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衛藤委員 ただいま荒井
公団監理官から御答弁がございましたが、
整備新幹線の後にこの
四国新
幹線の位置づけ、すなわちそれにかかわる
豊予海峡トンネルの明確な位置づけを行いたい、このような御答弁のように思うのであります。そういたしますと随分先の先の話になってしまうわけでございまして、確かにこれを所管しておりますのは
運輸省であり、また
鉄建公団である、このように理解をしておるのでありますが、私は、戦後あの灰じんの中から今日、世界の第二番目の豊かな国をつくり上げてきたその大きな牽引力は国鉄であった、このように高く評価しております。この国鉄がJRになってまいりまして、しかもそれぞれ分割されるということになったのでありますから、そういたしますと、今でさえも
整備新幹線の
着工について財政的にも大変困難を来しておる中で、この
四国新
幹線構想というのはかなり先のことになってしまうのではないか、このように懸念をするものであります。このときに当たりまして、
運輸省も
建設省もひとつ共管
事項としてこの
豊予海峡トンネルを位置づけをしてもらいたい、このように思うのであります。
現在のところ
豊予海峡トンネルは軌道ということになっておるわけでありますから、軌道ということは
運輸省、車道ということになりますとこれは
建設省、こうなるわけでありますが、私は、この
豊予海峡トンネルは将来、国道フェリーというような形がありますように、国道のカートレーンといいますか、そういう方式はとれないものだろうか。片一方は
運輸省の所管である、そして片一方は
建設省の所管である。そして、考えてみますと、長崎―大分間
九州横断高速道路がずっと二百五十キロ延びております。長崎―佐賀―福岡―大分まで二百五十キロであります。片や
本州四国連絡架橋が児島―坂出間、これが四月十日供用開始になりまして、そして今度は
四国横断高速道が延びてくるわけでありまして、それが愛媛県の方に延びてくる、八幡浜の方に延びてくる。片一方は大分の方に長崎から迫ってくる。そういたしますと、
本州、
四国はつながりました。そして
九州の東側の玄関口となる大分、それから新しい玄関口になります愛媛、この
豊予海峡、これを私は自動車道の関連としても考えられるのではないか、このように思うのであります。
いわゆるヨーロッパの方に行きますと、アルプスなんかに行きますと、長い
トンネルは御案内のとおりカートレインというのをやっているのでありますが、この
九州四国海底トンネル、
豊予海峡トンネルもいわゆる
九州横断高速道、
四国横断高速道をつなぐカートレインとして考えられないものかどうかということをお尋ねいたしたいのであります。そうすると、
建設省もこの件に関しまして前向きに踏み込んでこれに参加できますし、また
運輸省も、
運輸省単独じゃなくしてあるいはJR単独ではなくして、
建設、運輸両方の、国の後ろ盾、
予算でもって取り組むことができるわけでございます。
財源のことが心配でございますが、財源につきましては青函
トンネルは約五十四キロ、一キロメートル当たりの
建設費約百億ぐらい、このように承っておるのでありますが、この
豊予海峡トンネルにつきましても、大体一キロ約百億ぐらいではなかろうか、このように思われるのであります。私が心配しておりますのは、六十キロといいますと六千億、こうなるんでありますが、一キロ百億といいますが、実は今
九州横断高速道をやっておるのでありますが、
大臣、たしか一キロメートル当たりの用地買収費と
工事費を合わせましても
九州横断高速道は約四十億円だ、このように承って
おります。間違いないと思うのでありますが、約四十億円。いわゆる陸上の平面を走る四車線の高速道路の
建設費が一キロ四十億円であります。百九十五メートル下の海底を貫通していく
海底トンネルですね、この
建設費が一キロメートル約百億とするならば、私は百億でできると思うのです、十九年間を要しました青函
トンネル、あの世界最高の海底を掘削・掘進する技術をもってすれば、世界最高の技術集団である
鉄建公団の技術をもってすれば、私はそれはできると思うのです。一キロ百億、そうすると六千億。
九州横断高速道、大分県区間は百キロですから、大分県区間だけでも四千億以上かかるでしょう。
九州と
四国の島を結ぶこの
海底トンネル、六千億でできる話でありますから、そんなにびっくりするような源ではない、私はこのように思っておるのであります。
なぜかといいますと、冒頭申し上げましたように、これをやりませんといつまでたっても東京一極
集中になってしまうのでありまして、それを回避する意味からしましても、せっかく多
極分散型国土形成促進法という
法律の後ろ盾までここにしたのでありますから、ぜひこれをやっていただきたい、運輸そして
建設が一歩前に出てもらいたい、こういうことであります。
大臣は、大変詳しいということも承っております。
大臣は愛媛県でありますから、
九州海底トンネル、
豊予海峡トンネルに大変精通されているということも承っております。約六十キロで、そして勾配は千分の十二、こういうことでありますが、北陸新
幹線の最大勾配は、高崎―軽井沢間、これは千分の三十と承っておりますが、間違いございませんか。そうすると、高崎から軽井沢の北陸新
幹線、この間約四十キロ、これが最大勾配千分の三十だ。
九州四国海底トンネルの最大勾配は千分の十二。私は、北陸新
幹線が千分の三十の最大勾配をやるならば、
九州四国海底トンネルも千分の十二とは言わず二十ぐらいはたとえカートレインを引っ張るとしても可能ではないか、このように考えておりますが、その勾配について可能かどうか、ちょっと
運輸省の荒井
公団監理官からまず承りまして、
最後に
大臣から、ひとつ今のような私がお願い申し上げましたその趣旨をよく踏まえていただきまして、
大臣の前向きの力強い御答弁をお願いいたしたいと思います。