○
上田耕一郎君 それで私は、証券局並びに大蔵大臣のこれまでの国会での答弁を振り返ってみますと、先ほども同僚
委員から証券取引法四条の問題を言われましたけれども、
最初は本当に四条の形式犯みたいな扱いでしたね。特別利害
関係者のことも先ほどああいう状況で、徹底的に調べて何もない、何もないと言っているのかと思うとだんだん出てくるでしょう。だんだん出てくると認める。宮澤さんとそっくりですよ、
局長も。それで証券業界もかかわる
非公開株の取引でこれだけ大きな問題になってきたのに、担当の証券局も大蔵省もまじめに調べようという態度がないんですよ。これはちょっと恐るべきことだと思うんですね。これでは一体日本の政治は何やっているのかということになる。
私は、宮澤さん個人の株取引の問題だけでなくて、これだけ大きな問題になって世論が怒っている
リクルート疑惑の問題で、大蔵省証券局が本当に積極的に問題解明をしようという態度が全く見られなかったということは責任重大だと思うんですね。だから、宮澤大蔵大臣は、この問題があなた個人の問題でなくても、担当大臣として、
非公開株の取引に関するこれだけの疑惑について消極的姿勢をとり、ふたをし続けてきた、この点からだけでも
辞任の資格があると、そう思います。
それで、もう時間が余りなくなってまいりましたが、最後に、この
リクルート疑惑についての最も大きな疑惑は、じゃ
江副前会長らはなぜ六十一年の九月に証券業協会の内規違反——内規違反をしますと、これは店頭登録を受け付けないというふうになっているんですからね。そういう危険があるわけだ。で、証券取引法違反の問題も出てくる。それで十月三十日の店頭登録をも取り消される危険があるんですよ。内規の3はこう書いてある。「発行会社の特別利害
関係者等が」決まった「日以降に、当該会社の株集め又はこれに類する行為を行ったと認められるときは、登録申請を受理しないこととする」と、先ほどの
局長の答弁では、もう既にしちゃっているんだから、これは株をお持ちの方々に被害が起きるので、取り消すことは困難だという答弁があったけれども、これはまだ登録する一カ月前ですからね。このとおりいけば受け付けられないんですよ。何でそんな危険を冒して七十六万株もああいうことをしたのかと。だから
江副証人は、株の還流を認めると大変なことになるので株の還流はしていません、ただ、五社が直接配付したんで私はあっせんしただけだと言い続けましたけれども、これは全く成り立たない。なぜなら、これは偽証罪に当たる危険があるんですよね。とにかく
ファーストファイナンスが全部振り込むんだから、
ファーストファイナンスがやっているわけですよ。それで
ファーストファイナンスから
約定書が後になって送られてくるのですから、
約定書はファイナンスがやっている。ドゥ・ベストもビッグウエイもエターナルフォーチュンもワールドサービスも
自分でやってないんですよ。確かに
約定書は
リクルートコスモスなんかのあれではなくて、これらの五社の
名前だけれども、扱っているのは
リクルートですよ。全部返してもらって、あっせんあっせんと言っている。選んだのもそうです。
それでは、なぜそういうことをやったのかというのが最大の疑惑です。そんな危険を冒して店頭登録までなぜ一体
江副前会長はやったんだろうか、この問題を解明することが私は
リクルート疑惑の解明の中心問題である、そう思います。
広く新聞雑誌等で、この問題に関心を持っておる人々が共通して提起しておるのは、当時は中曽根内閣の時期だった。で、
関係八閣僚が
コスモス株をも受け取っている。
江副前会長は病院での臨床質問で、
名前は死んでも言えない、
刑事罰を受けても言えないと、こう述べた。死んでも言えない、
刑事罰を受けても言えない人の
名前は一体だれかというので、中曽根康弘氏あるいはその周辺のことに世論は当然疑問を持っている。だから、店頭登録を取り消される危険よりも、その人の要請を断る危険の方がもっと大きいというところに
江副氏は追い込まれたのかもしれない。そうなると、この疑惑の中心人物は
江副氏一人ではないということにもなりかねません。中曽根康弘氏は、先ほどの東郷民安氏の殖産住宅事件で、もう既に
非公開株の利用で彼は
最初二十五億円と言ったんですから、莫大な政治資金をつくることができるという経験者です。ひらめくんではないかと私は思うんですが、ロッキード事件ともかかわりがあったことが問題になっている。
私は、この問題をも解明しないとやっぱり国民の疑惑は解けないと思うんですね。中曽根康弘氏は今回ノーコメントで通しておられる。検察は今後、中曽根康弘前首相からも事件の展開、株の流れあるいは
職務権限等々の、事態の発展いかんでは
事情聴取を行うこともあり得ますか。