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国務大臣(田村元君) 私はこの問題で実はいろいろと
考えてみたんです、やはりやらなきゃしようがないだろう、続けなきゃなるまいと。それは、エネルギー問題というのは中長期的に
考えなきゃならぬもの、特に長期的観点から見なきゃならぬものだと思います。石油の寿命というのは三十年とも言われ、四十年とも言われております。化石燃料として賦存量が多くて可採年数が石油に比べて百四十年程度も長いと言われておる石炭は、やはり重要なエネルギー資源であろうと思います。
我々は石油が無限にあれば別にどうということはないと思うんです。おっしゃるとおりだと思います。けれ
ども、今からもう目の前、三十年、四十年といえば目の前であります、もう終戦以来四十年以上たちました。そうでございますから、石油がなくなった場合のときどうするか。それは今からいろんな点で検討しなきゃならぬと思うんです。例えば内燃機関は液化が必要でございます。
我が国自身のエネルギー安定供給ということもあります。それから、世界のエネルギー問題の解決にも貢献しなきゃなりません。それは、
日本は資源はありませんけれ
ども技術は持っております。でございますから、この技術をもっともっと高めていかなければならないと思います。
それから、OPECの石油価格戦略を牽制する意味もございます。でございますから、例えば一番OPECからたくさん油を買っておる
日本が、もう油以外は手を出さないよ、石炭の液化もやめた、あるいはもう反対も多いから原子力発電もやめたと、もう石油だけにするよと言ったときにどうなるでありましょうか。そういう戦略も私はやっぱり要ると思うんです。
でございますから、これは長い目で見て、それはいろいろとあるでしょう、私は
専門家じゃありませんからわかりません。エネ
庁長官はいろいろと答えておりましたが、あえて一歩譲って私が安恒さんと同じ
考えの立場に立った場合でも、こういう将来を
考えるとき、しかも
日本は資源が何にもないんですから、やはり試行錯誤を重ねても私はこの技術開発はしなきゃならぬ。後世の我々の子供や孫のためにしてやっていかなきゃならぬ、私はそう思うんです。
私は同じ質問をエネ
庁長官にいたしました。石油だけに頼ってあと三、四十年だが、石炭の液化以外に何があるかねと。そうしたら、なかなかやっぱりいろんなものを研究してみなきゃわからぬのですね。でございますから、そこいらのことももう安恒さん十分御承知のところでございましょうが、まあ私はあなたの博学は昔からよく存じ上げておるのであれだが、そういうことも
考えていかなきゃならぬのじゃなかろうか。
大蔵省に対しては金がかかって申しわけありませんけれ
ども、三十年、四十年たって、もうストーブのなにもなくなったよ、内燃機関のもなくなったよ、電気ももう燃す物がなくなったよとなったら大変なことになりますから、これはやっぱり今から技術の蓄積、進歩を図っていかなきゃならぬと私は思います。