○本村和喜君 私は、
大臣に三点ほど質問がございますが、
大臣が席を外されるようでございますので、お帰りになってから
大臣に対する質問は続けさせていただきたいと思います。
最近の我が国の
農林水産業をめぐる内外の情勢は極めて厳しいわけでございまして、解決を迫られている問題点が山積をいたしているわけでございます。そこで、
農業を初めとしまして、
林業、
水産業につきまして質問を続けてまいりたいと思います。
まず
農業についてでありますが、もう言うまでもなく、
農業は人間の生存にとって最も重要な物資である不可欠な食糧を国民に安定的に
供給する産業としての役割を持っておりますと同時に、自然環境の維持あるいは保全の公益的機能をも果たしているわけでございます。我が国の経済が今日目覚ましい発展を遂げております裏には、やはり
農村、
農業の下支えが非常に大きな力であったということは自明のことでありまして、私
どももよく理解をしているところでありますが、今日
農業にとって最も深刻な問題となっておりますのは、やはり
農産物の
市場開放問題であります。この問題につきましてはもう当
委員会におきましても同僚の
委員から幾多の
質疑がなされておりますけれ
ども、問題の
重要性から重複することをお許しを願いたいと思うわけであります。
さきのガットの理事会において、我が国は
農産物十二
品目について乳製品とでん粉を除いて
自由化することを受け入れることを表明したところでありますが、勧告を受け入れるに当たりまして、乳製品及びでん粉の二
品目のパネル解釈への疑義と国家貿易
品目への解釈の不当性を
指摘したところであります。今回のパネルの解釈に対する各国の対応を見ても、それぞれの抱えている
農業問題の複雑さを示す発言も見られたところでありまして、これに対する考え方、あるいは今後の対策についてお伺いをしたいのであります。また、勧告を受け入れました以上、
自由化する
農産物の国境調整措置をどうするのか、あるいは該当する
農産物の国際競争力をどのように高めてまいるのか。今後の最重要
課題となると思いますが、これに対する対応をお聞かせ願いたいと思うわけであります。
次に、第二点でございますが、このような
農産物の
市場開放の動きに対しまして、
農業の
生産性の
向上や
規模の
拡大等の
構造政策を推進することが今日ほど求められているときはないと思うわけでございまして、一昨年の十一月に
農政審から出ました「二十一世紀へ向けての
農政の
基本方向」について
答申がなされたところであります。これに従ってどのような具体的な
農業の構造改善策が準備をされているのかお伺いをいたしたいのであります。特に、これに関連をして、
農業基盤
整備事業関係予算は、近年の
財政再建の途上にありました
関係で伸び悩んでいるのでありまして、極めて残念なことであります。基盤
整備事業の一層の促進と必要な財源の確保について、今後の決意と対策をお伺いをしておきたいと思います。これが第二点でございます。
また、
農産物の
価格政策についてお尋ねをしておきたいと思います。
今後とも
農業の
生産性の
向上とあわせて内外格差の縮小を目標とすべきであることはこれは当然のことでありますが、
農業の
生産性の
向上というのは、国土条件の違いや構造改善の進め方の違い等によって一朝一夕に解決するものではないと思います。また、米国やEC等の先進工業国を見てもわかるようにそれぞれ
農業保護政策をとっていない国はないのであります。そこで、我が国としては長期目標を定めて一歩一歩前進する必要があると思います。私は、
消費者たる国民各層に
農産物の
価格政策について十分な理解をしてもらうことが極めて重要な事項であると考えておりますが、それはやはりこうした努力によってのみ可能と考えるものであります。
農産物の内外格差の縮小のスケジュールについても、
行政と
農業者が一体となって取り組むべきであろうと思います。
本年の二月、「酪農及び
肉用牛生産の近代化を図るための
基本方針」が決定されたところでありますが、
畜産振興審議会はその
答申をするに当たり、国際化にも対応し得る酪農及び
肉用牛生産の確立を早期に達成するため、
生産者の積極的な取り組みを基礎に
関係機関、団体が
連携し、
経営体質の強化、
生産性の一層の
向上を促進すること、また、
生産性向上の成果を的確に
消費者価格に反映させるため、
流通の
合理化とあわせ
価格政策及び
輸入政策の適切な運用に努めること等の建議を行ったところでありますが、この
基本方針と建議をどのように今後具体化していくのか。その
方針についてお尋ねをいたしたいのであります。
また、最近の
食生活の多様化や健康に対する国民の関心の高まりというものは非常に強いものでありまして、食品に対する
消費者の要請はますます多様化、高度化してまいっております。今後とも
農業者の工夫と創意が大いに求められているところであります。このような要請に対応するためには
生産、構造、
流通対策が総合的に講じられなければならないのは言うまでもないところでありますが、日進月歩している情報化時代への対応が急がれるところであります。情報化の進展が産業全体に大きなインパクトを与えているのは今さら私が言うまでもないところでありますが、
農業にとりましても極めて重要であります。そこで
市場情報あるいは
消費者情報をネットワークをして、特色ある
地方の
農産物を全国の
消費者が即座に知り得るような、あるいは
市場の
動向に
生産者が即座に対応できるようなシステムの
整備が確立される必要があると存じます。また食料品の鮮度を保つための設備の
充実、あるいは運輸体系の
整備等は常に論じられているところでありますので、一層強くこの際求めておきたいと思います。これに対する
施策を伺いたいと存じます。
以上が
農業についての三点の質問でございますが、御答弁をお願いいたします。