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青木茂君 やむを得ませんな。
私といたしましては、会長に三つのことを御提言並びに御警告を申し上げまして、終わります。
とにかく、
税制調査会の会長は取りまとめ役です。取りまとめ役の方が、幾らプライベートの場であるとはいえ、自分の意見をかなりエキセントリックな形でお述べになるということは、会全体が方向を喪失してしまう、かつて衆議院にも例がございましたけれ
ども。やはり取りまとめ役は余りおしゃべりになり過ぎない方がいいんじゃないかということ。
と申しますことは、税というものは納税者が、タックスペイヤーが喜んで出して初めて国家財政は成り立つわけなんだから、最大多数の納税者集団であるところの都市の人たち、これに対して余り刺激をしない方がいい。それをすると、政府税調のあれだけ立派な方があれだけ長い間の年月をかけて答申をしてくださったことに対して、私は国民が素直に受け入れない環境づくりになってしまうのではないかという危惧を持っておるということが第二点でございます。
第三点といたしましては、
小倉会長はいわゆる農林官僚として最高の地位に上がられまして、そして退官をされましてから政府の
税制調査会の会長として長い間御苦労を願った。もう税の権威者、税の神様ある意味においては税の世界における豊臣秀吉みたいなものですね。(「褒め過ぎだ」と呼ぶ者あり)いやいや、そんなことはない、本当にそう思っています。偉いですよ。しかしながら、豊臣秀吉は晩年我が子かわいさの余り全体を見失って、とうとう豊臣家を滅亡に追い込んだ、そういう歴史の教訓もございます。まさか
小倉さんがそういうふうにおなりになるとは考えておりませんけれ
ども、人はそういうふうに見ることもあるんだから、どうぞひとつ御自重と御自愛をお願い申し上げる次第でございます。
税調会長、お忙しいところをどうもありがとうございました。
実は、最後まで
小倉さんにおっていただきましてこの議論に参加をしていただきたいというつもりでおりましたけれ
ども、いろいろ御所用ということを承っておりましたからあの
程度でやめたんです。
そこで、クロヨンというようなものが一体あるのかないのか、これは税務当局がしっかり資料を出してくださらないと
計算できません。できませんから、在野においてはかなり乱暴な
計算でこれを立証するより仕方がないわけなんです。その乱暴な
計算の
一つといたしまして、私は国民
所得統計と税務統計と二つ比べてみたんです。もちろん統計の
目的、性格は皆違いますから一緒にはならぬことはわかっています。しかしながら、被写体は同じなんですね。国民
所得という被写体は同じなんです。だから、違ってもまさか小錦と寺尾みたいに違うわけはないんです。
そういう形で
計算をしてみましたら、例えばサラリーマンで見てみれば国民
所得統計は大体百五十七兆円ぐらいで出ます。これに対して税務統計は百五十兆円ぐらいで出ます、
所得金額は。これに対して農業の場合は、国民
所得統計は三兆四千五百五億、税務統計は七千一百八十三億、
事業所得は十六兆、それから税務統計が五兆です。こういうふうに出ます。ただ、農業、
事業所得については申告して
税金を納めている者、それだけの統計ですから、このままの比較はできません。例えば青色申告者で
税金を納めなくていいというのは半分なんです。二分の一なんです、無資格者は。だから便宜上掛ける二をやってみたらサラリーマンの場合とほぼ似た性格の数字が出るんじゃないか、こういうわけで、すべて農業の方、
事業所得の方に二を掛けてみて、そして国民
所得統計と税務統計と比較したらぴしゃりとクロヨンと出ます。そういう意味におきまして、全然ないということは言えないと思います。
片道で私ばかりしゃべっておったら演説になってしまいますが、いいですか、立ちっ放しで。