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細谷委員 残念ながら、この時期にもっと突っ込んだ数字的なことを申し上げるのはあるいは
通産大臣が
心配しているようなことに、
大蔵省と真っ正面にここでけんかさせるような格好になってしまうからやりませんけれ
ども、確かに
産炭地の自治体等が強く要望しておる、その格差の大きいのを縮小してほしい、こういう一語に尽きると思うので、これについては十分な対応をし、
予算の中でそれを
確保していただきたいということを要請しておきたいと思います。
もう
一つ、この
産炭地の
一つの悩みは財政力が極めて悪いということであります。鉱産税がなくなったという、そんなものばかりじゃありませんで非常に悪い、こういうことであります。
一例を申し上げますと、例えば
通産省からいただいた資料によりますと、
産炭地自治体の歳入総額に占める地方税の割合は、全国平均は六十一年度で四一・四%であるけれ
ども、全
産炭地域は三二・二%、六条
地域に至っては二〇・九%ということであります。言ってみますと、
産炭地市町村の六条
地域に至ってはとにかく全国平均の半分しかない、こういう深刻な
状況であります。そういうことでありますから、財政調整の制度としての交付税で、全国では交付税が二二・九%であるけれ
ども、六条
地域では三〇%の交付税が来ている。国から交付税を余計もらっておる。言ってみますと自
主税源がない、こういうことであります。よく言われるような
産炭地の財政力指数はどうなのかというと、全国平均は〇・七六、
産炭地全体としては〇・五六、六条
地域は〇・三九だということであります。六条
地域に至っては極めて貧弱な財政力しか持たぬということになります。
もう少し具体的に申し上げますと、ことしの夏、
石特の方で九州を視察いたしました。その際に、熊本県の荒尾市の方から
産炭地の財政実情というのが数字的に詳しく説明がございました。せっかくの荒尾市の資料でありますからそれをちょっと申し上げますと、荒尾市の人口はおよそ六万五千ぐらいでしょう、市税が三十八億弱。それで、同じような
規模の全国平均の類似団体というのはどのくらいかといいますと六十億だというのですよ。全国平均の類似団体が六十億の市税があるのに荒尾市はわずかに三十八億しかない。したがって、いろいろな仕事をやるにしても
借金をしてやりますから、類似団体と比べますとかなり大きな地方債を起こして市政をやっておる、こういうことになります。類似団体との比較から見ても大変深刻な問題だと思うのです。
ところがこれに対して、これは主として
通産省ばかりではございませんで、自治省の方からもお聞きしなければいけませんけれ
ども、そういうような財政の弱いところに対してどういう対応がなされておるのか、これが大変重要であります。資料によりますと、
産炭地域に対する財政援助の
状況というのが、六十二年度では十一条のかさ上げが五十一億、
産炭地域振興臨時交付金が三十三億、利子補給が十九億、主として都道府県のことでありますけれ
どもそういうことになる。ほとんど十年一日のごとく古い。例を申し上げますと、五十八年度は利子補給が二十一億、かさ上げが六十五億、
産炭地域振興臨時交付金が三十五億と横ばいなんですね。横ばいよりはわずかに後退していっておる、深刻さからいって。したがって、深刻さというのは解消しようとしても、どんなに
努力してもどうにもならぬ、こういう実態を全国の数字も示しておりますし、荒尾市の財政の実態もそれを示していると思うのであります。これに対して
通産省はどうお考えですか。