それを根拠に一層の軍拡を推し進めています。既に
我が国の
防衛費はNATO方式で算定すると世界第三位になるというのに、これからも次期防、
大綱別表見直しなど、
軍事費の増大はとどまるところを知りません。加えて、アメリカからは在比米軍基地使用の見返り援助が大幅にアップしたことによる肩がわり要求や米軍基地の
日本人労働者の本給負担など、
我が国への
責任分担要求がますます強まっています。
さらに、本
委員会での私の質問に対し、
防衛庁は来
年度予算で導入を計画している原子力潜水艦探知のための音響測定艦に米軍
関係者が乗り込むこと、ASWセンターで得られた対潜
情報は必要に応じ日米双方で交換することを明らかにしました。これは、自衛隊が対ソ潜水艦作戦に組み込まれ、米軍の補完的役割を一層強めることになるのです。
このように在日米軍基地と自衛隊がますます増強されつつある中で、核攻撃機F16による超低空飛行訓練が激化し、岩手で墜落、各地で爆音被害が起きています。沖縄でも、米軍の演習の異常な激化で銃弾が民家に飛び込むなど、住民は命まで脅かされています。
これらの地元議会が次々と訓練の中止、基地施設の撤去を決議しているのも、住民が望んでいる平穏な生活と基地の共存は不可能であることの証明です。
国民の怒りを買った海上自衛隊潜水艦「なだしお」の衝突事故も、軍事優先の自衛隊の
姿勢を示したものです。
今回の
防衛二法の改正は、日米軍事同盟のもとで日米共同作戦体制強化を推進し、憲法違反、
国民弾圧、対米従属の自衛隊をさらに強化するものです。
すなわち、その内容は、第一に、海空
自衛官の増員で護衛艦、潜水艦、F15などの新たな配備に伴う要員を確保し、一千海里シーレーン
防衛、洋上防空体制を確立しようとするものであります。
第二に、予備
自衛官の増員は、有事に際しての基地、地域警備、物資輸送などの後方
支援だけでなく、継戦能力の強化をねらったものです。
第三に、空自の抜本的な組織改編によって戦闘作戦部隊である航空総隊が最大限の戦闘力を発揮できるようにするため、
支援する部隊を再編強化するものです。
我が党は、
国民をアメリカの引き起こす戦争に巻き込む日米安保条約を破棄し、平和で真に独立した中立の
日本をこそ目指すべきであることを強く主張し、反対討論を終わります。