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伊藤(茂)
委員 DDTからオリンピックまでという牧歌的なお話がございましたが、今、状況はそういううららかな
状態ではないと思います。
私は、申し上げておきますけれ
ども、この数日のさまざまの動きの中で、このリクルート問題をめぐるところの状況は変わってきたと思います。最初は、七十六人、どなたかというふうな話が中心でございます。その後、いろいろいろいろ出てまいりました。先般は、藤波元官房長官の話も出てまいりました。いろいろマスコミの方も、極めて精力的に、さまざまのあれがなされております。やはり税の大
前提ですから、私から——私はその道の調査マンではありませんから、全体の流れを見回してみても、この膨大な還流株、百五十万株とかもっと多いとか言われておりますけれ
ども、そういう問題に今焦点が移っていると思います。そしてまた、それが政官界の、実は、言うならば現金と同じ、実質献金である。
また、大
新聞の見出しだけでちょっと恐縮でございますけれ
ども、「中曽根前内閣に株譲渡攻勢」「リクルート疑惑の構図くっきり 中枢側近に集中」「政権中枢への接近図る 急台頭の江副氏」「新たな疑惑の構図 スーパーコンピューター購入が“核”に」、そしてまた癒着の云々とか、「疑惑は拡大し、深まった」「逃げられぬリクルート疑惑」云々、こういう
状態がこの数日来相次いで情報がなされております。
それぞれについて、検察の方の御努力もあるでありましょう。そしてまた、私
ども国会の中でも、総理が言われました四つの立場ですね、このリクルートに関する四つの課題から申しましても、政治的道義的な
責任とかいうことは議会の
責任でございましょうから、真剣な努力をしなければならないというふうなことであろうと思います。
ただ、私はあえて申しますが、この経過の中でこういう構図がだんだん出てきたような
気持ちがいたします。私なりに自己流で申しますと、五点ございます。
第一には、リクルートの三大事業と申しましょうか、初めは就職情報とか、二つ目には土地あるいは住宅、マンション、それから三つ目には、社運をかけたという最大のことであるところの情報通信産業、これにはRCSとかINSとか、そういう分野に社命をかけてとにかく大飛躍を図る何かをやれ。やった経過がさまざまなところから、マスコミでも報道をされております。そういう非常に大きな、普通にまじめにやるのならこれはサクセスストーリーで結構なんですけれ
ども、何かそうではない形になるわけですが、リクルートのその三つの事業の発展と常にかかわり合っていろんな問題が起きてきたということが
一つ。
二つ目には、そういう過程とそれぞれ密接な関係で政界、官界、財界とのつながりというものがあったということが今やはっきりしてきている。だんだんこの構図が生まれてきているというふうなことであろうと思います。前の情報といいますか、就職産業、リクルートの仕事の第一段階からいいますならば、前にも出ました労働省元事務次官の問題などなどがあるでありましょうし、第二段階のことを言うならば、さまざま
審議会関係のこともあるでありましょうし、あるいは安比何とかというものもあるでありましょう。そして最も大きな問題として、今も出ているこの情報通信産業への飛躍という中でのNTTの問題なんか出ているというようなことであろうと思います。何かそういう全容の構図が出てきたような
気持ちがいたします。
さらに三つ目には、やはりそういうことが中曽根内閣時代、特に第二次中曽根内閣時代に急速に江副という方が、あの人若いのによくこんな年配の方がいる
審議会にいるなとか、あるいは文部省その他の関係の中で、あの人どうしてなったのかなとか、
政府税調もございますけれ
ども、さまざまなところに急進出している。これはもちろん任命権者である
政府とは無関係ではないという現象が
一つの特徴であったと思います。
そうして四つ目には、そういうものとこの膨大な還流株の問題ですね。この間立花さんというあの評論家の方も言われておりましたけれ
ども、どちらにいたしましても百五十万株くらいは還流しているだろう、いろんなケースを全部計算して挙げてございますけれ
ども、私もこの雑誌を読んでみましたが、一株で二千五百円の利益としても三十七億か四十億ぐらいになる、しかも
公開のほんの一、二カ月前に集中している、そのときには
公開時の値決めは既に業界、幹事、主幹事証券会社も含めてはっきりしていたはずである、確実にもうかる
公開直前のこの株は現金、ホットマネーと同様であるということを指摘いたしておりますが、そういうことではないかなというふうに思います。
しかも、そういうものに、第五にはやはり中曽根内閣の大きな
関連というものが浮かんできたような
気持ちがいたします。あえて申しますが、これは事実ですから申しますけれ
ども、今までの指摘の中でも、中曽根第二次内閣の中で主要閣僚を含めまして、官房副長官は閣僚ではありませんが、までも入れますと、閣僚で九名、そしてまた副長官を含めますと十名の主要な関係者がこの問題にかかわっているという特徴的な
状態が出ているというふうなことであろうというふうに思うわけであります。そういう中のメンバーの方も当
委員会の
理事の構成メンバーでもございますけれ
ども、それらを考えますと、私は何かその時代の非常に大きな全体的なかかわり合いというふうな気がしてならないわけであります。
そこで、検察庁と
大蔵省両方に簡単にお伺いをしたいのです。
検察庁にまず伺いますが、楢崎代議士にかかわるところの松原氏逮捕にかかわる取り調べということから端を発しているわけでございますけれ
ども、それは当然のことであろうと思いますが、この還流株の大きな流れということを解明するということが求められているという、また、それがこの問題の主要な
一つのテーマと申しましょうか、構図になっているというようなことだと思いますが、それに対して大量にまた資料も株主名簿も含めてされたそうでありますが、それに対してどのような対応、関心をお持ちでやっておられますか。