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1988-10-13 第113回国会 衆議院 本会議 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
六十三年十月十三日(木曜日) ─────────────
議事日程
第七号
昭和
六十三年十月十三日 午後一時
開議
第一
著作権法
の一部を改正する
法律案
(第百十二回
国会
、
内閣提出
) ───────────── ○本日の
会議
に付した案件
上原康助
君の故
議員小渡三郎
君に対する
追悼演説
日程
第一
著作権法
の一部を改正する
法律案
(第百十二回
国会
、
内閣提出
)
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)及び
肉用子牛生産安定等特別措置法案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後一時二分
開議
原健三郎
1
○
議長
(
原健三郎
君) これより
会議
を開きます。 ────◇─────
原健三郎
2
○
議長
(
原健三郎
君) 御
報告
いたすことがあります。
議員小渡三郎
君は、去る七月二十八日逝去されました。まことに
哀悼痛惜
の至りにたえません。 同君に対する
弔詞
は、
議長
において去る八月三日贈呈いたしました。これを朗読いたします。 〔
総員起立
〕
衆議院
は
議員
正五位勲三等
小渡三郎
君の長逝 を
哀悼
し つつしんで
弔詞
をささげます ───────────── 故
議員小渡三郎
君に対する
追悼演説
原健三郎
3
○
議長
(
原健三郎
君) この際、弔意を表するため、
上原康助
君から発言を求められております。これを許します。
上原康助
君。 〔
上原康助
君
登壇
〕
上原康助
4
○
上原康助
君 ただいま
議長
から御
報告
のありましたとおり、本
院議員小渡三郎先生
は、御
家族
の手厚い看護のかいもなく、去る七月二十八日、御入院中の
東京女子医大病院
において逝去されました。まことに
哀悼痛惜
の念にたえません。
先生
は、昨年秋ごろから体調を崩され、入退院を繰り返しておられましたが、今年に入り療養に専念するのやむなきに至り、ついに不帰の客となってしまいました。 もうすぐ元気になる、遅くともこの
臨時国会
からはまたばりばり活動を展開していくとの
小渡先生
の
言葉
をかたく信じておりました私は、このたびの突然の計報に接し、ただただ驚愕し、
万感胸
に迫る
思い
がいたします。いかに
天命
とは申せ、人の世の無常を嘆かずにはいられません。 私は、ここに、
議員各位
の御同意を得て、
議員一同
を代表して、謹んで哀悼の
言葉
を申し述べたいと存じます。(
拍手
)
小渡先生
は、大正十四年、弁護士として
活躍
された
小渡良忠
氏の長男として今の韓国のソウルでお生まれになりましたが、
昭和
十三年
沖縄
に戻られ、
沖縄県立
第二中学校の二年に編入されました。 当時の
先生
は、
軍事教練
の時間には何度となく
配属将校
らに搾られたというほど大変なわんぱく少年であったようであります。また、
スポーツ
は万能で、
柔剣道
から水泳、相撲に至るまで、学校で行われるあらゆる
スポーツ
をこなし、勉学の面においても大変すぐれ、特に
理科系
を得意とされ、
昭和
十九年、
難関
中の
難関
と言われた海軍兵学校に合格されたのであります。 戦時中のこととて限られた書物を何とか手に入れられ、片端から読破して、そのころの学生の理想とした文武両道に励まれ、大いなる夢抱く青春の一時期を過ごされました。 後に
豆タンク
と愛称される
政治家小渡三郎
のバイタリティーと
行動力
は、このころから培われたものだったと言えましょう。 しかし、戦雲は急を告げ、
沖縄
は
昭和
十九年末から
非常事態下
に置かれ、二十年四月以降は
国内唯一
の
陸戦場
と化し、言語に絶する未曾有の戦禍をこうむり、
日本
は同年八月ついに
敗戦
を迎え、
日本
の苦難な戦後史がスタートしたのであります。幼少のころから父君より徹底的な
スパルタ教育
をたたき込まれていた
小渡三郎先生
は、
日本
の
敗戦
などみじんも信ぜずに、軍神の道を濶歩しようとしていたや
さき
の
敗戦
であっただけに、その衝撃ははかり知れないものがあったとのことであります。 一木一草に至るまで焦土と化し、戦争で痛めつけられた
郷土
の
敗戦
直後を目の当たりに見せつけられた
熱血漢小渡三郎青年
は、
郷土
の
再建復興
に向けて、早くも
政治
の道に志すことをかたく決意するのであります。そして、
昭和
三十三年、弱冠三十二歳で
沖縄
県中部の旧美里村の
議会議員
に当選され、
政界
への第一歩を踏み出されたのであります。
昭和
三十八年には、その卓越した
政治手腕
が認められ、請われて
琉球政府八重山地方庁長
に抜てきされ、その後、
労働局長
、
通商産業局長
、さらに
行政
副主席の
要職
を歴任されました。 この間、
持ち前
の
行動力
とその卓越した
政治行政手腕
を遺憾なく発揮され、
経済復興
、
自治権
の拡大、軍用地問題、
祖国復帰対策等
に大いに尽力され、今日の
沖縄
の
基盤
を築き上げられたその
功績
はまことに大なるものがあります。(
拍手
) しかし、
政治
の世界、順風満帆とだけは限らず、
小渡先生
は、その後一時は官界を去って野にあったのでありますが、
昭和
四十六年、周囲の熱烈な支持と
期待
を受け、
琉球政府立法院議員補欠選挙
で返り咲き、再び
政界
への
復帰
を果たされ、不死身の
個性派政治家小渡三郎
の存在を
県民
に強く印象づけたのであります。
沖縄
は、
昭和
四十七年五月、二十七年間にわたる
米軍統治
から脱却し、
国民待望
の
祖国復帰
を果たすことができました。
小渡先生
は、
復帰
後も引き続き
県議会議員
として御
活躍
され、
新生沖縄
県の
発展
に大いに貢献されたのであります。
県議会議員時代
の
先生
は、
琉球政府
の
要職
にあった間の人脈を駆使しての豊富な
情報
と巧みな弁舌をもって当時の
屋良革新県政
を厳しく追及し、
爆弾男
の異名をはせ、
沖縄政界
の一翼を担う
実力者
としての地位を確固たるものにしていくのであります。また、台風の後など見舞いを兼ねての
被害状況調査
に日夜東奔西走し、
対策
を講じられた
先生
の面倒見のよさ、献身的な御
活躍
には、
選挙民
からの厚い信頼と敬愛が寄せられたものであります。
小渡先生
のこのような
庶民性
と
行動力
、面倒見のよさに
県民
の
期待
の輪が広まり、
沖縄
の抱える諸問題の解決のため、
小渡先生
を
国政
の場に押し上げようとの強い
動き
となったのもけだし当然といえましょう。 このような
県民
の強い要望と
期待
を担って、
小渡先生
は
昭和
五十四年十月の
衆議院議員
総
選挙
に出馬されたのでありますが、善戦むなしく次点にとどまるに至りました。しかし、
国政
への執念に燃えておられた
先生
は、翌年六月、第三十六回総
選挙
に勇躍立候補され、見事に雪辱を果たし、初当選の栄冠をかち得たのであります。 本院に
議席
を得られた
先生
は、
内閣
、
地方行政
、文教、予算の
委員
を務め、とりわけ
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
においては、理事の
要職
にあって
沖縄
の抱える諸
問題解決
のため全身全霊をもって当たられ、積極果敢にその職責を全うされたのであります。
昭和
五十七年度から始まった第二次
沖縄振興開発計画
の策定に当たっては、格別な
情熱
を傾けられ、
産業経済全般
にわたる
推進策
はもとより、第一次
産業
の
振興
なくしては
沖縄
の
発展
はないとの信念から、
農業基盤整備
、
技術水準
のレベルアップに努められました。 中でも、
昭和
五十七年に施行された
糖価安定法
の改正は、
沖縄
の
基幹産業
である糖業の
振興
にとって有益な
立法措置
だとして、その制定に当たっては、
自由民主党
の
農林部会
においても、
沖縄
の
特殊事情
を強く主張し、一歩も譲らなかったと聞いております。 また、
先生
は
基地
の町で育たれたがゆえに、
沖縄
の
基地
問題には人一倍関心を持たれ、
持ち前
の
行動力
で
米軍基地返還
の促進や
跡地利用計画
に積極的に取り組まれる反面、目に余る
米軍演習
や
基地被害等
に対しては、舌鋒鋭い
小渡節
で
政府関係当局
に
野党ばり
の
質問
を展開することもしばしばでありました。 特に、私の脳裏に歴然と浮かぶのは、
小渡先生
が本院に
議席
を得られた直後の
昭和
五十五年十月、
沖縄北部
の
キャンプ・ハンセン基地
で
米軍
の
実弾演習
による
森林火災
が起こり四日間にわたって燃え続けた際に、
先生
は現場の
状況
をいち早く調査され、
米軍
に対する
厳重抗議
と
基地周辺
の
防災対策
、住民の
安全確保
の
実現
を顔を紅潮させながら
政府
に強く迫っておられた雄姿がしのばれてなりません。
先生
は、事
沖縄
問題に関しては、みずから
与党内野党
と称して、問題の是非を頑固に貫かれたのであります。 一方、
自由民主党
内にあっては、
国民運動推進部長
、
政調沖縄振興委員会
副
委員長
、
広報委員会宣伝局次長
、
全国組織委員会農林水産局次長
などの
要職
を歴任されました。 かくして、在職五年余りという短いものではありましたが、
政治家
としての重責を果たしてこられた
先生
の御
功績
はまことに大なるものがあったと申さねばなりません。(
拍手
)
小渡先生
、あなたと私の出会いは、古くはあなたが
琉球政府
の
労働局長時代
で、私は駆け出しの全
軍労委員長
のときでした。私が
局長室
を訪ねたとき、例の調子で、
米軍
とは仲よくせよとのことでしたが、私は別の道を選んでまいりました。 本院にともに席を置くようになってからも、あなたは名うての
国防強化論者
で、
事安保
、
自衛隊問題等
では、激しい論戦を交わしたこともしばしばありました。
選挙地盤
がともに
沖縄中部
と競合したこともあって何かと話題はされる
関係
にありましたが、党派は異なっても、
郷土
を
思い
国の行方を案ずる気持ちの上では多くの共通する面がありました。あなたは、私にとって尊敬できる立派な先輩であり、かけがえのないよきライバルでもありました。
先生
の口癖は、「
思い
やりのない
政治
からは何も生まれない」でありました。
先生
は、このような
政治信念
のもとに、「すべての
行動
に全力を尽くす」をキャッチフレーズにして
政治
に尽くしておられる一筋さに、
政治家小渡三郎先生
の
面目躍如
たるものがございました。(
拍手
)
先生
は、
若山牧水
の歌「幾山河越え去り行かば淋しさの果てなん国ぞ今日も旅行く」を好んで口ずさみ、「
政治
には終わりというものがない。それゆえに
政治家
に終局の
ゴール
はない。一つ山を越え、谷を下り、やっと山の項にたどり着いたと思うと、またさらに険しい山々がはるか遠くに待ち受けている。それは、終わりも
ゴール
も、一時中断もない。
政治家
とは業の深いものだとつくづく思わざるを得ない」と語っておられます。ここに、
先生
の
政治哲学
とその人柄の奥深さを知ることができるのであります。
小渡先生
の人生は、まさに幾山河を越えながらもなお果てしなく国の平和と
国民
の生活の向上、安定のため
政治
への限りない
情熱
を燃やし続けた旅路であったと申せましょう。
小渡
さん、あなたの方言を交えてのあの個性豊かな独特の口調や言い回しは、聴衆の耳ばかりでなく心をもつかんで離さない
小渡節
として定評があり、他の追随を許しませんでした。あなたのその個性がにじみ出た
大衆性
に、
選挙民
は強い感銘と共感を持って接してきたのであります。もはやそのお顔、お姿に接することができなくなったかと思うと、まことに痛恨のきわみであります。
先生
は、御年六十二歳、
政治家
としていまだ
壮年期
にあり、力量、
識見とも
にいよいよ円熟味を増し、今後の御
活躍
が大いに
期待
されていたとき、
先生
の突然の御逝去は、御自身にとってまことに無念きわまりないものがあったと申せましょう。
小渡
さん、あなたの訃報に接し、病院に行くのは間に合わず、羽田空港に駆けつけたとき、
先生
が生前心からかわいがっておられたお孫さんが「
おじいちゃん
は、
おじいちゃん
は」と繰り返し繰り返し母親に聞いていた小さないじらしい声を、涙なくして聞くことはできませんでした。 また、
先生
の長年にわたる
政治生活
を内にあって支えてこられた奥様を初め御
家族
の胸中を察するとき、申し上げる
言葉
を知らないのであります。ただただ深くこうべを垂れるのみでございます。 今や、内外の諸情勢は極めて重要な時期に直面いたしております。このときに当たり、いよいよその培ってこられた
政治力
を発揮し、大成の
政治家
たらんとした
小渡三郎先生
を失いましたことは、
自由民主党
はもとより、本院にとっても
国家国民
にとっても、まことに大きな
損失
であります。とりわけ
沖縄
にとっての
損失
は大きなものがあり、去る七月三十一日に
沖縄市営体育館
で行われた
告別式
に、
嘆き悲しみ
をこらえながら一万余の
県民
が参加したことでも、
小渡先生
への
期待
がいかに大きかったかがわかるのであります。
三郎ヤッチー
、悔しかったでしょう。
天命
だと思ってあきらめられるでしょうか。 長いこと本当にお疲れさまでした。安らかにお眠りください。 ここに、
先生
の生前の御
功績
をたたえ、その人となりをしのび、心から御冥福をお祈りして、私の追悼の
言葉
といたします。(
拍手
) ────◇─────
日程
第一
著作権法
の一部を改正する
法律案
(第百十二回
国会
、
内閣提出
)
原健三郎
5
○
議長
(
原健三郎
君)
日程
第一、
著作権法
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
文教委員長中村靖
君。 ─────────────
著作権法
の一部を改正する
法律案
及び同
報告書
〔
本号末尾
に掲載〕 ───────────── 〔
中村靖
君
登壇
〕
中村靖
6
○
中村靖
君 ただいま
議題
となりました
著作権法
の一部を改正する
法律案
について、
文教委員会
における
審査
の
経過
及び結果を御
報告
申し上げます。
本案
は、社会の進展に応じた
著作権制度
の
改善
を図ろうとするものでありまして、その主な
内容
は、 第一に、
著作隣接権
の
保護充実
の見地から、実演、
レコード等
の
著作隣接権
の
保護期間
を、現行の二十年から三十年に延長することとし、これに伴い、
外国レコード
の原盤の
提供
を受けて作成した
商業用レコード
の複製、頒布する
行為
を処罰する
期間
及び旧
著作権法
で保護されていた
演奏歌唱
及び
録音物
の
保護期間
の
残存期間
の上限についてそれぞれ延長すること、 第二に、
著作権
、
著作隣接権等
を侵害する
行為
によって作成された
ビデオソフト等
のいわゆる海賊版が大量に出回り、
著作者等
の
権利
の侵害という問題が生じているところから、これら
著作権
、
著作隣接権等
を侵害する
行為
によって作成された物を頒布の目的をもって所持する
行為
について、新たにこれらの
権利
を侵害する
行為
とみなし、これを罰則の
対象
とすること などであります。
本案
は、
さき
の第百十二回
国会
に提出され、四月十三日に本
委員会
に付託となり、同月十五日
中島文部大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取し、五月十三日から
質疑
に入り、
参考人
から
意見聴取
を行うなど、慎重に
審査
を行った後、
継続審査
となったものであります。 今
国会
におきましては、昨十二日に
審査
に入り、
提案理由
の
説明
を省略し、
質疑
、討論の申し出もなく、採決の結果、
本案
は
全会一致
をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、
本案
に対し
附帯決議
が付されました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
) ─────────────
原健三郎
7
○
議長
(
原健三郎
君) 採決いたします。
本案
は
委員長報告
のとおり決するに御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
原健三郎
8
○
議長
(
原健三郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
本案
は
委員長報告
のとおり可決いたしました。 ────◇─────
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)及び
肉用子牛生産安定等特別措置法案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
原健三郎
9
○
議長
(
原健三郎
君) この際、
内閣提出
、
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び
肉用子牛生産安定等特別措置法案
について、
趣旨
の
説明
を求めます。
農林水産大臣佐藤隆
君。 〔
国務大臣佐藤隆
君
登壇
〕
佐藤隆
10
○
国務大臣
(
佐藤隆
君)
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び
肉用子牛生産安定等特別措置法案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
牛肉
につきましては、
我が国農業生産
及び
国民食生活
における
重要性
にかんがみ、
畜産振興事業団
が行う
価格安定操作
の
対象
とするとともに、
輸入割り当て制度
のもとで、
事業団
に
輸入牛肉
の
買い入れ
及び
売り渡し
を一元的に行わせ、その
価格
と
需給
の安定を図ってきたところであります。 しかしながら、この
輸入割り当て制度
につきましては、先般の
日米
及び
日豪
間の
協議
において、
我が国
は、
昭和
六十六年度から、これを撤廃するとともに、
事業団
は
輸入牛肉
を取り扱わないこととしたところであります。この決定は、
輸入数量制限
をめぐる厳しい
国際世論
、
我が国
の置かれている
国際的立場等
を考慮し、
所要
の
国境措置
を確保しつつ行ったものでありますが、
牛肉輸入
の
自由化
は、今後、
国産牛肉
の
需給
及び
価格
に重大な影響を及ぼすことが見込まれるところであります。 このような
牛肉
の
輸入
をめぐる
事情
の変化に対処して、
国産牛肉
を引き続き
事業団
の
価格安定操作
の
対象
としてその
価格
の安定を図りつつ、
事業団
の
業務
及びその
実施方法等
について
所要
の見直しを行うこととし、
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
を提出することとした次第であります。 また、このような
状況
の中で、
我が国肉用牛生産
の
存立
を確保するためには、
肉用牛生産
の
合理化
を初め関連する諸
施策
を積極的に推進し、
輸入牛肉
に対抗し得る
価格水準
で
国産牛肉
を供給し得るようその
生産体制
を整備する必要がありますが、
牛肉
の
内外価格差
の現状、
我が国
の
国土条件
の
制約等
から見て、直ちにその
実現
を図ることは極めて困難と判断せざるを得ず、
我が国肉用牛生産
の
基盤
である
肉用子牛生産
の存続に大きな困難が生ずることが危惧されるところであります。 このような
事態
に対処して、
我が国肉用子牛生産
の安定その他
畜産
の健全な発達を図り、
農業経営
の安定に資するため、当分の間、
事業団
に、
肉用子牛
についての
生産者補給交付金等
の
交付
の
業務
を行わせるとともに、
生産者補給交付金等
の
交付
その他
食肉
に係る
畜産
の
振興
に資する
施策
の
実施
に要する
経費
の
財源
に関する特別の
措置
を講ずることとし、
肉用子牛生産安定等特別措置法案
を提出することとした次第であります。 次に、これらの
法律案
の主要な
内容
について御
説明
申し上げます。 まず、
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
についてであります。 第一に、
事業団
は、
輸入牛肉
については、
買い入れ
、
売り渡し等
の
業務
を行わないこととするとともに、これに伴う
所要
の規定の整理を行うこととしております。 第二に、
畜産経営
の
改善等
に資するため、
事業団
は、主要な
畜産物
に関する
情報
の収集、
提供等
の
業務
を行うこととしております。 次に、
肉用子牛生産安定等特別措置法案
についてであります。 第一に、
事業団
は、
都道府県知事
の指定を受けた
都道府県肉用子牛価格安定基金協会
が
肉用子牛
の
生産者
に
交付
する
生産者補給金
に充てるため、
当該都道府県協会
に対し、
生産者補給交付金
を
交付
することとしております。 第二に、
生産者補給交付金
の
金額
は、
肉用子牛
の再
生産
を確保することを旨として定める
保証基準価格
から
肉用子牛
の
平均売買価格
を控除した
金額
を基礎として算定することとしております。 この場合、
平均売買価格
が
肉用子牛生産
の
合理化
により
実現
を図ることが必要な
肉用子牛
の
生産費
を
基準
として定める
合理化目標価格
を下回るときは、
都道府県協会
の
生産者積立金
から
生産者補給金
の一部を
交付
することとしております。また、
事業団
及び
都道府県
は、
都道府県協会
の
生産者積立金
に充てるため、
生産者積立助成金
を
交付
することとしております。 第三に、
牛肉
及び
特定
の
牛肉調製品
に係る
関税収入
を、
生産者補給交付金等
に充てるための
事業団
への
交付金
の
交付
並びに繁殖、育成及び肥育を通ずる
肉用牛生産
の
合理化
、
食肉等
の流通の
合理化等
に資する
施策
の
実施
に要する
経費
に充てるための
特定
の
財源
とすることとしております。 最後に、
事業団
による
生産者補給交付金等
の
交付
は
昭和
六十五年度から、
牛肉等
に係る
関税収入
についての特別の
措置
は
昭和
六十六年度から
実施
することとしております。なお、
昭和
六十五年度の
生産者補給交付金野
の
財源
といたしまして、本年度から
昭和
六十五年度までの間の
事業団
の
輸入牛肉差益
の一部を充てることとしております。 以上が
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び
肉用子牛生産安定等特別措置法案
の
趣旨
でございます。(
拍手
) ────◇─────
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)及び
肉用子牛生産安定等特別措置法案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
原健三郎
11
○
議長
(
原健三郎
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。これを許します。
田中恒利
君。 〔
田中恒利
君
登壇
〕
田中恒利
12
○
田中恒利
君 私は、
日本社会党
・
護憲共同
を代表し、ただいま提案されました
肉用子牛生産安定等特別措置法案
及び
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について
質問
をいたします。 この二つの
法律案
は、
さき
の
日米牛肉
・
オレンジ交渉
の結果を受けたものであります。先般の
日米交渉
は極めて難航し、
佐藤農林水産大臣
は二度にわたり訪米されるなど
大変御苦労
をされたのでありますが、残念ながらその
経過
と結果については極めて厳しいものでありました。
日本
の
畜産
、
果樹
の
存立
はこれを守る、これが
交渉
に臨む
日本政府
の
基本方針
であったはずであります。しかし、
交渉
の
経過
は、一方的に
我が国
が
譲歩
に次ぐ
譲歩
を重ねたとしか思えないのであります。 すなわち、
牛肉
の
国境調整措置一つ
を見ても、
自由化
は困難であるとの
方針
が
自由化
を認める
方向
に変わり、その前提であった
輸入課徴金
が
変動関税
に変わり、その
変動関税
も
アメリカ側
の強い反対を受けて断念し、
アメリカ
が現に
実施
している
輸入制限
に比べても見劣りのする
緊急調整措置
にまで後退したのであります。この結果、
自由化
までに三年間の
移行期間
を置いたとはいえ、この
期間
に
輸入割り当て量
を約二倍にふやし、
日本
人の胃袋から見れば、
実質自由化
に等しいものとなっています。
かんきつ
については、
生産農家
が血の出る
思い
での
生産調整
のさなかに
自由化
が決定され、しかも
牛肉
で認めた
関税
の引き上げや
緊急調整措置
すら確保されていません。
自由化
に伴う
政府
の
かんきつ対策
では、
温州ミカン
を中心に大幅な廃園が予定されています。一体、貴重な資源である
ミカン園
を、後をどうするかの方策もないままに荒廃させることが
農政
と言えますか。これでは、どう見ても、
日本
の
畜産農家
や
果樹農家
の
存立
が確保されたとは到底思えないのであります。(
拍手
)
竹下総理
は、この
日米農産物交渉
についてどのような評価をお持ちか、また、
自由化
後の
国内
諸
対策
について
政府
の
責任
をどのように受けとめていられるか、所信のほどをまずお伺いいたします。 この上に、
米国
の
国内
には、追い打ちをかけるかのように米の
輸入自由化
を求める
動き
があらわれています。
政府
は、米の市場開放問題は
ウルグアイ・ラウンド
で
協議
するとの見解を繰り返しています。また、先日の本
会議
で、
宇野外務大臣
は米の
市場アクセス
の
協議
を拒否しないと明言されました。 そこで、これまた
総理
にお伺いいたします。 仮に
ウルグアイ・ラウンド
で
日本
の
米市場
を開放すべしとの
意見
が多い場合には、
政府
はこれに従うというのですか、それとも毅然たる態度でこれを拒否するのですか、実はそこが問題なのであります。この点についての
総理
の明確な答弁を求めます。(
拍手
) 今、
全国
の農村では、
さき
の
農産物
十二品目や
牛肉
・
オレンジ
の経緯からして、初めに拒否があり終わりに
自由化
ありきとの認識がしみ込み、多くの
農業者
の
農政批判
はみなぎっています。
政府
は、この現実を肝に銘ずべきであります。本院は、このような
事態
の中で
米自由化
に反対する
決議
を二度にわたり決定いたしました。
総理
は、国権の
最高機関
である本院におけるこの
決議
に誠実にこたえる
責任
があります。 我が党は、RMAの提訴に対するUSTRの
対応いかん
にかかわらず、また、
ガット
や
ウルグアイ・ラウンド
における議論にかかわらず、
我が国
は米の
完全自給
を貫くとの
竹下総理
の言明を重ねて強く求めるものであります。
農業貿易
のあり方は、今日、
国際政治
の中で大きな課題であります。
ウルグアイ・ラウンド
はその
方向
を示す重要な場であり、
米国
やケアンズ・グループ、EC、
日本等
がそれぞれ自国の
特殊事情
を踏まえて活発な
動き
を示しています。
米国
の
ガット
・ウェーバー条項の存在や輸出補助金、ECの可変課徴金等による
輸入
規制などなど、必ずしも公正とは言えない各国の貿易制度を踏まえて、
我が国
は
米国
に偏り過ぎた農業の貿易構造を改め、食糧
輸入
国として立場を同じくする諸国との
関係
を強めるべきであります。
ウルグアイ・ラウンド
に向けての
我が国
の対応について、
宇野外務大臣
の見解を求めます。
佐藤農林水産大臣
は最近よく攻めの
農政
を述べられていますが、攻めの
農政
とは何か、その中身、その
方向
について具体的な
内容
を明らかにしていただきたいのであります。 次に、
畜産
二法について主として
佐藤農林水産大臣
にお尋ねをいたします。 第一は、
牛肉
の
輸入自由化
が
我が国
農業、なかんずく肉用牛、酪農に及ぼす影響をどう見ているのか。
牛肉
需給
の見通し、特に
国内
自給率など、今後の
方向
を示してほしいのであります。 第二に、この法案は、
牛肉輸入
の
自由化
で大幅に
価格
が低落する
肉用子牛
について、その実勢
価格
と
保証基準価格
との差を不足払いとして
交付
することを主な
内容
としていますが、この
保証基準価格
の水準、算定方式についてお考えをお伺いしたい。 第三は、
財源
であります。 不足払いの
財源
は、
牛肉
及び
牛肉調製品
にかかわる
関税収入
が
特定
された
財源
とされていますが、
関税収入
は、為替レートの変動、
輸入牛肉
の量と
価格
に左右され、極めて不安定であります。しかも、
牛肉
関税
率は、七〇%から始まり、年々下がって五〇%になり、その後もさらに下がることが心配されますが、宮澤大蔵大臣は、この不足払いの
特定
財源
の性格、その運営についてどのような御見解か、承りたい。 また、農林水産大臣は、この
関税収入
をもって今後長期にわたり
肉用子牛
等
対策
費を賄うことができると考えているのか、仮に賄い得ない
事態
が生じた場合はいかなる
措置
を講ずる考えか、お考えをお示しいただきたい。 第四は、不足払いの
実施
は
昭和
六十五年度からとされていますが、
牛肉
は本年度から毎年六万トンの
輸入
割り当てがふやされますので、完全
自由化
を待たずして
牛肉
、子牛
価格
の低落が心配されます。したがって、この間の
対策
をどのように考えていられますか。本法の
実施
は、明年度から直ちに行ってはいかがですか。 第五に、この
法律案
は
肉用子牛
の
対策
であり、肥育牛に対する所得保障の欠如が指摘されます。
我が国
の肉牛
生産
は子牛部門と肥育部門に分離されていますので、肥育牛への
対策
がなければ、仮に子牛
生産
は存続しても、その子牛を肥育する者がいなくなる心配があります。不足払いを
肉用子牛
にとどめたのはいかなる考えに基づいたのか、お伺いいたします。 第六は、
畜産農家
、なかんずく規模拡大を目指した酪農、肥育農家の多くは多額の負債にあえいでいます。到底
合理化
や規模拡大だけでは片づかない負債問題についての対応を強く求めるものですが、いかがですか。 第七に、
畜産振興事業団
のあり方が問われています。私は、
事業団
が
我が国
の
畜産
振興
に果たしてきた役割を評価しつつも、昨今
輸入牛肉
の
売り渡し
、
買い入れ
をめぐる不祥事件の発生、
関係
商社の入札をめぐる談合報道等は、
国民
に強い批判と疑惑を与えていることを極めて遺憾とするものであります。
政府
の指導監督の強化、
事業団
業務
の見直し、適正運営を求めるものでありますが、農林水産大臣の御見解を求めます。(
拍手
) 次に、
かんきつ
の
対策
であります。
オレンジ
、果汁の
自由化
は、
国内
果樹農家
にとって大きな打撃であり、とりわけ
国内
産ジュースと
輸入
ジュースの競合が最も心配されるところであります。
政府
の打ち出した
国内
対策
は、
温州ミカン
等の大幅な廃園奨励
措置
が中心であり、
果樹農家
の切望してきた加工原料果実の
価格
安定の法制化は見当たりません。
畜産
部門で新しく
肉用子牛
の不足払い制度を立法化したのに対し、果汁について従来の
行政
措置
の補完にとどめたのはなぜか。
畜産
、
果樹
の
自由化
に対応する政策としては、著しくバランスを欠く
措置
と言わねばなりません。ジュースは
国内
産生果実の
価格
安定の調整弁であり、消費拡大の最大の方策であります。
我が国
の
果樹
農業が生き残りをかけたあすへの営農意欲を、
法律
制度によって担保する必要があると
思い
ますが、いかがですか。 第二に、
オレンジ
、果汁の
輸入自由化
に伴う国境調整
措置
としては、
果樹
農業
振興
法第五条にかかわる政省令等の整備が強く求められています。同法第五条は、外国果物の
輸入
が
国内
生産者
に重大な影響を与える場合の歯どめ
措置
として制定されたものでありますが、施行以来既に四年になりますが、その発動の
基準
等についていまだに明確に示されておりません。
行政
の怠慢としか言いようがありません。
オレンジ
等
自由化
のこの機会に明らかに示すべきであります。 また、いわゆる十二品目問題に対する今後の
対策
を示していただきたいのであります。 以上、私は農
畜産物
の
自由化
、
畜産
二法案をめぐり若干の
質問
を申し上げましたが、最後に、
農政
に対する
竹下総理
の御所見をお伺いいたします。
ガット
十二品目問題、今回の
牛肉
・
かんきつ
問題を通じ
政府
は多くの
農産物
の市場開放を決定し、
我が国
の農業は未曾有の危機に直面しておると言っても過言ではありません。しかも、最後のとりでである米にまで市場開放の波が押し寄せています。 申すまでもなく、食糧は
国民
生活
の基礎であり、農業は国土保全、自然環境保護のために欠くことのできぬ
産業
であります。歴代の
総理
が、本院における施政
方針
などを通して、農村を民族の苗代と呼び、だれよりも農民を愛するとも語りかけ、所得格差の是正、食糧自給率向上を掲げてきましたが、皮肉なことに結果は逆であります。農業の近代化、国際化を訴えられましたが、顧みて、
言葉
ありて実りなしの
思い
を深くいたすものであります。
竹下総理
は、「ふるさと創生」を掲げて政権の座についてやがて一年になります。農業なきふるさとは考えられませんが、国際化の潮流が根こそぎ
日本
の農業を押しつぶす不安の中で、何を歯どめとして農業の再建に立ち向かわれるのか、
竹下総理
の御所見を改めてお尋ねいたし、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣
総理
大臣竹下登君
登壇
〕
竹下登
13
○
内閣
総理
大臣(竹下登君) 田中
議員
にお答えをいたします。 最初の
質問
は、
牛肉
・
かんきつ
交渉
の決着についての見解やいかに、こういうことでございます。 今回の
交渉
におきましては、
佐藤農林水産大臣
を初めといたします
関係
者の方々が米側と粘り強い
交渉
を行って、
自由化
までの
期間
、また
国境措置
などにつきまして米側からも相当の
譲歩
を得て、言ってみれば、
日米
間の協力と共同作業で決着したものであると考えております。
我が国
といたしましては、
輸入数量制限
をめぐる厳しい世論、
我が国
の置かれております
国際的立場等
を考慮して、
国境措置
と
国内
対策
を講ずることによって
牛肉
・
かんきつ
生産
の
存立
を守り得るとの判断に立って決断をいたしたものであります。 次に、
国内
対策
でお尋ねがありました。 先般の
日米
・
日豪
合意が
関係
農家にとり極めて厳しい試練であるということは十分認識をいたしております。今後、厳しい条件のもとで、
我が国
農業の
存立
を守ってその体質強化を図っていくとの基本的な考え方にのっとり、早急に
国内
措置
を講ずるべく最大限の努力を傾注してまいりたい、このように考えます。 具体的には、
牛肉
につきましては、
国内
肉用牛生産
の安定
合理化
を推進いたしますため、
法律案
をただいま
国会
に提出し、御審議を願いますとともに、当面懸念されます
価格
変動等に対処するための緊急
措置
につきましても
所要
の
措置
を講ずることとしたところでございます。
かんきつ
につきましては、品質及び
生産
性の向上を通じまして体質強化に努めますとともに、当面の
需給
、
価格
の安定等を図るため、
所要
の
措置
を講ずることといたしておるところであります。 次は、
ウルグアイ・ラウンド
についてのお尋ねがございました。 米の問題は、まさに
国民
の主食であって、かつ
我が国
農業の基幹作物であります。稲作は、今もおっしゃいましたように、地域経済や国土・自然環境の保全上、重要な役割を果たしているものと認識をいたしております。このような米の
重要性
にかんがみますとき、
国会
において
決議
がございます、その
趣旨
を体し、
生産
性の向上を図りながら、
国内
産で自給するとの基本的な
方針
で対処してまいる所存であります。 米の貿易問題については、
ウルグアイ・ラウンド
において各国の農業問題、制度について議論を行う段階において討議をすることが適切である、このように考えております。今般の
米国
精米業者協会の提訴は、従来の経緯にかんがみまして、
米国
政府
が速やかに却下することを
期待
し、また、働きかけをいたしておるところであります。 最後に、
農政
への取り組みについてお尋ねがありました。 国際化の進展のもとでの
農産物
の
輸入自由化
、厳しい
需給
事情
や
生産
性の向上等を反映する観点からの米価引き下げなど厳しい情勢の中で、
我が国
農業は足腰の強い
産業
として飛躍を期すべき転機を迎えていると考えております。このため、
国民
の納得し得る
価格
での食糧の安定供給を基本として、
生産
性向上を図りますとともに、農業所得の安定的な確保、魅力ある農業の確立に向けまして、より積極的な
農政
への転換を図ってまいる所存でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
宮澤喜一君
登壇
〕
宮澤喜一
14
○
国務大臣
(宮澤喜一君)
自由化
の影響を特に受けると考えられます
肉用子牛
の
生産
について新しい
措置
を講ずる必要が生じましたので、
牛肉等
に係る
関税収入
を
特定
財源
といたしましてこれに対処いたそうと考えております。 それによりまして、
肉用子牛
の不足払い、
肉用牛生産
、
食肉
の流通の
合理化等
々に必要な
経費
に充てることにいたします。 今後
牛肉
の
輸入
量は年を追って増大していくと見込まれますので、この制度の運営に必要な
財源
といたしましてはこれをもって十分と見込まれます。
肉用子牛
等
対策
の
実施
に支障を生じない見通しでございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
宇野宗佑君
登壇
〕
宇野宗佑
15
○
国務大臣
(宇野宗佑君) 米に関しましては、
総理
が明確な答弁をなさいましたから、重複を避けたいと
思い
ます。 なお、そのほかの
ウルグアイ・ラウンド
の問題に関しましては、
我が国
が
我が国
の立場を強く主張するのは当然のことでございますが、御指摘がございましたウェーバーとかあるいはECの輸出補助金等々の問題に関しましても、やはり公平性を貫くために新しいルールづくりがなされるよう、
我が国
といたしましては努力、対応いたしたいと
思い
ます。(
拍手
) 〔
国務大臣佐藤隆
君
登壇
〕
佐藤隆
16
○
国務大臣
(
佐藤隆
君) 田中
議員
の御
質問
にお答え申し上げます。 私に対する
質問
は十一点ございます。簡潔明瞭にお答え申し上げたいと
思い
ます。 まず、今後の
農政
の
方向
についてでありますが、従来から申し上げておりますように、
農政
審議会
報告
を基本とすることは
議員
御承知のとおりであり、その後の
事態
の推移を踏まえて、「国際化への対応と農業・農山村の活性化のための政策の基本
方向
」を取りまとめているところであります。今後は、この
方向
に従って努力し、守りだけではない、より積極的な
農政
を展開してまいる所存でございます。 十七日から行われるパリにおける国際食品見本市におきましても、北口政務次官を派遣することに
さき
に決定をいたしたところでございます。 次に、
牛肉
輸入自由化
の影響等についてでございますが、今般の
日米
・
日豪
合意に基づく
牛肉
の
輸入
枠の撤廃により、
国産牛肉
の
価格
の低落は避け得ないものと見込んでおります。また、酪農経営についても少なからぬ影響が及ぶと見込んでおります。このため、
所要
の
国境措置
の確保とあわせて
国内
措置
の
実施
については最大限の努力を傾注してまいる所存であり、
肉用子牛
の
生産
安定制度の創設、
生産
性の向上、流通の
合理化
など、
所要
の
対策
を積極的に展開いたしたいと考えております。 今後の
牛肉
の
需給
見通しについては、去る二月に公表した酪肉
基本方針
において、
昭和
七十年度には
昭和
六十年度に比較して需要量では約一・五倍程度、
国内
生産
量は約一・二倍強と見込み、自給率を六〇%弱と見通しております。しかしながら、今後の
牛肉輸入
枠の撤廃に伴い、需要量はこの線をかなり上回り、自給率の低下も避けがたいと見通しております。 次に、
保証基準価格
につきまして、
肉用子牛
の
生産
条件及び
需給
事情
その他の経済
事情
を考慮して、その再
生産
を確保することを旨として定めることといたしておりますが、具体的な算定方式については、
畜産
振興
審議会の
意見
も承った上で検討したいと考えております。 なお、
保証基準価格
の水準については、現行
肉用子牛
価格
安定事業における
保証基準価格
水準が一つの目安になるのではないかと考えております。 次に、不足払い等の
財源
問題でございますが、大蔵大臣が触れられました。重複を避けたいと思っております。
肉用子牛
等
対策
の
実施
に支障を生ずることはないと私は考えておるところでございます。 次に、不足払いの早期
実施
でございますが、本
法律案
に基づく
生産者補給交付金
制度が発足するまでの間においても、当面懸念される
価格
変動等に対処するため、
生産
、
価格
、流通等にわたる緊急
対策
を講じ、
肉用牛生産
の安定
合理化
を図ってまいる考えであります。 なお、本制度発足のためには、
都道府県協会
が存在しない
都道府県
における協会の設立、加入率が極めて低い乳用種子牛の加入促進等が必要であり、相当の準備
期間
を要することから、明年度からの施行は困難と考え、
昭和
六十五年度からの
実施
を予定しているものであります。 次に、肥育経営に対する所得保障でございますが、
輸入
枠の撤廃後において
我が国肉用牛生産
の
存立
を確保するためには、
輸入牛肉
と対抗し得る
価格水準
で
国内
牛肉
を供給する必要があります。この課題を直ちに
実現
することは困難であるため、肥育経営の再
生産
が確保できるように
肉用子牛
価格
を
所要
の水準にまで引き下げ、そのもとでも
肉用子牛生産
の存続を図り得るようこの
法律案
を提出したものであり、肥育経営にも十分留意しているところであります。 また、
牛肉
の
価格
安定制度は引き続き維持することとしており、その安定
価格
帯水準は肥育経営の再
生産
が確保できる水準として設定することとしているところであります。
畜産農家
の負債
対策
でございますが、従来から各種制度資金の貸付条件の緩和、自作農維持資金の融通、個別農家に対する指導等の
措置
を講じております。また、本年度においては、大家畜経営体質強化資金を創設しましたが、
牛肉輸入
枠撤廃に対処する緊急
対策
として、本資金をさらに拡充することを予定しているところであります。
畜産振興事業団
につきましては、各種
畜産物
の
価格
安定、加工原料乳不足払い、
畜産
振興
のための助成等の広範な
業務
を行ってきておりますが、
輸入牛肉
売買
業務
をめぐって種々御批判のあることはまことに遺憾であります。 今後、
昭和
六十六年度からの
牛肉輸入
枠撤廃までの間における
輸入牛肉
売買
業務
の適正な
実施
はもちろん、今回の
法律案
によって予定される新たな
業務
である
肉用子牛
の
生産者補給交付金等
の
交付
、
畜産物
情報
の収集、
提供
を含めて、
畜産振興事業団
の任務が円滑、適正に遂行されていくよう、綱紀の粛正はもとより、
業務
執行体制の整備等について、指導監督の強化に努めてまいる所存であります。 加工原料用果実の不足払いでございますが、従来から行っている通常の
価格
差補てんに加え、特別の
価格
差補てんを一定
期間
実施
することとして予算
措置
を行う所存であり、
立法措置
を講じなくても
実現
可能であると考えております。 また、
果樹
農業については、生果を中心として
生産者
の採算が成り立つことが基本であり、生果の
需給
調整上の役割を果たしている加工原料用仕向け果実を独立した
農産物
として不足払い制度の
対象
とすることは困難と考えております。 次に、果振法第五条についてでございますが、この条項制定の経緯についてはよく承知をいたしております。この規定の発動は、外国産の果実等の
輸入
によって引き起こされる一定の
事態
について、
政府
に対しこれを克服するための
措置
を講ずべき旨を義務づけておりますが、どのような
措置
を講ずべきかについては
政府
にゆだねられているものと考えております。本法の発動については、国際条約上の義務との関連もあり、どのような場合にどのような
措置
を講ずるかをあらかじめ定めておくことには困難があると考えております。 最後に、いわゆる十二品目問題でございますが、いずれも地域農業を支える重要部門でありますので、各品目の
需給
、
生産
、流通、消費の実態を踏まえ、体質強化を図っていくとの基本的考え方にのっとり、農業団体の要望、現場の声等に耳を傾けながら検討を進め、去る十月十一日に
対策
の骨子を決定したところであります。 具体的には、
生産
性及び品質の向上のための産地の
生産
条件の整備、果汁原料用果実及び加工原料用パイナップルの
価格
安定
対策
の拡充、加工食品用等に仕向ける芋類の
生産
の奨励、加工用トマトの契約栽培の維持、加工工場の
合理化
、需要の拡大を中心に
所要
の
措置
を講じていくことといたしております。 以上でございます。(
拍手
)
原健三郎
17
○
議長
(
原健三郎
君) これにて
質疑
は終了いたしました。 ────◇─────
原健三郎
18
○
議長
(
原健三郎
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時散会