○泊
説明員 お答えいたします。
三点ほど
お尋ねであったろうかと思います。まず第一点の、学校における成績の評価あるいは入学者選抜に関する
事項の
開示請求についての問題でございます。
これは
先ほど総務庁の方からもお答えがございましたように、私
どももいろんな角度から
検討いたしてみましたが、やはり学校における成績の評価というものにつきましては、基本的には教師と
学生生徒との
信頼関係のもとで教育的な見地で行われるべきものであろう。そういったことを考えますと、学校内における成績の評価といったようなものもさまざまなものがございます。中には指導上の内部資料といったような性格もございますので、本
法案において他の
個人情報等と一律にこういったものをいわば権利義務関係といったような形で取り扱うのはいかがなものであろうかということで、御案内のとおり、この学校の成績に関する
事項につきましては
開示請求の対象外ということにされているところでございます。
同様な意味合いで入学者の選抜の問題につきましても、これもまた先生御案内のとおり、入学者の選抜に当たりましては、例えば調査書であるとか面接であるとかあるいは学力検査、あるいは専攻等によっては実技試験といったようないろんな形での基礎的な
データを総合的に判定して合否を判定していくという作業でございます。これにつきまして、例えば今申し上げました内申書あるいは面接といったようなものにつきましてこれを本人に
開示をするということになりますと、これまた学生生徒の人格形成上あるいは教育効果の上でも必ずしもいい結果だけにはならないといったようなおそれもございます。かつまた、学力検査等について考えてみますと、その素点あるいは順位というものを
開示してもいいではないかという御議論があることは承知いたしておりますが、今申し上げましたように、学力検査というのはいろんな形での
データのいわば総合的な判断の一
部分ということになりますと、御案内のような受験競争が過熱化している今日の
状況を考えますと、いわばその判定の一
部分の材料をもって入学選抜における評価そのものというふうにもとられかねないといったようなことを勘案いたしまして、やはりこれもまた本
法律案における一律の
開示請求という形での
処理はいかがなものであろうかということで、御案内のような案になっていると承知いたしているところでございます。もちろんこれは、各学校が教育的見地に基づいて慎重な対応のもとにそれぞれの
情報といったようなものを本人に
開示をするということまでも禁止するものではないというふうに理解をいたしております。
あわせまして、順番が前後いたしますが、
お尋ねのございました共通一次関係でのいわゆる素点を公表したらどうかという
お尋ねでございますが、この件につきましても、御案内のとおり共通一次そのものもまた個別の各大学におきます学力検査の一
部分でございます。そこで、その性格等につきましては、今申し上げましたような点でやはりいろんな問題があるといったようなことがございます。この点につきましては御案内のとおり、この共通一次についていろんな形で調査研究を進めてまいってきております国立大学協会におきましても、この共通一次の導入に当たりまして同じような
考え方の調査レポートをまとめております。これはまさに今申し上げましたように、共通一次といえ
ども入学試験の一部である、そこでこれらを本人に通知するということになりますと、一
部分が全体の結果というように受け取られるおそれもある、かつまた大学あるいは高校間の格差を助長するおそれもあるといったようなことで、これについては差し控える方が適切であるといったような調査レポートがまとまっているところでございます。
これまた
昭和六十五年度から国立大学以外に国公私立を通じた新しい大学入試センター試験というものも想定をいたしておりますが、この件につきましても、私
どもで学識経験者等による調査研究協議会を開いて、そこの最終報告等におきましても、同様な
趣旨で、当面本人への素点等の通知を行わない方が適切であるといったような報告をいただいているところでございます。私
どもとしては、やはり事柄の性質上、これらの報告の
趣旨を踏まえまして慎重な対応をする方がいいのではないかというふうに思っている次第でございます。
それから三番目の点の
お尋ねでございます。現在行われております共通一次関係のコンピューター
処理等における
保護の
状況等はいかんという
お尋ねであろうかと思います。
現在大学入試センターは、共通一次試験にかかわります受験生の氏名、生年月日あるいは出身高校等のいわば出願資格といったようなもの、それから各教科科目別の得点あるいは総得点といったような
情報を電算
処理のために入力をいたしているところでございます。これらの点につきましては、まずこの使用につきましては、文字どおりその国公立大学から自分のところの受験生にかかわる共通一次における成績の提供を求められる場合以外は、その
情報については提供を一切いたしておりません。ただ、内部で入学試験の
改善業務等のための調査研究といったようなものについて、
所要の
管理のもとに調査研究を行うためにその使用を認めている、こういう
状況でございます。
これらにつきましては、もちろん集計段階でダブルにエラー等のチェックシステムを設けますとともに、
管理あるいは保存の体制につきましても、保存期間でありますとか
管理責任者でありますとか、あるいは廃棄の際の手続でありますとか、いわばこれらの
情報が不用意に
目的外に流れるということのないよう十分な体制をとっているというふうに承知をいたしているところでございます。