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江田委員 大臣、これは私、口幅ったいことを余り申し上げたら失礼になるかと
思いますけれ
ども、我々、こういう
言葉が妥当かどうかわかりませんが、俗によく言われる
自由世界といいますか、
西側陣営というか、自由な
憲法というものを持っている国に共通する大変大切な大切な
憲法の
基本理念だというふうに言って差し支えないと思うのですよ。
人間というのは、もともと一人では生きていけないので、みんなで
一緒に助け合って生きていくようになりますね。お互いに足りないところを補い合いながら助け合っていく。そして、そこに
社会というものができたり、また公
権力、
国家というものもできてくる。しかし、その
社会とか
国家とかいうものは、そう簡単に一人一人の
人間を助けて
幸福追求のためにひたすら努力するというわけにはなかなかいかないのですね。そう理想的にはいかなくて、強い者が
権力を得て、これをむやみに使ったり、他を支配したり、そういうことになっていったり、あるいは
仕組みそのものがその中の
人間を支配するというようなことが起きてくる。そこで、
フランス革命とか
アメリカの
独立戦争とかで、
国家というものはその中に所属する一人一人の
人間に踏み込むのに、ここまでは踏み込んではいかぬのですよ、一人一人の
人間が
個人としてとうとばれなければならぬのですよ、こういうことを高らかに
宣言をして、
国家というものに
手かせ足かせをはめる、これがいわば
憲法の一番の
基本原則ですね。そこで、
基本的人権、
自由権というものが生まれた。イギリスにおいても、
王様は何をしてもいいというものじゃないのだ、こういう限度ですよと、いわば
国民の側が
王様にいろいろなかせをはめるのが
憲法。
私はちょうどたまたま机の上を見ていたらあったものですから持ってきたのですが、
アメリカ独立宣言で、
われわれは、次の真理を自明なものと考える。すなわち、すべての
人間は、平等に造られている。彼らは、その造物主によって一定のゆずり渡すことのできない
権利を与えられている。それらの中には、
生命、自由および幸福の
追求がある。これらの
権利を確保するために
政府(
国家)が
人間のあいだに設けられる。
政府の正当な
権力は、被治者の承諾に由来する。どんな
政治形体でも、これらの
目的に反するようになったときは、それを変え、または廃止し、
人民にとって彼らの安全と幸福をいちばん実現すると思われる原理に立脚し、また、そういう形式に
権力を組織する新らしい
政府を設けることは、
人民の
権利である。
こう
独立宣言に書いてある。
我が
日本国憲法では第十三条に、「すべて
国民は、
個人として尊重される。
生命、自由及び
幸福追求に対する
国民の
権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、
最大の尊重を必要とする。」こういうことが書いてあるわけで、まさにこういう
個人の自由とか
個人の
尊厳とかというものは
憲法上の
最大の
要請であって、そこからこういう
自分のことをむやみに人に知られたくないんだ、
自分のことが人に知れ渡っていろいろな干渉を受けたくないんだという
個人の
思いを
憲法上の
権利として保障して、これを守っていこうという、そういう国の根本に我が
日本国の場合もなっているんだ、こう
理解をして、そこからこういう
個人情報保護法といったような
制度が必要になってきているんだと思うのですが、これは
大臣、どうですか。