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甕政府委員 他用途利用米の制度でございますけれ
ども、これは主食用よりも低い価格であれば加工用等の一定の需要が生ずるという点を考慮いたしまして、米需要の拡大あるいは水田の有効利用といった観点で意義があるということで進めておるものでございまして、五十九年から転作の一環として導入したものでございます。
これは今お話がありましたように価格は低い、その
意味では農家も我慢していただかなければならないというものでございますけれ
ども、主食用米についてその一定の価格水準を維持します一方、米の内外価格差の拡大によりまして諸外国からあられでございますとか米の加工品の輸入がふえておりますので、それに対処して
国内需要を確保していくといった観点で、一定の低価格で安定的に供給しよう。農家の方も、安い価格ではありますけれ
ども、同じ米がつくれる、こういうメリットもあるということで、これが次第に定着してきている、農家の
皆様方の御
理解を得てきていると
考えているところでございます。
次に、他用途利用米の使途と申しますか、何に使われているかといった点についてでございます。
これは六十三年産の生産予定数量で申しますと、四十六万八千トンとなっております。その用途別で申しますと、これは生産計画の数字で申し上げますが、みそ、せんべい、しょうちゅう等の一般用に二十八万五千トン、酒造用に六万トン、モチ米が使われる即席包装もち、あられといった用途に四万三千トンといったものが主なものでございますが、加工米飯用一万トンというものも新たに始めております。それからことしの計画では、在庫造成七万トンというものも需給均衡化緊急
対策の中で措置いたしましたけれ
ども、これは相当量が今回の災害に伴います在庫調整によりまして、そちらの方に充てられたという実態になっております。
それから、
先生がお触れになりました主食用に回っているのではないかというお尋ねは、これはもちろん加工用という特定の用途に回っております。なかんずく価格差も大きいということで、主食用に流れることがないようにということで、その流通といたしましては原則として変形加工した上で供給をする、また加工工場への立入
調査等を行いまして、いわゆる横流れということがないような措置を講じておるわけでございます。
ただ、
先生のお尋ねの中で感じましたのは、実は他用途米と主食用の
交換という措置が一つあるということでございます。これは、本年の米穀年度末の在庫調整の一環といたしまして、
政府が持っております六十一年産の古米につきまして、指定法人の自主流通米が予定以上に売れましてその分が六十一年産米として
政府に残った、こういう
関係に基づきまして、指定法人にその
政府に残りました分を買い受けさせまして販売をするという
措置を講じたわけでございます。その措置を円滑に実施するために、指定法人が買い受けた六十一年産の
政府米と、六十三年産のもともとの予定されております他用途利用米とを
交換をした、こういう措置がございます。
これは物量としてそういった措置を講じたわけでございますが、農家レベルにおきましては、もともと加工原材料用ということで価格があらかじめ明らかにされておったところでもございますし、そういった
交換もその了承のもとに行われているということでございまして、手取り価格等に不
利益が生ずるものでは何らございませんので、今後他用途利用米の円滑な展開を図ってまいります上で、そういった事実
関係についてはよく農家にも説明し、納得を得た上で進めるように指導しておるところでございます。
なお、最後に冷害
対策につきまして、もっと早く的確な連絡をするようにという御注意につきましては、当方としても今後そのように行いたいと思っております。