○都甲
政府委員 お答え申し上げます。
私
どもも今回の
地震につきましては、これは大変な惨事であり、
日ソの
友好関係にかんがみ我が方としてもこれに対して、また、
日本が有する国際的な責任という見地からも十分な援助を行いたいということで、早急に
ソ連政府に対しまして我が方のあらゆる援助を行う意思があるということを伝えまして、
ソ連側と
協議しながら今まで次のような措置をとってきたわけでございます。
そこで、まず第一に、国際協力
事業団を通じる総額一億円の医療品、浄水器、発電機、毛布等の物資の供与及びその輸送費に当たります六千万円の負担を行った次第でございます。それから、
日本赤十字社を通じる十億円の
政府対外無償援助
資金の供与を行いました。そしてさらに、UNDRO、国連の
災害調整官事務所というものがございますが、それを通じまして約六千万円の毛布、テントの供与及び輸送費一千万円の負担ということを行ってまいりました。それからさらに、十一日には被災地の援助ニーズを把握するために
外務省技術協力
課長を団長とする四名の
調査団を
ソ連に派遣したわけでございます。
この結果、このような医療
活動等のための緊急援助隊の派遣につきましては、
ソ連側といたしましては、我が方の申し出に対して、当面必要ない、むしろいろいろな物資、医療品その他物資の不足があるので、その方面での援助を要請したいということで、今
現地で
協議中でございます。
現地へはいろいろな各国からの援助隊が参っておりまして、かなり混乱している模様でございますので、
ソ連側としては、緊急隊の派遣につきましていろいろと
考えてきたけれ
ども遠慮したいということを一時言っておりました。それで、昨夜の午前零時、
日本時間でございますけれ
ども、
現地入りした専門家グループより、アルメニア共和国からの援助隊の派遣につき要請があったということで連絡がございましたので、昨夜一晩かかりまして各方面と
調整をしてその派遣をすべく準備を進めていたわけでございますけれ
ども、しかし、けさの六時になりまして、アルメニア共和国
大臣会議の決定として援助隊の派遣はまた見合わせてほしいという連絡をしてまいりました。
このように、
政府としてはあらゆる援助をする用意があるということで、
現地とも
協議して援助隊の派遣を
考えたわけでございますけれ
ども、
現地から再び見合わせてほしいということであるのでこれで中止することにいたした経緯がございますけれ
ども、これに見られますように
現地ではかなりいろいろな混乱が見られる。それから、援助隊が参りますと住居の問題とか水とか食糧の問題とかございますので、その受け入れに当たっては
ソ連側としてもいろいろなことを考慮しなければならないようでございます。そういうこともございますので、私
どもは
ソ連側と今後とも緊密な連絡をとりつつ、どういう援助が一番
現地のニーズに合うかということを探りつつあらゆる援助を差し伸べたいということでございます。