○保岡
委員 今、我が党の
鈴木委員から北を代表していろいろ質問がされました。私は、南の方の
地域の者として若干の質問をさせていただきたいと思います。
今、質疑の中にもいろいろ出ておりましたけれども、
我が国の農産物の
輸入自由化、これは
さきの十二品目の交渉、
日米牛肉・かんきつ交渉などが決着をされまして、農産物の
輸入が急速に進行していくのではないだろうか、
我が国の
農業や農村
地域の経済に大変な影響を与えるのではないかということが懸念されて、農家も非常に心配をしておる。また国全体としても、このことについては将来どうなるかということについて、国民が関心を持っているところだと思います。
このような中で、農家が将来に対して希望を失うことがないように明確、適切な対策を講じて、それぞれの
地域で農家が将来の見通しを持って、先ほど
鈴木委員もおっしゃっておりましたけれども、一回しかない人生でございますから、本当に農家がその仕事に従事して将来やっていけるかどうかということのはっきりした見通しを持ちながら、
農業が産業として自立していけるような方向を計画的に
施策として進めていかなければならない大変な時期に今差しかかっているのではないだろうか、こういうふうに思うわけでございます。
そこで、私たちの
地域のカンショ、サトウキビについてでありますけれども、まずカンショについては、
さきの
日米農産物交渉の決着の結果、でん粉について
自由化は保留されたものの、トウモロコシの無税枠の拡大とか二次税率の引き下げなど
関税割り当て制度の運用緩和により、国内産でん粉及び原料用カンショ
生産に与える影響は非常に大きいものがあるというふうに思われるわけでございます。そういう意味で、カンショは御承知のとおり南九州の畑作
農業の基幹作物で、これにかわる他の作物がなかなかないということで、鹿児島、宮崎県を中心として二万七千ヘクタール栽培されて、畑地の二六%も占めているわけです。そしてこの
地域は、御承知のとおり台風、干ばつ、それから桜島の降灰の常襲、発生
地域で、輪作体系上も欠くことのできない土地利用型の作物であるだけに、その収益性が即
地域の
農業だけではなく、経済の状況にかかわってくると言っても過言ではない。
また一方、サトウキビも、沖縄県及び鹿児島県の南西諸島における基幹作物で、これもまた、なかなか他の作物に簡単にかわるといってもかわるものがない、唯一の基幹作物と言えるものであって、また
我が国の甘味資源の安定供給にも貢献をしておる。
南西諸島は、先ほど話したように台風、干ばつの常襲
地域で、ところが土地基盤整備が非常におくれておる。そして、機械化もおくれておる。これは後でもう少し詳しくお話も申し上げますけれども、農家が高齢化が進んでおる、しかも規模が非常に小さい、こういうような
生産性向上に大きなネックがあるわけで、この点について
政府も、お互いも一生懸命努力して取り組んで、それなりの成果を上げているところでありますけれども、しかしまだ十分な将来の展望が持てない状況になっております。こういうカンショ及びサトウキビの
地域の持つ特性があるわけでございますけれども、そういう特性を踏まえた上で若干の質問をさせていただきたい。
まず、
価格についてでありますけれども、カンショ、サトウキビ関連の行政
価格については、ここ二、三年連続して引き下げられてきた。先ほど
鈴木委員からも指摘されているとおりでございますけれども、これ以上の引き下げは、
牛肉・かんきつやブドウ糖等の
輸入自由化の
決定に伴い、ますます厳しい環境に迫られている南九州の畑作農家にとっては容易に受け入れられがたい、そういう非常に悲痛な声が上がっておった。
ところが、先ほど
大臣も
説明されましたカンショの
価格においても、ことしも切り下げが行われた。これは確かに、ことしのサミットなどにおいても、各国の首脳が、
農業に対する
補助、支出、あるいは支持
価格の切り下げ等を具体的に議論をしなければならないような国際環境にあって、なかなか大変だとは思うのでございますけれども、それにしてもこの
地域の実情を考えると、こういう
価格の引き下げが続いていくことは、非常に寒々とした
気持ちに農家がなっておるというのも現実であります。
そういう観点から、今度、来週にはサトウキビの
価格を決めることにもなろうと思うのでございますけれども、カンショあるいはサトウキビの
価格決定に向けての
政府の基本的な姿勢をまず伺わせていただきたいと思います。