○板垣正君 そこで、二条ノ二の引用をした総合勘案方式というものは、さっき申し上げましたように、私は今までの経緯等を踏まえますと非常に解釈が狭いのではないかと。むしろこの党の申し合わせでございますが、ここで明らかに三つの点を、要素といいますか、まず第一が
恩給法の国家補償の精神ということをまず言っております。
〔
委員長退席、理事岩本政光君着席〕
国家補償の精神、そして次に
恩給法二条ノ二、そして従来の経緯、この三つをこれをまさに踏まえて検討するというのが、これが本当の
意味の総合勘案と言えるんじゃないでしょうか。
やはり根底にありますのは国家補償の精神というもの、冒頭長官がおっしゃったとおりでございますけれ
ども、
恩給法も午前中お話がありましたとおりにこれはやがて消えいく
法律であります。まさに戦後処理の
法律でございましょう。したがいまして、もう受給者も皆七十歳を超えておる。年間亡くなっていく方も非常に多い。しかも、これらの方々が言うなれば
恩給なり遺族年金等を唯一の頼りにして生きておる。従来の御配慮というものもいろいろあることを私
ども感謝しておりますし、今の
政府のお
立場も決してわからないことはありませんけれ
ども、しかし
恩給法の精神そしてここで言っている従来の経緯ですね、その中で安定感を得た。しかも、財源的には今回の増額
措置をとられてもやはり何百億の減を見るというふうに、予算的にも一つの限界に来ていると。
しかも、遺族一人一人が受けている国家補償、トータルをいたしますと、
昭和二十八年からようやく
恩給が復活したわけですね、約千五百万でしょう。千五百万ちょっと超えた程度ですね、一人が受けているのが。これは今の時代から見ましても決して十分なものとは言えないと思うし、といってまた
関係遺族なり受給者が飛び抜けてさらなる厚遇を求めようというのではなくして、せめて今まで安定して行われてきた
措置をそのままぜひ続けてほしいと、言ってみれば極めてささやかな謙虚な願いであります。にもかかわらずその問題をめぐってなかなか安定できない。夜を徹して心配しなきゃならない。あるいは毎日毎日年末ぎりぎりまで
国会議員やら
政府要路に陳情して回らなければならない。こうした遺族の姿というものは、私
どもは一日も早く改めなければならない。
そういう面からも重ねて
お願いしたいことは、総合勘案というものをただ二条ノ二ということじゃなくて、根本にあるのが国家補償の精神、それから二条ノ二、そして従来の経緯、こうしたものを大事に考えていただきたいと思うわけであります。これ以前は総理府で
恩給局は見ておられた時代、今度は総務庁、これも行革の一端でありますから今日の姿でございますが、
総務庁長官は一面においてはこれ行革の推進役でございます。中心でございます。したがいまして、行革の方針という形に沿ってあらゆる問題を処理していかなきゃならない。同時に、今度は
恩給局も長官のもとに置かれまして、この面においては、今申し上げましたように、やはり従来の経緯等も踏まえた
扱いというものを従前以上に御配慮願いたい。重ねて
お願いいたしたいと思いますが、いかがでございますか。