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1988-12-06 第113回国会 衆議院 決算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年十二月六日(火曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 野中 英二君    理事 魚住 汎英君 理事 衛藤征士郎君    理事 杉山 憲夫君 理事 鈴木 宗男君    理事 谷津 義男君 理事 渡部 行雄君    理事 草川 昭三君       岡島 正之君    浜田 幸一君       松田 九郎君    小川 国彦君       新村 勝雄君    小川新一郎君       古川 雅司君    大矢 卓史君       中路 雅弘君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 石原慎太郎君  出席政府委員         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         総括審議官   丹羽  晟君         運輸省運輸政策         局長      塩田 澄夫君         運輸省国際運輸         観光局長    中村  徹君         運輸省地域交通         局長      阿部 雅昭君         運輸省地域交通         局陸上技術安全         部長      清水 達夫君         運輸省貨物流通         局長      大塚 秀夫君         運輸省港湾局長 奥山 文雄君         運輸省航空局長 林  淳司君         運輸省航空局技         術部長     中村 資朗君         海上保安庁長官 山田 隆英君         建設省都市局長 真嶋 一男君  委員外出席者         公正取引委員会         事務局取引部取         引課長     黒田  武君         警察庁交通局交         通指導課長   小山田 潔君         外務大臣官房領         事移住部長   黒河内久美君         外務省北米局北         米第一課長   岡本 行夫君         大蔵省主計局司         計課長     緒方 信一君         運輸大臣官房会         計課長     永井 隆男君         建設省道路局有         料道路課長   松延 正義君         建設省道路局高         速国道課長   玉田 博亮君         会計検査院事務         総局第三局長  大沼 嘉章君         会計検査院事務         総局第五局長  三原 英孝君         参  考  人         (日本国有鉄道         清算事業団理事         長)      杉浦 喬也君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事長)  淺井新一郎君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   松原 青美君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   栗山 昌久君         決算委員会調査         室長      加藤  司君     ───────────── 委員の異動 十二月六日  辞任         補欠選任   金丸  信君     浜田 幸一君   林  大幹君     松田 九郎君   野間 友一君     中路 雅弘君 同日  辞任         補欠選任   浜田 幸一君     金丸  信君   松田 九郎君     林  大幹君   中路 雅弘君     野間 友一君     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和六十一年度一般会計歳入歳出決算  昭和六十一年度特別会計歳入歳出決算  昭和六十一年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和六十一年度政府関係機関決算書  昭和六十一年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和六十一年度国有財産無償貸付状況計算書  (運輸省所管日本国有鉄道)      ────◇─────
  2. 野中英二

    野中委員長 これより会議を開きます。  昭和六十一年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、参考人として日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君首都高速道路公団理事長淺井新一郎君、同理事松原青美君、同理事栗山昌久君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 野中英二

    野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────
  4. 野中英二

    野中委員長 次に、運輸大臣概要説明会計検査院検査概要説明日本国有鉄道当局概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 野中英二

    野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────    昭和六十一年度運輸省決算概要説明書  昭和六十一年度の運輸省所管一般会計及び特別会計決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計について申し上げます。  第一に、運輸省主管歳入でありますが、歳入予算額三十八億一千五百七十一万円余に対し、収納済歳入額は三十六億一千九百三十五万円余であり、差引き一億九千六百三十六万円余の減少となっております。  第二に、運輸省所管一般会計歳出でありますが、歳出予算現額一兆五百二十六億八千八百五十四万円余に対し、支出済歳出額は一兆三百十七億六千二百五十五万円余でありまして、その差額二百九億二千五百九十八万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は百四十一億五千三百二十八万円余であり、不用となりました額は六十七億七千二百七十万円余であります。  次に、特別会計について申し上げます。  まず第一に、自動車損害賠償責任保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一兆八千百二億一千四百七十七万円余であり、支出済歳出額は四千六百五十七億五千二百万円余でありまして、差引き一兆三千四百四十四億六千二百七十七万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。  第二に、港湾整備特別会計でありますが、港湾整備及び特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は三千五百九十二億八千二百七十七万円余であり、支出済歳出額は三千五百五十三億三千六百六十九万円余でありまして、差引き三十九億四千六百八万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。  第三に、自動車検査登録特別会計でありますが、収納済歳入額は三百九十一億六千六百二十二万円余であり、支出済歳出額は三百十億三百五十七万円余でありまして、差引き八十一億六千二百六十五万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。  第四に、空港整備特別会計でありますが、収納済歳入額は三千百七十二億三千八百十一万円余であり、支出済歳出額は二千五百九十八億九千七百八十万円余でありまして、差引き五百七十三億四千三十一万円余の剰余を生じ、この剰余金は翌年度の歳入に繰り入れました。  以下、部門別重点施策について御説明申し上げます。  まず、日本国有鉄道関係について申し上げます。  第一に、日本国有鉄道に対し、日本国有鉄道財政再建利子補給金として一千七百二十八億三千五百九十九万円余、日本国有鉄道工事費補助金として七百三十四億八百万円、日本国有鉄道地方交通線特別交付金として六百三十二億三千万円、日本国有鉄道特別施設運営費補助金として七十五億六百万円、日本国有鉄道合理化促進特別交付金として五十億七千万円、日本国有鉄道特別施設整備費補助金として三十六億九千八百九万円余、日本国有鉄道特別退職手当補給金として三百九十億八千四百万円、日本国有鉄道防災事業費補助として百十億三千五百二万円余、日本国有鉄道整備新幹線建設調査費補助金として十四億七千百七十四万円余、磁気浮上方式鉄道技術開発費補助金として三億二千九百八十万円余を支出いたしました。これによりまして、過去債務、設備投資等による利子負担及び地方交通線運営費負担の軽減、大都市通勤通学輸送の改善、公害防止安全確保防災対策等のための諸設備の整備特定地方交通線対策並びに整備新幹線調査等推進を図りました。  第二に、日本鉄道建設公団に対し、日本鉄道建設公団工事費補助金として百六十五億三千四百六十八万円余、日本鉄道建設公団整備新幹線建設調査費補助金として十五億二千二百二十五万円余、日本鉄道建設公団補給金として百四十九億四千六百五十一万円余を支出いたしました。これによりまして、国鉄新線及び地方鉄道新線建設並びに整備新幹線調査等推進を図るとともに、日本国有鉄道への貸付線及び地方鉄道業者への譲渡線資本費負担の軽減を図りました。  第三に、本州四国連絡橋公団に対し、本州四国連絡橋公団工事費補助金として二十億四千七百三万円余を交付いたしました。これによりまして、本州四国連絡鉄道に係る工事及び調査等を実施いたしました。  第四に、日本国有鉄道地方交通線代替輸送事業運営補助金として、白糠町ほか十二事業者に対し二億七千四百四十九万円余、日本国有鉄道地方交通線転換地方鉄道等運営費補助金として、弘南鉄道株式会社ほか五事業者に対し三千三百七十六万円余、地方鉄道新線補助金として、野岩鉄道株式会社に対し三億七百万円を交付いたしました。これによりまして、日本国有鉄道特定地方交通線代替輸送を確保いたしました。  次に、海運関係について申し上げます。  外航船舶整備対策のため、昭和五十四年度から五十六年度の間に締結した外航船舶建造融資利子補給契約に基づき、外航船舶建造融資利子補給金として、日本開発銀行及び日本興業銀行ほか二十九行の一般金融機関に対し六十八億四千二十一万円余を支出いたしました。  次に、観光関係について申し上げます。  第一に、国際観光振興会に対し、国際観光事業費補助金として十八億六千九百四万円余を交付いたしました。これによりまして、海外観光宣伝事業充実等国際観光振興会業務拡充強化を図りました。  第二に、観光レクリエーション地区施設整備費補助金として、北海道ほか十五県に対し二億七千万円を交付いたしました。これによりまして、国民の観光レクリエーション活動の場を確保し、あわせて地域振興に資するための観光レクリエーション施設整備促進いたしました。  次に、地域交通関係について申し上げます。  第一に、地下高速鉄道建設費補助金として、東京都ほか一県八市に対し四百三十四億四千七百九十五万円余を交付いたしました。これによりまして、帝都高速度交通営団ほか九事業者による地下高速鉄道網整備促進いたしました。  第二に、ニュータウン鉄道建設費補助金として、神戸市及び住宅・都市整備公団に対し五億七千八百九万円余を交付いたしました。これによりまして、西神ニュータウン及び千葉ニュータウンにおける鉄道整備促進いたしました。  第三に、都市バス整備費補助金として、神戸市、社団法人福岡バス協会及び阪急バス株式会社ほか六社に対し三億六千八百六十九万円余を交付いたしました。これによりまして、都市におけるバス輸送サービスの改善のための施設整備等促進を図りました。  第四に、地方鉄道軌道整備費補助金として、伊豆急行株式会社ほか三十三社に対し八億六百九万円余を交付いたしました。これによりまして、中小民鉄維持改善を図り、地域住民の利便を確保いたしました。  第五に、踏切保安設備整備費補助金として、秩父鉄道株式会社ほか十三社に対し七千八百七十四万円余を交付いたしました。これによりまして、踏切事故の防止を図りました。  第六に、地方バス路線維持費補助金として、北海道ほか四十五都府県に対し九十八億二千四百十四万円余を交付いたしました。これによりまして、地方における乗合バスの運行を確保し、民生の安定に寄与いたしました。  第七に、離島航路補助金として、百二十三航路を経営する百十七事業者に対し二十九億二千七百九十二万円余を交付いたしました。これによりまして、離島航路輸送力を確保し、民生の安定と向上に寄与いたしました。  次に、貨物流通関係について申し上げます。  貨物流通対策推進するため二千五百十九万円余を支出いたしました。これによりまして、貨物流通情報システム整備に関する調査を行いました。  次に、船舶及び船員関係について申し上げます。  第一に、特定船舶製造業安定事業協会に対する補給金として六億二千九百万円を交付いたしました。これによりまして、造船業過剰施設の処理に伴う業務の円滑な推進を図りました。  第二に、財団法人船舶解撤事業促進協会に対し、船舶解撤事業促進費補助金として五億一千八百万円を交付いたしました。これによりまして、造船事業者仕事量確保等を図りました。  第三に、最近における船員の雇用情勢にかんがみ、雇用の安定及び拡大に資するための所要の対策を講ずるとともに、練習帆船海王丸の堪航性等調査を行うため八億五千三百七十七万円余を支出いたしました。これによりまして、船員雇用対策及び船員教育体制整備を図りました。  次に、港湾関係について申し上げます。  第一に、第七次港湾整備五か年計画の初年度として、港湾整備特別会計において三千五百五一三億三千六百六十九万円余を支出いたしました。  このうち、港湾整備勘定においては三千三百五十一億四千四百五十五万円余を支出し、直轄港湾改修事業として百十七港、十三航路及び六海域の工事を、港湾改修補助事業として七百二十五港の工事を実施したほか、海水油濁防止施設整備補助事業港湾公害防止対策補助事業港湾環境整備補助事業及び港湾事業調査補助事業等を実施いたしました。  また、特定港湾施設工事勘定においては二百一億九千二百十三万円余を支出し、エネルギー港湾施設工事として九港、鉄鋼港湾施設工事として一港、物資別専門埠頭港湾施設工事として四港の工事をそれぞれ実施いたしました。  以上によりまして、貨物輸送合理化海上輸送安定性の向上、海外に依存する各種資源安定的確保地域振興のための基盤施設整備、豊かな生活空間の形成、港湾利用高度化等を図りました。  第二に、第四次海岸事業五か年計画の初年度として二百九十億四千二百六十六万円余を支出し、海岸保全施設整備事業として直轄事業海岸補助事業四百四十八海岸海岸環境整備補助事業として五十二海岸公有地造成護岸等整備補助事業として五海岸工事を実施いたしました。これによりまして、海岸保全施設等整備促進いたしました。  第三に、港湾施設災害復旧事業及び港湾施設災害関連事業として四十七億七千七百三十九万円余を支出し、直轄事業七か所、補助事業二百十二か所の工事を実施いたしました。これによりまして、港湾及び海岸災害復旧促進いたしました。  次に、航空関係について申し上げます。  第五次空港整備五か年計画の初年度として、空港整備特別会計において二千五百九十八億九千七百八十万円余を支出いたしました。  このうち、主な事項について申し上げますと、第一に、関西国際空港株式会社に対する政府出資等として百五十一億九百六十二万円余を支出いたしました。これによりまして、関西国際空港整備推進いたしました。第二に、新東京国際空港公団に対する政府出資として四十億円を支出いたしました。これによりまして、新東京国際空港整備推進いたしました。第三に、東京国際空港沖合展開事業推進するほか国内空港整備を図るため一千十八億七千二百二十七万円余を支出いたしました。これによりまして、東京、大阪両国際空港及び福岡空港はか五十九空港整備等を実施いたしました。第四に、公共用飛行場周辺における航空機騒音障害防止のため二百九十五億五千五百二十八万円余を支出いたしました。これによりまして、特定飛行場の周辺における民家、教育施設等防音工事及び移転補償等並びにテレビ受信障害対策に対し必要な助成措置を講ずるとともに、空港周辺整備機構による代替地造成事業等促進を図りました。  以上によりまして、航空輸送力増強等に対処するとともに、航空の安全の確保と環境の整備推進いたしました。  次に、海上保安関係について申し上げます。  第一に、「海上における捜索及び救助に関する国際条約」への我が国の加入と発効及び国際的な新海洋秩序形成の動きに対応して、広大な周辺海域における航行安全体制の確立及び我が国の権益の確保等のため七十七億一千三百二十九万円余を支出いたしました。これによりまして、引き続き巡視船二隻の代替建造及び管轄海域確定のための諸調査等を行ったほか、新たに、巡視船一隻の代替建造を行うとともに、巡視船一隻及び航空機一機の増強に着手いたしました。  第二に、航路標識整備をはかるため八十一億一千二百三十三万円余を支出いたしました。これによりまして、灯台等光波標識五十八基、マイクロ波標識局三局及び海上交通情報機構一群の整備並びに既存航路標識改良改修を行いました。  次に、気象関係について申し上げます。  第一に、台風・集中豪雨雪対策等の強化を図るため二十一億二千八百六十五万円余を支出いたしました。これによりまして、静止気象衛星業務推進気象レーダー観測業務及び気象資料伝送網等整備を行いました。  第二に、地震津波対策及び火山対策の強化を図るため八億九千三百三十九万円余を支出いたしました。これによりまして、地震観測施設及び火山観測施設整備等を行いました。  このほか、昭和六十一年五月から十月までカナダのヴァンクーヴァー市において開催された国際交通博覧会参加経費として、一般会計において二億七千二十九万円余を支出するとともに、港湾整備特別会計及び空港整備特別会計においてもそれぞれ六千七百七十三万円余を支出いたしました。これによりまして、政府出展事業を行いました。  最後に、昭和六十一年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、誠に遺憾であります。  予算の執行につきましては、今後一層の配慮をいたし、その適正な処理に務めてまいる所存であります。  以上をもちまして、昭和六十一年度の運輸省所管一般会計及び特別会計決算概要説明を終わります。  何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。     …………………………………    昭和六十一年度決算運輸省についての検査    の概要に関する主管局長説明  昭和六十一年度運輸省決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項一件及び本院の指摘に基づき、当局において改善の処置を講じた事項一件であります。  まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。  これは、巡視艇係留施設建設工事の設計に関するものであります。  海上保安庁第五管区海上保安本部では、巡視艇を係留する施設を大阪府の阪南港内建設しましたが、この施設係留ブロックの設計が適切でなかったため、耐力が不足していて、工事の目的を達していないと認められたものであります。  次に、本院の指摘に基づき、当局において処置を講じた事項について御説明いたします。  これは、YS—11型航空機プロペラ部品及びエンジン部品の調達に関するものであります。  運輸省航空局では、航空保安施設等の機能を検査する目的で保有しておりますYS—11型航空機プロペラ及びエンジン修理用交換部品の調達を行っておりますが、部品の調達所要期間及び使用数等を考慮しますと、算定基準で定めた調達所要数は過大であり、ひいては調達費が不経済になっていると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、運輸省航空局では、算定基準を改めで、修理用交換部品調達所要数算定方法を適切なものにするなどの処置を講じたものであります。  なお、以上のほか、昭和六十年度決算検査報告に掲記いたしましたように、防波堤等築造工事における上部コンクリート工等の積算について処置を要求いたしましたが、これに対する運輸省処置状況についても掲記いたしました。  以上、簡単でございますが説明を終わります。     ─────────────    昭和六十一年度日本国有鉄道決算概要  昭和六十一年度の日本国有鉄道決算につきまして、旧日本国有鉄道法第四十条にもとづく財務諸表により、経営成績概要を御説明申し上げます。  日本国有鉄道の計理につきましては、昭和五十一年度から「一般勘定」と「特定債務整理特別勘定」の二つに区分して計理いたしております。  まず、一般勘定につきましては、営業収入は、旅客収入三兆二百六十八億九千四百三十一万円、貨物収入千六百七十五億九千八百六十五万円、雑収入二千二百二十二億八千六百十八万円、助成金受入千八百八十二億九千八百万円、合計三兆六千五十億七千七百十四万円となっております。  なお、助成金は、工事費補助金地方交通線特別交付金地方バス路線運営費補助金大都市交通施設運営費補助金合理化促進特別交付金及び特別退職手当補給金であります。  この営業収入を前年度と比較いたしますと、旅客収入八百四十六億五千五百四十三万円、率にいたしまして三%の増加、貨物収入百八十一億千七十四万円、率にいたしまして十%の減少、雑収入三百九十六億四千八百五十四万円、率にいたしまして二二%の増加、助成金受入五百三十八億六千九百万円、率にいたしまして二二%の減少、合計五百二十三億二千四百二十三万円、率にいたしまして一%の増加となっております。  旅客収入の増加は主として昭和六十一年九月に実施いたしました運賃改定によるものであります。  輸送量につきましては、旅客輸送量二千八億二千二百二十一万人キロ、貨物輸送量二百五億七千七百六十八万トンキロと、それぞれ前年度に比べますと旅客は微増、貨物は七%の減少となりました。  営業経費は、極力合理化推進並びに経費の節約に努めてまいりました結果、営業経費の合計は五兆三千五十二億三千七百三十万円と、前年度に比べまして五%の減少となりました。  営業経費の内訳は、人件費二兆千百五十一億五千五百七十万円、動力費千六百億四千八百七十八万円、修繕費五千百三十八億二千五百二万円、業務費四千七百二十七億千九百三十八万円、租税及び公課五百億九千六百十二万円、営業費計三兆三千百十八億四千五百万円。利子及び債務取扱諸費一兆三千二百五十三億千九百八十万円、減価償却費四千六百十億百九十万円、固定資産除却費千十八億六千三百六十四万円、繰延資産償却費千五十二億六百九十六万円、資本経費計一兆九千九百三十三億九千二百三十万円。合計五兆三千五十二億三千七百三十万円であります。  以上の結果、営業成績は、営業損失一兆七千一億六千十六万円、営業外利益三千三百九十一億二千四百十五万円、純損失一兆三千六百十億三千六百一万円となりました。  なお、昭和五十三年度から純損失について、退職手当異常支出相当額特定退職手当損失、その他を一般損失として整理いたしておりますが、これによれば一般損失八千四百五十七億千九百十三万円、特定退職手当損失五千百五十三億千六百八十八万円であります。このため、繰越欠損金は、前年度から繰り越された欠損金八兆八千十億七千四百四十二万円と合わせて十兆千六百二十一億千四十三万円となりました。  次に設備投資概要を御説明申し上げます。  昭和六十一年度は、輸送設備の維持更新、経営の体質改善、輸送力整備並びに新幹線建設の諸工事を実施いたしました結果、設備投資額は六千九百九十三億五千五百七十八万円となりました。  なお、昭和六十一年度の設備投資額の事項別内訳は、輸送設備の維持更新三千七百八十八億六千八百四十八万円、経営の体質改善千二百十五億四千四百二十二万円、輸送力整備千三百四十三億四千六百六十六万円、新幹線建設百二十二億八千七百六十四万円、建設関連利子五百二十三億八百七十八万円、合計六千九百九十三億五千五百七十八万円であります。  これらの設備資金等のために、あらたに外部資金の調達を行いました結果、長期負債の増加額は、資金運用部等からの借入金八千百五十三億三千八百万円、鉄道債券発行額一兆八千六百二億四千四百三十万円、合計二兆六千七百五十五億八千二百三十万円であります。一方、長期負債の償還に伴う減少額は一兆千七百十三億八千四百六十四万円でありまして、この結果、長期負債は前年度に比べて一兆五千四十一億九千七百六十六万円増加し、昭和六十一年度末において十九兆七千四百五十億八千三百四十二万円となりました。  なお、工事費の一部補助として受け入れた特別施設整備費補助金三十六億九千八百九万円、防災事業費補助百十億三千五百二万円、整備新幹線建設調査費補助金十四億七千百七十四万円、磁気浮上方式鉄道技術開発費補助金三億二千九百八十万円は、その他負債に計上いたしております。  次に、特別勘定につきまして御説明申し上げます。  昭和六十年度末の特別勘定の長期負債残高は、特定長期借入金五兆五百九十九億二百万円、財政再建借入金二千六百一億八千八百万円、合計五兆三千二百億九千万円でありますが、昭和六十一年度は借入及び償還がありませんでしたので、同額が昭和六十一年度末長期負債残高になっております。  また、特定長期借入金に係る利子につきましては千七百二十八億三千六百万円でありますが、この利子は同額の財政再建利子補給金の受け入れにより支出いたしております。  なお、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律によりまして、特定長期借入金は、昭和六十一年度末に一般会計からの無利子の借入金となりました。  最後に、昭和六十一年度の予算執行につきまして、会計検査院から不当事項二件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に堪えないところでありまして、今後、さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたす所存でございます。  なお、日本国有鉄道は、昭和六十二年四月一日をもちまして、日本国有鉄道改革法第二十二条の規定によりその権利及び義務のうち承継計画において定められたものを、同計画において定めるところに従いましてそれぞれの承継法人に承継をいたすとともに、日本国有鉄道清算事業団法附則第二条の規定により日本国有鉄道清算事業団に移行いたしました。  以上、昭和六十一年度の決算概要につきまして御説明申し上げました。     …………………………………    昭和六十一年度決算日本国有鉄道について    の検査の概要に関する主管局長説明  昭和六十一年度日本国有鉄道決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項二件であります。  検査報告番号一〇六号は、高架橋の橋脚修繕工事の施工に当たり、くい周囲の巻立てコンクリートの施工が設計と著しく相違していて、工事の目的を達していないものであります。  これは、高架橋の橋脚の鉄筋コンクリートぐいのうち、劣化の著しいくい二十六本を修繕するため、池底部から高さ三・五メートルまでの部分を厚さ二十五センチメートルの鉄筋コンクリートで巻き立てることとしたものでありますが、この巻立てコンクリートの施工に当たり、締切工を施工していなかったり、排水が不完全だったりしたままコンクリートを打設したため、三・五メートルの約下半分の巻立てコンクリートは豆板状でハンマーでたたくと容易にくずれたり、セメントペーストがほとんど流失し骨材だけでコンクリートになっていないなどその施工が粗雑で設計と著しく相違したものとなっていて、工事の目的を達していないと認められるものであります。  また、検査報告番号一〇七号は、トンネル工事に伴う減渇水恒久対策工事において、実施されていない水質改善工の工事費を支払っていたものであります。  これは、五十四年十月、日本国有鉄道と宮城県白石市との間で、減渇水恒久対策工事の実施に関する覚書を取り交わし、農業用水等としてトンネル湧水を送水するためのパイプライン敷設や、ため池新設等の工事を行うこととし、その施行等はその都度日本国有鉄道の委託により白石市が行い、その費用は日本国有鉄道が負担することとしました。そして、覚書に基づき、ため池新設工等の工事を実施する協定を六十一年九月に締結し、工事費の概算金額を一億二百三十七万円としましたが、六十二年二月、トンネル出口に設けた揚水場にトンネル湧水を中和するための設備を設置する水質改善工等を追加し、工事費の概算金額を一億四千四百万円に変更し、六十二年三月に本件工事がしゅん功したとして協定に基づき工事費の精算を了しておりました。一方、日本国有鉄道では、精算に際し白石市に対し契約履行確認調書を精算書に添付して提出させ、これにより工事の実施を確認することとしておりました。  しかしながら、六十二年五月工事の実施状況を調査いたしましたところ、白石市は、本件工事のうち水質改善工を全く実施しておらず、また、日本国有鉄道では、これに係る工事費の精算に必要な契約履行確認調書が提出されていないまま工事実施の確認の審査を下していたものであります。  なお,水質改善工の工事費一千二百万円については、六十二年七月、白石市から返還されております。  以上をもって概要説明を終わります。     ─────────────
  6. 野中英二

    野中委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜田幸一君。
  7. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 各委員諸兄の御了解を得て、質疑を展開させていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。  まず最初に、石原運輸大臣に承ります。  昨日起こりました事故について、その概要について御説明をいただくと同時に、今後の姿勢について御意見を承ります。
  8. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 大変残念な、遺憾な事故が起こりました。  昨日、午前九時三十八分ごろ、東日本旅客鉄道株式会社中央線東中野構内で、西船橋発中野行きの普通列車が客扱い中、後続の千葉発中野行きの普通旅客列車がこれに追突して、後続列車の一部が脱線し、現時点で死者二名、負傷者百七名、うち入院していらっしゃる方二十一名を出す事故が発生いたしました。このような事故が発生したことはまことに遺憾でございまして、ここに死亡された方々には心からお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈りする次第でございます。  運輸省としましては、今回の事故の重大性にかんがみまして、事故後直ちに関東運輸局の担当官四名を現地に派遣するとともに、東日本旅客鉄道株式会社から事情を聴取し、一、被害者に対する誠意のある対応、二、原因の早期究明、三、同種事故の再発防止対策の樹立の三点について、とりあえず口頭により指示しました。また、同日付で東日本旅客鉄道株式会社に対して前記口頭指示と同趣旨の内容を通達するとともに、他のJR各会社にも同種事故に関する注意喚起等について通達をいたしました。  申すまでもございませんが、輸送機関の最大の使命は安全の確保でありまして、運輸省としましては、今後とも安全対策にさらに万全を期するよう、JR各社を強力に指導してまいる所存でございます。
  9. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 私は、この機会に、運輸大臣に御要請を申し上げておきたいことがございます。その第一の理由は、監督権の行使が厳然と生き続けているのかどうか。例えば民間会社になった、そしてその中で行われる例えば失態もしくは間違い行為について、いま少し的確な指導力の発揮をしていただかなければならないと思いますが、その点いかがお考えですか。
  10. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 お答え申し上げます。  ただいま大臣が御説明申し上げましたように、昨日の事故に関しましては大変遺憾なことと重大に受けとめております。  今先生御指摘の点につきまして、私ども、国鉄時代は国の機関でございましたが、去年の四月から民営化されて民間会社になりましたとはいえ、私どもの関係法律鉄道事業法を初めといたします関係法律の使命を十分に果たして、それによって十分な行政指導を行ってきたつもりでございます。昨日の事故に関しましても、昨日に至るまでのいろいろな安全の問題につきましても十分会社を指導してまいったことでございます。
  11. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 例えば過去において、五十五年、やはり同じ問題が国鉄時代に起きたということがテレビニュース並びに新聞等で発表されています。そして魔の曲がり角といいますか、そういう表現が使われておりますけれども、その後、国鉄を初めとして現在の株式会社に至るまでの間、例えば事故を防止するために必要な制御装置、私はその制御装置についてこの際一点だけお伺いしておきたいと思いますが、努力に努力を重ねて事故防止は続けてきたけれども、このような事故が起こってしまったその背景には、制御装置等を含めて対応のおくれている部分があったのではないかどうか、そう考えられるのですが、その点はいかがです。
  12. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 制御装置の問題でございますが、先生御指摘の装置はATSのことではないかと考えております。この装置の適用といいますか導入につきましては、基本的には、国鉄も最初はどちらかというと先導的にこの装置を導入したわけでございますが、御存じのとおり、民間のいわゆる私鉄と違って多くの線区を有しているところでございますものですから、一気に全部を新しい装置としてかえていくということが非常に難しい問題でございますので、段階的にATSを新しい、例えば新幹線で使っておりますATCとか、そういったような形で新しいものを導入していくということをやってきたわけでございます。  それで、昨日事故を起こしました当該線区につきましても、本年の九月に、JR東日本といたしましては、ATSの改良型のATS—Pと称する新しい改良型の制御装置を導入するということを会社の意思決定をいたしまして、これから六十六年までかけてその導入を進めていくということをまさに実行に移すという段階に来ておりましたところ、その直前の事故でございますので、大変残念に考えております。
  13. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 この機会に大臣に御要請を申し上げておきます。  この事故によって亡くなられた方々並びに傷を負われた方々、そういう方々に対しては、運輸大臣の責任において、民間会社に対して徹底的な指導の展開をお願いいたしたいと思います。もしあなたが考えてこれでは十分ではないということがありました場合に、やはり交通の責任は民間会社の責任だけであっていいということではありませんので、子供の教育に与える影響、あらゆるものを含めて政府の責任も的確におとりいただくように御要請をしたいと思いますが、御意見を承ります。
  14. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 今回の事故で亡くなられた方あるいは負傷された方に対する補償は、あくまでも当事者と、また事故を起こしました当事者であります東日本JRが直接話をする問題でございますが、しかし、監督官庁としましては、精いっぱいの誠意を持ってこれに当たるよう強く指導してまいるつもりでございます。
  15. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 私は、この機会に委員長にもお願いをしておきたいと思います。  事故が起こったときはみんな反省するのです。しかし時間がたつと忘れるのです。ですから、この問題については、委員長お立ち会いの上で、特に監督権の行使を、これは衆議院議員の監督権の行使をお持ちくださるよう委員長に御要請を申し上げておきます。そして、自民党の各委員とともに、死亡者に対し心から喪に服し、同時にけがをされた方々の一日も早い全快をここに祈らせていただきまして、この問題を終わりたいと思います。  次に移らせていただきます。  運輸大臣は、沖縄が戦後何年後に日本に返ってきたか、御理解をしておられたら教えていただきたいと思います。  わからなければ、わからない人に聞いても仕方がありませんので、時間に限定がありますから、私の方から言わせていただきます。実は沖縄復帰は二十七年間おくれております。  ここで私がお伺いしたいのは、石垣島に対する航空行政の問題、この航空基地の建設について、サンゴ礁を守るか、サンゴ礁環境保全、あるいは空港が必要かという議論が展開されておりますが、運輸大臣は、この問題について、サンゴ礁を守る側ですか、それとも沖縄の石垣島に航空基地をつくることが必要なのか、どちらか的確にお答えください。
  16. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 私は両方必要だと思いますし、また両方可能にする案があると思います。
  17. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 私は大臣に重ねてお伺いをします。この問題で決断を下すのはだれですか、お答 えください。
  18. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 環境問題に関しては環境庁、飛行場を設置するための航空管制に関しては運輸省でございます。
  19. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 沖縄の西銘知事は、あなたに対してあるいは日本の政府に対してどういう要請をしておりますか。
  20. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 西銘知事が運輸省に要請された事柄は、石垣島に二千五百メートル級の飛行場を設置したい、それに関して運輸省が所管の事項についての調査をしてほしいということで、これこれの条件の中では可能であるということで、あくまでもこれは航空管制に関してのゴーサインを運輸省が出しました。
  21. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 答弁が的確であるかどうか、確認の意味でもう一回政府委員にお伺いします。  沖縄県は日本政府に対して、石垣島に航空基地をつくってくれ、そしてあそこに飛行機が飛べるようにしてくれ、そのことが沖縄の経済生産性につながる、よろしくお願いしますという要請が出ているのではないですか、お答えください。
  22. 林淳司

    ○林(淳)政府委員 基本的にはただいま先生がおっしゃるとおりでございます。  要するに、現在千五百メートルの滑走路ということでいわゆる小型ジェット機しか対応できない。これでは到底航空需要は賄えないし、石垣島の振興にも支障があるので、当初は二千五百メートルということでありましたけれども、その後計画変更しまして、現在は二千メートルの滑走路をつくってもらいたい、こういう強い要請を受けておる次第でございます。
  23. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 それだけの要請があるのに決断ができないのはなぜですか。
  24. 林淳司

    ○林(淳)政府委員 空港設置につきましては一連の手続があるわけでございますけれども、これは第三種空港でございますから基本的には沖縄県が設置、管理する空港でございます。県側といたしましては、白保の埋め立てということを前提としまして環境アセスメントの手続を現在進めておる段階でございます。その環境影響評価の準備書面は既に作成をして、意見の提出等は終わっておるわけでございますけれども、それをベースにしていわゆる環境影響評価書、これを作成する作業を今進めておる段階でございまして、そういう環境アセスメントの一連の手続が終わりまして初めて建設省の埋立認可がおりるわけでございますが、そういう手続を現在進めておる段階でございますので、私ども運輸省といたしましては、その環境アセスメントの推移を慎重に見守っておるということでございます。
  25. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 言葉が過ぎるとおしかりを受ける可能性がありますので丁寧に申し上げますけれども、今運輸大臣は、環境保全と航空行政の管制というものは完全に両者の要求を満足させながら達成することができるという御発言をされましたが、ということは、沖縄そのものはサンゴだけではやっていけないから航空行政は必要である、だからサンゴ礁を守るための方途としては、ほかに、運輸省もこう考えて、こういう対策をするから協力してくれいという積極協力要請を運輸省が打ち出すということですか。念のために答えていただきたい。
  26. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 時代も変わってまいりまして、日本人のライ7スタイルも変わってきていますし、価値観も変わってくるのは当然だと思います。  世界が、世界規模で汚染されて環境が破壊されている。沖縄の石垣もまたその一部でありまして、私は、いささか個人的なことを申しますと、十数年前から石垣には年じゅう行っておりまして、あそこほど多様なサンゴのきれいな海はございませんでしたが、これは石垣市の責任でしょうか、県の責任でしょうか、非常にちゃちな、しなくてもいいような開発をどんどん許して、非常にずさんな工事で泥水が出て、そして不思議なことに、オニヒトデというのは泥水であっという間に繁殖するのです。そして、本当に二、三年の間に石垣島周辺、特に竹富、新城、黒島という周辺のサンゴは壊滅いたしました。そして残っているのは白保ぐらいであります。  私も石垣島に、沖縄経由じゃなしに東京から直行でジェットで行きたいと思います。しかし、石垣の方々が経済収入を上げようというのは、それは一次産業、二次産業いろいろあるかもしれませんが、主な問題は観光だと思います。例えば沖縄本島に立派なホテルができました。しかし、その外の海は、泳いてみるとサンゴが死滅して、オニヒトデとウミヘビしかいません。私はその死んだ海を立派なホテルのプールから眺めるのが観光だとは思いません。また、その観光は日本人をスポイルするだけで、日本人も、感性的に成熟していけば、そういう観光地を捨ててほかへ行ってしまうでしょうか。ならば、石垣というものは、島の繁栄のために大事にすべきものは観光資源だと思います。(発言する者あり)黙って聞いてください。その観光資源を守りながら、同時に飛行場を、多くの観光客を東京から直接に招致する飛行場、できる法があったかなかったか。私は、今ある飛行場を延伸する、方角を振る、その他のことを、お金はかかるかもしれませんけれども、もっと慎重に考慮する必要があったのじゃないか、その可能性があったのじゃないかどいうことをあわせて申し上げていることでございます。
  27. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 私は、今ここでサンゴの問題だけをやっているわけにはまいりません。  それでは運輸省、どなたか担当にお伺いしますけれども、航空行政を行う場合に一番大事なことは何かということですね。私は、その地元の都道府県知事が要請するものにこたえることができなければ、それは政府ではないと思う。私はそう思うのです。ですから、この問題については、例えば都道府県知事が県民に選ばれて、ぜひこういうものはやってもらいたいという場合に、大臣がサンゴ礁がなくなるからそれはいけないということだけで考えられることについては、私はこれは非常に残念でなりませんので、その点については担当官、ひとつ西銘君を呼んで、西銘知事がこういう問題についてはこうしたいと思うということがあったら、どうせもう何日かでやめる大臣ですからそんなに当てにしても仕方がありませんから、あなたの方でそのように十二分に配慮してやってください。よろしいですね。
  28. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 御存じでしょうけれども、今沖縄県は沖縄県の主体性で環境アセスメントをやっておるわけですから、それがもしノーと出れば当然運輸省はそういう飛行場を認めませんし沖縄が沖縄の責任でアセスメントは十分だと言われるのだったら、運輸省はそれに逆らってまで飛行場を阻止するということはございません。
  29. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 私はここで大臣の見解は承りました。ただ、一都道府県がそういう形で要請のあった場合には、やはりそれにこたえるようにしてやってほしいと私は申し上げていることですから、その点は間違いのないようにひとつお願いをしたいと思います。  例えば、それではお伺いしますが、ここに千葉県の我々の先輩の先生もおられますが、新東京国際空港をつくるときに、我々は、私の家まで焼かれるような、私の事務所の二階まで焼かれるような、友納知事のように家に爆弾が投げ込まれ、現在の水野県連会長、そこにも投爆されるような、そういう形を経過しながら、長い間航空行政の全うのために努力してきました。しかし、世界的に必要なものは必要なんですね。ですから、自民党は実はその道に向かって歩いてきました。あなたもこの間千葉県の空港視察をしていただいたそうですが、その当時何を感じたかわかりませんけれども、今ここでそれを申し上げる意思はありません。ただし、都道府県が必要だというものについては御配慮をいただきたいということだけを、この問題については特にお願いをいたしておきたいと思います。  次の質問に移らせていただきたいと思います。  次の質問は、実はアメリカの軍隊、艦船が日本の海の上で砲弾を撃った。そのことで、これが過去のあなたの政治行動の中で非常に大切な問題ですから、御指導いただかなければいかぬのですが、あなたは私を狂犬と思いますか、答えてください。
  30. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 浜田幸一衆議院議員と存じております。
  31. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 ということは、私を番犬だと思ったこともないわけですね。
  32. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 思ったことはございません。
  33. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 これは議事録にきちんと残しておかなければならないことですから、失礼とは存じますがもう一回承る。あなたはアメリカ合衆国のことを表現するに当たって、番犬が狂犬になったと発言したことがありますか。
  34. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 先般、アメリカの駆逐艦タワーズ号が事もあろうに日本の領海内で実弾の射撃練習をいたしました。しかも、これはまだ確認されておりませんけれども、そこにフライヤーを投下するほかの艦船は周囲におりませんでしたし、海の上でフライヤーが燃えておりまして、何事かと思い、そこに急行をしました保安庁の「うらが」という船を一種の標的にして、直接撃ったわけじゃありませんけれども、海の上でよくあることですが、何か目標を定めて、それから数百メートル外れたところを数発の砲弾を撃ち込んで練習をいたしました。これは明らかに主権侵害でありまして、狂気のさたとしか言いようがない。  かつて椎名悦三郎氏が外務大臣のときに、あれは日韓間の問題でしたでしょうか、社会党のある委員から、そもそも日本におけるアメリカ軍とは一体何なのかという質問を受けましたときに、椎名さんが番犬と発言し、社会党の委員から注意されまして、番犬様と言い直して一同高笑して、非常にウイッティーに事が運ばれた。その番犬様という言葉を受けまして、私は番犬様が狂犬になったのでは困ったことだということを申しました。  例えば日本の自衛艦がリムパックに参加しまして、ダイヤモンドヘッド沖の領海内でそういう射撃をしたら、一体アメリカでどういう世論が起こるでしょう。だから、私はそれを問題にしてまさに狂気のさただと言い、アミタージュ国防次官補ですか、それが激怒して艦長の馘首を命じ、艦長が更迭されたという事実をもってしても、アメリカがこういう事態をいかに慎重にとらえたかということがわかると思います。
  35. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 私はこれは記録にとどめるだけのためにお伺いしているのですから、そのままお答えいただいて結構なんですよ。  アメリカの国防予算が幾らか御存じですか、答えてください。
  36. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 つまびらかにいたしません。
  37. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 ドルの換算によってもその差異はありますけれども、かつて日本の国家予算と同じだけの防衛予算を計上していたとき、アメリカの予算は約二百兆円でした。その当時の我々の国の国家予算が五十兆円程度でしたでしょうか。ということになりますと、アメリカの国防予算そのものが我が国の国家予算に該当する、そう考えて間違いない。現在の段階では二千三百億ドルとも言われ、それが決算の段階になって三千億ドルに達するとも言われております。その場合、三千億の場合には百二十円を掛けても三十六兆円になり、また例えば二千三百億ドルで当初予算が出たとすると、それに掛けること百二十円が国防予算になりますと、我が国の国防予算とアメリカの国防予算とを比較した場合、これは比較になりませんね。  それはなぜ必要かというと、アメリカは自国が存立するために自由主義国家陣営が必要であることはよくわかります。しかし、資本主義社会すなわち人間の自由地球上の共産主義対自由主義の分割支配の現実の上に立ってそれだけのものが必要であるからこそ、そういう行為をしなければならないからこそ、国民の理解を得て日本に進駐をし、韓国に進駐軍を置き、そしてヨーロッパに進駐軍を置き、世界の安全を守っていると思う。その行為の中で起こった一つの間違いが狂犬という表現でされていいのでしょうか、念のためにお伺いしているのです。
  38. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 アメリカはアメリカなりの国際戦略の構想の上に日本を必要としているがゆえに、もちろんそれは行為の一種だと思いますけれども、日本を守るということでここに基地を置き、日本もアメリカと協力して自分自身を守るということで日米安保があると思いますが、それはやはり相互信頼、相互に敬意を持ち、決してどちらがどちらに従属するという関係ではなしに、あくまでも公平な、同じステータスでの協定だと思います。その中で、相手国の主権を侵害するような、過失というにはとてもほど遠い、結局結果として艦長が更迭されたわけでありますけれども、そういう行為を白昼行うということは、これはまさに本当に狂気のさたでありまして、私はそれを狂気のさたと言うかわりに番犬様が狂犬になったという表現をしたわけで、これは決してアメリカを損なうものでもないと思いますし、私はそれで私なりの責任を果たしたと思っております。
  39. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 厳重に注意をしておきたいことがありますが、あなたが守る守らないは——あなたは有名な小説家ですし、政治家ですし、過去においては青嵐会の指導者で我々を指導した人ですから、間違いがあるといけませんから念のためにきちっと申し上げておかなければなりませんが、そういう場合でも、狂犬という言葉を使って表現することについて訂正をする意思はありませんか。アメリカは狂犬ですか。そういう行為をすることはよくないという主張はいいにしても、狂犬という表現は大臣、いかに正当化しようとしても、それは小説の世界でも通らないんじゃないですか。どうですか、その点。  そこのところ、いかがですか。同じアメリカ合衆国に対して警告を発する場合、アメリカ合衆国に対してそういう行為はやめてもらいたいと言うことはいいけれども、狂犬という表現は一国の大臣のすべき行為ではないんじゃないですか。私が言うならともかく、あなたが言うのはおかしいんじゃないですか。そうでしょう。ましてや一国の運輸大臣が、それはどんなに立派な行為であっても、アメリカ合衆国のことをそういう行為があったから狂犬という表現は、どう考えてみても、この場所で訂正してもらいたいと思いますが、訂正する意思はありませんか。あくまでも狂犬と言い張りますか。それなら私は、狂犬とはどういうものかを今実証で見せてあげますから、言ってごらんなさい。アメリカ合衆国は狂犬ですか。答えてください。
  40. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 私は、椎名外相の番犬様という言葉を踏まえて、それをウイッティーにとらえて、番犬様変じて狂犬という表現をしたわけでありまして、しかしその言葉の表現以上に私はアメリカが白昼堂々と日本の主権を侵害してやったあの行為は狂気のさたであると思いますし、狂犬という発言以上に不穏当だと思います。
  41. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 狂犬という言葉より不穏当ということですか。ということは、アメリカは狂犬だということですか。ちょっとそこのところもう一回。
  42. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 まさに番犬様変じて狂犬になったとしか言いようのない、狂気のさた、不穏当な行為だと思います。ゆえに、アメリカの当事者はそれを冷静に構えてあの艦長を首にしたのだと私は思います。私の表現がもしアメリカにとって非常に不愉快で、日本人があの主権侵害で味わった不愉快以上にアメリカ人にとって不愉快で不穏当ならば、アメリカは当然私に政府対政府で抗議をしてくるでしょう。
  43. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 それはアメリカの考えることですから、アメリカ合衆国様々が考えることですから、私が特に申し上げなくてもいいのですけれども、これはあなたがいかに正当化しようと思っても、アメリカ合衆国を狂犬と呼ぶことは間違っています。よろしいですか。一国の総裁になろうという人がアメリカ合衆国を狂犬と呼んで、何か日本国民のためにプラスになりますか。
  44. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 ちょっと言葉に誤解があるようでございます。私はアメリカ合衆国を狂犬と言ったことはございません。アメリカ合衆国の軍人で、日米安保にのっとって日本に駐在し、日本を守るためにやってきた第七艦隊の駆逐艦の指揮官が、 白昼堂々と主権侵害をあそこであえて行った。その行為が狂気のさたであるがゆえに、私は番犬様変じて狂犬になったと言ったわけであります。
  45. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 それでは承ります。これからは意地悪だと言わないで聞いてください。  あなたは物すごく立派なことを言っているように聞こえる。ところが、あなたが担当している航空行政の上で、それならば、ああいう事件の以前の問題として、運輸行政、航空行政の上でアメリカは日本に対して対等な取り扱いをしていますか。それならそういう行為の前にその言葉が出てしかるべきじゃないですか。あなた、航空担当の責任者ですね。アメリカ合衆国の思ったところに我が国の飛行機が飛んでいくことができますか。答えてください。
  46. 林淳司

    ○林(淳)政府委員 国際的な航空ルールというのはあるわけでございますが、現在、日本におきましては日米安全保障条約がございますので、安保条約に基づく地位協定によりまして、日本に駐留する米軍の活動について、その地位協定の中で特別の地位を与えておるということでございます。
  47. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 例えば米国に対して日本の航空会社の乗り入れを行う場合に、これだけの立派な大臣を持っていれば乗り入れが拒否されるようなことはないのが当たり前でしょう。今航空行政の中で、アメリカが乗り入れを拒否した場合に、アメリカは狂犬だと言ったことがありますか。ないでしょう。どうですか。答えてください。歴代大臣がそういうことを言ったことがありますか。あなた、答えてください。あなた方の努力で徐々にいろいろなことが今まで進んできているのでしょう。しかし、それでもなおまだ公平でないことは私が言わなくてもわかっでいるでしょう。そうしたら、そちらの問題についてはそういうことを何にも言わないで、ただ向こうの言うとおりにしておいて、とおりにしておいてといっても全部が全部じゃないけれども、多少の努力はしているにしても、アメリカ様がノーと言ったらできないことはノーのままで飛行機を飛ばしておいて、発砲の問題だけをとらえて狂犬と言って、将来の航空行政をアメリカ政府との間で完全にやっていけるのですか。それを答えてください。
  48. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 今大事な御指摘がございましたけれども、日米航空協定は本当にインバランスという以上にまさに不公平、不公正なものだと思います。これは私たちがたびたびそれを指摘し、それを改正するための会議を持とうとしても、アメリカは言を左右して持ちません。  先般、ベリティ商務長官が来られたときに、私はそれを指摘いたしました。ベリティさんが、空港建設に関してはいろいろ参入を認めてくれてありがとうと言いますから、それは黙って聞きましたけれども、その先、向こうもかさにかかって、関西新空港ができたら総量として日本の航空会社と同じだけのアメリカの便を入れてくれと言うから、とんでもない、絶対ノーだと言ったのです。彼は顔色を変えて、どうしてだと言うから、あなた知ってか知らぬか知らないけれども、日米航空協定はかくかくしかじかのものだと申しましたら、ベリティさんが、それは私は知らないと言うから、知らないでは済みません、ついてきた国務省の向こうの役人に聞きなさいと言ったのです。それは非常に正直な男で、ベリティが聞いたら、いや、確かに不公正でございますと言ったのです。向こうは困ってしまって、それきりになりましたが、私たちは事務レベルで今までそれを改正する努力をしてきました。これは冷静な交渉でありますし、向こうが応じないだけでありますけれども、これはこれからも続けていこうと思いますし、向こうは向こうの優位を守ろうとしてそれなりの態度をとっているのでしょうけれども、これはいかに向こうの立場、姿勢が傲慢であろうと、利己的であろうと、これはやはり狂気と呼ぶには程遠い、交渉の中の状況でありまして、それと先般のタワーズ号の発射事件を一緒にされては、私はいささか問題の視点が狂ってくるのじゃないかと思います。
  49. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 これは問題の視点が狂ってくるということですから、質問が悪いということだと思います。  それでは、大阪国際空港をつくる責任はだれの責任ですか。だれの責任でつくりますか。
  50. 林淳司

    ○林(淳)政府委員 関西国際空港につきましては、これは現在関西空港株式会社という特殊会社をつくりまして、この特殊会社を国が監督をしながらつくっておる、こういう体制でございます。
  51. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 ところが、あの建築に当たって、アメリカに行って、アメリカの代表と、その建築行為とかそういうものを全部決めたのは、運輸省ですか、建設省ですか。それとも、だれがアメリカとの話をつけたのですか。
  52. 林淳司

    ○林(淳)政府委員 現在建設中の新関西国際空港につきまして、日米間で建設問題についていろいろございました。昨年来、その最終解決に向けていろいろございまして、ことしの三月の時点で解決したわけでございますけれども、これについて、要するに米側が現在の日本の経済力から見て市場をもう少し開放すべきじゃないか、その一環としてその建設問題というのが特に公共事業についてあったわけでございますが、その公共事業の関連で、関西国際空港のいわば工事の発注ということについても米国企業が参入しやすいように、容易にアクセスできるように、こういうことを強く要望されまして、これについて日本側としてもそれ相当の対応をしたということでございます。
  53. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 最後に、この問題で一点だけ申し上げたいと思います。  なぜそういうことを聞いたかというと、実はそれを発表したのは運輸大臣でもだれでもなくて、内閣官房副長官だったですね。本来であれば、そういう問題を決定して発表する場合には、実は航空行政の場合は運輸大臣が発表するのが当然ですね。しかし、アメリカへ行ってそういう問題を発表して、決めてきたのは、官房副長官でしたね。その点についてどうお考えですか。
  54. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 御承知だと思ったのですが、実はあれは運輸省関係の空港建設だけではなくて、建設省マターも、その他たくさんございまして、それをまとめた形で小沢副長官が内閣を代表して行って話をまとめたわけでございます。
  55. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 それほど大事にして決めなければいけない国の問題について、あらゆる問題で、これから日本の存立のためにも、生存のためにも、大臣、私は、間違ったことは間違ったと言ってはいけないとは言っていないですよ。ここのところ勘違いしないでくださいよ。私はアメリカがやり過ぎていいなんて言ったことは一回もないのです。ただ、表現の上で、あなたが私のことをいかぬと言うのならわかりますよ。あれはだめだとか、そういうことはほかの議事録にもきちっと残っている。そう言うことはわかりますよ。しかし、アメリカ様々のことを狂犬と言うのは、そういう呼び方は、いかなる問題があってもこれは間違っているのじゃないですか。まだ直りませんか。やはり狂犬だと思っていますか。どうですか。ここのところだけはっきりしておいてもらわないと困りますから。意地悪な質問のようで申しわけないけれども、あなたぐらいしかいないのですよ、アメリカのことを狂犬と言うのは。
  56. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 私はアメリカはアメリカ様々と思っておりません。ですが、たまたま椎名さんがそれを非常にウイッティーに番犬様と言われました。そのコンテクストのつながりで、私は、それ変じて狂犬になったと言ったわけでありますが、日本に安保のために駐在してくれているアメリカ軍をすべて狂犬とも思いません。ただ、その米軍が白昼ああいう主権侵害を堂々とする狂気のさたは、まさにその時点で私は番犬変じて狂犬になったとしか言いようがないと思います。
  57. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 やはりあなたも天下の石原慎太郎ですから、一たん言ったことは変える意思はないと思いますから、それで結構ですが、ただ私は警告として、これは十二分に御注意をされた方がいいと思いますから、この点は注意を申し上げておきます。  それから、時間の関係がありますから次の問題に移らせていただきます。  あなたは東京湾という湾を御存じですか、答えてください。
  58. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 少し知っております。
  59. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 あなたは正直ですね。物すごく正直です。というのは、あなたが管理している東京湾の中に一年間貿易輸出入で運び込まれているトン数は何トンですか、教えてください。
  60. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 お答えいたします。  東京周辺にあります港湾は、特定事業港湾……(浜田(幸)委員「トン数から言ってくださいよ」と呼ぶ)五つほどありますが、その全体で取り扱われている貨物量で申し上げますと約五億トンでございます。
  61. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 そこに座っていてください、すぐまた続けますので、時間がもったいないから。  五億トンですね。そうすると、その五億トンは五つの港の中に配分をされているのですけれども、これから先、日本の経済、生産性が高まってきた場合に、東京湾で荷おろしをしなければならないトン数は幾らになる可能性がありますか。例えば二十一世紀という言葉がよく使われていますが、どの程度の数量を運び込まなければいけなくなりますか、答えてください。
  62. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 手元に資料がございませんけれども、いわゆる安定成長期に入ってからの東京湾の各港で取り扱われております貨物量の動向を見ますと、いわゆる重厚長大型の関係いたします貨物がかなり減少しておるというようなこと、一方におきまして一般消費貨物増加というようなことが見られまして、非常に大まかでございますが、ただいま横ばいのまま推移しているわけでございます。(浜田(幸)委員「できるだけ簡単に答えてください」と呼ぶ)一方におきまして、東京湾の外側に関東の新しい出入り口としての港湾を今整備しようとしておりますから、全体といたしましてやや横ばいのまま推移するのではないかと思料いたします。
  63. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 この問題については、東京湾そのもののより安全な活用のために、かつて出光石油社長が提案したことがありますが、東京湾 の湾口、鋸南町の先端に、そこに地下に油を埋蓄するものをつくって、そこに油を落として、そこからおかに揚げて、それで中には船を入れないという問題が議論されたことを知っていますか。
  64. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 かつて、ちょっと年代を今正確に思い出せませんが、高度成長期の真っただ中におきまして、そういう議論があったように記憶しております。
  65. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 私は、その当時、将来のためにそうすべきだということを主張した人間の一人なんですけれども、ところが、それはいつの間にか消えてしまいました。現状のまま実は推移してきたのです。  もう一つ、これは念のために港湾局長に聞いておきます、これは大臣に聞いてまたおしかりを受けるといけませんから。  あの東京湾の場合、入り口と出口を変えるべきだということで、横須賀の半島、あの横須賀半島に出入り口を、運河をつくって、こちらから入れてそちらから出すという議論がされたことを知っていますか。知っているかいないかだけ答えてください。
  66. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 聞いたことがございます。
  67. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 それも大分前の話ですね。
  68. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 先ほど申し上げました高度成長の真っただ中のころかと記憶しております。
  69. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 東京湾をより合法的に活用するために、利根川の水を東京湾の中に導入をして、そして攪拌作用を起こし、そのことによって東京湾の水の浄化を考えようという提案もしくは話を聞いたことがありますか。
  70. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 先ほど申し上げた時期に聞いた記憶がございます。
  71. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 その場合に、それだけではだめだから、東京湾の総数量もふえてくる可能性があるので、市川から市原という今の工業地帯から、それから太平洋に向かって、九十九里に向かって運河をつくり、そこに大きな港をつくることによってこの関東首都圏の荷揚げ量の消化をするということが議論になったことがありますが、あなたは聞いたことがありますか。なければない、あるならあると答えてください。
  72. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 ございます。
  73. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 そこで、お伺いしたいのですが、話は聞いたことがあるけれども、計画、そういうものを検討したことはありませんね、話を聞くだけで。その点、ちょっとだけ答えてください。
  74. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 私ども運輸省港湾局として具体的な検討をしたことはございません。
  75. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 ありがとうございました。  それでは大臣にお伺いしますが、実は私のふるさとの東京湾、私のふるさとの目の先、富津市の沖ですが、そこに一海堡、二海堡、三海堡という堡があります。何のためにつくられたものか、御存じであったら教えてください。
  76. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 よく存じませんけれども、何か戦争のとき、潜水艦対策ですか、いずれにしろ防衛的な見地でつくられたと聞いております。
  77. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 どういう形でつくられたかわからないけれども、防衛的な見地でつくられた。  あれはだれがつくったのですか。わかる人で結構ですよ。小説家というのは余り詳しいことを知らないんだな。
  78. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 明治二年、皇居を東京に改めるに及びまして、首都守備、帝都守備、特に皇居の防衛のために東京湾口を守るという認識がされまして、そういう見地からこの砲台の建設が議論されたようでございます。
  79. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 ようでございますということは、だれがつくったかがはっきりはしないけれども、そこにそれがあるという認識でよろしゅうございますか。
  80. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 手元の資料でございますが、旧陸軍内部におきます議論がこういう形になって実現したというふうに承知しております。
  81. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 大臣にお伺いしますが、この間、私はあなたに国会議事堂の中で、大臣、三海堡を取り除くというけれども、一言ぐらい話してくれてもよかったのじゃないかと言ったら、あなたは反対だから反対でいいじゃないか、そう言われたけれども、私がどこかで反対したことがありますか。私は国策で行われることに反対したことは一回もありませんよ。きょうは実はここのところがポイントなんで、ここのところ的確に答えていただきたいのだが、私は、自由民主党の政策決定がされたもので、これが一つの政府の所信であるということで決定されたことについて、反対をした行為はありません。あるのは日中平和友好条約のときに、あなた方は表へ出たけれども、私は座って立たなかっただけです。そのとき以外に国家政策の決定に反対したことはありません、私は。ただ、あなたはそれを取り除くという言葉を使いましたね、除去する。あなたが反対したって、あのときにあなたは、あなたが反対だというから、何も反対なら反対するで、言う必要なんかないじゃないか、私にこう言いましたね。確かにそれは言いましたね。今でもそう思っていますか。
  82. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 雑踏の中でしたし、浜田委員が血相を変えて詰め寄られたので、私はこれは反対なのかなと思って言いましたが、もし基本的に賛成いただけるなら、こんなに心強いことはございません。
  83. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 これは大変な問題なんですが、それでは具体的に。  この問題で、この間、私のところに運輸省説明に来たのです。私の富津の地元で、私が漁業組合の顧問で、とにかく漁業権について一生懸命勉強させていただいているので、航路上三海堡がどういう状態になっているか知っていますよ。しかし、本来であれば、あなただって、私に対して友情をお持ちであれば、一言ぐらい、浜幸、お前みたいなやつでも言っておけばよかったなと、あれは取り除かなければいけないよと言うのが本当じゃないですか。しかし、あなたは一言も言わないで、あなたが反対だというから、反対なら反対でいいじゃないか、こう言ったけれども、地元に帰って私が調べてみた場合に、これはこのまま議事録に載せてもらわなきゃいけないのだけれども、私はきちっとしておかなければいけないのだけれども、ここのところ大事なことですから言っておきますが、あなた方が千葉県と話をして、これは先生も立ち会っておいてくださいと言われ、漁業組合と話をして、そしてあれしたのは六十年までの間でしょう。この間あなたが持ってきた書類では、六十一年も二年も三年も協議したと言っているけれども、協議してないじゃないですか。これは何も責めるつもりはないんですけれども、しかし、あれがもし総理大臣の地元だったら、あなたは断らずにそれを除去すると言いますか。ちょっと答えてください。
  84. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 この間、院内で話した時点では、委員会で質問が出まして、二度ほど、取り除くべきだ、「なだしお」の事件もありまして、これからどういう大きな事故が起こるかもしらぬし、その起因になるから、原因になりかわないから、取り除くべきだという答弁をしたばかりでありまして、運輸省の施策として、これからとにかく「なだしお」も踏まえて、東京湾もさらにふくそうしてくるし、取り除こう、行政の案件としてまだ台帳に載っている段階じゃございませんでしたから御相談もしませんでしたけれども、その時点で浜田委員が血相を変えて詰め寄られたので、私はこれは反対かなと思って危惧したんですけれども、近いうちにできるだけ速やかにあれを取り除きたいと思っておりますし、その時点では当然それは、地元の有力な議員たちにあるいはすべての議員たちにお諮りいたしまして、御相談もいたします。
  85. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 あなたはモーターボートじゃなくてヨットに乗っているとき、東京湾を見て、一海堡、二海堡、三海堡ってわかるでしょう。それはいいんですが、ただし、そこに存在する漁業権、特に邪魔にならない二海堡、一海堡もついでに取ってしまうんですか。その点ちょっと聞きたいんです。これは大臣に聞いてもわからないから、専門家に。
  86. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 ただいま持っています私どもの計画では、第三海堡の撤去だけでございます。
  87. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 当然あれをつくるときも、漁民は、過去において、あれそのものが存在するときには、もうだれにも反対もできないような状況の中でつくられた。しかし現在はそこに漁業権も発生し、魚礁的な役割もしている。だから、漁業組合に対して話し合いの努力を五十八年か五十九年までは一生懸命やってくれた、その誠意は認めます。しかしその後も、六十三年も来たというけれども、その話は六十三年は横断道路の漁業補償で忙しくてそれどころじゃなかったんですから、私はそれは信用しません。それは攻撃するのが能ではありませんから、そのことは、あと三分しかありませんからこちら側に置いておきますが、例えば条件として、三海堡なら三海堡は取り除くけれども、一海堡、二海堡については妨害にならないので、地元の漁民を初めとして千葉県がもし必要と認める場合には、そういう場所を通じて漁業権の喪失を防ぐような考えがあるかないか、聞かせてください。
  88. 奥山文雄

    ○奥山政府委員 何分にもまだ漁業関係者と具体的な折衝をやっていない段階でございますので、どういう御希望を地元がお持ちか、まだ十分把握しておらない点がございますが、折衝の過程におきまして地元のさまざまな御要望があれば、できる限り実現に努力してまいっておるわけでございますから、そういった今までのやり方をやはりそのまま続けてまいりたいというふうに考えておりますので、具体的な折衝の過程でまた御希望があればお伺いしたいということでございます。
  89. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 時間が参りましたのでこれで終わらせていただかなければなりませんが、大臣、一点だけ要望がございます。  人間の中には、大東亜戦争の始まるときに中学校に入学をし、四カ年間の在学中に十二分に学問を享受することなしに、昭和二十年の八月十五日に大東亜戦争の終戦とともに学校を卒業し、そのまま成長してきた政治家もいます。私はそのうちの一人です。「貧しさになれ欲も捨て衣がえ」、これが実は我々のふるさとの忍耐強い考え方の一つです。  ですから、お願いがあるのですけれども、もし三海堡を取ることによって航行の安全というものが把握されるならば、それは政府の方針にのっとっておやりいただいて結構です。ただし、もしあなた方が、いつつくったかわからないようなものであっても、その地域にとって大事なものがあって地元民が要求する場合には、そういうものがだれが考えても合法的で、法律的に違反しない行為であるならば、その町や県の要求に対してはこたえていただきたいということをこの機会にお願いしておきたいと思いますが、考え方があったら聞かせてください。
  90. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 それは当然、千葉県に限らず、第三海堡の、いろいろな利益を上げ得る立場におられる方々の属する地方公共団体と相談をさせていただきます。同時に、魚礁も非常に開発発展されてきまして、東大の何とかという教授が発表しておられますけれども、大きなタンカーを持ってきて沈めるのが非常に効果的な魚礁だそうでありますから、航路を外したところにそういうものを設けるとかいろいろ方策を講じて、たまたまあそこで大きな船が残飯を捨てるわけです、それから先へ入ってやられるとつかまるものですから。それであそこが漁場になってしまいましたけれども、それを魚はめぐってくるわけでありますから、少し航路を外れたところへ移すとかその他の方策を、隣接した公共団体と相談しながらそういう措置も講じていく必要があるかなと思っております。
  91. 浜田幸一

    浜田(幸)委員 きょうは忙しいところを本当にありがとうございました。感謝をいたします。ただ、もう一度申し上げておきますが、私のことを狂犬と呼んだり攻撃することは結構ですが、アメリカ様々のことだけは狂犬と呼ばない政治家になってくださるように、運輸大臣に強く強く要請をして、質問を終わらせていただきます。  委員長、ありがとうございました。委員諸兄、感謝します。ありがとうございました。
  92. 野中英二

    野中委員長 渡部行雄君。
  93. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 まず最初に、きのうの東中野駅構内における列車の衝突事故についてお伺いいたしますが、それにつきまして、この事故によって死亡された方々や重軽傷を負った方々に対して、心からお見舞い申し上げます。  そこで、早速質問に入らせていただきますが、この事故というのは今原因調査中ということでございますが、その原因と思われるものにどういう種類があるか、それについてお聞きいたします。
  94. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、現在、事故の原因につきましては調査中の段階でございます。したがいまして、その原因に触れることにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。     〔委員長退席、衛藤委員長代理着席〕
  95. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 原因については控えさせていただきたいと言うけれども、現にゆうべ、評論家なりテレビなりあらゆるところで、この問題の原因についていろいろな場合を想定されているのですよ。それをなぜ答えられないのですか。
  96. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 原因の究明につきましては、現在、JR東日本を中心に厳重にやっているところでございますので、この段階でいろいろと推測すること自身は私どもの立場としては差し控えるべきではないかと考えておるわけでございます。
  97. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 例えばATSの故障の問題だとか線路の設計の問題だとかあるいは運転士のミスによるものか、いろいろ原因が想定されるでしょう。その想定ができなかったら、なぜ再発防止というようなことを口頭指示できるのですか、全く論理性がないでしょう。
  98. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 再発防止策をJR東日本に対して早急に樹立するようにということを指示したわけでございます。それで現在、先ほど申し上げましたように、JR東日本の方といたしましては原 因究明を並行して行っているところでございますので、それの結果を踏まえて再発防止策を早急に樹立する、こういうことを考えているわけでございます。
  99. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 それでは、再発防止策を口頭で指示されたと言うが、具体的にはどういう内容で指示したのですか。
  100. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 まずは、私がJR東日本の副社長に対して口頭で、再発防止策の早期の樹立を指示したわけでございますが、昨日、別途文書をお渡ししまして、その文書の中で、同じように再発防止策につきましても触れておりますので、その部分を申し上げますと、「今回の列車衝突事故の原因究明を早急に行うとともに、同種事故の再発防止策を策定して報告すること。」こういう内容でございます。
  101. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 それは再発防止になってないでしょう。そういう子供だましみたいなことをやるからこういう大事故が起きるのですよ。少なくとも再発防止と言うならば、例えばATSがどういう性能のものであってそこにどういう故障が起きたのか。ATSというのは列車自動停止装置というふうになっておるそうですが、実際には停止装置でなくていわゆる解除ボタンだそうですね。解除するというものであって、そこに一つの人間が確認しなければならない欠点があると言われておる。そこで今はATSのPというのが新しくつくられて、民間はこのATS—Pに当たるようなものを設置してあるから事故がない、こういうふうに言われておる。そしてまた、この急カーブというのは魔のカーブと言われて、八年前にも同じような事故があったと言われているわけです。そういう問題について、例えば運転士の過ちによってそういう事故が起きたならば、人間だからだれしも、一人でやる場合に、その人が脳血栓で倒れたり精神状態が正常でなかった場合、そういう場合に補助する者がいないとそれは必ず事故になっていくわけですよ。ですから、ATS—Pという新しい装置が設置されないまでは、それじゃこの一人運転を二人にして補助者をつけるべきじゃないか、その新しい機械の設置までそういう緊急措置を講ずるとか、そういうものでなければだれもこれは納得しませんよ、あなたの言う再発防止という問題は。いかがでしょうか。
  102. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 先ほど読み上げました通達文書は、まずその原因究明をJRが徹底して行って、それで、その原因究明の結果を踏まえた再発防止装置ということをJRがまず樹立するということを早急にやっていただくように、こういうことを申し上げたわけでございます。
  103. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 だから、どういう場合にどういう事故につながっていくのかという、その想定をしながら原因究明していくのが本当でしょう。何も想定しないで原因究明すると言ったって、どういうふうにするんですか。  そこで、この十二月一日からダイヤ改正があって、今まで三十秒単位であったのが今度十秒単位になった。そういう問題についても、一体これは過密じゃないかとかいろいろな問題が出てくるでしょう。そういう問題を一つ一つ明らかにしながら、これは今の性能では大丈夫なんだ、そうして絞っていくと、最後に残ってくるものが必ずあるわけですよ。そうしたら、その残ってきた問題はなぜ起きているのか、しかも同じ場所で二回も三回も繰り返されるというのは一体なぜだろうか。そういうふうに考えていくと、緊急に今やらなくちゃならないのはそれじゃ何だ。いわゆる確認の問題を間違えさせないためには、一人確認でなくて二人で確認させる、仕方ないでしょう、それ以外に方法がないでしょう。あるいは、そのカーブに設計上の問題があるならば早急にこれを直していくとか、いろいろな問題が私は出てくると思いますが、その点と、それから死亡した方や重軽傷者に対する一つの補償と申しますか、そういう問題についてはどのように考えておられるか、お伺いします。     〔衛藤委員長代理退席、委員長着席〕
  104. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 その原因と考えられる事項につきましてはいろいろなことがあり得ることだと思います。それは、まずは、当事者でしかも専門家であるJR東日本の方で、カーブの問題とかATSのボタンの問題とかそういうことを、今回の事故ではどういうふうに問題が進行したかということを全部解明していただいた上で、その結論を踏まえれば当然その対応策が出るわけでございますから、それをやっていただきたいということを、しかも早急にその対策を樹立していただきたい、こういうことを申し上げたわけでございます。  それから、被害者の方のいろいろな補償の問題につきましては、私どもの方といたしましては、JR東日本が誠意を持って万全の対応をしていただくように指導してまいることと考えております。
  105. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 それから、よく魔の鉄橋とか魔の隧道とか魔のカーブとか、そういう魔のつく箇所は全国に何カ所ありますか。
  106. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 申しわけございませんが、今手元に資料がございませんので、必要あれば後ほどまた御説明に上がります。
  107. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 時間がなくなりますからこの辺でやめますが、とにかく魔のつくところは要注意して再点検してください。  それから次には、決算ですから、昭和六十一年度決算検査報告の百六十九ページに、「不当事項」ということで工事指摘されておりますが、その指摘に対する処理てんまつはどのようになっておりますか。
  108. 山田隆英

    ○山田(隆)政府委員 お答えいたします。  六十一年度運輸省関係の決算につきましては、会計検査院から、岸和田海上保安署の船艇基地の移設工事に不適当なものがあったという御指摘をいただいたわけでございます。これにつきましては、岸和田の巡視船係留施設建設工事の施行に当たり、係留ブロック設計が適切でなかったためにその耐力が不足しておったということでございまして、これにつきましては、昭和六十二年の九月三十日に補強工事をいたしましてその欠陥を是正したわけでございます。
  109. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 こういうことは非常によくあることで、形ばかり整えて実態は全く設計と違ったり、あるいはそこに使う素材の内容が違ったり、こういうことでしっかりした工事をしない、そういう企業に対してはこれは警告を発し、あるいは二度と落札させないとか、そういう配慮が必要じゃないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
  110. 山田隆英

    ○山田(隆)政府委員 本件は、海上保安庁神戸にございます第五管区海上保安本部設計をいたした工事でございまして、当方の設計に問題があったということでございます。私どもといたしましては、この御指摘を受けまして、五管本部の担当者に対しまして厳重なる注意処分を行いますとともに、この件を契機といたしまして、会計事務担当者の研修を六十三年の十月に実施いたしますとともに、注意喚起の通達を六十三年二月に関係部署に対して行ったところでございます。
  111. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 この指摘事項については十分反省をしていただいて、二度とこういうことの起きないようにお願いします。  次に大臣にお伺いいたしますが、今や世界は高速交通時代と言われておるわけでございます。こういう中で一番問題のポイントと申しますか、それはやはり運搬速度の問題が一番重要ではないか。そうして考えてまいりますと、これからリニアモーターカーが実用化段階に入ると言われておりますが、このリニアモーターカーについて今後どういう開発順序で計画を進めていくのか。いわゆる飛行機、新幹線、高速道路、これとリニアモーターカーとをどういう合理的配置、組み合わせによって全国にネットワークをつくっていくのか、その辺について構想をお聞かせ願いたいと思います。
  112. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 まだ構想の域も出ませんし、多分に私個人の意見も加わった形になると思いますが、いずれにしろ、現実にリニアは宮崎の実験線での実験を来年度いっぱい待たずに終えると思います。それで、あと残された実験は、急勾配あるいはトンネル、それから切りかえでありますけれども、これはそういう実験に見合った地形の実験線を設けての話でありますが、今年度に組みました調査費でどこが妥当かということを調査して、そこに数十キロの実験線を構えて実験をするつもりでございます。  ただ、お聞き及びと思いますけれども、JR各社の姿勢も違いまして、東海などは非常に熱心に、資金も一部調達して、やがて実用線に組み込む形の実験線をしたいと言っておりますし、これも非常に大事な調査の要件になると思いますが、いずれにしろ、二十一世紀を待たずにこういったものが完成されれば、またしたいと思いますし、仮に東京大阪というメガロポリスを飛行機に近いスピードで結べば、その間の飛行機の需要はほかの地方に振り向けられることになりますし、日本に新しい社会変動が起こってくると思います。  いずれにしろ、先ほど申しました要件を踏まえての調査をこれから行い、さらに、数十キロの実験線を設けて残された実験をし、それを組み込んだ形の長距離間の運行を何とか完成したいと思っております。
  113. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 この実験線をつくる場所等について、候補地についてはどの辺を考慮されておられますか。また、六十四年度予算に対してはこの要求額はどのくらいですか、明らかにしてください。
  114. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 実験線の場所の問題でございますけれども、今年度予算から始まりまして、二年間で調査をするということで考えておりますが、現在、私どもの運輸省の中に学識経験者を中心といたします懇談会を設置いたしまして、その委員の方々にその問題につきましてのいろいろな御議論をいただいて、これから内容を絞ってまいるという段階でございます。  なお、六十四年度の技術開発費の関係のリニアの予算要求につきましては、要求額でございますが、七億八千万円を要求してございます。
  115. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 審議会を設けるなり、いろいろ学識経験者の方に相談することはいいことでございます。しかし、大体、候補地はどことどことどの辺を調査しようかという腹案があってしかるべきだと思いますから、その腹案は発表できないものですか。
  116. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 ただいま申し上げました懇談会が発足したばかりでございますので、まだその議論がそこまで煮詰まっておりません。
  117. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 そこで、この実用化の見通しは大体いつごろになるでしょうか。
  118. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 それも地形によりけりでございまして、変電所が一つで済む距離、四、五十キロでありますならば、しかも平たんでトンネルの必要がないならば、いつも言っていることですけれども、例えば千歳—札幌間などはすぐにでも実用が可能でございます。しかし長距離になりますと、日本の地形ですからトンネル、急勾配の坂ということが必要になってまいりますし、そのための実験をやはり数十キロのより長い実験線を構えて行いたいと思っておりますが、人によっていろいろな見方もございますけれども、担当している技術陣は自信を持って、二十一世紀までに長距離の実用も可能である、またそうするために努力をしていると申しております。
  119. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 これは、成田空港東京駅を結ぶようなそういう路線は今のところ考えられないものですか。考えられるとすれば、そういうところから手始めに、できるところからやはり手をつけていくことも大事だと思いますが、いかがでしょうか。
  120. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 成田はもともと新幹線をつなげるつもりであそこに、地下に立派な駅もつくってしまったわけですが、やはり用地の調達の問題でとんざいたしました。リニアの場合も、鉄道ほどしかし、やはり同じことじゃないでしょうか。やはり成田—東京間と申しますと用地の問題で非常に困難があると思います。しかし、それができればそれにこしたことはないと思いますし、いずれにしろ、宮崎でほとんど完成に近い限りの技術で、地形というものがかなうならば実用にかなうわけでございまして、日本人の開発した高度の技術を商品化するためにも一刻も早く、まずそういった実用線を展開し、そこで、今の新幹線のように、実用しながらさらに改修していくということが必要じゃないかと思います。
  121. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 最近、大深度地下開発法というようなのが、まあ仮称でしょうが考えられていると言われておりますが、こういうふうに、今までの所有権に対する考え方と全く違った考え方で、公共の福祉のためには無償で今度はそういうのが利用できる。これは地下ばかりでなくて、地上も何百メートル以上というようなことに恐らくなってくるんじゃなかろうかと思いますが、そういう観点から考えると、その買収ということを考えずにやれるものでしょうか。
  122. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 ただいま御指摘がございました大深度の地下鉄の構想と申しますのは、運輸省が、昨年の十一月以降、大深度地下鉄道整備に関する調査委員会というところに検討をお願いしてまいりましたが、この委員会がことしの三月に結論を出されたわけでございまして、その内容を御紹介申し上げますと、今先生が御指摘ございました……
  123. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 いや、内容でなく、簡単に私の聞いたことに答えてください。
  124. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 失礼しました。  今御指摘の点につきましては、この調査委員会の結論は、地下の深いところ、これを大深度空間と言っておりますが、この大深度空間に地下鉄を建設するということについての結論でございまして、地上の問題あるいは地上よりも上の部分、上空の部分については触れておりません。
  125. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 私の聞いているのは可能性の問題について聞いているので、今のそのあなた方が構想してこれから法律化しようとする問題についてではないわけで、しかも各省庁が、例えば国土庁、建設省あるいは経済企画庁その他、それぞれにこの大深度地下開発の問題について研究しておるようでございます。しかし、各省庁が別々に勝手にそういうことをどんどんやっていったら、一体その整合性というものはどういうふうにして求められていくのか。  しかもこれは、憲法の第二十九条第二項だけを一つの足がかりにして法制化を考えているようですが、私は、今までの所有権の範囲というものを考えた際に、果たして憲法の一項だけを取り出してそこから法制化を図っていくということが一体法体系の中で可能なのだろうか、この辺はひとつ相当研究を要する問題だろうと思います。もしこれが可能だとすれば、今の憲法を改正しなくとも土地というものは国有化することさえできないことはなかろうと思うのです。  そういう点が一点。どうも時間がなくて困ってしまったのですが、ちょっとひとつ大臣から考え方をお願いいたします。
  126. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 それでは簡単にお答えを申し上げます。  まず整合性の問題でございますが、運輸省としましては、大都市圏におきます鉄道整備の必要性というものが非常に強く指摘をされておりますので、大都市圏におきまして地下鉄道整備促進という観点から、この問題を取り上げているわけでございます。具体的に他のプロジェクトとの調整が出てまいりました段階で、これは通常の鉄道建設におきましても道路との交差ということは日常あることでございますので、そのような形で対応していけばいいのではないかと考えておりますし、大深度空間におきましてそれほど多くのプロジェクトが出てくるとは考えにくいと思いますので、地下鉄につきましては既にかなり深い部分まで建設をしておりますことを踏まえまして、もう少し深いところを無償で使えないかということを検討しているわけでございます。  二番目に憲法の問題でございますが、今先生御指摘になりましたように、先ほど申し上げました大深度地下鉄道整備に関する調査委員会の結論によりますと、憲法二十九条の二項によって所有権の制限ができるのではないかという御示唆をいただいているわけでございます。この考えにのっとりまして私どもは法制化ができないかということを検討しているわけでございますが、ただいま御指摘がございましたように、日本の法体系全体の中でどのように考えるかというような問題につきましては、さらに関係の省庁あるいは内閣法制局等の御意見を踏まえてやっていかなければならない問題だと考えております。  なお、今、このような考えが成り立てば憲法改正しなくても土地の国有化ができるのではないかという御指摘に対しましては、私どもは、この考え方は土地の所有権というものを前提にしている立論でございますので、そのようなことにはならない、かように考えます。
  127. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 この私的所有権、財産権というものの範囲を確定しないままに、深ければ勝手に無償で今度は利用できるとなると、これは無性に身勝手な話じゃないかと私は考えるわけですが、その辺はひとつこれから検討してもらいたいと思います。  それでいろいろ外務省にお聞きしたかったのですが、時間がありませんから外務省の方は差し控えます。  そこで、今、東北横断自動車道路が建設されているわけでございます。そこで問題なのは、四車線で設計はされておりますが、現在のところ郡山−熱海間だけが四車線で、今度熱海から豪雪地帯の会津坂下町までの区間は二車線でいく、しかもその間にある隧道も二車線で当面やる、こういう構想のようですが、私は逆だと思うのですよ。  この豪雪地帯というのは、経験した人でないとわかりませんが、雪が余り降ると車はもうどうにもしようがなくなって、渋滞して高速道路の目的を果たすことができなくなってしまうわけです。したがって、雪の降らない場所を二車線にしても、雪の降るところはむしろ四車線にする。しかも、特に若松−郡山間というのは若松市内の車だけでなくて、各国道がここに集中してまいりますから、相当の車が集中するわけです。そしてまた、坂下まで供用を一回にするというから、それならばそういうところを冬の中でもスムーズに通れるようにするにはどういう配慮が必要か、どういう順序でそういう高速道路をつくった方がより合理的か、そういう点についてお伺いいたします。
  128. 玉田博亮

    ○玉田説明員 お答え申し上げます。  高速自動車国道の整備に当たりましては、先生御承知のとおり非常に巨額な資金を要するということから、全国的に有料道路制度をもって進めているわけでございます。その際、やはり採算性を確保していくということが極めて重要な課題であるわけでございます。このような観点から、現在、供用当初の交通量が比較的少ないという区間については、用地は四車線で買収いたしますが、工事につきましては暫定的に二車線で施工するということを全国的に行っているのでございます。このような路線につきまして、特に交通安全上の配慮、それから積雪寒冷地に対しましては特にそれに対する配慮をする必要があろうと存じます。  御指摘の磐梯熱海から会津坂下間につきましては、そのインターチェンジの付近であるとか急勾配の付近、あるいは地吹雪等気象条件が厳しい区間、これらにつきましては、付加車線と申しまして、事実上四車線にするという区間を中に挟みまして交通の円滑化に努めているところでございます。  なお、暫定的に二車線で供用しました後の四車線化の時期についてでございますが、これにつきましては、供用後の利用交通量の推移であるとか、地域開発の状況等であるとか、周辺道路網の整備の進捗の状況、これらを総合的に見まして、追加施工の時期を適切に決定していくという姿勢で進めているところでございます。
  129. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 これで終わるわけですが、ひとつ高速交通に支障のないようにお願いいたしまして、何か総括審議官から追加訂正の申し出があるそうですから、それを聞いて終わります。
  130. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 先ほど先生の御質問の中の六十四年度予算要求につきまして、リニアの技術開発費、一部だけ七億八千万円と申し上げたわけでございますが、そのほかに実験線の調査費が二億三千万円ございまして、合わせてリニア関係の予算要求は十億一千万円でございます。  どうも失礼いたしました。
  131. 渡部行雄

    ○渡部(行)委員 終わります。どうもありがとうございました。
  132. 野中英二

    野中委員長 新村勝雄君。
  133. 新村勝雄

    ○新村委員 既に前の委員から質問が出ておりますが、電車事故について重複しないようにお伺いをいたしたいと思います。  今度の事故は、素人が見ますとちょっと考えにくい事故でありまして、我々は、ATSを初め最新技術あるいは最新の機器が駆使されておって、ああいう形での衝突はまず絶無である、想像できないというふうに実は今まで聞いておったわけでありますけれども、そういう点からして我々素人から見て非常に考えにくい、最も初歩的というか、大昔ならばいざ知らず、ああいう事故が起こったということについて非常に意外に思っているわけでありますが、現在の事故防止の技術的な体系、ATSを中心として駆使をされておるその技術の面についての概要について、まず伺いたいと思います。
  134. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 お答え申し上げます。  私自身、技術の専門家ではございませんものですから、若干原初的な言い方になるかと思いますけれども、鉄道の事故防止のためにいろいろな装置があるわけでございますけれども、運転士の手動による制御のほかに、赤信号を無視して列車が進行したような場合に自動的に停止する、そういう装置が別途ついているわけでございまして、それをATSとかもっと進んだ場合でATCとか、そういう技術的な内容が違うことによっての名称は違っておりますが、基本的にはそういう一種のフェールセーフ装置がついているということと理解しております。
  135. 新村勝雄

    ○新村委員 ですから、いわゆる自動列車制御装置、これが当然整備をされているはずでありますし、事故地点のあの周辺は交通量というか運転系統も一番回数も多いし、複雑な地点だと思いますね。そういった地点で、そういった地帯でああいう初歩的というと言い方が悪いかもしれませんけれども、ああいう形での事故というようなことは考えにくいと思うのですけれども、そういう意味での自動列車制御装置、これが完全に装備をされているはずでありますけれども、完全に装備をされていると思いますが、それがどういうはずみでああいうことになったのか、それはわかりませんか。
  136. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 昨日事故を起こしましたJR東日本の当該線区につきましては、ただいまのATSが完全に装備されております。  それで、事故の原因の問題につきましては、先ほどから御答弁申し上げましたように、今現在調査中でございますので、内容につきましては今のところまだ明確にわかっておりません。
  137. 新村勝雄

    ○新村委員 当然、人間の視認によって運転をするという部面はあるでしょうけれども、少なくとも衝突事故を防止するというか、衝突を防止する、ですから前車と後車との間隔、この一定の間隔以内に入った場合には、運転士が視認をすると否とにかかわらず、列車は自動的にとまるということになっているはずですよね。そういう状況の中でなぜああいうことになったのかということですが、まだ原因がわからないということでありますから、これ以上聞いても回答は出ないと思いますからやめますけれども、そういう点で、最新技術あるいは機器の整備、あるいは保守管理、こういった点についての今後の万全の措置をお願いしたいわけであります。  それからもう一つ、これは直接関係があるかないかは確信を持って言えませんけれども、国鉄からJRになりまして、いわゆる民営化をされて、かなり人員の削減というかいわゆる合理化、これが進められたわけでありますけれども、そのためにいわゆる保安要員がかなり厳しく削減をされているというようなことも聞くわけでありますが、そういう点で保安対策、人の面からの保安対策について、国鉄時代と民営化された段階ではどういうふうに違うのか、どの程度に合理化がされているのかということですけれども、いかがですか。
  138. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 昨年の四月一日に民営化いたしましたときの物の考え方でございますけれども、当時の計算で、鉄道の運行に支障がなく安全に運行できる、そういうために必要な職員数はJR全社倉わせまして十八万三、四千人ということだったと記憶いたしておりますが、その職員で鉄道の運行自身につきましては完全に問題がない、こういう形で詰めております。  それで、実際JRの職員になった方々は、それを約二万人程度上回った二十万人台に上っていたと思います。そういうことでございますので、人的な面からの保安面での問題というのは何ら問題がないというふうに考えております。
  139. 新村勝雄

    ○新村委員 いわゆる保安要員がどの程度削減されているか、どの程度減員されているかということはわかりますか。
  140. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 突然のお尋ねでございますので、現在手元に数字は用意してございません。
  141. 新村勝雄

    ○新村委員 初めからお答えが全くゼロ回答というような形でありますけれども、ぜひこれは速やかに、技術的な面から、あるいは組織の面から、あるいは要員の面から十分な検討を願って、改めてまた、後で結構ですから回答をいただきたいと思います。  それから大臣にお伺いしますけれども、これは先ほど申し上げましたように極めてあってはならない、初歩的というとおかしいのですけれども、あってはならない事故なんですね。こういう事故がたまたま起こったということについて、これは大臣直接の管理下にはないと思いますけれども、国鉄から民営化されたとはいいながら、今全額国が株式を持っているわけですね、そういう立場からひとつお考えと、それから今後の対策あるいは御決意、交通事故というのは絶対あってはならないわけでありますから、これに対する御決意を伺いたいと思います。
  142. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 御指摘のとおりでございまして、同じ場所で過去に、五年前と八年前ですか、合計三回事故が、程度は違いますけれども起こっているということは注目すべきことだと思います。制御装置の新しい機材についての意図もあったようでございますけれども、いずれにしろ絶対に起こってはならない事故が三度も続けて起こったわけでございまして、こういったものを防ぐための措置というものは、先ほど記者会見でも質問といいますか、記者の諸君から注文がございましたが、前倒しででも行っていかなければいけないと思いますし、そうすることがまた民営化されました各JRの会社としての信頼につながっていくと思いますので、それを運輸省としても強く指導し、督励していきたいと思っております。
  143. 新村勝雄

    ○新村委員 ただ抽象的に安全を図るということではなくて、この際、何か具体的にこうすべきである、あるいはこういう勧告なり提案をしたい、こういう具体的な何かお考えはございますか。
  144. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 もとよりそのつもりでございますけれども、その前提として事故の原因の正確な究明が必要でございますから、その究明を待ちまして、それを踏まえて具体的な指示もしていかなくてはならないと思っております。
  145. 新村勝雄

    ○新村委員 ぜひ御努力をいただきたいと思います。  次の問題でありますが、この問題はこの委員会でも、あらゆる委員会で大臣にしばしばお願いをいたしておりますが、第二常磐線の問題。これはローカルな問題のようでありますけれども、日本の交通政策あるいは地域政策あるいは首都圏の調和ある発展あるいは現在の東京の過密化、こういったことに直接関係のある問題でありますので、国政上の重要な問題であると言って差し支えないと思います。ところが、この問題が運輸政策審議会から正式の勧告が出ましてから、政府ではいろいろと努力されているようでありますけれども、さっぱり前進がないと我々は見ておるわけであります。  そこで、運輸政策審議会から最大のというか最重要の施策として答申をされておりますこの第二常磐の建設についての、その後の経過を伺いたいと思います。
  146. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 お答えいたします。  常磐新線は一都三県にまたがる路線でありまして、その整備に当たっては多額の建設資金、長期間の工期を要するものでございますので、その需要の確保のため、このためにはまた沿線の地域開発といったものが不可欠な性格のものでございます。  私どもといたしましては、事業主体の問題、資金調達の方法の問題、助成の方策の問題、さらに用地取得を円滑に進めるためのさまざまな問題等につきまして、現在、これらの問題にどのように取り組むかということで、先般来、関係地方公共団体それから東日本旅客鉄道株式会社それから運輸省も入りまして、常磐新線整備検討委員会を設けておるわけでございまして、常磐新線の整備を進めるに当たっての、先ほど申しました解決を要するさまざまの問題についての検討について、どのような解決策を見出し進めるべきかということを鋭意検討を進めておりまして、これらの検討結果をさらに掘り下げましてその具体化のための方策を見出したい、今後その整備については最大限努力してまいりたいと私ども考えておるところでございます。
  147. 新村勝雄

    ○新村委員 運輸政策審議会から答申があったのはいつですか。
  148. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 運輸政策審議会の答申は、昭和六十年七月十一日付で、答申第七号という形で出されております。
  149. 新村勝雄

    ○新村委員 大臣、今お答えのあったように、六十年七月に答申をされたわけであります。それは答申があろうとなかろうと、東京の東側、東京の東北の地帯が鉄道網が大変粗である、ほかの地域に比べて鉄道網が完全に抜け落ちた、欠落した地帯であるということは、これは地図を見ればだれが見ても明らかであります。  そういうことで、長い間この地域の強い要望であったわけでありますし、また、その地域の住民だけではなくて、日本の首都圏をめぐる交通政策の上でここは完全に盲点になっておることは、長い間しばしば指摘をされてきたわけであります。そういう地域の住民の要望あるいは各識者の指摘、そういったことが運輸政策審議会の答申になってあらわれてきたわけでありますから、これは六十年七月に初めて起こった問題ではないはずであります。ところが、六十年七月に正式に答申をされて、その後、我々が見るところによると、その準備、実現へ向かっての具体化がほとんどないと言っても差し支えないと思うのですね。いつお伺いをしても今と同じ答弁ですね、検討中、検討中と。これでは幾ら検討したって同じですよ。  しかも、今のお答えのように運輸省が一枚かんではおります。運輸省、JR、一都三県という三者で検討委員会がつくられておるということでありますけれども、この検討委員会の中心になって責任を持つところがどこであるのか、それからどういう構成メンバーであるのか、また検討委員会がどういう形で進められているのか、その経過はどうであるのか、これが全くわからないわけです。いつ伺いましても検討中ということですが、既に六十年からでは三年以上たっています。この間にほとんど進捗を見ないということはどういうことでしょうか。大臣に伺いたいと思います。
  150. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 検討委員会の検討状況については担当局長から詳しく御説明申し上げますが、決して省内不一致ということではございませんけれども、今も答弁にありました沿線の開発が不可欠ということであります。しかし、むしろこれは、東京のような周辺のメガロポリスでは人口の稠密というのは目に見えていることでありますし、御指摘のように筑波学園都市周辺、それから東京に至るところにだけ非常に豊潤な住宅地がまだあるわけ でありまして、こういったプロジェクトは、初めにアクセスありきで、線路を敷けば、乱暴なことを言うみたいですけれども沿線が開発されてくるわけでありますから、そういうことも検討委員会で大いにしんしゃくしていただいて、思い切った事業を起こすことが必要ではないかと思います。  小さな例でありますけれども、大森に新しい東京の市場ができまして、来年の三月から操業するのに、道路は全然できておりませんで、既存の道路しかない。混雑が目に見えているのに、順番が逆ということであります。  私は、検討委員会においていろいろ検討事項もあると思いますが、こういった本当にプライオリティーの高い鉄道事業というものは、ほかにも整備新幹線その他ございますが、やはり東京周辺のメガロポリスの過密、不便ということから考えますと、思い切った形での進捗をさせなければ、試みなければらちが明かないと思っております。
  151. 新村勝雄

    ○新村委員 これは東京首都圏の開発ということも随伴する問題だと思いますけれども、現在既に混雑度においては日本一。もちろん首都圏でも一番ひどいわけであります。そういう状況を解決していただきたいというのが地域の、あるいはまた毎日殺人的な混雑で通勤通学をしておる人たちの願いであるわけであります。ですから緊急度という点からすれば、政治というのは緊急度をいかに判断して為政者がそれに対処するかということで、これはもう政治の最大の要諦だと思います。そういう点からすると、緊急度という点ではこれはどこにも負けない緊急度があると思うのです。  ところが、それと同じようなプロジェクト、第二常磐と同じくらいの経費がかかるであろうと思われるようなプロジェクトが、後発のプロジェクトがどんどん先に行ってしまうわけです。それで第二常磐は残される。後で発想された、後で構想されたプロジェクトがどんどん先に行ってしまうということなんです。  大臣は、常磐線あるいは千代田線にお乗りになったことがありますか、一番混雑しているときに。
  152. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 実は私自身、あるリポートを自分でつくりますために、一昨年の十二月初旬に常磐線に乗りまして、その混雑ぶり、ラッシュアワーに乗りましてつぶさに体験をいたしました。私が乗っているときでもガラスが二枚ほど割れたりいたしまして、まさに終戦直後の混雑に等しいぐらい非常に非人間的な混雑ぶりでありました。  いろいろ鉄道に関する事業もございますけれども、委員指摘のように、これは単に東京周辺ということではなくして、もうトッププライオリティーにある、最高の優先順位がつけられてしかるべきプロジェクトだと私は思います。梶山自治大臣などとも閣議の折々そういう合意をしておりますけれども、なかなか思うに任せませんが、これは本当に唯一可能性の、救いのある、そういう住宅のための空間があるわけでありまして、これを開発するためにもまずアクセスを設けなくちゃいけないと思いますし、都市における通勤者の非常にお気の毒な状況というものを改善するためにも、本当に焦眉のプロジェクトだと私は認識しております。
  153. 新村勝雄

    ○新村委員 これは大臣、今トッププライオリティーとおっしゃいました。まさにそのとおりだと思いますけれども、本当にそう御認識なさっているならばこんなにおくれるはずはないのですね。大臣はまだ大臣を一年くらいしかおやりになっておりませんからこれは無理を申し上げてもしようがないと思いますけれども、代々の運輸大臣がそれだけの御認識であれば、後発のプロジェクトが先へ行っちゃうということはないはずなんです。ないはずなんですけれども現実はそうなんですよ。  それで、先ほどもお話がありましたけれども、検討委員会ができておる。運輸省、JR、一都三県というわけでありますけれども、これは一都三県は確かに熱心に考えておられるでしょう。JRさんももちろんこれは無関心とは言えないと思います。運輸省さんもこれは最高責任であるわけでありますけれども、この三者でおやりになっているということについては敬意を表するわけでありますが、この構成で果たしていつ、どういう決断ができるかということになりますと、大変疑問なわけであります。どこがこの問題について最大の責任を持っておやりになるのかということであります。  一兆円近い経費がかかる、その財源がまず最初に必要なわけでありますけれども、この三者で財源を生み出すということが果たして可能であるのかどうかという疑問もございます。それから、検討委員会が日常どういう活動をされているのか、あるいはどの程度のスタッフがそろっているのか、そういった点についても我々は全く知らされておりませんけれども、これだけの大事業を、しかも国家財政については決して余裕はないという状況の中でやっていくには、何か新しい発想あるいは一つの決断、特に政府の決断、これが絶対に必要なわけであります。そういう決断がこの検討委員会の中から急速に出てくるのかどうかということになりますと、大変失礼ですけれども我々は疑問なわけですよ。  ですから、そういう点で、今政府としては、この新線をつくるについての経済的な効果、あるいは財源を調達するための方法、そういったものについてはあらゆる情報を持っておられるわけでありますから、そんなに二年も三年も検討に時間がかかるわけはないのですよ、少なくとも今まで三年間も努力をされてしかもまだ何ら具体的なものがないということでありますから、それはもうこの段階になってくれば政府の決断の問題、果たしてこのプロジェクトが国民のために必要なのかどうかという認識の問題もありましょうけれども、決断の時期になっているのではないか。ところが、いつになっても検討委員会で検討中だ、これでは全くどうも理解に苦しむということであります。  そういうことで、検討委員会の内容をもう少し詳しく御説明願えませんか。
  154. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 検討委員会を設けて、さらにその下に幹事会、ワーキンググループというのを設けまして、いろいろな問題点について会合も相当回数を重ねて検討してまいってきているのが現状でございます。しかし、私どもさらに、それをもう少し具体的な問題点に展開するために、先般鉄建公団の方にも具体的な建設に当たっての検討に参加していただくというようなことで、さらにその下での勉強会といいますか、ワーキンググループの活動を広げるようなことに取り組んでおります。  取り組みがおくれているのではないかという先生の御指摘につきましては、常磐線というものが旧国鉄の運営する路線であり、その後JRになって独立するという形で、どういう形で運営できるか、新生JRがこの問題にどう参加できるかということについて、やはり非常に多くの検討課題があった、また現在も抱えているということだと思います。  私どもそういうことも踏まえながら、しかし土地対策という新しい観点から問題点が特にことしになってから指摘されまして、あるいは臨調の答申に基づきます政府の土地対策要綱でも、こういうものを、宅地開発と鉄道新線の建設を一体的に推進すべきであるというようなことが答申に出されまして、政府でもそのような方針を決めておりますし、また、そのようなことが先般成立いたしました多極分散型国土形成促進法の中にもはっきりうたわれているわけでございまして、運輸省だけではなしに建設省と合同で、宅地開発と鉄道が一体的に整備される、こういう方策を生み出そう、こういう法律を次期通常国会に出すべく、現在運輸省としましても建設省と具体的な協議に入っておりまして、このような新しい法制を準備するとともに、こういう鉄道促進する方策というものを具体化していくということで、従来とはかなり違った具体化へ向けての施策をいろいろ私ども取り上げ、今後、次の国会へ向けてこういう方策も準備し、鉄道が具体化するための諸対策といったものをさらに鋭意詰めてまいりたい、こういうところが現状でございます。
  155. 新村勝雄

    ○新村委員 大臣、この問題は新幹線の建設と並ぶくらいの重要性があると思うのですよ。大臣もトッププライオリティーとおっしゃいましたけれども、トッププライオリティーとおっしゃるからには、新幹線あるいは整備新幹線建設するくらいの国政上のウエートがあると思うのです。しかもまた、一つのプロジェクトで一兆円くらいの金がかかるということです。一兆円のプロジェクトについては今まで特別立法をされていましたね、例えば関西空港あるいは東京湾等。ですから、この第二常磐についても一つの特別立法を用意するくらいのお考えがなければ、これは実現しないと思います。  私、十数年国会にお世話になって、この問題については数十回、代々の運輸大臣に、それから運輸大臣以外の大臣の方にも、総理にもお願いをしてきました。それはやはりそういう声が現地にあるわけですよ。現地の声を代表してと言うとおこがましいのですが、現地の声を代表していつもお願いしているわけなんですけれども、その声がさっぱり届かないわけです。大臣がトッププライオリティーとおっしゃいましたが、政治家として本当にそう判断なさっているのであれば私はそれを信用しますけれども、これは単なる答弁上の言葉であってはならない。今までは答弁上の言葉であったと思うのですよ、代々の運輸大臣は。そう皆さんおっしゃるのです。おっしゃるけれどもさっぱりおやりにならないということですから、ぜひ答弁上のレトリックではなくて。これは本当にそう考えていらっしゃいますか、トッププライオリティー。
  156. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 私も東京出身の政治家でございまして、東京で仕事をしていらっしやる方々の生活環境には、アクセスの問題を含めて非常に関心を持っております。ですから、ある報告を書くためにおととし試乗いたしましたが、本当にこれはひどいと思いました。それから、実際に用事があって向こうへ出かけてみますと、実際に住宅地にふさわしい土地の空間があいておりますし、今御指摘ありましたけれども、検討委員会の方は既存の税法の中での優遇措置のようなことを考えているようですけれども、私は特別立法で試みるのも一つの有効な方法ではないかと思っております。  いずれにしろ、外国は割とこういうことを簡単にぱっと特別の法律をつくったり税法を措置したりしてやるのですが、なかなか日本は頑固な役所が一つございますのでその道が開きにくいのですが、こういう時代でございますので、例えば民間の資金なども招き入れるような、要するにそういう一種のインセンティブも考えて、できるだけ早くこのアクセスを東京に通勤していらっしゃる方々に提供することが急務だと私は存じております。
  157. 新村勝雄

    ○新村委員 今の首都圏で残されている開発の余裕のある地帯というのはあの地域だけだと思いますよ。そういう意味では東京の危機を救う一つの重要な施策にもなる。それからまた、現在のこの交通地獄を救うためにはそれ以外にないということもございます。そういうわけですから、大臣のおっしゃるトッププライオリティー、これをぜひお言葉だけではなくて実際に実行に移していただきたいわけでございます。これは決して無理を申し上げているわけではなくて、これは現在の政府がやるべき交通政策としては最大のものだと思いますよ。ほかのところは、あそこは後でいいとは言いません、言いませんけれども、何回も繰り返しますけれども、後発のプロジェクトがこの最大の問題を素通りして先へ行ってしまうということについては、これは納得できないわけです。ですから、そういう点でひとつぜひこの問題をお忘れなくお願いしたいと思います。  これは我々の今までの経験からしまして、よほど強いインパクトを政府に与えるといいますか大臣に与えなければまた忘れてしまうのではないか、こう思うのですけれども、ぜひお忘れなくお願いしたいと思います。これは、あの地域の住民が、そうですね、現在受益を受ける住民は約三百万以上ございますが、そのほかに、あの沿線にさらに二百万ないし三百万の人口を収容することができると思います。二十一世紀までに首都圏に約三百万の新しい人口が集まるだろうと言われておりますけれども、今から二十一世紀までに増加をする三百万の人口は、その多くの部分がそんなに無理をしなくともあの地域で収容できる、そういう可能性もあるわけでありますから、時間が参りましたのでやめますけれども、ぜひひとつ大臣の御理解と御努力をお願いしたいところです。  終わります。
  158. 野中英二

    野中委員長 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十四分休憩      ────◇─────     午後一時十分開議
  159. 野中英二

    野中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小川国彦君。
  160. 小川国彦

    小川(国)委員 最初に私、委員長にお伺いしたいのでございますが、去る十月二十一日の私の質問につきまして、その終了後、委員長から、不穏当の箇所があれば速記録を取り調べの上、適当なる処置をとることといたしますという発言がございまして、私としては、私の発言中いかなる発言が不穏当の言辞であったのか納得がいきませんので、十月二十八日、文書で委員長にこの申し入れをいたしたわけでございます。「いかなる発言が不穏当の言辞であったか私には全く理解しがたいことであります。この際、適当なる処置とはいかなることか、またその内容はどのようなことであるのか、委員長の御見解を賜りたく申し入れた次第です。」という文書を提出いたしておるのでございますが、これはどのようなことになっているのでございましょうか。
  161. 野中英二

    野中委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  162. 野中英二

    野中委員長 速記を始めてください。
  163. 小川国彦

    小川(国)委員 最初に私、石原運輸大臣に対して一つ敬意を表したいことがあるわけでございます。  去る決算委員会におきまして、成田空港駅及びその延長上の路線、九百四十二億円の予算をかけた空港地下駅、その路線が十数年も放置されたまま荒れほうだいの状況になっている、大変な国損行為でありむだ遣いである、こういうことを当委員会で指摘をいたしたわけでありますが、これに対しましては、いろいろと困難な事情があったであろうかと推測するわけでありますが、そういう中でもむだ遣いの是正に大変努力された、こういう点については、私、立場を超えましてまず敬意を表したい、こういうふうに思います。  さて、私は、首都高速道路公団の高速料金の値上げの問題について質問いたしたいと思うわけでございます。  昭和六十二年九月に、普通車で五百円から六百円に値上げをされました。この値上げは、法的にもまた公団財政の実態から見ましても全く不当な値上げであり、以下の諸点から検討して五百円に引き下げることを決算委員の立場から指摘し、その改善を強く求めるものであります。  その根拠として、第一点は、十年先の完成、供用予定の道路の建設費及びそれにかかわる管理費までも償還対象額に含めている。第二点は、償還計画における収入と支出において、収入を過小に、支出を過大につくった重大な積算の作為とミスがある。第三点は、公団の支出全体にむだ遣いと乱脈な経営ぶりが多く、これを正せば相当の支出減となる。以上の三点から、首都高速道路の料金を五百円にすべきである。その前提として、まず私は、償還計画表の法律違反の面からただしたいと思うわけであります。  六十二年九月の首都高速道路の料金の値上げの際、値上げ額の妥当性の計算根拠となった第十八回償還計画表を見ますと、昭和六十年度までは実績額で示されており、実際の収入、支出が記載されております。また昭和六十一年以降は計画額が記載されておりますが、これはこのとおりに理解 してよろしゅうございますか。
  164. 松延正義

    ○松延説明員 首都高速道路の料金は、道路整備特別措置法第十一条に基づきまして、建設費、維持管理費等の総費用を一定期間内に料金収入等によって償うものでなければならないとされております。首都高速道路東京線の料金を、昭和六十二年九月十日から普通車六百円、大型車千二百円に改定されたところでございます。その改定の理由につきましては、昭和六十二年九月に葛飾−川口線、葛飾—江戸川線等を供用したことに伴いまして新たに四千六百億円の事業費が加算され、その結果、総事業費が一兆五千二百億円となりまして、従前の料金では三十年以内の償還が不可能となったためでございます。なお、今回の償還計画には、六十四年度に供用予定の板橋−戸田線一・五キロと五号線二期、三園〇・四キロでございますが、この建設費及び今後支出が明らかとなっております改築費を見込んでおるところでございます。
  165. 小川国彦

    小川(国)委員 そこで、この償還計画表というものは、原則的に考えてみると昭和六十年度末において料金改定を考えた場合に、供用されている道路にかかわる借入金を三十年以内に返済するには、今後三十年間において幾らの支出が予想され、それに見合う収入がある場合には、料金を幾らにしたら三十年以内に返済できるか、こういう表だというふうに私どもは理解しているわけです。したがって、六十二年九月の五百円から六百円の値上げ申請の際には、あくまでその時点において完成し、既に供用している道路の建設にかかわる借入金残高をもとに三十年での償還計画書を作成すべきだ、こういうように思うのですが、償還計画表には十年先に完成、供用する高速道路の建設費及びそれにかかわる管理費までを償還対象額としているわけです。償還対象額というのは既に建設済み、供用しているものに限られているのであって、したがって、実際の償還計画表では十年先までの道路建設費までも償還対象に入れているのですが、それを入れる根拠は一体どういうことなのか。
  166. 松延正義

    ○松延説明員 実は、昭和六十二年九月からの料金改定におきましては、先生御指摘の十年先の建設費というのは実は入れてないわけでございまして、五号線の二期、三園〇・四キロと、板橋−戸田線、三園−早瀬間一・五キロ、これは実は六十四年四月供用予定の路線でございます。ただし、改築費につきましては十年分を見込んでおります。  その根拠でございますが、実は新規路線が供用される都度、既供用路線にこれを含めてプール計算しまして、改築費等についても、支出がなされた都度、償還対象事業費に組み入れられる方式では、新規路線の供用や改築が行われることに、頻繁に料金の見直しを行う必要が出てくるわけでございます。  したがいまして、都市高速道路の料金は、やはり利用者の負担力等を加味しまして、その水準を安定的なものとすべきであると我々は考えております。このため、四十八年に道路審議会の答申がございまして、これに基づきまして、建設中の路線のうち、既供用の網と自動車交通上密接な関連を有する路線、あるいは近々供用されることが確定していて、その建設費について具体的な積算のできるもの及び将来必要となる改良費については、これをあらかじめ償還計画に含めることによって料金を安定的に推移させるということとしております。
  167. 小川国彦

    小川(国)委員 そうすると皆さんのお考えは、この償還計画の中に、例えば料金改定を行うときに、それまで公団が借用してきた金額の累計、これを返済するためには料金をこれだけに上げなければならぬ、このときに、それから先、何年か先、三年先、今は六十四年四月の供用だというけれども、今度それの修理費を見ると十年先まで計算に入れている、こういうことになってくるわけですが、その根拠というものは、道路審議会の答申に基づいて行っている、こういうことですね。  そこで、償還計画表作成の際、十年先の建設費とか改築費、それからそれに係る管理費を含んで償還計画を作成しているわけですが、これは私から言わしめれば重大な法律違反である、こういうふうに思うわけです。道路整備特別措置法の第七条の四で、料金及び徴収期間の認可として、新設し、または改築した道路において料金を徴収しようとするとき及び変更しようとするときは運輸、建設大臣の認可を受けなければいけないと定め、その料金の額については同十一条に、料金の額は、政令で定める新設、改築、その他の管理に要する費用を償うものであり、その徴収期間は政令で定めるとしており、政令で定める費用とは、道路整備特別措置法施行令第一条の六に、料金の額は料金徴収総額が道路の建設費、その維持、修繕、管理、支払い利息などの費用の合算額に見合う額であると定めている。この法律及び政令を解釈する限り、あくまでも道路の費用の合計は、既に新設または改築し、供用開始している道路に限られるべきであり、十年先の道路建設費等を償還計画に入れることは、どう解釈しても解釈できない、こういうふうに思うわけでございます。  私は、この問題はどこまで考えても、十年先の建設費までも償還対象額にするのは法律違反だと思うのでありますが、運輸大臣は認可のときにこうした点について御検討なされたかどうか、この点を伺いたいと思います。
  168. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 お答えいたします。  運輸省としましては、首都高速道路の料金は、道路の建設費や、管理費、借入金の利息などの費用を償還期間内の料金収入によって賄うように定めることになっていると理解をしております。具体的には、過去の収支実績値に加えまして、費用の見積もりにつきましては費用ごとに一定の推計方法によって今後の推計を行い、また収入につきましては、過去の交通量の実績や、将来の一般道を含む交通量推計をもとに推計した今後の交通量の見込みによって推計を行い、これらをもとにいたしまして、収支償うような料金水準を算出するという方法をとることになっております。こういうような点につきまして、首都高速道路公団からの申請につきます費用、収入の推計方法、推計結果を審査したところ、妥当なものと認めて認可をした次第でございます。
  169. 小川国彦

    小川(国)委員 このことは、道路整備特別措置法の第七条の四で見ますと、料金及び料金の徴収期間の認可及び変更については、公団は道路を新設し、または改築した首都高速道路について料金を徴収しようとするとき云々の条文にあるように、新設し、改築したとなっておりまして、これはいずれも過去形の言葉でありまして、将来新設や改築するものまでも含めるということはこの条文上規定されていないし、もちろん解釈することもできない。それを道路審議会の答申だけで一方的に拡大解釈して、その対象範囲を広げたもので認可をしているということは明らかに法律違反だ、こういうふうに私は理解するのでありますが、この点はいかがでございますか。
  170. 松延正義

    ○松延説明員 料金の額の基準について、道路整備特別措置法第十一条におきまして、首都高速道路の「新設、改築その他の管理に要する費用で政令で定めるものを償うもの」ということがここに書いてございまして、我々としましては、建設費の確定しました、これは二年ぐらいの建設費でございますけれども、二年後に供用され、約二年ぐらい後に供用される路線、あるいは改築費につきましても、これも額が確定しております十年程度のもの、これをこの中に見るということは法律違反ではないというふうに考えております。
  171. 小川国彦

    小川(国)委員 道路整備特別措置法の第十一条には、おっしゃるように、「新設、改築その他の管理に要する費用」こういうふうになるほど書いてあります。しかしその前の第七条の四ですね。これは、石原慎太郎運輸大臣は非常に文学の才能に長じた方でございますから、大臣にも第七条の四というところをぜひごらんになっていただきたいわけであります。ここを私、読み上げますのでちょっと御検討いただきたいわけでございます。  「首都高速道路公団又は阪神高速道路公団は、第七条の二の規定に基き新設し、又は改築した首都高速道路又は阪神高速道路について料金を徴収しようとするときは、運輸省令・建設省令で定めるところにより、料金及び料金の徴収期間について、あらかじめ、運輸大臣及び建設大臣の認可を受けなければならない。」とあるのですが、この二行目のところの「新設し、又は改築した」というのは、すべてこれは過去形であるというふうに私は理解するのです。  そうすると、料金の改定に当たって、例えば値上げをしようとするときに、道路を新設し、改築したというのは、これまでに、値上げをしようとする時点までに新設し、改築したものについてその総トータルのいわゆる借用残高といいますか、借入残高といいますか、費用残高といいますか、そういうものをこれから一定年限で償還するためには料金を幾らにしなければならない、三十年以内で償還するためには幾らにしなければならないという料金を決定するときに、その料金改定よりも将来の、今二年とおっしゃったけれども、四年もあるし、六年もあるし、十年もあるし、その先に、将来供用される今工事中の未完成の道路の部分までの工事費と、それからその修繕費と管理費までも入れて料金の改定を行っているというのは、いわば事業費の先取りである、私はこういうふうに理解するわけです。ともかく、それよりも法律の条文をごく素直に考えて、新設し、改築したというのは過去形だと思うのですが、ここのところ大臣いかがでございましょう。
  172. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 解釈による含蓄があるようでございますので、政府委員の方から答弁させます。
  173. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 私どもとしましては、料金を取る対象は既設の道路だけでございますが、料金の関連の費用の中の管理費につきましては、その直近の建設費及びその後の適当な期間の改築費につきましても、これを料金の計算対象に加えるという運用をすることはこの法律で認められているというふうに解しております。     〔委員長退席、魚住委員長代理着席〕
  174. 小川国彦

    小川(国)委員 今御答弁くだすった方はどちらの方でしたかね。
  175. 魚住汎英

    ○魚住委員長代理 運輸政策局長です。
  176. 小川国彦

    小川(国)委員 塩田さんね。——そういうふうに解釈してよろしいのでございましょうかね。いかにこれから間近であろうと、直近の建設費であろうと、その後つくった道路の改築費であろうと、今までにかかってきたいろいろな道路建設経費について、それをこれだけかかってしまっているから、これを三十年以内に償還するためにはこれだけ料金を決めなければならぬ、そういうときに、現在よりも将来にわたって一年も二年も先のものとか、あるいはその修理費が五年かかる、十年かかる、それからまたそのための管理費、そういうものまでも含めてよろしいというのは、この七条の四の法律からはどう考えても拡大解釈する以外には生まれてこないと私は思うのです。これは運輸省でも建設省でも結構ですが、この法解釈はそういうふうにできるという方があったら御答弁願いたい。
  177. 松延正義

    ○松延説明員 道路整備特別措置法施行令の第一条の六「料金の額の基準」というところで、首都高速道路に係る料金の額は、自動車交通上密接な関連を有する首都高速道路ごとの料金徴収総額は、指定首都高速道路等に係る前条に掲げる費用の合算額に見合う額となるように定めなければならないということで、自動車交通上密接な関連を有する高速道路の料金徴収総額が当該道路網の費用の合算額に見合うようになるように決めるということになっておりまして、こういった自動車交通と密接な関連がある道路につきましては、運輸大臣建設大臣の告示でもって定めておりますし、我々としましては法律上見ても何ら差し支えないというふうに考えております。
  178. 小川国彦

    小川(国)委員 そうしますと、この施行令は第七条、第十一条を素直に受け取った施行令ではない、こういうふうに私は考えるのですよ。私がただしているのは、あくまでも特別措置法の基本法の中における第七条の四の解釈の中からそういうものが生まれるのかどうか。こういった施行令の第一条の六という中で、密接な関連のあるものというようなことで、将来のものも含めていくということは明らかに拡大解釈である。  それからさらに、もう一つ言うならば、道路整備特別措置法の第十一条では「料金の額の基準」というのが示されておりまして、その中で「新設、改築その他の管理に要する費用で政令で定めるものを償うものであり、」とありますが、「かつ、公正妥当なものでなければならない。この場合における料金の徴収期間の基準は、政令で定める。」となっておりますが、この政令はございますか。
  179. 松延正義

    ○松延説明員 道路整備特別措置法施行令第一条の六によりまして、料金の徴収期間の基準がここにございまして、これはプール制、それから料金の額を決める場合は償還期間との関連で決めなければならない、こういうふうに定められております。
  180. 小川国彦

    小川(国)委員 その期間について基準は政令で定めなければならないというのですが、その政令の箇所をもう一遍正確に答えてくれませんか。
  181. 松延正義

    ○松延説明員 道路整備特別措置法施行令第一条の六がこの政令でございます。
  182. 小川国彦

    小川(国)委員 これは違いますよ。これはこの条文の見出しの中にあるように、「料金の額の基準」ということになっているのですよ。徴収期間の基準というのはここの見出しには出てきませんですよ。これは明らかにあなたの方が誤った解釈をしている。  この第十一条には、政令で定めるのは新設、改築その他の管理に要する費用について政令で定めるということが一つ、それから徴収期間の基準は政令で定める、こうなっているのですが、この道路整備特別措置法施行令の第一条の六を見ていっても、これは料金の額の基準について述べているということであって、それがもし料金の徴収期間の基準までも定めているというのであればここに書いてあるはずですよ。見出しがないのです。これは、二つのげたを履かなければならないのに一つのげたしか履かないで、そしてこれを解釈しているということになりませんか。
  183. 松延正義

    ○松延説明員 施行令第一条の六は、料金徴収期間の基準といいまして、これは具体的に料金を何年で決めろということではございませんで、まず料金の額が償還資源を満たし、かつ、公正妥当となるような利用効率あるいはプール制でございます、第一条の六の第一項でございますけれどもここでプール制、それから三項のところでございますが、これにつきましては、首都高速道路等に係る料金の額は「指定首都高速道路等の料金の徴収期間及び利用効率を勘案して定めなければならない。」というふうに書いてあるわけでございまして、具体的に何年というふうに書いてあるわけではございません。
  184. 小川国彦

    小川(国)委員 だから、政令にごまかしがあるわけですよ。法律では基準は政令で定めよと書いてあるのに基準がないのです。額についての基準はあるけれども徴収期間の基準がない。だから皆さんの方が、以下申し上げるように非常にでたらめな償還計画をつくっている。  昭和三十七年に高速道路ができて、そしてそれを三十年以内に償還するという計画になった。そのときには、三十年を大きく超えてやるというようなことはなかった。第一回の償還計画ではゼロだった。第二回のものでは三年、三、四、五、六、七、八、九、と十回までの償還計画表では二年か三年しか、できていない先のことを先取りすることはなかった。ところが、十一回以降になると大胆に十年も十数年も先取りするようになっている。これは私は大変な法の拡大解釈である、こういうふうに言わざるを得ないわけです。  そうすると、皆さんの方は、この徴収期間の基準というものが定めがないわけでありますからこれを何年にしてもいい、こういうことになってしまうと思うのですよね。例えば第十一回の償還計画表では十年先ですね。それから第十二回の計画表では同じく十年先、第十三回では八年先、第十四回では九年先、第十五回では八年先、第十六回では十三年先、第十七回では十二年先、第十八回 では十二年先と、先取りの年数もまちまちなんですね。こういうことは私は許されてはならないというふうに思うのですよ。こういうふうなことであれば、皆さん方は何十年先までの建設費も償還計画の中に入れていいということになってしまうのです。そういうことが許されるなら、公団が勝手に独断で自由に期間を定めて償還計画表をつくることができるようになってしまう、こういうことになると思うのです。皆さんはこれに基準というものをお持ちでございますか。
  185. 松延正義

    ○松延説明員 四十八年に出されました都市高速道路の料金制度についての答申でございますが、ちょっと長くなるけれども読ませていただきますが、この中に、「都市高速道路の料金は、公共料金的側面を有していることから、利用者の負担力等を加味してその水準を決定するとともに、なるべくそれを安定的なものとすべきであり、このためには、建設中の路線のうち既供用の網と自動車交通上密接な関連を有する路線で、その建設費について具体的な積算のできるものについては、これをあらかじめ償還計画に含めるとともに、今後既供用の網に関連して支出せねばならぬ環境対策等の改良費をも適切に見込んで、これらを償いうる料金を課することとし、長期的な料金水準の展望のもとに適切な料金を設定すべきである。」こういう答申をいただいております。これに従いましてやっておるところでございます。
  186. 小川国彦

    小川(国)委員 そうすると、一番長いときの基準はどのくらいになりますか。
  187. 松延正義

    ○松延説明員 先ほども申し上げましたが、新規路線につきましては現在のところ取り込んでおりますのは二年程度でございます。先ほど十年と申し上げましたのは、例えば、今現在、非常に要望の強いオフランプ、出口のランプ、あるいは交通情報施設といったものにつきましては、これは額が確定しておりますので最大限十年ぐらいを取り込んでおるところでございます。
  188. 小川国彦

    小川(国)委員 その取り込むのは、皆さんの方で第一回から十回までは一年か二年先までしか取り込まなかった。ところが、今は五年先なり十年先までの工事費から改良費まで全部入れている。こういうやり方は非常に問題だと思うのです。  私ちょっと大臣にお尋ねしたいのですが、答申というものと法律というものがあるのですね。いろいろな審議会ができましてそこが答申をする、その答申と法律とどっちにウエートがあるかということなんですよ。いろいろ例えば税制審議会とか道路審議会とか、あるいはいろいろな公共料金の審議会とかございますね。今それぞれ建設や運輸の皆さんが答えているのは、審議会の答申によって、有料道路の料金改定をするときに、今までかかった工事費だけではなくてこれから十年先の分までも、これから先の分までも含めてもいいということになっているから、一、二年先からは関連すれば含めてもいいと答申にあるから入れているんだ、こういうふうに言っているわけです。主たる根拠は答申なんですね。そうすると、さっきから私が申し上げている道路整備特別措置法という法律と違う答申がなされている。ところが、皆さんは答申をもとにして十年先の工事費まで含めちゃっているのですね。こういう場合、答申と法律というもの、どっちがウエートがあるというふうに大臣はお考えになりますか。
  189. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 この審査事務は建設省と運輸省がともにやっておりますが、ただいま建設省の方から御説明ございましたように、法律の枠内で認められているという範囲内で審議会の答申で補完をしている、かように考えましてこの認可をした次第でございます。
  190. 小川国彦

    小川(国)委員 そうすると、法律というのはその場合どの法律でございますか。     〔魚住委員長代理退席、委員長着席〕
  191. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 道路整備特別措置法でございます。
  192. 小川国彦

    小川(国)委員 その何条でございますか。
  193. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 同法の十一条でございます。
  194. 小川国彦

    小川(国)委員 七条の四はどういうふうにお考えになりますか。
  195. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 七条の四は、供用したところについて料金を定めるということを決めた規定だと理解しております。
  196. 小川国彦

    小川(国)委員 供用しないものを含めていいというのは、この十一条のどこからお読み取りになりますか。
  197. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 十一条の「改築その他の管理に要する費用で政令で定めるものを償う」というところで解釈をいたしております。
  198. 小川国彦

    小川(国)委員 それでは片手落ちだということです。この条文の中には「この場合における料金の徴収期間の基準は、政令で定める。」というのがもう一項入っているわけですね。それを皆さんは落としてしまって、前段だけの解釈でいってはおかしいのじゃないですか。徴収期間の基準というものと料金の額の基準というものと二つあって、そして額だけで決まるわけじゃございませんでしょう。仮に料金を五百円から六百円に上げても、上げただけでその費用が賄えるものじゃないのです。今までかかった費用を賄うためには、額を決めてその額で一日の通行量、一年間の通行量を掛け、三十年以内に掛けて六百円という料金が出るわけでございましょう。額だけで決まるわけじゃないですよ。年数を決めなければならない。その年数の基準を政令で定めよとなっているのですが、さっき言っているようにその基準はないのですよ。第一回から十回までの値上げのときにはその先の一年か二年先しか繰り込めなかった。ところが十一回からはだっとなった。  これはなぜかというと、私が調べてみましたら、昭和四十八年七月三十一日の答申以来がらっとこのやり方を変えた。最初は建設省も遠慮して、まだ使用してない道路の建設費まで含めるなんというのは許されないというのはわかっていた。ところが、昭和四十七年七月七日第一次田中角榮内閣が発足して、日本列島改造論を打ち出して、国政で土木工事最優先の行財政計画が組まれて、第二次田中内閣で就任した金丸建設大臣によってこの答申がなされたのです。法律にもないような、全く法律を拡大解釈するような答申がなされた。このとき以来、法律によらない答申によって、首都高速道路のみならず阪神も日本道路公団もすべての高速道路の建設費が、この答申を足がかりにいわゆる違法な償還計画表をつくって国民から料金値上げの先取りをしていくという、非常に悪質とも言えるような償還計画表づくりが始まった。  私は、ここで大臣に、審議会の答申というものと国会のつくった法律と単純に比較なすって、今私が議論していることを抜きにして、審議会の答申というものと国会がつくる法律というものと、行政を行っていく場合に基準はどちらにウエートを置くべきかということを、極めて単純なことを大臣にお聞きして恐縮なのですが、お伺いしたいと思います。
  199. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 一般論としましては、それは当然法律に重きを置いて事を考えるべきだと思います。
  200. 小川国彦

    小川(国)委員 最近の行政官庁の最も悪い傾向としては、審議会をつくってその審議会の答申をよりどころとして、あたかもこれを法律のごとく考えて物事を決定している、このやり方は誤りではないか。私たちは、あくまで国会の決めた法律に準拠して物事を決定することが法治行政のあり方ではないかと思うわけです。審議会答申に依拠するやり方は、こうした公共料金決定の重大事に決して許されるべきではないと思うのですが、この点は大臣はいかがでございますか。
  201. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 政府にいろいろ審議会がございますけれども、審議会もまた、当然法律の枠の中で事を審議いただいていると思っております。
  202. 小川国彦

    小川(国)委員 ということなのですが、現実に今、日本の道路公団も首都高速道路公団も阪神も全部、いまだ供用してないところのものも繰り入れてしまっている。これはどういうことだというと、基本的に言うならば本来道路は無料だと思うわけです。  ちょっと私、建設省か道路公団かにお伺いしたいのですが、こういう有料道路をやっている国というのはどのくらいあるのでございますか。
  203. 松延正義

    ○松延説明員 私の知るところによりますと、フランス、イタリア、アメリカ等で有料道路をやっております。
  204. 小川国彦

    小川(国)委員 実施例はその国でどのくらいのウエートを占めておりますか。
  205. 松延正義

    ○松延説明員 正確なことはちょっと資料がございませんのではっきり申し上げられませんが、フランスではかなり高速道路を有料でやっているように聞いております。それから、アメリカにもターンパイクと称しまして、かなりの有料道路があるように聞いております。
  206. 小川国彦

    小川(国)委員 それはごく特異な例であって、あらゆる国々の道路というものは、やはり税金なりあるいはガソリン税なりそういうものでつくられてあって、本来無料であるというのが基本原則だと私は思うのです。そういうことで考えてまいりますと、欧米の実情も今課長さんから二、三の例を伺いましたが、恐らくそれは大宗ではなくてごく二、三の例にすぎないのではないか、こう思います。  しかも有料制を認めるとしても、それは受益者負担にのっとったものでなければならないと思うのです。受益者負担の原則に立つならば、受益者がまだ受益も利用もしていない道路、しかも十年先の道路の建築、改築、その管理費まで含めているということは、この受益者負担の大原則に反するものだと思うのです。料金改定の値上げをしようとするときに、これだけの事業費がかかっているから、皆さんこれだけの値上げをのんでくださいというわけでしょう。そのときに、受益者がまだ利用もしていない道路、まだ建築中の道路、それの修繕費から管理費まで含めて値上げをしているというのは受益者、利用者、国民に対する重大な背信行為だというふうにお思いになりませんか。
  207. 松延正義

    ○松延説明員 先ほども申し上げましたように、新規路線の建設費につきましてはせいぜい二年程度の先の路線でございまして、これはほとんど用地等も終わっておりまして建設費も確定しておる。それから改築費につきましては、これはそれほどの金額でございませんが、いろいろ渋滞対策等で非常に必要とされておりますし、この点につきましては額としてもそれほどの額でございませんので、我々としましては、法令に基づきましてもあるいは道路審議会の答申に基づきましても、これを取り込むことについては、料金を安定的に推移させていくという面から考えますと妥当なものではなかろうかというふうに考えております。
  208. 小川国彦

    小川(国)委員 私は、それは国民から見ると非常に許されない問題だと思うのです。  少なくも、料金を値上げしようというのには、皆さんがこれから利用していただく道路にこれだけかかっていますから、それを三十年以内に分割するとこういうふうになりますから、ひとつそれに見合う料金をお願いします、こういうわけでしょう。ところが、まだ建築中で、使用も利用もしていないものを二年以内ならいいだろう、その修理費の十年分ぐらいいいだろう、しかもそれの管理費まで先取りして、税金ともいうべきこの有料の料金を、使用もしてない部分まで計算に入れて割り勘で、早く言えばそれを割ってその料金を決めてきているわけですから、使用していない、使用できない道路の分まで取っているということになるわけです。これはどう常識で考えてもおかしいと思うのです。  私は、問題の認識をはっきりさせるために、ここであえて法治行政について述べたいと思うのですが、法治行政というのは、行政は法律に基づいて運用されなくてはならない、このことは日本国憲法の基本的な骨格である。これは近代国家のどの国においても共通の物の考え方である。法律に基づかないで行政が発効できる領域は給付行政、例えば社会福祉行政等においてである。この給付行政を除いた以外は規制行政というふうに言われている。税金を取ったりあるいは高速道路などの公共料金を取ったりするのはこの規制行政であり、侵害行政だと言われている。なるがゆえに法律の根拠なしにはなし得ない、こういうふうになっている。ましてや、その高速料金を上げたりするのに法律の根拠なしに、答申などというものを根拠にこれを一年も二年も、あるいはまた修理費においては十年も将来の分まで含めるなどということは断じてできないことだ、私はこういうふうに考えるわけです。皆さんが行政を行っていく根拠というのは、やはり法律が根拠でなければならないと思うのです。法治行政でなければならぬと思うのです。そこのところを欠いているというのが今日の建設行政の実態だ、こういうふうに私は思うのですが、大臣、この点いかがでございましょうか。
  209. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 何度も同じ御答弁を申し上げて申しわけないのですが、この問題につきましては建設省と運輸省で共同して作業しておりますが、先ほど来建設省から御説明あったような考え方につきまして、運輸省も基本的にはこれを支持し、了解をし、今まで認可をしてきた次第でございます。  先ほど大臣からも御答弁がありましたように、私どもは、今の道路整備特別措置法の認めている枠の中で審議会の答申が出ている、かように考え、この運用をしてまいってきているわけでございます。
  210. 小川国彦

    小川(国)委員 その枠の中でとおっしゃるのですが、私は答申というものは全く根拠がないと思いますよ。審議会の答申というものは、建設省なり、あるいは建設省が道路審議会の委員というものを委嘱して、そこで答申をもらっているものでしょう。そうじゃなくて、法律というのは国民が選んだ国会議員が国会の場で決めてやったものでしょう。そこに依拠していくべきで、皆さんが御都合でつくった審議会の答申というものを金科玉条にして、十年も先のいろいろなものを取り込んで料金に入れているというのは、絶対許されないと私は思います。答申が補完しているなんて、そういう答申の存在価値というものは私は認められないと思います。答申の権威というものを認められないと思います。皆さんが行政をしていく根拠は法律でなければならぬ。私が何度も言っているように、第七条の四の新設し、改築した道路というのですよ。終わっている道路の部分についてだけそのかかった費用を三十年以内に分割してその料金にはね返らせることができるというので、これから先のものを、将来のものを含めていいというのは、皆さんが何遍もさっきから説明しているけれども、皆さんのこの七条の四にしても十一条にしても、この二つの法律からは出てこないというのですよ。これはいかなる法学者に解釈してもらっても、きょうの皆さんと私の議論をきちんと解釈してもらったら、七条の四と十一条の道路整備特別措置法からは出てこないと私は思います。確信があったらもう一遍よくそこを説明していただきたい。
  211. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 道路整備特別措置法は、主として建設省が管理をしておられる法律でございますから確定的な解釈は建設省にしていただいた方がいいと思いますが、運輸省としましては、その実態面につきまして、この法律の規定に反しない範囲におきまして、高速道路の料金ができるだけ安定した方がいいという判断も加えまして、この審議会の答申の基本線を支持してきているわけでございます。
  212. 小川国彦

    小川(国)委員 私は、今からでも遅くないので、特に五百円から六百円に値上げしたその計算の中には、いまだ利用してない道路の新築費から改良費から管理費まで含めて値上げをしているわけですよ、使ってない道路、まだ工事をやっている道路の代金まで料金値上げの中に含めるというのは、この法律から解釈して生まれてこないのです。皆さんが補完しているという答申は、田中内閣のときに金丸建設大臣が答申させた日本列島改造論で、ともかく道路をどんどんつくれ、そのためには国民から料金を先取りしてもいい、法律にないような答申をつくってもいい、その答申でどんどんやれ。だから、このとき以来、それまではゼロ年か一年か二年先までしか先取りしなかったもの を、改築費、管理費を含めれば十年、十二、三年までどんどん含めていったのでしょう。こういうことはあり得ないことですよ。法の解釈からもあり得ないし、常識からもあり得ない。こういうことは反省してもらわなければならないと私は思うのですよ。  大臣、私は今一生懸命力説していて、大臣も突然こういうところでこういう論議のことでなかなか理解しがたい点もあると思うのですが、一番最初にお褒め申し上げたように、非常に有能な、物事を明快に一般常識人の国民の立場で判断される大臣ですから、こうしたあり方について大臣の所感をお伺いしたいと思うのです。
  213. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 これは主に建設省マターでございますから、法律の解釈自身については建設省の方が意見を披瀝していただきたいと思いますが、一般論として申しますと、それはやはり審議会の答申、いろいろ含みを持って、含蓄を持ってあるでしょうが、国会が成立せしめた法律の域を出るべきではないと思います。ちなみに運輸省は、やや性格が違いますけれども、鉄道の新規事業を見越しての、それを現行の運賃に先取りという形で組み込むための法律としての整備をいたしました。
  214. 小川国彦

    小川(国)委員 おっしゃるとおりなんです。やはり行政がやろうとするなら、法律をきちんとつくって、そして確かに鉄道の場合にはそういったことが行われているということは私も伺っていますが、そのための法整備をきちっとして、国会で審議をして、そして国民の納得できるような形で料金改定をしていかなきゃならぬ。それが、今日までの首都高速道路の料金でも日本道路公団でも阪神でも、この四十八年の答申以来そういうことを無視して、期間というものを野方図に延長して、先取りしてそれを含めて行われてきた。こういうことについては、この際建設省も十分考えるべきだと私は思います。  そこで、もう一つ運輸省の方に伺いたいのですが、首都高の料金及び料金徴収期間の認可申請書及び添付書面の一式の写しを私は資料請求をしてきているわけです。もう既に今日までかなりな期間がたっておりますが、いまだこの提出を見ないわけです。私は、国会議員が、しかも決算委員として決算委員会の場で、首都高速道路の料金値上げのために首都高速道路公団が建設省や運輸省に申請した申請書あるいはその添付書面、そういうものの写しは当然国会議員としてそれを目にし、審議することができる、調査することができる、こう考えているわけでありますが、なかなかそれが今日まで提出されない、こういう状況にあるんです。  ちょっとそこで伺いたいんですが、高速自動車国道等の料金及び料金の徴収期間等に関する省令の中で、その第一条の二項に、「前項の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。」こういうことになっていまして、その一、「道路整備特別措置法施行令第一条の六に定める合算額の内訳書」、これはどういうようなものが内訳書として出されているのでございましょうか。
  215. 松延正義

    ○松延説明員 道路整備特別措置法施行令一条の五にいろいろ費用の、改築費あるいは新設費あるいは管理費、そういったものがございます。それの内訳が載っているわけでございます。
  216. 小川国彦

    小川(国)委員 その内訳書は項目別に挙げるとどういうことになりましょうか。もう少し親切に教えていただきたいのです。
  217. 松延正義

    ○松延説明員 償還表等にいろいろ載せてあるわけでございます。
  218. 小川国彦

    小川(国)委員 償還表のみでございますか。
  219. 松延正義

    ○松延説明員 建設費等につきましては別に内訳書が路線別にございます。
  220. 小川国彦

    小川(国)委員 それから、二の「料金及び料金の徴収期間算出の基礎を記載した書面」というのはどういうものでございますか。
  221. 松延正義

    ○松延説明員 償還表でございます。それから、料金につきましては申請書の方でございます。
  222. 小川国彦

    小川(国)委員 それから、三の「推定交通量及びその算出の基礎を記載した書面」というものはどういうものでございますか。
  223. 松延正義

    ○松延説明員 交通量の将来予測の方法あるいは将来の交通量あるいは料金収入等でございます。
  224. 小川国彦

    小川(国)委員 公団の理事長に伺いますが、この今の資料は書類でおよそ何十通りくらいのものになりますか。提出した資料は何十通りくらい、項目的には幾つになりますか。
  225. 栗山昌久

    栗山参考人 それぞれの項目、数え方がございますけれども、大きく分けて七項目ぐらいになると思います。
  226. 小川国彦

    小川(国)委員 七項目の内訳をおっしゃってくださいませんか。
  227. 栗山昌久

    栗山参考人 まず将来交通量の推定方法、これは現在までの実績、それから認可申請時までの実績、それから将来どのように交通量が変化していくかということ。それからあと料金収入がどのようになっていくかというような、これは料金収入の積算方法、それからあと将来の維持管理費の総額、現在までの実績数字、金利等については、過去の金利それから現在の金利それから将来の金利推定方法等について記載しております。あとは建設費、それから改築費については予定されている改築費の額、それからその改築が行われる年度等を勘案しております。
  228. 小川国彦

    小川(国)委員 まだ五項目ですね。
  229. 栗山昌久

    栗山参考人 あと調査費等、いろいろ建設その地やるについての設計その他の調査費等が示されております。
  230. 小川国彦

    小川(国)委員 このうち、私どもの方に出せないというのはどのものが出せないということなんでしょうか。
  231. 松延正義

    ○松延説明員 昨年の九月に料金改定やったわけでございますけれども、料金変更の審査に当たりましては、料金変更妥当と判断した結果とかその理由に関する資料につきましては既に先生の方には提出しているところでございまして、具体的には現行料金認可及び前回料金認可の償還計画表、それから採算に関する試算表、それから管理費の内訳、それから年度別予測利用交通量、それから交通量の予測法、こういったものは既に提出して説明をさせていただいているところでございます。  それで、申請書及び添付書類一式ということでございましたけれども、料金認可の申請書あるいは添付書類、こういったものは、料金認可の中間段階におきまして審査の判断とする内部資料でございまして、審査の過程におきまして種々検討が加えられあるいは修正されあるいは追加されることもありまして、認可に当たっての最終的な判断資料といえる性質のものではございませんで、建設省としてはこれは公表をするのは適切でないというふうに考えておる次第でございます。
  232. 小川国彦

    小川(国)委員 時間がないので最終的に大臣に伺いたいのですが、国会議員が電力料金とか水道料金とかあるいは従来は例えば国鉄の料金、そういう公共料金というのを国会で審議してきている。これは非常に大事なことです。ところが、こういう有料道路の料金を大臣が認可なさるときに出されている申請書とその添付書面、こういうものが国会に出せないということは私はいかがなものかと思うのですよ。料金を四百円から五百円、五百円から六百円とわずか二年十カ月の間に五割もアップする、そういう料金値上げをしてくる申請書とその写しの添付資料というものを、大臣が認可するために見た資料というものを、我々国会議員も見させていただく当然の権利があると思うのです。これが今できない現状にあるのですけれども、大臣、この点どういうふうにお考えになるか。私はこの点、大臣の国政調査権というものに対する見解をひとつ承りたいと思います。
  233. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 大事な問題でございますから、必要な資料はよほどの支障のない限りできるだけ提出いたしたいと思います。すべきだと思います。また、提出していると聞いておりますが……。
  234. 小川国彦

    小川(国)委員 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
  235. 野中英二

  236. 小川新一郎

    小川(新)委員 各党もそれぞれおやりになったと思いますが、昨日の五日の午前、JR東中野駅における電車の追突事故により多数の死傷者が出たことはまことに遺憾でございますし、お亡くなりになられた方に対しては御冥福をお祈りいたしますとともに、負傷なさってただいま入院していらっしゃる方、自宅で療養なされている方の一日も早い御回復をお祈りいたしております。  この大事故について、今調査中であると恐らく御返事があると思いますが、新聞とかテレビ等の報道によりますと、追突事故の原因というものは、科学の粋を集めた国鉄時代、JR時代に開発された新しい器具それぞれのものが使用され、自動列車停止装置、ATSとかATCとかまたは改良型のATSとか、そういったものがふんだんに使われているやに聞いております。また、首都圏の過密な交通問題というものは、これはもう起きるべくして起きている土地政策や国土の再開発の問題、また列島改造の中から指摘されなければならない大きな政治問題でございますが、一体私たちは、毎日が死に直面した、楽しかるべき通勤が本当に不安と恐怖の中でおののいているようなことがあってはならないと思います。  今度の追突事故の前に、当該地点では過去に二回も同じような事故があるやに聞いております。また、国鉄からJRに至るまで、この十年間に大きな事故が十件以上もあったと報道されております。一人の事故死は、二十ぐらいのいろいろなミスが重なって一人の人の死者につながるという定説がございます。そういう問題を踏まえた中で、事故が三たびも連続して起きている。しかも、業務に携わる運転士諸君はこの地点を魔のカーブであるといって恐れておりますが、こういった時点を踏まえた中での指導、対策、また二度とこういうことが起きてはならないと繰り返しながら起きる事故というものは、いつも交通安全対策特別委員会とか各種の委員会において指摘をされているところでございます。  大臣、今回の問題につきまして、ただいま私がるる申し上げました中で御所見を承ります。
  237. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 まことに残念な、遺憾な事故が起こったわけでございます。運輸省としましては、今回の事故の重大性にかんがみまして、事故後直ちに関東運輸局の担当官四名を現地に派遣しまして、同日付で東日本旅客鉄道株式会社に対して、第一に被害者に対する誠意ある対応を積極的にせよ、第二は原因の早期究明、これは今後の対策に不可欠でございますから、第三に同種事故の再発防止対策の樹立の三点を内容とする通達を出しました。他のJRにも今後同種の事故に関する十分な注意を喚起すべく通達したところでございます。
  238. 小川新一郎

    小川(新)委員 この追突事故の原因は、今までにわかっているところでは機械の故障なんですか、それとも人間のミスなんでしょうか。
  239. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 先ほどから御答弁申し上げているとおり、現在のところはまだ調査中の段階でございますので、機械に問題があったのか人に問題があったのか、今のところはまだ明確ではございません。
  240. 小川新一郎

    小川(新)委員 新聞紙上等々によりますと、ATSは正常に動いておったということでございます。そうなってきますと、この機械は信用できないのかどうかということにもなってしまうのでございますが、新幹線は全自動制御停止装置でございまして、人間の手で手動に切りかえることができないようになっていると聞いていますが、この改良型とか新幹線方式というものは国電には採用できないのですか。
  241. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 JR東日本ではATS—Pの導入を、総額大体六百三十億かかるようでございますけれども、東京の主要線区に六十六年度までに導入することとしておりましたが、これをさらに積極的に前倒しさせまして、特に東中野駅近辺はいろいろな意味で札つきの非常に事故の多い、過去にも二度同じ地点で事故が起こったものでございますから、再来年ごろ完成の計画でございましたけれども、これを特に本年度じゅうに完成させるべく強く指導するつもりでございます。
  242. 小川新一郎

    小川(新)委員 魔のカーブといって恐れられている場所は、JRの線に限ってはどこなんですか。
  243. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 本年度中と申しましたが、来年度中でございます。
  244. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 現在手元に資料を持っておりませんので、後刻お答えするようにいたします。
  245. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、文句を言うわけではございませんけれども、こういう大事故が起きているときに、そういう問題が他に多発をしないという——連鎖的事故というものが航空機事故とか海上事故とか陸上事故に起きるのが今までの例でございます、いいか悪いかということを超えた超能力的な何か不思議な現象でございますが。であるならば、同じような危険視される、マークされているところは総点検するなり、何らかしなければならぬと思います。その点が一つと、こういう危険な急カーブのところは、そういった新しい自動制御装置の機械を導入することでなくて、基本的にもう少し構造的な改良はできないのですか。
  246. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 先生のただいまの御指摘がカーブの問題でございましたとしますと、今回事故が起きました現在のカーブにつきましては、鉄道のカーブの基準を決めております規則がございますが、その規則の要件を十分満たしてございますものですから、規則上は特に問題はないというように考えております。  ただ、それはそれといたしまして、全体的に今回の事故の原因究明をした結果いろいろな問題点が出てまいります場合、その問題を踏まえまして、全般的な事故防止のための安全対策ということをJR東日本に早急に樹立していただきたいと思っております。
  247. 小川新一郎

    小川(新)委員 ただいまの御発言は、私はまことに納得できないのです。そういう基準に合って問題がないと言っても、現実に問題が起きたじゃないですか。問題がないものが何で問題が起きるのですか。しかも過去も入れて三回。問題があり過ぎるじゃないですか。そういう失礼な答弁はないでしょう。人が亡くなり、けがをし、今大臣みずから責任を問う慎重な声明文まで読まれている。あなたはそういうことをおっしゃるけれども、それでは国民の前に相済まないのではないでしょうか。少なくとも事故があるから、こういう事故が起きた現状を何とか改良できないか、地理的問題や国土的な配慮から、またJRの技術上からできないかというのであって、例えば四谷駅でしたか、どこか電車とホームの間がこんなに離れているところがありますね。私も恐る恐るあそこをまたいで乗るのですが、七十、八十のおばあちゃんは全く命がけであそこをまたいでお乗りになると聞いておりますが、この問題だって事故がないわけじゃないんですよ。こういうふうに事故が出そうだ、出るであろうというところこそ問題になる地点じゃないんでしょうか。この点は問題があるんだけれども今までこういった対策を講じてきた、しかし不幸にして起きたという謝罪であるならば、私も納得できます。いかがでしょう。
  248. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 先ほど私が御説明申し上げましたことは、現在の規則との関係で適合しているということを申し上げたのでございまして、ただいま事故の原因究明中でございますので、事故の原因が那辺にあったかということを明確にするその作業の中で、そういった問題も当然JR東日本としては検討していく形になるんではないかと思っております。
  249. 小川新一郎

    小川(新)委員 仏法の言葉に「因果倶時(ぐじ)」という言葉がございます。原因と結果というものは必ず一致するんだ。原因がないところに結果は出ないんだ。我々の生命論の問題でも宿命論の問題にしても、そういうよって起きるすべての因縁というものを仏法の中では解き明かしておりますが、私は、科学的に解明されるものであり科学的に対応できるものであれば、予算を伴うものであれ、また人間の人知や技術やそういった総合的なものが今の新しい日本に必要とするならば、全力を挙げて取り組むのが、国民の信頼をかち取るための、JRが宣伝をしておる安全性を優先するという会社の基本的モットーに当てはまるんではないかと思いますし、それを監督し指導する立場の運輸省は当然その問題について触れなきゃならぬと思いますので、この際改めて問題を提起いたしておきます。  それから、適切なスピーディーな対策といって、わずかな金をもって示談書に早く判を押せ押せなんということが、被害者の心をどれほど痛めるのか。毎日新聞でございましたか、一人一万円から十万円ぐらいの見舞い金をもって示談書に判を押せよ。スピードということは大事でございますが、何でもかんでも早く解決するんだ、木で鼻をくくったような何となく寒々しい対策の仕方、これまた非常に不愉快である。と同時に、ジャンボ機墜落事故において、これは問題が次にかわりますけれども、同じような事故、これは私が交特委員長のときに起きた事件でございますからよく知っておりますが、この日本航空の大事故ときのう起きた事故とどっちが大きいとか小さいとかという議論をする前に、すべて同じ人間のいろいろな欠陥によって生じたことでございます。このジャンボ機の墜落事故についてでも実に不愉快な点がございます。  一日付で群馬県警は、昭和六十年八月の日航ジャンボ機墜落事故について、日本航空運輸省など二十人を業務上過失致死傷の疑いで前橋地検に書類を送検して、その書類送検についての氏名というものが公表されております。しかし、最も大きなボーイング社、アメリカの責任ある立場に立っている四名と限定されておりますが、私は四名どころではないと思いますけれども、四名についての被疑者の氏名が特定できておりません。技術責任者だとか何とかの責任者だとかということで、少なくとも八〇%以上がアメリカの責任であると言われておる問題が、日本においては業務上過失致死傷の疑いで書類送検され、氏名が公表されているにもかかわらず、アメリカの場合は氏名も明かさず、一体全体こういうのはどう考えたらいいのでしょうか。  大臣、これはどう思いますか。
  250. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 ボーイングについてお答えします前にJR東日本の示談書の問題ですが、私もそういうことがあったとすると非常に疑義を感じますので調べましたが、そういう事実はございません。一万円から十万円の見舞い金は、今までの慣例といいましょうか、常識的なことでさせていただいたわけでございますけれども、それにあわせて示談書をとったという事実はございません。  ボーイングのあの一二三便の墜落事故の後の問題でございますけれども、検査官を含めて二十人の方が書類送検をされました。これはそれなりに厳粛に受けとめております。また運輸省は、同じような事故の再発防止に今後も全力を挙げて取り組むつもりでございます。ただ、アメリカと日本の法律体系が違い、よって立つ哲学の違いと申しましょうか、向こうは航空機事故に関しましては刑事責任を負わないという免責の形でこそ初めて原因が究明できるということで、それに関係した人物を特定させないわけでございますが、これはいかにも割り切れない感じがいたします。しかし法律の体系が違うということで仕方がないと思いますけれども、実は先般も申しましたが、ボーイングもいろいろ反省しておりますけれども、完壁な生産体制をとるまでにかなり、数年の時間がかかるということをあそこの担当の役員が日本のテレビに申しておりますので、その間どういう種類の不安があるかわかりませんが、いずれにせよ不安は絶えないわけでありますから、日本の航空会社が契約するときに何か条件をつけることができないかという検討も命じましたけれども、なかなか難しい問題でなお検討中でございます。  いずれにしろ、日本側としてはできる限りの努力をしてこういう事故が二度と起こらないようにしたいと思いますが、肝心の乗せて飛ぶ飛行機そのものは向こうさんがつくっていて、そこの体制にいろいろ手落ちがあるということを向こうも認めているので、本当にこの問題、考えれば考えるほど靴の上から足をかくようなもどかしさを感じざるを得ないというのが現況でございます。
  251. 小川新一郎

    小川(新)委員 全く欠陥的な取引の中で欠陥商品に私たちは命をゆだねて、今海外ブームだ、スピード時代だ、あらゆる人がアメリカ製のジェット機に乗って楽しんでおりますが、でも、いつ大事故が起きるかわからない状態なんですね。今の大臣の話を聞いておりまして大変みんな不安になるのではなかろうかと思います。どうかひとつ、だからといって大臣を責めてみてもしようがないので、私は大臣が好きですからそんなことで石原慎太郎大臣をいじめてもしようがないのですけれども、これは外務省とも、あらゆる日本の内閣の機能を使って安全な体制をアメリカに要請していただきたいと思います。  そこで、国鉄用地の売却問題でございますが、政府が国会に報告した昭和六十二年度の国鉄改革に関する施策の実施状況によって、国鉄改革一年目の総決算が明らかになりました。それによると、JR各社が積極的な営業活動と全般的な好況により好決算となった反面、日本国有鉄道清算事業団の土地売却が地価高騰のあおりで凍結となりました。これは要するに競争入札が大きな弊害になるということでございます。目標三千億の半分以下にとどまったことや、津軽海峡線、青函トンネルの債務が新たに加わったことで、全体の長期債務は実に二十兆四千億円、気の遠くなるような数値がはじき出されております。昭和六十二年度末の長期債務の総額は二十兆四千十七億、一年間で一兆九千億も増加しております。こういう問題は大きな国の政策決定の中で何とかしなければならないと思いますが、まず凍結解除はいつになるかということが大きなめどになっておりますが、地価安定政策との絡みの中で、大臣、これはこの赤字の解決のためにはどういうふうにしたらいいんでしょうか。これはちょっと金額が大きいので大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  252. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 一般的には公開入札という線を踏まえているわけでございますが、東京並びにその周辺の非常に地価が高くなっているところでは、これ以上狂乱地価にしてはならないので、凍結にいたしました。しかし、高値安定というか、東京などの土地はあれ以上上がりませんでしたけれども下がらずにとまっておるわけでありまして、これをにわかに公開入札というわけにもいかないだろうということで、いろいろ方策を講じて、事業団としても地価を顕在化しない形でこの資産を積極的に処理する方法を考えております。  また同時に、地方公共団体が的確なプロジェクトをお持ちのところは、これはあくまでも公共の利益に供するという前提で、随意契約にしていただいて活用していただくという原則もあわせておるわけでございます。ただ、どこと申し上げませんが、時々公共の目的云々ということで、実は確たる設計図もなしに、ただやたらに土地を売れなどと言われる節もございまして、これはこちらとしても手控えさしていただかざるを得ない。やはり公共団体が主体で確かな設計図というものをつくっていただかなければ随意契約は成り立たないということも申し上げておる次第でございます。
  253. 小川新一郎

    小川(新)委員 余りはっきりした、確たるめどというものは出ておりません。具体的にどうしたらいいか、いつの時点でこれは解消するのか、こういう点をお聞きしたいのでございます。  そこで、逆の立場でまことに恐縮でございますが、いつも私がお尋ねしておる埼玉県大宮の操車場跡地、ただいまの問題でございますが、この売却問題について、きょう国鉄清算事業団資産処分審議会が跡地の利用計画を決定することになっております。  この大宮操車場跡地は埼玉県中枢都市圏構想、YOU And Iプランの中心プロジェクトであり、またさいたま新都心計画の拠点地域となっております。そして、コロシアムとかメッセだとか高度情報センター等の重要施設の配置を今予定いたしておるところでございます。約二十三ヘクタールくらいあると言われておりますが、この約半分。埼玉県の知事さんが、公共を主体とするところの事業都市計画、県の再配分の計画を今建設省や運輸省と話を詰めておるところでございま す。  今申し上げましたように、きょうの国鉄清算事業団資産処分審議会の議が五時には出るそうでございますが、その前に大臣にお尋ねしたいのは、ただいまの大臣のお話を承りますと、土地利用計画のしっかりした地方自治体への払い下げは当然随意契約だということでございますが、埼玉県の場合がそれに当てはまるかどうか。私が言うよりも、もう皆様の方でよく調査をなさっておると思いますが、この地域は本当に随意契約していただけるのでございましょうか。
  254. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 大宮の操車場跡地は事業団の持っております最も大きな不動産の一つでございます。東京の方はまだ計画定かでございませんが、これは埼玉県が非常に立派な計画をおつくりになりまして、まさしく随意契約に該当すると思いますので、当然埼玉県と事業団との間に随意契約が成立すれば埼玉県の方々に活用願えると思います。  ただ、随意契約と申しましても時価でございまして、そう安くはない。まさしく時価でありまして、それでお取引を願うということになっております。  それから先ほどの件でございますが、実は午前中に調べてそういう答えがあったので私も大見えを切りましたが、残念なことに示談書の件については、今ちょっと知らせが入りまして、一部の職員が示談書の紙を渡したとの情報があったので、本社側は慌てて、そうした動きがあるならば全面的に中止せよという命令を出したそうでございます。
  255. 小川新一郎

    小川(新)委員 こうして大臣初め心ある人々が深い思いの中で未来を見通そうとしているときに、まことに残念なことだと思います。人の心を逆なでするようなことのないよう指導していただきたいと思います。  そこで、今大臣は、随意契約でやるけれども時価だと。この時価というのは適正価格のことだと思います。適正価格の算出方法は国土法でやるのでしょうか、それとも建設省の地価公示価格を基準にするのでしょうか、または近傍類地の取引価格例によるものでしょうか、または三人以上の権威のある不動産鑑定士による鑑定方法によるのか、それらをミックスしてやるのか。私どもは地価公示価格制度を主張いたしておりますが、私もこういう質問をするに当たって、政治家としてまことに胸が痛むのは、先ほど申し上げました莫大な赤字の解消問題、また自分の住んでいる選挙区の問題になるとエゴを振り回しているのではなかろうか、しかし日本の土地政策全般から見たときはどうなんだろうか、こういう二律背反の手法のとり方というものは、大臣も恐らく同じであると思いますが、私はこの場合、今大臣がいみじくも申しました、多くの人々のため、社会のため、国の繁栄のため、そういった公益とか公共、こういうものがしっかりしていればあえて目をつぶらざるを得ないだろうという考えの持ち主でございますので、今申し上げました四種類のうちどれでおやりになるのか。これは大臣でなくても結構でございます。
  256. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 ただいま先生の御指摘の時価の話、事業団用地の売却価格は処分時における適正な時価による、こういう考えでございますが、その適正な時価というのは、事業団の内部でまずは内部評価をいろいろとするわけでございますが、それと、権威ある部外の精通者というのでしょうか、例えば日本不動産研究所とか、不動産に関する鑑定評価業務を行う銀行、そういったようなところの鑑定評価と比較検討をいたしまして、それで決定するということになっております。それで、周辺類似地の公示価格とか、これは地価公示法によるものでございますが、それから国土利用計画法によります基準地価格、そういったものとの均衡が保たれるように配慮していく、こういう考えでやっております。
  257. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、この問題は、国土法というのは今非常な盲点を抱える法律となりつつあります。これはきょうはこの場では議論いたしませんが、聡明なる大臣のことでございますから、土地という千差万別の顔を持つ、ちょっとしたところでも利用価値の違いの出る、しかも再生産のきかないものの取り扱いについては、私は非常に難しい問題が絡んでおると思いますが、どうか埼玉県の状況につきましてるる申し上げましたことを御賢察くださって、適正な処分をお願いする次第でございます。  そこで、同じように大鳴門橋の問題に飛びますが、大鳴門橋、すなわちこの橋は道路だけでなく、鉄道部門についても建設されております。すなわち、新幹線が将来通るであろうと言われているわけでございます。この大鳴門橋は淡路島と鳴門というところを通じた大鳴門橋でございますが、これが新幹線が通るであろうということを予測して、この鉄道部門も実は建設しております。それは昭和五十三年二月二十八日の時点で運輸、建設両事務次官の覚書によって、道路対鉄道の負担割合は八九対一一、道路が八九、そして鉄道の方が一一、この一一%に相当する鉄道負担額は百五十億、なお、建設利息等を含みますと二百九十三億、これは昭和六十二年四月一日付で国鉄清算事業団が今負担をしております。一体これの予算名目はどういうふうになっているかと私は調べてみましたところ、補助金で落としております。本来、大鳴門橋の完成後の維持管理費、鉄道側の負担はどうするかというと、補助金だけで大ざっぱに一年間に約一億三千万近く出ることになっておりますが、こういうものを補助金だけで決算して落とすということはこれはいかがなものでしょう。一体全体、新幹線が通るのですかという問題が出てくるわけです。  しかももっと不思議なことは、その前にありますところの明石海峡にかかっている方の橋には鉄道部門の附帯工事がなされておりません。これは全く道路だけ。一体、新幹線はどこからどういうふうに通ってくるのか。四国に渡るまでに淡路島を通過して縦に通ってくるわけですが、その入り口の方には新幹線の通る道をつくらない、出る方に新幹線の鉄道部門をつくって、これは偏った工事じゃないかと私は思っておるのでございます。一体全体これはどうなんでしょうか。
  258. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 大鳴門橋の問題につきましては、その資本費部分のお話と、現在ございます施設を管理していくその費用の部分のお話と、二つございます。  それで、先生御指摘の、まずは道路対鉄道の関係というのは八九対一一というシェアで分けでございますが、先ほど先生の御指摘の金額は資本費部分の金額でございますが、これは国鉄民営化のときに御指摘のとおり清算事業団がその債務を引き継ぐといいますか、その債務負担をするという形で、清算事業団が現在その負担をしておるところでございます。  それから、もう一つの管理費の問題につきましては、今の八九対一一というシェアをそのまま使っておりますが、大鳴門橋の例えば維持費、ペンキ代のような問題があるわけでございますけれども、そういう直接の維持費につきましてその一一%を鉄道側で負担している、こういうことでございまして、その費用は六十三年度で申し上げますと千三百万ということでございます。それで、それは先生の御指摘のとおり、修繕費補助金ということで本四公団に対して支出しているところでございます。  それで、新幹線の問題でございますが、新幹線の中の基本計画路線というのがございまして、基本計画路線の中の四国の新幹線のルートということで予定されておる部分でございます。
  259. 小川新一郎

    小川(新)委員 確かに私の言い間違いで、一億数千万と言ったことは訂正させていただきますが、いずれにしても、毎年度の名目や金額はどのようになっているかという私の質問でございまして、これはたとえ一千三百万でも続いていくわけです。しかも、新幹線が通らないという、幻に終わってしまったときは一体どうなってしまうのか。これは完全に通るのですか。しかも、通るというと、先ほどの本州の兵庫県の明石海峡、淡路島 の本州淡路線、この橋にはまた新幹線の通るところをつくるのですか、つくらないのですか。
  260. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、大鳴門橋の方は、大阪市から大分市という四国新幹線の基本計画の予定のルートということで考えております。それで、もう一つの本州—淡路島間の鉄道建設計画の問題につきましては、六十年の国土庁、運輸省建設省の三大臣の合意によりまして、別途検討するということと今現在なっております。
  261. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、和歌山県から通ってくる、淡路島へ出る海峡がありますね。ここはまさか新幹線を通すというわけじゃないでしょう、この横の方は。あくまでも縦へこう来るのでしょう。だからこそ検討するということなんでしょう。まだ検討段階でありながら、もう既に大分まで通る計画、基本路線があって、こっちの方には通る道をつくってしまって、入り口のところはまだこれから検討段階だ。それでは本末転倒じゃありませんか。どうなっているの。
  262. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 ただいま先生御指摘の紀淡海峡のルートの問題でございますが、現在そこの海底の地質調査をやっているわけでございます。それで、先ほど申し上げました四国新幹線のルートの問題につきましては、本州の方からどういうルートを通っていくかということ自身はまだ決まっておりませんので、そのルートを選ぶための地質、地形調査という形になっております。
  263. 小川新一郎

    小川(新)委員 いずれにいたしましても、大臣、お話を聞いてよくわかったと思うのですが、まだまだいつになるかわからない、またやめるのだかやめないのだかもわからないところに、もうこっちは通るところができちゃっている、毎年毎年一千三百万ずつ経費がかかっていくわけですよ。しかも三百億、四百億も金をかけてつくっちゃった。もしも通らなければ潮風にさらされて腐っちゃう。本来だったらちゃんとはっきりしてからこういうものをつくってもいいのですけれども、そうなると基本的に工事費が高くなる、だからつくるときに一緒につくっちゃうのだ、できなければしようがない、できたら使おうという、まことに、さっきのJR線じゃございませんが非科学的な考え方の、何だか日和見的な頼りない、今のリクルートみたいなわけのわからない状態じゃないでしょうかということを指摘したいのでございます。  大臣、聞いていてお考えはどうですか。物をはっきり言う大臣ですから、どうかお願いします。
  264. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 いささか同感する節がございます。
  265. 小川新一郎

    小川(新)委員 運輸大臣も、御意見は全く私と似ているところがございます。この問題はもっと大きく考えますと、四国の方々のお心というものを踏まえて夢と希望を与えるという、そういう夢をなくしてしまうという、政治家の選挙に対する政策のいろいろな面、これはいろいろな難しい問題がありますので、私も子供じゃありませんから一足す一は二、二足す二は四というふうに割り切ろうとしてはおりませんけれども、どうかそういう問題を大臣、頭の中にとどめながら、国費がむだに使われ、かつ、先ほどの膨大な赤字を抱えている、借金を返さなければならない事業団もあるということをお考えいただきたいと思います。  地下鉄問題でございますが、建設省の大深度地下利用法制懇談会は十二月三日、大深度地下の公共的利用に道を開く報告書をまとめております。この定義はどうかということでございますが、時間がございませんから結構でございますが、運輸省も仮称大深度地下空間を利用する鉄道整備に関する特別措置法案のようなものを次期通常国会に提出するのか、大深度地下の定義はどのように決めたのかどいうことで、建設省と考え方が同じ定義なのか、関係省庁との調整はどこが中心になってどのようにこの大深度地下利用法、要するに地下鉄の問題を解決しようとなさるのでしょうか。
  266. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 お答え申し上げます。  運輸省としましては、昨年の今ごろからことしにかけまして大深度地下鉄道整備に関する調査研究委員会にお願いをいたしまして、法制面と技術面あるいは経済面についての研究をしていただいたわけですが、その結果がことしの三月に出されましたので、その結論に従って法制化ができないかということを今検討しているところでございます。  御指摘の大深度地下空間の定義でございますが、この調査研究委員会の定義を申し上げますと、土地所有者が建物利用のために所有権を行使する必要がある地下空間というものは、建物の地下室として通常利用し得る部分と建築物の基礎として十分強度を有する支持基盤までの部分、これよりも下の部分を大深度空間といたしまして、大深度地下空間には鉄道整備を無償でできるという法制を立法することが可能であろう、という結論を出していただいたわけでございます。  御承知のとおり、今都市におきます鉄道整備に対する要請が非常に強い。しかも、その非常に大きな問題の一つが用地の取得難ということでございますので、この観点に立って運輸省は何とか法制化ができないかという作業をやっているところでございます。
  267. 小川新一郎

    小川(新)委員 次に、暴走族の騒音規制について警察庁にお尋ねいたします。  警察庁は、十二月二日、八年ぶりに暴走族の実態調査の結果を取りまとめておりますが、どのようなことがわかったのでしょうか。  その前に、今の大深度法というものは法律案を次国会に提出しなければ遅くなるのではないかという考えもありますが、その辺はどうでございましょう。
  268. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 運輸省としましては、次期の通常国会に提出をすべく、今作業を進めているところでございます。
  269. 小山田潔

    ○小山田説明員 お答え申し上げます。  ことしの五月に、暴走族またはそれと認められる者を検挙とか補導した際に、約二千名に対しましてアンケート調査をしたわけでございます。この分析の結果では、自分の車を改造したことがあるという者が七九%、このうちマフラーを改造したことがあるという者が八六%、現在改造している車を持っているという者が七九%、そしてまた、このようにマフラーを改造した車で走ったことがあるという者が七二%もあるわけでございます。マフラーを取り外しますと、ほとんどの場合保安基準の規制値を超えることになるということ。それからまた、暴走族の騒音の苦情がことしは大変ふえているということを考え合わせますと、住民の皆さんを悩ませております暴走族の騒音というものは、マフラーの改造車に起因しているのではないかというふうに私どもは考えております。そういうことでございます。
  270. 小川新一郎

    小川(新)委員 これは運輸省にお尋ねをいたしますけれども、オートバイやバイクに消音器の義務づけを警察庁から運輸省に要請がございましたか。
  271. 清水達夫

    ○清水(達)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の警察庁の要請は、本年の七月にいただいております。
  272. 小川新一郎

    小川(新)委員 これは何か法的措置を講ずるようになるのでございましょうか。
  273. 清水達夫

    ○清水(達)政府委員 暴走族によります不正改造等に起因します騒音公害につきましては、運輸省といたしましても、深刻な社会問題となっていることを十分承知いたしておるところでございます。したがいまして、これまでも街頭におきます簡易な測定法、いわゆる近接排気騒音測定法などを導入いたしまして、暴走族の排除に努めてきたところでございますが、さらに、先ほど申し上げました警察庁から道路運送車両の保安基準に消音器の備えつけ義務を規定するよう要請をいただきましたので、これは現在やっております、先ほども申しました定量的に規制しております騒音規制の性能規制と、さらに同一目的のために重ねて装置規制を課する、こういうこともございまして、両規制間の整合性が保たれるかなど法制上の問題がございますが、私どもといたしましては、暴走 族の問題は非常に重要であるというふうに受けとめておりますので、要請の趣旨を踏まえまして、関係の省庁とも十分御相談しながら、消音器備えつけを義務化する保安基準の改正の可能性について検討してまいりたいと思います。
  274. 小川新一郎

    小川(新)委員 これは消音器ばかりでなくて、おかしな格好のハンドルにしたり座席シートが変形しているのに乗っているのを見かけたり、何となく売っているときの車と全く違った、アメリカの何かのドラマに出てくるような恐ろしいモーターバイクの格好みたいなのに乗っている若者たちの姿や成人を見かけますが、摘発したことがあるのですか。
  275. 清水達夫

    ○清水(達)政府委員 お答えいたします。  ただいま御指摘の件は、いわゆる小径ハンドルとかあるいは二輪車のイーグルハンドルといったようなものであると思います。そういったものにつきましては、これまでも警察庁さんと協力いたしまして、街頭検査などのときにそういうものを排除するよう指導に努めておるところでございます。
  276. 小川新一郎

    小川(新)委員 同じように安全の問題で、自動車の窓ガラス用着色フィルムについてお尋ねいたします。  これは、某大臣も国会議員もこの車に乗っております。窓ガラス用着色フィルムを張ったいわゆるサングラスカーと交通事故との因果関係はどのようになっているのか。交通事故の中に占める件数や割合はどのようになっているのか。本来、車を売り出すときにはサングラスカーなどというものはございません。全部白色透明で見通しのきく車ですが、これを使用する使用者の心理は、中をのぞかれたくない、だれが乗っているかわからないようにしたい、だけど自分は乗っていても外が見えるようにしたい、こういう願望のあらわれではないかと思います。大臣、お乗りになってないと思いますが、どうでしょうか。
  277. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 私の車は白色透明でございます。
  278. 小川新一郎

    小川(新)委員 ただいまの私の考えについてお尋ねします。
  279. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 これはプライバシーの問題とオーナーの趣味の問題かもしれませんが、ああいう着色した窓をつけている車が交通安全法上問題があるならば、これはやはり規制しなくちゃいけないと思いますし、また、そういう実態を調査した上で何らかの処置を講じるべきではないかと思います。
  280. 小川新一郎

    小川(新)委員 これは警察庁でも結構ですし運輸省でも結構でございますが、これに対する交通煩多な地域における車の安全走行、みずからの車、対向車における安全、また横断中の人々、そういう点についてこの着色のフィルムを使った車は影響がありませんか。特にバックをするときにはどうなんでしょうか。
  281. 小山田潔

    ○小山田説明員 実態調査は一部したことがございますので、それをまずお答えして、それから後、今の危険性の問題についてお答えをしたいと思います。  実は、二月十一日から三月十一日までの三十日間、全国で発生しました交通事故につきまして、着色フィルムを貼付した自動車が関係した事故を調査しましたら、四百二十二件ございました。このうち、着色フィルムが貼付してあったために安全確認が不十分になったのではないかと考えられるものなどを取り上げてみますと、何らかの形でそれが影響したと認められるものは六十五件ありました。これ以上の調査データはございませんけれども、私どもが把握しているデータはそのようなものでございます。  一般的に申しまして、着色フィルムの自動車の窓ガラスヘの貼付は、運転者にとりまして、薄暮時だとか夜間、そういうときに外部の視認性がかなり低下するということになりますので、私どもといたしましては、交通事故につながる危険性があるというふうに考えております。また、その他の交通安全上の問題につきましても、ドライバーと歩行者、それからドライバーとドライバーの間の意思疎通ができないという問題点も出てくるわけでございまして、その意味において交通事故の発生する危険性があるというふうにあわせて考えております。  以上でございます。
  282. 小川新一郎

    小川(新)委員 本来、私はすぐに規制の何らかの手段を講じていただきたいと思いますけれども、プライバシーの問題もあり、いろいろとあるようでございますから、もう少し調査を重ねて、因果関係をはっきりしていただいて対策を講じていただきたいと思います。  地下鉄七号線の埼玉県内導入というものは私ども関係住民の悲願でありますが、地下鉄七号線の埼玉県内への早期導入について運輸省としてはどのように考えているのか、地元の埼玉県、川口市、鳩ケ谷市、浦和市などとどのような話し合いをしているのか、問題点があれば今のうちから解決策、具体的対策を講ずべきであり、もう協議しておくべきではないかと思います。昭和七十五年度、西暦二〇〇〇年完成では遅いと思いますが、もう少し早くならないものでしょうか。お願いいたします。
  283. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 地下鉄七号線の浦和市東部への延伸についてでございますが、昭和六十年七月の運政審答申によりまして整備すべき路線として位置づけられておりまして、地元の方々からも私ども強い要請を受けておりますし、何度もお話を承る等、地元のそれに対する要望が非常に強いということは十分認識しておるつもりでございます。  この地下鉄七号線につきましては、現在営団が岩淵町—駒込間六・八キロにつきまして工事中でありまして、また駒込から目黒に至ります十四・二キロにつきましても、七十年度完成を目途として工事に着手すべく、現在鋭意準備を進めておるところでございます。  一方、営団地下鉄の新線建設につきましては、現在十一号線が半蔵門—蠣殻町間五・三キロの区間を工事中でございますし、さらにこれらの工事線、着手予定線のほかに、答申の計画路線としましては、八号線の豊洲—亀有間、十一号線の蠣殻町—松戸間、十三号線の池袋—渋谷間といったものがございまして、運輸省としましては、今後の工事の進捗見通し等も踏まえつつ、長期的、段階的にこれらの計画路線の整備に取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、先生からこのような七号線の延伸について具体的に進めるためにどんな問題があるのかというお尋ねでございますが、率直に申し上げまして、七号線の岩淵町以遠の延伸を営団が行うということにつきましては、以下のような問題点があるというのが私どもの考え方でございます。  第一点が、ただいまも申し上げましたが、七号線の延伸のほかに多くの計画が出されておりまして、営団に対して現在出資しております地方公共団体は東京都に限られているということでございます。したがいまして、路線の大半が埼玉県となる岩淵町以遠の延伸につきましては、営団としてこれを優先的に行うことができるのかどうかといった問題。さらに、優先順位につきましては、厳しい財政事情のもとにおきまして、営団に対する国の補助金にもおのずから制約があるという問題を抱えております。さらに、採算面につきましても、当該路線はかなり厳しい見通しとなっておりまして、地元の宅地開発等の施策の積極的な展開と一体的に整備を進めるということがどうしても必要でありまして、このために整備主体として営団が適当かどうかという問題があるかと思います。  このような問題を踏まえまして、七号線の早期延伸を図るためには、営団において検討を進めるほか、地元地方公共団体が中心となった第三セクターを整備主体とすることも一つの現実的な考え方であろうというふうにも私どもも考えておりまして、これらの点につきましても、県当局を初め今後関係者ともさらに十分協議をし、検討を進めてまいりたいということでございます。
  284. 小川新一郎

    小川(新)委員 あと一分ございますから、最後に舎人新線。  舎人新線は、地下鉄七号線の埼玉県導入のただいまの悲観的な御答弁と相まって、今東京都において検討中でございますが、一体全体、埼玉県内導入とはどちらが早くできるのだろうかということを、県内の我々の中ではかけをしている者もございます。どっちが早いのでしょう。
  285. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 いわゆる舎人新線につきましては、昭和六十年七月の運政審答申の中では「日暮里・舎人間については、輸送需要の動向等を勘案のうえ、新交通システム等を導入する。」という形で答申がなされておりまして、同線の整備に関しましては、東京都等におきまして現在新交通システム導入の必要性、需要見通し等基礎的な調査を行っているところでありまして、今後引き続き採算性等についても調査がなされるというふうに承知しております。  答申に書いてありますように当面の計画は都内に限られておりまして、やはり東京都等を中心とするそれらの計画推進状況を見ながら埼玉等への延伸も考えていくべきで、当面は、都内におけるこれらの計画推進状況ということが前段階として必要だと考えております。
  286. 小川新一郎

    小川(新)委員 時間が来ましたので終わりますが、肝心のどちらが早くなるのかということについてはお触れになりませんでした。まことに残念でございます。  以上でございます。
  287. 野中英二

    野中委員長 大矢卓史君。
  288. 大矢卓史

    ○大矢委員 けさの委員会で各代表の委員の皆さん方から、昨日の東中野におきます事故につきましてるる御質問がございました。しかし十二分な答弁は得られておらないと思います。これからにもまつところが多かろうと思いますけれども、今後やはり原因の究明と、二度と事故が起こらないようにということで努力していただきたいと思いますが、何と申しましても事故というのは予測をし得ない、だれしもが事故を想定してやるわけではございませんので、そういう事故が起きることによって人命が失われていく。  私、新幹線でずっと東京大阪を往復いたしておる者といたしまして、新幹線が開業以来無事故という非常にすぐれた記録と申しますかそういう中で安全を期しておられること、いろいろと機械上の問題もあろうかと思います。しかしやはりこれで万全だということではないと思います。機械の受け持つ部分、人の受け持つ部分、これがあらゆるものを想定して、あらゆる中で万々が一事故が起きた場合、大変なことになるわけであります。  そういうことで、この機会に、すべてのJRはもちろん、新幹線につきましても、完全な万全な安全対策を講じられておると思いますけれども、それ以上にこれからも、いろいろな保守の面も含めて何かこういう機会に改めて安全対策というものを私どもにも安心ができるように呼びかけていただいて、また新幹線みずからもそういうことを実行していただくということが、今まで努力してこられましたこの安全の記録というものをこれからも永遠に伸ばしていくことができると思いますので、この点の安全対策についてお答えをいただきたいと思います。
  289. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 新幹線の問題につきましては、先生御指摘のとおり在来線以上に大量で高速の輸送機関でございますから、その新幹線の特性に応じましていろいろな安全措置を講じて今まで無事故の実績を続けてきたところでございます。これは不断の努力をしているわけでございまして、例えば東京—博多間に週二回検査の車を運行いたしまして、それによって軌道の狂いだとかトロリー線の摩耗だとか、そういったようなことをずっとチェックしているわけでございます。それから、新幹線の関係の係員につきましての適性の検査だとか教育訓練とか、そういったようなことも規則に従いまして実施しているところでございます。私どもの方も適宜その保安監査をいたしておったり、あるいは年末年始の安全総点検、そういう機会をとらえましてその保安面をチェックして安全性を確保するというような努力を続けております。  今後とも、私どもも含めましていろいろな安全対策を地道に実施していくことを続けて、さらに一層の新幹線の安全を確保してまいりたい、かように考えております。
  290. 大矢卓史

    ○大矢委員 安全という面では航空につきましてもそのとおりでありまして、日航機の墜落事故が運輸省検査に落ち度があったということで起訴されたということも事実であります。この間、この補償状況等につきまして私が説明を求めましたところが、示談の方の人数についてはわかりますけれども、その内容、また裁判が行われております内容、裁判にも一切関係なしに補償そのものにもまだ耳をかしたくないという遺族のいらっしゃる、そういうような状態を、ただ数字を聞くだけで、その補償問題についても、運輸省としては何ら関係はないのだからこれはノータッチだなんというような態度で説明をされたわけなんです。  しかし、やはり運輸省そのものが責任があるという、これは裁判で争うということになれば別でありますけれども、それにいたしましても、警察が送検をした段階では運輸省そのものがやはりその加害者の一員に加わったわけでありますから、先ほどからJRの問題について事後処理を非常に熱心にやらなければならぬと言われておるにもかかわらず、大臣もそのようなお気持ちで常にやっていらっしゃるであろうにもかかわらず、運輸省内部の考え方というのはそういうふうに人ごとのような形でしか戻ってこない、このようなことについて大臣の御見解を承りたいと思います。
  291. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 海にしましても陸にしましても空にしましても、運輸の大眼目というのはもう安全の確保でございまして、事故を起こしてからではどうしようもないわけでありますが、しかし起こった事故はやはり誠意を持って対処し、そして徹底して原因を究明してその再発を防止するということが基本的な姿勢だと思います。運輸省はいつもそういう姿勢で監督をしているつもりでございますが、今回も痛ましい事故が起こりました。新生JRとしては大変な打撃だと思いますけれども、事故を積極的に反面教師として、こういう事故が再発しないような多角的な万全な努力をとるべく指導してまいるつもりでございます。  また、この対処に当たるJRの職員にしましても、通り一遍のことではなくて、自分たちの企業としての責任を痛感して被害者の方々に接していただきたい、そういう指導もするつもりでございます。
  292. 大矢卓史

    ○大矢委員 大臣、私が聞いておりますのはそのことでなしに、日航機のことに関して、日航機の事故、それに対して私がお聞きをしたところが、示談の人は何人おります、今係争中は何人です、それ以外のことについてはうちは関係ないからわからぬというような返事が返ってきたわけです、この日航機の事故の問題について。ところが、今警察の方から運輸省もその加害者の一人として起訴されたわけです。です分らこれは人ごとではないわけです。ですから、その日航機のことについての示談ができましたその方々についても責任がございますし、そしてこれから裁判、また裁判にも応じられない、示談にも応じられないという人もあるように聞いておりますけれども、その方にはやはり誠意を持って、運輸省みずからが一緒になってこの解決に努力をしていくという姿勢が、今大臣がいろいろと午前中から述べられておりますことで私は当然されることであろうと思いますけれども、やはり同じ起訴されたその中において私が聞きました中でも、いまだに何か無関係のようなことを言っておるわけであります。それについての御見解をお尋ねいたしたわけであります。
  293. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 ちょっと御質問の趣旨を取り損なったもので失礼いたしました。この間の日航の大惨事の遺族の方々と日本航空との間の賠償問題、これはあくまでも当事者間の問題でございますが、これができるだけ早く円満に解決されるように運輸省も指導してまいるつもりでございます。  また一方、運輸省が管轄しております国家の検査官が起訴されまして、これはこれなりに厳粛に受けとめてまいりますが、今まで事例のないことでもございまして、私たちは決してすべての責任を回避するつもりはございませんけれども、確かに二義、三義的な責任がないとは申しませんが、しかしその以前の段階での責任というものはやはり追及され、そしてまた、こういった事態が起こらないように、ボーイング社を含めて万全の措置が講じられることを期待しておりますし、またそのための渾身の努力を運輸省もしなければならないと思っております。しかし、決して運輸省は当事者が日本航空と遺族の方々であるということで事の成り行きを等閑視しているつもりは絶対にございません。
  294. 大矢卓史

    ○大矢委員 事ほどさように、大臣の方はそういう感じでやっていらっしゃるということはわかります。しかし、私が説明を受けた段階ではいかにも無関係な、日航と遺族の問題だということで、運輸省自身が知る立場にないんだということを説明に来たものですから、そんなばかなことはないじゃないかということで、大臣けさからの御答弁では非常に熱心にやっておられるのに、その末端ではそういう形で、大臣の心は伝わっておらないという行政では困ったことでございますので、これからも気をつけていただきたい。  そういうことで、これもただ私の感想でございますけれども、やはり雫石のときの事故がありまして、それ以来レーダーをつくるべきだということで、大阪と和歌山とのところに三国山のレーダー基地というのができました。そのために、地元の方に協力をしていただいてそこに道をつくっていった。その道ができたそのこともあって、それ以後にその地域が災害に遭った。それに対する補償の問題について五十五年から大阪航空局で話をしておるようでありますけれども、なかなかそれが八年たっても説明がつかない。そして私が聞きましても一向にらちが明かない。そのような、今も申しましたように第二次があり、航空の安全についてどうしても必要なレーダーの基地をつくるのに協力された、その協力された結果が災害にかかわることがあった。それの解決のために話し合いをする。それが八年もたってまだお互いに合意に達しておらない、いつでも裁判をしてもらったらいいんだというような態度で臨まれることが、果たして航空行政としていいのかどうかということを私は非常に心配をいたしておるのであります。  そういうことで、すべての安全はやはり国民も大臣初め運輸省の皆さんも一緒になって考えなければならぬことで、そのことについて非常な決意で臨んでいらっしゃる大臣のもとでもありますから、私は、これからもそういうことがないようにその問題に取り組んでいただけることを確信して、次の質問に移らしてもらいたいと思います。  私、五月の決算でもタクシーなりトラックの業界のことについていろいろとお聞きをいたしましたが、その中で、伊丹空港と申しますか大阪空港、この空港内の悪質なタクシーの取り締まりについて十一月十九日の朝日新聞で報道がなされました。それについて、御承知のようにあそこは大阪と兵庫県にまたがっております。羽田でもございますように、神奈川県へ行く車とまた東京へ乗り入れる車、近距離、遠距離等ございますけれども、大阪は比較的近距離と遠距離というのは乗り場が決められております。しかし、兵庫県は一つの乗り場しかないので、乗る前の乗車拒否とまた乗ってから非常な嫌がらせなり途中下車というようなことがあって、これに対する非難の声が上がっております。そのことについての近畿陸運局での対応というのは非常に素早い対応をされました。そういうことで、もう二十五日の報道によりますと、乗車拒否はすぐに運行停止をするんだ、警告抜きでも処分に値するんだということで、大変な決断をもってやられておるわけであります。ただ、こういうことについて私も心配をいたしますことは、この決断が実行に移されますためには、そのもう一つの前提として当然兵庫県への近距離の乗り場をつくるべきだ、このようなことについてどのようになっておりますか。
  295. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 新聞報道された、近距離のお客様が非常に不愉快な思いをされた、特に妊娠しておる女性の方がそのような思いをされたということを私どもも大変残念に思いました。近畿運輸局の方でも神戸支局の方から速やかにそのような行為を排除するよう、またそのようなことがあった場合には厳しい行政処分をもって臨むということをはっきりさせまして、現場での指導も強化しておるところでございます。しかし、このようなものを基本的に解決するためには、今先生御指摘のございますように、兵庫方面への近距離の乗り場をどうしても整備する必要がある。従来もこのようなことをいろいろやろうとしておりましたが、やはりスペースの制約があってなかなか順調にいかなかったということでございますが、このようなことが契機になりまして、スペース等のやりくりも近々どうにかできるところまで来ているというふうに聞いておりますので、早急に空港当局ともこのような調整をいたしまして、そのような乗り場の整備によりそのような事態が再発しないように、私どもとしても何とか早急に決着をつけたいというふうに考えております。     〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕
  296. 大矢卓史

    ○大矢委員 それでは、兵庫県に向けての近距離用の乗り場ができるということに解釈さしていただいていいわけですね。  ですから、こういう取り締まりを当然しなければなりませんけれども、その前に、そういう近距離用の乗り場をつくるということをその時点で考えるべきであって、またそれがどうしてもスペース上でできないということでしたら、あそこが、置かれております場所が、全く大阪と兵庫県が同じように警察も二つの警察があるぐらいでございますから、当然近距離用として兵庫県の車も大阪の車も近距離はそこで利用ができるような、一時的な便宜を図るような運用ができてもいいのではないか。ただ、兵庫県の車は兵庫県だ、大阪は走ってはいけないのだということではなしに、近距離用に限ってはそういう兵庫県、大阪共有で走ってもいいのではないかと思いますけれども、そこらについても、近々できるのならそれでいいのですけれども、やはり時間がかかるようでしたら、そういうことも含めて考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  297. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 近距離乗り場をつくるということで今地元の関係者間で鋭意協議を進めておりますので、近々そのようなことが可能だというふうに聞いております。
  298. 大矢卓史

    ○大矢委員 次に、この十二月一日に臨時行政改革推進審議会の方から出されました公的規制の緩和に関する答申のうちで、物流部門と申しますか、トラック事業に対する考え方がいろいろと出ております。その前に運輸省といたしましてはそれに対する考え方を出していらっしゃって、先ほどの小川先生の言ではございませんけれども、そういう審議会等いろいろな中で各省庁の意見が反映をされてそれが出てきて、それが金科玉条で運営される、そういうことでなしに、基本的には、この問題で、次の国会に、この答申に基づいて、これはもう長い間懸案となっておりました法の抜本的な改正というものがなされると聞いておりますが、その方針をまずお聞かせを願いたいと思います。
  299. 大塚秀夫

    ○大塚政府委員 ただいま先生の御指摘のように、行政改革推進審議会の方で十二月一日に答申が出ましたですけれども、私どもの方でも、運輸政策審議会において、トラック事業についてこの春から検討を行い、十月二十五日に意見書をまとめております。  この二つの答申、意見書に基づいて、現在私ども次期通常国会に法案を提出すべく検討を行っておりますが、この内容を大きく分けますと、一つは、新規参入についての免許制を許可制に移行すること。その内容としましては、免許基準の中の需給調整規定を廃止するということでございます。  それからもう一つは、現在運賃制度が認可制でございますが、これを届け出制度にし、必要に応じて標準運賃を設けるということを考えております。  それから第三に、トラックの運転者の過労運転あるいは過積載といったいわゆる安全確保につながる問題についての社会規制、これを整備していく。このような観点から現在内容を検討中でございます。
  300. 大矢卓史

    ○大矢委員 まず第一に需給調整についてこれを見直していくということですが、この需給調整ということは非常に耳ざわりはいいのですけれども、今までの法律の中で法律どおり運用してきたのかどうか。また、運用する必要がなければやはりその時点ですぐにそれを改正していかなければならぬ、にもかかわらず法律はそのままでそれを棚上げして運用しなかった。また運用する必要がなかったかどうか知りませんけれども、しかし法律には書いてあるけれどもそれをやらなかったということについてはいかがですか。
  301. 大塚秀夫

    ○大塚政府委員 最近の物流ニーズの多様化に対応して、トラック事業者におきましてもネットワークの整備あるいは小口貨物の積み合わせ運送等サービスの多様化あるいは事業の迅速な展開等の必要性が高まってまいりまして、このような認識のもとに、私どもとしても従来からこの需給規定については弾力的な運用を行ってきたところでございますが、先生御指摘のように、制度と実態が乖離しているという状態は法律上も是正すべきであると考え、今回、昭和二十六年度に制定されました道路運送法について全体的な見直しを行う中で、この需給規定についても廃止する方向で検討しております。
  302. 大矢卓史

    ○大矢委員 この需給調整規定というもの、これが必要がなくなったのだ、この法律ができましたときは、やはり鉄道なり陸上輸送が受け持つ分野が非常に変わってきた、これは確かにそのとおりであります。それはそれなりにそのときの法律なら法律、先ほどから言われておりますように、法律に基づいてすべての執行がなされなければならぬのに、法律法律、それをいろいろな解釈をしながら法律そのままでやってきたところにやはり問題があるわけであります。それが今回の行革審でそういう方針が打ち出されて、それからその中でいろいろな自分たちの意見を入れながら、これを運輸省の考えの中に引きずり込んでいく。そのことについては、一つの大きな考え方があってやるならそれはそれで結構だと私は思います。しかし、そこには古いこの法律になれております業者の方々の不安もあろうと思われます。いわゆる免許制から許可制に変わるのだというその意味をしっかりと業者の方にどういうぐあいに説明になりますのか、お答え願いたいと思います。
  303. 大塚秀夫

    ○大塚政府委員 確かにトラック事業者は全国に約三万八千現在おりまして、その中で九九%が中小企業でございます。私ども、今回の改革については、そのような中小トラック事業についての配慮も十分行うつもりでございますし、機会あるごとにトラック事業者に今回の内容について説明をし、大きな不安を与えないよう、また今後のトラック事業が今回の改革においても従来と同じように発展していくということを説明させていただいているところでございます。
  304. 大矢卓史

    ○大矢委員 今のトラック事業、そこに働きます労働者の現状というもの、これを私どもの知りますところによりますと、トラックの平均の労働時間といいますものが二千六百二十時間、全産業の平均が二千百十一時間、その差が五百九時間、トラック労働者がどれだけ平均よりも働いていらっしゃるのか。そして、労働省の考え方からいきますと、六十三年から六十七年にかけましてその二千百十一時間を千八百時間にするのだということになりますと、八百二十時間からの差があるわけであります。また賃金にいたしましても、全産業の平均が三十六万三千円、トラックの平均が三十一万七千円。月平均でも四万六千円からの差があるのだと言われ、年間五十五万二千円からの差があるとも言われておるわけであります。そういう中で劣悪な条件で働いておる労働者がやはり世間並みの労働時間、世間並みの賃金をもらっていくために、そのためにまずその原資であります会社の収益というものが上がっていかなければならぬ、その基礎になりますのは何といっても運賃であります。  過去において、認可制であった、その過去の認可されておりました運賃が果たして守られていたのであろうかどうか、その現状についてお答え願いたいと思います。
  305. 大塚秀夫

    ○大塚政府委員 現在の認可制のもとにおける運賃が遵守されているかどうかについては、残念ながら必ずしも遵守されていないというように我々も認識しております。しかし、先生御指摘のように労働条件の改善のためにも適正な運賃を収受するということは極めて重要であり、我々は機会あるごとに事業者を指導しておりますし、また各地区ごとに荷主、トラック事業者を交えた懇談会を設置し、そのような場を通じて荷主に対しても適正な運賃の支払いについて要請し、協力を求めているところでございます。
  306. 大矢卓史

    ○大矢委員 運送業者と荷主という立場はやはり対等であるべきでございますけれども、決して対等ではないわけであります。そういう観点からいきますと、これが物の生産ですと下請代金の取り締まりの法律がございますし、また、普通の取引の場合でも銀行等においては歩積み両建て等の問題がございます。そういうことについて一般的な考え方としてどういうような指導をやっておられるのか、公取の方から御答弁願いたいと思います。
  307. 黒田武

    ○黒田説明員 お答えいたします。  ただいま先生からも御指摘のありましたように、独占禁止法の中で、取引上優越した者と劣位の者の間で、優越した者がその取引上の立場を利用しまして不当に買いたたきだとか、私どもの言葉で言いますと優越的地位の乱用という言葉を言っておりますけれども、そういうことが行われていれば独占禁止法で問題になる、私たちはそういうふうな解釈をとっております。
  308. 大矢卓史

    ○大矢委員 どういう指導をしておられるか。
  309. 黒田武

    ○黒田説明員 個別の事件でいきますと、先生御承知のとおり例の大型量販店の方々が納入業者に対して協賛金を不当に取り立てたり、あるいは自己の商品を強制購入、押しつけ販売と言っておりますが、そういったことをさせたりするのを取り締まった事例はあります。
  310. 大矢卓史

    ○大矢委員 下請代金の場合にはどういうふうになっていますか。
  311. 黒田武

    ○黒田説明員 下請代金はまた別に下請代金支払遅延等防止法がありまして、例えば親事業者が定められた下請代金を期間を過ぎて遅延したりしたような場合だとか、ないしは一たん受け取ったものを不当に返品するとか、そういうような行為があった場合に取り締まっております。
  312. 大矢卓史

    ○大矢委員 全部で企業庁とおたくとで半々の三万何ぼですか、毎年調査しているでしょう。調査をして、その結果、もし違反しておったら公表するとかなんとかいろいろな方法があるじゃないですか。
  313. 黒田武

    ○黒田説明員 法律制度の中には、下請代金に違反して、それで公取の勧告という制度があるわけで、それに従わなかった場合には公表するという制度はあります。
  314. 大矢卓史

    ○大矢委員 大臣、今言いましたように一般的な事例ですとそういう形で、銀行は銀行で、優位な地位にあるということで、歩積み両建て等を調査をしてやっているかやってないかということを報告を出さして、違反をしておるとそれに対してやはり対処していくわけであります。しかし、今まで運賃が認可制度になっていながらそれが全然守られておらないというのがこの業界の実態なんですよ。もちろん高くしますとこれはもう当然おしかりを受けるわけでありますけれども、全般的に六〇%程度しかその運賃をもらっておらないということが業者側の言い分であります。  そうなってまいりますると、これは認可制ですらそういうことであり、今度は届け出制ということになったら一体どういう立場になるのか、そしてこれが一体どういう効力があるのか。もし全然運輸省が関係をしなければ、公取の方でそういう立場でやれるわけであります。しかし、運輸省がやっておる限りはそれは運輸省がやらなければならぬことだということが公取の見解なんですね。そうした場合に、運輸省は今までそれに対して荷主側と懇談会を持ちましたとかなんとかというお話ですけれども、少なくともそれだけの権限を持ってやって、業者もそれに従わなければならぬ、荷主もやはり協力してもらうという形で、届け出制になりましても運輸省として今まで以上の指導力を発揮していくのかどうか、その点だけ大臣にお聞かせ願いたいと思います。
  315. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 それは全くそのとおりだと思います。私も身近にそういう零細な運輸業者の方がたくさんおられますけれども、結局荷主に買いたたかれて名目と実態が甚だ運賃の上で違うというのが現況でございまして、運輸省も新しい事態を迎えますが、おっしゃったような強い姿勢での指導をこれからも努めるつもりでございます。
  316. 大矢卓史

    ○大矢委員 大臣、事ごとに非常にそういう姿勢で先ほどからおっしゃっていらっしゃるのですけれども、末端に行きますとなかなかそうはできないというのが実情でありますが、これからもそういうことで省全体が大臣の心を心として頑張っていただきたいと思います。  第三番目の安全につきまして、運転者の過労でございますとか過積みの問題等、そこに働く人たちが先ほど申しましたような一般よりも非常な劣悪な労働時間で働いておる。そこにはもう当然過労の問題が出てくるでありましょう。それが先ほどから問題になっております交通の安全、ただ単に車だけ、運転者だけの問題じゃなくして、通行者なり対向車に対する事故につながっていくということを考えますと、このことも含めてやはり運賃の問題、適正な利潤を上げ、そしてそこに働く人たちに過酷な労働時間なり労働条件、それから労働賃金ということでなくして、本当に今そこに働く人たちは一般と同じような労働時間で労働賃金が得られるようにということ、これが唯一の望みであります。トラックに乗っておりますと何が一番嫌なんだということを聞きましたら、事故を目撃したときに人を巻き込んだ事故をやっているのを見たときに、もうやめたいなということで悩んでおるようでありますけれども、やはり事故を起こさないということがまず第一。そのために今申しましたようにそこに働く人たちが誇りを持って働いていく、そのために労働時間にしても賃金にしてももらえるような運賃制度、こういうものを考えていかなければなりませんけれども、具体的にこの届け出制ということはどういうふうに変わるわけですか。
  317. 大塚秀夫

    ○大塚政府委員 最近の輸送サービスの多様化に対応して運賃を認可制から届け出制に改革する方向で検討しておりますが、届け出制にいたしましても、適正な原価を償わないような、あるいは荷主の圧力でダンピングするような運賃を届け出てきた場合には変更命令を出すというような規定を考えておりますし、さらにそれでも一部地域で中小トラック事業者の運賃が混乱している、秩序を維持できないような多様化しているというような場合には国が標準運賃を設定することができる、このような規定も考え、総合的に適正な運賃が収受できる仕組みを今後とも維持していきたいと考えております。
  318. 大矢卓史

    ○大矢委員 具体的に下請と親会社というような立場で運送しておるそういう人たちは、やはり親会社といいますか荷主側のそのままの形でしか発注はできない、そういうのが現状でありますから、お決めになったものをどういう形で守っていただくようにされるのか。それは公取がやっておりますように全荷主に対して毎年どういう形でやっておるか調査する、そしてそれが決められた料金以内でやっておらない、それよりも安くやっておる場合にはそこに対して警告をしていくとか何らかの形をとるということでなかったら、ただ単に懇談会を持ってお願いをしてということだけではこの問題は解決しないと思うのです。今後、逆に制度が変わる、その変わったものをきっかけに、従来の姿勢でなくして、本当にこの業界は日本の産業にとって非常に重要な業界だと思いますので、そういう社会的な役割からしても、そういうことをもっと今まで以上に、やはり法律が改正になってよかったなというふうにならなければ、そういうことで労働者になり手もない、運転者になり手もないということになりますとその業界がまた混乱をしていくだけでありますので、その点十二分にこれからも考慮していただきたいと思います。  その法律ができますと、それを運用するために公益法人をまたつくってやるのだという考えがあるようですけれども、そのお考えをお示し願いたいと思います。
  319. 大塚秀夫

    ○大塚政府委員 特に今重要な課題でございます過労運転の防止、過積載の防止等安全に関係します問題、いわゆる輸送秩序の維持について、従来もトラック協会等で対応策を講じてきたところでございますが、今後一層この対策推進していくために、このような業務を行う公益法人を法律上指定して、法律上のステータスを与えるということを今検討中でございます。
  320. 大矢卓史

    ○大矢委員 そういう公益法人というものはそれなりに結構だと思います。しかし、公益法人といいますとすぐに思い浮かびますのは役人の天下り、そのためにだけやっておるような公益法人があるのだとも言われておるわけであります。そのときに、新しくできる公益法人でございますので、今言われました趣旨に基づいて、それに一番の関係者といいますと、過積みをさせないためには、これはもちろん業者の方も責任がございますけれども、それをさせなければいけないような運賃を決めておる荷主側にも問題がありますし、その業者、そしてそれを運ばされております運転者、労働者、これらの関係者の代表もこういうものに入って一緒になって安全の問題を考えていかないと、ただ単にこういうことがいいのだということで、一つの考え方で、従来の私どもがぽっと浮かべますような公益法人という形ではいけないと思います。  時間も余りありませんので、そのことについて、まあ運輸省の中でもいろいろな問題のある公益法人もあると聞いておりますし、これからもいろいろなときにいろいろな問題が提起されてくる公益法人もあるようであります。それらも含めて、今後できます公益法人についてどのような形が望ましいのか、大臣に御所見を承りたいと思います。
  321. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 せっかく行革の時代でございますから、新たにそういう法人をつくるならば、これは業界の状況の大きな変化にその法人が本当に対処できるような、そういう機能を発揮するように指導したいと思いますし、また、それでなければ世間からそしりを免れ得ないと思います。
  322. 大矢卓史

    ○大矢委員 大臣はやはり私どもと同じような民間の感覚で常に考えていらっしやるので、おっしゃること一々ごもっともだと私は思います。その大臣の心を心として運輸省全体が今後も、大臣がずっと大臣をやっていただければそれにこしたことはないのですけれども、きょうの委員会だけで終わらずに、これからもずっとそのお気持ちを末端まで受け継いでやっていただきたいということを御希望申し上げて、終わらせていただきます。
  323. 谷津義男

    ○谷津委員長代理 中路雅弘君。
  324. 中路雅弘

    中路委員 最初に、昨日の東中野駅の事故の問題です。  現在までの報告は先ほど理事会でいただいておりますが、この問題については、こうした事故を二度と起こさないというためには原因の徹底的な究明と再発防止の具体的な改善策が必要だと思いますし、詳しい事実関係が明らかになってさらに論ずべき問題も多いかと思いますが、御存じのように五十五年十月十七日にも同じところで同様の事故が起きている。当時の事故について東京地裁の判決文がありますが、その中で重要な指摘を何点かしていると私は思うのですね。  二点ばかり取り上げますけれども、一つは、「中央線等の国電運転士には、ダイヤの密度が高いにもかかわらず、定時運転確保の強い要請があり、本件においても、ダイヤの乱れを回復すべく先行電車との間隔をなるべくつめようとする意識が被告人の前記運転操作に影響を及ぼしており、単なる暴走等とは異なる点がある。」ということを判決文は言っているのですね。もう一点は、この箇所は従前から追突事故の危険性が指摘されていた箇所であり、この付近に設けられていたATS、保安設備にも問題がある、これはもっと改善しなければいけないという二点を取り上げましたけれども、判決文は言っているわけですね。私は、八年前のこの判決文に指摘されているところが、今こうした点について十分の検討、改善が行われていれば今日の事故の問題も起きなかったのではないかという気もするわけです。  その後の分のATSの問題ですけれども、既に改善されたATC、制御装置が新幹線だけではなくて山手線、京浜東北線にもつけられているわけですが、この問題については大臣、いかがされるのですか。
  325. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 ATSの問題でございますが、先生御指摘のとおり、ただいまの技術開発でATCとかいろいろ改善された機器がございます。それで、JR東日本の方といたしましても、従来からATSの現在使っておるものの改良に取り組んでおりまして、ATS−P型というものが今開発ができたところでございまして、午前中に私が御答弁申し上げましたように、当該線区につきましてもことしの九月にその改良型を導入することを決定いたしまして、六十六年度までに完成をするということを予定していたわけでございます。この点につきまして、先ほど当委員会におきまして大臣から答弁申し上げましたように、私どもの方といたしましては、その導入の前倒しにつきましてJR東日本を指導いたしているところでございます。
  326. 中路雅弘

    中路委員 この前倒しについて、大臣もう少し具体的なお考えはいかがですか。
  327. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 先ほど申し上げましたように、来年度じゅうにそれを完成するように強く指導するつもりでございます。
  328. 中路雅弘

    中路委員 判決文で指摘されているこの点が私は最も重要だと思うのですが、今度の場合もダイヤのおくれという事情が出ています。四分ほどダイヤのおくれがあった。八年前でもこの問題が指摘されているのですが、私は昨日現場へ行きました。そして関係者の話も聞いたのですが、十二月一日のダイヤ改正以後、このダイヤ改正どおり走れたのは土曜日の三日の日だけだ。あとは全部今日までダイヤどおり走れていないのですね。おくれているのです。十二月一日のダイヤ改正で、千葉−三鷹間の運転時間が三分四十五秒短縮された。六十・二キロを一時間三十三分で運行するように指示されているわけです。そして、ダイヤの厳守ということを徹底するということで秒単位のチェックが行われて、国鉄時代からもそうですが、大変おくれると業務停止等を含めた処分も行われてきた。回復運転の事実上の強要、これが大変運転者の精神的な負担になっているということが言われている。  このことは八年前にも判決文で指摘されているのですね。しかし、今回の場合はそれよりもっと短縮するということが行われたわけですから、これが大変な大きな負担になったということは間違いないわけです。今度改正されたダイヤで時間どおり走るとすると、ホームヘ入るときとホームから出発するときの時間をそこで詰めなかったらいかないと言うのです。私が聞きましたら、ホームヘ入るときは七十キロくらいのスピードで進入してこないとこの規定されたダイヤどおり入れないのだという話を運転をされている方に直接聞きました。私は、この点は八年前の指摘もありますし、さらに指摘よりももっと短縮されている、そして現実に一日からこのダイヤどおり運転できないという事態があるわけですから、この点についてもう一度十分な検討を、やはり安全が第一なのだという立場から検討すべきじゃないのか。もちろん今度の直接の事故の問題は、これから十分究明しなければいけません。しかし、その背景にあるこうした事情について現実に関係者からそういう意見も出ている。現に組合から、JR東日本がこのダイヤを改正するときにこうした点についての要請をしていた。直接運転している皆さんが加わっている労働組合、これとの十分な話し合い、組合がこうした安全の問題は、航空機でもそうですが、一つはチェック機能を持つ、そういう立場からの話し合い、十分な協議が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
  329. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 十二月一日からのダイヤ改正は、JR東日本から聞いたところでございますが、車両の性能が、加速度が上がるというのでしょうか、そういう性能が向上したことによって時間短縮が図られるという結果のダイヤ改正であったと聞いております。このダイヤ改正によってどの程度今度の事故との関係が出るかどうかということは、今回の事故の原因究明を待たなければ今のところわかりません。それで、今回の事故の原因究明につきましては、徹底していろいろな角度から議論されることとなると考えております。
  330. 中路雅弘

    中路委員 改正されてから現実に改正されたダイヤどおり走れてないじやないですか、全く。スピードが上がるように車輪ができたとかいっても、そのとおり走ってないじゃないですか。そして、一方で回復運転だということで秒単位でチェックをされて、ある場合にはそれが処分の対象になる。安全第一ということになれば、こうした無理をやめなければいけない。私は、この点について、もちろん事故の直接的な原因究明と関連はありますけれども、少なくとも組合からこうしたことについて要請があるわけですから、もう一度十分協議をしてみるということは必要ではないかということを言っているのです。
  331. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 十二月一日からのダイヤ改正後、余り日がたってないわけでございますが、先週の土曜日はダイヤどおりに動いた日があるということを聞いております。それはしかし、いずれにしろまだ日が余りたってないところでございますから、もう少し時間がたってみないと、ダイヤ改正が予定どおり実行されていくかどうかということは明快にはならないかと思います。  その時間のおくれた場合の話でございますけれども、安全確保のための減速や停止、そういったことによる列車遅延については、特にJR東日本としても問題にしていないと聞いております。
  332. 中路雅弘

    中路委員 私は、八年前の判決でもそのことが指摘されているから繰り返し言っているのです。もう一度言いますけれども、この線は、ダイヤの密度が高いにもかかわらず定時運転確保の強い要請があり、本件においてもダイヤの乱れを回復すべく間隔を詰めようとする意識が被告にあって運転操作に影響を及ぼした、だから単なる暴走と言えないのだということを判決文で言っているわけですね。だから、事故について東京地裁の判決で出ているわけですから、今度の事故についてまだこれから究明するのですが、同じ事故について八年前にこういう判決が出ているのですから、この判決を重視をして検討する必要があるのじゃないか、今度の問題とも絡めてというお話をしているのですよ。検討するぐらいできると思うが、大臣どうですか。
  333. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 非常に過密と思われるダイヤの編成、またより速くという、そういうニーズはお客様に対するサービスでもまたあると思います。ただ、サービスする方も、乗るお客さんの方も命あっての物種でありますし、そこら辺のトレードオフというのはなかなか難しい問題だと思いますが、また、その判決が出た時点から安全管理に関する技術も幾分進んでいると思いますし、そういうことを採用することで事態が打開できるのか。できないなら、安全が第一でございますから、そういう総合的な物事の見直し、多少お客様に迷惑がかかるかもしれませんけれども、しかし、やはり安全ということをお客様にも評価していただくという形のそういう努力もしなくてはならないかもしれません。  しかしその前に、繰り返して申しますけれども、まず原因を究明いたしまして、その上でマクロな形で多角的に対処しなくてはならないと思います。
  334. 中路雅弘

    中路委員 大臣も安全が第一だということを強調されていますから、その観点でひとつ今度の事故の原因の究明も、さっき言ったように同じところで同じような事故が起きるという指摘もあるわけですから、そういう点で十分改善策を検討していただきたいと思います。  次に、清算事業団の職員の問題ですが、清算事業団に七千六百二十八名振り分けられたわけですが、現在、北海道、九州、本州、四国、この清算事業団にいる職員が何名かということと、最初に数字をお聞きしておきますが、もう一つは、基本計画を定めていますけれども、その基本計画に基づいた各JRの採用の人員と現在の現状の差がどうかということを、数字について簡潔に最初にお尋ねします。
  335. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 まず清算事業団に移行した職員の方のうち現在再就職先が未定の方、その数でございますが、ことしの十一月一日現在で四千二百九十二人ということでございます。その方々の地域別内訳といたしましては、北海道が二千三百十五人、本州が五百二十五人、四国十九人、九州千四百三十三人でございます。  それから第二点のお尋ねでございますが、基本計画のJR各社別の職員数の合計でございますけれども、七社で合計二十一万三千五百四十名でございます。十一月一日現在の職員数は全部で十九万九千四十名でございます。その差でございますが、ちょっと計算しておりませんのですぐ計算いたしますが、承継基本計画の職員数と現在員数の差ということでございますが、若干補足して申し上げますと、基本計画策定時には、鉄道を運行するために必要な適正要員数と申しておりますが、その数は十八万四千八百七十名でございますので、現在の十九万九千人との差というのは鉄道の運行のために必要な職員数よりは上回っているという形になっております。
  336. 中路雅弘

    中路委員 基本計画から見ますと、いろいろ弁明されても、事実大幅な欠員になっているのですよ。今JR各社へ就職を強く希望しながら採用を拒否されて事実上隔離、私も清算事業団の支所等幾つか行きましたけれども、仕事はほとんどないのですね。与えられてないで、自学自習とかいろいろなことで、働く権利も奪われている。しかも三年以内に雇用を決めなければいけない。家族とともに、あと一年余りしかありませんから、非常に不安な生活を送っているという状況です。清算事業団の再就職の促進に関する特別措置法でも、三年以内にすべての清算事業団職員の再就職が達成されるような内容のものとして計画を定めなければならないということを十四条で決めていますし、JR各社、承継法人は清算事業団職員を優先的に雇い入れるようにしなければならないということも二十条で明記をしているわけです。国会でかつて中曽根総理が、一人の国鉄職員も路頭に迷わせないという答弁を審議の過程でやっていますから、今広域採用を含めて強い要望が出ているわけですね。一年余りこのことは実施をされていませんが、清算事業団職員の関係者の皆さんから強く出ている再募集といいますか、広域採用を含めた問題についてどのように今計画を立てられているのですか。
  337. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 まず、先ほど答弁漏れの差の数字でございますが、一万四千五百名でございます。  ただいまのお尋ねでございますけれども、北海道、九州、その両地域の清算事業団職員の再就職の問題につきましては、先生御存じのとおり両地域の雇用情勢というのは大変厳しい状態でございます上に、今の御指摘のように両地域の職員の中には、今の北海道、九州以外のJR各社への再就職という問題を希望する方が相当数いらっしゃる、そういう情勢にございますので、私どもといたしましては、先ほど来お話がございます承継基本計画に定められた職員数を現在下回っている本州の三旅客会社、それから四国の旅客会社、それから貨物会社、そういう会社に対しまして、両地域の清算事業団職員を対象とした追加採用の実施を指導しているところでございます。その実施時期の問題につきましては現在関係者間で調整中でございますが、私どもといたしましては、再就職対策の円滑な促進を図るためにぜひとも多数の清算事業団職員の応募がされることを希望しております。
  338. 中路雅弘

    中路委員 この問題については具体的な項目に基づいて先ほど私の方の党の委員長も大臣に要請したところでありますので、細かい論議は省略しますけれども、ぜひ再就職の問題について、子供さんの学校の就学のこともあるんですね、切りかえのときもありますから、そういう点で時期を失しないで、一日も早く実施に踏み切られるように重ねてお願いしておきたいと思います。  これと関連して、もう一つですが、御存じのように、大阪地方労働委員会が、清算事業団の二名の職員に不当労働行為があったということで、昨年の四月一日にさかのぼって正社員としてJR西日本に採用するように命令を出しました。もともとJRの採用は新会社の設立委員会の名簿で行われたと思いますが、この設立委員会は、旧国鉄作成の採用候補者名簿、国鉄職員をJRと清算事業団に振り分けたこの名簿を受け入れて、設立委員会がJRの設立の際に職員を採用したわけですね。したがって、国鉄における雇用関係というのは承継法人であるJRに事実上連続しているということは明白でありますし、特別の理由がない限りその職員をJRの職員として採用する義務は当然あるわけです。地方労働委員会が、不当労働行為があったんだ、それを救済して、職員として採用するように命令を出しているわけですから、当然JRに私はこのことを指導すべきだと思うのです。  しかも最近、神奈川でもそうですが、東京、千葉、秋田、地方労働委員会のすべてのあれが皆救済を出しているのです。全国で百八十件からの不当労働行為の訴えがある。まさに不当労働行為のデパートと言われるぐらいやっているんですね。しかもそれが全部救済、不当労働行為があったということを認めているのです。国会で、組合の所属による差別は絶対にやらないということを答弁でもされ、また附帯決議でもやっている中で、これだけ問題になっているのですから、運輸省としても責任がある。改めて実態を見直し、また、こうした行政機関が命令を出しているところについてはそれが実施されるように指導していただきたい。いかがですか。
  339. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり、地方労働委員会からJRに対しまして、配属、採用等につきましての不当労働行為の救済命令が出されているということは私どもも承知いたしております。これらの命令につきましては、会社といたしまして、その主張が受け入れられなかったということでその取り消しを求めているところであるというふうに聞いております。それで、今そういう段階でございますので、これらの事案につきましては、その命令がまだ確定している状況ではございませんし、今後中央労働委員会等におきまして審理が進められるということでもございますので、私ども運輸省といたしましては、この段階でとかくのことを申し上げるのは差し控えたいと思っております。  ただ、いずれにいたしましても不当労働行為自身はあってはならないことは当然のことだと思っておりますし、JR各社も不当労働行為をしてはならないという考え方で事業運営をしておるというふうに認識いたしております。
  340. 中路雅弘

    中路委員 そんな傍観的な、第三者的なことを言ってはだめですよ。だから私が経過を言っているじゃないですか。JRがやっているのじゃないんです。その前の、JRが受け入れたのは旧国鉄が設立委員会に出した名簿なんです。それを受け入れたのです。その名簿をつくったのは旧国鉄じゃないですか。だから、この差別は国家的な犯罪だと言われているのですよ。運輸省に責任があるから、政府に責任があるから、国会の答弁にも反することが行われているから、今のJRはまた中労委かどこか裁判にしようとしているからそれを見守るとか、そういう問題じゃないということを言っているわけだ。もっとこれは運輸省として責任を持って、行政機関からこういう判決が出ている、そういうことについて対応してほしいと思うのですが、もう一度ひとつ。
  341. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 労働関係法令とか、こういう問題につきましての関係法令につきましては、先生にはもう釈迦に説法でございますが、係争のこれからの手続がいろいろと定められておるわけでございます。それで、先ほど御説明申し上げましたように、JR各社といたしましては、今までの地方労働委員会の裁決につきましてその内容を争うということを今考えているところでございますので、この段階で私どもが何か言うという話自身はその手続の中に私どもの考え方を言うという話になりますので、この際差し控えたいと考えております。
  342. 中路雅弘

    中路委員 これは改めてまたやりますけれども、今の答弁では絶対だめですよ、こんな答弁していたんじゃ。責任があるのですよ。あなたたちに一番責任があるのですよ。だから国会で何を決議したのですか。差別は絶対やらないということを繰り返し答弁でも言ったじゃないですか。その国鉄が出した名簿に不当労働行為があったのだということを、今度の判決も言っているわけでしょう。雇用についても事業についても実態は実質的に継続がある、連続性がある、そのとおりなんですよ。だからこれは国家的には大きな不当労働行為なんだということを地方労働委員会が言っているわけですから、運輸省はこの問題についてはもっと積極的な対応をしないといけない。一民間企業で起きて労働委員会に訴えている、そういう問題ではない。しかも、大阪の今度の西日本の問題はどこへ出しているのですか。中央労働委員会にも裁判所にもまだ出してないでしょう。出したのですか。
  343. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 中央労働委員会にさらに提訴というのでしょうか、そういうことを提出するまでの期限、提出するのは十三日までという期間があるようでございます。それで、現在のところそのような方向でJRは進んでいるというふうに伺っております。
  344. 中路雅弘

    中路委員 私もきょうの時点で確かめて、そういう提訴もまだしていない。それで判決が出ているわけですから、そういう命令が出ているわけですから、なおさらそれに基づいて指導をしてもらいたいということを、これは繰り返しになりますけれども、再度要請をしておきたいと思います。この問題は全国的に起きていますから、改めて論議をしたいと思います。  あと二つばかり、具体的な問題ですが、一つは、私の地元ですが、川崎の表玄関であるJR川崎駅に関する問題です。  ことしの春、五月に改築されまして、駅は非常に立派になったのです。しかしその際に、今まで四つ改札口があったのですが、それを中央口一つに集約して乗降客がすべてそこへ集中するようにしたわけですね。これだけで出改札要員を二十七名削減することができたのです。しかし、一日の乗降客二十七万、三十万と言われています。しかも、通勤の町ですから、朝夕のラッシュアワーのとき十数万の人たちが集中するわけですね。だから南武線、東海道線、私も二度ばかりその時間に視察に行きました。ホームとか階段、あふれて大変なんですね。  最近利用者の会というのができていますけれども、乗客の人たちにアンケート調査をやりました。膨大な返事が来ています。一つ一つ紹介できませんけれども、その数字を見ても、回答した八七%が、現在の駅では困るんだ、もとのような駅の方が使いやすいという回答を寄せています。現在の駅の方がいいというのはわずか五%です。そして、改札口が混雑して困るというのは七七%もある。その中には、例えば押されて線路に落ちる寸前だったとか、そばにいた人が手をかしてくださったので助かったとか、電車にぶつかりそうになったとか、階段で押されて落ちそうになったとか、いっぱい実例が出されてきています。     〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕  この点で、川崎の市議会にも一万を越える請願が今出されています。特に北口を再開してほしい。市長も議会答弁で、北口の方がこれからの川崎の再開発の中心の地域ですから北口はぜひ再開したいその費用は市が持っても再開をしたいと。率直に言いますと、一カ所に集中するときに市も合意してやったのです。やったのだけれども、やってみたら結果としてこうなったわけですから、市長も命にかえられないということで、その費用は市が持っても北口を再開してほしい、JRと折衝して話をするということになっているのですが、この点について、やはり先ほど大臣も安全の問題ということをおっしゃいましたけれども、何といっても交通機関は安全とサービスが中心なんですね。そういう点でひとつ、この北口再開について運輸省の方も、JRと当該市が協議をしてこの問題が解決できるように助力をお願いしたい。  この前私は駅を通りましたら、JR東日本のポスターが出ておりまして、こう書いてある。「JR東日本はお客様の御意見を真剣におききすることに心がけています」、とポスターに書いてある。書いてあるのだけれども、この問題で利用者の会の人たちが折衝しようとしても十分話も聞かない。市も合意してやったことだから、やるんだったら人件費も全部持ってくれ、こんなことまで言っているのです。だから、これはひとつ市の方とJRが話し合って、北口というのは御存じのように川崎大師がある京浜急行の乗り口のところなんですね。乗りかえの場合も北口を一番使うわけなんです。市役所もありますし。これだけの大都市で改札口が一カ所というのはないですよ、政令都市で。これはぜひ改善方について運輸省の方も助力をお願いしたいということなんですが、いかがですか。
  345. 丹羽晟

    ○丹羽政府委員 JR東日本の川崎駅につきましては、本年六月に橋上駅舎が完成しまして供用開始したところでございますが、先生の今のお話の中にもございましたように、この改良工事につきましては、国鉄時代でございますが、地元の川崎市と東西を結ぶ自由通路の設置とか改札口の統合、そういったものについて十分な協議を行って工事を行ったというふうに聞いております。  それで、今の北口改札口の話につきましても、当時十分協議されだということを聞いておりますけれども、地元からの設置要望ということが強くございますれば、費用の問題とかいろいろ問題があると思いますが、その協議自身には誠意を持って対応するようにJRに指導いたしたいと思っております。
  346. 中路雅弘

    中路委員 今の点はぜひよろしくお願いいたしたいと思います。  最後にもう一問ですけれども、これは大臣の方にお答え願った方がいい問題なんですけれども、大臣御存じだと思いますが、七月に羽田の滑走路ですね、新A滑走路が供用されまして、それであの滑走路が最初の計画より五度ばかり振りましたから、京浜島の真上を降りてくるわけですね。あの中の特にD地区という地域に住んでいる皆さんから要請がありまして、先日現場を見に行きました。騒音問題等ですね。日本ヒーターという会社の屋上に行ったのですけれども、供用される前に石原大臣もここに来られたんだ、この屋上からごらんになったという話も聞いたので、現場のことは十分御存じだろうと思います。  供用されてから大変なんですね。五、六十メートルのところを幅六十メートルの大型の飛行機が着陸してくるわけですから。測定値を見ましたら百ホンを超えておりますけれども、騒音どころではないのですね、物すごい恐怖感、圧迫感ですね。リベットの一個一個が見えるくらいのところをおりてくるわけですから、直上を。従業員が恐怖でやめていく、あるいは新規に採用しても来ない、雇用問題にも影響するという訴えがありました。  しかし、御存じのようにここは工業専用地域だということで騒音防止法の対象にもなりにくいし、あるいはうるささ指数をとっても年間通しますと数は少ないのですね、そんなに多くないのです。やはり風向きによって集中してくるということもありますから、全体の供用までの七年間の問題なんですけれども、何とかこの問題を解決するのには、やはり法の対象に直接はならないとすれば何らかの政治解決が必要だ。大臣も努力されたのだと思いますけれども、基金の話が今出ていますね。国と東京都と区ですか、相談をして何らかの防音的な対策もやるというお話も出ているわけです。  対策について私もいろいろ相談をして意見もあるのですが、まず、現地をごらんになったということなので、大臣の方の認識もちょっと最初にお聞きをしたいと思うのです。
  347. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 私の選挙区でもございまして、知人もたくさんおります。都市の中にあった工場が、周りに迷惑をかけてはいかぬということであそこへ疎開をしましたら、今度はあの人たちが逆に騒音に悩まされる、まことにお気の毒で、皮肉な現象が起きているわけであります。  新A滑走路ができます前に、大体同じ状況の既設の滑走路の延長上に船を浮かべまして、私自身も行きまして、機器を持っていって計測いたしました。中略委員がおっしゃったとおり、本当に頭上を過ぎていく飛行機のリベットまで見えるすごい迫力でありますが、一、二回はいいですけれども、これは本当に一日続いたらとてもたまったものではないと思いました。南西の風が強いときの着陸ということで年間六%程度のフライトでありますが、しかし現地の方々は大変だと思います。  ただ、今御指摘のように法制上なかなか対応がききませんので、東京都と国と諮って基金を設けまして、七十年に完成の予定でございますから、これでそれまでの騒音対策をしていただけたらと思っております。  それから、余計なことですけれども、特に私が屋上に上りましたあの一画は湾岸道路があそこにできますので、これまたその騒音が大変だと思います。これは建設省に諮りまして防音壁を横につけてもらうように交渉いたしました。  全体の騒音対策は、繰り返して申しますけれども法制上なかなか難しいのですが、何とかして基金をうまく運営することで少し急場をしのいでいただけたらと思っております。
  348. 中路雅弘

    中路委員 私もなかなか難しい問題だと思ったのですけれども、率直にあの人たちの意見を聞いたのですよ。もちろん直接には南風のときの着陸だけでも中止してほしい、これは強い要望です。なかなか管制上も難しいという話もあるようですけれども、一番の要求は、少なくとも南風のときの着陸だけでも中止してほしいというのが強い要望ですから、これも研究してほしいのですが、もし近くにいい代替地があれば交換してほしい、移りたいというのが強いのですね。それで聞きましたら、この話も運輸省東京と最初話をされたそうです。東京の方からは土地がないという話で、基金の話も出たそうですけれども、現地を少し見ましたら避難地なんかもあるのですね。これは空き地という意味じゃないというお話だったかもしれませんが、真近くに避難地があるのですよ。ここと交換してもらってもいいとか、私が参りましたら現地でいろいろ意見が出ていました。移転ということになれば、法の対象にならなければ費用のことも問題になるでしょうけれども、せっかく基金というのも設けられていますから、もちろん防音対策が中心だと思いますが、特にひどいところ、あるいは希望のあるところは、こうした用地を東京都と話をして、代替地なり適地があれば一部の移転ということも含めて、あるいは基金の運用を含めて、この問題の解決ができればと思ったわけです。  大臣は地元ですからよく御存じでしょうし、私が一度だけ現地に行ったことで私の意見をきょう述べましたが、ここですぐどうするという回答はいただけないでしょうけれども、地元の問題でもありますし、ひとつ大臣に骨を折っていただいて、特に被害の大きい人たちの御意見も十分聞いていただいて、どんな解決方法があるのか、今言ったのが私が聞いてきました要望ですけれども、東京を含めてひとつもう一段と御努力をいただきたいということをお願いしたいのです。これで質問を終わりますけれども、いかがですか。
  349. 林淳司

    ○林(淳)政府委員 ただいま先生から御指摘の移転の問題についても、私どもしばしば地元の方から御要望を承っております。十分承知しているわけでございますけれども、先ほど大臣からもお答えがございましたように、この問題につきましては現在の法制度上、移転補償ということで対応をできないという問題が実はございます。したがって、もしやるとすれば地元の自治体が地域対策としておやりになるということしかできないわけでございますけれども、これにつきましても、都の方ではやはり場所の問題その他いろいろございましてなかなか難しいというふうな話も伺っておるわけでございまして、何とかこの暫定期間の間、基金というものを適切に運用いたしまして、この基金は、実は移転まで対応できるような基金ではございません。しかし、この基金を有効に活用しまして、何とかこの暫定期間、騒音の軽減ということで対応させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  350. 中路雅弘

    中路委員 これはなかなか法制上難しいから、僕はそういう官僚の人に答弁してほしくなかったのだけれども、最後に一言、大臣どうですか、もう少しいろいろ関係者と話し合って知恵を出していただけませんか。
  351. 石原慎太郎

    ○石原国務大臣 地元だから言うわけではございませんけれども、本当にお気の毒だと思うのです。また、何か本当に思いがけない策がないか一生懸命検討してみます。東京都とも話し合ってみます。特にどういう措置が講じられているかわかりませんけれども、かなりの振動ですからお仕事にも差し支えがあるかもしれないと思いますので、何とか知恵を絞ってみますが、ここでは余りいいお返事ができないのが残念でございます。
  352. 中路雅弘

    中路委員 終わります。
  353. 野中英二

    野中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十八分散会