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山口哲夫君
真藤会長を初めとして重要な幹部が同じようなこういった問題を起こしている。これは
考えようによっては、NTTぐるみの疑獄事件にも発展しかねない、こういうふうに思います。
今申し上げましたように、
国民の共有財産とも言われるNTTのことでありますから、その責任をきちっととるためにも全貌をぜひひとつ明らかにしていただきたい、そのことを強くお願いをいたしておきたいと思います。
この問題は以上で終わります。
次に、前回の
質問で時間がありませんでしたために次に譲る、こう言っておいた問題があります。それはリクルート社の脱税容疑の問題でございます。
もう一度ちょっと
経過をおさらいしておきたいと思うんですけれども、神奈川県警がこういうことを言っております。
リクルート側は、六十年二月の第三者割り当て増資の価格を、譲渡価格の二倍以上の一株二千五百円にすることを五十九年十二月の
段階で既に決めていたことなどを重視している、これが神奈川県警の見解であります。ですから、二千五百円で売らなければならなかったものを千二百円で売ったとすれば、その差額の千三百円掛ける百二十五万株、十六億二千五百万円は、これは
リクルート側としては当然寄附金として帳簿に上げておかなければならない、こういうことであります。
なぜならば、法人税法の基本通達第九章の一の十四項に、「非上場株式で気配相場のないものの価額」については、株式の価額というものは「事業年度終了の時における一株当りの純資産価額等を参酌して通常
取引されると認められる価額」でなければならない。簡単に申しますと、帳簿価額ではなくして時価でやりなさい、こういうことであります。ですから、その時価というものが一体幾らかということなんです。私どもは二千五百円が時価であった、こう
考えているんですけれども、大蔵省は、いやそれは千二百円なんだと。大変な食い違いがある。倍も違うわけですね。
ですから、我々の
考え方からいけば、十六億二千五百万円掛ける法人税四二%、六億八千二百五十万、これを脱税しているんじゃないかという当然
疑いが持たれるわけです。もちろん、損金として落とせる寄附金というのがありますから、まあわずかなものでしょうけれども、数千万円。そんなものを差っ引いても大体六億円くらいの脱税はしているんじゃないかと受けとめるのが私は正しいと思うんです。これは
リクルート側の話です。リクルートから
コスモス株を受け取った七十六人の政治家とかその人
たちはどうかといえば、これは一次所得として千三百円の差額というものは、本当は二千五百円で買わなければならないのを千二百円で買ったわけですから、その差額千三百円というものは、これは所得隠しに当たるわけです。だから、譲り受けた方もこれは脱税になる、こういうことが
経過なわけであります。
そこで問題は、私が申し上げた五十九年十二月の一株の価格が二千五百円なのか、これは神奈川県警も言っていることですね、二千五百円だと決めていたというんですから、それが正しいのか、それとも大蔵省が言うように千二百円が正しいのか。このどちらが正しいかによって脱税かどうかということがはっきりしてくるわけであります。
そこで、大蔵省にこの千二百円の計算根拠を示してもらいたいと言いましたら、いろいろな問題を参酌しながらそういったものが出てきたんだ、
リクルート側の意見によればと、こういうことだった。それで正確を期すために文書でもって回答を求めました。そうしましたら、こういう回答が参りました。
リクルート社の説明によれば、以下のとおり。リクルート社の説明によればですね、大蔵省の
調査でないんですね、これは三つあります。
一つは「六十年四月期末のリクルートコスモス社の予想純資産額に」、二つ目「六十年早々に同社との合併が予定されていた株式会社日環建物の保有土地の時価評価額を合算し」、三つ目「これを発行済み株式総数で除して一株当たり約千二百円(五十円額面換算)と算定した」、こういうわけであります。
それで私は、それじゃこの予想している純資産額というのは幾らなのか、日環建物の保有土地の時価評価額は幾らなのか、発行株数は幾らなのか聞いたけれども、それは個々の問題については答えられない、こういうことでありました。どうしても出さないと言うんですから、仕方がないので、私はゆうべ一晩かかりまして、公表されている株式会社リクルートコスモス社の有価証券報告書、これを一応全部目を通してみました。その中でわかったことでありますけれども、まず残念ながら、五十九年十二月現在における発行済み株式、これが出ておりませんでした。それで、しようがないので私なりにこれを調べてみますと、まずはっきりしたことは、発行済みの株式総数は、三千四百九十四万七千七百六十株が出されているわけであります。
そこで、これは六十一年の四月三十日の決算の
時点での発行株数ですから、これからさかのぼること五十九年の十二月までの間にどんな株の動きがあったのか、増資がどのぐらいあったのかということを調べなきゃならないですね。数字で大変恐縮ですけれども、あなた方は頭いいし、いつもこれはやっているんでしょうからすぐわかると思うんで申し上げるんですけれども、まず
一つわかったのは、これは六十年の四月二十五日、このときに第三者割り当てが七百一万七千七百六十株。それからその次に六十年の三月二十日、一カ月ほど前ですね、日環建物を吸収合併したときの日環の持っている株数九百五十二万株。それから六十年の二月十五日、やはり第三者割り当てをしております。これが八百四万株であります。そうしますと、その三つの合計が二千四百五十七万七千七百六十株でした。そうすると、五十九年十二月の株式の発行数というものは、この決算時の約三千五百万株、それから今合計した二千四百五十万株、これを差っ引きますと千三十七万株になるわけであります。これは、これの計算からいったんですから、私は間違いないと思う。間違ったら困ると思いまして、念のために、今度もう少し上の方から、昭和五十七年の方から逆算をして計算したら、やはり五十九年の十二月ではどんぴしゃり同じように千三十七万株という数字が出てきたわけであります。そうしますと、この千三十七万株が正しいとすれば、さっき言った二千五百円を掛けますと、合計二百五十九億二千五百万円、約二百六十億円というものがいわゆる予想純資産額。あなた方が
答弁書で出してきたこの予想純資産額と株式会社日環建物の保有土地の時価評価額を合わせた金額、二百六十億円になるわけであります。計算上そうなりますね。
そこで問題は、大蔵省証券局の言う千二百円と、私の計算した千三十七万株を掛けてみます、大蔵省の言うことが正しいといたしまして。そうしますと、千二百円掛ける一千三十七万株ですから、その合計は百二十四億四千四百万円になります。これがあなた方の言う予想純資産額プラス株式会社日環建物の保有土地の時価評価額が百二十四億円になるというわけであります。ですから、あなた方の計算からいうと純資産は出せないと言うんだけれども、この計算で逆算していくと百二十四億くらいになるのがあなた方の計算。私の計算では二百六十億くらい。
さて、リクルートコスモス社が持っている今の純資産額、それから日環建物の保有土地の時価評価額を足したものが、果たして百二十四億が正しいのか、二百六十億が正しいのか、この問題であります。私は
常識的に
考えて、あの財産というものはそんな百二十億くらいのものなんだろうかなと
疑いを持つわけでありまして、やはり私の計算した二百六十億の方が近いのでないだろうか、そんなふうに思うわけであります。これがはっきりすれば脱税ということになるんでしょうけれども、どうですか、今までの私の計算について。