○辻(第)
委員 きょうはお尋ねをしたいことがたくさんあるのです。ところが与えられた時間が二十九分で、質問をさせていただく予定であったのができないことが起こり得るような気がいたしております。まずお断りをして質問に入りたいと思います。
まず最初に、一昨日発生いたしました
JR中央線東中野駅での電車の追突
事故に関してお尋ねをいたしたいと思います。
まず最初に、亡くなった方の御冥福を祈り、負傷された方の一日も早い御回復を祈るものであります。
今回の
事故は、本当に近来例を見ない大
事故でございます。この
事故について、新聞などの報道によりますと、ATS装置をいわゆる切ったとされる
運転手に責任を全面的に転嫁をする
JR東日本当局の動きがあるやに報じられていることはまことに遺憾であります。なぜなら、今度の
事故現場というのはこれまでに二度起こっている、同じような時間に起こっている、そういう魔の箇所と言われております。八年前にも同種の
事故が発生したときには、裁判所も国鉄
関係者の
指摘を採用してきたのですね。それはダイヤ厳守の心理的な圧迫と過密ダイヤによる曲芸的
運転の強要、信号の
場所等の
構内の
構造上の問題が
事故の真の原因である、これは国鉄
関係者の
指摘でありますが、これを採用されたということからも明らかだと思うのです。さらに、
JRになって以来の安全を無視した
運転手へのダイヤの厳守、回復
運転の強要、
運転時間短縮の推進などがこのような
事故の重要な原因であるというふうに私
どもは考えているわけです。さらに、この
事故の背景にあるのは、これまで我が党が繰り返して述べてまいりましたように、国鉄分割・民営化による人減らし合理化、
車両検査の簡素化、あるいは国労、全動労への差別、
排除、こういうことなどによる安全よりもダイヤ優先という
JRの営利優先の経営姿勢にあることを私
どもは
指摘をしなければならない、このように思うわけでございます。
けさの論議の中で
JR東日本の山之内副
社長が、分割・民営化後大きな
事故はほとんどなかった、こういうふうにおっしゃっていたのですけれ
ども、その辺は、十月でしたか上越線で貨物の衝突脱線
事故がありましたですね。私は現地へ行って見てきたのですけれ
ども、あれは大
事故なんですね。幸い貨物でしたし、人身
事故が非常に少なかったということですが、あれはプロパンガスが載っておりましたし、近くに人家がありますし、衝突したところがもう少しずれておればとか、あるいはプロパンが爆発すればどうなったのかというようなことでしたね。貨物列車には乗務員は一人しかおられない、
運転士さんだけ、こういうことになっているのですね。その後の対応などを含めまして、私はやはり人減らし合理化があの
事故を二重にも三重にも大きくした、こういうことではなかったのかなと思っているわけでございます。
そういう背景の中で具体的にお尋ねをしたいと思うわけですが、今回のダイヤの
改正によりまして中央緩行線の
運転時間が千葉—三鷹間で三分四十五秒短縮をされた。この
運転時間の短縮や安全無視のダイヤの厳守、回復
運転の強要などが原因の大きな
一つと言わざるを得ないのであります。現に十二月一日にダイヤ
改正が実施された中央線は、急行線、緩行線とも乗客の少ない土曜日以外は、
ラッシュ時に連日おくれが出ていたようであります。これはいわゆる余裕のないダイヤの結果と言わざるを得ないのであります。
先ほ
ども触れましたように、今回の
事故発生地点は、これまで二度ありました。八年前の同種の
事故が発生したとき、その件の判決の中に、ダイヤ密度の高い中での定時
運転確保の要請があり、ダイヤの乱れを回復しようとする意識が被告人の
運転操作に
影響を及ぼした、こういうふうに記されているのでございます。今日のダイヤの
状況はその八年前に比べますともっともっと深刻な状態になっていると思うのです。今日のダイヤ
改正の目的の
一つに、少しでも早く目的地に着くことが挙げられているのです。そのことは
一つのなにだと思うのですが、安全を無視したダイヤの
改正はやはりこれは見直すべきではないか。
きのうの我が党の中路議員の質問の御答弁で運輸大臣は、ATS—Pを前倒しで早く
設置をするとか、その他もろもろの対応をいたしますというような
お話があって、それを見た上でダイヤの
改正など検討したいというような
お話だったように私は聞いておるのですが、そういう先というよりも、私は今度のダイヤ
改正というのは本当に無理な、安全を無視した、危険がいっぱいというような内容ではないか、だからもうすぐに見直すべきではないか、このように考えるのですが、御答弁をいただきたい。