○木宮
和彦君 大変御
理解のある答弁でありがとうございます。
私も
文部省の資料をもとにしてちょっと計算はじきましたところが、やはり国立大学の場合には
生徒一人当たり、これは余り比較になりませんが、事務系の人間ですと大体十七・七人に一人なんです。私立大学の場合四十二・三人なんです。これは文科系と理科系で大分違うと思いますし、公立大学は二十三・三人です。ですから、そういうデータを見ても、事務系だけの人間だけを調べてみても国立大学が非常に私学の二・五倍くらいの事務員さんがいることになっているんです。これ必ずしも規模によって違いますから一概に言えない。これはトータルな話でございますから、これが真理だとは私決して思いませんけれ
ども、
一つを見てもこれはそういう意味でどこかにむだがあるんじゃないか。
あるいは非常勤の
先生に支払う時間給にいたしましても、
予算が余ればそれは後で再配分するような
措置をどうしてもとりたがる。とっているかどうか知りませんけれ
ども、講義したことにしてやるとか、あるいは単価を上げちゃうとかというような、別にそれはむだ遣いとは言いませんけれ
ども、もともとが少ないのだから当たり前だといえばそれまでですが、これだけ苦しい財政にもう
陥りつつあるんですから、やっぱりもう一回洗い直してみて、もう一度やっていただくということがこれから一番必要じゃないか。細かいことのようですが、民間企業で、変なことを言うようですが、少し苦しくなればもう電気
一つ一つオーナーは消していきますし、トイレットペーパーすら何となくあれするという、我々も私立
学校ですからけちな話ですけれ
ども、それに近いようなこと時々やりますけれ
ども、そういう心がけがこれからのやっぱり
文教政策の中にも私は必要じゃないか。これは私のひがみかもしれませんが、ひとつよろしくお願いいたします。
それで、今度は私学の財政と、それから
父兄の負担でございますが、これについていろいろ御
指摘もあると思いますけれ
ども、大体しかし今の私学の
生徒数、学生数を見ますと、大学で何と七三・三%が私学の受け持ちですね。それから、
高等学校では二八%を受け持っておりますし、幼稚園に至っては七五%を私学が受け持っておるわけですから、だから私立
学校というのは今さら無視できない段階に当然来ていると思うんです。にもかかわらずと言うと大変語弊がございますけれ
ども、大学だけをとってみましても、七三・三%に対して、じゃ幾ら金使って、無論補助金も入っています、月謝も入っています、それからその他すべてのもの入っていますが、私学の場合には使っている
教育費が全部で大体二兆円くらいなんですね。それでもって、ともかく百三十六万人の私学の学生さんがいるのに大体二兆ぐらい。国立大学の場合には、先ほど申し上げましたように残りの二六・七%ですから四分の一強でございますが、人間の数でいえば大体五十万人くらいだと思いますが、ですから、これどのくらい使っているかということを調べてみますと、大体一兆二千億くらいなんですね。単価同士で計算しますと、これは文科とか理科とか医学部があったりしますから一概には言えませんけれ
ども、決して私はこれで一緒でなくちゃいかぬなんて、そんなばかなことを言うつもりはさらさらございません。ただ
一つの遊びで言っているだけでございますが、国立大学の場合には年間一人当たり大体二百四十万。私立
学校の場合には百四十七万円くらいなんです、私の計算です。間違っていたらまた御
指摘いただきたいと思いますが、そういうわけで私立
学校はかなり国立に比べれば、学生一人当たりに対して大体百万円くらいダウンしている。それしか使っていない。にもかかわらず、補助金の方からいえば、大体私学の場合にはわずかに、わずかといったらいけませんけれ
ども、大変お世話になっているんですが、二千五百億弱。国立大学の方には一兆一千何百億という金になっております。
そういう意味で、ひがむわけじゃございませんが、庶子と嫡男みたいなもので、どうも何だか私学はめかけの子供みたいな気がしてならないんで、大変ひがむわけじゃございませんが、しかし国民には間違いないんでして、かつてはそれは国立
学校がすべてをリードしていたかもしれませんが、これからの世の中に、社会に貢献する度合いといえば私立
学校の役割というのは年々ふえるのであって、国
会議員でも早稲田だけで七十八人だ。この間新聞に出ていまして私覚えましたけれ
ども、総理
大臣も早稲田ならば文部
大臣も慶応でございますので、そういう意味からいうとやっぱり補助金を私はやみくもにふやせとは言いません。変なことを申し上げてまた怒られるかもしれませんが、補助金必ずしも多ければ多いというのは私は反対なんでして、補助金なんというものは一種のアヘンみたいなもので、麻薬みたいなもので、これを飲み出すとやめられないし、しかも、それだけならいいけれ
ども、だんだん在野精神がなくなって私学の存在価値がなくなっちゃうんで、私は必ずしも補助金がふえればそれでもっておめでたいとは全然思っていませんが、しかし現況から見ると、余りにも私学、まあ私学の中にはいいのも悪いのもあるから、悪いのはすぐ大蔵省がおっしゃいますけれ
ども、これはそういう意味では、やっぱり私学の功績なり、今後これ育成していくという哲学をもっと
文部省が今の段階で持つべきではないか。私の言うことは余り当てになりませんが、ぜひひとつその辺を
文部省は本当に、まま子扱いしませんとおっしゃるのか、いやそうは言ったって自分の子供はかわいいし、それだけで手いっぱいだから、そっちは自分でアルバイトして食っていけと、こうおっしゃるのか、的確には言えないかもしれませんが、ちらりちらりとその辺ひとつ本心をおっしゃっていただければ大変ありがたい、こう思うわけでございます。いかがでございましょうか。