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橋元参考人 このたびの私
どもの
事故は、全く弁解の余地のないものでございまして、深く
おわびを申し上げます。
特に、この
飲酒によりまする
事故と申しますのは、
国鉄時代にも大変手痛い経験を幾たびか重ねておりまして、特に五十九年十月の
山陽本線西明石駅の
事故以来もろもろの施策を講じまして、まずこの種の
事故は絶滅できたのではないかなと考えておったわけでございますが、今回の
事故によりましてその期待ももろくも打ち砕かれたわけでございます。そういった
意味で、私
ども、この
事故を大変重大かつ深刻に受けとめております。かつまたその結果、せっかく築き上げられつつございます
JR全体に対する
信頼を傷つけることにもなりまして、本当に心から申しわけなく存じております。
先生おっしゃいましたように、大きな点は二つございます。
一つは、なぜ
当該運転士は
勤務前にそういった
飲酒をいたしたかということでございますが、これは基本的にはやはり
本人の自覚、職責の重大さを認識して、
職業倫理と申しますか基本的なモラルをきちんと持つということについて、私
どもの
指導教育がまだ至らなかったのではないかと深く反省をいたしております。
それから、
点呼の
執行方についてもなお一層の検討が必要であろうかと思います。既に
西明石事故の後、例えばこの
点呼を
起立対面点呼にして、応答を頻繁に重ねて相手の状態をよく把握するとか、あるいは出先においては従来電話の
点呼で済ませておるようなこともございましたが、それ以降必ず対面
点呼をするというようなことで、いろいろ
改善措置を講じたわけでございます。
なおかつ、今回そういう
事故でございますので、この点については、先ほどちょっと
お話がございましたけれ
ども、管理者あるいは指導層に指導上かりそめにもためらい、遠慮というものがあってはならないわけでございまして、その点自信を持って指導に当たる者は勉強をよくするということも必要でございます。かつまた、この際やはりきめの細かい個人把握と申しますか、
本人の健康状態あるいは生活環境も含めまして、血の通ったよき相談相手となれるような、そういった職場環境をきちんとつくり上げないといけないのじゃないか、これは平素の、日常の問題でございます。そういったことをこれから全
現場で徹底させなければいけないと強く反省をいたしております。
それから、さらに申し上げれば、この際いろいろな議論がございますけれ
ども、
勤務に先立つ十時間前は一切酒を断とうということをお互いにひとつ守り合おうということを徹底させたい。なお、そういった状態把握をバックアップするために、必要であればアルコール分の検知、測定の装置もあわせて
設備を検討したらどうかなというようなことも考えております。
いずれにいたしましても、これは大変深刻な、重大な
事故でございますので、私
ども、私以下一人一人がこの際自分自身を厳しく再
点検し直しまして、
再発防止、
事故の根絶に向かって
最大限努力を尽くしたいと思っております。どうぞよろしく今後とも御指導をお願い申し上げます。