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1988-08-30 第113回国会 衆議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年八月三十日(火曜日)     午前九時四十五分開議  出席委員    委員長 竹中 修一君    理事 近岡理一郎君 理事 月原 茂皓君    理事 戸塚 進也君 理事 前田 武志君    理事 宮下 創平君 理事 田口 健二君    理事 竹内 勝彦君 理事 和田 一仁君       有馬 元治君    宮里 松正君       武藤 嘉文君    村井  仁君       谷津 義男君    角屋堅次郎君       広瀬 秀吉君    井上 和久君       鈴切 康雄君    川端 達夫君       浦井  洋君    柴田 睦夫君  出席国務大臣         国 務 大 臣        (内閣官房長官) 小渕 恵三君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 高鳥  修君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 田澤 吉郎君  出席政府委員         人  事  官 佐野 弘吉君         人事院事務総局         管理局長    菅野  雄君         人事院事務総局         給与局長    中島 忠能君         人事院事務総局         職員局長    川崎 正道君         総務庁長官官房         長       山田 馨司君         総務庁人事局長 勝又 博明君         防衛庁長官官房         長       依田 智治君         防衛庁防衛局長 日吉  章君         防衛庁教育訓練         局長      長谷川 宏君         海上保安庁警備         救難監     邊見 正和君  委員外出席者         大蔵省関税局管         理課長     川  信雄君         文部省初等中等         教育局小学校課         長       菊川  治君         運輸省海上技術         安全局総務課長 野間 耕二君         自治省行政局公         務員部公務員第         二課長     佐藤  信君         自治省行政局公         務員部給与課長 松田 研一君         自治省財政局地         方債課長    松本 英昭君         内閣委員会調査         室長      岩渕  静君     ───────────── 委員の異動 八月四日  辞任         補欠選任   井上 和久君     大久保直彦君 同日  辞任         補欠選任   大久保直彦君     井上 和久君 同月六日  辞任         補欠選任   井上 和久君     大久保直彦君 同日  辞任         補欠選任   大久保直彦君     井上 和久君     ───────────── 八月十二日  スパイ防止法制定に関する請願塩崎潤紹介)(第五八号)  同(奥野誠亮紹介)(第一八五号)  同(塩崎潤紹介)(第一八六号)  同(塩崎潤紹介)(第二二一号)  同(橋本龍太郎紹介)(第二三二号)  傷病恩給等改善に関する請願野呂田芳成君紹介)(第一〇〇号)  同(海部俊樹紹介)(第二二二号)  同(井出正一紹介)(第二二八号)  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願(村岡兼造君紹介)(第二二〇号) 同月十八日  国家機密法制定反対に関する請願柴田睦夫紹介)(第三六〇号)  同(浦井洋紹介)(第四二二号)  同(児玉健次紹介)(第四二三号)  同(柴田睦夫紹介)(第四二四号)  同(田中美智子紹介)(第四二五号)  同(寺前巖紹介)(第四二六号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  公務員制度及び給与に関する件(人事院勧告)      ────◇─────
  2. 竹中修一

    竹中委員長 これより会議を開きます。  公務員制度及び給与に関する件について調査を進めます。  まず、去る四日の一般職職員給与改定に関する勧告寒冷地手当の額に関する勧告並びに一般職職員週休二日制及び勤務時間制度改定に関する勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。佐野人事官
  3. 佐野弘吉

    佐野政府委員 御説明申し上げます。  人事院は、去る八月四日、国会内閣に対し、公務員給与に関する報告及び勧告週休二日制等に関する報告及び勧告並びに寒冷地手当に関する勧告を提出いたしました。本日、早速勧告内容について御説明申し上げる機会が与えられましたことに厚く御礼を申し上げます。  以下、その概要を御説明申し上げます。  まず初めに、給与勧告内容について御説明いたします。  公務員給与改定に当たっては、人事院は従来から社会経済情勢動向、各方面意見等を踏まえながら、民間賃金との均衡を図ることを基本として臨んできております。本年も、民間賃金の精密な調査はもとより、民間企業経営努力等についても幅広く調査するなどさまざまな角度から検討いたしました。  民間企業状況について見ると、変動著しい環境のもとで多様な経営努力が行われていることが認められる一方、賃金改定についてはほとんどの企業において実施されていることが確認されました。また、同じ一般職国家公務員である四現業の職員についても、国営企業労働委員会により民間賃金動向を重視した仲裁裁定が行われており、これらの事情をも含め総合的に勘案した結果、本年も従来どおり職員給与について民間賃金との均衡を図るための改定を行うことが必要であると認め、勧告いたしました。  本年も四月時点における官民給与を精密に調査し、相互の給与を厳密に比較いたしましたが、その結果、官民給与較差は、金額で六千四百七十円、率で二・三五%であることが判明いたしました。  この較差の配分につきましては、俸給に五千五百八十四円、二・〇三%、手当に五百三十九円、〇・二〇%、この改善手当へのはね返り三百四十七円、〇・一二%といたしております。  まず、俸給表については、民間初任給傾向等をも考慮して初任給改善を図るとともに、若年層及び中堅層にも配慮しつつ全俸給表にわたって金額改定を行っております。  次に、手当につきましては、民間における支給状況等を考慮し、扶養手当及び住居手当の額について改善を行い、その他医師の初任給調整手当についても必要な改善を行っております。  具体的に申し上げますと、扶養手当について、配偶者に係る手当額を千円引き上げ月額一万六千円に、配偶者のいない職員扶養親族のうち一人目に係る手当額を五百円引き上げ月額一万五百円に、また、住居手当について、借家・借間居住者に係る最高支給限度額を三千円引き上げ月額二万一千円とするなどの改善を行っております。  なお、扶養手当については、子、孫及び弟妹について満十八歳に達した日以後その年度末まで支給できるよう改善することといたしております。  特別給については、公務員の期末・勤勉手当年間平均支給月分民間のボーナスの年間支給月分とがほぼ均衡しているので、四・九カ月分として据え置いております。  実施時期については、本年四月一日からとしております。なお、扶養手当のうち子、孫等年齢要件の緩和に係る部分については、来年四月一日からといたしております。  本年は、このほか、寒冷地手当について、最近における灯油価格下落等を踏まえて、加算額について減額の改定をするよう勧告いたしております。なお、実施時期については、来年の基準日からといたしております。  次に、週休二日制及び勤務時間制度報告及び勧告内容について御説明いたします。  本年五月三十一日の閣議行政機関における月二回の土曜閉庁導入決定され、そのための準備が進められているところでありますが、今回の勧告は、この土曜閉庁導入に対応する職員週休二日制の実施方法改定等内容とするものであります。  現在、国家公務員週休二日制は、四週間につき二の土曜日の勤務時間を勤務を要しない時間として職員ごとに指定して休みとするという、いわゆる開庁方式による四週六休制実施されておりますが、土曜閉庁実施に合わせて、四週六休制により休みとなる土曜日は日曜日と同様に勤務を要しない日とすることといたしております。なお、交代制勤務職員閉庁できない部門の職員については、必要に応じて弾力的な運用ができるようにすることが適当であると考えております。  また、職員休日数の確保や実勤務時間の短縮のため、さらに閉庁方式による四週六休制を円滑に実施するため、勤務を要しない日に勤務させる場合の振りかえ制度導入することといたしております。  実施時期につきましては、土曜閉庁実施に合わせて実施することといたしております。  また、今回の報告の中では、公務員完全週休二日制の実現についても言及しております。  週四十時間労働制を掲げた労働基準法の動きや本年五月に策定された経済運営五カ年計画における労働時間短縮目標等を考慮し、職員の資質の向上、健康の維持を図る観点から、職員週休二日制、勤務時間短縮は、行政サービスに配慮しながら積極的に推進する必要があることを述べております。  そして、職員完全週休二日制については、民間における週休二日制、労働時間短縮動向、来年二月から予定されている金融機関の完全土曜閉店等動向、さらには土曜閉庁国民生活への影響定着状況を見きわめつつ、国全体の労働時間短縮計画期間内における速やかな実現目標に、政府全体として計画的に条件整備に取り組む必要があるとの認識を示しております。これにあわせて、長時間の超過勤務について、これを縮減する必要があるとの認識を示し、各関係者改善のための一層の努力を求めております。  本院は、今回の勧告に当たっても、公務員勤務条件について、中央地方を通じ広く各界との意見交換を行いましたが、表明された意見を見ると、業務の合理化効率化サービス向上については一層徹底する必要がある旨指摘する意見が見られる一方、現行の民間準拠による給与決定方式については適切なものと評価し、また、公務員閉庁方式による週休二日制については積極的に推進すべきであるとの意見が多くありました。  以上、給与及び週休二日制等報告及び勧告概要を御説明申し上げました。  人事院勧告は、申し上げるまでもなく、労働基本権制約代償措置として行われるものであり、国家公務員法の定める情勢適応の原則に基づき行うものであります。  本院といたしましては、職員に対し適正な処遇を確保することは、職員士気を高く保持し、職場の労使関係の安定に寄与するとともに、公務に必要な人材を確保し、ひいては将来にわたる国の行政運営の安定に資するものであると考えております。  内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割及び職員行政の各分野において真摯に職務に精励している実情に深い御理解を賜り、何とぞこの勧告のとおり早急に実施していただくよう衷心からお願いをいたすものであります。  以上でございます。      ────◇─────
  4. 竹中修一

    竹中委員長 この際、新たに就任された田澤防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。田澤防衛庁長官
  5. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 このたび防衛庁長官を拝命いたしました田澤吉郎でございます。委員長初め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。  内外の情勢が厳しいこの重要な時期に、国家存立基本にかかわる我が国防衛という大任を担うこととなり、その責務の重大さを痛感いたしております。  私は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、日本国憲法に従い、国民理解のもと、着実な防衛力整備実施日米安全保障体制信頼性向上に最善を尽くす所存であります。  また、先般の海上自衛隊潜水艦民間船舶衝突事故で多数の方々のとうとい生命が失われましたことに深く思いをいたし、このような痛ましい事故が二度と起こることのないよう万全の措置を講じ、今まで以上に国民に信頼される真に精強な自衛隊を育成していくため、全力を傾注いたしたいと考えております。  本委員会におかれましては、多年にわたり防衛問題に真摯に取り組んでこられ、防衛行政の推進に御尽力いただいてまいりましたが、今後ともなお一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。(拍手)      ────◇─────
  6. 竹中修一

    竹中委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口健二君。
  7. 田口健二

    田口委員 私は、まず冒頭に、給与担当大臣であります高鳥総務庁長官お尋ねをいたしたいと思います。  先ほど佐野人事官の方から本年の人事院勧告概要について御報告があったわけでありますが、この人事院勧告に対して給与担当大臣である高鳥長官の御見解、実は昨年の十二月九日に私は本委員会において長官のこの問題に対する基本姿勢についてお尋ねをいたしましたし、その際にも明確な御回答をいただいておるわけであります。もちろんそういう基本的な態度というのは変わっておらないと思いますが、今回の勧告を受けて一体これからどのように対応していこうとされておるのか、もちろん完全実施は言うまでもないと思うのでありますが、その辺について長官の御見解を承りたいと思います。
  8. 高鳥修

    高鳥国務大臣 田口委員お答え申し上げます。  先刻、人事院の方から勧告内容につきまして詳細な御説明をいただいたところでありますが、この勧告は今回八月の四日にいただいたわけでありますけれども政府といたしましては八月の五日、 翌日でありますが、直ちに給与関係閣僚会議お願いいたしました。そこで勧告内容について御報告を申し上げまして、御検討をいただいたところであります。  総務庁といたしましては、人勧制度は、ただいま人事院側からも御説明がございましたが、労働基本権制約代償措置として行われるものであるということ、並びに良好な労使関係維持、さらには職員士気向上生活への影響等々を配慮いたしまして、勧告が完全に実施される、しかも早期実施されることが必要である、このように考えておるところであります。したがいまして、この第一回の給与関係閣僚会議におきましても、私から完全実施をいたしたい、かつまたできるだけ早期実施をしたいという旨の発言をいたしておるところでありまして、今後速やかな検討を期待しているところであります。
  9. 田口健二

    田口委員 今お考えを承ったわけでありますが、重ねてお尋ねをしたいと思うのです。  人事院勧告完全実施という問題については、この三十年来公務員労働者の最大の願いでもあり、今日までの経過を見ますと、いろいろな紆余曲折もありましたし、一進一退というものもありましたが、この二年ほどは完全実施というものはほぼ定着をしたと一般的にも言われておるわけですね。ただ、そこで一つ残るのは早期実施の問題なんです。これは長い間公務員労働者がそのことを要求し続けてまいりましたが、八月に人事院勧告が出される、そして秋になってようやく閣議決定がなされる、その時期に国会が開かれておるかおらないかという問題もあるのでありますが、通常においては早くて年末、場合によっては年を越す、こういうパターンが従来からも繰り返されておるわけです。したがって、民間やかつての公労協労働者に比べますと、実際に賃上げの額が本人の手元に入るのは半年おくれ、あるいは人事院調査による積み残し等を考えてみれば一年半おくれということすら言われてきておるわけですね。ですから、今日、早期完全実施というのが公務員労働者にとっては大変重要な問題なんです。  そこで、今、臨時国会が開かれておるわけですから、当然私はこの臨時国会給与法改正案提案すべきではないか、ちょうどいい時期に来ているのではないかと考えておるのでありますが、長官、その辺についてはどうでしょうか。
  10. 高鳥修

    高鳥国務大臣 法案提出につきましては、官房長官の方の御判断を仰がなければならない点があろうかと思います。なおかつまた、国の行財政全般についての検討を煩わさなければならないということで、従来三回ないし四回の閣僚会議お願いしているという経緯がございます。これらの経緯を踏まえながらも、私どもといたしましては完全実施早期にできるようにお願いをしたいというスタンスで取り組んでおるところでございます。
  11. 田口健二

    田口委員 それでは、小渕官房長官お尋ねをいたしたいと思いますが、今総務庁長官の方からは積極的な御見解も賜ったわけでありますが、長官はかつて給与担当大臣も御経験なさったというように伺っておるわけであります。改めて官房長官としてこの人事院勧告に対する基本的な姿勢、そして今総務庁長官の方からもお話がありましたが、今後の閣議決定見通し、そして最前私が申し上げましたように、今臨時国会法案を提出することができないのかどうか、その辺の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。
  12. 小渕恵三

    小渕国務大臣 人事院勧告につきましては、従来から、申すまでもありませんが、労働基本権制約代償措置として尊重する基本姿勢に立って対処してきたところでございますが、国政全般との関連におきまして各方面から検討する必要がございますので、勧告取り扱いにつきましては、ただいま高鳥長官が申されましたように、給与関係閣僚会議を開催いたしまして政府としての基本方針決定することに相なっております。  そこで、この決定の時期あるいは給与法改正案国会提出の時期につきましては、給与関係閣僚会議を今後回数を重ねて実施をしながら国政全般にわたりまして各方面の御意見を聞かなければなりませんので、大変申しわけありませんが、今日の時点でいつ提出するかということにつきましては申し上げられないわけでございますが、いずれにいたしましても、政府としても冒頭申し上げましたように「基本的な姿勢はこれを積極的に、勧告につきましても過去数年実施をいたしてきたという経緯にかんがみましても、実施していかなければならぬことだとは考えておりますが、できる限り早く結論を得たい、こう思っております。
  13. 田口健二

    田口委員 基本的な姿勢はそういうお答えで結構だと思いますが、昨年の例で考えましてもやはり閣議決定が十月後半になる、こういうことではまた例年どおりということになるわけでありますので、できればことしは早期完全実施という点についてさらに一層の御努力官房長官並びに総務庁長官に御要望申し上げておきたいと思います。  そこで、総務庁長官にもう一つお尋ねをしたいのでありますが、先般の本委員会でも随分いろいろ議論をいたしまして、長官のお考えも積極的な形でいただいたわけでありますが、いよいよ土曜閉庁ですね。その後閣議で来年一月から実施をされる、こういうことが決定をされたというふうに聞いておるわけでありますが、そういうことになりますと、この前の長官お答えの中でもそうなんでありますが、やはりある程度の準備期間というのが必要になってくるわけですね。国民に対する周知あるいは内部的なそれぞれの準備、こういうことから考えますと、今開かれておるこの臨時国会に土曜閉庁に関する法案提案をし、ここで決めなければ、来年一月一日からの実施というのは不可能だというふうに私は思うのですね。  そこで、土曜閉庁法案について今どういう作業といいますか準備の過程にあるのか、今国会提案ができるのか、それと同時に、中身がどういうことになるか、名称もわかりませんが、どういう形式でもってこの法案というのがつくられていくのか、この概要といいますか中身についてわかっておればあわせてお答えをいただきたいと思います。
  14. 高鳥修

    高鳥国務大臣 土曜閉庁法案につきましては、ただいま鋭意検討準備作業を進めておるところであります。一応法案関係につきましては、当庁関係といたしましては、行政機関の休日に関する法律案並びに一般職職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案、この二本立てになるのではないかと考えております。そのほかに、法務省あるいは自治省からもそれぞれ一本ずつ提案をされるのではないかというふうに考えております。  準備状況内容でございますが、まず行政機関閉庁、つまり行政機関が休日となる日を明らかにするということとともに、行政機関に対する申請、届け出等期限行政機関の休日に当たった場合期限を繰り延べるという内容の特例を設けることとするわけでありますけれども、これの関係件数が非常に多うございます。それらを附則で定めることといたしておりますが、その内容の洗い出し、突き合わせになお時間を要しておるというのが今日の状況であります。  法制局と鋭意協議中でありますが、御指摘のように、私といたしましてはぜひ一月実施をしたいということでかねがね表明をいたしておるところでありますけれども、そのためにはやはり相当前に具体的に法案が通っていなければならないであろう。考えられますケースといたしましては、もし今回の臨時国会提案をして御審議、成立がいただけるならば一月実施は可能であろうと思いますが、それよりもおくれるということになれば、一月実施はちょっと問題が起きてくるのではないかという懸念も持っておるところであります。したがいまして、私どもといたしましては鋭意法案作成作業を進めておるところであります。
  15. 田口健二

    田口委員 自治省もお見えになっておると思いますが、今、今年度人事院勧告に対するいわば国家公務員に対する対応についてそれぞれお答えをいただいたわけですが、当然地方公務員給与改定がこれに連動してくる、制度的にもそうなって おるわけでありますから。自治省としてはこの地方公務員給与改定について今後どのような手順でもって指導していこうとされておるのか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
  16. 松田研一

    松田説明員 地方公共団体給与改定につきましては、今後、各都道府県等人事委員会勧告等を踏まえて、各団体においてその取り扱い検討されていくことになると思われます。地方公務員給与基本的に国家公務員給与に準じて取り扱うこととされておりまして、昭和六十三年度の地方公務員給与改定につきましても、現在給与関係閣僚会議等で鋭意進められております国の人事院勧告取り扱いについての検討結果を待って、地方公共団体に対し所要の指導を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  いずれにいたしましても、自治省といたしましては、地方公務員給与改定につきまして、現下の地方財政の厳しい状況等をも勘案しつつ、勧告を尊重するという基本姿勢に立って誠意を持って検討を進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。  なお、国家公務員給与水準を不適正に上回っている団体等につきましては、給与改定に当たりまして必要な是正措置を講ずるようあわせて指導してまいりたい、かように考えているところでございます。
  17. 田口健二

    田口委員 いや、最後のところでちょっと私はひっかかったのですが、国家公務員水準を上回っているところについては改定に当たって適切な指導というか措置を講じていきたい、それは具体的に言ったらどういうことですか。
  18. 松田研一

    松田説明員 国家公務員給与水準を不適正に上回っているかどうかという点についてでございますが、私ども地方公務員給与水準につきましては、国家公務員との比較によりますラスパイレス指数というものを算定しているわけでございます。基本的にはそのラスパイレス指数というものを見ながら、なおかつ当該団体給与制度あるいは運用というものを見ながら、その程度が適正であるかどうかというものを考えているといったことでございます。
  19. 田口健二

    田口委員 抽象的でよくわからないのですが、時間がありませんから次に移ります。  地方公共団体の土曜閉庁について、先ほど国の場合は高鳥長官の方からかなり具体的なお考えが示されたわけですが、先般の委員会の中でも私この問題を取り上げて、地方公共団体の場合は国に比べて四週六休の実施状況も非常におくれておるのではないか、したがって、国が土曜閉庁ということになった場合に地方公共団体の場合には一体どういうことになるのかということに対して、自治省としては国におくれをとらないようにしていきたい、こういう回答もいただいておるわけですね。  そこで、現在の地方公共団体における四週六休の状況から、今後来年一月の土曜閉庁に向けて具体的にどういうふうに指導をしていこうと考えておられるのか、あるいは実施状況はどういう見通しを持っておられるのか、その辺をひとつお尋ねいたします。
  20. 佐藤信

    ○佐藤説明員 お尋ねがございました地方公共団体における現行の四週六休制実施状況でございますが、ことしの八月一日現在の調査によりますと、四週六休制実施あるいは試行している団体は合わせて全団体の六九・四%、約七割の団体になっておるところでございまして、このような四週六休制導入を行っている団体は月ごとに増加しているところでございます。  お話がございましたように、四週六休制は土曜閉庁を進める際の前提ともなるべきものでございます。ところで、先ほど国家公務員についてのお話がございましたように、地方公務員につきましても同じように積極的に土曜閉庁方式導入していくべきものというふうに考えているところでございます。そこで、地方公共団体におきましても土曜閉庁方式導入についてできる限り国家公務員均衡をとりながら導入することができますように、現在自治省といたしましても、その導入に必要な法的措置というような点について作業を進める、あるいは開閉庁の振り分けをどうするのか、行政サービスのあり方などについては、自治省の方で地方公共団体の土曜閉庁に関する研究会というのを設けまして、各界有識者の方々の御意見もお伺いをしているところでございます。  今後、これらの点も踏まえまして、各地方公共団体に対しまして円滑な導入ができるように、四週六休制状況がおくれているような団体についてはその辺の促進方も含めまして適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  21. 田口健二

    田口委員 それでは、ここで人事院に対して今回の勧告中身について二、三考え方をお聞きしておきたいと思います。  まず第一に、寒冷地手当が大幅に減額するという勧告がなされていますね。理由は勧告の中に書かれておるのでありますが、三七%というのですから私もちょっとびっくりしましたが、かなり大幅な減額の中身を持っているわけですね。このことによってどのくらいの人員が、国家公務員の場合しかわからないでしょうが、対象になっておるのか、あるいは今回の減額措置実施をされたということになれば、平均どのくらいの金額が減額になるのか、この辺がわかっておればお知らせをいただきたいと思います。  同時に、寒冷地手当のように地域の特性によってついておるような手当、しかもこれが長年にわたって実施をされているということになれば、もうある意味では本給の一部の中に入ってしまっている、そういう性格のものであろうと私は思うのですね。ですから、このような手当を減額する、もちろん減額するからにはそれだけの理由があると思うのですけれども、減額をするに当たってもやはり激変緩和といいますか、そのような措置、段階的に減額をしていくとかいうことを考えていくべきではないのか、このように思うわけでありますが、今後の問題もありますから、この辺についての人事院としての見解も承っておきたいと思います。
  22. 中島忠能

    ○中島(忠)政府委員 寒冷地手当についてお答えいたします。  今回の勧告がそのまま実施をされますと七万三千人の国家公務員がその対象となります。そして平均どの程度の減額になるのかということでございますが、今回の勧告加算額について減額しようとしておりますが、基準額の方は実は手をつけておりません。したがいまして、加算額と基準額をプラスいたしましたときに、例えて言いますと、札幌で勤務している国家公務員につきましてはおおむね一二、三%の減額になりまして、減額額としてはおおむね三万円じゃないかというふうに思います。本州の方で勤務している国家公務員、四級地、五級地に勤務している国家公務員につきましてはおおむね五千円から一万円、減額率といたしましては総体といたしまして四、五%の減額率ということになろうかと思います。ただ、加算額そのものを対象といたしますと先生がお話しになりますように三七%ということになりますが、そのことにつきましては全体として評価をすることもお考えいただきたいなというふうに思います。  最後の激変緩和の話でございますが、私たちは今回の減額に当たりまして、灯油というのが国際商品であるということをも考慮いたしまして、暖房用燃料価格の実効価格指数というものを計算いたしまして、その最近三カ年の指数を平均いたしまして三七%ということにしたわけでございますが、暖房用燃料の主流をなします灯油は、前回改定いたしましたときに比べましてもう五〇%を割って実は値下がりしております。したがいまして、そういう面も考慮いたしますと、結果的には相当な緩和になっておるのじゃないかというふうに思います。  なお、この実施につきまして、昭和六十四年八月三十一日に支給される寒冷地手当から適用するということをも考慮いたしておりますので、それらを総体的にお考えいただきまして御了解いただ けないものかというふうに考えております。よろしくお願いしたいと思います。
  23. 田口健二

    田口委員 次に、今度の勧告の中で新しい問題提起が一つ出されておるわけですね。それは単身赴任の問題です。  少し抽象的なのでよくわからないのですが、単身赴任の問題を今回の勧告の中に取り上げた真意というものをまず聞かせていただきたいと思います。そしてまた、勧告の中にあります、単身赴任者に対する具体的措置について検討を進めます、こういうことになっているわけですね。では、その具体的な措置というのは一体どういうことを考えておられるのか、この辺の状況についてまずお伺いをいたしたいと思います。
  24. 菅野雄

    ○菅野政府委員 お答え申し上げます。  単身赴任は、職員にとりまして経済的な面あるいは心身に与える面、こういう面で大変な負担になっておるということは承知いたしております。また、公務能率の影響の面から考えまして重要な問題であることも承知いたしております。したがいまして、人事院といたしましては、六十年以来官民につきまして実態を調査してきた次第でございます。この問題につきまして人事院といたしましては、報告の中で指摘してございますように、今申し上げましたような影響がございますので、単身赴任そのものを減少させていくということが肝要だとまず考えておるわけでございます。したがいまして、各省に単身赴任を減少さすということにつきまして御協力をいただきたい、こういう点を踏んまえまして報告いたしたのが一点でございます。  二点目といたしましては、今年度の民調において調べましたところ、転勤のある事業所の七七・九%が何らかの措置をやっておる。したがいまして、我々といたしましては、公務における単身赴任者の状況なり今申しました民間措置状況なりを考えまして、公務員における転勤の実態あるいは家族を伴って赴任した職員との均衡等を考えつつ具体的な措置を講じていくべき、あるいは講じていくように検討していく段階ではないか、このように考えたわけでございます。したがいまして、この問題に適切に対処するために各省の協力を得つつ、関係機関と連携をとりつつ、以上のような考え方を示すということで今回の報告に載っけたわけでございます。  具体的な措置につきましては、先ほど申しました民調におきましても転勤のある事業所の七七・九%が何らかの措置をとっておりまして、賃金による措置につきましては六〇・二%、賃金以外の措置をとっている事業所は五六・一%でございまして、その措置内容も帰宅旅費の支給であるとか、あるいは社宅上の配慮であるとか帰宅休暇とか、多岐多様にわたっておるわけでございます。それで、私どもの方といたしましては、単身赴任問題はその背景なり個別事情なり多岐多様になっておりまして、これらの措置に対応するためには民間状況を踏んまえまして、先ほど申しましたようないろいろな問題点をも考えつつ、関係機関と連絡をとりながら、経済的、精神的、生活面を含めまして多面多角に検討を進めていかなければならないと考えておるわけでございます。今まさに具体的な検討に入ろうという段階でございまして、現時点におきまして具体的な措置を申し上げるわけにはいきません。いましばらくお時間をいただきたい、このように考えております。  以上でございます。
  25. 田口健二

    田口委員 次に、今回の勧告の中でいわゆる完全週休二日という問題についてあのように触れられておるわけですね。この問題はかつて本委員会で私も幾つか意見を申し上げたのでありますが、ちょっと私が期待外れをしましたのは、職員局長の諮問機関かなんかだと思いますが勤務時間問題研究会というものが設置されまして、そこで種々論議をされておる中で、この研究会から完全週休二日についても六十五年度を目標にという提案があっているのですね。ですから私は、今回の人事院勧告についても当然そのような積極的な姿勢人事院側にあるのだろうと期待をしておったのです。ところが中身を見ますと、経済運営五カ年計画ですか、この中でということになりますと六十七年度なんですよね。これは人事院姿勢としては随分後退をしておるのではないか。もっとも六十七年度とは言っていませんから、その以内と言っていますからその前もあり得るのだろうと思いますけれども、この辺の経過は一体どういうことになっているのでしょうか。
  26. 佐野弘吉

    佐野政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、院内、職員局長の手元で当該委員会が非公式のもので設けられました。それで、御指摘のように、その答申の中で六十五年度から実施したらいかがかという御意見が大勢を占めたことも事実でございます。私ども院議におきまして慎重に検討いたしたのでございますが、御承知のように、先ほど来問題になっておりますように、土曜閉庁が六十三年度内、多分来年早々にも実施に入るということでございますし、また来年二月から全金融機関が完全閉店という状況が出てまいりますので、土曜閉庁国民生活、社会生活にどのように反応を示すか、受け入れられるか。あるいはまた全国的に金融機関が現在の月二回から毎週という形になりまして、大きな節目といいますか、かなりの影響国民生活の中に出てまいるのじゃないか。これは今日御承知のように、日本の特有の産業経済構造からいいまして、中小の企業週休制をとるのにいろいろの事情から非常にちゅうちょするところがございますが、このような状況になりますと恐らく全国的に中小企業においても人材確保その他の面から週休制に向かう、前進するということもあるいは容易に想像されるところかとも思います。私どもといたしましてはこれらの、来年に入りまして土曜閉庁ないし金融機関完全週休二日制等動向を踏まえながら、もう一つ慎重に完全週休制への前進を見きわめたい、このように考えがまとまりました。  したがいまして、ただいま御指摘のように六十七年でございますか、一九九二年までの国の経済運営五カ年計画あるいは労働省の労働時間短縮計画、またさらに労働基準法の改正というもの等に照応しながら、でき得べくんばこの計画期間の中でも速やかに実現をいたしたいという認識を今回の報告の中ににじませておるものでございまして、あるいは私個人の意見を申し上げさせていただければ、この計画期間内の六十七年以前にも社会情勢が成熟いたしますれば完全週休制に向かいたい、このように考えているのが大体の人事院の今日の考え方でございます。
  27. 田口健二

    田口委員 それでは時間もなくなってまいりましたので、最後に人事院お尋ねをしておきたいのですが、いわゆる土曜閉庁になりますとその土曜日が勤務を要しない日ということになるのだろうと思うのですね。そこで振りかえ制度というのが出てきているわけですね。これは従来私ども考えておりました代休制度なのか。職務の都合によってこの勤務を要しない日に職員が出勤をした場合に当然振りかえ休日という問題が出てくると思うのです。その勤務を要しない日に出勤をした場合に超過勤務手当といいますか休日給といいますか、そういうものは一体どういうことになるのでしょうか。これをちょっとお尋ねしておきたいと思います。
  28. 川崎正道

    ○川崎政府委員 ただいまお尋ねの代休制度でございますが、代休制度を新設することを今度の勧告で申し上げました趣旨は、できるだけ労働時間を短縮する、休みの日をふやすという趣旨からでございます。したがいまして、本来ならば勤務を要しない日に出勤を命ぜられた、これは公務の必要上やむを得ないでそういうことが起こり得るわけでございますが、その場合でもそのかわりの休みの日を確保するということを主眼として設けたわけでございます。したがいまして、休みの日に出勤してもかわりの日に休みをもらえるわけですから、その分超勤云々という話はないというふうに我々は考えております。
  29. 田口健二

    田口委員 その日が休日であってもそういうことになるのですか。
  30. 川崎正道

    ○川崎政府委員 現在我々が考えております代休 制度というのは、勤務を要しない日の振りかえ制度ということでございまして、勤務を要しない日というのは、我々の国家公務員法の体系におきましてはいわゆる閉庁土曜日それから日曜日ということでございまして、いわゆる休日、国民の祝日休日というのはそれに該当いたしません。したがいまして、休日に出勤した場合につきましては従来どおりの扱いになるわけでございます。
  31. 田口健二

    田口委員 残り時間が少なくなりましたので、私はここで人事院勧告から少しそれると思うのでありますが、公務員関係の労使問題について二、三お尋ねをしておきたいと思います。運輸省と自治省に来ていただいておりますので、その辺でひとつお尋ねをいたします。  それは、世に公営競技と言われる、地方公共団体実施をいたしておりますモーターボート競走事業であるとかあるいは競輪事業あるいはオートレース事業といったものがございます。私自身も、出身地でモーターボート競走事業が実施をされておりまして、若干の関係もいたしておりまして、そういうことからこの労使関係について今日まで若干かかわってきたわけです。この公営企業関係の労使問題で、ここに労使紛争というものが起こりますと特徴として非常に長期化をするという傾向が実はあるのです。なぜ長期化をするのかということを考えてみたときに一番大きな原因というのは、そういう公営企業に従事をしておる労働者に対する身分法というものが確立をしていない。それは労働組合法の適用になるのか、地方公務員法の適用になるのか、あるいは地方公営企業労働関係法の適用になるのか定かじゃないんですね。そして現状からいきますと、どの法律が適用されたにしても随分と矛盾が出てくるわけです。このことがこういう公営企業に従事している労使関係の紛争において非常に大きな障害になっておると思うのです。きょうは時間がありませんから、この問題について法律的な論争をやろうというふうには思っておりませんけれども、まずそのことを第一に指摘をしながら、具体的な事例について見解をひとつ聞いてみたいと思います。  広島県に宮島競艇というのがあります。これは、大竹市、大野町、宮島町、一市二町で競艇施行組合、いわゆる一部事務組合を設置して競艇事業を実施しているわけです。ここで定年制の問題についてもう既に三年近く労使紛争が続いているのです。私は現地にこの前、五月三十日に入りまして、関係者からいろいろ話を聞きました。もともとはこの宮島競艇の従業員の定年制というのは、五十四年に六十五歳ということで労使の間で協定ができておった。それを今度は施行組合、事業主体の方が、六十年の八月になっていきなり六十歳を打ち出してきている。そこで数カ月にわたる交渉が行われてきたのでありますが、なかなかうまくまとまらずに、理事者の方は一方的に六十歳定年を強行する、こういうことから今日なおまだ紛争が続いているわけですね。  まず、運輸省にお尋ねをしたいと思うのですが、現地に入りまして私が非常に異例に感じたことは、各県にそれぞれモーターボート競走会という実施をしておるところがございます。そのモーターボート競走会というものがこの労使問題に非常に関与をしている。私はこういう例というのは全国的にも恐らくないのではないかと思っております。そこで運輸省に、モーターボート競走会というものの性格、役割は一体何なのかということをまずお伺いしたいと思うのです。
  32. 野間耕二

    ○野間説明員 モーターボート競走会の性格でございますが、モーターボート競走会は、モーターボート競走の実施を目的として設立されました社団法人でございまして、施行者は競技に関する事務その他の事務につきまして、モーターボート競走会に委託することができるということになっております。それによりまして、モーターボート競走会は、出場選手、ボート、モーターにつきましての検査、それから着順判定、選手の管理その他の競技の運営に関する事務を行うほか、施行者とともに、競走の公正かつ安全な実施を確保し、あるいは競走場内の秩序を維持するという義務を有するものでございます。
  33. 田口健二

    田口委員 先ほど私が申し上げましたように、この広島県のモーターボート競走会というものが、労使問題に介入と言ってもいいでしょう、そういう事例というのはたくさん私も今持っているわけですがね。例えば今紛争が起きておる定年制の今回の問題についても、六十三年の五月六日にモーターボート競走会の会長の名前でもって正式に施行者に対して文書が出ておる。長いから読みませんけれども、その中にこういうことが書いてあるのですよ。スト禁止通告違反者の厳正な処分を予告どおり即時断行しなさいと書いてある。それから管理者との間の労使関係についていろいろ問題があるから、その後続くのですけれども、従来の交渉経過と交換文書の写しを正式に要求しますと書いてある。こういうことがモーターボート競走会の役割の中に入っているのですか。これはあくまでも労使問題に対する介入じゃないでしょうか。運輸省はこういう事実を知っておるのですか。そして一体どういう指導をやっておるのですか。お尋ねしたいと思います。
  34. 野間耕二

    ○野間説明員 宮島競走場におきまして、競走の公正及び安全な実施並びに競走場内の秩序維持を図るために、競走会と施行者が従来から競走の運営に関しまして種々協議をしてまいっておるわけでございます。そのような話し合いの中で、競走会が施行者側の労使紛争の内容の一部につきまして言及しておりますことについては私ども承知しております。これは競走会側としまして、労使紛争が長期化するということがモーターボート競走の運営にいろいろな影響を与えるということから、その早期収拾を願ってのことというふうに私ども考えておりますが、ただいま先生がおっしゃいましたように、一部適切さを欠いた対応というものも見受けられましたので、運輸省といたしましても、競走会から事情を聴取いたしまして、今後そういった問題については慎重に対応するように指導したところでございます。
  35. 田口健二

    田口委員 重ねてお尋ねをいたしますが、指導したということが言われましたけれども、具体的にどういう形でやられたのですか。もう少しその辺を詳しくお聞きをしたいと思います。
  36. 野間耕二

    ○野間説明員 直接には宮島におきますモーターボート競走を指導しておりますのは中国運輸局でございまして、そこで中国運輸局の方が今月の十二日に広島県のモーターボート競走会長を呼びまして、ただいま申し上げましたようなことについて指導いたしました。引き続き、今月の十九日でございますが、運輸本省の方にやはりモーターボート競走会長を呼びまして、いろいろ事情をお聞きいたしまして、それでただいま申しましたような指導をいたしまして、過剰な介入をしないようにということで指導したわけでございます。
  37. 田口健二

    田口委員 それでは、今度は自治省お尋ねしますけれども、宮島競艇の労使紛争が非常に長期化をしておる。基本的な問題は、当初私が申し上げました法律上の不備といいますか、ここに一番の問題があるのでありますが、もう一点、現地に入りまして私も関係者からいろいろと話を聞いたのですが、宮島の場合、一市二町といういわば一部事務組合方式でもって運営をされておるというところに一つ問題があると思うのです。  それは、この一市二町の自治体の長がそれぞれ二年交代で管理者あるいはそうでないときには副管理者という形で構成をしておるのですが、この三者の意見が一致しない。そのことを理由にして団体交渉などがどんどん引き延ばされていっている、回答が出てこない、あるいは一たん決まったことがもう翌日にはひっくり返っている。現実に、私が参りましたときに施行組合の方から出てきたのは、当時の管理者でありました大野町長だけなんですね。あと大竹と宮島の長は副管理者であって、全然出てこない。労使問題の一番中心に座っておるような事務局の事務局長以下だれ一人も出てこない全く異常な姿なんですよ。  それで、たまたまそのときは緊迫した状態がありまして、翌日にストライキが構えられるという経過の中で大野の町長と私ども話をしたのであり ますが、町長はみずから、これは話し合いでもって解決をしていきたい、ストライキなんかに入ることにならないようにしたい、誠意を持って話をしたいと言って話しているうちに、事務局の方で、組合がストライキを構えたからあしたのレースの開催は中止しますと午前中にやっているのですよ。町長にそういうことを知っているのかと聞いたら、いや私は知りませんと。こういう異常な状況というのがあるわけです。これが紛争が長引いておる状況だろうと思うのです。この事実を知っていますか、自治省
  38. 松本英昭

    ○松本説明員 御説明申し上げます。  宮島競艇の紛争の件につきまして、まず第一点は一部事務組合方式の問題を御指摘になったと思うのでございますが、公営競技の実施に当たりましては、その収益を均てん化させるという観点からできるだけ地方団体に共同で開催させる、これが一つの方針になっております。その一つとしていわゆる一部事務組合方式というものを従来からも進めてきておりますし、現在も進めておるわけでございます。先生今御指摘のような一部事務組合に関しましては、管理問題いろいろございます。ただ現実には、管理者は首長と同じような権限があるわけでございますけれども、やはりそこはそれぞれ首長さん同士でございますから、お互いに話し合って物を進めていくというようなことが慣行的に行われておりますし、そのことがまた直ちに悪いというわけでもないのではないかと私ども考えております。  宮島競艇の今回の問題につきましては、確かに先生御指摘のように、管理者と他の副管理者及び事務局との関係で必ずしも事務の連絡がスムーズにいっていない面もあったやに私どもも県の方からも聞いておりますけれども基本的には管理者、副管理者、そしてまた施行の業務に当たります者たちが集まって一つの方針を定めて、その方針に従って対策を講じていくという中において、ただいま申されましたように意思の疎通がちょっと十分でなかった点もあったかと思います。ただ、事務局の方としては、既定の方針でもって進めていかなければ混乱が防止できないのではないかということで進めたというように私どもは聞いておるところでございます。
  39. 田口健二

    田口委員 そこで、自治省並びに運輸省に申し上げておきたいと思います。  この三年間の経過を見ますと、この宮島競艇の労使紛争の問題は今広島県地方労働委員会に提訴されて、そこで審問も行われておるわけですね。その中で、地方労働委員会委員長見解ということで、いわば一つの和解案が示された。内容的には組合にとっても必ずしも有利ではありません、和解案ですから当然一〇〇%ということにならないと思うのですが、一応それは組合側としては受け入れようというふうに決定をした。ところが施行者組合の方がそれを拒否をする。また地労委の方は、自主的な解決ができないなら労働委員会に任せてもらえないか、その調整にゆだねてほしい、こう言っている。組合側も、いろいろ問題がありますけれども、せっかくそういう話ですからじゃお任せをしましょうと言ったら、これも拒否をするのですね。そして、広島県の副知事があっせんに入っていったら、これまた拒否をするのですよ。こういうことをやっていたずらに紛争を引き延ばしている。これが民間企業、私企業ならいざ知らず、地方公共団体がやっているのですから。私はこんなことが許されてはならないと思うのですね。  ですから、その辺のことを、自治省としても労使問題でありますから直接介入して云々ということはできないと思いますけれども、相手は地方公共団体ですから、やはり自治省の立場としての責任を持った指導を強めていただきたいと思います。運輸省にしても、モーターボート競走事業というのを管轄しているわけですから、この事業が正常に行われるように、こういった三年間も労使紛争が続いておるというような不正常な状況を一日も早く解消するように、ひとつ積極的な指導というものをこの際特に要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  40. 竹中修一

  41. 井上和久

    井上(和)委員 ただいまお話がございましたように、人事院が今回、一般職国家公務員給与改定、あるいは土曜閉庁に伴う代休制度導入完全週休二日制の実施早期実現などを柱とした勧告をなされました。まず初めに、私は完全週休二日制についてお伺いいたしたいと思います。  政府は、対外貿易摩擦の緩和あるいは内需拡大という面から、労働時間の短縮ということについて鋭意取り組んでおられます。特に四月からの法改正によりまして、労働時間を週四十時間、当面四十六時間、こういうふうに短縮を進めておられます。また四週六休制、隔週週休二日制というのですか、これも導入をされております。こういうふうに鋭意取り組んでおられることはわかるのでありますが、まず六十五年度を目標国家公務員完全週休二日制を実施する、こういうふうな公務員問題懇談会などの緊急の報告があったというふうなことも聞いておるわけであります。しかし、今回の勧告では六十五年度というふうに明示をされておりません。これについて、私ども意見としては、ぜひそれを六十五年度と明確にするべきじゃないかというふうに思うのですが、お答えをいただきたいと思います。
  42. 川崎正道

    ○川崎政府委員 ただいまお尋ねのように、研究会の中間答申で、六十五年度に公務員完全週休二日制を実施すべきであるという御答申をいただいております。我々人事院といたしましても、公務員完全週休二日制をできるだけ早い時期に導入するということにつきましては、基本的にはそのとおりであるというふうに考えております。  ただ、公務員完全週休二日制を行いますためには、いろいろ配慮しなければいけない事柄あるいは必要な条件整備というようなことがございます。例えば民間における完全週休二日制の実施状況がどうなっておるか、あるいはまた来年の一月から予定されております土曜閉庁方式がどのように定着していくか、あるいはまた来年の二月から実施が予定されております金融機関等の完全週休二日制がどのように国民に受けとめられていくであろうかということを見定める必要がある。さらにはまた、我々は国民行政サービスを提供する義務があるわけですが、そういう行政サービスの提供のあり方についてどのような工夫をうまくしていくことができるであろうか、こういったようないろいろな問題につきまして十分に勘案していくということも必要であろうと考えております。したがいまして、我々といたしましては、ただいまお話にもございましたように、新経済計画で六十七年度までに週四十時間労働制を日本の国内で実施しようという目標がございますので、その六十七年というのは一つのタイムリミットであろう、遅くともその六十七年までには公務員についても完全週休二日制を実現していこうということを頭に置きながらも、そういう条件整備という問題がございますので、その条件整備をできるだけ早くやるという意味で「計画期間内における速やかな実現」という表現をもちまして人事院の気持ちをあらわしたわけでございます。条件整備さえできますならば、完全週休二日制はできるだけ早く実施できるのがいいというふうに人事院考えております。  したがいまして、これからできるだけ早く条件整備が整うように一層の努力を重ねまして、一日も早く完全週休二日制が実現できるように今後とも努力を重ねてまいりたい、このように考えております。
  43. 井上和久

    井上(和)委員 先進国の三十一カ国で週休二日制を完全実施しているというような状況でありますので、ぜひ取り組んでもらいたいというふうに思います。  人事院勧告は、言うまでもなく公務員労働基本権制約に対する代償措置であります。これは速やかに実施されるべきでありますが、まず、この人事院勧告に伴う関連法案はいつごろ提出されるか、官房長官にお伺いしたいと思います。また、その完全実施への決意をお伺いいたしたいと思い ます。
  44. 小渕恵三

    小渕国務大臣 政府といたしましては、給与関係閣僚会議におきまして、国政全般との関連を考慮しつつ勧告完全実施に向けて検討いたしておるところでございます。そこで、勧告をちょうだいいたしましてから早速関係閣僚会議を開催いたしましたが、従来の経緯にかんがみますと、やはりこの勧告完全実施いたしまするということに相なりますれば、当然のことながら財源を必要とすることでございます。やはり国民の皆さんの御理解がなくしては実施できないわけでございますので、慎重に閣僚会議を数回行いまして、その結論を得たいというふうに思っております。いずれにいたしましても、政府といたしましてもこの問題につきましては最重要課題だと心得ながら一日も早く法案の制定を企図いたしておりますが、なお現時点においては正確にその日時を指定することはできませんが努力をいたしてまいりたいと思っております。
  45. 井上和久

    井上(和)委員 政府国家公務員給与引き上げ方式を見直す、これに着手をするというふうなことを聞いております。言えば成績主義を本格的に導入するということであろうかというふうに思うわけでありますが、そのお考え、手順等内容につきましてお伺いをいたしたいというふうに思います。  それからもう一点は、人事院勧告制度を見直すというふうになってまいりますと、先ほど申しました労働基本権制約への代償措置というその性格が崩れてきはしないかというふうな憂いを持つわけでありますが、この二点につきまして、総務庁ですか……
  46. 勝又博明

    ○勝又政府委員 先生ただいま御指摘の件は、去る八月十七日の日経新聞の記事を指しての御質問かと思いますが、その記事に関しましては私ども総務庁の関知するところではございませんので、コメントは差し控えたいと思います。なお、記事に述べられておりますような給与引き上げ方式の見直しにつきまして、私ども総務庁検討に着手したという事実はございません。  なお、第二点の御質問でございますが、仮に成績主義を導入すると人事院勧告の趣旨が崩れるのではないかということかと思います。この日経新聞の記事の意図するところは必ずしも定かではございませんが、一般論として申し上げれば、既に現行制度上も昇給は職員勤務成績に応じて行われるという仕組みになっておるわけでございまして、政府としても従来から公務運営の活性化等のために勤務成績本位の人事運営の推進に努めてきているところでございます。また、これによって人事院勧告の趣旨が崩れるとは考えておりません。  いずれにしましても、総務庁といたしましては、労働基本権制約代償措置であります人勧制度を尊重するという基本姿勢には何ら変更はございませんで、今後とも公務員給与につきましては人事院勧告を最大限尊重して対処してまいりたい、かように考えております。
  47. 井上和久

    井上(和)委員 新聞記事云々でありますが、あれによりますと三段階に分けて云々とかなり詳しいことがありまして、私どもが読んだ範囲におきましてはすごいこと始まるなという感じがするのでありますが、お伺いをしますと全然それは関係がない話で、そんな事実も全然ないということであります。大変なことが出るものだなというふうに思っております。  次に、今回の勧告におきまして単身赴任の問題がございました。先ほども取り上げられておりましたが、これは約七八%の企業においては単身赴任者に対する対策がとられております。国家公務員に対する単身赴任対策というものは、今のところない。今回それが提案をされたということでありまして、いいことだというふうに私どもも思いますし、むしろ遅かったのじゃないかという気もするわけです。多面多角的に検討をいたすという御答弁がただいまございました。六十年からの調査であると思いますが、最大の単身赴任の原因というものはどこにあるというふうにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
  48. 菅野雄

    ○菅野政府委員 単身赴任の原因といたしましては、最大のものは教育問題であろうかと思います。この問題につきましては、文部省におきましても通達等を出しまして受験機会の拡大とか図っておるわけでございますけれども、なお文部省に対しまして、我々の方といたしましては、帯同赴任が可能になるような条件をつくっていただくという意味におきまして重ねて教育問題につきましてお願いをいたしておるところでございます。
  49. 井上和久

    井上(和)委員 今御答弁もございましたが、実は私の認識もそのとおりだと思います。単身赴任を、私の友達もたくさんいるわけですが、やはり子供の教育のためにという理由が非常に多かったわけです。したがいまして、このお話を聞くたびに、これは文部省の方でも図っていただかなければならない問題だと思うのですが、非常に受け入れというものが制度的にも難しいような状況になってございます。先般も、ちょうど今その時期でございましたが、高等学校をかわるあるいは中学校をかわるというときに、各県から県へまたぐときにその取り上げ方が大変難しくなされるという事実があろうかと思います。したがいまして、このことにつきましてぜひ文部省に対しましても強くその検討を依頼してもらいたいし、申し入れをしてもらいたい、こういうふうに私は思うわけであります。  そこで、角度を少し変えまして、週休二日制の件で学校を週休二日制にするというふうな話も実は今話題になっておるわけでありまして、この学校教育の週休二日制について具体的にどういうふうに考えており、どのように進んでおるのかということをお伺いいたしたいと思います。
  50. 菊川治

    ○菊川説明員 世の中の週休二日制への方向が進んできておるわけでございまして、学校教育もそれと切り離しては考えられないということでございます。  これまで教育課程の改定につきまして審議を進めてまいりました教育課程審議会におきまして、昨年の十二月に答申が出されたわけでございますけれども、その答申の中におきましても、世の中の動きを見ながら、学校五日制につきましては「幼児児童生徒の学校内外における生活に十分配慮しながら、これを漸進的に導入する方向で検討するのが適当である。」という御指摘をいただいておるところでございます。ただ、学校の場合につきますと、そのことに伴いまして児童生徒の教育水準がどうなるのかという問題もあるわけでございます。教育水準維持するとなってまいりますと、今度はまた子供たちの学習負担がどうなるかということもございます。さらには、土曜日休んだ場合に、家庭や地域におきましてその子供たちを受け入れる体制がどうなっておるのか、生活環境や生活行動がどうなるのかというふうな問題もあるわけでございまして、そういった点を総合的に勘案しながら、また六十一年の七月に総理府で学校五日制につきましての調査がございますけれども、そのときには五日制に何らかの形で賛成といいますのが二〇%前後であったというふうなこともございまして、国民理解も得ながらそれを進めていく必要があろうかというふうに思っております。  先ほどの教育課程審議会の答申では、そういうことを踏まえながらこれを漸進的に導入し、そしていつから、どのような形で進めていくかにつきましては、実験学校等を設けるなどして、その結果を踏まえながら検討すべきであるという指摘もいただいております。そういうことを受けまして文部省におきましては、そういった教育課程審議会の答申を踏まえながら検討を進めていこうということで、先般、七月の末でございますけれども、省内に教員の週休二日制・学校週五日制に関する省内連絡会議を設けまして、関係局長で構成しておるわけでございますが、その場で議論を進め、その検討結果を踏まえながら逐次その問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。
  51. 井上和久

    井上(和)委員 ちょっとこれは角度が変わるのですが、せっかくの機会でございますのでお伺い をしたいと思います。  八八年の防衛白書でございます。これが先日発表されました。その中で、各報道でもなされておりますように、例の潜水艦「なだしお」と第一富士丸との衝突事故というのが全くこの白書の中には出ていない。今、日本全国で最も大きな話題であったというのがこの事故でありますが、この白書の中にそれが全然触れられてなかったというのはどういう理由によるのであろうか、こういうふうに思うのは私一人ではないというふうに思います。それで、これをまずお伺いしたいと思います。  それともう一点は、防衛白書の中には防衛関係費の国際比較というのが今までずっとあったのですが、今度はそれがないわけでありまして、八五年云々というのがあるだけであります。この二点についてまずお伺いをしておきたいと思います。
  52. 依田智治

    ○依田政府委員 お答えいたします。  まず、「なだしお」の事故関係が全然触れてないではないかということでございますが、防衛白書は、毎年年末の予算編成、それから通常国会における相当密度の濃い防衛論議等を踏まえまして、それらの内容を盛り込みまして大体七月末から八月にかけて発行する。大体、一年間の変化というものを見る場合でも、国民の皆様がいろいろ見る場合に不定期にいろいろ時期がずれていますと非常に比較がしにくいというようなこともありまして、これまでちょっと調整がおくれて九月にずれ込んだというのは二回程度でございまして、ほとんどが七月末から八月に出しておる。そのためには、どうしても国際情勢なりいろいろ調整する件がございますので、六月の末日くらいで締め切って各省で調整さしていただくというようなことでございます。今回の白書も六月末日で締め切りまして、各省と調整の上、印刷して八月二十三日に発行さしていただいたということでございます。  この潜水艦の事件、七月二十三日の発生でございますが、現在なお海上保安庁、海難審判庁等において原因等を調査中でございます。防衛庁の当面の対策というのは先般八月二十四日に発表さしていただいたわけでございますが、まだこれは当面の対策でございます。そんなこともございまして、もしこれに本格的に取り組んで白書をつくるとなればまた相当大幅に待たなければいかぬ。その間にイラン・イラク戦争の停戦とか国際情勢の間でも触れなきゃならないいろいろな問題がございまして、数カ月間発行できなくなるというふうなこともございまして、ことしの場合六月三十日で締め切らしていただいた。ただ、その都度都度の事象につきましては、誠意を持って新聞その他を通じまして私どもは公表してまいる、こういう態度でおるところでございます。  それから、第二点の防衛費の関係でございますが、去年までミリタリーバランスの表、これが本文の方に載っておったわけでございますが、編集上の便宜で、本文にはエキスは書いてございますが、本文に資料の幾つに掲載してあるということを明記しまして資料編の方に移しておるということで、白書自体全体としてこれをネグったとかそういうことでございませんので、御了解いただけばありがたいと思います。
  53. 井上和久

    井上(和)委員 きょうは短時間でありますので時間がございませんから、端的にお伺いします。  あの潜水艦事故のときに、六百から七百メートル離れたところに第一富士丸を発見、衝突の危険を感じ右かじいっぱいを切った。午後三時三十八分に機関停止、後進いっぱいとしたが、同四十分衝突した。これは山下前艦長が供述をされましたことなんでございますが、そうやって言われておるのですが、これは間違いございませんか、確認をしたいと思います。
  54. 邊見正和

    ○邊見政府委員 現在そういった点も含めまして捜査中でございますので、十五時四十分が間違いないかどうかということについては答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
  55. 井上和久

    井上(和)委員 いやいや、調査中というよりも艦長がそういうふうに言われたのか言われてはいないのかということを聞いているのです。だから調査もくそもないと思います、それは。
  56. 邊見正和

    ○邊見政府委員 その件につきましても、海上保安庁といたしましては、捜査事項でございますので答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  57. 井上和久

    井上(和)委員 それでは、これはどうでしょう。「なだしお」は後進状態で衝突をしたのか、あるいは停止ないし前進の状態で衝突したのかというのはどうでしょう。
  58. 邊見正和

    ○邊見政府委員 時間的には非常に微妙な時間でございます。今のところ、その問題につきましての認識としては「なだしお」自体はまだ前進中であった、このように理解をしております。ただ発停の方はもちろん後進を発令して後進がかかっていたわけでございますが、行き足があって前進中である、このように考えております。
  59. 井上和久

    井上(和)委員 もう時間がありませんので、一つだけ最後にお聞きしておきたいと思います。  このようなまさにあってはならないような事故がございました。これは訓練から帰るときの事故でございました。それで私ども感じますのに、もしこれが緊急時に出動しておるときの事故であった場合、果たしてその同じような事故が起こったと仮定するならばどういうふうな措置をするのだろうかということを非常に憂えるというか、気持ちを持つわけでありますが、これについて、その対処の仕方のマニュアルといいましょうかそういうものを今検討されておるというふうに聞いておりますが、こういうことも含めまして現在の取り組んでおられる作業等をお伺いしたいと思います。
  60. 日吉章

    ○日吉政府委員 今回の事故のように、自衛隊の艦船とそれから他の民間の船舶とが衝突するというような事故が起こりました場合には、今回のように訓練の帰途ということではありませんで、例えばお尋ねのようにこれから訓練に出かけるというようなことでありましても、不幸にしてそういうふうな事故が起こりました場合には、救助、事故連絡等適切に行いまして、被害を最小限に食いとめるべく努力することはもう言うまでもないことでございます。  なお、事故対策につきましてのお尋ねがございましたが、これにつきましては先般、防衛庁限りでとり得る措置といたしまして、非常に船舶がふくそうしております地域におきます航行の安全対策、あるいは潜水艦も含めまして艦船が不幸にして事故を起こしました場合の対処し得る救難具等につきまして改善すべきものはないか、それら幅広く検討いたしまして、例えば六十四年度の予算要求で要求すべきものは要求をする、こういうふうな対応策をとらしてもらっておるところでございます。
  61. 井上和久

    井上(和)委員 「自衛官の心がまえ」という中にも「自衛官は、有事においてはもちろん平時においても、つねに国民の心を自己の心とし、一身の利害を越えて公につくすことに誇りをもたなければならない。」こういうふうに示されております。そういう精神にふさわしいような教育をしっかりとやってもらいたいと思うのです。また、このことにつきましては別の機会に議論をしてまいりたいというふうに思います。  ともかく今回の事故の教訓というものがしっかり生かされまして、すばらしい対策が立ちますように心から要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  62. 竹中修一

    竹中委員長 次に、川端達夫君。
  63. 川端達夫

    ○川端委員 まず初めに、給与勧告について一、二お伺いをしたいと思います。  人事院勧告の中の給与勧告が一昨年、昨年といわゆる五%条項というふうないろいろな議論がある中で、本年も勧告をされたということに関しては、まず評価をしたいというふうに思います。加えまして、当然といえば当然なんですが、一昨年に続いて昨年も政府においてその完全実施がなされたということについても、その努力に対して感謝を申し上げたいと思います。  ことしは二・三五%という、率でいいますと史上三番目の低率であるということでありますが、 政府におかれて、労働基本権制約の代償としての人事院勧告でありますので、ぜひとも早期完全実施を図られるべきだと考えますが、今回の人事院給与勧告に関しての感想とその完全実施に対して取り組む姿勢、決意のほどをまず官房長官お尋ねをしたいと思います。
  64. 小渕恵三

    小渕国務大臣 お答え申し上げます。  委員御指摘のようにことしも勧告がなされまして、政府といたしましては、その完全実施に向けまして国政全般との関連を十分考慮しつつ今検討いたしておるところでございます。  感想を述べよ、こういうことでございますが、人事院民間準拠にのっとりまして、すべてのデータを収集しながら人事院としての結論を得たわけでございますので、政府といたしましてはこれを十分受けとめながら対処いたしてまいりたい、このように考えております。
  65. 川端達夫

    ○川端委員 ありがとうございました。  今あらゆるデータを駆使してということで、その数字について若干お尋ねをしておきたいと思いますが、今回の勧告においても全国約七千七百の事業所、約五十三万人を対象に、層化無作為抽出による職種別民間給与実態調査をベースにして行った、こういうことなんでございますが、ここ数年の数字、データを調べてみますと、いわゆる調査事業所の数、例えば五百人以上の事業所数あるいはその割合、産業区分、例えば製造業等の数とかそれの占める比率というものが、当然でありますが毎年若干変化をしている。日本の経済自体も当然ながら日々刻々変化をしているわけでありますから、日本全体のそういう分布が変化をするというのは当然なんでありますが、調査の対象とする部分のその変化、占める比率というものと、いわゆる日本全体の部分というものに関しての対応はどういうふうになっているのか、あるいはどういうふうにウオッチをされているのか、お伺いをしたいと思います。
  66. 中島忠能

    ○中島(忠)政府委員 お尋ねの件は二つの問題があるかと思います。一つは、人事院の方が企業規模百人以上、事業所規模五十人以上というのを民調の対象にいたしておりますが、その妥当性というのが一つあろうかと思います。もう一つは、その内容、産業構造にマッチした事業所が選定されているのかという二つの問題をおっしゃっているんだと思います。  まず前者につきましては、我々が調査をし、勧告いたしましたその内容というのは、やはり国民全体から納得していただけるものでなきゃならぬということが非常に重要でございます。したがいまして、私たちは民間事業所のサラリーマンのどの程度の給与というものを把握して勧告しておるのかということに常に意を用いております。本年の場合で言いますと、民間企業の従業員のほぼ六〇%の方々の給与を把握して勧告することになったわけでございますけれども、そういうことで毎年行っておりますが、そういう方法を採用することによりまして、人事院勧告内容が広く皆さん方から理解をされ、また政府からも支持していただいて完全実施していただいておるのだというふうに思います。したがいまして、その点は非常に重要な点でございますから、私たちは今後とも企業規模、事業所規模というのは現在のものを維持していくべきじゃなかろうかというふうに考えております。  第二点の、日本の産業構造の変化に応じたように調査企業を選定しているのかという話だと思いますが、その点につきましても、毎年三月時点におきまして調査の母集団の選定に当たりまして、一年間の変化というものをよくよく私たちの方で調査いたしまして、母集団の選定に心がけておるわけでございます。これからもそういうことにつきましては、先生の御指摘もこれあり、私たちの方では毎年意を用いて調査をしていきたいと考えております。
  67. 川端達夫

    ○川端委員 日本の経済、産業自体がそういうふうに非常に変化をしていく中で、国民に納得の得られると同時に公務員の従事している方々の納得性というものも当然必要であります。今後ともそういう部分に関しての御努力をひとつお願いしたいと思います。  次に、今回の人事院勧告の中に、単身赴任問題について今後減少させるためにいろいろな努力をし、検討していきたいという趣旨のことが述べられていますが、現状として国家公務員の単身赴任者はふえているのか、余り変わらないのか、減っているのかということに関して、どうなんでしょう。
  68. 菅野雄

    ○菅野政府委員 お答えいたします。  六十年度の公務員実態によりますと、給与法適用者は五十万でございまして、その三・三%、約一万七千名が単身赴任者となっております。こういう状況でございますから、六十年からは若干はふえてきておるのではないかと思われます。
  69. 川端達夫

    ○川端委員 こういう単身赴任の問題は、公務員に限らず特に民間の方がいろいろな問題でここ数年間言われてきているわけですけれども人事院としては単身赴任が生じる理由をどういうようなものを考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  70. 菅野雄

    ○菅野政府委員 単身赴任問題につきましては、家族を帯同できないような状況というのがいろいろございます。まず先ほど御指摘いただきました教育問題が最たるものでございます。さらに共稼ぎ、それから両親の看護、あるいは持ち家管理の問題、こういう問題がございまして、ケースによりましてはそれらの問題がふくそうしておるケースがございます。
  71. 川端達夫

    ○川端委員 私も今おっしゃったような問題がほとんどであろう、家族を帯同できないというふうには思うのですが、そのときに人事院の方では、単身赴任を減少させていく、これは二つの方法があると思うのですね。一つは、今言われたような問題を解決していく。しかし、このおのおのの問題というのはそう簡単に解決できないというか、先ほどの御質問の中にも教育問題等々文部省に御努力いただきたいとかいうことはありますが、例えば共働きの場合あるいは老人を抱えておられる場合等々というのは、そう簡単にいかない。そういう中でこういう表現をされているということでいうと、もう一つの方法としては転勤しない、転勤をできるだけ少なくするということがある。それともう一つは、転勤しにくい人じゃなくて、しやすい人を転勤させるということがあると思うのです。  そういうふうにして、単身赴任を減少させるという表現を用いられているという意味で、現実にはどういうことをお考えなのか。転勤というものを、仕事を場所を変わってやるということに関しての、これは業務ですから、そういう部分に関するものと、こういう単身赴任等々の個々のいろいろな条件を配慮するという問題は、非常に重要な問題をはらんでいると思います。例えば、単身赴任というものが転勤に対して拒否できるのかできないのかという問題にもかかわってくることなので、こういう部分はかなりきっちりと整理をしなければいけないのじゃないかということに関して基本的な御見解をお伺いしたいのと、もう一つは、文脈を読んでみますといろいろな手当とか休暇とかの制度でバックアップしていこうということも考えておられると思うのですけれども、それは一方では単身赴任というものをある部分で言ったら是認というか認めた中でのことでございますし、当然ながら存在する限りは必要なことだと思うのですが、その分に関しての整理、単身赴任問題に関する基本的な取り組み姿勢というものを明確にしないと、非常に個々の論議に入ってしまうことになるのじゃないか、そうすると混乱を起こすのじゃないかと思いますので、その点だけ確認をしておきたいと思います。
  72. 菅野雄

    ○菅野政府委員 お答えを申し上げます。  転勤そのものにつきましては、業務上の必要から私どもの方といたしましてはこれは命ぜざるを得ないというケースがいろいろございます。転勤を命ずる際に、例えば転入学を配慮した異動時期にするとか、あるいは適当な準備期間を与えるとか、いろいろ工夫があろうかと思われるわけでご ざいます。私どもの方といたしましては今後、民間企業あるいは各省庁におきまして工夫なさっております、単身赴任を生じさせないあるいは帯同赴任がしやすい、そういういろいろな工夫につきましていろいろお聞きした上で、総務庁あるいは各省と御相談しつつ、先生のおっしゃったような基本的な考え方等についても慎重に検討してまいり、単身赴任問題について対処してまいりたい、このように考えております。
  73. 川端達夫

    ○川端委員 これからの議論ということでむしろ遅きに失したのじゃないかなという気もするのですが、ぜひともひとつよろしくお願いしたいと思います。  時間が非常に限られておりますので、次に週休二日制の問題について質問をしたいのですが、今回、長年の要請でありました週休二日制に対してかなり具体的に前進をする勧告をいただいて評価をしたいと思いますが、公務員週休二日制の目的あるいは意義というものはいろいろあると思うのです。国際的な条件もあると思いますが、そういう中で、総労働時間を短縮するということが非常に大きな意義ではないか、名目ではなく実総労働時間を短縮することが非常に大事なことじゃないかなというふうに私は思いまして、その一つの手段としてこういうふうなものが出てきたのではないかなと考えますが、閉庁方式で今回実施される。その閉庁方式に関して我々一昨年、昨年と主張してきたところでありますが、閉庁する、土曜日が休みであるということで純粋に仕事そのものがなくなってしまう、こういうものは比較的整理がしやすいわけですけれども、土曜日が休みになってもその分が残ってしまう仕事、そういうものを持ち越してしまう仕事というのが実質的にはほとんどであろうというふうに思います。そういう場合にどこかでその仕事量を吸収しなければ実際の時短にはならない。そういう意味で、時間短縮というものと要員という問題をどういうふうに位置づけるのか、どういうふうな基本的な理念を持ってやるのかということが非常に重要であろうと思います。この基本的な理念を総務庁にお伺いをしたいと思います。
  74. 勝又博明

    ○勝又政府委員 今回、四週六休制のもとでの土曜閉庁方式導入について私ども総務庁として考えておるわけでございますが、先生おっしゃいますように、土曜日役所を休んでも土曜日の仕事がどこかに回るんじゃないかというような御懸念も当然あろうかと思いますが、私どもといたしましては、四週六休制ないしは四週六休制の枠の中での土曜閉庁方式導入に当たりましては、国民の合意を得る観点からも新規の増員をいたさない形で、現行の定員の枠の中で実施を進めるという基本的な考え方に立っておるわけでございます。
  75. 川端達夫

    ○川端委員 原則的に増員をしないで仕事の合理化効率化、あるいは、不必要と言ったら語弊がありますが、仕事を整理していくということでおやりになるということは、そのとおり、それでいいと思いますが、一方で、原則的にはそうであっても、時代の要請によって、時代の変化によってどんどん仕事量がふえてきている部署もあります。そういう部署で、おのおの現場で懸命の努力をし合理化を図っていってもなおかつ要員をふやさざるを得ない部分があると思います。  きょうは税関の方に来ていただいていると思うのですが、概略で結構ですので、ここ数年の仕事の処理量、要員に関して実情どういうことになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
  76. 川信雄

    ○川説明員 お答え申し上げます。  税関の業務は、貿易の伸長、出入旅客の増加に加えまして、覚せい剤、銃砲等の社会悪物品の密輸取り締まりの強化等によりまして、年々増大かつ複雑化しているところでございます。このような税関業務の増大、複雑化に対処するため、従来から業務の重点化を図り、また機械化等による業務運営の効率化に努めてきておりますほか、税関職員の要員確保についても努力してきたところでございます。今後とも業務の重点化、効率化を図るとともに、厳しい定員事情の中ではございますけれども、税関業務の実情を踏まえながら、税関職員の定員の確保についても最大限の努力を払ってまいりたい、このように考えております。
  77. 川端達夫

    ○川端委員 懸命の御努力をされているのはよく承知をしておるのですが、そういうふうに時代の要請によって要員をふやしていかざるを得ないところで時短をするというときに、原則的に一人もふやさずに時短をするんだぞということで対応し切れない部署も出てくるのではないかと思います。先ほど原則的には要員増をしないということでしたけれども、そういう部署に関して弾力的なお考えをお持ちなのかどうかをお聞かせいただきたい。
  78. 高鳥修

    高鳥国務大臣 委員御承知のように、ただいま開庁のままで四週六休をやっておるわけであります。その四週六休の実施に当たりましても人員増を来さないということでやっていただきまして、今本格実施に入っておるわけでありますが、一応順調に実施されておる、そういう状況であります。  閉庁方式になれば開庁方式よりも人の面ではむしろ効率的に運用ができるのではないかと考えておりますので、総務庁といたしましては、全体の枠としては増員を来さないという中でやりくりしていただくようにして進めてまいりたい、このように考えておるところであります。
  79. 川端達夫

    ○川端委員 今試行のお話が出ました。試行状況はいろいろお聞きするところによるとほぼ順調に進んでいると集約されているということなんですが、これは実質的には土曜日が一カ月に二回分労働時間が短縮されている。その分の仕事がどこかで吸収できているかどうかということなんです。実総労働時間が試行前と試行後において変化したのかどうかということに関してはフォロー、調査されていますかどうでしょうか。
  80. 勝又博明

    ○勝又政府委員 四週六休制実施に伴いまして、週当たりの所定労働時間が四十三時間から四十二時間になったという意味での労働時間の短縮はございますが、いわゆるオーバータイム等を含めた総労働時間ということに関して言いますと、私どもデータを持っておりませんのでトータルとしての比較はできませんが、その所定労働時間の短縮に伴いましてそれなりの総労働時間の短縮もあったのではないかと期待をいたしております。
  81. 川端達夫

    ○川端委員 時間が来ましたので終わりますが、鶏か卵かという部分でのフレームを少なくするというのは、確かに一つの非常に大きな効果がある。しかし、仕事の中身という部分で言えば、実際にその仕事がなくなるという部分じゃなくて、残る、持ち越すという部分が実際に吸収されたかどうかというのは、時間外労働あるいは休日、年次有給休暇の消化、そういうふうなものを含めた実総労働時間の変化というものを追跡しなければ、実効が上がったかどうか判断できないと思います。そういう意味で、調べていないけれどもそういうふうになっているのじゃないかと期待をしておりますということではなくて、これからの一つの判断としてぜひとも実効が上がるために、目的は私もさっき言いましたように、形を整えるのじゃなくて、本当に実総労働時間を減らすということが目的のはずですから、ひとつその点、十分に御留意をいただきたいと思います。  時間が来ましたので終わります。どうもありがとうございました。
  82. 竹中修一

  83. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 今回、人事院勧告しました公務員給与改善率は二・三五%ですが、これは、政府が臨調行革路線に基づいて人事院勧告を凍結したり値切ったりしてきたこと、それから現在の公務員労働者生活実態からいたしましても、極めて不十分な水準であります。特に寒冷地手当加算額を約三七%引き下げるということは、寒冷地手当が長年にわたって生活費として家計の中に組み込まれているという実態を無視した手当の大幅引き下げであります。これに対して公務員労働者労働組合が不満を表明するのは当然であります。私は、給与官民比較の方法についてはなお問題があると考えるものでありますが、きょうは特別給、いわゆる民間企業のボーナスについての官民比較についてお伺いしようと思います。  まず、特別給官民比較の方法、官民比較はどのような方法で行っているのか、概要説明していただきたいと思います。
  84. 中島忠能

    ○中島(忠)政府委員 人事院といたしましては、毎年事業所ごとに、かつ職員作業員を分けまして特別給、いわゆるボーナスの支給実態と給与の支給実態というものを調査いたしまして、それを積み上げまして支給月数を出しておるということでございますが、調査の対象となります期間は六十二年五月から本年四月までということでございます。これを先生が問題視されているのじゃないかと思いますが、現在人事院ではそういうふうな調査をして毎年勧告作業に取り組んでおるところでございます。
  85. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 民間特別給が何カ月分かということを計算する方法といたしまして、人事院は、事業所単位で一人当たりの平均支給額を割り出して、これを毎月支給されるすべての給与で除して支給割合を算出するということでありますが、この月ごとに支給されるすべての給与の中には、例えば公務員に支給される通勤手当住居手当に相当するものは民間企業調査する場合に含まれているのかどうか、お伺いします。
  86. 中島忠能

    ○中島(忠)政府委員 それは含まれております。いわゆる所定内給与ということでございますので、含まれておるというふうに御理解いただいて結構だと思います。
  87. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 ところが、国家公務員の支給月数を出す場合は基本給与を基準にするということですが、この基本給与の中には通勤費や住居手当は含まれておりますか。
  88. 中島忠能

    ○中島(忠)政府委員 それは含まれておりません。
  89. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 そうしますと、特別給の月数を割り出す場合に、民間の場合は分母が多くなります。公務員の場合はこれに比べて、通勤手当住居手当が含まれませんから、分母が小さくなるわけです。そういうやり方でやるのですから、結局、月数は四・九カ月ということになっても、支給額は公務員の方が少なくなって、公務員の方が不利になるのではないかと思うのですが、どうですか。
  90. 中島忠能

    ○中島(忠)政府委員 官民特別給の比較を行います場合に、一番正確に行うためには、月例給与について行っておりますと同様にラスパイレス方式で比較するのが一番正確だということは、かねがねこの問題について議論があるたびに御説明しておるわけでございますが、残念ながら民間企業の方の資料の提供という関係もございまして、そのラスパイレス方式というのが実は採用できておりません。そこで、次善の策として先ほど申し上げましたような方法で官民比較を行っておるわけでございますけれども、ただ、この特別給官民比較に当たりましては、官民比較というものをきっちり行うのかというところに実は問題がございます。官民給与構造というものがそれぞれ異なることもこれは原因しておるわけでございますが、きっちり比較するのが非常に難しい。今先生がおっしゃいましたような問題もございましょう。あるいはまた、官民の間の役職段階の傾斜配分という問題もございます。そういう問題もございますし、先ほど私が少し触れましたように、職員作業員の差というのは民間においても特別給についてはきっちりとられております。そういうような問題を含めまして、官民の比較というものをきっちり行うのかどうかというところが一つの問題でございますが、私たちは、特別給というものの官民の性格の違いもこれはございまして、その間の比較をきっちり行うというのは今避けておるわけでございます。
  91. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 この報告の方を見ますと、結局、住居手当それから通勤手当はもう区分けしてちゃんと計算して、公務員の方とこういう差があるということをちゃんと出してあるわけです。これはもう去年の報告でもこれが出ているわけであります。そういう点から見ますと、結局この住居手当、通勤手当などを含んで分母にする場合としない場合とでは差が出てくるわけですから、これは公務員の場合が不利になっているというように見ざるを得ないと思うのです。そういう点、これからもっともっと検討していただきたいということを申し上げたいと思います。  次に、土曜閉庁の問題ですが、公務員労働者週休二日制を早期実現するということは当然であると考えております。その実施に当たっては、国民生活に支障を生じさせたり、あるいは公務員労働者労働強化を押しつけるということがあってはならないと思います。土曜閉庁に当たっては、国民の合意を得ることが必要であります。この点政府国民合意を得るためにどう対処しようとされるのか、大臣の御所見をお伺いいたします。
  92. 高鳥修

    高鳥国務大臣 土曜閉庁方式導入につきましては、昨年来各界各方面の御意見をいろいろ承ってきたところであります。一部には、役所は土曜、日曜も大いに開いてサービスこれ努むべしという御意見の方もないではなかったわけでありますが、しかし大方の意見としては、今や世界の趨勢から考えても土曜閉庁は適当なことではないだろうかというふうな御意見の方が圧倒的に多かったというふうに考えております。  私どもといたしましては、各方面の御意見を踏まえまして、実施を来年の一月から第二、第四土曜日を閉庁するという方向で進めたいと考えておるわけでありますが、賛成であるという御意見の中にも、行政サービスを極力低下させないための各般の工夫を行うべきであるとか、あるいは行政事務の簡素化、効率化行政サービス向上運動、さわやか行政サービスと私ども申しておりますが、これらを一層進めるべきである等いろいろの御意見をいただいておるところであります。幅広く国民皆様方の御理解を得つつスムーズに導入に入っていきたい、このように考えておるところであります。
  93. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 ちょっと答弁がすれ違っていると思いますが、私が聞いているのは、国民の合意を得るということであります。これは、土曜閉庁を決めたということであるわけですけれども、既に国民合意を得たというお考えなのか。人事院勧告によりますと、これから国民理解を得ることが必要だ、こういうことが述べられております。そしてまた世論調査などを見てみましても、公務員は土曜日曜、週休二日制は賛成だけれども土曜閉庁については賛成できないという人が多いような結果が出ておると思うわけです。ですから、国民理解を得る、国民の合意を形成していくということはやはりこれからの課題であろうと思いますけれども国民合意の問題についてどうお考えか、お伺いします。
  94. 高鳥修

    高鳥国務大臣 柴田委員がどういう論拠に基づいて反対の声が多いとおっしゃるのかよくわかりませんが、あるいは新聞等の投書欄などでそういう御意見が出ていることを指しておられるのかもしれません。新聞等の投書欄では、もう委員御承知のように、賛成の意見も出せば反対の意見も出す、割合公平に両方出すという扱いをいたしておりますので、したがってそういう意見があったからといって、国民の皆様方の間に反対が多いというふうには私ども考えておりません。  ちなみに、マスコミ関係、経済団体労働団体、消費者団体、地方団体等々から私ども総務庁といたしまして直接に御意見をいろいろ承りましたが、その中で一地域の商工関係団体の代表の方だけが反対とおっしゃいましたけれども、それ以外はほとんど全部適当であろうという御意見であったというふうに理解いたしております。  なお、国民の合意ということにつきましては、最終的には、代議制民主主義のもとにおいては国会の御同意を得るということが国民の合意を得たことになるであろう、このように考えております。
  95. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 団体意見などを聞かれたということでありますけれども、やはり国民に直接意見を聞いてみて、国民が納得できるようなそういう方法をとらなくちゃならないというように考えるわけであります。  それから政府は、土曜閉庁方式導入につきましてことしの五月三十一日に閣議決定をしております。それによりますと、土曜閉庁を「現行の予 算・定員の範囲内で実施する。」ということと、「行政サービスを極力低下させないため、緊急時における業務体制の整備その他の工夫を行う。」と言っておりますが、予算も定員もふやさずに行政サービスを低下させないことが一体できるのかという問題です。そのことと一緒に、緊急時の業務体制の整備に予算も定員もふやさずこれを行うというわけですけれども、どんなことをしようとしておるのか、どう考えているのか、お伺いします。
  96. 高鳥修

    高鳥国務大臣 中曽根内閣に引き続きまして、竹下内閣といたしましても、行政改革は至上命題であるという考え方で取り組んでおるところであります。今年の行政改革大綱決定の際におきましても、従来に引き続きまして相当数の人員削減等も実施するということにいたしておるわけでありまして、かたがた先ほども御答弁申し上げましたが、いわゆる開庁のままの四週六休を既に実施をいたしまして、順調にこれを行っているところであります。もちろん、それぞれの持ち場持ち場におきまして大変御努力をいただいていることは承知しているところでありますが、現在のところそのような形で閉庁方式はなお一層やりやすい、開庁方式で四週六休をやりますよりも閉庁方式の方がむしろサービス向上できるのではないか、このように考えておりまして、実施の上においてはこの方針どおりできるものと考えております。
  97. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 緊急時の業務体制の問題はどうですか。
  98. 勝又博明

    ○勝又政府委員 緊急時対策と申しましても、それぞれの分野におきましていろいろな事態が想定され、いろいろな対処の方法があろうかと思いますが、例えば緊急事態におきましては他部門の職員を代行させるシステムをつくるとか、あるいは土曜入港の船舶等があるような場合には事前に通報させるというような仕組みをつくっておくとか、代休制度を活用するとか、いろいろな対処の仕方があろうかと思います。
  99. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 そういうことであるとすれば、やはり人員とか予算の問題が出てくるというように思うわけです。それを抑えるということは労働強化あるいは職員に対する無理な労働を強いることになるのではないかという危惧を持つわけであります。  結論的には、土曜閉庁に当たっては行政サービスを低下させない、それから国民利用者、あるいは労働組合、職員組合の合意を得る、国民的合意を得ることが必要であるということをこれからの課題としてもやるべきだと指摘しておきます。  それから、ちょっと時間がありますので、調整手当の問題について給与局長にお伺いしますが、ことしの三月三十一日の当委員会で私が調整手当支給地区分の改正問題について質問いたしました。私の質問趣旨は、支給地区分を条件つきで改正しろという質問でありました。これは調整手当を改悪することなく、手当が出ていないところに、出さなくちゃならぬところには出せ、それから低くなっているところには引き上げろという条件つきの改正を求めたものでありますが、給与局長はそのように認識しておられるのか。  なぜこんなことを聞くかといいますと、給与局長は、調整手当問題で労働組合と論議する際に、日本共産党が無条件で支給地区分の改正を要求しているかのように私の議事録を曲げて、局長の主張の根拠とする材料に使っているからであります。私の主張はそんなことに使われる性質のものではなくて、改悪なしの支給地区分の改正を要求しているのであります。私の質問には支給地区分を改悪してもよいと言っているところがあるとお考えですか。
  100. 中島忠能

    ○中島(忠)政府委員 調整手当の支給地区分の見直しというのは、別段柴田議員の御指摘を待つまでもなく、かねがね問題視されておった事項でございます。そういう中におりまして柴田議員からの御質問をいただいたわけでございますから、私は、柴田議員の御質問というものも調整手当の見直しの一つのきっかけというものを提供してくださったというふうに考えております。そして、見直すに当たりましては、やはり現在の支給地区分というのが法の定める要件に該当しているかどうかというところが一番問題でございまして、私たちは法律を誠実に執行する立場にございますので、その法律を誠実に執行する過程におきまして新たに入れるところも出てくるでしょう、あるいはまた既支給地の中で取り消さなければならないところも出てまいります、それが法を誠実に執行する立場だというふうに私たちは考えております。
  101. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 今局長が言われたようなことの裏づけに共産党もこういうことを言っている、こういうふうに労働組合との折衝で言われたということであるわけです。私が質問したのはそういうことではなくて、全体を見れば明らかなように、改悪はなしで、そしてやるべきものはやれ、こういうことを言っているわけであります。だから、そんなことに利用されてはいかぬということをはっきり言っておきます。  以上で終わります。
  102. 竹中修一

    竹中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時一分散会