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政府委員(松山光治君) 今
先生の方からお話のございました申し入れにつきましては、私
どもの方にも
大臣あてにいただいておるところでございまして、よく読ませていただいたところでございます。
公明党の御
意見につきましては、今
先生からお話のございましたように、諸事情の
変化を踏まえてまず淡水化を中止したらどうかと、それを基軸にしての御
意見でございますので、今
大臣からお答え申し上げましたように、この扱い自体につきましては現在県でいろいろ御検討いただいておる、その御
意見を待って私
どもとしても慎重に取り進めていきたい、こういうことでまず御理解を賜りたいと思いますが、残余の部分につきまして当面の私
どもの
考え方を若干御
説明させていただきたい、こう思います。
まず
一つは、現に干上がっておりますといいますか干陸しております干拓地が三地区ございますけれ
ども、これを部分竣功させて有効利用していったらどうかという御
意見があるわけでございまして、その場合に農地だけじゃなくてほかのことにも使ってはどうかと、こういう御
意見でございます。私
どもといたしましても、せっかく干陸させた土地でございますし、かつまた地元におきましても
農業振興等の観点から早く完成させてほしいという御要望の強いものでございますので、できるだけ早く仕上げまして払い下げのできるような状態に持っていきたい、このように
考えておるわけでございます。その場合の使途につきましては、やはり何と申しましても
農業目的で行いました事業でございますし、かつまたあの辺は比較的経営規模の小さいところでございますので、規模拡大という点からも
農業目的で使いたいという希望もかなり強いというふうにも聞いておりますから、それを基本として
考えていくということになろうかと思いますけれ
ども、
農業以外の利用の問題につきましては、これは具体的な要望があるかどうかということとも関連するわけでございますけれ
ども、
農業用利用との
調整を図りました上で具体的な要望についてもまた
考えていく、こういうふうなことに相なろうかというふうに
考えておるわけでございます。
その次の干拓地の水の確保、この場合に実は干拓地だけではございませんで、むしろ面積的には干拓地の場合は二千ヘクタールでございますが、周辺に七千ヘクタール余の水の不安定な既存の水田がございまして、それに対する水の供給ということがこの事業の重要な眼目の
一つであったわけでございますけれ
ども、その水を淡水化以外のやり方でやれないのか、こういうお話でございます。そもそもこの事業が始まります前の段階で、あらかじめ周辺の川を活用した水利の安定化の可能性その他いろんな点からの検討が行われておるわけでございます。ただ、工事施工の
技術的な可能性なりあるいは経済性なり水利用の利便性といったようなことを
考えますと、なかなか難しい問題がある。そこで、
関係県等の意向も踏まえまして、むしろ淡水化を進めるという方が長期安定的な水の供給の確保に資するということで、この事業に踏み切ったという
経緯もあるわけでございまして、長期安定的な水の確保という点からいたしますれば、現実的な代替案というのが現段階においてもなかなか難しいというのが現状でございます。
それから中浦水門の扱いにつきましては、これは淡水化の問題をどう
考えていくかということとのかかわりでございます。
先生御指摘のような利用の可能性ということを否定するものではございませんけれ
ども、事業本来の趣旨からいたしますれば淡水化のための装置として
考えていくのが本来ではなかろうかと、このように
考えております。
最後に、地方負担の問題でございます。私
どもも可能な範囲で地方負担の軽減を図っていくという
立場でいろんな検討はいたしております。例えば
先ほど出ました既に干陸しております地区の部分竣功を急ぎましてできるだけ早く負担金の償還を始めてもらうということも、これまた負担の軽減に資するゆえんではないかというふうに思っておる次第でございます。なお、具体的に財投から一般会計に切りかえていったらどうだろうというお話もございました。当然のことでございますけれ
ども、既投資分については困難な問題があるわけでございますけれ
ども、六十四年度以降の分についてその可能性がないかどうかという点については、我々もこれから
考えていきたいというふうに思っております。なお、既に投資しております用水施設の建設費等の扱いの問題でございますが、既に国といたしましても相当高率の負担をしておる問題でもございますので、残余の部分については県を初めとする地元に持っていただかざるを得ない、こういう性質の問題であるというふうに
考えております。
なお、これは環境庁に対する御要請であったわけでございますが、私
どもといたしましても、本件を取り進めるに当たりましては
専門家に調査を委託しまして、そこの議論を踏まえながら今日まで進めてきておるということだけ付言させていただきたいと思います。
以上でございます。