○永井
委員 トンネルの話でもう一つお伺いしておきたいことがございます。
それは、八月十三日だったと思うのでありますが、これは私の
地元でございますけれ
ども、兵庫県の竜野市のところでございますが、トンネル内で渋滞をしたために十九名の人が脱水症状、酸欠症状を起こして救急車で運ばれるという
事故がありました。このトンネルの距離は非常に短いのですが、お盆の帰省もあって三十キロもの大変な渋滞が重なって全く車が動かないという
状況の中で救急車が出動するという
事故が起きたわけですね。これは、トンネルが非常に短うございますから、一定の
道路を
設置する場合の安全
基準からいきまして、今定めている
基準からいって、そこに排煙設備とかそういう換気装置をつけるところに到達をしていないことは事実ですね。しかし、このトンネルというものが一定のスピードで自動車が走り抜けるという前提で設計されておるものですから、一たび渋滞が起きるとそういう
事故になり得る、こういうことですね。
私は、これからいろいろなトンネルの
設置がふえていくと思うのですね。日本の地形からいって、山を越えていかないとこれからもう
道路網を建設することができない、そういうことが非常に多くなってくると思われるだけに、トンネルに対する安全
基準の確保というものは非常に重視をしなくてはいけないと私は思うのです。
例えば、この
事故に関連して幾つか新聞が書きました。その中の部分的なものをちょっと紹介しておきますと、「
基準は
基準として、問題なのは、トンネルを出て」、その
事故を起こしたのは城山トンネルというのですけれ
ども、そのトンネルのことを取り上げてみますと、これは自動車専用
道路で、そのトンネルを出てすぐに在来の国道二号線に合流することになっているのですね。国道二号線が渋滞するからバイパスをつくっていったのでしょうけれ
ども、まだ完全に山陽自動車道につながっていないものですから国道二号線におりる。だから、国道二号線に入るところで大渋滞を起こしてしまって、そのトンネルの中でそういう
事故が起きた、こういうことなんですね。そのことを指してマスコミも報道しているのでありますが、慢性的渋滞を起こしやすいという固有の事情がそこに考慮されていない、こういう箇所は全国に随分とあるのではないか、こういうことが
指摘をされています。私は当然なことだと思うのですね。完全に
道路網が完成してしまった暁のことはさておいて、なかなか次の
工事にかかれないという事情から
考えると、そういう渋滞が慢性的に起きるようなところのトンネルについては特段の
配慮があってしかるべきではないのか。そのことを私はここで
指摘をして、ぜひひとつそれに対する具体的な対応というものを
考えてもらいたい、こう思うわけですね。
もう一つは、この
事故によって教訓を得たことでありますが、倒れた人がおって、それを見た人あるいは家族の人などが非常電話で救急車を呼びました。ところが、非常電話で救急車を呼んだのですが、それは消防署が知っているだけで、
交通規制に当たる警察の
関係も、あるいは
道路の管理をする
道路公団の方も、そのことについては全く知らなかったわけですね。だから、トンネル内の非常電話によってそういうことは救急車には伝達されたといたしましても、単に病人発生ということで独自の処理をしてしまう、そこには
交通対策というものが機能していない、こういうことになってくるわけですね。公団や消防救急隊ももちろんマニュアルどおりにやったのだろうけれ
ども、果たしてそういうことでいいのだろうか、もう少し
事故が起きたときの対応策について
連携がとれやすいように——話が飛んで恐縮でありますが、「なだしお」事件も同じでありました。衝突事件が起きて、実際に海上自衛隊の横須賀基地の最高責任者がそのことを知ったのは二十一分後だったという。何かにつけてそういう今のふくそうした多様な手段をもって行われる
交通状態から
考えると、単に個々のマニュアルだけではなくて、そういう
連携がもっと緻密に、敏速に行われるようにすべきではないのか、こういうことも
考えるのですが、これについて、その施設面とそういうマニュアルの見直しについて
お答えいただきたいと思います。