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佐藤(徳)
委員 東京都内の
学校を視察された感想をお聞きしたわけでありますが、もちろん御
承知のとおり
学校は東京都だけではありません、全国至るところにあるわけであります。しかも、恵まれない条件の中で
教育を受けている
子供たち、山間僻地もあるわけであります。いろいろ忙しい日程もおありでしょうが、ぜひ地方にも足を伸ばして、そしてそういう
子供たちの授業の
実態なり教師の苦労なりをつぶさに視察をしていただくと同時に、
現場の教師とひざを交えて
大臣が直接語り合う、こういうことがもしできるとすれば、私は、今後の
教育を見詰める教師の目というものも変わってくるのじゃないかという感じがしているわけであります。
さて、私も長いこと
教員の
経験をしまして
現場の
経験を持っている一人でありますが、次のことを申しておきます。
まず、教師は常に
子供たちとともにあるんだ、そして
子供たちとともにいるんだ、これを押さえて
認識を深めてもらいたい、こう思っておるところであります。
まず
先生が出勤しますね、職員室に入ります。そして、
小学校であればクラス担任を皆持っているわけでありますから、
教室に入って
子供たちの元気な顔をまず確認するでありましょう。これはだれもがやることであります。そしてまた、朝の授業の準備をさせるあるいは宿題の整理等を
子供たちにさせて授業に入る、こういうパターンですね。まあ恐らく全国どこの
学校でも、校種別によっては違いが出てくるかもしれませんが、ほぼ同じような形態をとっているであろう、私はこんな
認識をしているわけであります。そして、予定された日課表に基づいて授業を進めています。これは御
承知のとおりであります。そして、午前中の休憩時があります。この午前中の休憩時には、
子供たちと一緒に校庭でほぼ
教員は遊んでいます。そして、
子供たちがけがをしないか、そして
子供たちとともに、遊びを含めたいろいろなことをなされているのが
実態なのであります。
そしてまた、午前の授業が終わって給食の準備に入ります。これは全く休む暇もなく
子供たちと一緒に給食の準備をするわけでありまして、給食の時間が終われば今度は午後の授業に直ちに入る。そして一定の時間が終われば、
学校によっては違いますが、清掃
指導を行うとかクラブ活動に入るとか
生徒指導や補習授業に入るとか中体連の練習に入るとか宿題の点検をするとか、そして週案や日案の作成をするとか、その合間を縫うと言っては失礼でありますが、教材
研究をする、そして退勤をいたしますけれ
ども、それでも仕事を家に持ち帰ってやらなければ次の日の授業なり
子供たちに接する準備ができない。これが大体共通した
現場教師の
実態だろう、私の
経験から言ってもそれは確信を持って実は言い切れることであります。
これは後でお調べをいただきたいと
思いますけれ
ども、たび重なる
学校行事というものがたくさんあるわけです。そして、その合間を縫ってまた教材
研究、こういう
状況が続いているわけであります。だから、私から言わせれば、まさに今日
学校の
実態というのは多忙化
時代だ、もっとゆとりがあって、落ちついて
子供たちに接するような
状況がどうしてできないのか、これは私がいつも頭に描いているところなのであります。
それでも教師は常に
子供たちとともにあるという
観点に立ちながら、教師間の連帯は
学校の和を保ち、それが
子供たちに大きな
影響を及ぼして、ひいては学力
向上にもつながっていく、ここが私は一番大事な点ではないか、こう思っているところであります。そして、教師間の相互連帯と自己研修が折り重なって、それを授業や
生活指導に生かす。
子供たちの人間形成と先ほど
大臣が申されました
子供たちが持っている限りない可能性を引き出すことが私は本当の
教育だろうというふうに信じているわけであります。
さて、臨教審が次のことを言っています。「
教員には、児童、生徒に対する
教育愛、高度の専門的
知識、実践的な
指導技術が不可欠である。」こう結んでおります。あるいは教養審でさえも「専門的
知識、広く豊かな教養」、そして「実践的
指導力」など、このようなことから生かされるのであって、これが
免許状の
種類によって変わるべきものではないと私は思うわけであります。
教職員は職場で育つと私はよく先輩から教えられてまいりました。まだまだ言い足りない点たくさんありますが、かいつまんで私は今日の
教育現場の
実態と多忙化の問題について触れましたけれ
ども、
大臣、いかがですか。先ほどの感想につけ加えて、私の話を聞いたその中身についての
大臣の感想なり御見解なり
伺いたいと
思います。