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1988-11-21 第113回国会 衆議院 リクルート問題に関する調査特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    十一月十六日  本特別委員は議長の指名で、次のとおり選任さ  れた。      稲葉 誠一君     小川 国彦君      小澤 克介君     坂上 富男君      渋沢 利久君     村山 富市君      山下洲夫君     山花 貞夫君      児玉 健次君     野間 友一君      松本 善明君 ────────────────────── 昭和六十三年十一月二十一日(月曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 原田  憲君    理事 熊谷  弘君 理事 中村正三郎君    理事 堀内 光雄君 理事 山下 徳夫君    理事 与謝野 馨君 理事 坂上 富男君    理事 村山 富市君 理事 貝沼 次郎君    理事 神田  厚君       甘利  明君    石渡 照久君       今枝 敬雄君    上村千一郎君       衛藤征士郎君    小里 貞利君       大石 千八君    大塚 雄司君       太田 誠一君    奥田 幹生君       亀井 静香君    小泉純一郎君       佐藤 敬夫君    佐藤 文生君       鈴木 宗男君    谷垣 禎一君       玉生 孝久君    玉沢徳一郎君       戸塚 進也君    中島  衛君       中山 利生君    林  義郎君       堀之内久男君    松田 九郎君       綿貫 民輔君    稲葉 誠一君       小川 国彦君    小澤 克介君       渋沢 利久君    山下洲夫君       山花 貞夫君    草川 昭三君       坂井 弘一君    橋本 文彦君       冬柴 鉄三君    宮地 正介君       阿部 昭吾君    川端 達夫君       児玉 健次君    野間 友一君       東中 光雄君    松本 善明君  委員外出席者         証     人 江副 浩正君         証     人 高石 邦男君         証     人 加藤  孝君         高石証人随伴者 中園 勝人君         加藤証人随伴者 町井 洋一君         リクルート問題         に関する調査特         別委員会調査室         長       志賀 稲穂君     ───────────── 委員の異動 十一月二十一日  辞任         補欠選任   北川 正恭君     佐藤 敬夫君   小泉純一郎君     石渡 照久君   児玉 健次君     東中 光雄君 同日  辞任         補欠選任   石渡 照久君     小泉純一郎君   佐藤 敬夫君     北川 正恭君   東中 光雄君     児玉 健次君     ───────────── 十一月二十一日       坂上 富男君    村山 富市君  が理事に当選した。     ───────────── 十一月十七日  リクルート疑惑全容解明に関する請願柴田睦夫紹介)(第三三六三号) 同月十八日  リクルート疑惑徹底真相解明に関する請願岡崎万寿秀紹介)(第三四八九号)  同(佐藤祐弘紹介)(第三四九〇号)  同(柴田睦夫紹介)(第三四九一号)  同(中路雅弘紹介)(第三四九二号)  同(中島武敏紹介)(第三四九三号)  同(藤田スミ紹介)(第三四九四号)  リクルート疑惑全容解明に関する請願柴田睦夫紹介)(第三四九五号)  リクルート疑惑解明宮澤大蔵大臣の辞職に関する請願正森成二君紹介)(第三四九六号)  同(矢島恒夫紹介)(第三四九七号)  リクルート疑惑全容解明に関する請願外一件(安藤巖紹介)(第三四九八号)  同外一件(伊藤茂紹介)(第三四九九号)  同(石井郁子紹介)(第三五〇〇号)  同(岩佐恵美紹介)(第三五〇一号)  同(浦井洋紹介)(第三五〇二号)  同(岡崎万寿秀紹介)(第三五〇三号)  同(金子満広紹介)(第三五〇四号)  同(経塚幸夫紹介)(第三五〇五号)  同(工藤晃紹介)(第三五〇六号)  同(児玉健次紹介)(第三五〇七号)  同(佐藤祐弘紹介)(第三五〇八号)  同(柴田睦夫紹介)(第三五〇九号)  同(瀬長亀次郎紹介)(第三五一〇号)  同(田中美智子紹介)(第三五一一号)  同外一件(高沢寅男紹介)(第三五一二号)  同(辻第一君紹介)(第三五一三号)  同外一件(寺前巖紹介)(第三五一四号)  同(中路雅弘紹介)(第三五一五号)  同外一件(中島武敏紹介)(第三五一六号)  同(野間友一紹介)(第三五一七号)  同(東中光雄紹介)(第三五一八号)  同(不破哲三紹介)(第三五一九号)  同(藤田スミ紹介)(第三五二〇号)  同外二件(藤原ひろ子紹介)(第三五二一号)  同(正森成二君紹介)(第三五二二号)  同外一件(松本善明紹介)(第三五二三号)  同(村上弘紹介)(第三五二四号)  同(矢島恒夫紹介)(第三五二五号)  同(山原健二郎紹介)(第三五二六号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  理事の互選  リクルート問題等に関する件      ────◇─────
  2. 原田憲

    原田委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたします。  去る十五日の委員会において理事二名の指名を保留いたしましたが、この際、その選任を行いたいと存じますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 原田憲

    原田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  それでは、理事に       坂上 富男君    村山 富市君 を指名いたします。      ────◇─────
  4. 原田憲

    原田委員長 リクルート問題等に関する件につき、江副浩正君より証言を求めることにいたします。  証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によって、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときであります。また、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときにも証言を拒むことができることになっております。  証人が正当な理由がなく宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  一応このことを御承知おき願いたいと存じます。  なお、今回の証人喚問についての理事申し合わせ事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。  その第一は、証人随伴者助言を求めることが許される場合であります。  すなわち、証言は、証人がみずから知り得た事実を証人自身の記憶により申し述べるのが原則でありますが、証言を求められている事柄が議院証言法証言を拒否することが認められている事項に該当するかどうか確認しようとするとき、その他委員長がこれを中心として判断し、許可を与えるのを相当としたものについては、証人随伴者助言を求めることができます。  これらの助言は、いずれもその都度証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  その第二は、資料についてであります。  証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。  その第三として、証人メモをとることは認められておりません。  その第四は、随伴者についてであります。  随伴者は、発言することはできませんが、メモをとることは許されます。  また、随伴者は、証人委員長許可を得て助言を求めた場合は助言することができますが、自分の方から証人に対して助言することはできないことになっております。  以上の点を十分御承知おきください。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることといたします。全員起立を願います。     〔総員起立
  5. 原田憲

    原田委員長 これより江副浩正君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。  それでは、江副浩正君、宣誓書を朗読してください。
  6. 江副浩正

    江副証人      宣 誓 書  良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います
  7. 原田憲

    原田委員長 宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  8. 原田憲

    原田委員長 御着席を願います。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いします。  なお、こちらから質問をしているときには着席のままで結構でございますが、御発言の際は起立して発言をしてください。  なお、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。     ─────────────
  9. 原田憲

    原田委員長 これより証人に対して証言を求めます。  まず、委員長より所要の事項についてお尋ねをして、その後、委員各位の御発言を願うことといたします。  あなたは江副浩正君ですか。
  10. 江副浩正

    江副証人 江副浩正でございます。
  11. 原田憲

    原田委員長 生年月日住所職業を述べてください。
  12. 江副浩正

    江副証人 生年月日は、昭和十一年六月十二日生まれでございます。  住所は、東京都港区南麻布三丁目十一の五でございます。  職業は、株式会社リクルート取締役相談役でございます。  以上でございます。
  13. 原田憲

    原田委員長 去る十五日に本委員会に提出されましたリクルートコスモス社非公開株式譲渡先リストについては、政界官界関係者はすべて含まれていると言われたが、十九日に至り、田中元首相の秘書であった早坂氏にも二万株が譲渡されたと各紙は報道しております。このことは、さきに提出した譲渡先リスト信憑性に疑念を与えるもので、まことに遺憾であります。どうしてこのようなことになったか、その経緯について説明してください。  また、政界官界関係者はこれですべてですか、お尋ねします。
  14. 江副浩正

    江副証人 先般、株式会社リクルート並びリクルートコスモスから提出いたしましたリストに誤りがございまして、政界関係者の中で早坂茂三氏の名前が抜けていたことを大変に申しわけなく思っております。  このリストにつきましては、実は私が作成したものではございませんが、聞くところによりますと、二つの理由がございまして、現在政界関係者でいらっしゃらないということ、また、かたがた、当時既に田中角榮元総理の秘書をおやめになっておられたというふうな思い違いもあったようでございまして、その点で抜けていたことをまことに遺憾にと申しましょうか、申しわけなく思っている次第でございます。  なお、これですべてかという御質問でございますが、これ以外にそういう方はいらっしゃらないというふうに報告を受けております。  以上でございます。
  15. 原田憲

    原田委員長 あなたは、株式公開前のリクルートコスモス株式売却先に、例えば高石邦男文部事務次官加藤孝労働事務次官をどのような目的基準でお決めになったのですか。
  16. 江副浩正

    江副証人 高石文部次官並びに加藤労働次官とも十年、およそ十年この方親しくしていただいておりまして、そんな関係で、個人的にもお子様の結婚式に出させていただくとかそういう親交がございまして、そういう個人的な親交の中で株式を取得していただいた、こういうことでございますが、お立場を考えればそういうことはすべきではなかったと深く反省しているところでございます。
  17. 原田憲

    原田委員長 あなたは、去る十月十二日の税制問題等特別委員会の代表による臨床尋問において、リクルートコスモス非公開株式売却理由について、安定株主づくりと、親会社であるリクルート決算対策である旨の発言をされていますが、その他には売却目的はなかったのですか。
  18. 江副浩正

    江副証人 昭和五十九年十二月末には、リクルートがちょうどその年度に新しい仕事を開始いたしまして、営業収益の面でも対前年比では大変苦しい状態にあったということ、かたがた、同じ年度日本軽金属株式会社の旧本社ビルを取得させていただいた、そんなことから営業外収支も前年度に比べて悪化した、こういうふうな事情がございまして、何か資産の売却益でもってつじつまを合わせなければ減益になる、こんなことからリクルートコスモス社株式売却を決めたような次第でございます。  その際に、そのほかの理由はということでございますが、リクルートコスモス、当時は環境開発と呼んでおりましたが、いずれ、不動産会社というものは資金多消費型の企業でございますので、株式公開したいという目標と申しましょうか、志と申しましょうか、そういう夢と申しましょうか、そういうものを持っておりまして、その場合に、株式公開の場合に最大の、一番大きな問題になりますのは株主数を集めるということでございまして、そういう意味で、株主数をつくるという点において、少なくとも店頭市場では二百名以上の株主を要するというふうな一項がございますので、最低店頭市場に上場する場合にも株主が必要である、そんなことから個人に売却した、そういうような事情でございます。
  19. 原田憲

    原田委員長 株式公開前のリクルートコスモス株式縁故募集により一たんドゥ・ベスト社等売却した後、その一部を買い戻して、小口に分けて再び特定の者に売却したと報道されているが、その目的売却先選択基準を説明してください。
  20. 江副浩正

    江副証人 一般の報道では買い戻しをした、リクルートあるいはリクルートコスモスが一たん第三者割り当てで持っていただいた会社から買い戻しをしたというふうに伝えられておりますが、そういうことではございませんで、第三者割り当てで増資をした会社から別の方に売買が行われているということでございまして、その売買約定書もその都度作成いたしておりますので、買い戻したという事実はございません。  よろしゅうございますか。──したがいまして、何と申しましょうか、第三者割り当て先から譲渡がなされたわけでございますが、それについては何と申しましょうか、それぞれに、先ほどと同じことでございますけれども売買契約書を結んで売買を行っている、譲渡を行っている、こういうことでございます。  失礼いたしました。
  21. 原田憲

    原田委員長 リクルートグループNTTとの取引及び利害関係について説明してください。
  22. 江副浩正

    江副証人 株式会社リクルートではNTTさんの高速ディジタル通信網を、実は話がさかのぼりますが、昭和六十年の四月の電気通信事業法の改正によりまして、通信事業自由化ということが行われたわけでございますが、その中で、リクルート回線リセールという事業を始めているわけでございます。  回線リセールというのはどういうことかと申しますと、大容量回線購入いたしまして、購入といっても物を動かせるようなものではございませんが、そういう大容量回線購入いたしまして、細かく分割してそれをまた他の通信回線を利用する会社に再販売する、回線再販業とも呼ばれておりますが、そういう事業をスタートいたしております。昭和六十年七月からスタートいたしておりますが、そういう意味では、リクルートNTTとの関係と申しますのは、NTT側から見ればNTT回線販売業者と見られますし、また大口の購入者というふうなことにもなろうかと思われます。  以上でございます。
  23. 原田憲

    原田委員長 リクルート社米国クレイ社製スーパーコンピューター購入を直接行わないで、NTTを経由して行った理由について説明してください。
  24. 江副浩正

    江副証人 当初は、実はリクルート高速ディジタル通信網の普及、つまり光ファイバーによる通信技術が普及するにつれて、コンピューター遠隔地に置いて、端末機から遠隔地にあるホストコンピューターを使っていろいろな計算をするというふうな仕事が可能になったわけでございますが、そういう事業を、コンピューターを別のところに置いて、遠隔地端末を置いてコンピューターを使うという仕事リモート・コンピューティング・サービスと呼んだりするわけでございますけれども、そういう事業を開始したようなことでございます。  当初は、富士通さんの製品でございますVP400という機械購入いたしまして、その機械を使いまして科学技術計算用営業活動を開始したわけでございますが、お客様のところに参りましたときには、実は富士通さんの製品についてはソフトウエアが十分でない、圧倒的にソフトウエアの豊富なクレイリサーチさんのコンピューターの方が市場性が高いと申しましょうか、ニーズが高い、こういうふうなことがございまして、富士通さんのを持ちながら、しかもそれが稼働率がそれほど高くないにもかかわらず、クレイさんの機械を導入しようということになりまして、クレイリサーチ社と交渉を開始したわけでございます。  購入に当たっていろいろ交渉している過程において、リクルートにとっては初めてのことでございますが、外国の製品購入する、しかも非常に技術的に高度のものであるということで、貿易業務にももちろん専任にこれまで携わってもおりませんし、また技術の高度なものでございますから、もしもトラブルが起こった、ダウンと称しますが、機械が故障する、そういった場合にこれを立ち直らせると申しましょうか修復させる、いわば広い意味でのメンテナンスの仕事、そういったことについてリクルートは非常に不安を感じておりまして、クレイ社さんのを導入するのはいいけれども、その間にトラブルがないかということを案じておりまして、そういうところにNTTさんが既にクレイリサーチさんのコンピューターを御利用になっておられまして、かたがた輸入と申しましょうか、輸入についてのいわば貿易商社的な仕事もやってよろしいと申しましょうか、やっている、民営化に従ってそういうこともこれからおやりになる。一方で、保守管理と申しましょうか、その機械を動かすあるいはその後もしもトラブルが起こった場合について、これについてのアフターサービスをするということについても業務として行ってよろしい、こういうふうなお話がございまして、それならばNTTさんから購入した方が安全である、こういうふうな考えに立ちましてNTTさんからクレイリサーチさんのコンピューター購入した、こういう経緯でございます。
  25. 原田憲

    原田委員長 NTT回線による回線リセール事業について、リクルート社がそのシェア相当部分を占めるに至った経緯を説明してください。
  26. 江副浩正

    江副証人 回線リセール仕事、現在日本でやっております会社は恐らく十数社だと思うのでございますが、ほとんどが自前の、あるいは自社資本系列、あるいは自社系列会社に関して余った回線をよそにお売りになるというようなことでございまして、専業会社というのは三社でございます。  率直に申し上げまして、この回線リセール仕事というのはなかなか収益の上がらないものでございまして、五年、十年かかる仕事でございます。通信自由化日本よりも相当早く行われ、およそ十年近く早く行われましたアメリカの場合でも、回線リセール業が軌道に乗るまでの間に十年近くの年月を要しております。  で、専業三社、私ども専業でなくてリクルート本体の中でやっておりますが、専業に近いわけでございますけれども、他の専業二社について言えば、規模的に小規模でございまして、数十人というあるいは十数人という人数でやっていらっしゃるのに比べまして、私どもの場合には二百人とか三百人の人数を使いまして、それでいわば情報誌、本業であります情報誌の利益をそちらに向けるというふうなことで大量の人員を投入し、積極的な営業活動を展開した結果が六〇%強を占めるシェアになったということでございます。
  27. 原田憲

    原田委員長 NTT会長秘書村田氏にリクルートコスモス株一万株が譲渡されたと報じられていますが、あなたと村田氏はどのような関係ですか。
  28. 江副浩正

    江副証人 個人的に特別親しいというわけではございませんが、真藤会長秘書としてしばしばお目にかかるという関係でございました。
  29. 原田憲

    原田委員長 小松前川崎市助役に対しリクルートコスモス株譲渡した時期に、川崎市幸区に住宅都市整備公団が保有していた土地をリクルート社が取得しているが、その経緯について説明してください。
  30. 江副浩正

    江副証人 川崎市の西口の再開発につきましては、非常に早い時期から当社に進出の依頼がございました。もとは明治製糖という精糖会社の跡地でございますが、研修所建てないかとかあるいはホテルを建てないかとかというふうなお話もございましたが、私どもとしてはとても採算に乗らない、また資金もそういう大量の資金をそこに投入することもできない、こういう理由で、熱心なお勧めにもかかわらずお断りしていた経緯昭和五十七年ごろございまして、その後昭和五十九年になりまして、その当時もう建設省の予算がついて再開発のプランが固まっている段階で、私ども計画の前に某金融機関、もう既に伝えられておりますが、商工中金さんが事務センターのような、あるいは計算センターのようなものをお建てになる、こういうふうな御計画が既に決定していたわけで、内定していたわけでございます。内定したといいましょうかお話が進んでいたわけでございますが、そのお話が七月になりまして断念されるというふうなことになりまして、一緒に事業計画を進めておられました住宅都市整備公団さんでもお困りになっておられ、川崎市の方でもお困りになっておられて、何とかそこに再度進出を検討してくれないか、こういうお話がございまして、そのときは既にもう形状と申しましょうか、建物の形だとか高さ、何階建てとか横が何メートル、幅が何メートル、奥行き何メートル、そういったことも全部決まっていたわけでございますが、そういったもの、建物建てないかということで、私どもはその計算センターの後、ちょうどその時分にリモート・コンピューティング・サービスの、スーパーコンピューターでももちろんでございますが、汎用機につきましてもそういう事業を展開したい、かように考えておりまして、それならばこれまでの経緯もございますのでお引き受けさしていただこう、こういうことで川崎市に進出したような次第でございます。
  31. 原田憲

    原田委員長 最後に、岩手県安比高原において、保安林解除等を受けてリクルート社スキー場等レジャー施設を経営するに至った経緯について説明してください。
  32. 江副浩正

    江副証人 もともと大変な過疎地でございまして、安比、松尾村、安代町、両方にまたがった地域でございますが、大変な過疎地でございまして、何とか人口の流出をとめたいという地元の要請がございまして、当初は私どもではなくて丸紅さんを中核企業として第三セクター方式スキー場をおつくりになる、こういうふうな御計画が進んでいたわけでございますが、採算的に大変難しいというふうな結論を丸紅さんがお出しになりまして、市の方では大変に困っておられたわけでございます。地元の方では大変困っておられたわけでございますが、そういうときにリクルートになぜお話が来たかと申しますと、いわば地続きと申しましょうか、車で五分ぐらいのところにリクルートではゴルフ場と宿泊施設を持っていたということと、かたがた岩手県観光開発公社という、岩手観光ホテル株式会社といういわば第三セクター方式のホテルも盛岡市内で経営している、そんなふうなことから地元の方ではリクルート中核企業として入ってくれないか、こういうお話がございまして、それならばということで私ども中核企業になりまして、十数社でございますが、私ども以外に林野庁、つまり農水省の外郭団体であります林野広済会、林野庁の外郭団体でございます林野広済会、岩手県、それから松尾村、安代町、それから岩手銀行、東北銀行、北日本相互銀行、それから岩手日報という新聞社、岩手放送、それから近畿日本ツーリスト等々十四、五社の出資による第三セクターでスキー場並びにその他のスポーツ施設を開設した、こういうことでございます。
  33. 原田憲

    原田委員長 次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。山下徳夫君。
  34. 山下徳夫

    山下(徳)委員 江副証人、御病気加療中で御不快の折から、本日の御出席まことに御苦労さんでございます。時間がございませんので、早速質問に入らせていただきます。  ただいま委員長質問の中にもございましたけれども、十一月十五日付の二社からのこの回答書に基づいてさらにお尋ねいたします。  これに書いてございます中において、政官界におけるリスト、これに記載漏れはないか、あるいは誤りがないかという点でございますが、どうもこの問題について関心の深い向きから、いやまだあるんじゃなかろうかという疑問がしきりにささやかれているということを私もしばしば耳にするわけでございまして、さらに再確認の意味でお尋ねをしたいと思います。
  35. 江副浩正

    江副証人 先ほど、当委員会に提出しました資料の中に早坂茂三氏の名前が抜けていたことで大変な不信感を持たれたということについては私どもも十分理解するところでございますが、それ以外に政官界関係者の名前はいらっしゃらないと、かように報告を受けております。間違いないことと存じております。
  36. 山下徳夫

    山下(徳)委員 このリストに記載されておりますすべての譲渡先の中で、それが単なる名義人であって、実質の譲渡先が名義人と異なるものがないかどうか。かつて私は、新聞紙上で、報道で拝見したのですが、例えば政治家の秘書は自分は関係ないんだということを言われたやに私どもは報道で見たのでございますけれども、その点をひとつお答えいただきたい。
  37. 江副浩正

    江副証人 譲渡人が秘書であって実質御本人であるかどうかということは、私どもとしては確かめようもないことでございまして、そういう意味では私どもは、譲渡をした方が、実際に譲渡を受けたとおっしゃられる方が、また、私どもが実際に譲渡させていただいた方が譲渡人である、そういう認識を持っております。
  38. 山下徳夫

    山下(徳)委員 安比レックの問題でございますけれども、このいきさつにつきましては既に委員長質問に対してあなたから陳述がありましたが、この安比レックを通じて譲渡が行われたという報道がありますけれども、こういう、この安比レックを通じて政財界へ譲渡されたということがあるかないか、これをお尋ねしたい。
  39. 江副浩正

    江副証人 先ほど申し上げましたのは安比総合開発のことでございまして、安比レックというのはゴルフ場の会社でございますが、そちらの会社につきましては、実は、その会社の決算上の理由によりまして一たん、会計用語で言う益出しと申しましょうか、一たん株式売却いたしてまた再購入したというふうなことはございますが、なぜそういう新聞報道で、そこから第三者に譲渡がされたというふうに報道されたのかわかりませんが、しばしば報道されておりますが、そういう事実は全くございません。
  40. 山下徳夫

    山下(徳)委員 それでは、あなた個人が所有しておられたコスモス株を政官界の関係者に譲渡された向きはございませんか。
  41. 江副浩正

    江副証人 そういう事実は全くございません。
  42. 山下徳夫

    山下(徳)委員 政官界、これは全般的といってもよいかと思いますが、この譲渡先あるいはその配分の株数等は、これは、だれがどういう考え方でその選択をされたんでしょうか。このことについてあなた御自身もタッチされたんでしょうか。
  43. 江副浩正

    江副証人 率直に申し上げまして私自身がかなり関与をいたしておりまして、中心的に関与したと申し上げてもいいかと思いますが、実際にどのような形でと申しますと、リクルートの私を中心にした幹部が数名で相談をしたということでございます。  基準につきましては、非常にお恥ずかしいながら、こういう基準にしようという一定の基準を表にいたしまして、この人はこういう基準に当てはまるからどうしようとかそういうようなことではなくて、かなり場当たり的と申しましょうか、率直に申し上げまして新聞に報道された一覧表を見まして大変恥ずかしい感じがしたわけでございますが、特定の基準を持たないで、いわば、何と申しましょうか、そのときの思いつきと申しましょうか、場当たり的と申しましょうか、そんなことでやったような次第でございます。  以上でございます。
  44. 山下徳夫

    山下(徳)委員 五十九年の十二月並びに六十一年の九月、それぞれ政財界に対して配分されておりますが、このときの、今の陳述で大体わかるのでございますけれども、この二つの時期に配分された政財界に対する、官界に対する株の配分の目的についてさらにお尋ねをしておきたいと思います。
  45. 江副浩正

    江副証人 五十九年分について、先ほど原田委員長にも御報告申し上げたとおりでございまして、決算対策並びに株主づくりということでございます。  また、五十九年十二月につきましても、失礼しました、六十一年の九月の分につきましても、できるだけ多くの信頼できる方に株式を持っていただきたい、こういうふうな思いを持って株式を持っていただいた、かような次第でございます。
  46. 山下徳夫

    山下(徳)委員 同じく六十年の四月にこの第三者割り当てが行われておりますが、そもそも政官界の人たちへの株の譲渡を意図して行ったのではないか、こう言われておりますが、このときの配分についてはいかがでございますか。
  47. 江副浩正

    江副証人 六十年の四月につきましても、再譲渡をされた会社が、再譲渡でなく、失礼しました、譲渡された会社、そこの第三者割り当て先から売買された会社が五社あるわけでございますが、すべてではございませんで、五社の会社については譲渡をされているわけでございますけれども、それについては当初からそういう考えを持っていたということではなくて、なぜそういうふうなことに至ったかということでございますが、実は、六十一年の八月にいよいよ株式公開をするということがはっきりいたしましてから、リクルートからリクルートコスモスに転籍と申しますか籍を移している社員に対して、社員あるいは幹部社員に対して株式を持たせたい。で、リクルート株式は持っていてもリクルートコスモス株式は持っていないという者がたくさんおりまして、そういう人たちに株式を持たせたいというふうなことがそもそもの動機と申しましょうか、そういうものを考えついた出発点でございまして、最初は、社員並びに幹部社員に何とか株式を持たせるためには、既に株式をお持ちいただいている第三者割り当て先の中からお譲りいただくしか道はない、こういうふうに考えて第三者割り当て先の中からお譲りいただいたわけでございますが、大変俗な言い方で恐縮でございますが、ならば、ほかの信頼できる方々にも株式を持っていただこうではないかとそのときに思いつきまして、その範囲を広げてしまった、それが今回のこういう問題につながっていったということでございます。
  48. 山下徳夫

    山下(徳)委員 このアメリカのクレイ社スーパーコンピューター購入されたいきさつについては、既に委員長質問に対して陳述がございました。それはわかるのでございますが、このNTT関係者に株の譲渡が行われているということがこのスーパーコンピューター購入とどのような関係があるのかということが第一点。  それから、先ほどあなたの陳述の中で、真藤会長、その村田秘書はそんなに深い、親しい間柄ではなかったけれども真藤会長秘書ということで知っておった、こういうあなたの御発言がございましたが、だとするならば、この村田氏に対する株の割り当てはあたかも何か真藤会長との若干の関係があるやに聞こえないでもないわけでございますが、この点はいかがでございますか。
  49. 江副浩正

    江副証人 NTT関係者の方に三人、株式譲渡された方がいらっしゃるわけでございまして、そのことにつきましては、大変に申しわけないと申しましょうか、残念なことをしたと、今にして思えば悔やんでも悔やみ切れない気持ちでございますが、そのこととクレイ社のスーパーコンピユーターを購入したということとは無関係でございまして、クレイ社購入の、実際にそういう作業をやった窓口の方とは直接株式関係がないということでございます。  それから村田秘書の件でございますが、村田秘書と非常に親しいというわけではないということでございまして、もちろん存じ上げておりますし、あたかも真藤会長というふうな誤解があったとすればそれは誤解でございまして、そういうことは真藤会長とは全く関係のない話であるというふうに述べさしていただきます。
  50. 山下徳夫

    山下(徳)委員 川崎市の助役の小松氏を対象に売却したということにつきましては、そのいきさつについて、これまた委員長質問に対して先ほど陳述がございました。  そこで、この一点だけを再確認いたしますが、市街地開発事業のお礼ということではなかったのですね。その点、ひとつはっきりと答えていただきたい。
  51. 江副浩正

    江副証人 率直に申し上げまして、市街開発事業につきましては、既に決まっているものをお引き受けした、住都公団からお譲りいただいたということでございますが、私どもは、ぜひとも進出したいというよりは、熱心な川崎市からの要請に基づいてやむなくと言うと、その、少し言い過ぎかもしれませんが、そういう要請に基づいて進出したということでございます。お礼をするような前後の事情にはなかったわけでございますが、持っていただいたということについても非常にこれは、私どもとしては大きく反省すべき点だと思っておりますが、株式を持っていただいたのは、小松助役が、当時は企画調整局長でございましたけれども、都市開発に関して大変な勉強家でいらして、大変識見、力量ともにすばらしいものを持っておられて、私どもは、リクルートコスモスとしては不動産業としてこういうすばらしい方の将来的にお力をかりればと、まあ率直に申し上げまして、局長で、いずれもう間もなくおやめになるようなお話もちらほらされておられましたので、そんなことで将来的にリクルートコスモス事業をお手伝いでもできる、していただけるのではなかろうかと、そんなふうな気持ちも多少持っておりましてお話をさせていただいたのが間違いのもとであった、かように深く反省しておるところでございます。  以上でございます。
  52. 山下徳夫

    山下(徳)委員 最後にもう一点だけお尋ねをいたしておきたいと思いますが、楢崎弥之助氏に対する贈賄工作、これは既に司直の手によって調査が進んでおりますが、この問題につきまして証人御自身どのようにかかわり合いを持っておられたか、何かかかわり合いがあったかどうか、この点を確かめておきたいと思います。
  53. 江副浩正

    江副証人 私は、直接は全くかかわりは持っておりません。以上でございます。
  54. 山下徳夫

    山下(徳)委員 終わります。
  55. 原田憲

    原田委員長 次に、坂上富男君。
  56. 坂上富男

    坂上委員 証人は、病床質問のときと今回出頭されましたときと、心情は変わられたのですか。
  57. 江副浩正

    江副証人 同じ気持ちでございます。  この席をかりて述べさせていただければ、本当に何と申しましょうか、今回の私のことで税制論議、いろいろと御迷惑をおかけし、かつ代議士のみならず、このことによって職をやめられた方も大勢いらっしゃいますし、いろんな意味で御迷惑をかけたことを深くおわび申し上げる次第でございます。  いずれにしましても、同じ気持ちでおることは確かでございます。
  58. 坂上富男

    坂上委員 リストを示しおられますか、コスモスから出たリスト
  59. 原田憲

    原田委員長 今配付しました。
  60. 坂上富男

    坂上委員 どうぞごらんください。本人にも。いやいや、そっちの方じゃなくて会社から出たリスト、そこにあるでしょう。ありませんか。──じゃ私の方から示しましょうか。
  61. 原田憲

    原田委員長 こういう資料証人の方からは持ってこれないことになっていますから、だから、これを証人に示します。
  62. 坂上富男

    坂上委員 それがコスモス社から出たところの回答書ですが、リストですが、もう一度よく見てください。このリストの作成にはあなたはどの程度かかわったのですか。
  63. 江副浩正

    江副証人 私はもう二カ月以上ずっと病院におりまして、一歩も外を出ておりません。七月二十六日から、途中八月に入りまして十日ほど外を出た、転地療養いたしましたが、それ以外は病院におりまして、このリスト作成がどのようになされたかということについては全く私は承知しておりません。したがって、私自身は全くかかわっておりません。
  64. 坂上富男

    坂上委員 ごらんになるのは今初めてですか。
  65. 江副浩正

    江副証人 はい、回答書を見るのは初めてでございます。
  66. 原田憲

    原田委員長 証人発言を求めてください。
  67. 江副浩正

    江副証人 失礼しました。  リストにつきましては、新聞では読んでおりましたけれども、原本を見るのは初めてでございます。
  68. 坂上富男

    坂上委員 さて、それならばよく見ていただいて、あなたがごらんになってその場で、この人がおっていたんじゃなかろうかという政界、財界の関係者あるいは御本人、よく見てください、そちらの方です。それはいいですから、そっちの方。
  69. 江副浩正

    江副証人 これは初めて見るものでございますけれども、多分新聞紙上に報道されているものとこれは同じものでございますね。  それについては、私の記憶ではこれですべてだというふうに思っております。──失礼しました。委員長、よろしゅうございますか。  このリストの中に早坂茂三氏が抜けていたことについて、深くおわび申し上げる次第でございます。
  70. 坂上富男

    坂上委員 早坂さんのはどのリストですか、そのナンバーの。
  71. 江副浩正

    江副証人 このリスト、私が作成したものではございませんので、どのナンバーかと突然言われましてもちょっとわからないのでございますけれども、五十九年十二月分の二千株分の中の会社役員の方の一人ではないかというふうに考えております。
  72. 坂上富男

    坂上委員 病院にこういうことについて相談はなかったんですか、提出するに当たって。
  73. 江副浩正

    江副証人 リストを提出するということは連絡を受けました。私は、リスト提出については非常にかたくなにちゅうちょしておりましたので、当リクルート問題に関する調査特別委員会からのリスト提出の要請があったのでリストを提出するという通知を受けただけでございまして、相談は全く受けておりません。
  74. 坂上富男

    坂上委員 このリストはどなたとどなたが、じゃ作成になったのでしょう。
  75. 江副浩正

    江副証人 私は全く承知しておりません。
  76. 坂上富男

    坂上委員 あなたは、じゃ、これを提出することについて了解を求められて同意したのですか。
  77. 江副浩正

    江副証人 そのとおりでございます。
  78. 坂上富男

    坂上委員 あなたは「アエラ」という雑誌ですかね、その記者会見のときおっしゃっているんですが、私から名前を言えない、そしてまた病床質問のときも、私からは名前を言えません、こうおっしゃっているんですが、その後、心境変わったんですか。
  79. 江副浩正

    江副証人 私の心境としてはこういうものを公にしたいというふうな気持ちは持っておりませんでしたが、私は、先ほど申しました、ずっと病床におりまして、現執行部がそういうものを議会の要求に基づいて提出すると伝えてきたことについて、それはだめだというふうなことを言える立場にもございませんで、このような結果になったことだというふうなのが現状でございます。
  80. 坂上富男

    坂上委員 それではまた別のことを聞きますが、コンピューターサービスまたは大川功さんの割り当ての株、リクルートコンピュータプリントというんですか、これの株、それからデン晴海の株、安比レックの株、それから社員持ち株会の株、そしてあなた自身のはさっき答弁ありましたが、あなた自身の株、この株は公開前に譲渡が政官界関係者になされておりませんか。
  81. 江副浩正

    江副証人 全くそういう事実はございません。私自身の株式、大川さんの株式、あるいはリクルートコンピュータプリント等々リクルート関係、デン晴海含めてそういう事実は全くございません。
  82. 坂上富男

    坂上委員 委員長にお願いでございますが、これはコスモスの六十年の一月に第三者割り当てをいたしましたところの取締役会の議事録でございますが、これをひとつ確かめさせていただきまして、見せたいんでございますが、御許可をいただきたい。
  83. 原田憲

    原田委員長 はい、結構です。
  84. 坂上富男

    坂上委員 それはいわゆる金融関係等にあなたが第三者割り当てをした会社の割り当て株数でございます。法務局で取締役会議事録として登記の際出されておるものを私たちの方で責任を持って写してきたところです。かつ、法務大臣が楢崎さんの質問でも、間違いないようでございますとお答えになった資料でございます。それをごらんになりまして、その各金融機関等に第三者割り当てがなされたのは間違いありませんね。
  85. 江副浩正

    江副証人 恐らく間違いないというふうに思います。
  86. 坂上富男

    坂上委員 会社に割り当てられたのは間違いないようでございますが、そこの会社の会長、取締役、代表者あるいは役員、そういう人に株の譲渡はなされておりませんか。
  87. 江副浩正

    江副証人 そういうことはございません。
  88. 坂上富男

    坂上委員 もう一度よく見てくださいよ。そこの会社のいわゆる役員等に、個人に株式譲渡がなされておりませんか。
  89. 江副浩正

    江副証人 失礼いたしました。私の記憶違いでございまして、信託銀行あるいは日本興業銀行──幾つかの信託銀行、日本興業銀行等の社員あるいは幹部社員に一部譲渡なされていることがございます。
  90. 坂上富男

    坂上委員 名前と株数、言ってください。
  91. 江副浩正

    江副証人 ちょっとただいま記憶をいたしておりません、申しわけございませんが。
  92. 坂上富男

    坂上委員 後でその資料なりメモを書いて任意に提出していただけますか。
  93. 江副浩正

    江副証人 じゃ、いずれ日を改めて提出さしていただきたいと思います。
  94. 坂上富男

    坂上委員 証言を終わりましてから、ここでもしあれだったらここの控室で思い出して書いていただいてもいいですし、あるいはできるだけ早く提出していただきたいということを希望いたします。  その次、証券会社の役職員あるいはあなたとの事務を担当した担当職員等に株の譲渡はありませんでしたか。
  95. 原田憲

    原田委員長 江副君、先ほどのほかに何か言いたいことあったようですが、それと加えて答弁……。
  96. 江副浩正

    江副証人 金融機関の社員並びに幹部社員について若干名の方がいらっしゃいますが、そのお名前並びに株式については記憶をいたしておりませんので、きょうではなくて、後日日を改めてということにさしていただきたいということでよろしゅうございますでしょうか。
  97. 坂上富男

    坂上委員 できるだけ早く希望します。
  98. 江副浩正

    江副証人 証券会社につきましては、一部で証券会社の幹部に譲渡があったんではないかという報道がなされておりますが、それについては六月ごろからそういうふうな報道がございまして、私どもとしては、詳細に調査をいたしました結果、そういう事実は全くなくて、誤報であるというふうに確認をいたしております。そういうことでございまして、証券会社に関してはそういう幹部社員あるいは社員についても株式売買は全くなかったということでございます。
  99. 坂上富男

    坂上委員 仕方がないから具体的に名前申しましょう。大和証券の越田弘志さんという方には譲渡されておりませんか。
  100. 江副浩正

    江副証人 そういうお名前がもう六月ごろから出ておりまして、何度も私どもも調査いたしましたが、そういう事実は全くございません。大和証券さんとも御相談申し上げましたが、越田さんという方に株式売買されているという事実はございませんが、税務申告の際の書類にそういうものがあったという報道が本日も出ておるようでございますが、これ以前にも何度も確認いたしておりまして、そういう事実は全くございませんことを再度ここで述べさしていただきたいと思います。
  101. 坂上富男

    坂上委員 それから今度、警察関係者あるいはマスコミ関係者、これは譲渡を受けた方は今まで新聞報道された以外にありませんか。
  102. 江副浩正

    江副証人 ここでは民間人の方については申し上げることを何とか御容赦いただくようにお願いしたい、政界関係者のみに限らせていただきたい、かように思う次第でございます。
  103. 坂上富男

    坂上委員 委員長証言拒否の申し出でしょうか、どうでしょうか、確かめてください。
  104. 江副浩正

    江副証人 私、民間人については、率直に申し上げまして、これは民間人に限らないことだと思うのでございますけれども、何と申しましょうか、お名前が出たことで職をおやめになった方もこれまでにいらっしゃいますし、また大変にお立場悪くなられた、あるいはばつの悪い思いをされた方が大勢いらっしゃるということで、これ以上民間人のお名前を出すことは到底忍びがたいことでございまして、そういう意味で、何とか民間人につきましてはお名前を出すことを御容赦いただくように、お許しいただきますようにお願い申し上げる次第でございます。
  105. 坂上富男

    坂上委員 私は、これはやはり証言拒否だと思います。これはなぜでございますか、もう一遍理由を。
  106. 江副浩正

    江副証人 一応文書も用意させていただいたのです。読ませていただきます。(坂上委員「名前ですか」と呼ぶ)いえ、そうじゃございませんが。名前で……。  民間の方々についての株式売買についてこの席で公表させていただくことは、その方々の立場、場合によってはその方がまた仕事を、職をおやめにならなければいけなくなる、そういうふうな窮地に落ち込まれることにもなりますので、何とか民間人については御容赦いただきますよう平にお願い申し上げる次第でございます。
  107. 坂上富男

    坂上委員 もう一つ私は警察関係も聞いておりますが、同様と聞いていいですか。
  108. 江副浩正

    江副証人 警察関係はお一方いらっしゃる以外はどなたもいらっしゃいません。
  109. 坂上富男

    坂上委員 あなたは、最初に示した会社が出したリスト、これに関連をいたしまして、全部そこに穴を埋めていただきまして、名前とそれから職業、きちっと任意に提出していただくわけにはいきませんか。これはその内容の信憑力に関することであるから聞いているのです。
  110. 江副浩正

    江副証人 先ほどから申し上げておりますように、民間人につきましては、そのお名前が出た方については大変に立場を悪くされ、職をおやめになった方も何人もいらっしゃいますので、何とかその点については、重ねてでございますが御容赦をいただくことを平にお願い申し上げる次第でございます。  また、それが何か犯罪を構成するとか、そういうふうなことに関しましては既に東京地検の方ですべての名簿は入手しておられると想像されますので、そちらの方からお調べがあろうかと思いますので、この席ではお許しいただきたい、かように思う次第でございます。よろしくお願いいたします。
  111. 坂上富男

    坂上委員 あなたの会社から提出になりましたリストの正確性をきちっとするために実はそういう要望をしているのです。というのは、さっき言ったように、早坂さんのことは会社重役あるいは会社員、こうなっているんだろうと思うのです。名前とあれを一致して調べてみれば、あるいはまたこのリストの内容の信憑性についてもはっきり私たちが認識をすることができるから言っているのです。あえて私たちも民間の人の名前を出すことについては、それは必ずしも好ましいことではありませんけれども、あなた方が提出してきたものを、さっき言ったようなことで信憑性がないものだから、確かめることが私たち調査委員会としては必要だから実は言っておるわけでございまして、本当にそういうようなことについて信憑性に疑義が起きなければ、それはこんなことを言わないのでございます。そういう意味におきまして、あなたは出すことが迷惑がかかる、こう言っておるわけであります。確かに出せば今迷惑かかるでしょう。だけれども、このことが刑事問題に結びついたりあるいはその立場の責任問題に結びつくということでなくて、出してもらうことによってその人から政官界者に譲渡したかどうかということの信憑性について確かめることができるから実は要望しておるわけでございまして、いかがですか。──見ないで。見ちゃいかぬと言ったでしょう、さっき。委員長、よく注意してください。
  112. 原田憲

    原田委員長 江副証人、何ですか、それは。
  113. 江副浩正

    江副証人 いや、それは、おわびの文書を読み上げさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
  114. 原田憲

    原田委員長 おわびの文書と言っている。
  115. 坂上富男

    坂上委員 いやいや、質問だけに答えさせてください。
  116. 原田憲

    原田委員長 委員長のところへ持ってこなければいけない。  ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  117. 原田憲

    原田委員長 速記を起こして。  江副証人
  118. 江副浩正

    江副証人 同じようなことでございますが、私どもの方でおわびの文書を用意させていただきましたので、読み上げさせていただきます。  今回、衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会に提出させていただいたリスト昭和五十九年十二月の株式会社リクルートによる株式売却リスト1と、昭和六十一年秋、株式会社リクルートコスモスからの第三者割り当て先からの譲渡リスト2に、早坂茂三氏の名前が抜けていたことで、リストの信頼性について御疑念があるようでございますが、私の記憶でも政界関係者にはほかにはございません。  私は、今回のリスト作成にはかかわっておりませんが、経緯を聞いたところによると、早坂氏については、今回のリスト作成時に、現在の早坂氏が早坂事務所長の社長であることから政界関係者以外に扱うべきだろうとの思い込みが一部の者にあったようでございます。結果的には国会に対して大変失礼なこととなり、おわび申し上げます。しかし、早坂氏一人を隠すつもりは全くなかったことを御理解いただければと存じます。  さらに、リストの信頼性を高めるために譲渡先の全氏名をここで公表せよとのお申し出については御容赦いただきたいと存じます。政官界関係者以外の方々にこれ以上の御迷惑をおかけすることは到底忍びがたいことでございます。どうかお許しいただきたいと存じます。
  119. 坂上富男

    坂上委員 委員長に申し上げますが、私が質問しておりますることは、提出された全リストについてその信憑性を明確にするためでございます。これは直接重要な関連性を持つものであります。二度も三度にもわたって私が証言するよう促しました。もちろんおわびの言葉は私は了といたします。しかしながら、このことはリスト信憑性にかかわる重大な問題であるわけであります。かかるがゆえに、それを明確にしなければこのリスト信憑性をはかり知ることはできません。  よってもって、委員長に要請をいたします。本件は、私は黙秘したと思っておるわけです。また、これについて、その結果証言を拒否したと理解をしておるわけであります。よって、委員長に要請いたします。告発をするように要請をいたしたいと思います。
  120. 原田憲

    原田委員長 ちょっと、理事、お集まり願います。──ただいま協議をいたしまして、この問題については理事会で御相談をいたしますから、残余の質問について質問を続けていただきたいと思います。
  121. 坂上富男

    坂上委員 保留ですね。──それでは、別の点をお聞きをいたします。これにやはり関連しますけれども。  政治家本人、秘書、家族、譲渡人がいろいろ分けられておるわけでございますが、これは、分けたのはなぜでございますか。
  122. 江副浩正

    江副証人 分けたわけではなくて、そのそれぞれの方に直接お願いしたということでございます。
  123. 坂上富男

    坂上委員 あなたは「アエラ」という雑誌に、政治家の家族とはつき合いがないと言っております。そうだとするならば、代議士に直接渡したという認識ですね。その辺のところが、その、あれですね。御迷惑をかけられない、またその上に、おまえは何ということを言うんだということになるんだから、まあ御勘弁ください、こういうようなことが載っているわけでございますが、どうですか。あなたは、家族やこういう人たちについてはつき合いがない、こういうふうなことを言っておるので、政治家本人らしいことを言っているのですが、いかがです。
  124. 江副浩正

    江副証人 政治家の先生方をお知り合いになる場合には、大抵の場合が囲む会とかあるいは励ます会とかそういった席でございまして、大抵そういう席には秘書の方もおいでになりますし、私なんかの場合には若い方でございますから、最近はそうでもございませんが、かつて若い方でございましたから、末席に座りますと秘書の隣に私が席を置くというケースが多うございまして、御本人よりも秘書の方が親しいというケースもございますし、そういう意味秘書の方にお話をさせていただいたケースがむしろ多いというのが実情でございます。  そういう意味で、秘書の方とのおつき合い──「アエラ」のその取材のときは、十数人いまして、言葉のあやで秘書とのつき合いのことについて多少の行き違いがございましたけれども、実情としては、率直に申し上げまして、囲む会の席に秘書の方もいらっしゃいますから、秘書の方とも御本人と同様に親しくしていただいているということでございます。
  125. 坂上富男

    坂上委員 そうだといたしますと、あなたはさっき名義人のことについてもそうおっしゃったわけ。宮澤さん、直接名前が出ている大臣、こういうような人たちも直接その人が譲渡人となって承知の上でやられた、こうなりますね。
  126. 江副浩正

    江副証人 お名前は、率直に申し上げまして、申し上げた方と今の話と多少食い違うかもしれませんが、お名前が御本人と違っている、御家族のケースについてもそういうケースがあるいはあろうかと思いますが、お話をさせていただいたのは秘書の方にお話をさせていただくというのが一般的でございます。
  127. 坂上富男

    坂上委員 私は一般的なことを聞いているのじゃないのです。宮澤さんのことを聞いているのです。
  128. 江副浩正

    江副証人 宮澤さんにつきましては、宮澤総理大臣──失礼しました。宮澤大蔵大臣。申しわけございません、ちょっと上がっておりますが。上がっておりますが、申しわけございません。率直に申し上げまして、私が直接お話を申し上げたわけではございませんが、私どもの社員が接触をとったのは服部秘書官であるというふうに承知しております。
  129. 坂上富男

    坂上委員 どなたが服部秘書官に頼んでそのようなことをしたのですか。
  130. 江副浩正

    江副証人 私どもの社員でございます。
  131. 坂上富男

    坂上委員 どなたですか、こう聞いているのです。まさかあれでしょう、単なる職員じゃないでしょう。役職のある人でしょう。
  132. 江副浩正

    江副証人 役員であったかあるいは秘書であったか、その辺のところはしかとは覚えておりません。
  133. 坂上富男

    坂上委員 だれが交渉したかしかと覚えていないと言うのですが、あなたが中心になって皆様方にお願いをした、こうおっしゃったわけです。あなたのほかに、あなたといろいろ相談して株の譲渡のお願いなり交渉をした人は、あなたの社員の中の名前を挙げてください。
  134. 江副浩正

    江副証人 大変に数多い社員でございまして、どこまで私が相談したかという程度の問題もございますので、どういうふうに申し上げていいかわかりませんが、役員とか秘書とかそういう者でございまして、数多うございますので、どこまでが関与していたか、どこまでが関与していなかったか、はっきり今明快に記憶をしておりませんので、ちょっとその点については御容赦いただきたいと思います。
  135. 坂上富男

    坂上委員 あなたの専務、常務、室長、そういうような人たちがあなたを取り囲んで中心的にやったのでしょう。いかがです。
  136. 江副浩正

    江副証人 そのとおりでございます。
  137. 坂上富男

    坂上委員 まあ名前は当時のを調べればわかりますから、これ以上はいいでしょう。  さてそこで、あなたが政治家にお願いをした人はどなたとどなたとどなたですか、挙げてください、官界もあわせて。
  138. 江副浩正

    江副証人 政界の方に私が直接お電話したというケースはほとんどございませんで、私どもの役員あるいは秘書が──私が直接だれとだれとだれにお電話したとかということについて私は記憶がございませんで、ほとんどが秘書の者が、秘書あるいは役員が先方の方の秘書または役員の方に御連絡をとった、コンタクトをとったというのが実情でございます。
  139. 坂上富男

    坂上委員 あなたがさっき中心的になってこの譲渡問題を取り扱ったんだ、こう言っているわけであります。しかしながら、あなたは政治家の先生方に、あるいは官界の先生方に電話だけではないのです、直接お会いをしたりしてお願いをしておりませんか、こう言っておるわけであります。あなたはほとんどない、こうおっしゃっているわけです。これも重大なことです。さっきの証言と矛盾をすると私は思います。  そこで、あなたが余りしたことがないとするならば、したことはあることもあるんだろうと思うのです。そうだとするならば、きちっとその人の名前は、数少なかったら挙げられると思うのですが、いかがですか。
  140. 江副浩正

    江副証人 私がかなり深く関与したと申しましたのは、どなたに株式を持っていただくかということについての選定の際には私が関与をしたということを申し述べたわけでございまして、その実行者と申しましょうか、その受け渡しをだれがやったかということにつきましては、かなりの人数がやっておるわけでございます。私が直接受け渡しをしたということはほとんどございません。
  141. 坂上富男

    坂上委員 さっきの示したドゥ・ベストの譲渡先内訳表、示してありますか。──いや、いや、いや、いや、譲渡先内訳。示していただきたいと思います。私の方から示してもいいです。(発言する者あり)許可をもらおうと思って努力しているんだよ。
  142. 原田憲

    原田委員長 質問続けてください。
  143. 坂上富男

    坂上委員 これごらんになって、見覚えございませんか。
  144. 江副浩正

    江副証人 この資料は承知しております。
  145. 坂上富男

    坂上委員 どういう資料ですか。──どういう資料ですか。
  146. 原田憲

    原田委員長 質疑時間が終了しました。──質疑時間は終了いたしました。  次に、貝沼次郎君。
  147. 貝沼次郎

    貝沼委員 ただいまの質問を聞いておりまして、私は大変真相究明のために残念だと思います。  そこで、初めに証人にお伺いいたしますが、私どもが国会にこの資料提出を要求いたしましてから、これが大体十五日の午後の九時半ごろでございました。名簿が出てきたのが二十三時十分ごろだと思います。この間、約二時間ばかりでございます。この間にこの名簿の、今出されておるリストの一切について点検されたのでありますか。
  148. 江副浩正

    江副証人 私は病院におりまして、そんな短時間、今初めて伺いましたが、そういう短時間でリストの点検がなされたということは初めて聞いたような次第でございまして、全くそのリストの作成には関与しておりませんので承知しておりません。
  149. 貝沼次郎

    貝沼委員 あなたは先ほど、後で同意なりあるいは了解を求められたと言っております。そして、ただいまその文書を持ってこられました。このあなたのお読みになったその文書はいつ作成されたのですか。
  150. 江副浩正

    江副証人 昨日作成したものでございます。
  151. 貝沼次郎

    貝沼委員 先ほどの質問の中で、あなたはこの名簿を今初めて見たとおっしゃったと思いますが、じゃ、その前にごらんになっておったわけですね。
  152. 江副浩正

    江副証人 名簿の形式について初めて見たということでございまして、新聞を通して名簿は承知しておりました。ということでよろしゅうございますでしょうか。
  153. 貝沼次郎

    貝沼委員 しかし、こういう重大な証人喚問のときに、ただ新聞を見て来るということは到底考えられません。やはり微に入り細に入り、しかもあなたの一身の問題にかかっておるこの議論でございますので、恐らくあなたは前もってこれをきちっと見ておられたと思いますが、見ておりませんでしたか。
  154. 江副浩正

    江副証人 率直に申しまして、私は先ほど来申し上げておりますように、ほとんど病院からもうこの二月ばかり一歩も出ておりませんし、社員が病室に訪ねてくることもございませんので、その名簿については原表、原本といいましょうか、オリジナルを見たのはきょうが初めてでございまして、それ以前に新聞で見ただけでございます。
  155. 貝沼次郎

    貝沼委員 オリジナルを見たのは初めてだと言いますが、新聞以外にほかのものもごらんになったのでしょう。
  156. 江副浩正

    江副証人 ほかのものというのはどういう意味でございましょうか、ちょっと質問させていただきますが。
  157. 原田憲

    原田委員長 質問はいかぬ。質問はできません。
  158. 江副浩正

    江副証人 質問はいけないのですか。  オリジナルな資料は見ておりませんが、新聞を通して、何と申しましょうか、リストは全部承知しております。
  159. 貝沼次郎

    貝沼委員 それではこのリスト、先ほどから話題になっております早坂氏の問題、これが、あなた先ほどいろいろおっしゃいましたけれども、ああいう有名な方がわからなかったということは絶対にあり得ないですね。あなたの社には、そういうことがわからないほどの人がこういうことに関与しておるのですか。
  160. 江副浩正

    江副証人 もちろん、早坂茂三さんのお名前は高名でございますから、社員も承知していたと思いますが、田中角榮元総理の秘書をおやめになった時期と株購入の時期とが、何と申しましょうか、おやめになった後株式購入されたというふうに当社の社員が勘違いして、先ほど申しますとわずか二時間の間につくったというリストのようでございますので、その辺のチェックをする余裕が多分なかったのではないか、そういうふうに推察いたします。
  161. 貝沼次郎

    貝沼委員 あなたが推察されますように、私は、そういう確認の時間が少ないほどこの名簿は決して信憑性の高いものではない。しかも、あの後そういう問題が出てきておる。  そしてさらに、この名簿には、例えば会社役員とかあるいは会社あるいはいろいろな人、会社員とかいうふうになっておりますが、この会社役員というのは、会社の名前で会社役員名義のものなのか、それともその役員の人の個人名義なのか、ここのところがはっきりわかりませんし、私どもがいろいろ調査いたしめますと、決してこれを、全部名前を発表しても迷惑のかかるようなものではないと判断しております。したがって、あなたはこの委員会に、この究明に協力されるのであれば、この名前全部を公表するということをここで約束すべきだと思いますが、お答えください。
  162. 江副浩正

    江副証人 先ほども述べさせていただきましたが、名前が出たことで民間の方でもおやめになった方が何人かおいでになりますし、あるいは辞表を提出されたとかそういう方がおいでになりますので、そういう意味では守秘義務と言うと言い過ぎかもしれませんが、そういう方々の身分をお守りする立場に私どもがいるというふうな認識によるところでございます。  それからもう一つ、役員と書いてあるのが会社なのかその役員個人なのかという御質問でございますが、それは、会社ではなくて役員個人ということでございます。
  163. 貝沼次郎

    貝沼委員 とにかく、この名簿を見ただけでもいろんな疑惑が出てくる。したがって、私どももいろいろ調査いたしました。その結果、これは間違っておったらお許し願いたいと思いますが、具体的に、このいろいろ言われておる、あるいはいろんな調査の結果、この対象となっておる会社等の名前がいろいろ浮かび上がっております。具体的に申し上げてみたいと思いますが、例えば大和土地あるいは三井信託、中央信託、創芸、オリエントファイナンス、樫山、ユニ・チャームとか、また鹿島、大林、竹中、飛島、長谷川工務店、銭高、ノエビアとかあるいはセコム、ワールド、こういうふうなものがございますけれども、こういうような関係の方々がこのリストの中に入っておりますか。
  164. 江副浩正

    江副証人 どなたが入っておられてどなたが入っておられないということは、私の口からは大変申し上げにくいことでございまして、だれが関係者なのかということについては、いろんなうわさがあろうかと思いますが、それについては、この方はそうですというふうなことは、民間人に関しては、先ほどから申し上げておりますように、お名前が新聞等で出ますとそのお立場を失われる方もいらっしゃいますので、何とか御容赦いただきたいと重ねて平にお願い申し上げる次第でございます。
  165. 貝沼次郎

    貝沼委員 とにかく、大事なことを聞くとすべて答えない。ここは際どいところを言っていただかなければ、証人喚問意味がないわけでございます。したがって、この会社名は、これは含まれておりますか、含まれていない会社がそれともありますか、お答えください。
  166. 江副浩正

    江副証人 今お話の出た会社関係者が含まれているということだけは述べさせていただきます。
  167. 原田憲

    原田委員長 ちょっと貝沼君、この件に関しましては先ほど理事会で相談をするということでありますから、後ほど理事会で相談することにして、このこと以外の質問を続けていただきたいと思います。
  168. 貝沼次郎

    貝沼委員 とにかく、会社の名前は今お答えがございました。したがって、そこから先、今度はその会社のだれなのかということが随分と今度は憶測を呼んで、かえってその方が迷惑かかっていきます、その方が。したがって、この際、全部発表されることを強く要求したいと思います。
  169. 江副浩正

    江副証人 再々申し上げておりますが、この一点に関しましては、もうこれまでに私としては、職をおやめになった方、何度も申し上げておりますが、あるいは非常に社内的にお立場を悪くされた方あるいは社会的にお立場を悪くされた方、そういう方々と接しておりまして、本当にもう身の縮むというか身の置きどころのない、本当に死んでおわびをしたいような気持ちでございまして、これ以上私の口からお名前を申し上げることは、どうかその点、その一点に関してはお許しいただきたい、かようにお願いする次第でございます。どうか御容赦いただきたいと思います。
  170. 貝沼次郎

    貝沼委員 それでは次に、あなたはこの株の譲渡先についてほとんど自分でやった、あと何人かの人がかかわったような証言が先ほどございました。このあなたと一緒になって配分を決めたというような方は、これはあなたの社の中の方だけですか。それともそのほか、議員であるとかあるいは政治家の秘書であるとか、こういう方はかかわっておりませんか。
  171. 江副浩正

    江副証人 私がほとんどということでもございませんが、大半というか過半が私ということでございます。  今お尋ねのことでございますが、ほとんどが社内でございまして、社外の方のお話も聞いたことはございますが、政治家の方あるいは官界の方、政界官界の方と御相談をしてこの方に株式を持ってもらおうと、そういうふうなお話し合いの機会は一度も持ったことがございません。
  172. 貝沼次郎

    貝沼委員 じゃ、あなた自身が大体お決めになったということですか。先ほど、そのときの思いつきあるいは場当たり的で配分をしたというふうな証言がございましたが、実はここが真相だろうと私は思います。やっぱりそのときそのときの政治状況その他を判断してあなたはなさったのだろうと思います。そういうときに、これは一定のそのときの意図があって私はやったと思いますが、その意図をお答えください。
  173. 江副浩正

    江副証人 特別にこういう意図があって、よくジャーナリズム等で工作という言葉が使われて、報道関係で使われておりますが、特別にこういう工作をしようとか、こういうねらいを持って何かをしようとか、こういう意図でもってこうしようとか、そういう考えは全くございませんでした。
  174. 貝沼次郎

    貝沼委員 工作の意図がなくても、しかし、そう簡単にそんな株を知らない人のところに持っていくわけはないですから、意図がないということは私はうそだと思います。やはりそれなりの意図があってやったということは間違いないんじゃありませんか。
  175. 江副浩正

    江副証人 何と申しましょうか、親しい方、日ごろ親しくしていただいている方の順番にということではございませんが、どちらかといえば親しい方を一つの基準として選ばせていただいたということでございまして、何かの見返りがあるとかあるいはこういうふうなことをしてもらおうとか、そういうふうな考えは毛頭持っていなかったことを述べさせていただきます。
  176. 貝沼次郎

    貝沼委員 あなた、見返りとかそういうものは全然思っていないと言いますが、例えば、これはあなたの社内誌の「かもめ」という本でございます。その中に、あなたが会長就任になったときのあなたの文章が載っております。この中に、いろんな政府の審議会の委員をあなたがされた、そのときのことが書いてあります。いろいろやったけれども、「ただし、」ここからが文章です。「ただし、これはあくまでもリクルート事業の範囲内のことであって、たとえば、すでに終ったことですが、国鉄再建委員に名を連ねるといったような、リクルート事業の守備範囲を超えて、いわゆる財界的な活動に専心するということは、将来ともあり得ないことです。」ということで、この前後を考えればわかるのでありますが、明らかにあなたはこの委員のポストというものを、自分の事業のために必要であったということがわかります。であるならば、その当時、この株の動き等を総合して考えてみますと、時の政権と随分かかわりがあったと考えなければなりません。こういうことはありませんでしたか。
  177. 江副浩正

    江副証人 少し言葉足らずでございまして、私の事業というのは、私が専門的な知識を持っているとか守備範囲であるとか、そういった意味で私の守備範囲を離れて、例えば国鉄の再建問題というのは一つの、ちょっと唐突な例でございますが、そういうことと、私は就職だとか進学とか、そういったことは、あるいはコスモスを通して土地の問題等については多少の勉強をしておりますが、私が勉強しない分野についてまで委員等に就任していわゆる財界的活動をするという、その文章を全部読んでいただければおわかりいただけると思うのですが、財界的活動をするという気持ちが私にはないという意味で、その例としてそういう例示をしたわけでございまして、例えば大学審議会の委員などをさしていただいた、もう辞任しておりますが、さしていただいたわけでございますが、これはあくまでも就職、いわば社会の出口と申しましょうか、就職の入り口のところの接点がございまして、そういう関係委員をさしていただいたということでございまして、私どもの専門分野以外のところの委員については就任する気持ちがないということをそこでは書いているわけでございます。また、財界的な活動をする意図も全くないということも書いておると思いますが。
  178. 貝沼次郎

    貝沼委員 あなた、委員になっても随分出席が悪いですね、これは。物すごく悪い。だから私はそういうふうに今申し上げたわけですよ。例えば教育課程審議会でも二十一回中あなたは八回、まあこれは割と出ている方ですが、分科審議会、十四回で一回出席とか、ほかのも大分出席がよくない。だからこれは肩書だけではないかと思ったわけです。  時間が迫ってまいりましたので、最後にお伺いいたします、最後ではありませんが。  やはり、NTTあるいはコンピューター、それからリクルートということを考えてまいりますと、どうしてもスーパーコンピューター等に関連いたしまして時の政権担当者、元総理中曽根先生の問題が出てまいります。あなたと元首相中曽根さんとの関係はどういう御関係ですか。
  179. 江副浩正

    江副証人 中曽根総理を囲む会の会員ということで、そうでございますね、そういう会に二つばかり入れていただいておりますが、半年に一度ぐらいはお目にかかって、そのグループででございますが、お話を聞かせていただく、そういった程度の関係でございます。
  180. 貝沼次郎

    貝沼委員 この審議会の委員とかそういうときに、時の総理大臣のいろいろなお話があったのと違いますか、あなたとの間で。
  181. 江副浩正

    江副証人 全くございません。
  182. 貝沼次郎

    貝沼委員 それではスーパーコンピュータークレイ社スーパーコンピューター購入について、中曽根元総理大臣並びにその関係の方々から、あなたは何らかのお話を聞いたことがございますか。
  183. 江副浩正

    江副証人 スーパーコンピューターの導入に関しましては、あくまでも、先ほども申しましたように、リクルートの都合で、リクルートがいわば貿易業務について通暁していないと申しましょうか、通じていないということと、情報誌出版業、それまで情報誌出版業でございまして、急に高度の技術を要するコンピューターに関する事業進出したわけでございますが、技術についても持ち合わせていないということでNTTのお力をおかりしたということでございまして、中曽根総理から何かお話があったとか、そういったことでは全くございません。
  184. 原田憲

    原田委員長 質疑時間が終了しました。
  185. 貝沼次郎

    貝沼委員 じゃ、終わります。
  186. 原田憲

    原田委員長 神田厚君。
  187. 神田厚

    ○神田委員 証人にお尋ねをいたしますが、先ほどリストの問題が問題になっておりますけれども証人は、株の譲渡に過半自分が主導的にかかわっていた、こういうふうにお答えがありました。したがって、それだけ株の譲渡にかかわっていながら、コスモス社から出てきたこのリストについて一切承知をしてない、現時点まであるいは新聞を通じてしか承知をしてないということはまことに不自然でありますが、いかがでありますか、間違いありませんか。
  188. 江副浩正

    江副証人 私は、病院に入院いたしましてから、リクルート社並びにリクルートコスモスの両社の社長とも一度も面識を持っておりませんし、幹部が訪ねてくることもございませんし、そういうリストについて私どもの病室に持ってきて云々することもございませんので、今、先ほど伺いましたところ、夕方の七時ごろでございますか、お話があって九時ごろ、そういう緊急な事態の中で病院と連絡をとるというふうな状態には私はおらなかったわけでございまして、全く病気に専念していたわけでございますから、そのリストについては承知いたしておりません。ということでよろしゅうございますでしょうか。
  189. 神田厚

    ○神田委員 どう考えてもそれは非常に不自然なことですね。私は、自分が株の譲渡にかかわっていたということについて確認する意味においても、当然リクルートの方からも江副氏の方に話があってしかるべきだと思っておりますが、念を押しますけれども、そういうことはなかったのですか。
  190. 江副浩正

    江副証人 再々申し上げておりますけれども、私は本当に病気療養に専念しておりまして、先ほど申し上げましたように、リクルートの幹部ともほとんど連絡、電話もしていないという状態でございまして、そのリスト提出のときだけは、リストを提出するから承知おき願いたいという電話が一本あっただけでございまして、そのリストの内容について見たことも全くございません。
  191. 神田厚

    ○神田委員 このリスト、名前が挙がっている人は大変迷惑をしているわけですね。そういう意味では、先ほどから要求が出ていますように、私もこの全リストの名前を出していただきたい。名前、挙がっている人は迷惑して、挙がっていない人はそのまま、さらに早坂氏の件がございますから、まだ信憑性がないリストだというふうに我々も考えております。したがって、この点について強く要求しますが、いかがですか。
  192. 江副浩正

    江副証人 先ほど来、同じ質問をたびたびいただいておりますが、名前が挙がった方が迷惑していると今お話しいただきましたけれども、さらに名前をふやせばさらに迷惑がかかる方がふえるという関係になるわけでございまして、どうかこれ以上御迷惑のかかる方がふえないように御容赦いただきたい、かようにお願い申し上げる次第でございます。
  193. 神田厚

    ○神田委員 この株の問題がリスト1、リスト2では、リスト1の場合が合計で十二万五千六百株、リスト2の場合が五社七十六万株、こういうふうに出ておりますが、これ以外には割り当て先からさらに還流をしたり、いろいろな形で政官界の関係者並びに民間人の方に譲渡されているということはございませんか。
  194. 江副浩正

    江副証人 それ以外に第三者に譲渡されたということは、証券市場を通して売買されたということはあるいはあろうかと思いますが、リクルートが関与して売買したという人は一人も存在しておりません。
  195. 神田厚

    ○神田委員 それから、この明らかになっている名簿の中でも、リクルート事業関係している、あるいは江副氏個人のそういう活動に関係しているということが明らかに思われるわけでありますが、例えば国会関係では文部省関係の議員、さらには労働省、社会労働委員会関係の議員等々について株の譲渡が行われている。さらに、川崎とか浦和とかあるいは安比高原とか、リクルート事業関係しているところに株の譲渡がなされている。こういうことを考えますと、かなり計画的、意図的に株の譲渡がなされたというふうに考えておりますが、いかがでありますか。
  196. 江副浩正

    江副証人 計画的、意図的ではございませんで、親しい方を基準に、かなり大づかみなやり方でございましたけれども、そういうことを行った。その結果が公務員の方も中にはおいでになったというふうなことでございまして、意図的にやったということはございません。  それから、先ほど安比高原、安比総合開発というお話がございましたが、安比に関してはどなたも株式を、安比に関連される方で株式を取得された方はどなたもおいでにならないことを申し述べさせていただきます。
  197. 神田厚

    ○神田委員 そういう意味では、私は、やはりこの株の全体的なリストの名前を出してもらわなければならない、こういうふうに思っております。  さらに、楢崎氏の告発の関係でありますが、松原前室長と証人は一切この件について関係がないというようなことを言っておられたようでありますが、間違いございませんか。
  198. 江副浩正

    江副証人 間違いございません。
  199. 神田厚

    ○神田委員 そうすると、松原前室長から電話なりあるいは文書なり、一切の連絡がないということですか。
  200. 江副浩正

    江副証人 その当時も私は入院いたしておりまして、社内からの電話も、先ほど申しましたように、社長も含めてもうほとんど電話もかかってこない、社業を忘れると申しますとあれでございますが、関与しておりませんので、電話も手紙ももちろん一切連絡はございませんでした。
  201. 神田厚

    ○神田委員 証人は、安定株主になってもらうためにと言って株を分けたようでありますが、公開後大部分の人が売却をしているということで、その点について何かそういうふうな、暗黙のうちに、公開売却すればもうかるぞというようなことがあったのではないですか。
  202. 江副浩正

    江副証人 実はそのちょうど株式を上場する前後というのは、狂乱地価高騰、狂乱的とも言える地価高騰の時期でございましたし、また、株式も非常に急激な勢いで上がっている時期でございまして、当時、八月から九月にかけて類似業種方式で算定した株価が三千百二十円でございます。それを三千円とみなして売買したわけでございますが、その後予想以上に株価が高騰いたしまして、これは入札方式でございますから、私どもとしては思いもかけぬ分売価格になりまして、また、上場直後にも大幅な値上がりをしたということで、そんな関係で、私どもとしては率直に申し上げましてもう少し持っていただく方が多いと思っておりましたところ、意外にすぐに売られた方が大勢おられて、私どもとしては当初の意図からかなり離れた結果になったと、そんなことでございます。
  203. 神田厚

    ○神田委員 最後に、江副証人に心境をお聞きしますが、これは非常に社会的に大変な問題になりました。政治が非常に腐敗しているという状況をまざまざと見せつけたわけでありますが、これは、えさを見せたらばハイエナが群がってきた、こういうふうに今証人は考えているのか、あるいはえさをハトにまいた、ハトにえさをまいたというような心境なのか、どちらか。どうでありますか。
  204. 江副浩正

    江副証人 いずれの心境でもございませんで、こういう事態が大変に大きく報道され、また率直に申し上げまして、お名前の挙がった方と申しましょうか、お名前の挙がった方と申すよりも、お名前の挙がった方すべてでございますが、ここに公開されている方々の中でそのリストの中に載っていらっしゃる方々に対して大変な御迷惑をおかけした、中には国会、代議士で辞任をされた方もいらっしゃる。そういう意味では、非常に議会、代議士の名誉を傷つけ、また議会に対しても大変に不信感を与えたという点で、大変申しわけないことと思っている次第でございます。  また、重ねて申し上げれば、この国会は税制国会、税制論議が非常に重要な課題である。会期の大幅な延長があったにもかかわらず、リクルート問題に大幅に終始したということについてはその責任を強く感じているところでございます。本席をかりて深く心よりおわび申し上げる次第でございます。申しわけございませんでした。
  205. 神田厚

    ○神田委員 終わります。
  206. 原田憲

  207. 東中光雄

    東中委員 先ほどの御証言の中で、リクルート関係、この特別委員会へリクルート二社から回答をされたことについて、ここに書いておる以外には政官界関係者はございません、こういうふうに言われました。あなたの言われておる政官界関係者というのは、どういう人を、どういう範囲のことを言うのか、明らかにしていただきたい。
  208. 江副浩正

    江副証人 国会議員、それからその秘書の方方、それから国家公務員あるいは地方公務員、そういった方々でございます。
  209. 東中光雄

    東中委員 実際はあなたの今言われた範囲だと、このリスト自体とも矛盾をします。このリストの中には、市会議員というのは二人、括弧づきで書いておって、名前が出されておりません。地方公務員でしょう。そういう問題があります。そして、両社から言っておる回答書によりますと、「政治家または官界関係者及びその秘書、縁戚者、」というのは親類じゃなくてうんと広いですね、「縁戚者、知人等関係者」。だから政治家の知人であっても関係者の中に入る、そういうものはこれ以外にないんだ、こう言うているのです。しかし、早坂さんが出てきた。あなたがここで証言されておるのは、政治家の知人の関係者もここに書いてあるリスト以外には一切いないというふうに宣誓の上、証言されるのですか。
  210. 江副浩正

    江副証人 知人も入っておりますでしょうか。ちょっと、私が実は病院におりまして、その書類のやりとりは全く承知しておりませんので、政治家に知人のいらっしゃる方は恐らく民間人の方にもいらっしゃるのではないかという不安を先ほどから感じたのでございますが、知人も含まれているのでございますか。
  211. 東中光雄

    東中委員 そういうことはごまかしてはいかぬですよ。あなたの方の回答書にそう書いているのですよと。そう書いている。政官界関係者は一切含まれていない、「縁戚者、知人等関係者などを、」その後に書いてあるじゃないですか。そういう点については、あなたはそういうことをはっきりしないままでそういう言葉を使っておられるというのは、非常に無責任な答弁だと言わざるを得ないということを申し上げておきます。  そして、そのほかの人は、名前を言うと迷惑がかかるからとおっしゃいました。しかし、皆さん考えてほしいのですが、江副さんが迷惑をかけるというのは、その個人ですね。今、国会がこうしてあなたに出てきてもらって、そしてお聞きしているのは、政治の清潔を保つ、そういう点で国民が非常な関心を持っているわけですから、社会全体のために清潔を求める国民の声というのは非常に大きいのですから、だからそれをぜひ明らかにすべきじゃないですか。個人的な考えで、個人的な感情で、迷惑をかけるのは忍びないからというて言わないというのは、それは先ほど来言われておりますように証言拒否になる。ぜひあなたの立場でその内容を明らかにしていただきたい。どうでしょう。
  212. 江副浩正

    江副証人 ちょっと気になりましたが、「知人」と書いてあるのでございましょうか、文書には。(東中委員「次の質問に答えて」と呼ぶ)
  213. 原田憲

    原田委員長 答弁。
  214. 江副浩正

    江副証人 失礼いたします。申しわけございません。  今の御質問にお答えさせていただきますが、私が実はそれを作成したものではございませんので、きょう初めて聞くわけでございますけれども、いずれにしろ、他の人たちのお名前をという先ほど来各党の方々からのお話でございますけれども、率直に申し上げまして、お名前を全部私どもの側から出すということは到底できないことでございまして、先般私どもが、私が入院しております病院においでいただいたときも申し上げられないと、こう述べさせていただいておるわけでございますが、これ以上の御迷惑を上塗りすることはもう私は生きていけないと、そんな気持ちでいるわけでございまして、どうかその点については御容赦いただくように、もう本当に重ねてでありますが、お願い申し上げる次第でございます。申しわけございません。
  215. 東中光雄

    東中委員 これは証言拒否であると同時に、個人的な気持ちでそういうことを言われておるというのは、それくらいぐあいの悪いことであったということを間接的に認めておることだと思います。  次に進みます。  この名簿は、あなた自身が中心的に関与して数名で、基準はなかったが場当たり的につけた、こういうふうにおっしゃいました。この譲渡した名簿は、時期も大分違う時期もあるわけですが、それは全部あなたが中心的に関与してそれぞれの名簿を決めたんだということでございますね。
  216. 江副浩正

    江副証人 リクルートリクルートコスモスに分かれておりまして、リクルートの側では私が中心的で、私以外の役員あるいは秘書も関与して決めたことでございますが、リクルートコスモスについてもまたそれぞれに役員が決めておりまして、私が中心的ではございましたが、私がすべての中心ではなくて、私の知らない方で譲渡された方も大勢いらっしゃることをつけ加えさせていただきます。
  217. 東中光雄

    東中委員 多くの信頼できる方に株式をもらっていただきたいという観点から決めた。そこで、あなたは政治家の秘書や家族の方は存じ上げておりません、こういうふうに言われておったわけですが、このリストでは、明らかにされた分で言えば、当時の中曽根首相がリストに挙がって、そして中曽根首相の秘書であった太田英子さん、上和田義彦さん、筑比地康夫さんというふうに、その人たちを介して中曽根さんに渡そうというリストアップをされたのか、中曽根さんとは関係ない、有力な人は、多くの信頼ができる人はこの秘書なんだ、中曽根さんじゃないんだ、こういうことで決定されたんですか。  竹下さんについて言えば、現総理大臣です。もう竹下さんじゃなくて秘書の青木さんの名前が出、縁戚者の福田さんの名前がリストアップされたんでしょう。それは竹下さんをリストアップしたのじゃなくて、竹下さんにこの二人を通じてということでリストアップしたのか、竹下さんはもうだめなんだ、この二人が有力な多くの信頼できる方に入るのだということで選択されたのですか、どちらでしょう。
  218. 江副浩正

    江副証人 中曽根総理に私がお話を、私並びに私ども関係者がお話をしたことは一度もございませんで、当初から上和田秘書官、筑比地秘書官、太田英子さんに直接お話をさせていただいたものであり、最初から秘書官という認識を持って、現実に秘書官と受け渡しをさせていただいております。  また、竹下総理の分につきましては、竹下総理とは恐らく御存じない世界だと思うのでございますが、青木伊平さんと、もう秘書官でもございませんけれども、青木事務所の青木伊平さんとお話をさせていただいた、こういうことでございます。
  219. 原田憲

    原田委員長 持ち時間が終了しました。
  220. 東中光雄

    東中委員 終わります。
  221. 原田憲

    原田委員長 以上をもちまして、江副証人に対する尋問は終了いたしました。証人江副浩正君にはご苦労さまでした。御退席くださって結構でございます。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五分休憩      ────◇─────     午後一時開議
  222. 原田憲

    原田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  リクルート問題等に関する件について、高石邦男君より証言を求めることにいたします。  証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によって、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときであります。また、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときにも証言を拒むことができることになっております。  証人が正当な理由がなく宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  一応このことを御承知おき願いたいと存じます。  なお、今回の証人喚問についての理事申し合わせ事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。  その第一は、証人随伴者助言を求めることが許される場合であります。  すなわち、証言は、証人がみずから知り得た事実を証人自身の記憶により申し述べるのが原則でありますが、証言を求められている事柄が議院証言法証言を拒否することが認められている事項に該当するかどうか確認しようとするとき、その他委員長がこれを中心として判断し、許可を与えるのを相当としたものについては、証人随伴者助言を求めることができます。  これらの助言は、いずれもその都度証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  その第二は、資料についてであります。  証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。  その第三として、証人メモをとることは認められておりません。  その第四は、随伴者についてであります。  随伴者は、発言することはできませんが、メモをとることは許されます。  また、随伴者は、証人委員長許可を得て助言を求めた場合は助言することができますが、自分の方から証人に対して助言することはできないことになっております。  以上の点を十分御承知おきください。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることといたします。全員起立を願います。     〔総員起立
  223. 原田憲

    原田委員長 これより高石邦男君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。  それでは、高石邦男君、宣誓書を朗読してください。
  224. 高石邦男

    高石証人      宣 誓 書  良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います
  225. 原田憲

    原田委員長 宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  226. 原田憲

    原田委員長 御着席を願います。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。  なお、こちらから質問をしているときは着席のままで結構でございますが、御発言の際は起立して発言をしてください。  なお、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないように特に御協力をお願い申し上げます。     ─────────────
  227. 原田憲

    原田委員長 これより証人に対し証言を求めます。  まず、委員長より所要の事項についてお尋ねをして、その後、委員各位の御発言を願うことといたします。  あなたは高石邦男君ですか。
  228. 高石邦男

    高石証人 はい、高石邦男でございます。
  229. 原田憲

    原田委員長 生年月日住所職業を述べてください。
  230. 高石邦男

    高石証人 生年月日は、昭和五年三月三日生まれでございます。  住所は、福岡県山門郡三橋町垂見千三百四十六の一でございます。  職業は、現在ありません。
  231. 原田憲

    原田委員長 あなたは、去る十八日記者会見において、あなたと奥様が相談の上リクルートコスモスの株一万株を購入された旨発表されましたが、この話はどなたからありましたか。株式購入金額は幾らでしたか。また、購入資金の融資は、どこからどのようにして幾ら受けましたか。
  232. 高石邦男

    高石証人 リクルートコスモス株購入について私に直接話を持ってこられたのは、ファーストファイナンス社の小林社長でございます。そのときに、一株三千円で一万株の購入の御希望があればお世話ができますという話を持ってこられたのでございます。  私はその話を初めて直接そのときにお伺いいたしまして、三千円で一万株ということになると三千万の資金が要りますので、そのとき私は、それだけの資金の準備をすることは容易でないというふうに思って、その旨を小林さんに申し上げたのでございます。小林さんは、もし御希望であればファーストファイナンス社の方から融資は可能でございます、そういうお話でございました。  私は、しかし株は今まで全くやったことがございませんでしたので、かなりの金額になるし、融資を受けるということもあるので、私一存で決めかねますので、その場は一たんお帰りになっていただいて、家に帰って家内と相談をして決めたわけでございます。そして、株を購入することを決心し、融資を受けることを決心したのでございます。
  233. 原田憲

    原田委員長 購入した株は売却しましたか。売却したとすれば売却益は幾らでしたか。
  234. 高石邦男

    高石証人 一万株購入いたしましたうち、六千株を処分したのでございます。それは借金の支払いに必要な金額として処分をいたしまして、あと四千株は現在も保有をしております。
  235. 原田憲

    原田委員長 あなたが江副氏と知り合ったのはいつですか。  また、あなたが初等中等教育局長及び文部事務次官時代に、江副氏は教育課程審議会委員と大学審議会委員に就任しているが、それらの審議会委員に就任するに至った経緯について説明してください。
  236. 高石邦男

    高石証人 江副さんとはもう十年来の友達でございます。仕事の上のおつき合いというよりも、個人的なおつき合いをずっとしておりまして、私の子供たちの結婚式にも出ていただいたような状況でございます。  江副さんの教育課程審議会委員の就任でございますが、今回の教育課程審議会は、臨時教育審議会の中間答申を受けて、二十一世紀を展望した教育内容の改定をしていかなければならないということから、幅広い人選をして進めていくことが基本的に必要である、こういうふうに認識をしていたのでございます。  ただ、教育課程審議会で審議する事項は幼稚園から高等学校までの幅広い内容に及びますし、それから各教科、それから体育、保健に及ぶ、いわば関係する課は非常に多く、また初中局だけではなくして、体育局の課の所管事項にも及ぶわけでございます。  そこで、これは通常のやり方でございますが、委員選任する場合に、各課がそれぞれの観点からまずリストアップをするわけでございます。そして、そのリストアップをした中から、それを主管している、この場合は小学校課でございますが、小学校課が、発令する人数に見合う人に絞っていくわけでございます。で、その絞ってきた内容を私のところに持ってきて了解を得るという手順になっているわけでございます。  そういう形で、各課のリストアップの段階、それから調整の段階から、江副さんの名前は、後で伺ったわけでございますが、入っていたと、そして私のところに持ってこられた場合もその中に入っていたという形で、教育課程審議会の委員の就任が行われたわけでございます。
  237. 原田憲

    原田委員長 大学審議会……。
  238. 高石邦男

    高石証人 大学審議会につきましては、これは高等教育局の所管でございまして、すべての人選、交渉は、すべて局レベルで処理されておりました。それを決裁の形で持ってくるわけでございますが、それに決裁をしたわけでございます。
  239. 原田憲

    原田委員長 次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。山花貞夫君。
  240. 山花貞夫

    山花委員 証人は、ただいま無職とおっしゃいましたけれども、次官をやめた後、次期衆議院選挙立候補の準備のための活動をしているのではありませんか。
  241. 高石邦男

    高石証人 それはそのとおりでございます。
  242. 山花貞夫

    山花委員 これまで立候補の意思については変わりないと地元の記者会見などでおっしゃっていましたけれども、現在でもそのお気持ちはお変わりありませんか。
  243. 高石邦男

    高石証人 現在もその気持ちは変わっておりません。
  244. 山花貞夫

    山花委員 先ほどのお話で、ファーストファイナンスの社長から話があったとおっしゃいましたけれども、株はファーストファイナンスの株ではなかったわけでして、リクルートコスモスの株である。ということですと、ファーストファイナンスの社長は名義人でもない、株を保管しているわけでもない。一体なぜファーストファイナンスの社長から話があったのかということについては、当時疑問はお感じになりませんでしたか。
  245. 高石邦男

    高石証人 ファーストファイナンスがリクルート関係の関連会社であるということは承知していたのでございます。
  246. 山花貞夫

    山花委員 その話があった時期は一体いつごろでしたでしょうか。そして、話があった場所はどこでしょうか。同時に、お金を借りるのですと町中では担保を出さなければいけないわけですけれども、担保その他の提供はいたしましたか。
  247. 高石邦男

    高石証人 時期は、六十一年の九月ごろであったと思います。場所は、最初に小林さんとお目にかかったのは役所の事務次官室でございます。  それと何……(山花委員「担保」と呼ぶ)担保につきましては、これは後ではっきり確認ができたわけでございますが、一万株の株券が担保になっていたようでございます。
  248. 山花貞夫

    山花委員 午前中の江副前会長のお話によりますと、大勢の皆さんに持ってもらいたかったんだけれども、案外早く皆さんが売ってしまったということをおっしゃいました。この株については、公開したならば値段が上がる、上がったならば売れば利益が上がる、そういった説明は初めからあったのでしょうか。
  249. 高石邦男

    高石証人 そういう説明は聞いておりません。
  250. 山花貞夫

    山花委員 九月と言いましたけれども、九月の上、中、下旬、いつごろでしょうか。そして、株の売買、九月の末、三十日だったと思うのですけれども、何回か話があったのですか、それとも一回の話でオーケーということになったのでしょうか。
  251. 高石邦男

    高石証人 はっきりした日にちは覚えておりませんが、多分九月の下旬、中旬か下旬ではなかったろうかというふうに思っております。
  252. 山花貞夫

    山花委員 中旬、下旬として、契約書をお書きになった時期なんですけれども、これは、これまでの記録によりますと九月三十日ということになっておる。契約書をお書きになったのは、さっきのこの話があったときとは別だと思いますけれども、別かどうか、そして別だとするならば、契約書をお書きになったのは、場所はどちらでしょうか。
  253. 高石邦男

    高石証人 契約書、必要な関係書類を作成したのは、自宅に帰って家内と相談をして書いたのでございます。
  254. 山花貞夫

    山花委員 なお、そうやって書いた後、株券については手元に来ましたか、それとも全く見ることがありませんでしたか。
  255. 高石邦男

    高石証人 株券については、関係の書類を提出した後、処分をした残りの株を届けられたわけでございますが、それまでは見ておりません。
  256. 山花貞夫

    山花委員 そういたしますと、売却をするまで、あなたが例えば自分で証券会社に足を運んで売却方を依頼する、幾らになったら売ってもらいたい、こういうような具体的な株を売るための努力をされたというようなことがありましたでしょうか。
  257. 高石邦男

    高石証人 私、先ほど申し上げましたように、融資を受けておりましたので、できるだけ早くその借金は返していかなきゃならないというのが気持ちの中にございました。それで、十一月の中旬、中ごろだったと思いますが、五千円強の株の価格になっているということを知りまして、そしたら早く処分をした方がいいと思いまして、私は小林さんに株の売却をしてほしいということを十一月の中旬に申し上げたわけであります。その際に、六千株ということを処分すれば借金の支払いができるということで、六千株の株の売却の依頼をしたわけでございます。
  258. 山花貞夫

    山花委員 要するに、大体伺いますと、初めの株の話から、売却をした、そして債務を弁済する、全体をファイナンスの社長が全部一任ということでやってくれた、こういうことですね。
  259. 高石邦男

    高石証人 一任と言えるかどうか、そこはよくわかりませんが、少なくともこの購入売却までは小林さんに直接折衝した以外はございません。
  260. 山花貞夫

    山花委員 その株の売買があった前後でありますけれども、先ほど委員長質問によりまして教育課程審議会委員及び大学審議会委員については説明されましたけれども、株を買う前、あなたが局長の時代、江副さんにつきまして大学入学者選抜方法の改善に関する会議、この委員に五十九年の四月になってもらった。もう一つは、あなたがその株を受け取った後ですけれども、第二国立劇場創設準備協議会の委員に六十二年の四月になっていただいた。文部省関係でこうした役職に江副さんが就任しているわけですけれども、そういう事実については御記憶ありますか。
  261. 高石邦男

    高石証人 当時は、そういう記憶はございません。と申しますのは、大学入試関係は高等教育局の一つの私的な協力者というか諮問委員会といいますか、そういう形で人選をされておりまして、当時は私は初等中等教育局長でございましたので、その人選は全く承知しておりませんでした。  それから第二国立劇場の件につきましても、これは文化庁の所管している事項でございまして、多分、想像でございますが、文化庁限りでそれらの手続はとられたというふうに思っておりますし、当時私は何らそのことについて承知しておりませんでした。
  262. 山花貞夫

    山花委員 知らないとおっしゃいましても、先ほども大学審議会委員につきましては局レベルの協議について上がったものについて決裁をしたと、こうおっしゃいました。次官の職務ということで考えますと、国家行政組織法によりまして、大臣を助けて省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督するという、そうした一般的な責任があるということであるとするならば、自分は具体的には知らないとしても、あなたの職務権限の範囲内のことだということについてはお認めになりますか。
  263. 高石邦男

    高石証人 大学入試のやつは高等教育局長限りで処理されて、私は次官ではなくして当時は初中局長でございましたので、関係はないと思っております。  それから第二国立劇場の件は、文化庁限りの決裁で、次官のところまで上がってきていないというふうに思っております。
  264. 山花貞夫

    山花委員 あなたのそうした仕事絡みのことで考えますと、初等教育局絡みにおきましては、中学校・高等学校進路指導の手引作成協力者会議、あるいは産業教育の改善に関する調査研究協力者会議、あるいは進路指導の総合的な実態に関する調査研究協力者会議、こうした懇談会などが文部省の初等中等局との関係で設置されておった。そして、そこにはリクルート会社の皆さんが、課長さんとか部次長さんたちでありますけれども、みんな入っておったということについては御記憶ありますか。
  265. 高石邦男

    高石証人 当時は、そういう認識はしておりませんでした。というのは、協力者会議というのは大体各課単位で人選が行われ委嘱をするという、いわば専門家の協力者会議というような形で処理されることが多いので、そういうことについて一一私が認識するような形での事務処理は行われていなかったのでございます。
  266. 山花貞夫

    山花委員 具体的な認識はさておいて、権限の範囲ということでは客観的な判断ができると思うのですけれども、実はそうしたことを考えますと、冒頭に江副リクルート前会長とは個人的なつき合いがあったということを強調されましたけれども、個人的なつき合いだけではなく、そうした役所との関係におきましても交渉があった、話し合うことがあったということではないでしょうか。
  267. 高石邦男

    高石証人 私は十年来江副さんとつき合ってきておりますが、仕事のことで江副さんと話をした記憶は一回もございません。また、江副さんが直接役所に訪れられて私のテーブルのところでお話をするというような機会は、この十年間一回もなかったと思っております。文部省自体がリクルート関係の、リクルート会社との仕事のかかわり合いというのはもうほとんどないと言っていいぐらいの認識でいたのでございます。
  268. 山花貞夫

    山花委員 さっき値上がりするという話は格段聞いてなかった、こういうお話でしたけれども、選挙の準備をされておる、お金もたくさん要る時期でしょう。もし損するということになりますと、借金とか利息を弁済しなければならぬ、株が下がったら大変だと、そんな心配は当時したのですか。
  269. 高石邦男

    高石証人 そういう心配も若干したのでございます。
  270. 山花貞夫

    山花委員 実は選挙の準備のためにあなたが地元にたくさん後援会をおつくりになった。時間の省略ということで私が読み上げてみますけれども、六月十三日筑後振興会、これは千代田区神田、七月五日福岡、高石邦男後援会、七月六日福岡、愛筑後援会、十月十日福岡、福岡高石会、十月十七日福岡、大牟田高石会、そして十月一日福岡、久留米高石会、十一月一日北九州高石会、こういうようにずっと政治団体が設立されておりますけれども、いわばこれは政治資金の受け皿的に我々は理解したのですけれども、大学関係者からあるいは文部省をやめた方などがこうした後援会の事務所に職員として出向しているというようなことはありませんか。それも過去においてなかったかどうか含めてお答えください。
  271. 高石邦男

    高石証人 私の事務所に来てもらっている人はいろいろな人がいらっしゃいますが、文部省を退職して来られた方もございます。
  272. 山花貞夫

    山花委員 詳しくはまた調べて、また別の機会にいたしますけれども、その他こうした政治団体に、あなたいろいろ面倒見たような大学その他から政治資金の寄附を受けている、あるいは顧問その他ということで、財産上有利な契約等を結んでいるということはありませんか。
  273. 高石邦男

    高石証人 各事務所のあるところに後援会をつくっておりまして、その後援会の経理事務については、私は残念ながら全く内容は承知しておりませんで、その事務所に任せっ放しでございます。
  274. 山花貞夫

    山花委員 自分で顧問契約したなんというケースはあるのじゃないですか。そういう事実については、これは後援会に任せているのじゃなくて、高石個人が顧問に就任して月額報酬幾らと、こうもらうのじゃないでしょうか。
  275. 高石邦男

    高石証人 北九州市にございます八幡大学というのがございますが、私は北九州市の教育長を四年やりました関係で、退官後いろいろ北九州関係の方々にもごあいさつに参りまして、八幡大学にもごあいさつに参ったのでございます。そのときに、これは多分八月だったんじゃないかなと思いますが、退官したのは六月十日でございますが、参りましたところ、大学の理事長からいろいろ今後お知恵をかしていただきたいということで顧問就任の話がございました。で、この顧問就任について私もお役に立つならばということで引き受けたのは事実でございます。
  276. 山花貞夫

    山花委員 報酬は月額三十万円でしたか。
  277. 高石邦男

    高石証人 報酬は三十万円ということでございました。
  278. 山花貞夫

    山花委員 もう一つ、財団法人生涯学習振興財団の関係につきまして、帝京大学から八億円のお金を受け取った、六億については七月の初旬である、二億については六月の中旬である、こういう新聞報道がありましたけれども、事実でしょうか。そして、六億円というのは、財団の定款を見ましたならば、それが基本財産ということになっております。二億円というのは一体何のお金でしょうか、御説明いただきたいと思います。
  279. 高石邦男

    高石証人 生涯学習振興財団は、まあ生涯教育というのはこれからの日本の新しい教育として非常に重要視されなければならないということで、文部省の機構改革等も行われたくらいでございます。したがって、民間におけるそうした振興するための財団とかそしてそういう会館とか、そういうものができ上がっていくというのは大変結構なことであるというふうに思っていたのでございます。したがいまして、帝京大学の方で、今大牟田に帝京短期大学というのがありますが、あそこがなかなか定員まで生徒の充足が難しいという状況もあり、もう少し地域全体にそのイメージアップも図っていかなきゃならぬし、地域の教育にお役に立つようなこともしていきたいというのを大学の方もかねがね考えていらっしゃったようでございます。そういうことから、生涯学習振興財団をつくるという話に大学側で方針が決められたのでございます。その方針について私も大変結構なことであるというふうに思ったのでございます。  その後退官を、六月十日に退官をした後、あなたが向こうに行かれるならばぜひ理事長に就任して生涯学習の振興のための事業を積極的に手伝ってほしいという要請がありましたので、私は快くその就任を受諾したのでございます。  なおその際、その財団に必要な資金は、トータルで八億の金が帝京大学から寄付されているわけでございます。で、そのうちの、その考え方でございますが、大体五億前後の金は、土地を買い、生涯学習センターをつくっていこう、それに必要な金が大体五億から六億ぐらいかかるであろう、そういう見通しでございました。そして、その財団を運用するのには、ある意味で運用資金が要るわけでございますので、あとの金を基金にしながら、その利息で運用のための金を生み出し、そして事業を展開していこうというような状況に考えて現在進められているわけでございます。という状況でございます。
  280. 原田憲

    原田委員長 持ち時間が終了いたしましたので……。  次に、草川昭三君。
  281. 草川昭三

    ○草川委員 公明党・国民会議の草川です。  江副氏が大学審議会の委員に選ばれたとき、あなたは株をもらいながら文部事務次官としてそれを認める判こ、今のお言葉でいうと決裁をされました。そのとき、あなたの心にいささかも戸惑いややましさはなかったのかどうか、お答え願いたい。
  282. 高石邦男

    高石証人 私は株をもらったのではなくして株の売買をしたというふうに、あくまで株の取引だというふうな認識でございましたので、全くそういうことについては疑問を持った覚えはございません。
  283. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、証人は長い間法律をつくっておみえになったから、このことはもう初歩的なこととしておわかりだと思いますけれども、大正七年と昭和十一年の大審院の判決以来、わいろの目的となるべきものとして確立された解釈に、金融の利益というものが含まれております。金を借りるというだけでもわいろの内容となり得る利益に当たるということは、あなたも御存じだと思うのです。当然でしょう。国民は、金さえ積めば政府の審議会委員になれるのではないだろうかという不信感を持っておるわけです。あなたのやった行為は職務を汚したことになるのではないかと思うのですが、どのようなお考えか、お伺いします。
  284. 高石邦男

    高石証人 その法律、判決がどういうものであるか全くわかりませんが、私はあくまで株の売買を個人の立場で行っただけでございまして、江副さんの委員の就任とは全く無関係なことであるというふうに思っておりますし、現在もそう信じております。
  285. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、どうして最初から記者会見であろうとどこであろうと私はしかじかかくかくだということをおっしゃらなかったのですか。
  286. 高石邦男

    高石証人 それは大変申しわけないことだと今思っておりますが、家内といろいろ相談をしていくプロセス、それから突然のマスコミからのお尋ね等々で心の整理がつかないまま、これは私の心の弱さからそういうことを申し上げた、非常に反省をしております。
  287. 草川昭三

    ○草川委員 反省では済まないことだと思います。  具体的に聞きますけれども、あなたに譲渡されたコスモス株は、先ほどファーストファイナンスだとこうおっしゃいましたが、いわゆる三起ルートから渡ったものでありますけれども、あなたは新倉計量器の新倉基成さんとは御面識がございますか。
  288. 高石邦男

    高石証人 全く面識はございません。
  289. 草川昭三

    ○草川委員 では、江副さんとの関係についてお伺いをしますが、十何年来のお友達だということは十分我々も承知をいたしております。そこで、せっかくこの株を譲渡された、こういうことですから、何らかの機会に江副さんにお礼の、感謝の意思を表明されたことはございますか。
  290. 高石邦男

    高石証人 全くございません。
  291. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、非公開株が公開直後に値下がりをしないということは、あなたはその株を受け取ったときに認識をされておったのではないでしょうか、お伺いをします。
  292. 高石邦男

    高石証人 私は、株のことは本当に無知に等しい状況でございまして、公開されている株か公開されていない株か、そういうこともわからないような人間でございましたので、そういう認識はございませんでした。
  293. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、どうして六千株の株を売られたのですか。そして、四千株をただいま持っておみえになるのですか。随分私はそれはお詳しい立場からの行動だと思うのですが。
  294. 高石邦男

    高石証人 私は借金をして株を買ったわけでございますから、この借金は早く返さなければならないというのがその借金をした以来の私の心でございました。そして十一月になって、何か公開されて五千円余りの値がついていると、そういう話を新聞でも見ましたので、これは早く処分した方がいいということで十一月の中旬に私が先ほど申し上げたような形で売却のお願いをしたのでございます。
  295. 草川昭三

    ○草川委員 今、先ほどの答弁で、あなたはリクルート社と文部省とのかかわり合いについてはないとおっしゃいましたね。ところが、私ども聞いておる範囲で、リクルートの本を見ますと、五十九年の六月二十五日と七月二日、森文部大臣が、一民間企業であるところのリクルートコスモスのシンポジウムに出てみえるんですよ、講師として。松永文部大臣は、六十年の七月十日に、同じようにこの講演会に出ておみえになる。これは私はリクルートの本からの抜粋ですがね。しかも、それぞれ臨教審と教育改革についてとかあるいは六月二十五日と七月二日の二回にわたってと、こういうような書き方をしておみえになります。中島文部大臣も、ことしの一月二十二日でしょう、出られて。一民間企業に文部大臣が出てごあいさつなされるというのは、あいさつではなくてシンポジウムに出るというのは、大変なことなんです、これは。あなたが知らないわけはないでしょう。だから、リクルートと文部省のかかわりがないと先ほどおっしゃったのは、私は証人証言に信頼性がないと思うのですよ。どうでしょう、この点は。お答え願いたい。
  296. 高石邦男

    高石証人 それぞれの大臣であった方々、大臣が、そういうところに行かれたかどうかは私は知りません。ただ、一般論で申し上げますと、大臣だけではなくして役人の場合もありますし、一般の国会議員の先生方もあると思いますが、いろいろな研修会で講師に来てほしいという依頼は通常よく行われることでありますので、リクルート関係のそういう講師に大臣のときに出られても、ひとつも不思議である、おかしいとは思っておりません。
  297. 草川昭三

    ○草川委員 大変時間が短いんですが、私はますます現在の証人の御答弁については不信感を持ちますし、信頼性がない、私はそう申し上げたいわけであります。  ついでながら、じゃ今度は、大臣が何をやられようと私は承知していないという無責任な答弁でございますが、あなたはリクルート社の何らかの関連する会議に出席をされ、謝礼を受け取られたか。そういう経験はございませんか。
  298. 高石邦男

    高石証人 もう十年ぐらい前に、研修会が行われて、その研修会に講師として招かれた記憶が一回あります。それ以外は、リクルート会議だとかそういうものには参った記憶は全くございません。
  299. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、最近、退官をされてから、リクルート社から政治献金を受け取られたことはございますか。
  300. 高石邦男

    高石証人 ございません。
  301. 草川昭三

    ○草川委員 では、総務庁が昭和六十一年の一月に専修学校の過大広告に対する指摘を行いました。これに対し文部省は同年三月に自主規制の指導指針をつくりましたが、あなたはこの時期に責任者であったわけでございますけれども、当然過大広告についてはリクルート社のさまざまな規制、注文があるわけでございますが、そのときに江副氏と何らかの話、交際はあったのかどうか、お伺いします。
  302. 高石邦男

    高石証人 その件については、記憶はありません。そして、江副さんと話したことはございません。
  303. 草川昭三

    ○草川委員 六十一年ですから、つい最近の話であります。しかもこの過大広告というのは大変な実は問題がありまして、証人は専修学校のグレードアップのことについては一貫してかなり力を入れておみえになります。事実、専修学校は七十万人の生徒をふやすようになりました。リクルートの雑誌はこのページ一ページ全国版で二千六百七十万の広告料を取ります。あるいは地域版では七百二十万、関東では千四百四十万の広告を取るわけであります。この広告について、文部行政が無関心であり得るはずがないと思うのですが、その点どうでしょう。
  304. 高石邦男

    高石証人 その件については、先ほど申し上げたように、私は全く知りません。
  305. 草川昭三

    ○草川委員 生徒に無料で情報誌を配布するといういわゆるリクルート商法については、教育の現場からかなり批判があったと聞きますけれども、あなたはそういう声を承知をしておみえになりますかどうか、お伺いをしたいと思います。
  306. 高石邦男

    高石証人 そういう具体的な話は、私は聞いた覚えは余りありません。
  307. 原田憲

    原田委員長 持ち時間が終了いたしました。  次に、阿部昭吾君。
  308. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 証人証言を求めたいと思いますが、小林社長がこの株のお話をしに来たということで、それは文部省の事務次官室ですね。
  309. 高石邦男

    高石証人 さようでございます。
  310. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 先ほど株券が担保であったというのが後でわかったということでありますが、三千万円のお金を借りるというのは、普通一般の社会では大変なことであります。株が必ず値上がるというふうに普通の一般の場合は限っておるわけではない。したがって、もし値が下がれば、担保としての値打ちは持たぬことになるわけです。  それから、小林社長の方のお金はファイナンスでお貸しをいたしますということなんでありますけれども、期限、借用の期限、あるいは融資でありますから利子、こういうことについては何かお話をされたのですか。
  311. 高石邦男

    高石証人 そういう詳しい、小林さんと最初にお目にかかったのは五、六分、十分なかったと思うんです、程度の話でございまして、関係の書類の説明とサインをする場所をいろいろお話ししていただいた程度で、今お話しになりました利子はどうだこうだという、そういう詳しい説明は聞いておりません。多分書類の中を見ればそういう内容が明らかになろうかと思います。
  312. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 今、六千株を売ってファイナンスの方に返済をした、四千株は持っております、売るに当たってのことにつきましては、何かいろいろな指示がだれかからあったのか、あるいはまた現在持っておるという四千株はだれの名義になっておるのか。
  313. 高石邦男

    高石証人 六千株の処分につきましては、私が、早く返済した方がいいということで、十一月の中旬に私の意思と判断で小林さんにその処理をしていただくように依頼をしたのでございます。  なお、四千株の株のいただいた名義人は、当時よく確認してどこの株であったかということを確認しないまま金庫に入れ込んでおりまして、当時どこの株であったかということは、当時はわかっていませんでした。
  314. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 先ほど江副証人は、みずから中心になって数名の幹部と協議をして、この株を譲渡する相手を選定をした、こう言っておるのであります。しかも、証人譲渡されたる株数というのは決して少ない株ではございません。したがって、先ほど、江副さんと株の話は何もしたことがない。恐らく、この株譲渡問題の後に、江副さんとあなたは何度もお会いしておるだろうと思うのであります。そのときにその株がリクルートコスモス、つまり江副さんの率いておる会社の株であることは、あなたも百も承知だったろうと思うのであります。普通の常識ならば、先ほど草川議員が言いましたように、いや、あの株がこうだったという話が話題になるのは当たり前だろうと思うのですね。全然そんなことはございませんでしたというのも私は非常に不自然だと思います。  それから、今六千株を売却をしたというのでありますけれども、この売却益の振り込みは、どこの銀行、だれの名義で振り込まれたか。
  315. 高石邦男

    高石証人 富士銀行の虎ノ門支店の私の口座に振り込まれました。
  316. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 あなたは先ほど、教育課程審議会の委員江副氏を任命したあるいは大学の審議会の委員に任命した、私は全然それは下から上がってきたものにめくら判を押しただけだ、こういう意味にとられる証言をされました。しかし、本来文部省の局長ないしは次官というのは、あなたのおっしゃるようなものとは違うんじゃないか、責任者の責任の所在というのは明瞭なものではないのかと私は思うのですが、職務権限についてあなたの見解をもう一度お聞かせをいただきたい。
  317. 高石邦男

    高石証人 教育課程審議会は、先ほども申し上げましたように、幼稚園から高等学校までの非常に幅の広い、しかも教育の内容を改定する作業であるということで、過去何回か審議会が開催されて委員の発令が行われておりますが、その場合も同様であったと思いますが、それぞれの各課が自分の分野の論議をしてもらうのにふさわしい人々をまずリストアップをして、そしてずっと人選を固めていくというのが役所における委員の人選の通常の形態でございまして、今回の教育課程審議会もそういう形でとり行われたのでございます。
  318. 原田憲

    原田委員長 持ち時間が終了いたしました。  次に、松本善明君。
  319. 松本善明

    松本(善)委員 先ほどここで江副さんが証言されまして、あなたに非公開株を渡して非常に申しわけないという趣旨の証言をしました。本当に江副さんから話ありませんでしたか。
  320. 高石邦男

    高石証人 事前にも事後にも株の問題について江副さんと話をしたことは一回もございません。
  321. 松本善明

    松本(善)委員 ここにファーストファイナンスの金銭消費貸借契約書があります。これはあなたの言うように株は預かることになっています。実際に一万株買って六千株を売って借金を返す、四千株を、残ったものを持ってきたというときに株を初めて見たという話でしたが、そうすると結局これは四千株、今の時価でも一千万ぐらいです、二千六百円ですからね。その株を譲渡されたというのと、もらったというのと同じだ、今もう新聞みんな書いています。これは庶民の言葉では汚職というふうに言うということまで書いています。あなたの弁解は、これはあくまで売買だった、株の売買だった、もらったのではないということが収賄でないということの唯一の弁解ですか。
  322. 高石邦男

    高石証人 当時の私がとり行ったのは株の売買行為としてとり行ったという認識は今も変わっておりません。
  323. 松本善明

    松本(善)委員 これは職務権限があるからはっきりしていると思うのですが、そのほか江副氏が大学審議会の委員に就任したときの状況をお聞きしますが、これはもう当然各大学の学長クラスが何人か選ばれると見られて、ある短大の学長が有力候補になると見られていた。これは大臣も大学改革だから短大が入っていた方がよいのじゃないかというふうに言われたのに、短大は余り関係がありませんと言って押し切った、あなたが押し切ったということが言われており、また、短大の学長が内定していたのに、あなたが官邸筋からの話で江副氏にかえてほしいと言ってかわったと証言する人もいると言われております。この事実はどうですか。
  324. 高石邦男

    高石証人 大学審議会の委員の発令につきましては、先ほど申し上げましたように、高等教育局が中心になって人選を進め交渉をしていくということをやっておりまして、私は具体的内容についてタッチしておりませんし、したがって短大云々の件、官邸筋から云々の件は、全く私にはございませんでした。
  325. 松本善明

    松本(善)委員 短大の学長が内定したということはありませんか。あなた、これは証言ですから、後からうそだということになれば問題になりますよ。
  326. 高石邦男

    高石証人 私は具体的な人選、交渉について全く直接タッチしておりませんので、そういうことは覚えて、記憶がございません。
  327. 松本善明

    松本(善)委員 記憶がないのか、それともそういうことはなかったというのか、どっちです。
  328. 高石邦男

    高石証人 私の知っている範囲内では、私が、そういうことはなかったというふうに思っております。
  329. 松本善明

    松本(善)委員 帝京大学と生涯学習振興財団のことが出ましたが、あなたの次官の在任中にこの生涯学習振興財団の設立準備が進められて、そして帝京大学から八億円の寄附を決めたということが帝京大学の秘書室長の秀野さんという人の話で報道をされていますし、それから生涯学習振興財団理事の一人は、次官室で、高石、あなたから、財団設立の話が持ちかけられたということも証言しているということであります。また、三橋の新開町長さんは、高石さんは文部省退官より大分以前からこの財団の設立、計画されていたようで、寄附の話も前々から決まっていたはずですというふうに語っているというふうに報道されています。いかがでしょう、事実は。
  330. 高石邦男

    高石証人 生涯学習のためのいろいろな事業を展開していくというのは非常に重要なことであるというのは、かねがね私も思っていたのでございます。また、帝京大学の学長も、総長も、そういう意識は共通に持っていらっしゃったと思います。ただ、具体的に私にその財団づくりの話が参りましたのは、向こうの理事会で正式の決定が行われた後に、私がまだ当時は次官に在任しておりましたときでございましたので、そういう話を私のところに話しに来られたわけでございます。私は、それは大変結構な構想ではないかということで、賛意を表したことは事実でございます。
  331. 松本善明

    松本(善)委員 あなたは、文部省の問い合わせにも三回いずれも事実がないと言って、それから後は奥さんが一存でやったというふうに言った。なぜ本当のことを言う気になったのか。これについては、十七日にある人と相談して決めたということであり、それは中曽根派の幹部だということも報道をされていますが、どうしてこの本当のことを言う気持ちになったのですか。
  332. 高石邦男

    高石証人 私の事件が新聞で報道されて以来、国会でも私を参考人とか証人でお呼びになるというのはしょっちゅう伝えられておりまして、私自身もいずれその場合は明確に事実を申し上げなければならないということはずっと思い続けていたわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、当初、私の心の整理がつかない、心の弱さから、そういう大きな騒ぎになっているので、そういうものからやっぱり逃避したいというような気持ちがあってそういうことを申し上げた。しかし、これはいずれ明白な事実が明らかになっていくことは必至であるということで、そういう状況を踏まえて共同記者会見で一回申し上げたわけでございますから、もう一回大きな報道はされるかもしれないけれども、共同記者会見の場で明確に申し上げる必要があるという決心をしたのでございます。その決心はだれからの指図でも相談でもございません。
  333. 原田憲

    原田委員長 持ち時間が終了いたしました。  以上をもちまして、高石証人に対する尋問は終了いたしました。  証人高石邦男君には御苦労さまでした。御退席くださって結構でございます。     ─────────────
  334. 原田憲

    原田委員長 次に、リクルート問題等に関する件につき、加藤孝君より証言を求めることにいたします。  証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によって、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときであります。また、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときにも証言を拒むことができることになっております。  証人が正当な理由がなく宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  一応このことを御承知おき願いたいと思います。  なお、今回の証人喚問についての理事申し合わせ事項については、証人には既に文書をもってお知らせしたとおりでありますが、この際、その主要な点について申し上げておきます。  その第一は、証人随伴者助言を求めることが許される場合であります。  すなわち、証言は、証人がみずから知り得た事実を証人自身の記憶により申し述べるのが原則でありますが、証言を求められている事柄が議院証言法証言を拒否することが認められている事項に該当するかどうか確認しようとするとき、その他委員長がこれを中心として判断し、許可を与えるのを相当としたものについては、証人随伴者助言を求めることができます。  これらの助言は、いずれもその都度証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  その第二は、資料についてであります。  証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。  その第三として、証人メモをとることは認められておりません。  その第四は、随伴者についてであります。  随伴者は、発言することはできませんが、メモをとることは許されます。  また、随伴者は、証人委員長許可を得て助言を求めた場合は助言することができますが、自分の方から証人に対し助言することはできないことになっております。  以上の点を十分御承知おきください。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることといたします。全員起立を願います。     〔総員起立
  335. 原田憲

    原田委員長 これより加藤孝君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。  それでは、加藤孝君、宣誓書を朗読してください。
  336. 加藤孝

    加藤証人      宣 誓 書  良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います
  337. 原田憲

    原田委員長 宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  338. 原田憲

    原田委員長 御着席を願います。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。  なお、こちらから質問をしているときは着席のままで結構でございますが、御発言の際は起立して発言をしてください。  なお、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。     ─────────────
  339. 原田憲

    原田委員長 これより証人に対して証言を求めます。  まず、委員長より所要の事項についてお尋ねをして、その後、委員各位の御発言を願うことといたします。  あなたは加藤孝君ですか。
  340. 加藤孝

    加藤証人 はい、加藤孝でございます。
  341. 原田憲

    原田委員長 生年月日住所職業を述べてください。
  342. 加藤孝

    加藤証人 昭和五年三月十二日生まれ、住所は横浜市金沢区釜利谷町千五百二十六の四十九番地、職業日本障害者雇用促進協会の会長をいたしております。
  343. 原田憲

    原田委員長 あなたは、リクルートコスモスの株を三千株譲り受けたと報ぜられているが、だれから譲り受けましたか。
  344. 加藤孝

    加藤証人 昭和六十一年の九月の中下旬ごろでございましたか、魚釣りの釣り仲間の元リクルート社員辰巳雅朗氏が、何かの会合で顔を合わせまして、そこで私に、実は今度、加藤さんもよく御存じの池田さんが社長をしておるリクルートコスモスという会社、これはリクルートの子会社なんだけれども、これの株を公開することになって、今各界の知名の方々、信頼を置ける方々にお願いしております、ついては加藤さんもぜひひとつお願いしますと、こういうようなお話がございました。  それで、私はこういう株のことについて非常に疎いものですから、これはもう、ゴルフ場が新規に会員を募集いたします際に、こういう知名の方々も会員になっていただいていますというようなことで、いわばゴルフ場に箔つけをするような形で勧誘をされるというようなことを聞いておりましたので、それと同様なものだろうと思いまして、そうかと、あの侍の池田さんが社長をやっておる会社が今度株の上場ということで旗上げをするんであれば一口乗ろうと、こういうような、一口協力しようと、こういうような気になりまして、それで私もいいですよと。  ただ、一株三千円ということであれば、これは私も大した金を持っておるわけではないので、最低の、ひとつ千株にしてくださいと、こういうようなことで申しましたところ、そうおっしゃらぬでと、せめて三千ぐらいというようなことでたって言われました。それに融資の道もあることですからと、こんなような話でございまして、結局三千株を引き受けをしたということでございます。  そして、その後何日か後に、九月の末ごろだったと思いますが、その辰巳氏のお使いという方が私のところへ来られまして、何通かの書類に、書類に鉛筆で囲いがしてございまして、そこへ住所、名前、押印をしてくれと、こんなようなことがございまして、そこでそういうことを、名前、住所を書きましたところ、そこで即座に三千株というものを渡されたということでございまして、その三千株を私は次官付の職員に後で手渡して保管してもらったと、こんなような形での経過で株の引き受けをしたと、こういうことでございます。
  345. 原田憲

    原田委員長 株式購入金額は幾らでしたか。また、購入資金の融資はどこからどのようにして幾ら受けましたか。簡明に答えてください。
  346. 加藤孝

    加藤証人 三千株につきまして融資を受けましたのは九百万ということでございまして、その九百方の借り入れの手続は、その先ほど申し上げました何通もの書類の中にやはりそのたぐいの書類があったのであろう、こんなふうに思っております。その金額トータルは、一株三千円ということで購入金額はトータル九百万、こういうことでございます。
  347. 原田憲

    原田委員長 購入した株は売却しましたか。売却したとすれば、売却益は幾らでしたか。
  348. 加藤孝

    加藤証人 その後、私もこういう問題になりまして銀行の私の口座で調べたあれでございますが、十一月の十日に千五百九十万円余が売りました山一証券から入金をいたしておりまして、そうして、そこから借り入れました九百万プラス利子の約七万、九百七万を借入先に同じく口座から返却をいたしておりまして、利益金といたしましては約六百九十万円余というような経過でございます。  非常にこういう一連の軽率な行為によりまして世間をお騒がせし、また国会あるいは政府、労働省の皆様方に大変な御迷惑をおかけいたしましたことを本当に申しわけなく思っておるところでございます。
  349. 原田憲

    原田委員長 あなたが職業安定局長時代の六十年二月に全国求人情報誌協会が設立されていますが、その設立の経緯について説明してください。
  350. 加藤孝

    加藤証人 昭和五十年代の後半から求人の雑誌等を中心にしまして、求人内容と実態との乖離がいろいろ社会問題化する、こういう中でこの広告、求人広告をより適正なものにどうしていくかというようなことが問題となりまして、私が就任いたします以前から自主的な、そういう各求人誌がこういう広告内容を掲載基準などをつくって規制していくというようなことを指導がされており、私もその指導をする中で、これは各誌ごとごとでそういうことをやるだけではだめだ、やはり求人誌業界全体が、ちょうど新聞が新聞広告審査協会というものをつくって規制をしておられるように、求人雑誌そのものもやはり同じような仕組みでこういう広告の審査機構あるいは倫理基準というようなものをつくってやることが必要である、こういうことで指導をいたしまして、その結果、この、まず求人の広告掲載基準が五十九年の十二月ごろにまとまり、そして六十年の二月だったかと思いますが、この求人誌業界におきましてまとまってこの求人誌協会というものが結成されて、求人内容の点検という仕組みが業界全体としてでき上がった、こういう経緯でございます。
  351. 原田憲

    原田委員長 あなたが職業安定局長時代、就職情報誌に関してトラブルがあったと報ぜられておりますが、この問題について省内ではどのような検討がなされ、どのように対処しましたか。本件についてリクルート社から陳情を受けたことはありませんか。  また、昭和六十年の職業安定法の改正は、企業側に有利な内容であったとされていますが、立案の経緯について説明してください。
  352. 加藤孝

    加藤証人 こういう求人、五十年代後半から始まりました求人をめぐるトラブルというものをどう対応していくかということで、いろいろ社会的にも、また国会でも問題にされたわけでございまして、これに対しては、まずはそういういわゆるインチキ広告というものを各社ごとにしっかり規制をしていく、是正していくというような形、そしてまた、先ほど申し上げましたように、業界全体としてそれを新聞広告でもやっておられるような仕組みでやっていく、こういう一つの大きな方向、それに加えまして、ちょうど五十八年半ばごろから労働者派遣法の検討に入りまして、派遣法で職業安定法を見直しをするという面がございましたので、職業安定法の見直しの際にこういう求人誌についての何らかの法的対応というものも検討しよう、こういうことで、いわば自主規制の大きな流れに法的なものが何か加えるものがないか、こういうようなことで検討作業が始まった。  こういう経緯の中で、結局法的──自主的点検、自主的な規制の方は求人誌協会という形でまとまり、法的な面では、いろいろ検討されたのですが、ずばり求人誌を規制する、こういう形はなかなか、言論、出版の自由であるとか、新聞広告に対する規制との並びの問題であるとか、あるいは臨調の規制緩和のむしろ大きな方向の中でいろいろなかなか難しい問題もあり、結局求人誌ではなくて求人者そのものに対して的確表示義務を法律で規制する、こんなような形で法律を立案、制定していただいた、こういう経緯でございます。  で、この過程におきまして、実は五十九年段階では私は雇用保険法の、やはりこれも大変な与野党対決法案で大変でございましたが、引き続いて今度五十九年のさらに後半からは労働者派遣法という、これまた大変な問題法案でございまして、そちらの方にほとんどかかり切り、没頭というようなことでございまして、職業安定法の検討の方は担当課長にほとんど一任しておったというようなこともございまして、実際にこの職業安定法の改正関係につきましては、私は実務的には結局検討結果を後で局議に上げてもらって了承した、こういうような経緯でございまして、具体的な指示とかタッチはしていないわけでございまして、この間私に対しては、少なくともリクルートから何らのこういう求人誌についての法的規制問題についての陳情なり要請というのは全くあっておりません。
  353. 原田憲

    原田委員長 次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。山花貞夫君。
  354. 山花貞夫

    山花委員 証人は、江副リクルート会長とはどういうおつき合いだったでしょうか。いつごろからどんなつき合いがあったかについて、できるだけ具体的にお話をしていただきたいと思います。
  355. 加藤孝

    加藤証人 求人誌そのものは、先ほど申し上げましたが、いろいろ職業安定局などでも問題があるということで関係をしておりまして、実際に江副さんと顔を合わせたのは七、八年ぐらい前からではないかと思いますが、やはり求人誌の問題あるいは大学の就職問題というようなことで顔を合わせたことはございますが、実際に江副さん個人と一対一でお話しするというような、そこまでの親しい関係では私はございません。
  356. 山花貞夫

    山花委員 新聞報道でも一対一という言葉を使われてまして、言葉のあやもあると思うのですけれども、大勢と一緒に会うということだけであって、一対一で会ったことはない、こういうお話だったんですが、これまでの間に、例えば江副さんと役所の皆さんと料亭で会食をしたというような、小グループで会ったという機会は幾らかあったんじゃないでしょうか。
  357. 加藤孝

    加藤証人 私が次官になりましたとき、新旧次官のあるいはそのとき交代いたしました局長レベルの方々と会食、それからまた退官いたしましたときのまた新旧の会食というような形のものがございました。
  358. 山花貞夫

    山花委員 そうした際の出席のメンバーというのは、役所の皆さんですと役職、どういう方がお出になっているわけですか。
  359. 加藤孝

    加藤証人 今の場合で言いますと、新旧次官と新旧局長と、こんなレベルでございます。
  360. 山花貞夫

    山花委員 時間がありませんので、若干職務権限に絞って伺いたいと思っているのですけれども、きょうもお話しの中で、実は就職情報誌等についての規制そして緩和の問題及び職安法の改正、とりわけ三十五条が問題となっているわけですけれども、そこについて御説明がありました。五十年代からずっと議論が起こっておった、そして五十八年の中ごろ、法的及び自主規制の問題について具体的な議論が始まったと説明されました。実はまさにその時代が、我々これまでの流れを拝見しますと、それまでは法的規制で労働省準備していたんだけれども、ちょうどあなたが労政局長になった五十八年中ごろ以降、とりわけ国会での附帯決議以降一挙に指導が強まりまして自主的な規制というものが実現した、こういうように理解しているところでございまして、その点について伺いたいと思います。  まず、質問にありました全国求人情報誌協会が設立された経緯、これは御説明によりますと、翌年の五十九年、その年の五十九年十二月に基準案ができて、六十年二月にこの協会ができた、こういうようなお話であったのですけれども、その前の段階、例えば五十九年、これは国会の後です、御記憶を喚起していただくために申し上げれば、その五月、七月の段階で、雇用保険法の改正附帯決議がありまして、「就職情報誌紙等の増加に伴う諸問題に対応するため必要な指導を強めること。」この直後から、すなわちその年の七月には、職業安定法研究会の報告書というのが出たり、あるいはその同じ月に求人広告研究会というものができまして、自主規制を行ったり、こういう経過があったことについては御記憶ですか。
  361. 加藤孝

    加藤証人 私は、基本的に、この自主規制の面での行政指導を進めていくという面と、それから職安法改正の際に法的に何らかの対応があるか、この二本立てで進んできたわけでございまして、実際の職安法の関係あるいはまた求人の関係は、私は具体的にはほとんどタッチをしていない。といいますのは、派遣法あるいは雇用保険法のいわば立案、制定の関係で走り回っておりまして、具体的な、そういう協会設立のための具体的なアクションというものについてはほとんどタッチしておらない、こういうことでございます。
  362. 山花貞夫

    山花委員 そのころの話でありますけれども、さっきもちょっと触れました、具体的に申し上げますと、リクルート江副前会長が代表だったと伝えられておりますけれども、五十九年八月八日、日本就職情報出版懇話会が「職業安定法の一部改正に関する要望書」、あて先は「労働省職業安定局長加藤孝殿」となっておりますけれども、こういう要望があったことについては御記憶でしょうか。
  363. 加藤孝

    加藤証人 私は、当時全くそういったものについての、見ておりませんし、報告ももらっておりません。といいますのは、担当課長にその辺は一任をして派遣法の方に没頭したというようなことでございます。
  364. 山花貞夫

    山花委員 これはしかし、あて先はあなたあての文書ですよ。全部こういう文書というのは、役所では下で握りつぶして局長のところまで行かないのですか。これが当たり前のあれですか、取り扱いですか。こういうものが出たら、今一番問題な、とりわけその前の国会で附帯決議まであった、そうした関連問題だとするならば、これを全く見たことがないというのは信用できないですね、局長あての職安法の一部改正について。  とりわけ、もう一遍中身を申し上げますと、「「届出制」など就職情報出版活動の規制につながる恐れのある内容を含んだ法改正」は決して行われることがないよう切に要望するというような江副さんたちの要望ですけれども、ここまで言って中身、あなたあての文書ですけれども、記憶喚起できませんか。
  365. 加藤孝

    加藤証人 当時、雇用保険法あるいは労働者派遣法の関係で、もうそういう求人誌関係は担当課長に一任しておりましたので、あて先は私あてになっていたようでございますが、まあ課レベルでその問題は対応していた、こういうことだそうでございます。  ただ一つ、ぜひここのところで……。
  366. 山花貞夫

    山花委員 委員長、次の質問
  367. 原田憲

    原田委員長 発言を早く。
  368. 加藤孝

    加藤証人 ちょっとお願いしたいのですが、私も何か、法律規制をやろうということで労働省がやっていたのを私が自主規制路線に切りかえたようなお話が最近になっていろいろありましたので、一体それはどういうことなのかということで、その担当者にぎりぎり私は確かめてみました。そうしましたら、その職安法大綱なるものが、実は当時、これは五十九年の十二月、一月ごろだそうでございますが、たたき台をつくるという中で、こういう職安法の体系の中で何とかこの求人誌を把握できないだろうかということで、把握のための届け出制のようなものをできないかという検討をした。ところが、職安法体系というのは、あれは昭和二十二年の古い体系だものですから、そういう届け出制についても皆立入検査あるいは業務停止、あるいはまた罰則つきのそういう規定になっておりまして、横並びでそういう職安法体系の中でのたたき台をつくった。しかし、実際にはこれはもう非常に難しい問題ということで、私の方には全く上がっていなかった、こういうような経過の中で、そういう今おっしゃるようなものが外部にたまたま漏れて騒ぎになったんだけれども、実際には、それは本気でそういったものを課で検討したりあるいは課の案にしたとかいう経過は全くないものでございまして、その辺は御理解いただきたいと思うわけでございます。
  369. 山花貞夫

    山花委員 今、実はあなたがお話しになった点についてきょうは一番ポイントとして伺いたかったところでありまして、今おっしゃったものについては私の手元にコピーがあるのですが、「職業安定法の一部を改正する法律案大綱」、中身については、「募集関係者に関する倫理規定等の創設」から始まるわけですけれども、「もっぱら労働者募集のための広告等の発行等を行おうとする者は、事前に届出なければならない」ということになり、かつ、こうした者に対して報告を求めたり事務所に立ち入ったりして検査をするということが中身になり、違反した場合には罰則つきであるといったような労働省内部の文書が実はあったわけであります。  この問題については、労働省に伺ってもこれは知らぬとこれまでお答えになっておった。したがって、最近の雑誌あるいは論文、研究会報告は全部この内容を引用して書かれておりますけれども、これはいわば幻の文書というように言われたわけでありまして、今あなたのお話によりますと、あなたは知らなかったけれども労働省の内部ではこれが検討されておったということですと、まさにこの中にある中身については規制であります。規制ということになってくると、国会の決議もあった、そしてこの年の春闘の際に総評がいろいろ要請を行った、とりわけ先ほど説明になりましたような全国一般の、東京一般という労働組合でありますけれども、「リクルート一一〇番」ということで何百件のトラブルについて整理をいたしまして労働省に対して申し入れを行った、一挙に規制が、機運が高まった、こういう時期にあなたが労政局長になっているわけでありまして、その前に規制問題についてあなたがこれをお認めになったということにつきましては、今後とも私たちとしてはこの規制の中身が一体どうだったかということについて引き続き検討させていただきたい、こういうように思いますけれども、ただそこで、あなたが労政局長になる前の、ずっと前になるかもしれませんけれども、この有料職業紹介につきましてはILO条約の批准という経過があった。これは御記憶ですか。
  370. 加藤孝

    加藤証人 有料職業紹介事業に関するILO条約の批准は承知しております。
  371. 山花貞夫

    山花委員 これはILO第九十六号条約、一九四九年の改正条約でありまして、日本の場合にはその第二条、各国は有料職業紹介所の漸進的廃止、全部やめろということ及び他の職業紹介所の規制を定める第二部の規定を受諾するのか、または有料職業紹介所の規制を定める第三部の規定を受諾するのか、その批准書中に明示しなければならないということになっていまして、日本はその第三部についてこの批准、承認を行っているところであります。そうしてこのILO条約の第一条を見ますと、有料職業紹介所の定義がなされています。そして、「もつぱら又は主として使用者と労働者との間をあつせんするため刊行される刊行物」がこれに該当するということになっている。すなわち、リクルートの就職情報誌などについては有料職業紹介所であるというのがILOの定義である。若干、したがって、中身について最近は記事を入れたりして調整を行っているようでありますけれども、ということになると、このILO条約の立場からするならば、労働省としては条約遵守の国内法の整備として、有料職業紹介についてはこの規制の問題について、監督の問題について手をつけなければならないというのがその三十一年条約締結、批准以降の流れだったんじゃないでしょうか。あなたが職安局長になる前の段階ではそうした流れがあったのではないでしょうか。その点について伺いたいと思います。
  372. 加藤孝

    加藤証人 そういう条約の趣旨に基づいて規制する方向というようなことの、条約に基づく根拠でそういうことを検討するということは私、承知しておりません。
  373. 山花貞夫

    山花委員 いや、局長だった方があるいは労働省にずっと生活されておった方が、しかも局長の所掌事務を見ればこうした就職情報誌問題については局の中のあなたの担当になっているわけですから、これは条約全く知らぬというのは全く信じられない話ですけれどもね。ILO条約規制、国内法遵守ならば、この国内法整備の方向がどうなるかということは当然議論さるべきであったし、あったはずである。したがって、あった中でこの「職業安定法の一部を改正する法律案大綱」というものが文書になって労働省の中で検討されておった、これがあなたが労政局長に就任する直前までの情勢であったんじゃないでしょうか。あなたが就任された後がらがらっと状況が変わりまして、今度は規制ではなくてずっと自主規制ということに変わったという流れだと思うのですけれども、最後に確認しておきますが、手元でごらんになっていただいておりませんけれども職業安定法の一部を改正する法律案大綱なるものについて内部で議論しておった、そこだけは間違いないですか。
  374. 加藤孝

    加藤証人 その大綱なるものを、私はつい最近そういうものがあるということを話として聞いたわけでございまして、それは当時、それじゃ一体どうしてこういうものがあるのかということで事情を担当者に聞きましたところ、そういう届け出制を設けた場合にどういう規定になるかというたたき台としてつくったものが、それが外へ漏れた、こういうことだそうでございまして、これは局内でもちろん全然検討したこともございませんし、課の中でもそれが本格的に議論されて課の意思としてもなったこともない、こういうふうに私は聞いております。
  375. 山花貞夫

    山花委員 当時は春闘の際、リクルート問題というのは間違った広告ということで、委員会だって国会だって繰り返し繰り返し議論され、それが附帯決議にまでなったんですから、そことかかわる問題について全く局長が知らなかったなんという話は我々は通用しないと思いますけれども、これは今後第三者の機関がその職務権限について判断されるということになると思います。  もう一つ、その法改正の一環として職安法の改正、三十五条ただし書きの問題につきまして、リクルートの場合には東京を中心として一万ヵ所ぐらいで雑誌を売っているわけです。そして、東京だけではなくて千葉、埼玉と大変通勤圏も広域になってきたということでこれは邪魔だった、こういうただし書きがあることについては今の業界については望ましいことではなかった、そこで望ましい方向に向かった、職安法三十五条がなくなりました、廃止されたということなんですけれども、この是非についてはいろいろ議論あると思いますけれども、三十五条ただし書きがなくなったことによって業界が大変助かったという事実についてはお認めになりますか。
  376. 加藤孝

    加藤証人 職安法の改正部分につきましては、担当の課に一任してやっておりましたので詳しい経過は承知いたしておりませんが、法案化いたしますときの基本的な考え方としては、この経済社会の近代化の流れ、そして臨調の規制緩和の路線の中で、いろいろ有料職業紹介事業関係、募集関係、あるいはまた労基法関係についての規制緩和をやったわけでございます。その規制緩和の一つとしてこの通報制も廃止をされ、また、直接募集についての許可制も届け出制に変わる、こういう一連の流れの中のものでございまして、それを規制緩和というものがひとしくいろいろ経済活動の面でプラスになるということでございまして、どこをねらってプラスにしたとかそういうようなものでは全くございません。
  377. 原田憲

    原田委員長 次に、橋本文彦君。
  378. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 あなたは先ほど、一連の行為については大変軽率だった、こういう発言がありました。これ以前に、発覚する前までは、やましいところはないが軽率だった、こういうことを再三述べておりました。現在でもやましいという気持ちはないんですか。
  379. 加藤孝

    加藤証人 私がこのたびこういうような軽率なことをしでかしまして、大変そういう面で国会あるいは政府、労働省、本当に迷惑かけたことはまことに、李下に冠を正さずという言葉にもありますように、まことにそういうことで身の不明を恥じ入っておるわけでございますが、少なくともそのゆえに何か特別に計らいをしたというようなことは一切私はない、そういう恥ずべき行為は全くないということでございます。
  380. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 当初一千株、後から三千株と直しましたね。これは、やましいところがあったから最初一千株というふうな虚偽を言ったんじゃありませんか。
  381. 加藤孝

    加藤証人 これはまあ最初にリストを、千株というリストを私見せられまして、最初ノーコメント、数字についてはノーコメント、その引き受けの内容はもう認めましたけれども、そう言っておりましたけれども、やはり千株を確認しろというような形の確認を求められる中で、なかなか、いや千株じゃなくて実は三千株というのがまことに言いにくくて、千株を認めた、こういうような形でございまして、特にやましいということではなくて、当時あれだけやはり、今日もそうでございますが、いろいろ騒ぎになっております中で、なかなかこう言いにくかった、こういうところでございます。
  382. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 では、辰巳雅朗さんからのお話の件ですが、各界の信頼のおける人にお願いしたい、加藤さんもぜひお願いしたい、こういう話がございました。そのときあなたは、各界の信頼のおける人とは一体どういう人だろうか、私を含めて例えばどんな人が名前が挙がっているのか言ってくれ、と言ったことはございますか。
  383. 加藤孝

    加藤証人 そういう具体的な確認はいたしておりません。そういうことは、具体的にだれがというようなことを、ほかの人の名前を聞いたことはございません。
  384. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 あなたは先ほど株には疎いと言いました。証券会社等を通じて株の取引をしたことはありますか。
  385. 加藤孝

    加藤証人 今から、昭和四十五年、約二十年ぐらい前に千株、日本経済の勉強のために買った、これは今日も持っております。それからまた、昭和五十九年に、五十九年ごろでございましたか、農村工業導入の模範工場に感激をいたしまして、その株が上場されましたときに千株買った、こういうのが私の株を買った経験でございます。
  386. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 それは当然あなたが自分のお金を出しまして買ったわけですね。今回のようにいわゆるファーストファイナンスから、いわゆる融資つきで買えるなんてことは、当然普通の感覚ではないわけでございます。どうしてこういう特別な利益を自分に与えてくれたのだろうか、辰巳さんに執拗に聞きましたか。
  387. 加藤孝

    加藤証人 まことにお恥ずかしいことですが、株のことはさっぱりそういう面で疎いものですから、数年前にゴルフ場の会員権を勧められましたときに、それを引き受けたときにやはり融資がつきましたので、株もそんなようなものかということで、すんなりあれでございます。
  388. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 その後、事務次官室で、あなたの労働省の事務次官室で手続が行われた、そして株券三千株を預かった、こうですね。
  389. 加藤孝

    加藤証人 株券三千株を私としてはその融資を受けて購入して、そして次官付の職員に保管をしていただいた、こういうことでございます。
  390. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 その株券は一千株券が三枚でしたか。
  391. 加藤孝

    加藤証人 そうでございます。
  392. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 その株券の裏書はどういう会社が書いてございましたか。
  393. 加藤孝

    加藤証人 株券について裏はちらっと見た程度で、余りどうも、何が具体的に書いてあったか全く記憶もございません。
  394. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 新聞の報道によりますと、一枚は片仮名の会社名義であった、もう二枚については漢字で、墨で書かれた会社名であったけれども、今覚えていない、こういう記述がありましたが、こういうことを言ったことがございますか。
  395. 加藤孝

    加藤証人 ちょっとニュアンスが違いまして、私が裏をちらっと見たときに、そういう墨の筆で、筆で書いたようなサインのものがありましたということを申し上げましたけれども、あとの二枚がどうとかそんなことは申しておりません。
  396. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 リクルートからいわゆるリストが提出されました。それはあなたも新聞等を通じて見たと思います。あなたに対しましては、一千株はドゥ・ベスト、二千株につきましてはビッグウエイ、こういうところから流れてきたというふうに言われております。あなたが先ほどちらっと見たその株券の裏に、今言ったドゥ・ベスト、ビッグウエイという名前はありましたか。記憶を喚起できませんか。
  397. 加藤孝

    加藤証人 何か非常に達筆な筆のお名前のようなものをちらっと思い出す程度でございまして、全くそれ以上思い出せません。
  398. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 あなたは六百九十万円の利益を受けた、こう言っております。私の方で株価の相場を調べた感覚では、十一月の十日前後五千五百十円、その前は五千四百円台を推移しております。したがいまして、いつ売却したかははっきりしておりませんけれども、単純計算しますと、少なくともファーストファイナンスに払う利息、それからいわゆる取引税を引いても、あなたの手元には七百万円を超える金額が入ってくるわけなんですけれども、六百九十万円、間違いございませんか。
  399. 加藤孝

    加藤証人 私のそのときの銀行の口座を見て申し上げておることでございまして、六百九十何万、こういうことでございます。
  400. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 ファーストファイナンスの利息は年利幾らでしたか。
  401. 加藤孝

    加藤証人 たしか七%と聞きました。
  402. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 あなたは五十八年七月に職業安定局長に就任いたしました。ちょうどこのときに、日本就職情報出版懇話会なるものが江副さんを代表として結成されました。このいわゆる江副さんを代表とする懇話会なるものの設立にあなたはアドバイスしておりませんか。
  403. 加藤孝

    加藤証人 そういうものにアドバイスした記憶は全くありません。
  404. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 あなたが局長に就任される以前から、今問題になりました幻のいわゆる職安法の一部改正の法律案大綱、これがございましたね。
  405. 加藤孝

    加藤証人 最近になってそういうものが五十九年の初めごろに課レベルの検討のたたき台としてあったということを知ったわけでございまして、局長時代には全くそういうものは承知しておりません。
  406. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 あなたは先ほど、私は基本的には自主規制だ、あとは職安法の改正を待つ、そういう法的な規制がある、こういうふうに思っておった。しかし、もしその話が本当であるならば、なぜこの情報出版懇話会なるものができまして、いわゆる法的規制反対というような強硬な運動が展開されたのでしょうか、疑問に思います。
  407. 加藤孝

    加藤証人 先ほどもお答えしましたように、そういう要望書が出ておることも全く当時私は知りませんでした。
  408. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 職業安定法研究会なるものの会は知っておりますか。
  409. 加藤孝

    加藤証人 それも最近になってそういうものが当時あった、そういう検討をする何か団体があったということを聞きました。
  410. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 昭和五十九年二月に財団法人雇用情報センターが設立されております。これにつきまして、あなたは新聞協会に足を運んでおりませんか。
  411. 加藤孝

    加藤証人 この雇用情報センター設立につきましては、非常に新聞協会の方からいろいろ厳しい御注文がございまして、課長あるいは審議官も何度も協会に足を運んでいろいろ御意見を賜るということでございまして、私も参りましていろいろ御意見を承り、最終的に文書にサインをしたということがございます。
  412. 橋本文彦

    ○橋本(文)委員 この雇用情報センターなるものは一億七千万円でできております。そのうちリクルート並びにリクルート関連会社が四千万円出資しております。要するに、当時職業安定局では就職情報誌業界をどうしようかというような状況の中で、こういう情報誌から多額の金を出させている。しかも、現在においてはこの雇用情報センターが労働省の天下り機関になっているではありませんか。
  413. 加藤孝

    加藤証人 この雇用情報センター設立の準備は相当前から行われておりまして、私が局長になりましたときには、いろいろ新聞協会等からの問題指摘の中で、とんざした状態の中でございました。私は、まあリクルートだけではなくて、もっとほかの就職情報誌も大きく結集する中で雇用情報センターをつくるべきではないか、こういうことでの根回しをいたしまして、この設立に持っていった、その間新聞協会ともいろいろ調整もやらせていただいた、こういうことでございます。
  414. 原田憲

    原田委員長 次に、川端達夫君。
  415. 川端達夫

    ○川端委員 加藤証人、よろしくお願いします。  先ほど委員長からの質問の御答弁の中で、株入手の経緯お話しになりましたけれども、そのときに、この株は必ずもうかるという種類のお話はございましたか。
  416. 加藤孝

    加藤証人 私の方から、これは少しは上がるのかいというふうに聞きましたら、上がると思いますよと、こういうようなお話でございましたけれども、株というのは人に勧めるときは、必ず上がるというふうに言うものだろうというぐらいに聞き逃しておったわけでございまして、ただ、当時非常に土地や家の関係が値上がりが激しゅうございましたので、マンションの関係の株ならば少しは上がるだろうと、損することはないだろうと、こんなようなぐらいの認識といいますか、思いはあったと思います。
  417. 川端達夫

    ○川端委員 先ほど二つ、三つの株の取引の経験がおありというお話だったということでは、いわゆる株の取引ということでは素人と言えるというふうに思いますが、そういう部分の方が、多少上がるだろうという今の御答弁のような不安な感じ、そしてみずからの判断の中で借金までしてお買いになった、普通に考えると非常に不安ではなかったかなというふうに思いますが、それほど、逆に言えば勧められたときの義理といいますかおつき合いというのは、そういうふうなことをお感じになったのでしょうか。
  418. 加藤孝

    加藤証人 先ほどもお答えいたしましたように、私は、池田社長という人が、昔まだ私が課長時代に、大学の就職案内を大幅に配るのをおくらせて青田買いに協力してくれたということがございまして、その池田社長がいよいよこの株の公開に踏み切ると、それにじゃ私も一口協力するかと、こういうような思いで、いいでしょうと、こういうことでございまして、ただ、まあさっき申し上げましたように、少しはまあもうかるだろうと、少しは、下がることはまあないだろうと、当時の地価の値上がり等の中から、そんな感じで引き受けたということでございます。
  419. 川端達夫

    ○川端委員 今のお話で、池田コスモスの社長も、まあいわゆるおつき合いとしては、お知り合いとしてはリクルート時代だったというふうにお伺いをしたのですが、そういう意味で、著名人などに株を持ってほしいんだというふうなお願いであったという部分の意思ですね、それはだれがそういう人に持ってほしいと思っておられるかというときに、池田さんのお名前が出ましたけれども江副さんは先ほどの証言でも、選定は私がした、そして、中心的に私が関与しました、こういうふうにおっしゃっているわけですけれども、そういう意味で、いろんなお話であなたに株主になっていただきたいというかなり熱心な御勧誘があったときに、江副さんのことを頭に浮かべられることはなかったでしょうか。
  420. 加藤孝

    加藤証人 私は辰巳、持ってきた、話を持ってきた辰巳さんが十年来の釣り友達と、釣り仲間というような関係でございまして、その人が頼むから、それじゃ引き受けるかということでございまして、むしろ、これはリクルートコスモスの池田さんの関係でむしろ来たのかなというようなむしろ感じでございました。
  421. 川端達夫

    ○川端委員 先ほど、ゴルフの会員権を買うときにも融資がついているものだからという御趣旨のことがありましたけれども、ゴルフの会員権を融資がついた場合、これは返済をしていくわけです。普通の場合は多分マル専手形等々でお金を毎月払っていく。そういう部分で、この融資を受けられたときに、返済をしていくということに関してはどういうお話であったのかあるいはどういうふうにお考えになったのかをお聞かせいただきたい。
  422. 加藤孝

    加藤証人 たしか一年間の間に返済する、こういうようなことであったかと思います。したがって、私としては、適当な時期にはやはり売って返済をするということをするようなたぐいのことはしなきゃいかぬ、こういう認識はございました。
  423. 川端達夫

    ○川端委員 ということは、手に入れられたときは一年以内に売る前提であったということ、月々に返済を分割してしていくというおつもりではなかったということですね。
  424. 加藤孝

    加藤証人 はい、そういうつもりではございませんでした。
  425. 川端達夫

    ○川端委員 それと、お売りになったとき、先ほどのお話で銀行通帳のことは伺ったのですけれども、どういうきっかけでお売りになったのか。先ほどのを聞いていますと、何か勝手に銀行にお金が入っていたようにしか経過が聞き取れなかったので、それはみずからが申し出たのかあるいはいつの間にか銀行に入っていたのか、そこら辺の経緯をお聞かせをいただきたいと思います。
  426. 加藤孝

    加藤証人 日経新聞を見まして、大変にもう上がっておるのでびっくりいたしまして、これはやはり適当なところで売って金も返さなきゃならぬな、こういうことで、私の次官付の職員に山一証券へ売りに、で売ってもらいました。それで山一証券から私の銀行口座に入った、こういうことでございます。
  427. 原田憲

    原田委員長 持ち時間は終わりました。
  428. 川端達夫

    ○川端委員 どうもありがとうございました。
  429. 原田憲

    原田委員長 次に、児玉健次君。
  430. 児玉健次

    児玉委員 証人は先ほど、九月末辰巳氏の使いが来たとき、三千株は次官室の職員に保管してもらった、そういうふうにおっしゃいました。私はここにリクルートコスモス株譲渡した際のファーストファイナンス株式会社代表取締役小林宏氏、金銭消費貸借契約書を持っております。今お話しになった返済の期限は九月三十日、六十二年九月三十日、これにこうなっています。その第二条に「乙は甲に対し、乙の甲に対する債務の履行を担保するため、株式会社リクルートコスモス株式○○株を本契約締結と同時に預けるものとする。」こうなっています。証人がおっしゃった、事務次官室の職員に頼んで保管してもらったというのは偽りではありませんか。
  431. 加藤孝

    加藤証人 私の場合には、そういう担保でとられるというようなことは別にございませんでしたので、私の手元といいますか、職員に預かってもらったということでございます。
  432. 児玉健次

    児玉委員 株券は預けなかったと。先ほど委員長質問に対してあなたは、何通かの書類に鉛筆で囲みがあったところに住所、氏名、捺印をした云々と言われている。そして、これにはこう書いてあるけれども、あなたは預けていない。何か担保を提供しましたか。
  433. 加藤孝

    加藤証人 特に担保を提供した記憶はありません。
  434. 児玉健次

    児玉委員 あなたが職安局長で、六十年六月に人材派遣法、職安法の改正などを実現されて、その直後に労政局長になられた。  証人は、昭和六十年十月二十七日、岩手県にあるリクルート関連会社が経営するゴルフ場に、一人当たり二十五万円という経費を要するリクルート社の招待によるゴルフツアーに参加されたと私たちは思っておりますが、その事実はありませんか。
  435. 加藤孝

    加藤証人 ゴルフ場のお披露目というのですか、開場の関係で何か非常に大勢呼ばれて、何か五十組ぐらいの皆さんが呼ばれたというような形で、そこに私も一緒に行ったという記憶がございます。
  436. 児玉健次

    児玉委員 あなたは、そのゴルフツアーに参加されたとき、旅費については一切お払いになっていませんね。
  437. 加藤孝

    加藤証人 そのときの旅費についてどうであったかは、記憶がどうもはっきりしません。
  438. 児玉健次

    児玉委員 記憶にあるとかないとか、これはもう記憶して当然のことですから、その点については真実を述べていただきたい、こう思います。答えてください。
  439. 加藤孝

    加藤証人 そのときの旅費がどうであったか、私は全くどうも今思い出せません。
  440. 児玉健次

    児玉委員 次の質問に移ります。  証人は、就職情報誌をめぐるトラブルに関連して、昭和五十九年四月十七日衆議院の社会労働委員会で、次のように答弁されている。「こういう情報誌に対しまして広告掲載基準というものをしっかり自主的につくって、そしてそれを自分自身で守っていただくような指導をしておるわけでございます」指導しておるわけでございます、その指導の対象には当然リクルート社も含まれていたと思いますが、確認できますね。
  441. 加藤孝

    加藤証人 就職指導、就職情報誌全体に対してやっておったことでございますので、当然リクルート社もそれは対象になっていたと思います。
  442. 児玉健次

    児玉委員 先ほどからの議論なんですが、職安法の一部を改正する法律案大綱、これは私たちも内容はよく承知しておりますが、あなたが答弁されたのは五十九年の四月十七日、この答弁を局長として作成する過程で、先ほどから言われているように全部課に任せていて私はあずかり知らぬということは、到底通用しませんよ。どうですか。
  443. 加藤孝

    加藤証人 私がその四月、五月の段階で国会でお答えいたしておりますのは、そういう掲載基準というようないわば審査基準的なモラルみたいなものはぜひ各情報誌でいろいろやってください、そういう指導をしておって、それを法律で書くというのはこれは容易じゃないんだという認識を申したのでありまして、そういう今お話が出ておりますような職安法大綱と言われるようなものを頭に置いての答弁ではございません。
  444. 児玉健次

    児玉委員 昭和五十四年十一月、第二次大平内閣が発足したとき、内閣官房に対して公務員の綱紀粛正について方針を出しております。そのとき証人は労働省職安局失業対策部長でした。その方針は、「公務員の関係業界等からの接待及び贈答品の受領は、国民の疑惑を招くことのないよう厳に慎しむ。」あなたは部長として部下にもその趣旨を徹底されたはずです。先ほどの二十五万円を要したゴルフツアー、そして株の譲渡、その機会にあなたが直面したとき、リクルートが「関係業界」そのものであったということをあなたは意識されて当然ですが、どうですか。
  445. 加藤孝

    加藤証人 リクルートの就職情報誌関係の問題については労働省もかかわりがあるわけでございまして、そういう意味では、襟を正さなければならぬところであったということは感じております。
  446. 原田憲

    原田委員長 以上をもちまして、加藤証人に対する尋問は終了いたしました。  証人加藤孝君には御苦労さまでした。御退席くださって結構でございます。  これにて本日の証人に対する議事は終了いたし ました。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時三分散会