運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1988-12-06 第113回国会 参議院 税制問題等に関する調査特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年十二月六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動 十二月三日     辞任         補欠選任      鈴木 貞敏君     後藤 正夫君 十二月五日     辞任         補欠選任      井上 吉夫君     長谷川 信君      板垣  正君     松岡滿壽男君      岡部 三郎君     真鍋 賢二君      猪熊 重二君     及川 順郎君      上田耕一郎君     内藤  功君      下村  泰君     青島 幸男君 十二月六日     辞任         補欠選任      仲川 幸男君     野沢 太三君      松岡滿壽男君     板垣  正君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         梶木 又三君     理 事                 斎藤 十朗君                 林  ゆう君                 平井 卓志君                 降矢 敬義君                 吉村 真事君                 志苫  裕君                 安恒 良一君                 峯山 昭範君                 近藤 忠孝君                 栗林 卓司君     委 員                 井上  孝君                 板垣  正君                 岩本 政光君                大河原太一郎君                 大木  浩君                 加藤 武徳君                 久世 公堯君                 後藤 正夫君                 斎藤栄三郎君                 斎藤 文夫君                 田辺 哲夫君                 谷川 寛三君                 仲川 幸男君                 野沢 太三君                 長谷川 信君                 藤井 孝男君                 真鍋 賢二君                 松浦 孝治君                 松岡滿壽男君                 村上 正邦君                 森山 眞弓君                 及川 一夫君                 千葉 景子君                 福間 知之君                 矢田部 理君                 山口 哲夫君                 山本 正和君                 及川 順郎君                 太田 淳夫君                 和田 教美君                 内藤  功君                 橋本  敦君                 柳澤 錬造君                 野末 陳平君                 青島 幸男君    事務局側        常任委員会専門        員        竹村  晟君        常任委員会専門        員        片岡 定彦君        常任委員会専門        員        保家 茂彰君        常任委員会専門        員        大野 敏行君    証人                 式場  英君                 江副 浩正君       (式場証人随伴者 河鰭 誠貴君)     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○税制問題等に関する調査  (リクルート問題等に関する件)     ─────────────
  2. 梶木又三

    委員長梶木又三君) ただいまから税制問題等に関する調査特別委員会を開会いたします。  税制問題等に関する調査を議題とし、リクルート問題等に関する件について式場英君から証言を求めることといたします。  まず、委員長から確認をさせていただきます。  あなたは式場英君御本人ですか。
  3. 式場英

    証人式場英君) 式場英でございます。
  4. 梶木又三

    委員長梶木又三君) この際、一言ごあいさつ申し上げます。  本日は当委員会に御出席いただきまして、ありがとうございました。  証言を求めるに先立ち、証人に一言申し上げます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただくことになっております。  宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。  証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、並びに医師歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実で黙秘すべきものについて尋問されたとき。  以上の場合以外は、証人宣誓または証言を拒むことができません。  正当の理由がなくて証人宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられます。  また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  なお、今回の証人喚問についての当委員会理事会決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。  その第一点は、証人随伴者助言を求めることが許される場合であります。  すなわち、証言は、証人がみずから知り得た事実を証人自身の記憶により申し述べるのが原則でありますが、証言を求められている事柄が、議院証言法証言を拒否することが認められている事項に該当するかどうか確認しようとするとき、その他委員長がこれを中心として判断し、許可を与えるのを相当としたものについては、証人随伴者助言を求めることができます。  これらの助言は、いずれもその都度、証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  その第二点は、資料についてであります。  証人は、既に通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。  その第三点として、証人メモをとることは認められておりません。  その第四点は、随伴者についてであります。  随伴者は、発言することはできませんが、メモをとることは許されます。  また、随伴者は、証人委員長許可を得て助言を求めた場合は助言することができますが、自分の方から証人に対し助言することはできないことになっております。  以上の点を十分御承知願います。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることといたします。  全員起立を願います。    〔総員起立
  5. 梶木又三

    委員長梶木又三君) これより式場英君の証言が終了するまで撮影は中止してください。  それでは式場英君、宣誓書を朗読してください。    〔証人は次のように宣誓を行った〕     宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。               証人 式場英
  6. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 全員着席を願います。  式場証人宣誓書署名捺印してください。    〔証人宣誓書署名捺印
  7. 梶木又三

    委員長梶木又三君) これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際は、その都度委員長と呼んで許可を得て御発言なさるようにお願いいたします。  なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際には起立して御発言を願います。  この際、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。  それでは、証人式場英君の証言を求めます。  まず、委員長から所要の事項についてお尋ねをして、その後、委員各位の御発言を願うことといたします。  証人日本電信電話公社に入社してから現在までの経歴について、簡潔に説明してください。
  8. 式場英

    証人式場英君) 昭和三十二年電電公社に入社し、昭和五十八年営業局市場開発室長昭和五十八年兼務で企業通信サービス本部本部長昭和六十年四月から企業通信システム事業部長昭和六十二年企業通信システム事業本部長昭和六十三年六月取締役に就任いたしました。  以上です。
  9. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 証人は、衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会において公開されたリクルートコスモス社株譲渡リストによれば、ドゥ・ベスト社から未公開株を五千株購入したとされていますが、その事実関係と、その後の売却の有無について説明してください。
  10. 式場英

    証人式場英君) 今回のリクルートコスモス株につきましては、昭和六十一年九月、リクルート社江副さんから私のところに電話がございまして、個人的に親しくて社会的に信用が置ける方にリクルートコスモス株を持っていただくことにしました、ついてはあなたにも持っていただきたいと思います、詳細については後でうちの者をやるので、それに話を聞いてほしいという電話がかかってまいりました。後刻、ファーストファイナンス社小林社長が私のところに見えまして、五千株を一株三千円で持ってほしい、こういうお話がございました。  当時、私ども事業部ではリクルート社が大変重要なお客様であり、先ほど江副さんのお話につきましては、私が断ればビジネス上の信用を失うというふうに考えまして、小林さんからお話を聞いた後にそれをお受けすることにいたしました。その後、この五千株の株式については売却せず、現在でも保有しております。
  11. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 株を取得した当時の証人NTT社における役職及び職務内容について説明してください。
  12. 式場英

    証人式場英君) 私は、昭和六十一年九月当時は、企業通信システム事業部長の役にございました。企業通信システム事業部というのは、大口の企業お客様を対象に、その企業に必要な企業内の情報通信システムを御相談を受け、それを具体的に構築してお引き渡しするまでの総合的な仕事をする部門でございまして、NTTの中においては総合営業的な位置づけということで、その仕事をやっておりました。
  13. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 証人は、回線リセール責任者としてリクルート社に便宜を与えていた、あるいは式場部隊と呼ばれるグループを率いて、リクルート社回線リセール事業に対し強力な支援を与えていたということが報道されていますが、その事実関係江副浩正氏及びリクルートコスモス社との関係について説明してください。
  14. 式場英

    証人式場英君) まず、回線リセールという中身でございますけれども昭和五十九年の十一月から新しい時代のための高速ディジタル回線という専用線サービスを私ども開始いたしました。この回線には七種類の商品がございますが、そのうち大束の回線を私どもが、NTT卸屋としてリセールをやるところに卸しまして、そのリセール業者が小束の回線にそれをばらして営業をするという中身リセールビジネスという中身でございます。これは新しい電気通信自由化時代において、事業法において二種事業として位置づけられるものであります。リクルート社はこの回線リセールビジネス昭和六十年の七月から開始されました。私どもリクルート社に、営業の窓口として、ただいま申し上げた高速ディジタル回線を御注文に応じて販売をするという役割を果たしておりました。  こうした回線リセールビジネスリクルート社以外にも行われているところがございまして、私どもとしては同様なサービスをさせていただいております。
  15. 梶木又三

    委員長梶木又三君) ありがとうございました。  委員長からのお尋ねは以上でございます。  次に、委員から発言申し出がありますので、順次これを許します。安恒良一君。
  16. 安恒良一

    安恒良一君 まず、証人尋問に入る前にお願いしたいんですが、質問時間が限定されておりますから、お答えをひとつ簡潔にお願いしたい。それから、委員長質問お答えいただいた点はもう結構でございますから、その点は委員長のときに答えたと、こう言っていただきたい。  それではまず、式場証人江副さんとの関係について教えてください。
  17. 式場英

    証人式場英君) 私が江副さんと知り合いましたのは昭和五十八年の秋であります。私どものおりましたところが具体的に企業に対するビジネスを始めましたので、その中のお客様一つとしてリクルート社企業内で使いますPBX、その当時はビル電話という名前でありましたが、これを具体的にトップセールスという形で私が乗り込んでいってお話をしたのが最初でございます。
  18. 安恒良一

    安恒良一君 今、委員長尋問によりましてコスモス株五千株を引き受けたということを言われましたが、引き受けの時期は六十一年九月ということですか。
  19. 式場英

    証人式場英君) 六十一年九月三十日になっております。
  20. 安恒良一

    安恒良一君 現在もその株を保有しているという御証言がございました。これは報道でありますからわかりませんが、売却されたんじゃないかという疑いも持たれておりますから、後で結構ですが、あなたがお持ちになっている株券のコピーを提出していただけますか、資料として。
  21. 式場英

    証人式場英君) 現在、私の名義で所有しておりますので、私の手元にございますので御要望に沿えるかと思います。
  22. 安恒良一

    安恒良一君 株式購入資金はどうされましたか。
  23. 式場英

    証人式場英君) 株式購入資金につきましては、六十一年の九月時点において、先ほどお話がありましたように、その具体的なお話を持ってこられたのはファーストファイナンス社小林社長でありました。  私は当時、先ほどお話し申し上げましたように、安定株主になってくれという依頼であるというふうに理解しておりましたので、支払い方法については私の自己資金で支払うつもりでおりましたので、その旨を申し出ましたところ、小林さんの方から、できるならばぜひ私のところのものを、融資を利用してほしいという申し出がございまして、私は、若干時間をいただきまして、書類だけ預かりまして、考えました後に、ファーストファイナンス社小林社長がみずから見えてそういう話をされるので、これもリクルートグループの関連かなと思いまして、その融資を受けることにいたしました。  融資条件等については契約書を取り交わしまして、一年契約でそれを受けました。六十二年の九月時点でその期限が切れたわけでございますが、切れる直前になって、切れるという話が小林さんの方からありまして、私も全然忙しくて予期しておりませんでしたので、やむを得ずそのまま一年間さらに継続することにいたしました。  しかし、その後、大変利子もかさむということで、私もそれを考えました。六十三年になってから、これは春でありますけれども、具体的に元金利子とも全部支払いたいという話を申し出まして、現金の都合がつく時期が見通しがつきましたので、二年の期限が切れます六十三年の九月三十日に元金利子とも支払いをいたしました。これは自己資金で行いました。
  24. 安恒良一

    安恒良一君 その点は、あなたが明るみに出た十月十一日の記者会見では自己資金と言われていますが、今の御証言ファーストファイナンスから融資を受けたということに大きく変わっていますね、この点は。  そこでお聞きをしたいんですが、融資を受け入れてお金を支払われた時期はいつでしょうか。
  25. 式場英

    証人式場英君) 十月十一日時点、私の名前が公表されまして、その時点においてお話を申し上げたのは、今ほど申し上げたような経過において、結論として、私は現金支払いまして株を取得しましたので、途中経過が大変ややこしいので、それを省略しまして結論だけ申し上げさしていただきました。
  26. 安恒良一

    安恒良一君 いや、お聞きしているのはそういうことじゃなくて、融資を受けられて株を購入されたというんですが、株式の売買のそのお金を支払われた日付はいつでしょうかと聞いているんです。
  27. 式場英

    証人式場英君) 昭和六十一年の九月三十日です。
  28. 安恒良一

    安恒良一君 そうすると、九月三十日付で申し入れをして、そして九月三十日付で融資を受け、支払ったと、間違いありませんね。
  29. 式場英

    証人式場英君) そのように存じております。
  30. 安恒良一

    安恒良一君 読売新聞社のこの報道によりますと、あなたが記者会見をして、結果、これは報道でありますからわかりませんが、どうも代金を支払われた時期というのは、契約されて一カ月以上たって、しかも一株当たり二千円以上の差益が生じた後で払い込まれたと、こういうふうに報道されておりますが、これは間違いですか。
  31. 式場英

    証人式場英君) そのような事実は全くございません。
  32. 安恒良一

    安恒良一君 失礼ですが、融資を受けられたそうですから、利子はどのくらい払われましたか、金額は。
  33. 式場英

    証人式場英君) 契約により七%の利子でございまして、一年約百万円でございますので、最終的にトータル二百万、元金が千五百万でございますから、そういう金額を支払わさせていただきました。
  34. 安恒良一

    安恒良一君 株の譲渡の話を持ち込まれたのは、もう既に江副さん、そして小林さんというのはわかりましたから、そのときに相手側からはどんな条件、どんな話があったんでしょうか。
  35. 式場英

    証人式場英君) 先ほどお答え申し上げましたように、電話内容は大変短いものでございまして、リクルートコスモス株をあなたにお分けするのは、個人的に親しくて社会的に信用の置ける方だからということでお話がございまして、そのほかのお話は一切ございませんでした。
  36. 安恒良一

    安恒良一君 よく株を勧めるときには、例えばこの株を持っていただければ必ず上がるからとか、大きな利益が出るからどうですかと、こういうふうによく持ちかけられるんですが、江副さんなり、あなたがおっしゃった小林さんなりからそんな話は全然なかったわけですか。
  37. 式場英

    証人式場英君) そういうお話は全くございませんでした。
  38. 安恒良一

    安恒良一君 そうですか。  あなたは、そうすると、ただ信用ある人だと、こういうことを言われただけで、株が上がるか上がらぬかと、このことは関係なく持ったと、こういうことですね。
  39. 式場英

    証人式場英君) リクルート社は当時私どもにとって大変重要なお客様で、売り上げの中においては第一位を占めるお客様でございました。そこの社長からのお話でございますので、私は、当時、新生NTTの中でいかに新しい仕事を展開していくかということで努力をしておりましたので、そういうお客様の御依頼でございましたので、信用を失うといけないということでそれをお引き受けしたわけでございます。
  40. 安恒良一

    安恒良一君 信用中心と、こう言われましたが、あなたは自己資金で受けられるんですから、やはり株というものは売り買い、損得ありますから、そういうことを考えなかったのかというのは非常に私としては不思議でなりません。もしくは、あなた自体がリクルートの会社というものをよく御存じで、これなら間違いないと、こう思われたのか。そこらはどうですか。普通の人が株を引き受けるときに、しかも大きな千五百万という金ですから、そういうものについて全然考慮しないままただ信用だと、場合によっては自分が大きく損してもいい、こういうことも思われて引き受けられたんですか。
  41. 式場英

    証人式場英君) ただいまの点については、私が企業通信という企業をターゲットにする新しい仕事を始めた時点から、多分にそういうリスクはあるんだなということは自分で決心をしておりました。  もう一方、お話がございましたリクルート社内容については、具体的にお客様としておつき合いを申し上げておりましたので、大変当時は成長をどんどん遂げておりましたので、先々を考えて、大変成長するということは存じておりました。
  42. 安恒良一

    安恒良一君 わかりました。先々成長するんだから何とかなるだろうと、こういう期待を込められたんでしょうね。  それでは、その当時、あなたが株を受けられたときの役職名だけ簡単に言ってください、経歴は聞きましたから。それから、仕事中身も私よくわかっておりますから役職名だけ。
  43. 式場英

  44. 安恒良一

    安恒良一君 それでは、少し具体的な仕事中身についてお聞きをしたいと思いますが、高速ディジタル回線を賃貸しするといういわゆる回線リセール事業化構想されたのはいつでしょうか。
  45. 式場英

    証人式場英君) リクルート社回線リセールビジネス、二種事業についてはリクルート社の御意思でございまして、私どもの記録によれば六十年の七月に高速ディジタル回線の大量の申し込みがなされました。したがいまして、私はその時点リセールビジネス開始の時期だというふうに考えております。
  46. 安恒良一

    安恒良一君 質問に的確にお答え願いたいんですが、私が聞いているのは、電電公社NTT、これを一括してNTTと呼ばさせていただきますが、NTT高速ディジタル回線を賃貸しするという、こういうことを事業化する構想をお持ちになったのはいつですかと聞いているんです。
  47. 式場英

    証人式場英君) 五十九年十一月から高速ディジタル専用線販売開始しております。
  48. 安恒良一

    安恒良一君 販売開始を聞いているのじゃないんですよ。そういう事業化をやりたいというお考えをお持ちになった、構想をお持ちになったのはいつごろでしょうかと聞いているんです。
  49. 式場英

    証人式場英君) この専用線仕事については、私は直接当時は担当しておりませんでしたので、事業化構想を立てた時期については存じ上げません。
  50. 安恒良一

    安恒良一君 担当が別だということでわからぬということですから、これはまた後から聞いてもらうことにしますが、NTTリクルート社の間に勉強会が開かれたと聞いていますが、その時期はいつでしょうか。また、何回ぐらい開催をされたんでしょうか。
  51. 式場英

    証人式場英君) 一般に言われておりますリクルート社NTTとの、当時電電公社でございますが、勉強会というのは、五十八年の秋に始まりまして五十九年の春まで続いております。  開催の回数でございますけれども、これは非常に不定期でございまして、テーマのある都度開くというものでございまして、今考えますと月に一回か二回という周期ではなかったかというふうに存じております。
  52. 安恒良一

    安恒良一君 そうしますと、月に一回か二回でございますから、今言われた年月で考えますと、かなりの回数やられたということでありますね。  じゃ、その勉強会開催をされておった当時のあなたの役職名と、簡単に具体的仕事中身を教えてください。
  53. 式場英

    証人式場英君) 五十八年から五十九年にかけましては電電公社営業局市場開発室長でございました。五十八年の夏、七月から企業通信サービス本部長を兼務いたしました。
  54. 安恒良一

    安恒良一君 勉強会が五十八年の十一月ごろから五十九年にかけて、月に不定期であるが一、二回とかいうことで持たれた、こういうことでありますが、その勉強会テーマについて教えてください。
  55. 式場英

    証人式場英君) 勉強会テーマ最初は決まっておりませんでしたが、具体的にテーマを煮詰めました結果、最終的には企業INS、もう一つはJONと言われますリクルート社住宅情報システム、もう一つはMAPと当時呼んでおりましたが、地図情報データベース、以上三つの項目でございます。
  56. 安恒良一

    安恒良一君 わかりました。いわゆる勉強会テーマの中に、回線リセールについても話し合いをされたことは事実ですね。
  57. 式場英

    証人式場英君) これは全くございません。
  58. 安恒良一

    安恒良一君 どうもおかしな話ですね。というのは、今あなたが言われたように、INSですね、JON、MAPこういうことが勉強会テーマだった、こういうことなんだ。そうしますと、五十八年の十一月から始められた勉強会の成果として、まずリクルート社は四つのビルを結ぶ画期的なビル電話、これはあなたが言うINS、が完成したと聞いています。でありますから、この今申し上げた成果の上でこの回線リセールのアイデアが出てきたのではありませんか。
  59. 式場英

    証人式場英君) 企業INS中身は、リクルート社が全く自社として使う社内通信システム、ネットワークシステムのことを言っておりまして、したがいまして、企業INSの検討の中では全く他人に貸すというリセールの話は出てまいりませんでした。
  60. 安恒良一

    安恒良一君 これは、私の手元に「ディジタル電話の導入をベースにINSの全国展開をはかる」という、リクルートニューメディア開発室の矢野さんの論文があります。その中に、まずいわゆる企業内INSの実現に向けて、第一ステップとしては新型ビル電話を導入し、第二ステップで高速ディジタル伝送路の導入、第三ステップで光ファイバーによるネットワークの全国展開等々、ずっとこの問題が論文の中で非常に書かれているわけであります。でありますから、私がお聞きをしたのは、すなわち、あなたたちの勉強会の成果の上で回線リセールをやるというこのアイデア、考え方が出てきたのではないのでしょうかと、私はこの論文をずっと読みましてそう考えるんですが、あなたはいわゆるこの方面の専門家としてそういう点をお考えになりませんか。
  61. 式場英

    証人式場英君) 今、御指摘の論文については私は存じ上げておりません。企業INSの中では、純粋にリクルート社の社内で利用する通信システムをどう便利にするかということに議論が集中しておりました。その報告書も出されておりまして、一切回線リセールの話はされておりません。
  62. 安恒良一

    安恒良一君 そうすると、回線リセールということを考え出したのは、あなたたちでしょうか、それともリクルート社なんでしょうか。回線リセール業というのを考え出されたのはどちらでしょうか、お聞かせください。
  63. 式場英

    証人式場英君) 回線リセールビジネスを考え出したのはリクルート社の方だと思います。
  64. 安恒良一

    安恒良一君 ちょっと証言があいまいですね。あなたたちはお考えにならなかったんですね。NTTとしては回線リセール業ということについては全然お考えにならなかったんですね。そこをはっきりしてください。
  65. 式場英

    証人式場英君) 私どもは六十年四月からの電気通信自由化に伴って事業法が制定され、二種事業の中で単純再販売というのが可能になったことは知っております。私どもリセールをやるということは当時話はございませんでした。
  66. 安恒良一

    安恒良一君 NTTのこの民営化のための法律を議論したときに、かなり国会の中でこの問題は議論をされておりますが、あなたはその点記憶はありませんか。
  67. 式場英

    証人式場英君) 私は当時そういう事項は担当しておりませんでしたが、新聞等で報道される内容については存じておりました。
  68. 安恒良一

    安恒良一君 私が聞いているのは、式場さんだけじゃなくてNTTとして、当時は電電公社だったと思いますが、回線リセールのことについて考えられたことはないのかと聞いたんです。ですから、あなたは担当でないなら知らないなら知らない、しかし会社としてあるならあるとか、ないならないと、こういうふうにお答えを願わないと正確さを期せないと思いますが、そこの点どうでしょうか。
  69. 式場英

    証人式場英君) 大変私の回答が不的確で申しわけございません。その意味においては私は知りませんでした。
  70. 安恒良一

    安恒良一君 それでは、その点はそのぐらいにしまして、回線リセール関係NTTリクルート社の間で結ばれました契約について、その状況について説明をしてください。
  71. 式場英

    証人式場英君) リセールに絡んで結ばれた契約は四つございます。一つはコンサルタント契約、もう一つは保守契約、さらに局舎を使用する賃貸契約、さらには売買契約、以上でございます。
  72. 安恒良一

    安恒良一君 それは六十年九月、六十一年三月、六十一年七月、六十一年八月に結ばれておりますね。  それでは、現在リクルート社と結ばれているコンサルタント契約と同じような契約を他の会社と結ばれておりますか。
  73. 式場英

    証人式場英君) 数多く結んでおります。
  74. 安恒良一

    安恒良一君 この四回の契約をされた場合の当時の電電公社側、NTT側の窓口になった方はどなたですか。
  75. 式場英

    証人式場英君) 契約当事者はそれぞれ違いますが、具体的な契約を取り結ぶに当たってリクルート社との窓口になったのは、私どもが本来窓口でございますので私どもでございました。
  76. 安恒良一

    安恒良一君 数々の会社とも結ばれているということですが、この種の契約最初はやはりリクルート社が初めだったんでしょうか。
  77. 式場英

    証人式場英君) 具体的なコンサルタント契約という形で結んだのはリクルート社最初であります。
  78. 安恒良一

    安恒良一君 高速ディジタル専用線は五十九年十一月から実用化されましたが、六十年の後半から六十一年にかけ各社から注文が殺到し受注にはすぐ応じられない、一種の積滞状況が起きたのではありませんか。
  79. 式場英

    証人式場英君) 高速ディジタル回線については、大変お客様の方から御注文が殺到しまして、当時は一般的には積滞という言葉はもうないことになっておるんですが、積滞の状態になりました。
  80. 安恒良一

    安恒良一君 式場さんは、この時期にリクルート社の優先順位を確保するように動いたのではありませんか。
  81. 式場英

    証人式場英君) そういう事実は全くございません。
  82. 安恒良一

    安恒良一君 現在、回線リセール業におけるリクルート社の占有率、シェアを教えていただきたいと思いますが。
  83. 式場英

    証人式場英君) 数字で表現するのは大変私どもも細かい点は理解しておりませんのでわかりませんが、一般的には第一位だということで、報道等では六〇%のシェアだというふうにされていることは存じ上げております。
  84. 安恒良一

    安恒良一君 私ども及川氏はこの方の専門で、前回もおたくの副社長質問したんですが、大体計算すると六十数%になる、七、八%になると。新聞でも六〇%以上だと報道されておりますが、大体そんなところで間違いありませんか、おおよその見当として。
  85. 式場英

    証人式場英君) 回線リセールという言葉の定義が大変私は難しいと思いますが、単純に再販売をする分野と、それから従量制で行う分野と、それが全部一緒くたになって集計されておりまして、その意味において六〇%という数字はおおよその数字を示すのではないかと思います。
  86. 安恒良一

    安恒良一君 そういうことになりますと、あなたは一時積滞をした状況があったということを認められました。しかし、優先順位をつけたことはないと、こうおっしゃっていますが、私、以上のことをお聞きしますと、どうもリクルート社の占有率が正確ではないが大体六〇%以上と、こういうところに大変疑問を感じます。この点はお答えは結構です。  そこで、私はあなたにお聞きしたいことは、あなたはリクルート社回線をセールスするために同行したことがありますか、ありませんか。
  87. 式場英

    証人式場英君) 回線リセールのために同行営業したことはございません。私がマスコミ等で同行営業をしたというふうに報道されているのは、私がリクルート社の幹部と一緒にお客様のところに私どもNTTの商品を販売するためにその場を利用させていただいたというのが中身でございまして、リクルート社回線リセールのお手伝いをしたということはございません。
  88. 安恒良一

    安恒良一君 それなら、今あなたが言われたことで、リクルート社と一緒に行かれた回数、あなたが言われたことを前提にして行ったその回数、それから行った会社名、さらに応待に出た相手の名前を言ってみてください。
  89. 式場英

    証人式場英君) 私が行った回数は六、七回でございます。行った先は金融機関が大変多うございまして、都市銀行あるいは信託銀行、証券会社というようなところが数多く含まれております。お会いしました相手の方は、相手企業のトップの方あるいはそれに準ずる御担当の役員の方ということでございます。
  90. 安恒良一

    安恒良一君 具体的な会社名やお会いになった方の名前を言っていただかないのは非常に残念ですが、一つ二つ記憶はございませんか。例えば、こういう金融機関に行ったときにトップならトップのこういう方に会ったと。その点について御証言いただければ幸いです。
  91. 式場英

    証人式場英君) 六十年から六十一年にかけてのことでございますので正確な記憶がございませんけれども、都市銀行の主要なところであり、そこの頭取の方とかあるいは役員の方でございまして、具体的な名前は差し控えさせていただきたいと思います。
  92. 安恒良一

    安恒良一君 委員長、この点は、御存じの上で差し控えたいというのは理由がわかりません、私は証言を求めているわけですから。具体的にどこの銀行に行かれた、例えば頭取の何々氏に会われたのですかということで、差し控えられては困るのですが、どうですか。
  93. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 証人に申し上げますが、今の方を申し上げることはできませんか。
  94. 式場英

    証人式場英君) 会社名を覚えているのがございますが、相手、そのときに何日にどういう方にお会いしたかということについては、ただいま資料を持ち合わせておりませんのでお答えはできません。
  95. 安恒良一

    安恒良一君 それじゃ、後で会社名と、お目にかかられた人の名前資料として提出していただけますか。何月何日まで細かくは要りませんが、そういう方を出していただけますか。
  96. 式場英

    証人式場英君) 完全にちょっと記録に残っておりませんので、例になるかと思いますけれども、そういうことであればお出ししたいと思います。
  97. 安恒良一

    安恒良一君 あなたは同行された先の会社でどんな話をされたんでしょうか。同行したというよりも、自分のところの仕事で行ったと言われるのですから、たまたま一緒に行かれたときにどういうお話をされたか、その中身を聞かしてください。
  98. 式場英

    証人式場英君) 先ほど申し上げましたように、トップセールスという格好でこれは一般的に行われたわけでございまして、私は企業通信システムというものがどういうものであるか、さらにその中に具体的にNTTの端末機をどう組み合わせたらいいか、その通信システムのこれから先の使い方はどうあったらいいかというようなことを大変総論的にお話し申し上げたと存じております。
  99. 安恒良一

    安恒良一君 そういう事業システムなり技術的なこと等を中心に話されたということですが、たまたま一緒に行かれておりますから、例えばリクルート側のセールスマンの方が価格の話等を、例えばNTTを使う場合とここを使う場合でどうだと、こんな話がされたと思いますが、そういうセールスの方が価格の話をされていたとき、あなたはどうされていましたか。
  100. 式場英

    証人式場英君) 私の方からむしろそういうチャンスを具体的に利用してそういう場に行きまして、本来はリクルート社の方が回線リセールビジネスを展開するわけでございますが、私が御一緒したのは江副さん、位田さんというような方が主でございまして、そういうトップの方は余り細かいことについてはお話しになりませんで、概略をお話しになる。私は私の方のビジネスをさせていただいたということでございます。
  101. 安恒良一

    安恒良一君 そうですか、一緒に行かれたのは江副さんとか、それから位田さんですか。
  102. 式場英

    証人式場英君) 位田さん。
  103. 安恒良一

    安恒良一君 位田さん、そういうトップの方と一緒に行かれたわけですね。ああ、そうですか。  そこで、実はRVAN推進本部というものがNTTの中にある、こういうふうに聞いておりますが、RVAN推進本部という名のグループ、班がNTTの中にできておりますか。
  104. 式場英

    証人式場英君) 六十一年から企業通信システム事業部の中にそういう名前のつくプロジェクトチームをつくりました。
  105. 安恒良一

    安恒良一君 実は、私が質問に立つということで電話がかかってきたのでありますが、その人はリクルート社回線リセールのセールスを受けた、買ってくれと受けた人ですが、そういう本部があって、そしてそこでいろいろこれを使うことによっての問題点について、技術的だけでなくて価格の問題その他いろいろの話があった、こういうことで実は電話をかけてきたのでありますが、そういうようなことを、リクルートのセールスの方と一緒になってこのRVAN推進本部の方々がそういう仕事をされているのではありませんか。
  106. 式場英

    証人式場英君) RVANというチームの名前は正式な組織の名称じゃございませんで、私ども企業通信システムの事業部の中にそういうプロジェクトチームを構成したということであります。  この構成した目的は、リクルート社から大変大量の高速ディジタル回線の申し込みをいただき、さらにはTDM、モデムの設置工事等を行うということから、その全国的な工事の手配をやるのに従来にない新しい、さらにまた大量の仕事をしなきゃいけないということで、それに対応するためにそういうプロジェクトチームをつくったということであり、営業の手伝いをするためにつくったわけではございません。
  107. 安恒良一

    安恒良一君 あなたは、リクルート社以外の同業他社から同行の依頼を受けたことがありますか。
  108. 式場英

    証人式場英君) ございます。
  109. 安恒良一

    安恒良一君 実際に同行したとするならば、その会社名と回数だけを言ってください。
  110. 式場英

    証人式場英君) 回数は正確に記憶しておりませんが、一、二回あったのではないかと思います。
  111. 安恒良一

    安恒良一君 そうしますと、他の会社と回数を比較すると、どうもリクルートのときには江副さんやトップの方とたくさん行かれたということで、かなりリクルートについてはあなたが特別に力を入れられたという感じがいたしますが、どうですか。
  112. 式場英

    証人式場英君) ただいまのお話でございますけれども、同行営業と一般的に言われています内容は、先ほど言いましたように、私どもの方がトップセールスという形でうまくそのビジネスチャンスをつかみたいということで、むしろ私どもの方からお願いをして今まで開拓できなかったお客様のところに参ったわけでございまして、たまたまリクルート社が訪問される先の数が五、六回あったと、そういうことでございます。
  113. 安恒良一

    安恒良一君 続いて、六十三年に設立されましたMAP、これにNTTとして人材の派遣を行ったことがありますか。
  114. 式場英

    証人式場英君) ございます。
  115. 安恒良一

    安恒良一君 それは便宜供与になるのではありませんか。
  116. 式場英

    証人式場英君) MAPという企画調査会社は六十年の三月にできまして、実はこの会社がつくられた経緯は、先ほどお話がございました勉強会の中のMAPというそのプロジェクトの延長線としてこの会社ができたわけでございまして、私どもはその勉強会の延長線においてMAPの研究会に参加しておりましたから、その絡みにおいて企画会社にも研究会を継続させるために人員を出したということでございまして、便宜供与ではございません。
  117. 安恒良一

    安恒良一君 この点は、あなたと論争する気はありませんが、私は便宜供与であるというふうに非常にそこは思いたくなる。  そこで、最後の質問でありますが、NTTに数多くの職員がおられます。その中でなぜ式場さん、あなたと真藤さんの秘書村田さん、長谷川さん、この三人だけが株の譲渡に選ばれたと、特にあなたの場合、株の譲渡、あなただけがなぜ選ばれたと考えられますか。その点についてお考えを聞かしてください。
  118. 式場英

    証人式場英君) 私は、先ほども申し上げましたように、個人的に株の譲渡を受けたというふうに存じておりますので、他の二人との関連等については私は存じておりません。
  119. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 及川一夫君。
  120. 及川一夫

    及川一夫君 コンサルタント契約をされたのは数多くあるというふうにおっしゃられましたが、コンサルタント契約をした中でリセール業をやっているのはリクルートだけ、一社だけだと思いますが、御存じですか。
  121. 式場英

    証人式場英君) 単純リセールという形でそのビジネスをやっているところはリクルート社だけでございます。
  122. 及川一夫

    及川一夫君 東京都ということになりますけれどもリクルート社のりセールにかかわる利用者の数ですね。六十年度で四百四十ほど、六十一年度で千七百四十ほど、それから六十二年度になりまして六千五百二十五ほど、そして六十三年度、この事件になる前までということで二千二百ほどということになっているんですが、御存じですか。
  123. 式場英

    証人式場英君) そういう具体的な数字については存じ上げておりませんでした。
  124. 及川一夫

    及川一夫君 ところでトラフィック、通話量ですね、それから通信網、配線図、こういったものはNTTにとって、また相手側にとって企業秘密ということになりますか。
  125. 式場英

    証人式場英君) トラフィックデータというのはその企業にとって通信の利用の実態を示すもので、企業の秘密になると思います。
  126. 及川一夫

    及川一夫君 そうおっしゃられているんですが、あなたが書かれた本ですね、これは「情報ネットワークが会社を変える」ということで、ことしの二月の二十日にあなたの署名入りで発行されていますね。この中には、例えば通信網としては、神戸製鋼とか三菱グループとか日本生命とかダイエーの配線図それから通信網というものが載っていますよね。これは、リクルートNTTにとっては大口利用者で大変大事なお客様だとこう言い、できればこれを広げたい、こういう意思を含めてこの本が書かれているんですけれども、なぜこれにリクルート関係のものは載せなかったのでしょうか。
  127. 式場英

    証人式場英君) 今御指摘のあった企業につきましては、私の著書に掲載するに当たって御了解を得たわけでございます。
  128. 及川一夫

    及川一夫君 ということはリクルートからは了解を得なかった、求めなかった、こういうふうに理解をしておきたいと思います。  そこで、通話量とかあるいは配線図などを持ってあなたは営業活動には加わらなかった、こうおっしゃるのですが、勉強会やその他の中でトラフィック問題であるとか配線図の問題であるとか、そういったことを御発言されたことはございませんか。
  129. 式場英

    証人式場英君) マスコミ等に報道されました配線図というのは、ちょっと定義がはっきりしませんが、私どもNTTとしては、お客様の機器がどういうものを使われ、さらに構内といいますか、ビルの中でどういう配線がされているかということについてはそのお客様に関する企業秘密だというふうに考えておりますので、そういう情報を第三者に公開するということは一切やっておりません。
  130. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 及川君に申し上げます。時間が来ましたので、その一問だけでお願いします。
  131. 及川一夫

    及川一夫君 はい。  そうしますと、現実の問題としては宮城県、私は宮城県出身なんですが、そういう地域の中でリクルート社の方々が電話局を訪れてトラフィックを見せてもらいたい、こういう行動がかなりある。そしてこれは本社も了解済みだ、こんなことが言われているわけですが、こういった事実を御存じかということが一つと、それからあなたはトラフィックとか配線図というものを知り得る立場にありますねということだけお聞きしておきたいと思います。
  132. 式場英

    証人式場英君) お話のあった宮城県の例について私は存じておりません。  それから、配線図とかあるいはトラフィックデータについては必要があれば私はその任に当たっておりますから、見ることは可能であります。
  133. 及川一夫

    及川一夫君 終わります。
  134. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして安恒良一君及び及川一夫君の発言は終了いたしました。  次に、及川順郎君。
  135. 及川順郎

    及川順郎君 ただいま出ておりましたけれどもNTT契約している第二種電気通信事業者はリクルート社を含めまして社数にして何社ぐらいになっておりますか。
  136. 式場英

    証人式場英君) 二種事業というのは先ほどお話が出ているリセールビジネスだけではございませんで、ほかのビジネスもおやりになっているところも含まれまして、まあおおよその数字では伺っておりますけれども、正確な数字は現時点においては存じ上げておりません。
  137. 及川順郎

    及川順郎君 おおよその数字でも結構でございます。
  138. 式場英

    証人式場英君) 約三百社ぐらいというふうに私は存じております。
  139. 及川順郎

    及川順郎君 NTT企業通信システム事業として第二種電気通信事業者との契約できる専用回線、これのやはり事業目標があると思いますが、現時点で大体何%ぐらいの契約事業が進んでおりますか、目標に対して。
  140. 式場英

    証人式場英君) ただいまの御質問について、企業通信システムとして専用線をどのくらい目標を立て、それをどのくらいやっているのかということの御質問かと思いますが、私どもはシステム販売という形のものをやっておりまして、専用線という単品の販売はやっておりません。専用線営業は別な事業部でやっておりますので、私ども営業の取り次ぎをするという形で仕事をしております。したがいまして、専用線の部分につきましての目標あるいはそれの達成率というのは、システム全体としてのそれはございますけれども専用線独自のものではございません。
  141. 及川順郎

    及川順郎君 契約における契約単価ですけれどもNTTの今の性格からいいますと、基本料金は郵政大臣の認可になっておりますからこれは同一料金ではあるとは思いますけれども契約者それぞれ同一料金でお取引になっておられますでしょうか。
  142. 式場英

    証人式場英君) 認可料金でございますので、すべてのお客様に同一の条件契約をさせていただいております。
  143. 及川順郎

    及川順郎君 NTTの職員の中で、例えばコンサルタントや回線分割装置の保守業務を担当している職員は何人ぐらいいらっしゃいますか。
  144. 式場英

    証人式場英君) ちょっと具体的な数字については、資料を準備してきておりませんでしたので存じ上げません。
  145. 及川順郎

    及川順郎君 後ほどで結構でございますので、この担当の職員の人数、それを資料として御提示願えますか。  あわせまして、こうした業務について直接式場証人が業務の面で指導監督するということはございますか。
  146. 式場英

    証人式場英君) 先ほどのTDMとかそういうものの保守に従事している人間の数につきましては、そのTDMだけ専門にやっているという形ではございませんで、ほかの保守作業と兼務した形でやっておりますので正確な数字の把握は大変難しいと思いますけれども、極力御要望に沿える格好で提出はさせていただく所存でございます。  それから後段の、私がそういった保守の関係の権限を持っていたかというお問い合わせでございますが、私はそういう権限を持っておりません。
  147. 及川順郎

    及川順郎君 それでは、回線リセール業務に関してその営業方針とか契約決定の責任はどのような形で行われておりますでしょうか。例えば、会議制で行われているとか最終決定の決裁はどなたがお持ちになっておられるか、お答えいただきたいと思います。
  148. 式場英

    証人式場英君) 回線リセールという仕組みは高速ディジタル回線を軸にしまして、それに分割装置であるTDMという装置をそこにつけ、さらにその分割した回線の先にモデムをつけるということでそのシステムが成り立っております。そのおのおのが別々の商品になっておりまして、その担当する事業部も別々でございますので、まとめてその回線リセールということで契約が行われる形ではございません。
  149. 及川順郎

    及川順郎君 証人は、この回線リセール業務に関連して海外へ出向したことがございますか。
  150. 式場英

    証人式場英君) ございません。
  151. 及川順郎

    及川順郎君 これまで回線リセールに関する、NTT内部でその計画段階で計画書のまとめとかそういう作業につきましては、証人は指導的立場にあったと思いますが、いかがですか。
  152. 式場英

    証人式場英君) リクルート社回線リセールビジネスにつきましては、二種事業として認められた範囲でリクルート社が始められたわけでございまして、私ども高速ディジタル回線の申し込みを受け、さらにはそれを全国的に開通する、あるいはTDM装置を設置する工事をする、そしてそのメンテナンスをやるということについて仕事をさせていただきましたので、そのそれぞれの部門で、場面で私が責任を持つべきところについては関与をさせていただきました。
  153. 及川順郎

    及川順郎君 リクルート回線リセール業務につきましては、その計画策定につきましては証人が最終責任者だったんですか。
  154. 式場英

    証人式場英君) 私ども企業通信システム事業部という事業部は大口のお客様を、そのときどきによって違いますけれども、数百から千に近い数を担当させていただいております。そのお客様一つリクルート社があるということでございまして、リクルート社の総合営業の窓口を私ども事業部が受け持たさせていただいておりました。
  155. 及川順郎

    及川順郎君 その事業部の最終責任、これは証人ということで理解してよろしいですか。
  156. 式場英

    証人式場英君) 事業部事業部長は私でございます。
  157. 及川順郎

    及川順郎君 事業部で計画したもので、例えば取締役会議等で不採用になったとか、あるいは計画練り直しとか、こういうものはございましたですか。
  158. 式場英

    証人式場英君) このリセールということに関しましてコンセンサスを得ることをやってまいりましたので、役員会等でその案件が否決されたというようなことの事実はございません。
  159. 及川順郎

    及川順郎君 そうしますと、証人は業務の計画あるいは業務の遂行について実質的に一〇〇%近い責任を負わされていたと、このように理解ができると思いますがね。  そこで、六十年八月に行われたと言われております江副氏と当時NTT社長であった真藤氏とのトップ会談、これは式場証人がセットしたものでしょうか。
  160. 式場英

    証人式場英君) ただいまの先生の御発言の中で、すべてリクルート社リセールビジネスについておまえが責任を持ってやっているのかということについてでございますが、先ほども申し上げましたように、それぞれの商品ごとに担当の事業部がありまして、それが最終的に契約を結ぶという格好になっておりますので、あくまで私は営業として窓口をやったということで、お客様の御意向に沿って仕事をさせていただいたということでございまして、一から十まですべてやったということではございません。  それから、お話しのございました真藤・江副会談ということについては私は全く存じておりません。
  161. 及川順郎

    及川順郎君 当時の真藤社長から、リクルートの業務協力関係の強化について具体的な指示はございましたですか。
  162. 式場英

    証人式場英君) リセールビジネスについては全くございませんでした。私の方から時々、時期に応じてリセール中身リクルート社に関するビジネス内容については、他のお客様と同様に、具体的に今こういう形で展開しておりますということは報告させていただきましたし、さらには常務会等でも報告をしております。
  163. 及川順郎

    及川順郎君 NTTは、一般的に民営化後は部外の講演も求められれば啓発活動としてこれは認めてきたという、こういう形態をとっておることを承知しております。  式場証人は、この回線リセールに関する講演会に講師として招かれて、そこで広い見識を述べる機会が大変多かった、このように言われておりますけれども、全体でおおよそ何回ぐらいそういう機会がございましたですか。
  164. 式場英

    証人式場英君) リクルート社主催の講演会に私が出席しました回数は、昭和六十年から六十三年までの間、年平均十回でございます。
  165. 及川順郎

    及川順郎君 今、私伺いましたのは、リクルート社だけではなくて、リクルート社のことはその次に伺おうと思っておりましたのですが、御回答いただきましたが、その他を含めまして全体でどのぐらいございますか。
  166. 式場英

    証人式場英君) 講演会に出席することは、先生のお話にもございましたように、私ども企業通信仕事をやっている者としては、企業の皆様に新しいことを、新しい技術を理解していただくためにそういう講演会というものを大変ありがたく思い、その機会を積極的に利用させていただきました。  したがいまして、私の出席しました回数について言えば、六十年から六十三年につきまして、年平均一年五十回から六十回ございました。
  167. 及川順郎

    及川順郎君 式場証人だけではなくて、社内にもそういう講演に出向しておられる方、そういう方はいらっしゃいますか。
  168. 式場英

    証人式場英君) 先ほど申し上げましたように、積極的にそういう場には出て、NTTの技術とそして商品を知っていただくということで、大いにそういう機会は利用させていただきましたので、ほかにも多くの人間がそういう場に出席しております。
  169. 及川順郎

    及川順郎君 講師として出た場合に、大変お聞きしにくいことでございますけれども、報酬はございましたでしょうか。例えばお金であったとか、お車代とか品物で謝礼があったとか、それとも無報酬であったのか、この点に対する証人個人あるいはまたNTT社内として何か取り決めている事項がありましたらお述べいただきたいと思います。
  170. 式場英

    証人式場英君) NTT社内として、その報酬の額とかその取り扱いについて決めているものはございません。私がいただきましたものについては、世間の相場でいただきました。
  171. 及川順郎

    及川順郎君 世間の相場というのが非常に問題でございまして、社内規定の中の第九条ですが、これは新しくなりました規定ですが、「社員は、職務に関して、部内部外を問わず他人から報酬その他名義のいかんにかかわらず、みだりに金銭又は物品の寄贈を受け、又はその他の利益を受けてはならない」。この社内規定との関連において、NTT内部で何かこの問題について言及された事例はございますか。
  172. 式場英

    証人式場英君) ございません。私どもは、先ほど申し上げましたように、そういう場を利用して積極的にビジネスチャンスをつかもうということでやってまいりましたので、特にそういうことはございません。
  173. 及川順郎

    及川順郎君 江副氏と証人は、単独で会食をする機会とかあるいはまた業務についてお話をする機会、こういうことは多少あったのではないかという、こういう感じがするわけでございますが、そういう機会は何回ぐらいございましたですか。
  174. 式場英

    証人式場英君) 年二、三回ではなかったかなと思います。
  175. 及川順郎

    及川順郎君 本委員会の一日の質疑で、NTTの社員がリクルート回線リセールの業務に同行し、その説明の際、リクルートの社員が相手の質問に窮したときに助言を与えていた、そういう旨の答弁がございましたけれども、これは大口取引先も含めまして、これが社内規定として社内で半ば公に定着していた方針だったんでしょうか。
  176. 式場英

    証人式場英君) 先ほど申し上げましたように、いわゆる同行営業というサイドにおいては、私ども回線リセール営業を手伝いに行ったわけではございません。しかし、冒頭に申し上げましたように、リセール回線卸屋という立場においてNTTはあり、リセーラーは小売屋という立場にございますので、お客様、エンドユーザーの方からそのお問い合わせがあれば、そのリセールの仕組みを御説明することはございました。さらに、回線の品質等についてお問い合わせがあれば、NTTという立場で、NTT回線のことでございますから、それについてはお答え申し上げておりました。
  177. 及川順郎

    及川順郎君 株譲渡に関して、先ほど同僚委員質問に対して購入代金の支払い日は九月三十日と。この支払いをされたものを証明する例えば振込書とか領収証とか、後ほど資料としてコピーでも御提示いただけますでしょうか。
  178. 式場英

    証人式場英君) 提出可能でございます。
  179. 及川順郎

    及川順郎君 証人は、ファーストファイナンス小林社長が、なぜ当社の資金を使ってくれと、こう言ったのか、それに対してどういう認識をそのときにお持ちになって、そして最終的にこのファーストファイナンスの資金を使うことに決断をされたか、この点をお伺いしたいと思います。
  180. 式場英

    証人式場英君) ファーストファイナンス小林さんが来られまして、具体的に、できれば私どもを利用してほしいというお話があったときに、私は、安定株主なんだから自分お金で払わなきゃいけないんじゃないかと申し上げたのですけれども、ぜひ利用してほしいという強い要請があり、そのときの私の理解では、ファーストファイナンスというのがリクルートグループの中でそういう金融関係仕事をしておるということは存じ上げておりましたので、この利用することもグループ関係でそういうお話があったのかなというふうに単純に理解いたしました。
  181. 及川順郎

    及川順郎君 報道によりますと、式場証人は最近、東京地検特捜部からリクルート疑惑関連で事情聴取を受けたというぐあいに報じられておりますけれども、事実でございましょうか。あわせまして、証人自身は何で事情聴取をされたのか、その点に対してどのような認識を持っておられるのか、この点を伺っておきたいと同時に、もう一つは、衆議院逓信委員会で行われた附帯決議の趣旨を御存じだと思いますけれども、この趣旨につきまして証人自身はどのような見解をお持ちであるか、この点を伺いまして私の質問を終わりたいと思います。
  182. 式場英

    証人式場英君) 検察からお話がございましたのは事実でございます。  具体的に新聞報道で、あなたが株を持ち続けているということはあるんだけれども、それは事実かということで、その事実関係についての確認、それから具体的にどういう形で購入したか、先ほどお話ししたようなことについてお話がございました。  ちょっと、後段の質問についてはよくその中身が理解できませんでしたので、御質問をもう一度お願いできればと思います。
  183. 及川順郎

    及川順郎君 事情聴取されたことをどういうぐあいに認識しておられるかというのが二つ目。それからもう一つは、衆議院逓信委員会の附帯決議の趣旨についてどういう見解を持っておられるか、これが三つ目。認識しているかどうかでも結構です、再販問題について。
  184. 式場英

    証人式場英君) 株を取得したことについても事実であり、それから報道等でそのルート等がいろいろ問題になっているということも存じ上げておりましたので、検察からのお問い合わせについてはその一環であるというふうに私はそのとき考えました。  それから、附帯決議についての話は電話サービスについての関連のいわゆる専用線、公衆回線の接続の問題ではないかなと思うのでございますが、よろしゅうございますか。——その中身については存じておりますが、当時私はそういったことは担当しておりませんでしたので、その詳細についてお話を申し上げる立場にはございません。
  185. 及川順郎

    及川順郎君 終わります。
  186. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして及川君の発言は終了いたしました。  次に、橋本敦君。
  187. 橋本敦

    ○橋本敦君 続いて私からもお伺いをいたしますが、まず、株の問題について江副氏から電話があったということでございますね。その際に、だれの所有する株を買ってもらいたいのだと、こういう話はありましたか。
  188. 式場英

    証人式場英君) ございませんでした。
  189. 橋本敦

    ○橋本敦君 私どもの党が公表したドゥ・ベストリストということがあるわけですが、それによりますと、ドゥ・ベストが割り当てを受け、買い受けた株をあなたの方にと、こういうことが名義上なっている。あなたはドゥ・ベストという会社は全然知らないのですか。
  190. 式場英

    証人式場英君)存じませんでした。
  191. 橋本敦

    ○橋本敦君 今、株券は手元にある、こういうわけですが、その株券を見ますと、その株券にはリクルートコスモス発行の株であること、裏を見ればそれがドゥ・ベストに一たん行っていること、これはちゃんと書いてあるはずですが、確認されていますか。
  192. 式場英

    証人式場英君) 確認しております。
  193. 橋本敦

    ○橋本敦君 つまり、ドゥ・ベストであったことは名義上あなたも御存じだ。  そうしますと、実際の株の取引の売買約定書はだれとだれとの間で名義上交わされたということになるんですか。つまり、ドゥ・ベストとあなたの間、こうなると私は思いますが、どうですか。
  194. 式場英

    証人式場英君) 六十一年九月当時約定書を取り交わしたわけでございますけれども、その時点においては相手がだれであるかということは確認したのかもしれませんけれども、全く記憶がございません。ドゥ・ベストという名前を知ったのは、手元に株券が届いた時点でございます。
  195. 橋本敦

    ○橋本敦君 そうすると、その約定書を交わしたときに相手方はドゥ・ベストの会社の人が来たのでなく、リクルートの人が来て、その人に約定書はあなたが署名、捺印をして渡した、こういうことになりますが、そのリクルートの人というのはファーストファイナンス小林さんのことでしょうか。
  196. 式場英

    証人式場英君) さようでございます。
  197. 橋本敦

    ○橋本敦君 つまり、名義上はドゥ・ベストだけれども、実際に株を所有し動かしているのは江副氏あるいは小林氏、そういった人たちであることは明白になったわけですね。  本当ならば、代金は九月三十日、その日に支払うことになっていたわけですが、それはファーストファイナンスから融資を受けられた。一年たって返そうと思ったけれどもお金がなかったので云々と、こうおっしゃったんですが、そういう事情は間違いないですか。
  198. 式場英

    証人式場英君) そのとおりでございます。
  199. 橋本敦

    ○橋本敦君 大変なお金ですから、私もとやかく申しませんが、安定株主になってほしいというなら、やっぱりサラリーマンだとか、一千五百万のお金は苦労しなきゃならぬというのはお互いですけれども、そうじゃなくて、大きな会社とかもっと資産のある方というのが普通でしょう。  あなたは、個人的に親しくて社会的信用のある人に持ってもらいたい、こういう話があったと、こう言いましたが、安定株主になってくれという話は特になかったんですね。
  200. 式場英

    証人式場英君) 江副さんの話の中では安定株主という言葉は出てまいりませんで、お話内容から私が理解して安定株主ということかなということで、六十一年の九月当時は理解いたしました。
  201. 橋本敦

    ○橋本敦君 結局、この株の譲渡を受けるについてファーストファイナンス融資という便宜を受けられたことになるわけですが、利息は七%の契約ですか。
  202. 式場英

    証人式場英君) 七%の契約でございます。
  203. 橋本敦

    ○橋本敦君 あなたはこの株をお買いになって、株券が手元に来たのは、六十三年の九月に代金、利息を支払って株を引き取ったと、こういうことだと思うんですが、間違いありませんね。
  204. 式場英

    証人式場英君) 間違いございません。
  205. 橋本敦

    ○橋本敦君 そうしますと、江副さんから電話があり、小林さんから話があったときに、この株は近々店頭公開をする、こういう話があったと思いますが、聞いておられますね。
  206. 式場英

    証人式場英君) 記憶はございません。
  207. 橋本敦

    ○橋本敦君 記憶がないというのは、私は信用できないと言わざるを得ない。まさに九月三十日は店頭公開直前なんです。そして株価は値上がりが確実に見込まれるときです。  あなたは十月十一日の記者会見の際に、株はこのときまでにもやったことがあるとおっしゃっていましたが、間違いありませんか。
  208. 式場英

    証人式場英君) 間違いございません。
  209. 橋本敦

    ○橋本敦君 それならば、株をやったことがあるんですから、これは非公開、店頭公開しますがどうか、値上がりはどうですか、あなたの方から聞いておかしくない話だし、同時に江副さんや小林さんの方からも、あなたに株を勧める以上は、近く店頭公開します、値上がりが見込まれます、こういう話があってしかるべきことなんですよ。記憶ありませんか、本当に。
  210. 式場英

    証人式場英君) 記憶はございません。私は聞いてないと思います。
  211. 橋本敦

    ○橋本敦君 全く常識に反して理解できない話ですね。そんなことあり得ない話だと思いますよ。  それじゃ、六十三年の九月に、つまりことしの九月にあなたが代金をお支払いになったというのはこれはどういうことからですか。ずっと借りといたらなぜいかぬのですか。
  212. 式場英

    証人式場英君) 先ほど申し上げましたように、一年、二年とたてば大変利子がかさむことは私自身存じておりましたし、しかし、六十二年は大変多忙であったものですから、いつがその期限であるかというようなことも認識しないまま一年が経過して二年目に入った、しかし二年目になったらこれは払わなきゃいかぬなということで、具体的にその資金の調達を考えその見通しが立ったということで、二年の期限が来たところで支払いをさせていただきました。
  213. 橋本敦

    ○橋本敦君 つまり、支払いの見通しが立つまで融資を受けたという、そういう便宜を受けたということが一つと、もう一つは、このリクルート問題がこういう問題になったので、やっぱり自分の手元に株を取り戻して安定株主であるということを弁明的に言いたいというお気持ちがあったのではないですか。
  214. 式場英

    証人式場英君) 全くございません。
  215. 橋本敦

    ○橋本敦君 記者会見で、あなたは江副さんから安定株主という言葉を聞いていないのに、十一月十一日の記者会見でしきりに安定株主だ、安定株主だ、何も問題はないと言っているから私はそう聞くんですよ。  次に、問題を移してまいりますけれども、我が党が入手した資料によりますと、六十年八月、つまりリクルートがいよいよ回線リセール事業に乗り出すということですが、その八月にリクルート社長、それと真藤社長との両社長会談が行われておる記録がございます。あなたも御同席なさったのではないかと思いますが、御記憶ありますか。
  216. 式場英

    証人式場英君) 同席した事実はございません。
  217. 橋本敦

    ○橋本敦君 八六年十二月二十八日の日経新聞によりますと、真藤社長は、セコムの飯田さんやそれからリクルート江副さんとは、これらの方が電気通信事業に乗り出されるようになってからお二人とは頻繁にお会いしていると書かれています。真藤社長仕事江副社長と頻繁にお会いになった、そういう状況があることは御存じですか。
  218. 式場英

    証人式場英君) 社長の行動について私は細かいところまで存じておりませんので、そういう会談があったということについては知っておりません。
  219. 橋本敦

    ○橋本敦君 あった事実も知らないの。
  220. 式場英

    証人式場英君) 知りません。
  221. 橋本敦

    ○橋本敦君 それはおかしいな。  それじゃあなたは、江副氏としばしば主要な金融機関その他セールスに同行したという話がございましたが、事業そのものについて同行以外に江副氏と打ち合わせたり相談したりする、こういう機会は頻繁にあったことは間違いないですね、あなた自身。
  222. 式場英

    証人式場英君) 個人的に昼飯を食べながらお話をする、たまたま情報とか通信ということに江副さんは大変関心をお持ちでございましたので、そういう機会は先ほども申し上げましたが、年二、三回はございました。
  223. 橋本敦

    ○橋本敦君 もっと積極的に事業の促進について話をしてもよさそうなもんですが、どうしてそういうようなちゅうちょされた答弁をするのか理解に苦しみますね。  リクルート回線リセールのために局舎を貸しているのは何カ所あるんですか。
  224. 式場英

    証人式場英君) 四カ所でございます。
  225. 橋本敦

    ○橋本敦君 場所は。
  226. 式場英

    証人式場英君) 東京の代々木、新潟の女池、静岡、それから大阪の梅ケ枝この四カ所でございます。
  227. 橋本敦

    ○橋本敦君 他の同種事業会社にNTT局舎を四カ所も貸しているところはありますか。
  228. 式場英

    証人式場英君) 現在、私どもは三十社、百十局舎を貸しておりまして、同様な例はございます。
  229. 橋本敦

    ○橋本敦君 四カ所も貸しているようなのはどういう会社ですか。
  230. 式場英

    証人式場英君) 具体的に今資料を手元に持ってきておりませんでしたので、お答えできません。
  231. 橋本敦

    ○橋本敦君 それなら後に資料で出していただけますか。
  232. 式場英

    証人式場英君) わかりました。
  233. 橋本敦

    ○橋本敦君 あなたはリクルート社の講演会に講師として招かれて年十回ぐらい行ったと、こういう話ですが、我々が報道その他で調べてみますと、あなたとしてはその講演会などでリクルート回線リセール事業については、これを積極的にNTTとしても保守その他責任を持っておりますよと、全面的に私たちも責任を持って進めていますよというように、常にPRをなさっているという事実がうかがわれるんですが、間違いありませんか。
  234. 式場英

    証人式場英君) 今おっしゃったような形で話をしたという事実はございません。  私が申し上げているのは、先ほども御説明申し上げたように、リセールという仕組みは二種事業の中で認められたものであり、NTT卸屋の役割を果たし、リクルート社が小売の役割を果たすという仕組みを御説明し、NTTとしては、NTTの商品をリクルート社が扱っているわけでございますから、その部分については私どもが責任を持ってやります、さらに私どもが保守契約を結んでいるTDM、モデムの部分については責任を持ってやりますということを申し上げているわけでございます。
  235. 橋本敦

    ○橋本敦君 結構です。そういう積極的な話を聞けば、聞く者にとってはリクルートNTTとはかなり密接な関係があり、またNTTも全面的に支援しているということをうかがうことが可能になるようなことなんですよ。  それで、リクルート江副氏自身が、あなたも御存じと思いますけれどもリクルートNTTは一心同体だと、こういう話をされている事実もある。あなたは御存じですか。
  236. 式場英

    証人式場英君) 報道で知りました。
  237. 橋本敦

    ○橋本敦君 江副氏がそのように言っていて、別にあなたとしては違和感も何もお持ちになりませんね。
  238. 式場英

    証人式場英君) そういう話は最近の報道で知りまして、当時はそういうことは私としては知っておりませんでしたので、違和感は持っておりませんでした。
  239. 橋本敦

    ○橋本敦君 先ほど江副氏等と金融機関その他に同行されたお話が出ましたが、その際に、江副氏などは技術問題は余り専門でありませんから、企業通信システムとはどういうものか、NTTが卸すとはどういうことか、端末はどういうことか、そういう総論的な話はあなたがしてあげたという話でございましたが、そうなりますと、NTTとそれからリクルートにとっての大事なセールスの基本はあなたが話してくださっておるということになっているんじゃありませんか。江副氏はそれ以外にどんな話をすることがあるんですか。
  240. 式場英

    証人式場英君) 江副さんの方からは、今その当時の記憶をたぐってみれば、私どもは今回こういう新しい仕事を始めましたという御紹介でありまして、私の方は、先ほど申し上げましたような私どものサイドのお話を申し上げたということでございます。
  241. 橋本敦

    ○橋本敦君 新しい仕事内容がまさにあなたの説明にかかっておるんですよ。  それで聞きますけれども、あなたが同行された金融機関を中心とする幾つかの主な取引先ですね、行った結果どうですか、リクルート回線リセール事業は成約になったですか。つまり、うまくいきましたかどうですか、結果は。
  242. 式場英

    証人式場英君) 企業としての企業通信システムという中に高速ディジタル回線が使われることは先ほども申し上げました。私どもはシステム販売という形でそれを販売いたしますので、私ども高速ディジタル回線をその中にはめ込んでお勧めするのがまず第一であります。リセール回線については、その当時の私の記憶では、リセール回線というものが具体的にどうなのかなというのはお客様の方は十分存じ上げてない向きがありましたので、私が御一緒したところはうまくいったところもありますし、そうでないところもございます。
  243. 橋本敦

    ○橋本敦君 あなたが回ったうちでうまくいった方が多いんでしょう、はっきり言ってください、トップと会って、頭取と会って。
  244. 式場英

    証人式場英君) 先ほど申し上げましたように、金融機関が大変多うございましたから、その中身について言えば多くはございませんでした。非常に成約になった例は少なかつたというふうに存じ上げています。その理由はやはり信頼度の問題ではなかったかと思います。
  245. 橋本敦

    ○橋本敦君 あなたに対する信頼がなかったわけじゃないでしょう。
  246. 式場英

    証人式場英君) システムについてです。
  247. 橋本敦

    ○橋本敦君 その問題は時間がないから省略しますけれども、要するに成約があったかなかったかよりも、そこまであなたがリクルートとともに同行してやられたということが問題なんですよ。例えば、日本通信ネットワーク社、この会社と一緒に同行したことがありますか。
  248. 式場英

    証人式場英君) ございます。
  249. 橋本敦

    ○橋本敦君 何カ所。
  250. 式場英

    証人式場英君) 一カ所です。
  251. 橋本敦

    ○橋本敦君 そうしますと、さっき他社とは一、二回と言いましたが、もう一カ所はどこの会社ですか。
  252. 式場英

    証人式場英君) リセールということに関してやっている会社はほかにもございますので、CSKとかあるいは日本電気さんの絡みとか、そういうところでございます。
  253. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 橋本君に申し上げます。  時間が来ましたのでこれでおりてください。
  254. 橋本敦

    ○橋本敦君 もう一問やらしてください、もう一問だけ。五十四分でしょう。  最後に聞きますけれども……
  255. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 委員長許可なくして発言やめてください。時間が超過しました。
  256. 橋本敦

    ○橋本敦君 じゃ、終わります。
  257. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして橋本君の発言は終了いたしました。  次に、柳澤錬造君。
  258. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 証人にお聞きをするんですが、冒頭に梶木委員長の方から尋問があったときに、株の購入については、六十一年の九月に江副さんから電話でもって、個人的に親しくて社会的に地位のある人に株を持ってほしい、そういう話がありましたと。それほど江副さんとは親しい関係にあったんですかということからまず聞いてまいります。
  259. 式場英

    証人式場英君) 五十八年の秋ごろから——秋ごろといいますか、秋に江副さんを御存じ申し上げ、それ以来、年に二、三回お会いする機会がございましたので、さらに、リクルート社と私どもはいろいろ幾つかのビジネスを展開しておりましたので、そういう意味においては十分存じ上げておりました。
  260. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 江副さんからそういうお話があって、実際にあなたのところへ来たのは、今度ファーストファイナンス小林社長さんがおいでになった。そしてあなたは、自己資金で買おうと思っていたんだけれども小林社長は、うちの会社の金を使ってくれということであったんで、その金を使うことにしたんだと言うんですが、その関係において不思議に思わなかったんですか、リクルートからじゃなくて今度はファイナンスからそういう話が来たわけですから。
  261. 式場英

    証人式場英君) 不思議に思いませんでした。というのは、電話の中で、後でうちの者をやるから詳細はその人間から聞いてくれ、こういう話でございましたので。
  262. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 先ほどの話の中で、ことしの九月にその五千株の元金利子ともにお支払いになったということをお答えになっているんです。で、株は今でもお持ちになっている。相当なお金だと思うんですけれども、その資金はどういう調達をしてお払いになったんですか。
  263. 式場英

    証人式場英君) 何とかして、利子もかさむので払わなきゃいかぬというふうに考えていたんですが、ことしになりまして私はNTTを退職しまして役員になりましたので、その退職金を充当いたしました。
  264. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 それから、先ほどからの御答弁の中で、リクルート社というのはNTTにとっては大変重要なお客様だったということが再三出てくるわけだ。それで、断れば商売にも影響が及ぶだろうというお考えがこの株をお買いになる一つの動機だったと思うんですけれども、しかしリクルートというこの主要な三社は借金を一兆五千億も持っておって、言うなら新日鉄よりもはるかに大きな借金を抱えている会社であって、NTTにとってそれほど重要なお客様なんだ、大事なお客様だというふうな判断が下せるような企業とお考えになったんですか。
  265. 式場英

    証人式場英君) 現実、リクルート社に関する売り上げは、私ども事業部の中でそのリクルート社の占める売り上げの割合が一五%から二〇%になっておりましたので、先ほど大変重大な重要なお客様だと、ビッグユーザーだということでお話を申し上げさしていただきました。
  266. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私たちから見れば非常に危険な企業だと思うんです。少なくともNTTのような大きな企業が非常に重要な企業だというふうに判断をなさるにしてはいささか軽率だと思うんですけれども、その辺はお考えにならなかったんですか。
  267. 式場英

    証人式場英君) 私ども企業通信という仕事を始めてから、それぞれの業界分野において、幾つかの企業お客様として選定させていただきました。リクルート社もその中に入っており、私どもお客様の立場に立ってどんどん営業仕事をさせていただきましたので、お客様の経営状態その他についても存じてはおりましたけれども、それが危ないとかというようなことはお客様の経営の中に立ち至る話でございますので、当時の判断としては御指摘のようなことは考えませんでした。
  268. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 経営に携わる者として、そういう判断に立つということは私どもは信じられないわけだ。  それはまあそれにして、次に回線リセール事業関係についてお聞きをしていくわけですけれども、この回線リセール事業は、NTTよりかも安い料金で回線をユーザーに販売する事業なんでしょう。NTTの内部でも、そんなことをしたらNTTの経営を圧迫するんじゃないかといって反対論があったということも私ども聞いておったわけなんですが、NTTを設立するときに、約款でもって回線リセール事業を認めるようになったのはなぜなんですか。そこをお聞かせいただきたい。
  269. 式場英

    証人式場英君) まず、その約款の問題についてでございますが、これは、電話サービスについて公衆回線と専用回線の接続を禁止するという中身であり、今回のリセールビジネスはそれとは全く違いまして、専用線専用線を接続するものであります。で、そういう中にあって、具体的なリクルート社リセールが始まったのは六十年の七月以降でありますが、その中において、NTTの内部ではそういう新しいことは初めてでございましたので、一部反対が出たことも事実であります。  しかし、その反対についてでありますけれども、これはNTTとして小売の部隊も持っておりますので、その小売の部隊は定価表の販売をするので、リセールの二割なり三割安いということのそれとバッティングしたということから起きたわけでございますけれども、その後オールNTTとしての売り上げがむしろこのリセールビジネスを容認することによってふえるということが実証されましたので、六十年の十二月には会社のトータルの意思として、常務会でこのリセールを具体的に認めるという形で承認を受けております。
  270. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そうすると、リクルート社回線リセール事業を始めるに当たって、証人が果たされた役割というのはどういうことだったですか。
  271. 式場英

    証人式場英君) リセール中身は、繰り返しでございますけれども高速ディジタル回線を軸にして、それに分割装置をつけて、大束の回線を小束に分割するという仕事であります。高速ディジタル回線の御注文をいただいて、それを具体的に処理をするそれぞれの事業部にその注文をオーダーする、中継する、配ってやるという仕事を私どもは受け持ったのと、それからTDM装置についての具体的な選定、さらにはそれの工事、さらにトータルのTDM、モデム等の保守といったようなことについての御相談の窓口になりました。
  272. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そのリクルート社リセール事業許可というものがかなり他社よりかも早くおりたというふうに聞いておるわけですけれども、その辺はどういうふうに御判断なさっているんですか。
  273. 式場英

    証人式場英君) リクルート社リセール業というよりも二種事業としての、一般二種事業としての届けを六十年四月に出されておるということは私も伺っておりました。  しかし、伺いますところ、これは具体的にリセールという話がまだ見えてない時点において一応何かやろうということで、まず六十年四月に出されたやに私は伺っております。
  274. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 これをはっきりお答えいただきたいと思うんですけれどもリクルート回線を小口に分ける装置、それをNTTの局舎内に置いているというのは先ほども出ましたんですけれども、こういう便宜を与えたという理由はどういうところにあるのか。それから、リクルート以外の業者にもそういう便宜供与をしているところがあるのかという点はいかがですか。
  275. 式場英

    証人式場英君) まず、リクルート社に局舎を貸しておる箇所については四カ所であり、全体リクルートがこのリセールビジネスを展開するに当たり、局舎、その必要な局舎といいますか、それは現在四十数カ所というふうに承っております。その中の四カ所ということでございますから、十分の一以下であるという割合になっております。  さらに、こういった形で局舎をお貸しするというのは単にリクルート社のみではございませんで、他の業者にも同様に、お申し出があれば、私ども差し支えない範囲でそのお申し出を受けておりまして、現在そういう形において全国的には現在時点においては三十社、百十局舎に局舎貸し付けをやっております。
  276. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 時間もございませんから最後になるんですけれども証人リクルート社関係というものが、今いろいろお聞きをしてまいりましたけれども、そういうことが今回の株譲渡のああいうことと関係がないと言い切れるかどうか、そこはいかがですか。
  277. 式場英

    証人式場英君) 株の譲渡を受けたのは個人的な問題であり、ビジネスとは全く関係ないというふうに考えております。
  278. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 終わります。
  279. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして柳津君の発言は終了いたしました。  次に、野末陳平君。
  280. 野末陳平

    ○野末陳平君 私も株のことをお尋ねします。  今までの証言で、昭和六十一年九月三十日に株を契約し、また支払いをした、こういうお答えでしたけれども、具体的にこの契約はこの日になされたのか、つまり、サインをなされたんですね、あなたがね、そしてどこで、だれを相手にサインをしたかという、この事実関係をひとつ確認したいんですが。
  281. 式場英

    証人式場英君) 九月三十日付でそれが結ばれたということでございまして、書類にサインをしてお渡ししたのはそれより前でございます。日にちは正確には覚えておりません。
  282. 野末陳平

    ○野末陳平君 そして、相手が小林さんだということは聞きましたが、その売買の約定書の相手はどこになっておりましたか。
  283. 式場英

    証人式場英君) 大変申しわけないんですが、約定書の、当時の約定書の相手がだれであったかということは、現時点では明確に記憶しておりません。
  284. 野末陳平

    ○野末陳平君 それは、じゃ後で写しでも見せていただければ確認できるんですが。  もう一つ融資を七%で受けたというようなお話でしたけれども、しかも二年借りていた。この融資の場合の千五百万円、これ担保は一体どういうものでもってこの融資が可能になったんでしょうか。
  285. 式場英

    証人式場英君) 購入しましたリクルートコスモス株を担保、抵当に入れました。
  286. 野末陳平

    ○野末陳平君 普通は株を担保に融資ということはないんですけれども、特殊のケースだとして、それならば、その株は返済が終わるまでは返ってこないわけですから、その返済が終わって、そのとき初めて株式を見て自分の名義を確認したと、こういうことになりますか。
  287. 式場英

    証人式場英君) 株の名義が私になっているかどうか、実は抵当に預けましたのでその実物を見ておりませんでしたので、六十二年のいつだったか、日にちはちょっと正確に覚えておりませんけれども、名義が私に書きかわっているかどうかということは電話で問い合わせをし、確かにそうなっているということで確認をさせていただきました。
  288. 野末陳平

    ○野末陳平君 さて問題は、いわば安定株主というようなニュアンスの意味でそういう株を持ってくれと頼まれたと、こういうお答えでしたけれども、民間企業というのが公社の人に対してそういう話を持ちかけるのかどうか、ちょっと私もわかりませんし、それから今度、公社の立場にある人がビジネスという理由でそういうおつき合いを果たしてするのかどうか。その辺がちょっと不自然な気もしないでもないんですが。  それではお聞きしますが、リクルート社以外にもこういう話があったことがあるのか。しかも、そういう話の場合に、証人はそれにおつき合いした経験があるのかどうか。その辺はどうでしょうか。
  289. 式場英

    証人式場英君) 当時の状況を考えますと、私は店頭公開株というようなものについての知識は全くございませんでした。したがいまして、先ほどお話し申し上げたような江副さんから電話があったときには、これは受けざるを得ないなということで受けたわけでございますけれども、そのときには、これは小林さんからだったと思いますけれども、決定は早くしてほしいという依頼があり、さらに安定株主ということからいえば、会社対会社の話であるということも私は存じておりましたが、当時は、まあ現在でもそうでございますが、NTTは政府がその株の大半を所有している特殊な形で、そういう形の民間会社であったものですから、そういう限られた時間の中において、そういう会社としての安定株主という形で株を所有できるかどうかという結論を引き出すのには自信がございませんでしたので、個人として決断をし、それを受けたという次第でございます。
  290. 野末陳平

    ○野末陳平君 そうしますと、そういう株を持つというおつき合いはリクルート社だけだということになりますね、あなたにとって。
  291. 式場英

    証人式場英君) さようでございます。
  292. 野末陳平

    ○野末陳平君 確かに、ビジネスをやる立場で、証人の考え方も一面わからないではないんですが、しかし、お得意を失うあるいは信用を失う、そういうビジネス上のつき合いだけで、個人が公社にいながら一千五百万円からのリスクをしょった金を果たして出すのかどうか、ちょっとこれは異例なことかなと。ビジネスマンとしては相当な覚悟も要るが、少なくも異例なことだというような感じがするんですが、あなた自身はそういうふうには全然お感じにならなかったですか。
  293. 式場英

    証人式場英君) 当時の状況を思い出してみますと、私ども新生NTTの中にあって企業通信システム事業部、私はその事業部長という格好で新しいビジネスをどんどん展開していたときでもあり、そういう環境の中において、今ほど御指摘のようなリスクはある程度自分としては当然受けなきゃいけないんではないかというふうに考えて判断したわけでございます。
  294. 野末陳平

    ○野末陳平君 そこの辺がどうしても納得できない部分が残るんです。ということは、江副氏は、あなたの個人的な信用その他で個人に株を持ってくれと持ちかけている。ところがあなたは、会社のことを思い、会社のために自分がやらざるを得ないと、こう考えているとお答えになっている。その辺にずれがあるんですね、感じるんですよ。ですから、江副さんは個人に持ちかけている。あなたも個人の利害を全く考えずに、すべて会社のために、公社の人間が会社のために、ビジネスのためにやるのであろうかと、どうもその辺がわからない。  改めて聞きますが、じゃ、個人の利害というものが全く念頭になく、ひたすら公社のビジネスのために必要なんだと。いわば自分が犠牲になるような、そんなようなことで決断をなさっていると、こういうことになりますね。
  295. 式場英

    証人式場英君) 江副さんからの電話を受けたときに、先ほど申し上げたように、個人的によく存じ上げて社会的に信用のある方にというお話をいただいて、大変短い電話でございまして、そういう話を受けたときに、私としては個人としてこれは受けなきゃいけない。それも先ほど申し上げたように、ビジネスと絡んで信用を失うからという思いが非常に強うございまして、まあ大変その判断が、私の感想でございますからそういうことにさしていただきます。
  296. 野末陳平

    ○野末陳平君 この辺は、ビジネスマンの立場もつらいときがありますから、余り追及しません。  もう一つリクルートから何かにつけ接待を受けたとか、あるいは贈り物をもらったとか、そういうことが公社の時代にあったかどうか、その点を確認しておきます。
  297. 式場英

    証人式場英君) 社会的常識の範囲で年一、二回会合を持つことはございましたが、大概は昼食をともにするというような形での打ち合わせ形式のものが多うございました。
  298. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 野末君、時間が参りました。
  299. 野末陳平

    ○野末陳平君 じゃ、最後です。いいですか。  今、こういう事態になりまして、あなたは今までのリクルートとのビジネスを後悔なさっているかどうか。あるいは別の聞き方をすれば、リクルートというのは仕事をやり過ぎたと、露骨過ぎたというのか。それともフェアで、あれはビジネスできちっと正しかったんだとか、どういうことなのか、その辺の感慨をいま一つ述べていただきたいと思います。
  300. 式場英

    証人式場英君) こういうことになりまして、こういう事件の形になって大変世間をお騒がせしておりまして、私自身、当時、そういうことに至る話についてもう少し慎重であった方がよかったなという反省はございまして、もう大変申しわけなく思っているわけでございますが、当時の気持ちからいえば、繰り返しになるかと思いますけれども、新しい民営化したNTTの中で、従来にない新しい企業通信という仕事を進めることに精いっぱいでありまして、毎日私自身もあちらこちら飛び回っているという中でございましたので、リクルート社もその中の一つであり、当時は大変急成長を遂げており、大変行動的にやられておりまして、そういうことから考えれば、私はリクルート社お客様になっていただいてやっていたということについては、当時のそれから言えば間違っていなかったというふうに考えております。
  301. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして野末君の発言は終了いたしました。  次に、青島幸男
  302. 青島幸男

    青島幸男君 引き続いて質問をさせていただきます。  今、同僚委員質問にもありましたけれども企業企業の間の取引であろうと契約であろうと、間に立つのは人と人でございますので、人と人との信頼関係というものは非常に大事なことだと私も認識はいたしております。しかし、その認識の上に乗って、個人で株を引き受けてくれないかと言われたときに、企業間の取引がこじれてしまうのを恐れて、取引上これはやむなく引き受けなきゃならないだろうという感じでお引き受けになられたと、こう申されております。その辺がほかの委員たちもちょっと理解の行き届かないところだと思うんですね。個人ではあっても、企業企業の間の取引の問題でございますから、それを個人が間へ入ってリスクをしょうというのがどうも理解が行き届かない、こういうことだと思うんですけれども、その点について何の疑問もお持ちにならずにお引き受けになられたわけですか。
  303. 式場英

    証人式場英君) 大変、今考えてみればそういう判断については慎重さを欠いていたというふうに反省しておりますけれども、当時の状況からいえば何としてでもお客を余計開拓したい、お客は失いたくないという思いの方が強く、私自身、その先頭に立ってお客の中に飛び込んでやっていましたから、そういう状況の中で、会社対会社あるいは個人対個人というようなことを十分に考えて結論を出すという状況にはございませんでした。
  304. 青島幸男

    青島幸男君 その辺が理解の行き届かないところだと思うんですけれども。それから、株の資金の問題につきましても、ファーストファイナンスから回してもらっているということも一般の考え方からすると理解の行き届かないところです。  それからもう一つ、この株が公開前のものであるということを当時御存じでしたか。
  305. 式場英

    証人式場英君) 聞いておりませんでした。
  306. 青島幸男

    青島幸男君 証人は、前にも株の取引に手を染めたことがあるとおっしゃっておられましたけれども、そのことを御存じないというのは、千五百万の金を動かすにしてはちょっと軽率に過ぎるんではないかという認識があります。  それに、このインサイダー取引とか、あるいはそれに類するものであるという認識から後ろめたいなどというお感じはお持ちになられませんでしたか。
  307. 式場英

    証人式場英君) 当時は、インサイダー取引という言葉は余り聞いておりませんでしたので、そういうサイドからは後ろめたいという思いをしておりませんでした。
  308. 青島幸男

    青島幸男君 ビジネス関係なく私的な関係だとおっしゃいましたけれども、この私的な癒着が実は問題になっているわけでございまして、そのとき、将来こういう問題が起きるんではなかろうかという不安をお持ちになりませんでしたか。
  309. 式場英

    証人式場英君) はっきり申し上げて、全くそういう思いはしておりませんで、こういうことになるんでしたらやっておらないと思います。
  310. 青島幸男

    青島幸男君 まさにそのとおりですけれども、事実こういう大事件を巻き起こしてしまっているわけですね。ですからそれが問題になるわけでして、あなたはまさに個人的なことだとおっしゃっていますけれども、その個人とビジネスとの分け目のつけ方のいかんが非常に問題になっているわけです。  それで、あなたは同行営業と申しますか、リクルート社の重要なポストにおいでになる江副さんそのほかの方々と金融機関その他にセールスにおいでになった。それは便乗したようなものだ、自分のところのセールスのために行ったのであって、同行してお手伝いをしたのではないと、こういうおっしゃられ方をしましたけれども、日本最大の企業でありますNTTの、しかも重要な立場においでの方が同行なさるということは、その方の信用を最大限に保証することになるのは、これはもう明らかですね。その上に、向こう側から説明を求められてリクルート社の方が説明に戸惑ったりなさったときに、あなたは補足説明までなさっていらっしゃる。しかも、その関係は卸と小売の関係だから当然責任があるんだと、こういうおっしゃられ方をしましたけれどもね。  しかし、最大企業のしかも重要なポストにある、今までずっと独占事業でやってまいりましたから長年の間の信用というものは絶大なものですね、たとえNTTに変わっても。そこの重要なポストの方が同行をするということは、そのビジネスの保証をするということになりますから、大きな信頼の後押しをしたということになるわけでして、どうおっしゃられても、お手伝いをしたのではない、自分ビジネスのために行ったんだという認識をあなたはお持ちになっても、一般の概念からすると、同行して保証をしたんだというふうにとられても仕方がないと思いますけれども、その点はいかがなものですか。
  311. 式場英

    証人式場英君) 電電公社からNTTに変わりまして従来の営業の仕方が全く変わりました。従来の営業の仕方というのはウエーティング、待ちの営業であったんですが、NTTになってから攻めの営業に変わりました。積極的にお客様のところに出かけていくという形で営業を展開してまいりました。今申し上げたような状況でございますので、これまでの形からいえばお客様との御面識、そういうものは大変乏しい形にございました。したがいまして、リクルート社営業されるというトップの方に、その機会を利用して御面識を得る、そして私が具体的に私どもサイドのシステムの御説明をするということは、これは絶好の機会だというふうに私は考えたわけでございまして、今御指摘のように、相手側が私をどういうふうに利用していたかということについては、私は知る由もございませんでした。
  312. 青島幸男

    青島幸男君 あなたが今おっしゃられたように、相手方はきっとそう思われたと思うのですね、絶大な信用をバックアップとしていただきながら交渉に当たったと。これはやっぱり商売、営業の成立に非常に効果的なことだったと思います。そのことが、あなたは新しい事業が始まって、新しい事業を手がけるというリクルート社と一緒に新しく新規事業開拓のために汗水流して働いたんだという御認識しかないかもしれませんけれども、結果はそういうふうですし、それから、はたの見る目も、あなたがリクルート社と個人的に特別な関係をお持ちのゆえに、リクルート社営業にいたく肩入れをなさったというのは、そういう株の譲渡を裏で受けるようなつながりがあったために、そういう個人的なつながり、利得からリクルート社に妙に肩入れをしているのではなかろうかという見方を世間からされたとしても、今までの私どもの御質問申し上げたことに対するお答えからしましても、そういうふうに世間から受けとめられても仕方のない経緯ではなかったかと私は思いますけれども、その点についてはいかがですか。
  313. 式場英

    証人式場英君) 営業活動をする中において、営業開始してから大変私どもは期間が短うございましたので、それぞれお得意様に飛び込んでいく、そのアプローチということについては、全くこれまでのそういった経験、さらにチャンスというものは大変乏しゅうございました。したがいまして、どういう機会があってもそれを利用しようということで、私自身は私どもの部下にもそう申し上げていましたし、その一つの例としてリクルート社についての例があるわけでございまして、先生のお話の中に出るように、私を利用して回線リセールの商売がうまくいったというようにお話がございましたけれども、私が今考えますに、その結果、その場で成約になったとか後で契約になったというようなケースはむしろ少なくて、当時の状況からいえば、リセール回線というものについてのまだ認識が大変低かったという時代ではなかったかなと思います。  さらに、同行営業という形においてそういうトップセールスをするという形については、単にリクルート社だけではなく、私は、他の不動産業の方とかあるいは製造業の方と御一緒に、今申し上げたような形でお客様のところに一緒に行ってお話を申し上げるというケースはたくさんございまして、その中の一つの形態がリクルートの場合だというふうに私は認識しております。
  314. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 青島君、時間が超過しました。
  315. 青島幸男

    青島幸男君 はい。  あなたが御熱心になさったことが結果としてこうなってしまったのは、私も大変不幸に思います。
  316. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 時間が超過しました。
  317. 青島幸男

    青島幸男君 終わります。
  318. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして青島君の発言は終了いたしました。  これにて式場証人に対する証言の聴取は終了いたしました。  証人式場英君には御苦労さまでした。退席くださって結構でございます。  午後一時三十分に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  319. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 税制問題等に関する調査特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、税制問題等に関する調査を議題とし、リクルート問題等に関する件について江副浩正君から証言を求めることといたします。  まず、委員長から確認をさせていただきます。  あなたは江副浩正君御本人ですか。
  320. 江副浩正

    証人江副浩正君) 江副浩正でございます。
  321. 梶木又三

    委員長梶木又三君) この際、一言ごあいさつ申し上げます。  本日は当委員会に御出席いただきまして、ありがとうございました。  証言を求めるに先立ち、証人に一言申し上げます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人には、証言を求める前に宣誓をしていただくことになっております。  宣誓または証言を拒むことができるのは、次の場合に限られております。  証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、並びに医師歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実で黙秘すべきものについて尋問されたとき。  以上の場合以外は、証人宣誓または証言を拒むことができません。  正当の理由がなくて証人宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられます。  また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  なお、今回の証人喚問についての当委員会理事会決定事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。  その第一点は、証人随伴者助言を求めることが許される場合であります。  すなわち、証言は、証人がみずから知り得た事実を証人自身の記憶により申し述べるのが原則でありますが、証言を求められている事柄が、議院証言法証言を拒否することが認められている事項に該当するかどうか確認しようとするとき、その他委員長がこれを中心として判断し、許可を与えるのを相当としたものについては、証人随伴者助言を求めることができます。  これらの助言は、いずれもその都度、証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  その第二点は、資料についてであります。  証人は、既に通知いたしましたとおり、証言を行うに際し、あらかじめ当委員会に提出された資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。  その第三点として、証人メモをとることは認められておりません。  その第四点は、随伴者についてであります。  随伴者は、発言することはできませんが、メモをとることは許されます。  また、随伴者は、証人委員長許可を得て助言を求めた場合は助言することができますが、自分の方から証人に対し助言することはできないことになっております。  以上の点を十分御承知願います。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることといたします。  全員起立を願います。    〔総員起立
  322. 梶木又三

    委員長梶木又三君) これより江副浩正君の証言が終了するまで撮影は中止してください。  それでは、江副浩正君、宣誓書を朗読してください。    〔証人は次のように宣誓を行った〕     宣 誓 書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。              証人 江副浩正
  323. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 全員着席を願います。  江副証人宣誓書署名捺印してください。    〔証人宣誓書署名捺印
  324. 梶木又三

    委員長梶木又三君) これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際は、その都度委員長と呼んで許可を得て御発言なさるようにお願いいたします。  なお、質問を受けているときは御着席のままで結構でございますが、お答えの際には起立して御発言を願います。  この際、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。  それでは、これより証言を求めるのでありますが、それに先立ちまして、委員長からお尋ねをいたします。  江副証人には入院加療中と聞いておりますが、現在の健康状態についてお伺いします。
  325. 江副浩正

    証人江副浩正君) 本年七月の下旬以来入院いたしておりますが、最近は大分健康も回復してまいっております。
  326. 梶木又三

    委員長梶木又三君) これより委員発言を行います。  なお、株式会社リクルート及び株式会社リクルートコスモスから衆議院委員会に提出されました株式譲渡に関する資料を参考までに証人にお渡ししてあります。  矢田部理君。
  327. 矢田部理

    ○矢田部理君 今、証人に示されておりますリストが二つございます。衆議院に出されたものでありまして、五十九年の十二月譲渡分、これがリスト1です。それから六十一年秋、第三者割り当てコースを経た譲渡分、これがリスト2でありますので、便宜そう呼ばせていただきますが、このリスト1及び2で既に出されております政官界関係者は、名義のいかんを問わず、これ以外に絶対にないと断言できますか。
  328. 江副浩正

    証人江副浩正君) このリスト、両社から、リクルート並びに株式会社リクルートコスモス社から提出されているリストについて、政官界関係者はこれ以外にはいらっしゃらないと、かように思っております。
  329. 矢田部理

    ○矢田部理君 この前書きによりますと、政治家、官界関係者などの知人も記載をしているというふうになっておりますが、この欄の中で知人とはどなたでしょうか。
  330. 江副浩正

    証人江副浩正君) これは私が作成したものではございませんので、その知人という意味でございますが、私の解釈では知人に名をかりた政官界関係者というふうに理解いたしております。
  331. 矢田部理

    ○矢田部理君 その知人に名をかりた政官界関係者、実質上名義人と異なって所有者である場合もあるわけですが、そういう人も含めておられないと、こういうふうに伺ってよろしゅうございますか。
  332. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのとおりでございます。
  333. 矢田部理

    ○矢田部理君 同時にまた、この回答書のリストの基準では株式譲渡時の肩書に基づいて発表したものであるというふうに言われておるわけでありますが、そういたしますと、譲渡時で政治家でなかった、後に政治家になった人、譲渡時には既に官界ではOBになった人、これは含まれていないということになりましょうか。
  334. 江副浩正

    証人江副浩正君) このリストの内容についてでございますが、譲渡当時並びに現在ともに政官界関係者についてはここに挙げてある方限りであると、こういうことでございます。
  335. 矢田部理

    ○矢田部理君 もう一度念のために伺いますが、当時既に官界を去った方、官界OBの方はこのリストの中には入っていないというふうにこれまた断言できますか。
  336. 江副浩正

    証人江副浩正君) 例えば十数年前にお役所に勤めたことがあるとかですね、そういう方があるいはおいでになる、私どもの承知しない限りにおいておいでになる可能性があるかもしれませんが、少なくとも譲渡時あるいはそれ以後今日までの間に政官界に身を置いた方はいらっしゃらないと、こういうことでございます。
  337. 矢田部理

    ○矢田部理君 河合康文さんという方が宮澤さんの株譲渡、譲り受けに関連してしばしば名前として登場されておるのでありますが、このリスト1ないし2の中においでになりませんか。
  338. 江副浩正

    証人江副浩正君) おいでにならないと思います。
  339. 矢田部理

    ○矢田部理君 おいでにならないのですか、それともおいでにならないと思うという程度ですか。
  340. 江副浩正

    証人江副浩正君) おいでにならないというふうに私は承知いたしております。
  341. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたは、これが発表されてから大分日にちもたつわけですが、全部この名前はごらんになっておりますか。
  342. 江副浩正

    証人江副浩正君) このリストが発表されて以降、改めて全部の名前について私が見たということはございません。
  343. 矢田部理

    ○矢田部理君 以前にごらんになったというか、株の譲渡者のリストは当然御自分中心にしたわけですから知ってはおられるわけですね。
  344. 江副浩正

    証人江副浩正君) 新聞でこの問題が報道されるようになりましてから、改めて名簿を全部私が見直したことがございます。そのときに河合さんのお名前がなかったというふうに私は記憶しております。
  345. 矢田部理

    ○矢田部理君 次の質問に入りますが、このリストの中に、特に空白部分にでありますが、リクルート関係者、グループの方々が役員その他で相当入っておると言われておりますが、この欄のどこにどんな名前の人がおられるでしょうか。
  346. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今のお尋ねでございますが、この中にリクルート関係者は一人もいないというふうに思っております。ただし、リクルートコスモスの役員あるいは幹部社員についてはこの中にいると思いますが、この中のどの部分にいるかということについては私は詳細に存じておりませんが、いずれにしても、このグループの中にリクルートコスモスの役員並びに幹部社員がいることは確かでございます。
  347. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたは衆議院証言で、第三者割り当て先の中から社員や幹部等、コスモスの社員、幹部等だろうと思いますが、に株を持たせたいということでお譲りをいただいたと言っているわけですから、少なくとも主な方は記憶しておられると思うのですが、具体的にお示しいただけませんか。
  348. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私が衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会で申し上げましたことは、リクルートコスモスの幹部社員がちょうど七月一日付でリクルートから転籍になりまして、その転籍になった時点で実はリクルートにつきましては、グループ全体がそうでございますけれども、社員の持ち株制を進めておりまして、幹部が株式を余り持っていない、あるいはほとんど持っていないということは……
  349. 矢田部理

    ○矢田部理君 端的に答えてください。
  350. 江副浩正

    証人江副浩正君) はい。  問題があるということで持たせたわけでございますが、だれがということじゃなく、非常に数が多うございますので私がそのすべての人数について、名前について記憶しているわけではございませんので、ここでは相当数の者がいるというふうにお答えさしていただきます。
  351. 矢田部理

    ○矢田部理君 具体的に名前を挙げてください。まず主な方から。
  352. 江副浩正

    証人江副浩正君) 十数名にわたっておりますが、恐らく二十名近くいるんではないかと思いますが、具体的な名前についてはちょっとここでは記憶しておりませんので、責任を持って申し上げることができない状態でございます。
  353. 矢田部理

    ○矢田部理君 全部正確に申し述べなさいと言っているわけじゃないのでありまして、具体的に主な方ぐらいは列挙できるんじゃありませんか。自分の会社、自分関係者でしょう。
  354. 江副浩正

    証人江副浩正君) 主な人間と申しましても、だれに、幹部社員が、役員のみならず部次長も含めて株主でおりまして、だれが主でだれが主でないかということを含めまして、だれの名前を挙げていいか戸惑うわけでございますが、相当数の数でございますので、社長は含まれておりませんけれども、常務や専務等多数の役職員がこの中に含まれているということを報告さしていただきます。
  355. 矢田部理

    ○矢田部理君 具体的に名前を言ってくださいと言っているんです。
  356. 江副浩正

    証人江副浩正君) 多数の名前を申し上げなければいけませんでしょうか。質問に対する質問で恐縮でございますが。
  357. 矢田部理

    ○矢田部理君 主な方を列挙してください。
  358. 江副浩正

    証人江副浩正君) だれに株式が行ったか私は詳しくは記憶しておりませんが、そうでございますね、常務取締役をしております高島とか、ちょっと正確さを欠きますので私ちょっと今戸惑っておりますけれども、あるいは財務担当役員の館岡精一とか、そういった者が多分含まれていたというふうに思っております。
  359. 矢田部理

    ○矢田部理君 その程度しか出ませんか。二十人いるうち、全部正確に答えろなどとは申しておりませんが。
  360. 江副浩正

    証人江副浩正君) それ以外でございますと、多分花田幸弘というのが含まれていたと思います。あるいは橋爪年幸という人間も含まれていたというふうに思います。それから高田という人間も含まれていたというふうに記憶いたしております。それ以外に米津という人間も多分含まれていたと記憶いたしております。そんなところでよろしゅうございますでしょうか。
  361. 矢田部理

    ○矢田部理君 松原弘さんは含まれていますか。
  362. 江副浩正

    証人江副浩正君) 恐らく含まれていたというふうに思っております。
  363. 矢田部理

    ○矢田部理君 その方々のルートが五社あるわけですが、どの関係の会社から戻った株でしょうか。
  364. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今申し上げたようなリクルートコスモスの幹部社員に多く譲渡されているのはエターナルフォーチュン社が一番でございまして、そのほかワールドサービス等から譲渡されているというふうに記憶いたしております。
  365. 矢田部理

    ○矢田部理君 次に、この欄の中で大変大口だと思われる方々について伺いたいのですがリスト2のワールドサービス、上から一、二、三、四、五、六番目でありますが、会社役員五万五千株、これはどなたでしょうか。
  366. 江副浩正

    証人江副浩正君) ちょっとただいまは記憶いたしておりません。これと名前を、どの会社役員がだれに相当するかということを私はただいま記憶しておりませんので、ちょっとお答えをしかねる状態でございます。
  367. 矢田部理

    ○矢田部理君 全部言うのがわかりにくい、記憶がないということもあり得ますが、やはり五万とか三万とかという大口の方は、そう数が多くないわけですね。したがって、記憶としては残っていてしかるべきなので、大口だけ伺いますが、会社役員、この三者ですね。ワールドサービスは五万五千、それから二万五千、二万と、いずれも三者、会社役員でありますが、この三者について述べてください。
  368. 江副浩正

    証人江副浩正君) 実は、リクルートコスモス社の役員のだれにどう譲渡するかということに関しましては、リクルートコスモス社で決めたことでございまして、私が直接だれに何株ということについて私がそれを指示したというわけでもございませんし、実際にこの五万五千株がだれかということであれば、ただいまもお尋ねいただきましても、私どもの幹部社員のだれが五万五千株をこの時点で引き受けたかということについて、私はちょっとただいま記憶がございませんので、お答えをしかねるところでございます。
  369. 矢田部理

    ○矢田部理君 この第三者割り当てから回ってきたコースでは、古河さんが六万株で一番多い。その次は五万五千、二番目なんですね。そういう大きく分けたところぐらいは記憶があってしかるべきじゃありませんか、あなたが中心になってやられたというのでありますから。
  370. 江副浩正

    証人江副浩正君) 恐らく、リクルートコスモスの専務か常務か、そのあたり、あるいは取締役かそのあたりだろうと思いますが、具体的に名前が、この五万五千株がだれであるかということを特定してお答えすることについては、私は記憶がございませんので、お答えしかねるところでございます。
  371. 矢田部理

    ○矢田部理君 エターナルフォーチュンの三万五千株、それから三万株というのが上の方に二つ出ていますが、これはどなたでしょうか。
  372. 江副浩正

    証人江副浩正君) この一覧表の一人ずつが、だれが会社役員と書いてあるものがだれなのかということについて、私がこの表についてあらかじめそういうお尋ねあれば、見てまいったのでございますけれども、そういうことについてあらかじめ見てまいっておりませんので、三万五千株は多分、これもリクルートコスモスの幹部社員と思いますが、常務か専務か、そのあたりのだれかに行っているんだろうというふうに想像いたしております。
  373. 矢田部理

    ○矢田部理君 報道によりますと、松原弘さんということが言われておりますが、御記憶ありませんか。
  374. 江副浩正

    証人江副浩正君) 松原も三万五千株の株主でございましたから、あるいはこの三万五千株が松原に該当するかもしれません。そのことは可能性が十分にあるというふうに思っております。
  375. 矢田部理

    ○矢田部理君 その他この空欄についてはお聞きしたいことがたくさんありますが、全部ここで記憶をよみがえらせるようにといっても無理かと思いますので、この中身を後刻当委員会に出していただけますか。
  376. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私どもとしましては、民間の方々については、政界関係者についてはどうしても出せというお話でございまして提出さしていただきましたが、民間人につきましては、この空欄について全部埋めよというお話は、衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会でも強い御要請がございましたけれども、お名前を挙げることによって、立場を大変悪くされる方、場合によっては職を辞される方もいらっしゃることでもございますので、その空欄を埋めるということについては、何とぞ御容赦いただきますようお願い申し上げる次第でございます。
  377. 矢田部理

    ○矢田部理君 先ほど委員長が述べられた証言拒否理由に当たる正当な理由か何かございますか。
  378. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私どもは、これはお願いでございまして、民間の方々について、民間人のお名前を全部挙げるということについては、実は大変な問題でございまして、先般、先週もそうでございますけれども、ある方のお名前が挙がったことによって、その方が職を辞されたと。私どもにとっては本当に断腸の思いでございまして、その方は自己資金株式を所有され、ずっと末永く株式を持っていると、このようにおっしゃっていただいたにもかかわらず、そのことが明るみに出たことでおやめになったということもございます。  そういう意味で、このお名前を全部公表さしていただくことは、到底私どもとしては忍びがたいことでございまして、どうかお許しいただきますよう心からお願い申し上げる次第でございます。
  379. 矢田部理

    ○矢田部理君 正当な事由とは考えられませんので、委員長として正式に要請していただきたいと思います。
  380. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 理事会で協議をいたします。
  381. 矢田部理

    ○矢田部理君 理事会協議の問題じゃないですよ。
  382. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 理事会で協議をいたします。
  383. 矢田部理

    ○矢田部理君 これは理事会協議の問題ではなくて、委員長として、これ以上答えないかどうか、拒否をされるかどうかということを確認する必要があると思います。その上で扱いを協議していただきたいと思います。
  384. 梶木又三

    委員長梶木又三君) それも理事会で協議いたしますから、発言を続けてください。
  385. 矢田部理

    ○矢田部理君 確認してください。
  386. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 江副証人、もう一回再答弁してください。
  387. 江副浩正

    証人江副浩正君) 率直に申し上げまして、御要請でございますので、できますれば公開したいという気持ちがないわけではございませんが、もしもこれを公開するとなりますと、先ほども申し上げましたように、このことが明るみに出て職をやめられたりした方が随分いらっしゃいます。  そういう意味で、これ以上御迷惑をおかけすることは到底私どもとしては忍びがたいことでございますので、どうか民間人に関しましてはこれを限りにしてお許しいただきますようお願いを申し上げる次第でございます。よろしくお願いいたします。
  388. 矢田部理

    ○矢田部理君 委員長、理由を確認するんじゃないんです、同じことを何回も言われてもしようがないんですから。要するに、これ以上しゃべらないかどうか、断るのかと、それについては正当の理由があるかないかということだけを確認してもらえばいいわけです。それで理事会の協議にしていただきたい。
  389. 梶木又三

    委員長梶木又三君) だから、理事会でそれを協議さしていただきますから。
  390. 矢田部理

    ○矢田部理君 これ以上の答弁は拒否しますね、いやそれはだめですよ、明確にしてください。
  391. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  392. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 速記を起こして。  証人お尋ねいたしますが、ただいまの件は証言拒否でございますか。
  393. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私どもとしましては、証言拒否というよりはむしろ皆様方に、どうか民間人に関しましては、皆様方に、失礼しました、質問の先生方に、このリストの全員についてつまびらかにすることをお許しいただくようにお願いをさしていただきたいということでございます。
  394. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 今の証人の答弁を含めて理事会で協議をいたします。
  395. 矢田部理

    ○矢田部理君 私の方は、この全貌を明らかにすることがより大事だと思いますので、お願いということで聞き入れるわけにはまいりません。そこを明確にして、次に移ります。  そこで、麻野忠雄氏という名前が衆議院江副証言をきっかけに出てまいりました。警察関係者ということでありますが、この方はいつ、だれから何株譲渡されたんでしょうか。
  396. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先般の衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会で警察関係者はいるのかというお尋ねに対して、お一方いらっしゃいますと申し上げたわけでございますが、その方がどなたかということについてお名前も申し上げなかったことで若干その後問題になったわけでございますけれども、その方は麻野忠雄さんでいらっしゃいます。(「違う」と呼ぶ者あり)そういう、私が申し上げたのは麻野忠雄さんであったという私の認識でございまして、私が麻野さんが株主、リクルートコスモスの監査役でありますので株主であるだろうというふうに思っておりまして、その方は今回のこの表にあります譲渡リストの中ではなくて、リクルートの幹部社員から譲渡を受けておられるということが後ほどわかったわけでございまして、したがいまして、麻野さんはリクルートの幹部社員から譲渡を受けておられるということでございます。
  397. 矢田部理

    ○矢田部理君 ですから、いつ、だれから何株受けたのかと伺っているんです。
  398. 江副浩正

    証人江副浩正君) いつ、だれから何株かということについてはただいま私は承知いたしておりません。申しわけございません。
  399. 矢田部理

    ○矢田部理君 これだけ世上いろんな話題になっている、そしてまた新聞の記者会見などでも発表した、その方がいつ、だれから何株という程度、わからないんでしょうか。
  400. 江副浩正

    証人江副浩正君) こんなこと申し上げるのはなんでございますが、私はリクルート並びにリクルートコスモスについても四月以来全く出社いたしておりませんで、そこの問題になったところが、麻野さんについていつ、だれから何株ということについて私は問い合わせをいたしておりませんので、私は大変もう矢田部先生に申しわけないのでございますけれども、そういう知識といいましょうか、そういう数字、データを持っておりませんのでお答えをしかねるところでございます。
  401. 矢田部理

    ○矢田部理君 この麻野さんについて言えば、松原さんもそうでありますが、有価証券報告書に当然役員の持ち株数は書かなきゃならぬ、全く記載がないんです、今日に至るまで。これはどういうことなんでしょうか。
  402. 江副浩正

    証人江副浩正君) 有価証券報告書に記載されてないということは私も新聞報道を通して承知いたしておりますが、なぜそこに持ち株数の記載がなかったかということについては、多分有価証券報告書作成担当者の何らかのミスでそのようになったんだというふうに思っております。  事実関係は、松原も麻野も両名とも株式を所有いたしております。
  403. 矢田部理

    ○矢田部理君 松原さんについても先ほど三万五千というふうに言われたのでありますが、二千株の記載があるだけでありました。全くその後変化がない。これは有価証券のあなたが言っていることが事実だとすれば虚偽記載になるし、またリクルートコスモスやあなた方の方の説明が逆に大変信憑性がないという裏打ちにもなるんですが、いかがですか。
  404. 江副浩正

    証人江副浩正君) 有価証券報告書がいつの時点でのお話かも私はよくわかりませんが、いずれにいたしましても、有価証券報告書に麻野忠雄の名前、持ち株がゼロということについては事実には反しておりまして、麻野忠雄が株式を所有していることは確かでございます。
  405. 矢田部理

    ○矢田部理君 随分ずさんな会社ですね。先ほど大勢の役員の方々が第三者割り当てコースから買われたと、少なくとも有価証券報告書に正確にそれは反映させなきゃならぬ。一回だけじゃございませんよ。その時期以降ずっと今日に至るまで全くしらを切っておる。これじゃあなたの言うこと信用できないじゃありませんか。  いずれにいたしましても、松原さんその他役員の方々が新たに第三者割り当て先から株式を買われた時期というのは、証券業界の内規でそういう株の売り買いが禁止されている時期ではありませんか。にもかかわらずおやりになったんでしょうか。
  406. 江副浩正

    証人江副浩正君) 麻野忠雄につきましてはよく存じませんが、少なくとも松原弘につきましてはおっしゃるとおり、御指摘のとおり、これは本件が問題になりまして新聞報道を通して私は承知したことでございますが、日本証券業協会の内規に触れる問題であるというふうに承知いたしております。
  407. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたもこの第三者割り当て先から事実上買い戻す、そして次の方々に割り振るということでは中心的な役割を果たしたようですが、あなたも結局この内規に事実上違反をしていることになりませんか。
  408. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私が第三者割り当て先から株式を買い戻したという事実は全くございません。そのことははっきり申し上げさせていただきたいと思います。
  409. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 志苫裕君。
  410. 志苫裕

    志苫裕君 増資割り当て先から買い戻したことはない。  衆議院証言記録によりますと、割り当てした会社から別の方への売買だと、こうおっしゃっておるんですが、しかしその他の記録にもありますように、譲渡先とかあるいは株の配分などには中心的に私がかかわりました、あるいは信用できる方に持っていただきたいと思って株式を持ってもらいました、六十一年の八月から九月にかけては類似業種方式で三千百二十円だったんだが、そういう算定だったけれども、それを三千円で持ってもらいましたという、こういう証言がもう一方にはあるわけです。そうしますと、あなたが事実上売り買いの指図をしたと、こういうふうになる。実際は売り買いをやったと。実は午前中のNTT式場証言でもドゥ・ベスト社という会社と私は何も売買の取引したことはございません、株券が後で戻ってきたら、ああ、ドゥ・ベスト社だったんだなと、こうわかりましたという証言もあるんですが、どういうことですか。
  411. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私が買い戻したというお話でございますが、私と第三者割り当て先からのお金の動きもなければ書類上の売買約定書もございませんで、第三者割り当て先の中から先ほどお話しの、例えば式場さんであればドゥ・ベスト社から所有分が式場さんの所有に変わったと、そこに譲渡が行われたということでございまして、そういうあっせんをリクルート側で行ったということはございますが、一たん買ってまた売却したということではございません。
  412. 志苫裕

    志苫裕君 ですから、一たん買って売却をしますと、自主ルートの問題とかあるいは有取税の問題とかいろんな問題が絡んでくるので、そういう形式はそのようにしたということになるんでしょう。  私が直接聞いた話をお話ししますから事実に反していたら言ってくださいよ。ここに、リストにワールドサービスというのがございますね、今ありませんでワールドという会社に一緒になっていますけれども。直接伺ったところ、これは二十万株の割り当てを受けた、そのほかにワールドというのが受けているんですが、六十一年の九月の初めごろに証人から二十万株を買い戻したい旨のお話電話であって承知をいたしました、九月三十日にファーストファイナンスから六億円の払い込みをしたぞという電話がありましたので、それを確認の上、株券を書留でファーストファイナンス社に送りました、売買約定書はもちろんございません、リストに公表された方々との関係は全くございません、どうしてこんなことになっているのか調べてください——これは事実ではありませんか。
  413. 江副浩正

    証人江副浩正君) 売買約定書に関しましてはすべての方々につくっておりまして、そして相手方の方にお渡ししておりますから、ワールドサービスに売買約定書が送られていることは間違いのないところでございます。ただ、代金の決済につきましては、まとめて代行してファーストファイナンスがそれを行ったかもしれないと、かように思っております。
  414. 志苫裕

    志苫裕君 それでしたら、一方のいわば売った方ですな、売った方はリストにある方の名前もわからぬし、何せ江副さん側から、お金を六億円上げたからあの株を返してくださいと言われて送っただけなんだ、株券を返しただけなんだと。となりますと、あなたが持っておる、あると称するワールドサービスならワールドサービスについての売買約定書はだれかがつくったことになりますね。この売買約定書を提示できますか。
  415. 江副浩正

    証人江副浩正君) ワールドサービスにつきましてでございますが、私の方が実は電話ではなくて出向きまして、第三の方にお譲りいただくようにお願いしたわけでございまして、私に、買い戻してほしいということをワールドサービスさんに申し上げたという事実はございません。ほかに株式を持ってもらいたい方がいらっしゃるので、その方にお譲りいただけないかということをお願い申し上げお譲りいただいた、それぞれの方にお譲りいただいたような次第でございます。ただし、事務代行についてはリクルート側あるいはファーストファイナンスでそういったことをやったかもしれませんが、あくまでもそれはあっせんである、このように考えております。  それから、売買約定書につきましては、売り主と買い主がそれぞれに所有しているものでございまして、私どもはそれを所有している立場にはございませんので、提出させていただくことは不可能でございます。
  416. 志苫裕

    志苫裕君 いやいや、今私が申し上げましたように、ワールドサービス社長さんは、私はそういうことをしたことがないので、株券はファーストファイナンスへ送れというから送った、お金は向こうさんから来た、そこから先のことは私は判こも押してないしわからない、こういうお話になりますと、売買約定書はだれかがつくったことになるわけですから、しかもあなたは売買約定書があると言うのですから、その売買約定書をお出しください、こう言っているんです。出せますね。出してくださいと言っているんです。
  417. 江副浩正

    証人江副浩正君) 売買約定書と申しますのは、売り手と買い手との間で交わされるものだというふうに承知しておりますが、私とワールドサービスとが売買をしたわけではございません。それぞれ売り主と買い主とが売買をされて、株式の購入者がワールドサービスに売買約定書を、これは事務代行はリクルート側で、ファーストファイナンスでやったというふうに思っておりますけれども、そういうふうなものを書類を届けておるということでございまして、私との間では売買約定書はございません。
  418. 矢田部理

    ○矢田部理君 話題を変えますが、六十一年の九月三日に店頭登録の申請をいたしましたね、コスモスとして。そのころと思われるのですが、会社として分売価格、最終的には四千六十円に決まるわけでありますが、およその数字を決められた、相談されたのはいつごろのことでしょうか。
  419. 江副浩正

    証人江副浩正君) 六十一年の八月末に類似業種方式によって売買価格を算定したものが三千百五十円でございまして、その一カ月余りたった、今おっしゃるように十月の三日でございますか、そのころに……
  420. 矢田部理

    ○矢田部理君 九月。
  421. 江副浩正

    証人江副浩正君) 失礼しました。九月、その時点で恐らくそういう数字が決まったのではないかと、私のちょっと、上場に関する事務手続は私がやっておりませんので、記憶が不正確でございますが、矢田部先生がそのようにおっしゃるとすれば、あるいはそのとおりかと存じます。
  422. 矢田部理

    ○矢田部理君 もう一回確認的に申し上げますが、九月三日の日に店頭登録の申請をしているわけです。そこで正式に俎上に上るわけですが、その前ごろに恐らく取締役会かなにかを開いて最終的な、端数は別として、四千円ぐらいというふうな分売価格を内々でお決めになったのではないかと思われるのですが、御記憶ありませんか。
  423. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういったことは恐らく役員会等では決めなかったのではないかというふうに思っております。
  424. 矢田部理

    ○矢田部理君 しかし、そのころ四千円前後の話は出ておったというふうに伺ってよろしゅうございますか。
  425. 江副浩正

    証人江副浩正君) 四千円ぐらいになるということは私は聞いておりません。
  426. 矢田部理

    ○矢田部理君 そうしますと、四千円程度という話はいつごろあなたとしては考えられ、あるいはまた話題にのせることになったのでしょうか。
  427. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私は、四千円ぐらいということについては、その認識は余り強く持っておりませんで、公開時に五千二百何十円だったかと思いますが、そういう価格で生まれたという記憶は持っておりますが、四千五十円でございますか、それについては、恐らく九月半ばごろにそういうふうな話があったのではないか、そういうふうに記憶しておりますが。
  428. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで次でありますが、先ほどファーストファイナンスから株の譲渡に当たっては融資をされるという話がしばしば出ておるわけでありますが、先ほど示したリストの中で、ファーストファイナンス融資を受けられた方の数などは、おおよそのところで結構ですが、わかりませんか。
  429. 江副浩正

    証人江副浩正君) 数は正確に覚えておりませんが、半数強の方が融資を受けておられるだろうというふうに思っております。
  430. 矢田部理

    ○矢田部理君 リスト1、2、それぞれ半数強というふうに伺ってよろしゅうございますか。
  431. 江副浩正

    証人江副浩正君) リスト1に関しましては、非常に長期にわたるもので、もう三年以上にわたるものでございますので、当初暮れのことでございますから、ファイナンスをつけられたにしましても、金利も高うございますので、ほとんどの方が自己資金ということでございます。  リスト2に関しましては、半数強の方がファイナンスを受けておられるだろうというふうに思っております。
  432. 矢田部理

    ○矢田部理君 リスト1の方については、最初の段階ではかなりの方が、四十名とか五十名とかの話があったのですが、最初のうちはやっぱり融資をしたわけですか。その後返済をして、必ずしもそうでなくなったという意味でしょうか。
  433. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのとおりでございます。
  434. 矢田部理

    ○矢田部理君 その融資を受けた方、数だけでは少し物足りませんので、政界、官界関係者に限ってでありますが、融資を受けられた方をちょっと挙げていただけませんか。
  435. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私もそのことについて詳細には記憶をいたしておりませんけれども、五十九年十二月分に関しましては、政官界関係者につきましては、融資をお受けいただいたのは小松秀熙氏と森喜朗代議士のお二方ではなかったか、このように存じております。
  436. 矢田部理

    ○矢田部理君 リスト2についてはいかがですか。
  437. 江副浩正

    証人江副浩正君) 何分、数が多うございますので、リスト2につきましてはどなたがどうということは、今私は記憶がございませんので、申しわけございません、私が受け渡しをしたわけでもございませんので、どなたが融資を受けられ、どなたが融資を受けられないかということについては、そのリストを頭の中に持っていないということでございます。
  438. 矢田部理

    ○矢田部理君 この中で、それじゃ確実に自己資金でお買いになったという方はわかりますか。
  439. 江副浩正

    証人江副浩正君) ちょっとどなたが自己資金でどなたが御融資を受けられたかということについては、ここでは私は記憶がございませんので、お答えする能力を持っていないということでございます。申しわけございません。
  440. 矢田部理

    ○矢田部理君 政界関係の方々に話をされる際に、融資等についても面倒を見ます、ファーストファイナンスの方で融資をさせていただきますという話は一般的にされたんでしょう。
  441. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私の方からは株式を持っていただきたいというお話だけでございまして、融資の道があるということにつきましては、使いの者がそういう話をしたということでございます。
  442. 矢田部理

    ○矢田部理君 宮澤さんの関係で一万株が渡っていると言われているわけですが、この関係融資でしたか。
  443. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私も直接受け渡ししたわけではございませんのでよく記憶をしておりませんが、新聞報道を通じれば融資があったというふうに、ファーストファイナンスが関与していたというふうに報道されていますので、恐らくそうではなかったかというふうに推察いたしております。
  444. 矢田部理

    ○矢田部理君 いずれにしましても、政界官界関係中心で結構でありますから、融資関係のリストをお出しいただけませんか。
  445. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほども申しましたように、どなたに御融資をし、どなたに御融資をしなかったということについては承知しておりませんので、承知しておりませんといいましょうか、私はそういうお話をさしていただいておりませんので、どなたが融資を受けて、どなたが融資を受けなかったかということについては、お答えをする能力を持たないということでございます。
  446. 矢田部理

    ○矢田部理君 だから、それにかかわるリストを後刻当委員会に出していただけませんかと伺っておる。
  447. 江副浩正

    証人江副浩正君) それにつきましては、リクルート並びにリクルートコスモス社と相談の上、宿題にさしていただきたいと、かように思っております。
  448. 矢田部理

    ○矢田部理君 次に行きますが、二つのルートにかかわるリストを出されたのですが、これは五十九年ルート、それから六十年の第三者割り当てコースから秋に移された部分と、もう一つ別ルートがあるような気がするのです。十七期、あなた方の有価証券報告書で言いますれば、六十一年の四月三十日までが十七期ということになりますが、六十年の四月の二十五日に三十七社、一個人に第三者割り当てをいたしました。それからその翌年の四月三十日までの間に株の大きな移動があったように見受けられるのですが、御記憶ありますか。
  449. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういう大きな移動はなかったというふうに思っております。
  450. 矢田部理

    ○矢田部理君 いろいろこの正確な説明をするのには時間がかかりますのでかいつまんで申しますと、三十七社の法人といいますか、に割り当てたわけですね。その中で金融機関などは除くと書いてありますが、三十七社に少なくとも割り当てた。それ以前にリクルート本社なり、それから五十九年段階で二つの会社が含まれておりますから、少なくともこの金融機関などを除いても三十七社の法人があったはずなのですが、翌年の四月の三十日の有価証券報告書によりますと、何と会社は二十八社に減ってしまっている。九社が消えているわけですね。株の関係の計算をいたしましても七十五万二千株が動いている。これはどこにどうやったんですか。御説明をいただきたい。
  451. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今初めて伺うお話でございますが、そういう株式の移動があったということは私は承知しておりませんで、本当にあったのかと今我が耳を疑っているところでございますけれども、そういう大きな株式の移動があったということは私の記憶にはございません。
  452. 矢田部理

    ○矢田部理君 でも、三十七社に割り当てられて、この有価証券報告書では二十八社しかない、記載されていない。単純計算だけでも九社ですか、会社がなくなっちゃっている、株を持たなくなっているということですね、記載がないということは。これを見ただけでもおかしいじゃありませんか。しかも、それは法人に行ったという感じは出ませんで個人に渡った。全体の計算からすると百人ぐらいの個人に渡った。ここに政界関係者、官界関係者などが潜んでいるのではないかという感じもするのでありますが、全く御記憶ありませんか。
  453. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今、矢田部先生がおっしゃったような株式の移動について私は全く記憶がございませんで、その法人数が減ったということも初めて私は今お聞きする話でございまして、ましてそういうところから政官界関係者に株式が移動したということは私どもはとても考えられないことでございます。
  454. 矢田部理

    ○矢田部理君 これは数字がはっきりしている。記録がはっきりしているわけでありますが、次に株の配分についてであります。  特に政界に対する配分でありますが、お一人お一人、どなたは三千株、どなたは二千株、どなたは一万株というようなことであなたの方で振ったのでしょうか。それとも、中曽根さんのところは二万株とか、受け手の名義人はともかくとして、安倍さんのところは何万株とかと、そういう振り方、分配の構想を相談されたのでしょうか。その辺はいかがですか。
  455. 江副浩正

    証人江副浩正君) お答えいたします。  あくまでもそれぞれの個人でございまして、その株式グループ化してお話を申し上げたということはございません。
  456. 矢田部理

    ○矢田部理君 そうしますと、中曽根さんの秘書である筑比地さんのところに何と二万三千株も行っているんですが、これはどういう関係でそういう大口になったのでしょうか。
  457. 江副浩正

    証人江副浩正君) どういう関係とおっしゃられますと答えに窮しますが、二口に分かれておりまして、何らかの理由でそれが重複したんだと思うんでございますけれども、二口に分かれて一万株と一万三千株、合わせて二万三千株が筑比地さんのところにお話がいっているということでございまして、それは特別の、格別の理由があったというわけではございません。
  458. 矢田部理

    ○矢田部理君 どんな方か存じませんが、何と六千九百万ですよ、当時のお金で。一秘書がと言うと失礼になるかもしれませんが、買える株の数としては他の割り振りとの関係から見ても余りにも多過ぎやせんかと思うのが一般じゃないでしょうか。
  459. 江副浩正

    証人江副浩正君) 矢田部先生の御指摘のとおりであるというふうに反省いたしております。
  460. 矢田部理

    ○矢田部理君 これはあなたの説明にもかかわらず、よく読んでみますと、中曽根さんのところに二万九千株行っているんですね、関係者に。九千株を考えてみますと、それぞれ三千株ずつ筑比地さん、上和田さん、太田さんと、こうなっている。安倍さんのところ、森さんコースから一万五千株行っておる、清水さんに二千株、竹下さん、福田コースで一万株、青木さんに二千株と。どうも政治家には二万とか一万五千とか一万と、万単位でおやりになる。あと秘書の方々にもということで二千ないし三千ずつ振っているという数字がずっと一貫して出てくるわけでありますが、そういう頭でつくられたんじゃありませんか。
  461. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういう頭でつくったわけではございません。
  462. 矢田部理

    ○矢田部理君 事実はそうなっているのであります。  そこで、あなた御自身がこれらの政界関係者にお話をされた、電話をかけられたという方はおりますか。
  463. 江副浩正

    証人江副浩正君) 直接政治家の先生に私がお電話さしていただいたというケースはお一方もいらっしゃいません。
  464. 矢田部理

    ○矢田部理君 宮澤さんのところにはあなた自身連絡しませんでしたか。
  465. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私の方からは宮澤大蔵大臣はもとよりでございますが、服部さんについても私の方からお電話をしたということはございません。
  466. 矢田部理

    ○矢田部理君 配分計画を立てられたのは数名だということですが、あなたとどなたですか。具体的な名前を挙げてください。
  467. 江副浩正

    証人江副浩正君) 全体では十名近くの人数がおりまして、具体的にだれがということ——まあ過半の数については、半数近く私が中心的にやったということでございます。
  468. 矢田部理

    ○矢田部理君 ファーストファイナンス小林さんがしばしば名前が出てくるんですが、そのメンバーの一人でしたか。
  469. 江副浩正

    証人江副浩正君) 小林も関与したことは事実でございます。
  470. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで、宮澤さんのところに話に出向いていったのはいつ、どなただったんでしょうか。また、宮澤さんのどこにおいでになったでしょうか。
  471. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私どもの者が宮澤大蔵大臣のところへお邪魔したというよりは服部さんのところにお邪魔したということでございますが、どこにお邪魔したかは存じませんけれども、多分服部さんの、秘書のいらっしゃるところでは——どこにお邪魔したかって、ちょっとここで、私がお邪魔したわけではございませんので、場所については特定しかねますが、時期につきましては九月の中旬でございまして、新聞報道等では九月三十日には海外においでになったと、そういう報道もございますが、お話は九月の中旬にさしていただいていると、こういうことでございます。
  472. 矢田部理

    ○矢田部理君 だれが行ったんですか。
  473. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私どもの役員か社員かどちらかが行ったんだと思います。
  474. 矢田部理

    ○矢田部理君 名前がわかりませんか。
  475. 江副浩正

    証人江副浩正君) だれが行ったか、私は今ちょっとここでは思い出しかねますが、私どもの役員かもしくは秘書かどちらかがお邪魔したんだと思います。
  476. 矢田部理

    ○矢田部理君 それは服部さんと別懇というか、特別の関係でもおありになる方ですか。
  477. 江副浩正

    証人江副浩正君) 服部さんのところにお邪魔するようにということは私が指示をしたということでございます。
  478. 矢田部理

    ○矢田部理君 先ほど代金の問題は出ましたが、何か株券は最終的に服部さんないし宮澤さんの方に来なかったというんですが、どこに保管しておったんでしょうか。
  479. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのデリバリーがどのようになされたかはよく存じておりませんが、九月の中旬にお話を申し上げ、九月三十日にお金の受け渡しをさせていただいたといいましょうか、約定書の日付が九月三十日になっていたということでございます。お金の払い込みがありましてから……
  480. 矢田部理

    ○矢田部理君 いや、端的に答えてください。株はどこに。
  481. 江副浩正

    証人江副浩正君) お金の払い込みがありましてから株券が相手方に行くというのは原則でございますから、お金の振り込みがあった時点で株券は服部さんのところに多分行っているのであるだろうというふうに想像しております。
  482. 矢田部理

    ○矢田部理君 端的に答えてくださいよ。服部さんは、株券は、宮澤さんの報告でありますが、どこにあるかわからない、自分の手元には来なかったという趣旨のことを言っておられるわけだから、どこで預かったのですかと、こう聞いている。
  483. 江副浩正

    証人江副浩正君) 通常のデリバリーであれば服部さんのところに株券をお持ちしているはずでございます。したがって、来なかったということが本当に確実であるとするならば、そこで何らかの行き違いがあったのだろうと思いますが、私どもとしては、皆さん方に株券は券面をそのままお持ちして、まあもちろんファーストファイナンスからファイナンスを受けられた場合には、担保として株券をちょうだいしますから、その場で株券をちょうだいして帰るということでございますから、手元になかったというふうなことはファイナンスを受けていただいた方についてはございますので、服部さんがファイナンスを受けておられれば、株券は来なかったということは、そういう言い回しは当たろうかと思います。
  484. 矢田部理

    ○矢田部理君 わかりました。融資を受けた場合には、その担保としてファーストファイナンスの方でお預かりをするというのが一般であるということでございますね。  それから、売却益はだれのどこの口座に振り込んだかとか、どんなことで売買をされたかとかいうような経過は御存じですか。
  485. 江副浩正

    証人江副浩正君) それは私どもの外のことでございまして、どういうふうにそれをなされたかということについては、私どもの関知しないところだというふうに承知いたしております。
  486. 矢田部理

    ○矢田部理君 政治家の中で、まとめてみますと、中曽根さん二万九千株、安倍さん一万七千株、竹下さん一万二千株ということでずっとランクがあるんですが、これはお世話になったとか親しいとかという関係でこういう株の割り振り、数の差ができたのでしょうか。
  487. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほど来申し上げておりますが、今回の株式の受け渡しにつきまして、例えば中曽根前総理が、三人の秘書官についてどのようなお話をさせていただいたかということについては、御本人は御存じのないお話だというふうに私どもは承知いたしておりまして、あくまでも秘書ベースと申しましょうか、秘書に対するお話でございまして、何と申しましょうか、それぞれの政治家の先生方をランク分けしたなんというような大それたことをしたつもりはございません。
  488. 志苫裕

    志苫裕君 ちょっと戻りますけれども先ほど全リストの名前を出してくれませんかと言ったら、それはなかなか民間でまたそれでばつの悪い思いをする人が出るからと言って御勘弁をということなんです。それは協議しますが、既にあなたから何名か名前を出されましたが、コスモス社、いわゆるリクルートグループの幹部及び社員の名簿は出せますね。これはばつのいいも悪いもないでしょう。
  489. 江副浩正

    証人江副浩正君) リクルートグループというか、リクルートコスモス以外にはリクルートコスモスの株を取得しておりませんで、リクルートコスモス社の問題だというふうに考えております。どうしてもというお話でございましたら、リクルートコスモス社と相談の上、それもまた宿題にさせていただきたい、かように存じております。
  490. 志苫裕

    志苫裕君 そのようにお願いしておきます。  衆議院における証人証言記録によりますと、大川功氏、あるいはリクルートグループに割り当てた株が公開前に再議渡されたことはない、こう証言しておられるんですが、公開後はございますか。簡単に答えてください。
  491. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今の大川さんの件も含めまして、公開後実は社員持ち株会、リクルートはベンチャービジネスでございますので、なるべく社員にたくさん株式を持たせたい、かように考えておりまして、公開後社員持ち株会が大量に株式を取得したわけでございます。その場合に、市場を通して経由することよりも、むしろ第三者の方にお譲りいただいた方がインサイダー取引等の問題にもかからないと考えて、大川さんの分についても社員持ち株会に譲渡されているということでございます。その価格は市場価格でございます。
  492. 志苫裕

    志苫裕君 御証言のように、社員持ち株会は六十二年四月から六十二年十月までの間に六十万株ふえております。そのほか若干の無償増資等がありますからこの数字は合いますが、そうやってお求めになったんでしょうが、社員持ち株会は翌年の四月までには十二万二千株減っています。これはどういう理由で、どのように売却されたんですか。
  493. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私どもリクルートコスモス、リクルートもそうでありますが、リクルートコスモスも女子社員が多うございまして、女子社員の退職に伴う売却ということが一番大きな理由でございますが、そのほかにマイホームを買うとか、あるいは結婚するとか、若い社員が多うございますので、そういう理由で社員が売却した結果、全体の株式数が減ったんだというふうに考えております。
  494. 志苫裕

    志苫裕君 先ほど大川氏の話を聞きましたが、同様のケースが凸版印刷とか大日本印刷等にもあって、報道されるところによると、それが大川氏のケースと同じようにいわば買い戻された。それが六十万株になりますから員数として合いますが、もう一方で、ファーストファイナンス社の取締役会の会議録によりますと、六十二年の四月、六月、九月の三回にわたって、五十円株にしますと四千万株の増資割り当てによる新株発行があるんですが、これが例えば明邦交易であるとか、朝日不動産等からリクルート側に買い戻されたと、これも六十二年の九月ということになりますが、事実ですか。
  495. 江副浩正

    証人江副浩正君) 時期は九月かどうかは定かでございませんが、そのころに朝日不動産並びに明邦交易のファーストファイナンス株式が買い戻されたことは事実でございます。
  496. 志苫裕

    志苫裕君 六十一年の九月、六十二年の九月、いずれもこの秋の時期に、いずれにせよあなたが仲介したか直接か別としまして、リクルート側へ一遍株が戻る。一体この九月というのはどういう意味を持っていますか。
  497. 江副浩正

    証人江副浩正君) 偶然の一致でございまして、九月にはリクルートの株を動かそうというふうなことをリクルートで決めているわけではございませんで、たまたま九月という時期にそういうものが重なったということだというふうに御理解いただきたいと思います。
  498. 志苫裕

    志苫裕君 最後にしますが、先ほど私がお伺いしましたこの公開準備のために四千万の新株発行をしたという、ファイナンスですね、これの割り当て先のうち次の三つの会社はどういう会社か。時間がありませんから簡潔に聞かせてください。ノヴァ企画、フォレスト企画、オー・エヌ・ケー、この三つはどういう会社ですか。
  499. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私は、ファーストファイナンスにつきましては役員は一切やっておりません。取締役でも監査役でも、もちろん代表取締役でもございませんで、その増資に関しましても全く関与いたしておりませんので、今おっしゃったようなノヴァ企画とか、フォレスト企画という会社がどういう会社かということについては全く存じておりません。
  500. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上を持ちまして矢田部君及び志苫君の発言は終了いたしました。  次に、峯山昭範君。
  501. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは、具体的にお伺いをいたします。  まず、できるだけ質問がダブらないようにしたいと思いますので、先ほどの御質問の中で多少気になった点二、三お伺いしたいと思います。  初めに、先般の衆議院における質問の中で、警察関係者の方がこのリストの中にいるということで、その方が麻野さんであるというふうになったわけでありますが、先ほどの答弁によりますと、この麻野さんはリクルートの幹部から譲渡を受けているわけでございますから、このリストの中にはいないわけであります。したがって、あなたの頭の中でお考えになった方は麻野さんじゃなくてほかの方じゃないか、そういうことに理屈上なるわけでありますが、いかがでしょうか。
  502. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今のお話でございますが、リクルートではなくてリクルートコスモスの株式を取得しました警察関係者はいるかという御質問でございましたので、譲渡先ということを私は飛ばして、警察関係者の株主がいるかというふうな理解でもってお答えしたのが衆議院でのお答えでございまして、警察関係者、お答えした警察関係者の株主というのは麻野忠雄氏でございますが、それはこの譲渡先になかったことは先ほども御説明さしていただいたとおりでございます。申しわけございません。
  503. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それから、ファーストファイナンスから融資を受けるということについてのいわゆる指示ですね、これは江副さんがやっぱりいろいろと指示をしていらっしゃるんじゃないかと私は思うんですが、例えば服部さんのところへ行くように指示をしたのは私だと先ほどおっしゃいました。そうしますと、そのときのお話しの中に、ファイナンスから融資を受けるように、そこら辺のところも相談に乗るようにという指示はしていらっしゃるわけですか。
  504. 江副浩正

    証人江副浩正君) 具体的に個々の方々について、この方はファイナンスをするように、この方はファイナンスはしないようにというふうなことで……
  505. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 服部さんだけ。
  506. 江副浩正

    証人江副浩正君) ファイナンスをするようにという指示ではございませんで、もし必要があればファイナンスの道も開かれているというふうなお話をするようにというふうにお話をさしていただいたということでございます。
  507. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これはもう一回確認しておきますが、服部さんはファイナンスの融資を受けたようでございますか。
  508. 江副浩正

    証人江副浩正君) 詳しくは記憶しておりませんが、恐らくファイナンスの融資を受けられたのではないかと、かように記憶いたしております。
  509. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 結構です。  それでは次に、ファーストファイナンスの株の問題についてお伺いしたいと思います。  六十二年に四月、六月、九月と三回にわたりましてファーストファイナンスが第三者割り当てで四千万株を集めていらっしゃいますが、これは御存じでございますね。
  510. 江副浩正

    証人江副浩正君) 存じております。
  511. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 江副さんはどの時期にどのくらいの株を取得されましたでしょうか。
  512. 江副浩正

    証人江副浩正君) どの時期ということは覚えておりませんが、相当程度の株式を取得いたしております。
  513. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 具体的に何百万株とおっしゃっていただけませんでしょうか。
  514. 江副浩正

    証人江副浩正君) 正確な株式数はただいま覚えておりません。
  515. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 もう少し具体的に申し上げてみましよう。  第一回が六十二年の四月二十九日、二十五社十七個人で千四百万株、それから六月三十日に三十八社一個人で一千百万株、九月三十日に三十一社と江副氏ということで千五百万株、こういうふうな新聞報道があります。そして、特に九月三十日には、江副さんが二百万株の増資に応じておられると、こういうふうに報道があるわけですが、これは事実でございますか。
  516. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのすべてが事実かどうかはあれですが、おおむね事実であるというふうに承知いたしております。
  517. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 このファーストファイナンスの株の応募に政治家の皆さん方が関係しておられるように新聞でも報道があるわけでございますが、この点は江副さんは御存じでございましょうか。
  518. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほども御説明さしていただきましたが、ファーストファイナンスというのは確かにリクルートが株主、大株主ではございますが、私は全く役員をいたしておりませんで、したがってどういう方が株主かということについて詳しくは存じておりませんが、いずれにしましても政治家の方が株主であるということはございません。そのことだけは、個人として政治家が株主になっていらっしゃるということはございません。
  519. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 政治家の元秘書と申し上げます。並びにその方が役員をしている会社、いかがですか。
  520. 江副浩正

    証人江副浩正君) 政治家の元秘書が株主であるということもございません。
  521. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、あなたは元秘書が株主でないと明確に今おっしゃっておりますが、このファイナンスの株主名簿の中に、例えば田中務さんという方がいらっしゃいますね。これは御存じですね。
  522. 江副浩正

    証人江副浩正君) 存じております。
  523. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 その方は元秘書じゃございませんか。
  524. 江副浩正

    証人江副浩正君) 元秘書だと存じますが、田中務と申しますけれども、田中務が株主であるということは承知いたしておりません。
  525. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 株主であるということを知らないということですか。
  526. 江副浩正

    証人江副浩正君) さようでございます。
  527. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 公表された資料によりますと、日栄興産という会社で四十万株、それから田中務さんという方が別に四十万株と報道されておりますが、これは間違いでございますか。
  528. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういうふうに報道されたとすれば一応確かめてみたいと思いますが、あるいはそうかもしれません。失礼いたしました。  私、実は、先ほどから申し上げておりますように、ファーストファイナンスにつきましては全然何の役員もしておりませんので、相手先にどういうふうな株主がいて、どういう内容かということをよく存じませんので、もしも田中務が個人として株主であるとするならば、私の発言が間違いであったとここで訂正さしていただきたいと存じます。
  529. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 初めにあなたははっきりいないとおっしゃりながら、名前を固定して申し上げますと、それは間違いであったとこうおっしゃいますが、実際問題として政治家の元秘書の皆さん方がいわゆる関係をしているということは、もう報道の中にもありますし、株主名簿の中にも、またそれぞれの資料の中にも明確であります。  そこで、私は非常に重大であると思いますのは、あなたに一つだけそれじゃお伺いしておきたいのは、このファーストファイナンスという会社を今後も上場しようというふうにお考えでございますか。
  530. 江副浩正

    証人江副浩正君) 繰り返し述べさしていただきますが、ファーストファイナンスリクルートが株主ではございますけれども、人的関係と申しましょうか、社長も銀行のOBでございますし、私が役員も全くいたしておりませんので、ファーストファイナンスの経営に関しまして私が直接関与していなかったので、今後どういうふうにするかということについてはファーストファイナンス独自の問題でございまして、私がどうするというふうな問題ではございませんし、その点については、ここでファーストファイナンスをどうするとか、そういうことについては責任持ってお答えする立場にはございませんので、その点は御理解いただきたい、かように存じます。
  531. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あなたは三百四十万株の個人株主でもあります。しかも、実質的な私はオーナーであると思っております。そういうような点からいきますと、今あなたがおっしゃっていることは詭弁以外の何物でもない、そういうふうに私は思います。したがって、この問題は非常に重大な関心を持って今後もこの問題の解明に当たってまいりたいと思っております。  次に、時間がございませんから端的にお伺いしてまいりますが、コスモス株の売却による創業者利益の問題についてお伺いしたいと思います。  昭和六十二年のこの報告書によりますと、あなたは百七十六万三千株の株主になっております。六十一年四月には四百五十五万八千株でございますから、さしあたり二百七十九万五千株が大体店頭公開時に売却をされているんじゃないかと思いますが、違いますか。
  532. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのとおりだと承知しております。
  533. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、トータルでどの程度の利益を得ていらっしゃいますでしょうか。
  534. 江副浩正

    証人江副浩正君) 売却額がおよそ百四十数億円だと存じますが、長期間株式を保有しておりますので、原価がかかっておりますので、売却益は百二十億円前後だというふうに考えております。計算しております。
  535. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そのうち、六十二年九月の第三者割り当てで、私の調査によると二百万株ファーストファイナンスの費用に充てたんじゃないかと。五十億円ですね。それだけはわかっておりますのですが、その他の使途について、わかるだけで結構ですから、この際明らかにしていただきたいと思います。
  536. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今御指摘のとおり、ファーストファイナンス株式を購入したことも事実でございますが、私自身は個人的に多額の借り入れをしておりまして、そういったものの返済に充てたり、またリクルートの株主でもございますので、リクルート株式につきましても借入金で取得しておりますので、そういったものの返済に充てたということでございます。
  537. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 政治家への政治献金はございませんか。
  538. 江副浩正

    証人江副浩正君) ございません。
  539. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 財団法人、社団法人等への寄附金につきましてはいかがでしょうか。
  540. 江副浩正

    証人江副浩正君) 財団法人等については寄附をいたしております。具体的には、日本オペラ振興会に毎年寄附をいたしております。
  541. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そのオペラ振興会には毎年どの程度されていらっしゃいますでしょうか。  と同時に、もう一点、中曽根さんが設立をされました世界平和研究所というのがありますが、御存じですね。この二つ。
  542. 江副浩正

    証人江副浩正君) 日本オペラ振興会には、年によっては違いますが、一億円強の寄附を毎年、このところ寄附をいたしております。  また、お尋ねの世界平和戦略研究所でございますか、につきましては寄附をしたことは全くございません。
  543. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 正式には財団法人世界平和研究所となりました。  寄附はまだでしょうけれども、この平和研究所の話はお伺いしておられますか。
  544. 江副浩正

    証人江副浩正君) 平和研究所のことにつきましては新聞報道を通して承知いたしておりますが、今後とも寄附をするということを考えておりませんし、またそういうお約束をした覚えもございません。
  545. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは雑誌等の報道によりますと、リクルートに三十億円の寄附を引き受けさせるというふうな旨の記事があるわけでございますが、これは御存じございませんか。
  546. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういう記事を読んだことはございませんが、そういう寄附をするという能力はリクルートにはございませんで、寄附金の枠をはるかに超えた金額でございますし、また私としてもそういうものに寄附をするというつもりはございませんので、何かの誤報ではなかろうかと、こういうふうに考えております。
  547. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それじゃ、その研究所はことしの七月一日に設立登記がされているわけでございますが、これは出資方法は会費というふうになっております。そういうような意味で、この研究所の問題について江副さんにどなたからもアタックはなかったかどうか、これは確認しておきたいと思います。
  548. 江副浩正

    証人江副浩正君) 全くございませんでした。
  549. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは質問を変えたいと思います。  それではちょっと質問の方向を変えてみたいと思います。  リクルート社及びその関連会社からの政治家への政治献金、この際は国会議員に限っても結構でございます、余りたくさんいますと発言しにくいと思いますから。その国会議員の皆さん方に対する政治献金、あなたが覚えていらっしゃる方は、どんな方にどの程度していらっしゃいますか。
  550. 江副浩正

    証人江副浩正君) 国会議員の方に、どなたに幾らかということについては記憶いたしておりませんが、政治献金をいたしてきたことは事実でございます。
  551. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 言えないほどたくさんの方ですか。
  552. 江副浩正

    証人江副浩正君) 政治献金と申しましても、実質的な政治献金、実体的な形といたしましてはこれが政治献金と言えるかどうかわかりませんが、パーティー券の購入というのがほとんでございまして、非常に多くの方からパーティー券のお話がございますので、どなたに何枚ということについては私は記憶、ここで申し上げるほど確かな記憶を持っておりません。
  553. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ですから、たくさんの方でなくても、今、頭の中にちらっと浮かんでこられる方はいらっしゃいませんか。
  554. 江副浩正

    証人江副浩正君) まあ何と申しましょうか、非常に多くの方に五枚とか十枚とかという切符、切符といいましょうか、パーティー券の御依頼がございまして、それを一々私が頭の中に入力して記憶しているわけではございませんので、ここでは申し上げることを御容赦いただきますようお願い申し上げる次第でございます。
  555. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私の手元にも自治省の報告等を取り寄せて資料があるわけでございますが、これはこの程度にしておきたいと思います。  それから、コスモス株の問題についてお伺いをいたします。  コスモス株、特に私がお伺いしたいのは、昭和五十九年の四月から六十一年の四月までの間に約四十万株の株が江副さんの分、減少しておられますね。それで、その中で私ども委員会で明確になりました分、六十年四月から六十一年四月の十九万五千株については、これはその行方が証券局長の方から明確になりました。しかしながら、そのあとの五十九年四月から六十年四月の十九万七千株というのがどこへ行ったのか明確になっていないわけでございますが、この点について明確にしていただきたいと思います。
  556. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私のコスモス株株式の処分先でございますが、これはリクルートコスモスの社員持ち株会でございます。
  557. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、ですから、前段の六十年四月から六十一年四月の十九万五千株は社員持ち株会の方に行ったということで、これはもう明確になっているわけでございまして、そのあとの五十九年四月から六十年四月の十九万七千株についてはそうではないと私どもは認識をしているわけでございますが、いかがですか。
  558. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私も記憶は定かでございませんが、リクルートの、リクルートコスモスの幹部社員への譲渡ではなかったかと、そういうふうに存じております。
  559. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 株主の数から計算をいたしますと、六十年四月の末が百五十七人、六十一年四月末が二百五十人、持ち株会に、個人に分配した分が七十九人、差し引き十四人がこの二十万株、十九万七千株になるわけでございますが、これは十四人でございますか。この十四人の中身はすべて社員の方でございますか。
  560. 江副浩正

    証人江副浩正君) すべてかどうか、ともかくほとんどが役職員だというふうに思っております。
  561. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この問題について衆議院の議論の中で、政官界関係者には譲渡はしていないというふうにあなたは御答弁になっていらっしゃいますが、今の十四名はすべて社員の方である、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
  562. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私の株式が政官界関係者に譲渡されたということは全くございませんで、リクルートコスモスの関係者、リクルートコスモス役職員並びに関係者であると、このように申し上げさしていただきます。
  563. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは、先ほどからいろいろと議論がありました還流という問題ですね。これは、結局はあなたがそのはめ込み先をきちっと決めて、株数も決めて、そして指示をしていらっしゃるわけですから、実質的には結局あなたがそのすべてを買い戻している、買い戻しという実務はないにしてもね。ですから、実質的な還流株であると私どもは認識しているわけでございますが、あなたが言う還流という認識はどういう認識を持っておられますか。
  564. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私は、私に株式をお譲りいただきたい、そしてその私にお譲りいただいた株式を私のコスモスの役職員あるいは他の方にお譲りいただくと、そういうふうな行為をしたという認識ではなくて、最初リクルートコスモスの役職員でございましたけれども、そういう者に株式を持たせたいので株式をお譲りいただけないかということを第三者割り当て先にこちらの方からお願いしたということでございまして、あくまでもそれは買い戻しではなくて、第三者割り当て先からの譲渡であるというふうに認識いたしております。
  565. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 形式的にはあなたがおっしゃるように、株がそういうふうな動きを、実質の動きはドゥ・ベストとか、そういうところからいろんな、エターナルフオーチュンとか、それぞれから、その相対取引の相手の人は言っているわけですから、あなたのおっしゃるとおりかもしれませんが、実質的には、要するにそのはめ込み先、株数、どの人とどの人というのをあなたを中心にして何人かの人たちが相談をして、そして全部決めているわけですね。そして、具体的な話はあなたの部下の社員の皆さん方が現場へ行って話を詰めているわけですから、これはもういわゆる私どもが言う実質的な還流という考え方に入るんじゃないでしょうかね、いかがですか。
  566. 江副浩正

    証人江副浩正君) 実質的なという意味で申し上げれば、私どもはあっせんというふうに考えておりまして、実質的にはあっせんをしたということでございまして、還流というのは一たん私が買ってまた売買したというふうな意味に解釈できるわけでございますが、私が買い戻しをしたという事実は全くございませんで、私はあっせんをさせていただいたと、そういう認識でございます。
  567. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 具体的にあっせんをしたと。いわゆるあっせんそのものが具体的には還流ということになるんじゃないかなと私は思います。  それでは次に、先ほどからいろいろとお話がございましたが、ファーストファイナンスでの融資、特にリスト2の中の方は大部分の方がファイナンスの融資を受けていらっしゃるということが明らかになってきたわけであります。  そこでお伺いしたいのでありますが、このファイナンスの融資条件等については、これは江副さんは御存じでございますか。
  568. 江副浩正

    証人江副浩正君) 承知いたしております。金利、年率七%ということで金利をちょうだいいたしております。
  569. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ファイナンスから融資を受けられる方は、大部分の方が七%ということですか。
  570. 江副浩正

    証人江副浩正君) おっしゃるとおりでございます。
  571. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 先日の新聞報道の中にもあるんですが、検察庁の調べで政治家及び関係者に対する融資の中には無利子融資が行われている人たちがいるということが判明した、こういう報道があるわけでございますが、江副さんはこの点についていかがお考えでしょうか。
  572. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今の御質問について、私もそういう報道がありまして驚きまして担当者に聞いたわけでございますけれども、おっしゃるように、政官界関係者に特別にそういう便宜を図ったということは全くございませんで、民間の方も政官界関係者も全く同一の条件で行っているという報告を受けております。  ただし、すぐにお金が用意できないけれども一週間ぐらいたったら銀行から借りれるからそれまで待ってくれと言われて、ファーストファイナンスでごく短期間御融資をした。つまり、決済は早くしなければならないけれどもお金の方は準備ができないので一週間ぐらい待ってくれと言われて、その期間仮払いという形で処理をしたケースが二、三あると、そういう報告を受けております。
  573. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、ごく短期間、一週間とおっしゃっておりますが、実際問題として、政治家の融資の方はお金を振り込むのが十月の十五日、実際にお金が返ってくるのが三十一日というように、約十五日、二週間ほどの方がたくさんいらっしゃるわけですね。そういうような意味では、検察の調べの中でいわゆる無利子で行われた方が何人かいるんじゃありませんか。
  574. 江副浩正

    証人江副浩正君) あるいは政官界関係者にもそういう方がいらっしゃるかもしれませんが、それは政官界関係者を特別に扱ったということではなくて、自己資金を後で調達するからというふうなお話がございまして、一般的に、民間の方も含めまして一時的に仮払いという形で未入金のものについて処理をしたと、そういう実績が何例かあるという報告を聞いております。
  575. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、政治家だけではなしに、一般の方の中にもそういう方が何人かいらっしゃるということですね。
  576. 江副浩正

    証人江副浩正君) 一時的にお立てかえをし、その間に利子を取らなかった方が何人かいらっしゃったという報告を受けております。
  577. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 今回の株の譲渡先を決定するに際しまして、先ほどから社内の方のお話はございました。コスモス、リクルート関係者以外の方からのアドバイスを受けたことがありますでしょうか。例えば政界関係者、財界関係者その他を含めましてですね、いかがですか。
  578. 江副浩正

    証人江副浩正君) 政界関係者についてこの人に幾ら持ってもらったらどうかとか、そういう指南役がいたということが新聞あるいは週刊雑誌等で報道されておりますが、そういう方が私にいらっしゃったということはございません。
  579. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 もう時間がなくなってまいりましたので、あと二、三お伺いしておきたいと思います。  宮澤大蔵大臣への株の譲渡の問題でございます。これは非常に重大な問題でございますが、譲渡の意図ですね、どうしてこのお二人、服部さんにも宮澤さんにも余り御面識がなかったようなお話先ほどからあったわけでございますが、どういう意図でこういうようなことをされたのか、その点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
  580. 江副浩正

    証人江副浩正君) 特別にこういう意図ということはございませんで、何と申しましょうか、服部さんとも御面識をいただいておりますし、信頼できる方であるというふうに存じ上げておりましたので、株式の御購入についてお願いに上がったと、そういうことでございます。
  581. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、先ほどは余り面識がなかったみたいなお話だったんですが、今お話を聞いていると、服部さんと御面識があってそしてお話をしたというふうにおっしゃっておりますが、これはどういうことですか。
  582. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほど私は面識がなかったというふうなことを申し上げた記憶はちょっとございませんが、私がお電話を差し上げて、失礼しました、私が指示をして、直接受け渡しをしたのは私どもの社員でございまして、細かいことについてといいましょうか、具体的な内容について私が服部さんとお話をした、さしていただいたことはないということは申し上げましたが、服部さんは以前から存じ上げている方でございます。
  583. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 服部さんはなぜ宮澤大蔵大臣の名前をお使いになったんでしょうか。
  584. 江副浩正

    証人江副浩正君) それは私がお答えするような内容ではないというふうな感じを私は持っておりますが、なぜ宮澤大蔵大臣のお名前をお使いになったかということについては、私のあずかり知らぬと申し上げるとちょっと無責任な言い方でございますが、存じ上げないところでございます。
  585. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 先ほど九月の中旬とおっしゃいましたが、これはもう服部さんが秘書官の時代でございますね。
  586. 江副浩正

    証人江副浩正君) 服部さんが秘書官でいらっしゃった当時であるというふうに記憶いたしております。
  587. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 服部さんのところへお話しに行って帰ってこられて、どこでお話ししてこうだったという御報告はないんですか。
  588. 江副浩正

    証人江副浩正君) 詳しい報告は受けておりません。
  589. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、私は、大体江副さんのお話を前々からいろんなところでお伺いしておるんですが、そういうことは非常に小まめな方で、すべて御報告を聞いていらっしゃるように聞いておりましたんですが、そうじゃないんですね。  それでは、次の問題に入ります。  まず一つは、安比レックの問題であります。これは衆議院委員会でも出てまいりましたが、六十一年三月決算期と六十二年三月決算期、それぞれ安比レックがコスモスの株を四十万株持って、これは決算上の処理だとあなたはおっしゃっておりますが、これはやはり安比レックは店頭公開時に四十万株を売って、そして後でまた四十万株を買い戻したと、こういうことでございますか。
  590. 江副浩正

    証人江副浩正君) 衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会でも申し上げましたが、安比レックというのはゴルフ場をやっている会社でございまして、赤字がかなりたまっておりましたので、その累積赤字を解消すべく、会計用語で俗に言う益出しと申しましょうか、そのコスモスの株式を売却することによって利益を出して赤字を解消し、また、同じグループ企業でございますので、引き続き株式を持っていこうということで四十万株に相当する転換社債を購入し、株式に転換し、現在も当初と同様の株主である、株式数も同様の株式を所有している関係会社であるというふうに御報告申し上げます。
  591. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、六十一年三月に十億五千万円の累積赤字があったのを、いわゆるコスモス株で第三者割り当てで二千五百円で四十万株、十億、それを六十一年十月の公開時に五千二百二十円内外で売って、そして二十億八千八百万円前後の売り上げで、結局利益が十億八千八百万程度になりますから——十億七千万円程度と書いていますね、有価証券報告書では。ですから、そしてその後また買い取ったと、こういうふうなことですね。これは後で問題になりますから、その点だけを確認しておきたいと思います。  それから、もう一点だけお伺いして終わります。  晴海のグランドホテルでございますが、このグランドホテルはコスモス株第三者割り当てで四十万株を引き受けていらっしゃるわけでございますが、この株は私どもは非常に注目をいたしております。ただ江副さんの名義借りされたものではないかと思っているわけでございますが、晴海グランドホテルはコスモスの株四十万株を現在でも持っていらっしゃるかどうかということだけ確認しておきたいと思います。
  592. 江副浩正

    証人江副浩正君) 現在も四十万株を所有いたしております。
  593. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 終わります。
  594. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして峯山君の発言は終了いたしました。  この際、江副証人の健康状態に配慮いたしまして、午後三時三十五分まで休憩いたします。    午後三時二十分休憩      ─────・─────    午後三時三十九分開会
  595. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 税制問題等に関する調査特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、江副浩正君から証言を求めます。  内藤功君。
  596. 内藤功

    内藤功君 私からお伺いいたしますが、宮澤大蔵大臣へのコスモス株譲渡の問題であります。  昭和六十一年九月中旬にあなたのところの役員または秘書がお邪魔をしたと、こういうことですが、役員または秘書というのは、具体的にどなたですか。
  597. 江副浩正

    証人江副浩正君) 常務の間宮あるいは秘書室長の小野のどちらかであったというふうに思っております。
  598. 内藤功

    内藤功君 どちらか特定できないんですか。
  599. 江副浩正

    証人江副浩正君) どちらかであったというふうに記憶しております。どちらか、今ここで責任を持ってだれであったという記憶はございません。
  600. 内藤功

    内藤功君 お邪魔したのは大臣室ですか、秘書官室ですか。
  601. 江副浩正

    証人江副浩正君) その、お邪魔した後の報告を聞いておりませんので、どちらであったかということについては私は承知いたしておりません。
  602. 内藤功

    内藤功君 あなたがなぜ聞いてないんですか。こういう大事なことは当然報告を受けているはずですが。
  603. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのころには、御承知のように、大勢の方にお話をさしていただいておりまして、お話をお伺いした結果どうであったこうであったということについて一つずつは、私はすべての方についてお話を伺っておりませんので、服部さんの場合についても、そのお話の結果について、その経緯、どういうふうな状況であったかということについては伺っておりません。
  604. 内藤功

    内藤功君 服部秘書官とはいつごろからのお知り合いですか。
  605. 江副浩正

    証人江副浩正君) 二、三年前からの知り合いだというふうに申し上げたいと思います。
  606. 内藤功

    内藤功君 二、三年前というのは、今から二、三年前ですか。
  607. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのころから二、三年前ということでございます。
  608. 内藤功

    内藤功君 どういうことでお知り合いになりましたか。
  609. 江副浩正

    証人江副浩正君) 宮澤先生を囲む会の席で、詳しくはそのどういう機会であったか存じておりませんけれども、宮澤先生を囲む会かあるいはパーティーの席かいずれかであったというふうに覚えております。
  610. 内藤功

    内藤功君 それから二、三年の間はどういうようなおつき合いであったんですか。
  611. 江副浩正

    証人江副浩正君) 宮澤先生を囲む会だとかあるいはいろんなパーティーの席でお目にかかる程度の関係でございました。
  612. 内藤功

    内藤功君 当然、訪問する前に事前のアポイントをとっていると思いますが、それは、だれがだれにいつごろとりましたか。
  613. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私は、どういうアポイントをとったかわかりませんが、先ほど申し上げました両名のうちのどちらかが九月の中旬にアポイントメントをとってお邪魔さしていただいたというふうにお答えさしていただきます。
  614. 内藤功

    内藤功君 指示したのはもちろんあなたですね。
  615. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのとおりでございます。
  616. 内藤功

    内藤功君 指示した者が報告を受けないというのは道理に合わないと思うんですが、再度伺います。本当に受けなかったんですか。大事なところです。
  617. 江副浩正

    証人江副浩正君) 詳しい報告を受けておりません。
  618. 内藤功

    内藤功君 詳しくなくても、こういう結果であったという報告は受けていないんですか。
  619. 江副浩正

    証人江副浩正君) 服部さんのところへお邪魔した結果がどうであったかという報告は受けておりません。
  620. 内藤功

    内藤功君 株譲渡について御承諾いただけたかどうかという程度の御報告もないんですか。
  621. 江副浩正

    証人江副浩正君) その直後ではございませんが、しばらくたってからまとめて複数の方のお話をさせていただいた結果を伺ったときに、株譲渡についてお受けいただいたという報告は聞いております。しかし、どの場所でどういう状況であったかということについては報告を受けておりません。
  622. 内藤功

    内藤功君 再度伺いますが、伺った場所はどこだという報告を受けておりませんか。大事なところです。
  623. 江副浩正

    証人江副浩正君) ただいまも申し上げましたとおり、そのときの状況、どの場所でどういう時刻にどういうふうなやりとりがあったかということについては報告を受けておりません。
  624. 内藤功

    内藤功君 株式売買約定書と、こういう形式の文書がありますが、宮澤喜一氏のお名前が書いてあることはもうおわかりだと思いますけれども、この点まず確認しておきましょう。  そうしてリクルート社としては、宮澤喜一氏というお名前をここに書くということを必要と考えて要求されたんですか、どうですか。
  625. 江副浩正

    証人江副浩正君) 必要と考えてお名前をお書きいただき——御本人の、御本人と申しますか、大蔵大臣のお名前をお書きいただきたいというふうに申し上げたということはございません。
  626. 内藤功

    内藤功君 リクルート社といたしましては、この約定書上、服部秘書官の名前では不都合であると、こういうふうに考えておられましたか、そういうことはありませんでしたか。
  627. 江副浩正

    証人江副浩正君) 特に不都合であるとは考えておりませんでした。
  628. 内藤功

    内藤功君 約定書に宮澤喜一氏という御本人の、大臣御自身のお名前が出ていることについて、これを受け取ったリクルート社としてはまずいと、あるいは不適当であるということには何らならなかったんですか、どうですか。
  629. 江副浩正

    証人江副浩正君) 宮澤喜一名であれば不都合であるというふうにも考えなかったというふうに思っております。
  630. 内藤功

    内藤功君 宮澤喜一氏、大臣は、服部秘書官の話として、昭和六十一年十月十五日に代金三千万円をリクルート社からの指示でファーストファイナンスの口座に振り込んだと、こういうふうに言っていらっしゃいます。これは事実ですか。
  631. 江副浩正

    証人江副浩正君) そこのところは私は確認いたしておりませんので、事実かどうか今御返答しかねるところでございます。
  632. 内藤功

    内藤功君 大事なところですが、リクルート社から服部秘書官に指示をしてファーストファイナンスの口座に三千万円振り込ませた、リクルート社の指示により。指示がありましたか、ありませんでしたか。
  633. 江副浩正

    証人江副浩正君) 少なくとも私が指示をしたということはございません。使いの者が、あるいはファイナンスの都合上御返済、お振り込みいただく——ファーストファイナンス社に、口座に振り込むということは御返済いただくということでございますが、そういうことがあるいはあったかどうか、その辺のところは私は定かに承知いたしておりません。
  634. 内藤功

    内藤功君 使いの人はどうでもいいんですよ、使いの人は指示で行くんだから。あなたなりあなたの職権を代行する社としてと聞いているんです。社としての指示はありましたんですか、ありませんのですか。
  635. 江副浩正

    証人江副浩正君) 社としての指示はございません。
  636. 内藤功

    内藤功君 そうすると、リクルート社からの指示でファーストファイナンスの口座に振り込んだと私は特に力点を置くのは、リクルート社の指示でと、かようにおっしゃっているとすれば、それは何か間違いであると、こういうことですね。
  637. 江副浩正

    証人江副浩正君) 会社が指示をしたということはないというふうに思っております。使いの者がそういうふうな言い回しで、そういうふうにお願いしたというふうなことはあるいは申し上げたかもしれません。
  638. 内藤功

    内藤功君 使いの者はどうでもいいんです。会社としての指示はないと、これは大事なところですから今念を押してお聞きしたわけです。  次に、十月の十五日に払い込んでいると、この事実は御確認なさいますか。
  639. 江副浩正

    証人江副浩正君) 確認をいたしておりません。
  640. 内藤功

    内藤功君 報道によれば、政治家、いわゆる政界関係者につきましては一切代金の直接の授受あるいは株券の直接の授受なしに、代金相当額の金銭消費貸借契約も締結することなしに、ファーストファイナンス社が無利子で立てかえ融資をして、そして株券が売れた後で売買差益金をその方の口座に送金すると、こういう方法をとっていたという報道があることはあなたも御存じだと思いますが、そういう方法を当時とっておったのですかどうですか。
  641. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほどお答えさせていただきましたが、政界関係者、民間人を区別したことは全くございませんで、すべての方から御融資の際には金利をちょうだいしていたことでございます。  ただし、お申し込みをいただいてから、先ほども申し上げましたが、自己資金で調達される場合に数日間と申しましょうか、一週間かあるいは二週間になった場合もあったかもしれませんが、短期間の間お金支払いを待ってほしいと言われ、そういう猶予をしたということがございまして、その間にファーストファイナンスなりがお立てかえをしたという、そういうものについて利子を取ってないケースがあったという報告を受けていることを先ほど御報告さしていただいたとおりでございますが、申し述べさしていただきます。
  642. 内藤功

    内藤功君 それは、いわゆる政界関係者、政治家についてそういう取り扱いをしていたと、かように理解してよろしいですか。
  643. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほどから申し上げておりますように、民間人と政界関係者とを区別して扱ったということは全くございませんで、民間人の方も政界関係者も同様に、二、三の例として、そういう自己資金で調達される時間的に間に合わないということでお立てかえをしたケースがあるということでございまして、原則的には政界関係者の方もすべて金利をちょうだいいたしております。
  644. 内藤功

    内藤功君 宮澤喜一氏、大蔵大臣の場合にはどうでございましたか。
  645. 江副浩正

    証人江副浩正君) 子細には承知いたしておりません。
  646. 内藤功

    内藤功君 このファーストファイナンス等の立てかえを受けられたかどうかと、こういう点はいかがですか。
  647. 江副浩正

    証人江副浩正君) ファーストファイナンスの御融資を受けられたかどうかということについては、詳しくは存じておりませんが、先ほど先生がお話しの、内藤先生がお話しのように、ファーストファイナンスに振り込みがあったということは、多分、恐らく返済があったということでございますから、もしそれが事実であるとするならば、融資を受けておられるんだろうと、かように拝察いたしております。
  648. 内藤功

    内藤功君 その場合、九月三十日から十月十五日までと思いますが、この期間の利息は当然取ったのかどうか。これは何%なのか。あるいは取らなかったのか。この点はいかがですか。
  649. 江副浩正

    証人江副浩正君) 一般的に申し上げまして、先ほど来申し上げておりますように、皆さんの、政界関係者、民間人を問わず七%の利息を取って御融資をさしていただいているのがファーストファイナンス営業姿勢でございます。したがいまして、服部さんのケースにつきましても原則的には利息を取っているんではないかと、かように想像いたしております、もしファーストファイナンスから御融資を受けておられるとするならばですね。融資、利息を受けておられるだろうというふうに推察いたしております。
  650. 内藤功

    内藤功君 推察で余り物を言われても困るんですがね。  今、多くの報道によりますと、政治家については、リクルートが、ファーストファイナンスが無利子で売買益金を口座に後で送金する方法をとったという報道が非常に多くなされておりますよ。大分あなたの言われることが私非常に違うと思うんで、この点はちょっと納得しかねますね。  次にお伺いをしたいのは、先ほどからのお話の政治家、政界関係者への譲渡先の選定問題に触れられましたけれども、これは深く中心的にあなたが関与しておられると、こういうことなんですけれども譲渡先の政治家の選定は、いつ、どこで、だれと協議をされたんですか。
  651. 江副浩正

    証人江副浩正君) 今の御質問の前に、前の御質問の件についてお答えさしていただきたいと思いますが、私どもは政治家、政界関係者について、くどいようでございますけれども、無利子、民間人は有利子と、そういう区別をした覚えは一切ございませんで、そういうことをしますと、今度はファーストファイナンスがむしろ商法違反ということになるわけでございますが、一切そういう区別はいたしておりませんことを重ねて述べさしていただきます。  それから政界関係者につきましては、どちらかといえば私が中心的にどなたに何株ということを申し上げた、私がすべてではございませんが、リクルートの社内で九月の上旬ごろにそういうことを決めたということでございます。
  652. 内藤功

    内藤功君 これは例えば役員会で決めたと、こういうふうに伺っていいですか。
  653. 江副浩正

    証人江副浩正君) 役員会で決めたということではございません。
  654. 内藤功

    内藤功君 そうすると、どういう幹部と協議をしたんですか。
  655. 江副浩正

    証人江副浩正君) 複数の幹部と協議をし、役員会に諮らずに決めたということでございます。
  656. 内藤功

    内藤功君 リクルート社の広報室の課長に深谷泰久という人が就任しておられたことがありますか。
  657. 江副浩正

    証人江副浩正君) ございます。
  658. 内藤功

    内藤功君 この方の談話として伝えられるところによりますと、役員会で決めておったと。具体的には池田友之さんですか、それから位田尚隆さん、大沢武志専務、奥住邦夫専務、森村稔、田中寿夫ですか、こういう人たち十人ぐらいでこの役員会にかけて決めていたと、こう言っておりますが、いかがですか。また、この人物、こういう人たちと相談したということについてはどうですか。
  659. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういった幹部社員と相談したことは事実でございますが、役員会で正式に審議をして決定したということよりは、そういう特定の幹部と詮議をして決めたということでございます。
  660. 内藤功

    内藤功君 政界、政治家関係者への譲渡先を選定するについては、現役の政治家の人の知識と情報が必要だと思うんですが、それをかりたことはありませんか。だれにやるかということについて政治家の中から知識や情報をかりたことはないかという質問です。あなたが自分で決めたのか。
  661. 江副浩正

    証人江副浩正君) しばしば私に指南役がいて、先ほど申し上げましたが、この方に何株とかこの方に何株とかという指南をした人がいるというふうに報道されておりますが、そういう方はおいでになりません。
  662. 内藤功

    内藤功君 しかし、非常に具体的にこれが報道されていますよ。あなたはそんな、いろいろその政治家の中のことを僕は詳しく知っているとは思えないですね。還流株の政界関係者らへの譲渡先について元閣僚クラスの与党議員二人に相談をしておったと、リクルート側としては将来性のある人物を選択基準に譲渡先リストを作成したんだが、相談を受けた元閣僚は自分と対立関係にある有力議員をリストから削除するなど——いや、これは事実、報道なんだからね。そういう報道があるんですね。これは私は非常にリアリティーがあると思うんです。いかがですか。私は、あなたが勝手にそういう中だけでこの人に何万株、はい、この元総理には何万株と、こう決められるとは思わない。この方がずっと信憑性があると思って伺っているんです。これ事実かどうか。そういうことはしなかったのかどうか。この点をここではっきり確かめておきたいんです。
  663. 江副浩正

    証人江副浩正君) まあ、そういう報道があることは承知しておりますが、いろんなジャーナリズムに指南役がいたという報道をされておりますけれども、政治家の先生とどなたに何株持っていただくというようなことについて御指導を仰ぐ、あるいは御相談をした覚えは全くございません。
  664. 内藤功

    内藤功君 この政治家の譲渡先のリストについて、ここに、そのリストに記載されていながら実際にはその人には譲渡できなかったと、こういう人がおりますか、どうですか。
  665. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういう方はおいでになりません。
  666. 内藤功

    内藤功君 そうすると、やはりリストに合わせて株を調達したけれども調達ができなかったということですか。
  667. 江副浩正

    証人江副浩正君) ちょっと質問に対する質問で恐縮でございますが……
  668. 内藤功

    内藤功君 リストに合わせて株式を調達したんだけれども株式が結局間に合わなくてリストに上がった政治家に譲渡することができなかったと、こういうことはありますかどうですかと聞いているんですよ。
  669. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういうことはございませんでした。
  670. 内藤功

    内藤功君 中曽根当時総理大臣の秘書官ですが、筑比地さん、それから上和田さん、それから秘書の太田さん、こういう方に合計二万九千株行っておると。これは渡した目的、趣旨はどういう趣旨ですか。
  671. 江副浩正

    証人江副浩正君) 特別にそのお三方についてほかの方と別の趣旨があるというわけでございませんが、お三方ともよく存じ上げており、信頼できる方というふうに私感じておりまして、そういうことでそういう方に株式を持っていただこうと、そう思ってお願いした、それだけのことでございます。
  672. 内藤功

    内藤功君 そうすると、中曽根康弘当時総理・総裁とは離れて、秘書官や太田さんたち三人の方は特に親しいからお三人に渡したのか。それとも総理中曽根氏の秘書官または秘書として渡したのか。これは大事なところですが、どういうふうに考えておられますか。
  673. 江副浩正

    証人江副浩正君) 秘書または後援会の事務局長と申しますか、事務の方としてお渡ししたということで、お渡ししたといいますか、売買していただいたということでございまして、中曽根前総理は関知しておられないことというふうに私は認識いたしております。
  674. 内藤功

    内藤功君 竹下登氏、現総理ですが、当時幹事長ですね。この方には青木伊平さん、それから縁戚に当たると言われる福田さんとおっしゃる方、こういう方にお渡しをしておりますが、これは一体竹下登氏と全然離れた別個の人物としての青木さんなり福田さんという人に渡したのか。それとも竹下幹事長にということでその秘書さんに渡したのか。この点も大事なところですが、明確にしていただきたい。
  675. 江副浩正

    証人江副浩正君) 青木さんにお話をさしていただいたわけでございまして、そのお話内容については竹下総理は全く御存じなかったことであるというふうに私は認識いたしております。
  676. 内藤功

    内藤功君 御本人が全く関知しておられない、御存じないというようなことはどうしてあなた確認できますか。そういう推察を勝手にしちゃいけません。そういうことは推測になるじゃありませんか。推測は、これは述べることはできないんですよ、証言というのは。どういう根拠で言われるんですか。
  677. 江副浩正

    証人江副浩正君) 多分そういうことだろうというふうに私が認識しているということでございます。
  678. 内藤功

    内藤功君 それは認識と言わないで想像と言うんです。言葉として想像と言うんです。  もう一つお聞きしておきますが、このリクルートコスモス社株式公開によりまして相当多額の創業者利得というものをあなたは得られたというふうに伺っておりますが、その額はおよその規模でどのくらいでございますか。
  679. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほども述べさせていただきましたが、およその額で百二十億円程度でございます。
  680. 内藤功

    内藤功君 我々の調査では、株式や不動産にキャピタルゲインが相当額再投資されているというふうに見ておりますが、さらにこれがファーストファイナンスの増資にも当てられているのではないか。この点お答えいただきたい。我々の調べでは、昭和六十二年の四月、九月の増資で八十五億円程度の投資がされておるようであります。  ファーストファイナンスもコスモス同様、近々株式公開をお考えになっていたんですか、どうですか。
  681. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほど峯山先生の御質問のときにもお答えいたしましたように、ファーストファイナンスにそれが再投資されていることは確かなことでございます。  また、ファーストファイナンスについて近々のうちに株式を公開するという計画は持っておりません。
  682. 内藤功

    内藤功君 しかし、あなたは三百四十万株の大株主ですね、このファーストファイナンスの大株主ですよ。そして、あなたはリクルートの社内報のことしの一月号で、ファイナンスは、今年度の決算をもって店頭登録及び株式公開を目指すと、かように述べておられます、我々の調べでは。近くこのファーストファイナンス株もコスモス株同様、こういう政界、官界の有力者に配付する、譲渡するということを考えていたんじゃないのか。この点どうですか。
  683. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほどから申し上げておりますように、ファーストファイナンス、私は役員もしておりませんし、まあ株主ではございますけれども社長も銀行から迎えておりますし、いろんな意味で銀行から大勢人も来ていらっしゃる会社でございます。したがいまして、私がどうのこうのというふうに経営方針を述べるような立場にはございませんで、また近々のうちに株式を公開するような内容でもございませんので、その点を述べさせていただきます。
  684. 内藤功

    内藤功君 ファーストファイナンス株式が、昭和六十二年の九月三十日以降政界関係者、政治家その秘書に譲渡されたということはございますかどうですか。その点確認したいと思います。
  685. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほどの御質問もございましたが、当初に個人として一人、元政治家の秘書を一時的にやっていた者がいたことは確かでございますが、そのことを別にしまして、政界関係者にその後株式譲渡されたということは全くございません。
  686. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 内藤君、時間が超過しました。
  687. 内藤功

    内藤功君 最後の一問ですが。
  688. 梶木又三

    委員長梶木又三君) それでは簡単にやってください。
  689. 内藤功

    内藤功君 ドゥ・ベストなどのいわゆる第三者割り当て増資先からほかの方に売り渡した、こういう問題について先ほどからずっと言っておられるんですが、それはあくまで契約書などの形式面だけの話でありまして、実質は譲渡先の人選、それから資金の調達、支払い、結局江副さんあなたが指示をしてやったんですよ。ですから、それは単なるあっせんというものじゃないです。譲渡先をどこにしましょうかということを頼まれて、あなたがあそこがいいだろう、こういうものじゃなくて、もう初めから自分の方に戻してくれ、そして譲渡先はここにしろ、それから資金はこういうふうに調達しろ、こういう指示をやったんですね。  ですから、このあっせんというのはもう全然これも言葉の使い方が違うと私は思うんですよ。これは全然違うんです。どうですか、この点だけ最後に。どう反論しますか。
  690. 江副浩正

    証人江副浩正君) しばしば当初からそういう意図を持って、第三者割り当て先から譲り渡しを受けて、また第三者に売り渡そうというふうな意図を持っていたんではないかということが報道されておりますが、全くそういうことはございませんで、第三者割り当て先からそれぞれの先に譲渡していただこう、そういうことを決め、そもそもはコスモスの幹部社員に譲渡していただこうということから出発したわけでございますけれども、そういうわけでございまして、私が買い戻しをしたとか、リクルートが買い戻したということは一切ございません。それぞれに売買の約定書を結んでいただいて受け渡しをしていただいておりますので、何と申しましょうか、第三者割り当て先からの譲渡というふうに私どもは解釈いたして考えております。
  691. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして内藤君の発言は終了いたしました。  次に、柳澤錬造君。
  692. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 江副証人最初にお聞きしたいことは、今、問題になっているリクルートコスモス社の株の問題で、昭和六十一年九月三十日という日はどういうふうな日なんですか。
  693. 江副浩正

    証人江副浩正君) リクルートコスモスにとりましては、大勢の方に株式を取得していただいた、まあ特に恣意的に九月の末ということで決めたわけでございまして、特別の意味があったわけではございませんが、受け渡しを同じ日にやった方が何かと便利だと、事務手続上便利だということで九月三十日に日にちを決めまして、すべての方について売買約定書を結んだということでございます。
  694. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そうすると、その日が株の申し込みの日としてその日を指定したんですか。それともその日にお金を払い込みなさいという、そういうことで指定したんですか。どちらですか。
  695. 江副浩正

    証人江副浩正君) 株式の申し込みをしていただいた日でございます。
  696. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そうすると、払い込みの日にちはいつに決めたんですか。
  697. 江副浩正

    証人江副浩正君) 申込日が払込日と同一でございますので、払込日も多分九月三十日ではなかったかと、私の知識に誤りがなければそのとおりだと思っております。
  698. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そうすると、ここでもって宮澤大蔵大臣が、もうこれが最後の正真正銘の真実ですと言って今までの経過を説明したんですが、その中では、服部君は、昭和六十一年九月三十日に宮澤の名義で一万株の購入を申し込んで、店頭登録前の十月十五日にリクルート社の方の指示によってファーストファイナンスの銀行口座に三千万円払い込みましたと、こうなっている。そうすると、これはもう会社のあれからいくと間違っていたわけですか。
  699. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほども申し上げましたように、九月三十日が申込日であり、原則的に申込日が払込日でございますが、お金が間に合わないとかいろんな、時間的にその日にはお金の受け渡しが自分がいないためにできないとか、もろもろの事情で日にちがずれた方がいらっしゃいまして、私はその大蔵大臣、服部さんのケースがどういうふうな事情でそうなっているか子細に存じませんが、そのときに外遊されておられて払い込みが後になったのではないかと今そう推察するわけでございますけれども、その申込日が払込日、が原則でございますが、払込日が若干後ろにずれているというケース、あるいは繰り上がっているケースもございますが、後ろにずれているケースについて、先ほど来申し上げているように、利息を取ってないケースも中にはあったということでございます。
  700. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 証人、ここで大変重要な食い違いが出てくるんですけれども先ほど証人は、服部さんがファーストファイナンスの方から融資をしてもらって払い込んだということになる。ところが大蔵大臣は、ここで私どもに答弁したときには、服部君が自分お金でもってその三千万円を払い込んだんですと言っている。私自身が、三千万円というお金が普通の庶民から考えてそんなに調達できて払い込めるようなお金ですかと、そう言って念を押しているんですが、それは、服部君もある相当の年齢になっているし、家族もいることだし、お年寄りも抱えていることだし、そのくらいの金はできたことでしょうと、こういうことなんです。  だから、大蔵大臣はここでもって、服部君が自分お金を調達してファイナンスに払い込みましたと、きょうの証人のここでの証言によりますと、ファイナンスに融資をしてもらって払い込んだと。大変なこれは食い違いになるんですが、そこはどうなるんでしょうか。
  701. 江副浩正

    証人江副浩正君) 宮澤大蔵大臣に御迷惑をおかけするといけませんので正確を期さなければならないと、今そう考えているところでございますが、実は、受け渡しのことにつきまして私は全く直接は関与しておりませんので、どういう受け渡しについて経緯があったか存じませんが、自己資金でお支払いになったとすれば、先ほど申しましたように、九月三十日付の申込書をちょうだいし、先ほど来申し上げておりますように、日にちのずれが、お金の工面その他で若干おくれて十月十五日でございますか、十五日にお金の調達が全部完了してお支払いをいただいたと、そういうことではないかというふうに想像いたしております。
  702. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 ただ、大蔵大臣は、十月十五日にリクルート社の方の指示によってファーストファイナンスの銀行口座に三千万円を払い込みましたと、で、それだけのお金がどうしてできたんですかと言ったら、それはもう服部君も年なんですからと言っておるわけなんです。ただ、証人がきょう午後言われたのは、ファーストファイナンスでもって融資をして払い込ましたんですと言うんですから、これは大変な違いなわけなんです。
  703. 江副浩正

    証人江副浩正君) 再々申し上げておりますが、私が直接受け渡しをしたわけでございませんので、ファーストファイナンスであるいは御融資をさしていただいたのではないかと申し上げましたが、融資を受けてないと大蔵大臣がおっしゃるのであれば、その方が正しい、正確な答えでございまして、大蔵大臣のお言葉の方が正しいかと存じます。  恐らく、十月十五日というのはもう、先ほど申しましたように、九月三十日が申し込み、払込日でございますから、私の想像でございますが、払い込みの限度であって、その時期までにはどうしてもお金をお支払いいただきたいということでお願いをしたようなことであったのではないかと推察いたしております。これも推察でございますが。
  704. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 じゃ、きょうの午後の御証言なさったのは訂正してということで。  そうすると、証人は、そのときに株をちゃんと服部さんなら服部さんに渡したかどうか、その辺も確認はしているんですか、どうなんですか。
  705. 江副浩正

    証人江副浩正君) 先ほど来再々申し上げておりますように、受け渡しを私がしたわけではございませんし、またその間にどういう会話が交わされたかも報告を受けておりませんので詳細に存じておりませんが、ファーストファイナンスからの融資がもしなかったとするならば、株式の券面は服部さんのところに行っているんだろうと、お金と同時に引きかえに行っているんだろうというふうに推察いたしております。
  706. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 じゃ、次にお聞きしていきたいことは、証人が七月二十三日、これはたしか朝日新聞の記者だと思いますけれども、インタビューでお会いして、その中でもって政治家の家族や秘書とのおつき合いはなかったということをおっしゃっておるんですが、それは事実ですか。
  707. 江副浩正

    証人江副浩正君) いろんな質問の中でそういうことが出て、そういうことについてそういうふうな回答をしたことは事実でございます。
  708. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そうしてきますと、リストの中にいろいろ出てくるけれども、そんなに大勢のことを取り上げても意味ないですが、竹下総理の場合には青木秘書の名義になっている、中曽根前総理は上和田秘書の名義になっている、宮澤蔵相の場合だと服部秘書の名義となっているんですけれども、これはどうしてこういうことになっちゃったんですか。
  709. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私は、先般衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会でも申し上げましたが、政治家の先生方と御交誼をいただく際には、大体が囲む会とか励ます会とか、まあ囲む会が多うございますが、その場合には先生のほかに秘書の方もいらっしゃいまして、私なぞは大変に若い方でございますから、つい最近までは一番若い口でございましたから、秘書の方の隣に座るというケースがございますので、むしろ御本人よりも秘書の方の方が親しくお話をさしていただくというケースも多うございまして、そういう意味で、秘書の方を存じ上げてないわけではございませんで、たまたま朝日新聞のインタビューのときにはそういうお答えをさしていただいて、特に御家族というふうなことに重きを置いて、頭に、そういう頭があったものですからそういうお答えをしたわけでございますが、基本的には秘書の方もよく存じ上げているということでございます。
  710. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 江副さん、そうなってくるとまた話が難しくなっちゃうんだけれども、これ、きょう午前のNTT式場さんのときの証言であったんですけれども江副さんからお電話があって、それで個人的に親しくして社会的地位のある人に株を持ってほしい、後日社員を派遣させますから、そういって電話があったのが事の始まりだと、きょうここでもって言われたわけなんです。  しかし、今のお話を聞いておりますと、秘書の方とも大分親しくしておりましたと言うんだけれども、秘書だというのはまさか、それは個人的に親しいのはあっても、社会的に地位がそんなにある人でないんです。そうすると、そこら辺が食い違ってくるんだけれども、どうなんでしょうか。
  711. 江副浩正

    証人江副浩正君) 式場さんにそういうふうなことを申し上げたことは事実でありますが、すべての方に同じような口上を申し上げているということではございません。
  712. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 この前のとき、この国会にリストをお出しになりましたですね、十一月十五日付で。きょうもいろいろ言われておりましたけれども。この中のだれかれがということを私はお聞きするんじゃなくて、このリストに挙げたのがすべてなんですか、別なルートからまた株が流れているというような、そういうのはないのかどうなのか、そこのところをはっきりさせていただきたい。
  713. 江副浩正

    証人江副浩正君) 政官界関係者に関しまして、このリスト以外の方はお一人もいらっしゃらないと、こういう報告を受けておりまして、私もそれを確信いたしております。
  714. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そうすると、政官界と絞ってですか。私が聞いているのは、このリストのルート以外でもって株が流れてはいないんですかということを聞いているんですが、もう一回ちょっとそこをはっきりさせてください。
  715. 江副浩正

    証人江副浩正君) 個人的に役員間、社員間での株式の売買が行われておることはあるいはあろうかというふうに思いますが、政官界関係者に限ってと今申し上げましたのは、それ以外では株式の売買は未公開の段階でリクルートコスモス内であったことはあろうかというふうに思います。
  716. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 じゃ、少し突っ込んでお聞きするんですが、率直にお答えいただきたいんです。  これだけ国会の中でも問題になっている、通称言われているところの株のばらまきといっていろいろこれだけの騒ぎを起こしているわけですけれども、こういうことをなさるそのねらいというか目的は何だったんですか。そこのところを率直にお答えいただきたいんです。
  717. 江副浩正

    証人江副浩正君) そのことを聞かれますと大変つらいのでございますが、さしたる動機はなくて、軽い気持ちで株式を持っていただいたのが本当のところでございまして、ところがこの問題が非常に大きな社会問題になりまして、リクルートコスモスの株を持っているということは、非常にそれによって売却益を得たということはさらに悪い、持っているだけでも悪いと、こんなことになりまして、私としては大変に申しわけないことと、こういうふうに思っている次第でございます。とりわけ政界の皆様方に数が非常に多うございまして、専ら秘書の方でございますけれども、そんなことでそういう方々に御迷惑をおかけしたと同時に、いわば国民の政治不信を招いたと、あるいは議会の尊厳にまで影響を与えるような悪い結果を招いたということについては、本当に申しわけないことと深く反省している次第でございます。
  718. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 いろいろとばらまかれた範囲のリストを見て感じるんですけれども、中曽根内閣の閣僚が非常に多い。証人は中曽根前総理とは何か特別な御関係があったんですか。
  719. 江副浩正

    証人江副浩正君) 特別の関係はございません。
  720. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 特別の関係なしで。  そうすると、あのリストをつくられるについて、どういう基準か判断か何か、そのところに証人としてお考えがあったわけでしょう。その要素というものは何を取り入れてああいうリストをおつくりになったんですか。
  721. 江副浩正

    証人江副浩正君) どういう基準で選んだかと言われると大変にお答えに窮するんでございますが、衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会の席では場当たり的と申し上げ、大変失礼な申し上げ方をしたんでございますけれども、確たる根拠があって、この方には持っていただこう、この方には持っていただかないという基準を持っていたわけでもなければ、株数についても特別の基準を持っていたわけではなくて、無作為に、無作為にという言い方はちょっと語弊がございますが、よく存じ上げている方から順にと申し上げましょうか、親しい方あるいは日ごろから信頼申し上げている方、尊敬申し上げている方に株式を持っていただいたと、そんなふうなことでございまして、無作為という発言は取り消させていただきますが、いずれにしましても親しい方にお持ちいただいたというだけのことでございまして、よく政界工作というふうに書かれておりますが、何らかの見返りを期待して、この方に何か株式を持ってもらえば後から何かをしていただけるんではないかというようなですね、そういった何がしかの見返りを期待しての行為ということでないことを述べさしていただきたいと思います。
  722. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 柳澤君、時間が参りました。
  723. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 はい。もう最後の質問で。
  724. 梶木又三

    委員長梶木又三君) それじゃ、一問だけ簡単にやってください。
  725. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 先ほど、このリスト以外にはもう別のルートからも一切政界、官界はないと言われたときに、もう一つはっきりさせておきたいのは、OBも含めてないんですねということを念を押しておきたいことが一つ。  それから、証人が税調の委員になられましたですね。私どもから見ておると何か異例な感じがするんですけれども、あれは中曽根内閣当時であって、どなたからそういうふうな形での税調委員になってくれという御要請があってお受けになったか、そこのところだけはっきりお聞かせいただきたいんです。
  726. 江副浩正

    証人江副浩正君) 大蔵省の主税局の方からお話がございまして、私としてはその任にあらずという気持ちを持っておりましたが、せっかくのお話でございますのでお受けしたような次第でございます。
  727. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 OB。
  728. 江副浩正

    証人江副浩正君) 失礼しました。  OBの方もおいでにならないというふうに思っております。
  729. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 終わります。
  730. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして柳澤君の発言は終了いたしました。  次に、野末陳平君。
  731. 野末陳平

    ○野末陳平君 証人の説明の中で、リクルート株を譲渡された政界関係者はもういないというようなことでしたが、この場合の政官界関係者というのはどの程度までの人を含んでお答えになっていましたか。
  732. 江副浩正

    証人江副浩正君) 政治家、なかんずく国会議員の方、それからその秘書の方ということでございます。  失礼しました。官界関係者は国家公務員の方でございます。
  733. 野末陳平

    ○野末陳平君 そうしますと、国会議員あるいは官庁の人間でもいいんですが、その家族とか秘書はそこに含まれている、あなたのお答えの中に。ほかに顧問弁護士とか親友とか後援会とか政治団体の主要人物とか、そういうものも広い意味で政官界関係者であると僕は思っているんですけれども証人はそういうところまで含めてお答えになったのどうか、確認します。
  734. 江副浩正

    証人江副浩正君) 政治家の方とお知り合いであるとか、そういったお親しいとかということになりますと、その辺のところの基準は、私どもは、一々その株主の方にお尋ねして確認するわけにはまいりませんので、政治家と親しい民間人の方がいらっしゃること、お名前が出ていない方がいらっしゃるかもしれないということは申し述べさしていただきます。
  735. 野末陳平

    ○野末陳平君 今回のことが大きくなったんで、恐らく証人も、会社内でだれに一体渡ったんだろうかというようなことが話題にもなり、関心を持たれたと思うんですね、当然。  そこで、お手持ちの公表リストあるいはそれ以外のルートの中でこういう人物もという、今まで表に出ていないそういう新しい人物の話を聞いていると予想するんですが、あるいは推測するんですが、そういうことはありませんか。
  736. 江副浩正

    証人江副浩正君) このリスト以外に政官関係者はお一人もいらっしゃらないというふうに申し上げさしていただきたいと思います。
  737. 野末陳平

    ○野末陳平君 それは、御自身で確認をして自信を持って言うのか、それともそういう報告を受けているからそれを信じているのか、その辺はどちらでしょうか。
  738. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私は七月来会社には出社いたしておりませんので、リクルート並びにリクルートコスモス社が作成したリストについて、それについては間違いないという確信を持っているということを述べさしていただいているということでございます。
  739. 野末陳平

    ○野末陳平君 それから、このリクルート株を譲渡する場合に、安定株主になってほしいと、そういう意味で持ってもらいたいという意図もあったと思いますが、同時に、親しい人などにもうけさせてやりたいと、当然これは値上がりすることも予想できるわけですから、もうけさせてやりたいというような気持ちも全然ないと言ったらうそになると思うんですね。そういうことはあったでしょうか。その辺の事情はどうですか。
  740. 江副浩正

    証人江副浩正君) リクルートコスモスの株式を持っていただくことで、そういう立派な方に持っていただくことで、社員の励みと申しましょうか、張りにもなりますし、またそういうことで業績が下がって御迷惑をおかけしてもいけないという気持ちにもなりますので、そういうことで、お持ちいただいたことが最終的によかったというふうに思っていただくように頑張ろうという気持ちを持っていたことは事実でございます。
  741. 野末陳平

    ○野末陳平君 さらに、その頑張ろうという気持ちの裏には、店頭登録されれば値上がりすることも当然もう一〇〇%に近い確度で予想されていたと思うんですね。そうすると、安定株主であれば売られちゃ困るわけですね。ところが現実には、売ってもらえばもうけさせてあげることもできると。その辺の事情を考えれば、当然安定株主という意図よりも、売ってもらっても結構だと。それによってもうけて喜んでもらえるというそういう意図があるのが普通じゃないかと思うんですよ、親しい人などに分ける場合。それはどうなんでしょう。
  742. 江副浩正

    証人江副浩正君) 親しい人あるいは立派な方に持っていただくことによって、先ほど申しましたように、それは、そういう方に御迷惑をおかけしてはいけない、値上がりすることによって喜んでもらおうと。会社の業績がよくなれば株価が上がる、そうすればこのことについて喜んでいただけるだろうということで、我々の励みにもなるということでお持ちいただいたわけでございまして、そういうことでございます。
  743. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 野末君、時間が参りました。
  744. 野末陳平

    ○野末陳平君 はい。  ちょっとそこの辺がおかしいんです。要するに、そういう値上がりしてから売る指示をリクルートの方のだれかが出している、あるいは安定株主で長く持ってもらいたいと思った人が現に早々に売っている、そういう事実があるわけですから、それをあなたがわかったときに、やはり相当裏切られたとか複雑な気持ちになったと思うんで、その辺の事情を考えると今のお答えがちょっと違うと思うんですが、さらに。
  745. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私の方から売る指示を出したということはございません。  それからまた、これは衆議院リクルートに関する調査特別委員会でも申し上げましたが、こんなに大勢の方がこんなに早くお売りになるとは私どもは思ってもいませんでしたので、大変に驚いたような次第でございます。  以上でございます。
  746. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして野末君の発言は終了いたしました。  次に、青島幸男君。
  747. 青島幸男

    青島幸男君 まず、簡単な点からお尋ねをいたします。  証人は、NTT取締役の式場英氏とはどなたの御紹介でお知り合いになられましたですか。
  748. 江副浩正

    証人江副浩正君) 特別に紹介者がいたわけでございませんで、式場さんが営業活動に当社においでになったときに初めてお目にかかったような次第でございます。
  749. 青島幸男

    青島幸男君 中曽根前総理とはどなたの紹介でお知り合いになられましたですか。
  750. 江副浩正

    証人江副浩正君) 中曽根総理を囲む会で初めてお目にかかったような次第でございます。初めてお目にかかって、親しくお話をさしていただいたのはそのときが初めてでございます。
  751. 青島幸男

    青島幸男君 続いて、NTT関係への株譲渡式場氏、長谷川氏、村田氏の三人だけということですけれども、ある会社の役員をしていて、しかもNTTの役員を兼務している人で株を渡したという人はいますか。
  752. 江副浩正

    証人江副浩正君) そういう方はおいでになりません。
  753. 青島幸男

    青島幸男君 私は、会社役員ということでリストに入っているんではないかなという疑念を持ったんですが、いかがですか、重ねて。
  754. 江副浩正

    証人江副浩正君) NTTの役員は私どもとしては公務員というふうに考えておりまして、このリストの中にもお名前を出しておりますが、そういう意味でNTTの兼務役員の方もいらっしゃればこのリストの中に入れているはずでございます。
  755. 青島幸男

    青島幸男君 先ほどの話に戻りますけれども、株を売り渡しまして、しかもファーストファイナンスから融資をして、それで本人には株券を渡さないわけですね、担保としてファーストファイナンスが預かっておりますから。そしてその後店頭登録の後に売りまして、それでその売却差益だけを御本人の口座に振り込んだ。こういう例はありますか。
  756. 江副浩正

    証人江副浩正君) 私どもがそういう株式の売買の代行をしたという例はないと思っております。全部御本人に一たん、株券をお預かりしましても売買に関しては御本人の行為というふうに考えております。
  757. 青島幸男

    青島幸男君 しかし、私は実際には株券も見たことない、ただどういうわけか幾つかの書類にサインをさせられた、何日かたったら自分の口座に売却利益が振り込まれていたということを堂々と新聞紙上におっしゃられている方もおいでになるんですけれども、これもお認めになりませんか。
  758. 江副浩正

    証人江副浩正君) 株券を見たことないという方が大勢いらっしゃることは確かでございますが、それにつきましては、先ほども申しましたように、ファーストファイナンス融資をしておりますと、その場合に担保としてそれをお預かりいたしますので、株券が御本人のお手元に、株主であるにもかかわらずないという事態が発生いたします。ただし株式の売却につきましては、本人の意思を離れて私ども株式の売却をするということは、これは違法行為でございますし、そういうことを私どもがしたという事実はございません。
  759. 青島幸男

    青島幸男君 会社の信用を担保するためあるいは励みになるからというので、著名な方に株を持っていただいて、安定株主になっていただくことが望ましいということで譲渡なすったというお話を伺いましたけれども、中には、今もって保有されている方といち早く売り抜けられた方とおいでになるわけですね。しかも今のお話ですと、こんなに大勢の方が売ってしまわれるとは思わなかったとおっしゃっておられますけれども安定株主として持っていただくという趣旨がもしおありになっているんでしたら、どのぐらいの方が売ってどのくらいの方が今もって保有しておられるか、そういう実数は把握しておいでですか。
  760. 江副浩正

    証人江副浩正君) すぐ全部をお売りになった方、それから借金分を差し引いてお売りになって残りをお持ちいただく方、それからそっくりお持ちいただいている方、三通りございますが、それぞれの方が何人いらっしゃるかということについては掌握いたしておりません。
  761. 青島幸男

    青島幸男君 そうなりますと、安定株主として会社に協力をいただく意味で株を持っていただきたいと思ってお渡ししたいという趣旨とはそぐわないわけですね。売ってしまえばそのままだ。だから人々から、本人に利益をもたらすために株という形でお持ちいただいたという世間の目があっても、弁解のしようがないように私は思いますけれども、いかがなものですか。
  762. 江副浩正

    証人江副浩正君) 世間の目がそういう目であろうかと存じますが、私どもとしてはあくまでも長く持っていただきたい。もちろんそれは、株式は金融資産でございますから、処分されるされないは本人の自由意思でございますので、結果的にそのような形になったということは否めないことであることは確かでございますが、私どもの当初の願いといいましょうかねらいというものは、長く持っていただきたいということであったことを申し述べさしていただきます。
  763. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 青島君、時間が参りましたので、あと一問で終わってください。
  764. 青島幸男

    青島幸男君 はい。  事志と違いまして、あなたのお思いになっているのと違って、いち早く売り抜けて利益だけを懐にされたという方が多い。しかも、その実数をあなた方は把握していないということは、世間がそう見えても仕方がないということをいみじくもあなた今おっしゃられましたけれども。  それからもう一つ、選定に基準はなくて場当たり的だ。先ほどちょっと訂正もなさいましたけれども、場当たり的だとおっしゃっておられますけれども、私どもの拝見するところ、教育関係、労働関係あるいは次期政権担当者というような方々、実に明白に自分の会社の利益につながりそうな方に目星をつけてリストに挙げていらっしゃいます。そのことは明白だと思います。  このことだけつけ加えまして、終わります。
  765. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 以上をもちまして青島君 の発言は終了いたしました。  これにて江副証人に対する証言の聴取は終了いたしました。  証人江副浩正君には御苦労さまでした。御退席くださって結構でございます。  明日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会