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1988-05-12 第112回国会 参議院 逓信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月十二日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月二十八日     辞任         補欠選任      山田  勇君     橋本孝一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         上野 雄文君     理 事                 添田増太郎君                 宮田  輝君                 守住 有信君                 大森  昭君     委 員                 岡野  裕君                 長田 裕二君                 志村 愛子君                 陣内 孝雄君                 永田 良雄君                 成相 善十君                 西村 尚治君                 山内 一郎君                 及川 一夫君                 大木 正吾君                 鶴岡  洋君                 山中 郁子君                 橋本孝一郎君                 青島 幸男君                 平野  清君    国務大臣        郵 政 大 臣  中山 正暉君    政府委員        郵政大臣官房長  森本 哲夫君        郵政大臣官房人        事部長      白井  太君        郵政大臣官房経        理部長      山口 武雄君        郵政省郵務局長  田代  功君        郵政省貯金局長  中村 泰三君        郵政省簡易保険        局長       相良 兼助君        郵政省電気通信        局長       奥山 雄材君        郵政省放送行政        局長       成川 富彦君    事務局側        常任委員会専門        員        大野 敏行君    説明員        郵政大臣官房資        材部長      岩島 康春君        郵政大臣官房建        築部長      黒川暢一郎君    参考人        日本放送協会理        事        尾西 清重君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○郵便法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○郵便年金法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 上野雄文

    委員長上野雄文君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る四月二十八日、山田勇君が委員を辞任され、その補欠として橋本孝一郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 及川一夫

    及川一夫君 大臣には大変恐縮なんですが、この法律には直接関係ないんですが、どうしても政治の分野に一定の役割を持たしていただいておる私たちといいますか、今、政局として大変問題になっている奥野国土庁長官発言問題なんですが、いろいろやはり国民の皆さんからもどうしてああいうことになるのかというふうに聞かれもしますし、また、私ども直接奥野長官と話してみたいと思いましても、国会の運営上、そう個人意見が勝手に突っ走るわけにいかないものですから、これは奥野さん個人というよりも、内閣の問題として一言郵政大臣にお伺いをしたい、お許し願いたいというふうに思います。  どう考えましても、総理の御発言外務大臣中国における対応発言、それと奥野長官が言われていることについては私どもは一緒だとはどうしても思えない。奥野長官発言は別に私は聞こえるわけであります。したがいまして、それ自体をとらえれば、私の理解が正しいとすれば当然閣内統一ということになるわけでして、かつこれは国際的、しかも外交という大きな課題を抱えての問題であるだけに、閣内統一というのは国民にとっても我が国にとっても決してプラスにならない、こう思うんです。したがって、当然のこととして閣内統一を図るというか、仮にそこまで言わなくとも、今現実国会で問題になっていることについて、内閣としてどうするかということは御協議があるはずではないか、こう私は理解をするわけです。  したがって、閣議においてこの問題に対する取り扱い、あるいは物事に対する見解、そういったことを御論議になったことがあるのかないのかというのが一つと、同時に、郵政大臣閣僚の一人としてこの事態についてどうお考えなのか、お伺いしたいというふうに思います。
  5. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 閣議内容については公開を差し控えるということが長い間の伝統になっておりますので、閣議で何が語り合われたかということを申し上げるわけにはいかないと思いますが、私は、総理大臣は全閣僚を統括する立場にいらっしゃるわけでございますから、総理大臣の御発言ですべては語り尽くされているのではないかと。特に、日中が話し合いを始めて国交回復をして、それが十五年という記念の年も去年来たわけでございますし、お隣の隣国であります中国との関係というのはアジアの平和に貢献をするということで、私どもも今日まで評価をしてきておるわけでございますので、その関係が崩れることのないように我々内閣として懸命に努力をしていくというのは当然のことでございますから、私は、その意味総理の御答弁によって内閣を代表するものと、かように理解をしております。
  6. 及川一夫

    及川一夫君 お答えはそれなりに私は理解をするわけですけれども、私たちもただ単に奥野長官を問い詰める、突き詰める、それだけでは私はいけないというふうに思うんですね。したがって、みずからは一体どうこの事態を考えるのか、本当に奥野長官が言われていることが正しいものとして受けとめていいものかどうかということについて、私は一言だけ意見を述べさしてもらいたい。もし反論があればしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。  私は昭和四年生まれですから、戦前の教育を中学二年、高等小学校二年まで受けています。しかも志願兵ではありますけれども海軍航空隊に私も所属をいたしました。あのときはいずれにしても聖戦ということで語り尽くされ、また教育をされてきましたから、全くそのとおり思って戦争参加をした、幼稚ですけれども、一人だというふうに思っているのであります。  当時の教育のことと、それから現実民主主義が持ち込まれて、民主主義というものが実践をされて今日に至っている経過、国際的ないろんな展開、あるいは日中友好関係、あるいは朝鮮半島との関係などについていかなる対応を我々はしてきたのか、歴史的な検証を含めて私は今日の国民的な合意としてあると認識をいたしますが、とにかく我々は侵略行為をしてはならないという、最低この点では私は合意が成り立っていると思う。侵略してはならないというんですから、侵略行為をしたということに私は裏返し的になると思うんです。本当のみんなの気持ちを集めるにはそこまで私は行っていると思う。そして真の平和を求めてきたものだというふうに、素直に私は実は思っているわけであります。  しかし、我が国、我が政府侵略ということを考えてなかった、してはいなかった、こういう御発言なんですけれども、非常に私は問題がある、非常に違和感を正直言って感ずるわけです。もともとこの侵略をしたかしないかというのは、他国へ踏み込んだ人間が私は判断するものじゃないと思っておるんです。やはり踏み込まれた方がどう理解をするかということが一番大事なわけでありましてね、少なくとも満州国と言われた、あるいは今の中国と言われた地域は我が国でないことだけは事実でありまして、そこに踏み込んでいったことも事実なんです。だから、踏み込まれた方がどう考えるかということになれば、侵略だと、こう明確に言っているし、同時にまた、リットン調査団という、一九三一年、二年ですか、当時満州事変というものが起きて、そして、それから始まって、当時の国民政府蒋介石国民政府が、いわば国際連盟、国連に対して調査団要請して、日本侵略をしている、調査をしてほしいと、それに対する調査にリットンという人が団長で行かれたわけですけれども、そのリットン報告内容においても明確にそのことが言われておるんです。  したがって、国際的な判断ということを言われている竹下総理のお言葉も、私は何も東京裁判でのことだけではなしに、やはり一九三一年にさかのぼって、リットン報告というようなものも踏まえながら国際的に侵略行為があったという、そういう結論が出ていることを重視をしなければいかぬ、配意をしなければいかぬ、こう言われているんだろうと私は思うんです。私は、このことまで奥野長官が否定をされるということになりますと、非常に我々自体、では歴史というものを一体どう理解をしたらいいのか、平和に対する、あるいは戦争という行為に対してどう理解をしたらいいのかということについて非常な戸惑いを私は受けるのではないかという気がしてならないのであります。  したがって、私の方は侵略があったと、だからしてはいけない、その上に立って恒久平和というものを求めていかねばいけない、こういう立場に立ちたいと思うし、同時にまた、昨日参議院の本会議におきまして、長官盧溝橋事件は偶発だったというお話もあるんです。しかし、これなどについてもいろんな著書があるんですけれども、とりわけ終戦時の航空兵器総局長官であった遠藤三郎先生という方が、この人もB級戦犯で追及されて、無罪にはなったようですけれども、いわばこの盧溝橋事件についてやっぱり述べられているわけです。  満州事変は、確かに日本政府の方針を無視して当時の関東軍が勝手に動いたという話、あるいは国民政府は、張学良という人とは政治、政権的には全く別の形、掌握できなかったということがあるんですが、そういう人たちの、関東軍張学良という指導者との間で仮にぶつかったものは事変と呼んでいいかも知れないが、それがきっかけになって十数年という不幸な戦争が続いた、しかも中国全土において、いずれにしろ大変な損害を与えたということなのでありますから、偶発的というライシャワー先生発言をとらえて、私もそのように思っているんだというとらえ方というのはいささか度が過ぎているじゃないか、こんなふうにも思うし、同時に、東京裁判についても懲罰的な意味がある、こう言われるんですが、私たちの常識から言えば、懲罰というと、死刑なんというのは僕はあり得ないと思うんです、懲罰ということになれば。やはり懲罰という意味よりも、戦争によってそれは敵も味方も大変な命を失った、そのことに対する一つ責任性を明確にするという意味ですね、もちろん裁判のやり方、あり方についてはいろいろ批判のあることは私も知っているし、私もそんな一面を考えなきゃいかぬという気持ちもあるんですが、しかし単なる懲罰ではないということ、むしろ我々日本人日本人の手でそれこそ裁きたかったという気持ちすらする一つ戦争終結としての行為だったと私は思うんです。  そういった点を厳粛に私は考えて、ぜひ奥野長官にも反省をしてもらいたいし、余り歴史的な出来事の中で、少しでも言い分があれば、それを拡大してしまうというような発想で我が国の権威といいますか、我が国歴史性というものを語るということは、将来私は大きな問題を残すことになりはしないかと、こんなふうに思っているわけであります。したがって、ただ単に追及するだけではない、私はそういう考え方を持って、奥野長官のいろんな発言行為というものについて私なりの批判を持っているんですけれども、できるだけ内閣としては、早目にこの問題を与野党間にあっても収拾してもらいたい、収拾すべきではないか、そして正常な形で国内の政治の問題について、一歩でも二歩でも前進させるような答えを求める政治論議というものをすべきだと、こんなふうに思っているんですが、一言何かありましたら、お答え願いたいと思います。
  7. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 今、先生昭和四年の生まれとおっしゃいましたが、私は昭和七年でございますので、満州帝国という、かいらい政権ができた年に私は生まれております。また、その年の三月の二十二日に私の、個人的なことになって恐縮でございますが、おやじ、この参議院の大変ありがたいことに第八委員室に、二十四年六カ月務めましたので掲額をしていただいております私のおやじが、衆議院に戦前当選しましたのが昭和七年でございました。  そのおやじが、昭和十四年のあれは五月の九日でございましたか、ノモンハン事件が起こりましたときに国会から派遣されまして、ノモンハン現地調査で行って帰ってきたときのことを私、子供心ながら覚えておりまして、羊の腹子の帽子をかぶって帰ってまいりました。そのおやじが、実は衆議院進行係を四年やっておりましたときに、昭和十五年の東条陸軍大臣に対する斎藤隆夫先生反軍演説がありまして、そのときに除名になったわけでございます。斎藤隆夫先生除名になられるとき私のおやじが弁護士でございましたので、死刑の判決がおりても執行までには間があってしかるべきであると、それを即時に除名するということは間違いだということを言ったもので、私のおやじは、ついに永井柳太郎先生あたりから夜中にも電話がかかってきておりましたが、これまた寝巻きのままで飛び出していくおやじを見ておりまして、いろいろ感じておりましたが、子供ながらに大変なことが起こっているんだなと思っておりましたが、その永井柳太郎先生のお勧めにも従わず大政翼賛会参加しませんでした。  昭和十六年の選挙が昭和十七年に戦時体制で延びまして、そのときおやじは非推薦になりまして落選をいたしたわけでございます。大都市でございます大阪でございますので、世の中風潮、軍国主義的な風潮影響をもろに受けましたそのおやじでございます。おやじは、その反軍的な言辞を弄したために右翼の人に連れていかれたことがありましたり、政治家の家庭に育ちました者として、その当時のいろんな体験を今先生のお話聞きながらよみがえらしておったわけでございます。  大先輩の奥野長官に対する私は個人的な見解は申すわけにはまいりませんけれども、かような意味で、いろいろな評価がありますけれども、私ども政府見解と言われております昭和四十七年の日中共同声明の中で述べられているとおりの、「過去において日本国戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。」という認識は私ども当然のことと思いますし、いろいろと満州の地で日露戦争が起こったという悲劇、それから韓半島朝鮮半島日清戦争が起こったという悲劇、いろんな悲劇の重なりが第一次世界大戦で列強が中国を去っていった中で、のめり込んだ日本の姿というものがあると思います。しかし、人様の領土で戦争を起こしたりするということは、これはもうそこに何が起こっていたかということはもう明らかなところでございまして、私はそんな意味で、アジアの平和というものがこれからひとつ堅持されてまいる必要がある。その意味で、もう古い話が国会の場でいろいろ論議されることによって真の友好というものが、新しい国民の心の中に亀裂を生じていくようなことは厳に避けるべきである、そんな感覚で今いろいろな成り行きを注目しているところでございます。
  8. 及川一夫

    及川一夫君 今のお答えを私もかみしめながら、これからの政治運動にも、平和運動にも参加をしていきたいというふうに思います。  次に、これもまた今提案された法律に直接関係ないんですが、この前の逓信委員会では電波法改正を行いました。したがって、そういう責任といいますか、というようなものを感ずるものですから、朝日新聞に掲載をされました、五月九日でありますけれども、「電波法改正に医師困った」という記事が載りました。これを見たときに、私ははっと実は思いました。十分な審議を尽くさずに、人命にかかわることにノータッチだったのかという反省を含めてよく見ましたら、たまたま私は議員でなかった時期に、しかも法律改正ではなしに施行規則改正という形で、要するに電波法改正が行われた。それが結果として、お医者さんが皆困ってしまうと、言いかえれば、人命にかかわる問題が今ここに再現をしているというふうに受けとめたものですから、この点はぜひ郵政省にも善処を願うという意味合いを含め、緊急的な意味で問題を整理させていただきたいというふうに思うのであります。したがって、まず第一点としては、一九八六年五月の施行規則による微弱電波規則改正、これによって医用のテレメーター使用というのは一体どういうことになるのか、この点をまず伺いたいというふうに思います。
  9. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) 昭和六十一年の五月に電波法施行規則の一部を改正いたしまして、微弱無線局許容値改正を行ったところでございます。これは諸先生方承知のとおり、近年の電波技術あるいはマイクロエレクトロニクス技術の急激な発展によりまして、無線機器が大変発展すると同時に、弱い電波で障害を受ける事例が激増しております。そのようなことから無線局を保護しなければならないというのが、今世の中の大変な大きな関心事になっておりますし、社会的な要請でもございます。それらの具体的な妨害事例を受けまして、微弱無線局であるがゆえに、今まで免許を要しない形で位置づけされていたものにつきましても、理論的にあるいは実証的に精査をいたしまして、規則改正を行って新しい基準値を定めさせていただいたところでございます。  その中に医療用テレメーター、あるいは構内で連絡用に使うようなトランシーバー型のもの、あるいはワイヤレスマイクといったようなものが該当することになります。これらはいずれも微弱無線局でございますので、それまでは古い規則基準値でよかったわけですが、妨害を起こす可能性が出てまいりましたので、それらを一定検討の結果、新しい規則として整理をさせていただきましたので、微弱無線局の一環でございます医療用テレメーターにつきましても、六十一年の五月二十七日の規則施行以来新しい制度に変わったところでございます。ただ、経過規定を置きまして、施行の前に設置されたものにつきましては、昭和七十一年の五月二十七日までは利用ができるというような措置を講じておるところでございます。
  10. 及川一夫

    及川一夫君 いや、規則を何のために直したかということではなしに、規則が変わることによって、経過措置を経て実施に移されたらどういう事態になるんですかと、特に医療関係ですね、これをお聞きしておるわけなんです。
  11. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) 医療用テレメーターを含む微弱無線局につきましては、今回の改正によりまして、先ほども申し上げましたように、一定経過期間後は、新しい基準値に基づくもの以外は免許を有する無線局ということになるわけでございます。
  12. 及川一夫

    及川一夫君 その結果、例えば心電図などという、今使っている機械が使えるんですか、使えないんですか。
  13. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) 微弱範囲にとどまるものであればもちろん使えますけれども、恐らく現在使われておりますもののかなりのものにつきましては、新しい微弱許容値範囲を超えるものがあるようでございますので、それらにつきましては一定経過期間後は使えないということになるわけでございます。
  14. 及川一夫

    及川一夫君 それなら日本全国病院と名のつくものはどのぐらいありますか。そして、その中で総合病院というものはどのぐらいあると把握していますか。
  15. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) 病院の数につきましては、私現在承知をしておりません。
  16. 及川一夫

    及川一夫君 私から言わせればそこが問題なんですよ。つまり、この微弱電波を現行より規制をしていくというときに、どんな影響が出るのかということが事前にわかっておれば、また、あなた方がそういう理解があれば何らかの措置をするでしょう。例えば関係医療機関意見を聞いてみるとか、そういったことが僕はされるはずだと思うんですが、そういったことは全然やっておらないんですか。
  17. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) 電波法施行規則改正する際には聴聞を行うことになっておりますので、当然聴聞を行いましたが、医療関係機関の方からの御要望の申し出はその聴聞を行いました後出てまいりましたので、聴聞の場では御意見が聞けませんでした。したがって、その後御要望を受けまして、医療関係機関には当時省の関係者の方から説明をいたしたところでございます。
  18. 及川一夫

    及川一夫君 いや、釈明をしてどうなるんですか。もう実際の実施日がどんどん迫ってまいりますわね。それで、今この際、便宜的に業界と言わせていただきますが、MEなどを初めとした業界関係、あるいは医学会関係から要請があったというんですけれども、どんな要請があって、それについては一体どうこたえるつもりなんですか。
  19. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) このたびまた新しく医療関係の学会あるいは業界の方から御要望を承っておりますが、この中身は、今後この法律施行規則施行によりまして、医療用テレメーター利用が今回の新しいシステム制度化によって十分な周波数の割り当て及びその特殊性を考慮した技術基準策定等要望するという中身になっております。したがいまして、私ども行政立場といたしましては、こうした御要望もございますので、財団法人でございます電波システム開発センターというものがございますが、ここに医療用テレメーター専門一つ研究部会を設けまして、医療関係者及びメーカーを含めてこの新しい医療用テレメーター研究開発について早急に検討する運びにしておりまして、現在人選中でございますが、早ければ今月の末、遅くも来月中には発足をさせたいと思います。その検討結果によりまして、新しい医療用テレメーター技術基準並びにその周波数あるいは安全対策というものについて結論を得て、できればことしじゅうにはその検討結果を得たいというふうに考えております。
  20. 及川一夫

    及川一夫君 局長ね、これは私は人命にかかわる問題だという認識でおるわけです。大体いかがでしょう、これはいい悪いは抜きにしまして、医療機関がよもや電波法規制によって機械が使えなくなるということは、国民全体から見てそういう理解をする人はもうごく少数じゃないでしょうか。私も実は、電波医療機関で使われていることは知ってはおりましたけれども、これが心電図であるとか脳波を調査する機械であるとか、そういうものはほとんど使えなくなってしまうと。今までは百メートルぐらい離れておってもできるようになっているものが、この規則改正によると、三メートル以内でしか使えない。三メートルの距離じゃどうにもこうにもなりませんわね、今の病院心電図やなんかの使い方から見ましてもね。もう全然使えなくなるんです。  ですから、私は病院数については、六十一年段階で全国で九千六百九十九あるというふうにお聞きしておりますよ。その中で総合病院一千四十一。この総合病院が、九千六百九十九のうち、一台、二台、それは台数には限りがありますけれども、どちらにしても九五%、もう心電図などは普及している。多現象という機械なんかについても七〇%、全体で無線利用して医療器具を使っているのが平均で見て八九%と、こう言われているわけですよ。これのほとんどがいわば使えなくなってしまう。使うのには、今局長説明したように、その基準に見合っても使えますという新しい機械が開発できるかどうか。いわば電波障害を起こさないということでしょう、これは。電波障害というもの、妨害というものを解決するというか、それをなくそうと、こういう意味合いで規制というものが行われるというのがねらいだと思うんですが、そのために機械が全部使えなくなってしまうというようなことは、僕は当時仮に委員会に提起されても出てこなかったかもしらぬのですよ。ただ当時、五十九年の四月二十二日に既に、これは日経新聞なんですけれども、「郵政省法で規制強化へ 業界五年間の猶予を」というようなことで、何か話し合ったような内容がちょっと載っているんですが、実際に業界の皆さんにも聞いてみますと、ほとんど事前の御相談も受けていない。それから、今局長も言われたように、規則改正してから御要望があったと、こう言われているでしょう。ですから、非常に規則改正するということの扱い自体が細心の注意を払ってなかったということだけは私は明確に言えるんじゃないかというふうに思うわけですよ。  ですから、これからどうするという前に、局長自身が、省自身が本当に医療機関にある電波を使用している機械そのものが使用できなくなってもやむを得ないというところまで検討し、そして改正に踏み切ったのかどうか、そこを私はまず問いたいと思うんですよ。いかがですか。
  21. 奥山雄材

    政府委員奥山雄材君) 医療用テレメーター人命にかかわる大変大事な役割を果たしていることは私どもも十分承知しておりますし、その認識については及川先生と全く同じであろうと思います。  ただ、先ほども申し上げましたように微弱無線局でございますので、微弱無線局というのは、自分自身も混信を受けても保護されない、それを受忍しなければならないということが大前提でございますし、そういう条件のもとに免許も不要、微弱ならだれがどういう場合に使ってもいい、全く野放し的に使ってもいいことが許されているわけであります。したがって、むしろ人命にかかわるような医療用テレメーターであればこそ、微弱である限り、いついかなるどんな妨害を受けるかもしれないという、妨害を与える面と受ける面の両方の心配がございます。  現に、先般も医療機器の中の心臓のペースメーカーが誤作動を起こして大問題を起こしたことがございまして、大変社会的にも騒がれたことがございますが、現在これだけ無線機器が普及いたしますと、単に医療用テレメーター妨害を与える可能性のみならず、妨害を受ける可能性も非常にふえてきておりますので、それはもしそういう事態がかりそめにも起きて、何かの拍子に心電図に異常な波形が生じたというようなことになりますと、これはまさに人命に大きな影響を与えかねないものですから、転ばぬ先のつえということで、人命をむしろ尊重することから、今回といいますか先般の改正もそうした一環で考えたものであるということをぜひとも御理解賜りたいと思います。
  22. 及川一夫

    及川一夫君 いや僕は、改正自体がどうのこうの言っているんじゃないんですよ。医療にそういう影響を与えることについてどうするかの問題なんだ。あなたはそんなことをおっしゃるけれども、電気通信局の監視監理課の方から、電波障害の実態というやつを私は伺っていますよ。昭和六十年度で申告数が四百八十五件あった。そのうち百四十二件が妨害として認められる。それから昭和六十一年度で、申告数八百三十七件のうち三百四十八件が要するに妨害として認められる。その中に医療用のテレメーターに起因するものが含まれている可能性がある、こう言っているわけです。だから、医療テレメーターが受けるという前に、衛星放送とか地上波によるテレビ放送とか、どちらにしても、これから情報化社会という問題を含めて電波妨害というのは、障害というのは大変なことになるというんで、その改正をしようとしていることは私は認められるんです、それ自体は。ただ、その妨害の中に、今使っている医療用の電波が衛星放送やらあるいは今のテレビ放送、ラジオ放送なんかに電波障害を与えることになるのだろうかと、微弱電波が。これが大きなまず疑問なんですよ。可能性があるといったって、可能性がないとも言えるじゃないか。  だから自分の都合のいいように解釈すれば、可能性があるというなら、そういう実態があるのかどうか、とことん追求してみると、こういう話で言いましたら、二件持ってきましたよ、二つあると。ただし、これは周波数を若干変更すればそんなこと関係ないと、こういうことが断り書き両方についているんです。二件しかないんです、これ。だから、六十一年度が三百四十八件、六十年度が百四十二件、つまり四百九十件ですな。このうちに医療用で電波障害を起こした、妨害を起こしたというのは、たった二件しかないということをあなたのところ自体が言うているんですよ、これ。しかも、それはちょっと周波数を改善すれば、変更すれば直るし、直したと書いてある。だから、医療用の電波によって電波妨害が起こるなんということはゼロと言ってもいいじゃないかと、こんなふうに私は思うんですよ。  これは、局長やなんかと相争うような問題では私はないと思う。問題は人命に関することなんですから、まずもって医療用は除くということにしたらどうかと、そうして新しい機械が開発をされて、この改正された規定に沿ってもできるということが確認をされたら、そのとおりやればいいじゃないですか。ただし、それだって病院は金のかかる話ですからね。現状のままで使えるやつを全部かえにゃいかぬのですから、機械は新しくみんなかえるんですよ。だから、何か医療機器の業界はほくそ笑んだという話もちらっと聞いたりするんですけれども、まあそんなことは横におくとしても、いずれにしても、今使っているのが使えなくなったということになると大変でしょう。  そしてまた、医療機械はそういう電波というものを使って、集中センターで何百人という患者の動きを見ながら集中治療をしていくという、そういった方向にあるということも多くのアンケートでも実は出されているわけですね。ですから、ぜひとも局長、これはきょうここで、はいそうですかと言えるかどうか知りませんが、考えていただきたいということと同時に、中山大臣もたしか病院関係はお詳しいんじゃないかというふうに思うんですけれども、どうですか、これ。極端な話、ことしの十月からこれがやられる、十月から使えないということになったら、これは医者としては本当に困るでしょう。患者もまた命にかかわる問題でしょう。しかも私は微弱電波、医療が使っている電波電波妨害は起こさないという、そういうふうに言える実態があるではないか。だからこの際、新しい技術開発ができるまでは、今の改正から医療関係は除くということに当面しておくべきではないかというふうに考えるんですが、大臣いかがですかね、これは。
  23. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) どうもお話を伺っておりまして、先生のお気持ち理解ができる、そしてまた局長の答弁もなるほどなという両面性があるような気がいたしまして、確かに農家は農機具で大変月賦を払うので困っているという話と、それから病院は新しい器具、どんどん入れてくるその器具で、そのために倒産する病院まであるというふうな話もよく聞くわけでございまして、法律改正がそんな意味でいろいろな面に悪影響を及ぼすというふうなことになると問題があると思いますが、とにかく局長が先ほど申しましたように、逆に人命影響があった場合に役所としての責任を一体どうしたらいいのかというような面が最後に残る問題ではないかなと、こう思いますので、なおひとつ適宜にどういうふうに対応していったらいいのかということを検討させていただきたいと思います。
  24. 及川一夫

    及川一夫君 まあ一応十二月までにいろいろ検討して方向づけをしたいということを先ほど局長も言われていますから、それまでの間に確かに大臣も言われるように、もしものことがあれば郵政省責任だというようなことにもなりかねない問題だと思うんです。我々逓信委員としても、やっぱり電波改正というのは何げなしに決めているということであってはいけないと思うんですよね。電波の時代ですから、それだけに電波法改正するというのは、それだけの大きな意味合いを持つということを私も反省も含めて気持ちを改めたいということなんです。ですから、少なくとも人命に関するものであるということを前提にして、余りラジコンとかそういうものとごちゃまぜにして、あっちの方が強いんだから、電波の方は。そういうふうにおもちゃとそれから医療機械をごちゃまぜにすることのないように、ぜひ医療関係は除くということで当面結論を出し、そして、その上でこの体制に対応できるような新しい技術の開発、機械の開発を期待をするというふうにしていただくように強く要望申し上げておきたいというふうに思います。  次に、郵便法関係全体に入りたいんですが、一つは郵トピアの展開について大変成功しているように総括をされているんですが、一面この問題について社会的な摩擦というんですかね、そういったものが起きているように私は把握をするんですが、この点どういう現状になっていますか。
  25. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵トピア構想そのものはたびたびこの場でもお話出ましたので御承知と思いますが、全国画一的な郵便サービスから地域社会に密着した、あるいは全国さまざまな種類のサービスをその地域地域にいろいろ試してみよう、そしてその中からいいものをまた全国に広げていこう、こういった趣旨で昨年から実施しているものでございまして、ことしの三月でしたか、関係の市町村の市長さん方にもお集まりいただきまして、この半年間の試行の結果をお伺いしましたが、大多数からは非常にいい施策だということを聞いております。  ただいま御指摘のありました摩擦という面では、この試行サービスの一つに、あて名を省略して、ある町内なら町内すべての家庭に郵便を配るという、私どもタウンメールと称しておりますが、このサービスを実施しておりますが、これが新聞販売店のチラシの折り込みと競合するという苦情といいますか、指摘をちょうだいしております。
  26. 及川一夫

    及川一夫君 それで、その摩擦の部分ですがね、申し入れというか、要望とか意見書とかそういうものが出されているんでしょう。
  27. 田代功

    政府委員(田代功君) 日本新聞協会から郵政大臣に対する申し入れでしたか、ちょうだいいたしております。その内容を申し上げますと、もちろん中心はこのうちのタウンメールが新聞販売店の経営を圧迫し、ひいては日本の新聞の配達制度そのものにひびが入るといいますか、こういうおそれがあるので、むしろやめてほしいという趣旨でございまして、それに付随しまして、これが果たして郵便だろうかとか、あるいは新聞販売店の折り込み広告の場合は内容を審査して倫理上問題のあるようなものは扱わないとかやっているが、郵便になると、その辺はどうなるのかといったような指摘もあわせてございます。
  28. 及川一夫

    及川一夫君 問題は郵務局長、大変歯切れよくお答えになっていますけれども、その問題を扱う私は姿勢の問題について非常に疑問を持つわけですよ。  実はこの問題は三月の二十二日の逓信委員会で、平野先生が時間の関係もあって短かったのですけれども、端的に指摘されているんですね。私もうろ覚えだったものですから、実は会議録をほっと見たわけですよ。まず第一点、あなたはしばらくやらしてくれと、まだ十分なっていませんと、そのときには郵トピアはもっと拡大しますというような話は全然ないんですな。要するにこの二十カ所ということを前提として物を言われているし、平野先生も恐らく薄々何かあるなと思いながらも、二十カ所を前提にして御発言なされているように私は受けとめました、これは。  ところが、四月の八日にあなたの方は地方機関に対して拡大の通達を出されているでしょう。報道資料としても配っておられますよね。これは一体どういうことなんだろうと。いろんな注文というか、疑問というものが平野先生から出されて、それに対する答えなんかでも、例えば郵便の定義は何だと、こう言われたことに対して、後で読んでみたら、否定して肯定しているんです、これ。こういう答弁になっているんです。「郵便とは何かというのを、実は法律上きちっとした形では決めてないわけであります。」決めてないと、こう言っているわけです。「これは明治以来そのときそのときの社会の情勢の変化に対応しながら、中身は少しずつ変わってきておりまして、郵便法に従っていろんなサービスを提供している。基本のところはぎちっと法律でしておりますが、」と、ここで基本のところはきちっと法律でしている。何だろうと、前の方ではきちっとしてないと、こう言って、基本のところはきちっとしている。「おりますが、若干のところは郵政省でいろいろ新しい工夫もできるような仕組みになっております。」つまり郵トピアというものをやることは許されているのだと、無理無理つないでいるような感じなんですよね、これは。  私は今郵便の定義を議論するつもりはないんです。ないんですが、社会的にさまざまな問題が出ていますよということが指摘をされて、それに対して、じゃどういう手だてをするか。成果がまだわかりませんからちょい待ちと、こうなっているのに拡大計画が出されて実践されている。これではますます紛争が拡大していくだけじゃないですか。そういうやり方でいいんでしょうか。ここが大きな一つの問題だと思いますが、いかがですか。
  29. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵便の定義その他について私、舌足らずな説明をしておりまして御迷惑をかけておりますが、その問題はその問題といたしまして、この郵トピアの構想の中で、あて名のない郵便、タウンメールを実施しておりますが、これはスタートのころから新聞販売店の方からはいろんな心配は来ておりました。ですから、私どももそれは十分念頭に置いて各郵便局を指導しておりまして、これは例えば料金一つとりましても、販売店の場合例えば一枚二円から三円程度のものから受け付けておるようでありますが、私ども二十円から四十円といった料金の上でも違いを設けるとか、あるいは私どもの場合ちゃんと封筒に入れるとか帯封をするとかいった折り込み広告とは違うお客をとれるような、そういうことをねらいながら試行的にやっております。  私どもの行うサービスが、今の新聞の販売制度に非常に大きな影響を与えることを別に好んでやるつもりは毛頭ございませんので、各郵便局でもその辺は十分承知しながら、どんな影響を与えるのかということを見ながら今試行中でございます。この四月に二十四追加いたしましたが、この郵トピアの構想そのものが全国、例えば三千の市町村のうち今二十の市町村で昨年から始め、ことしまた二十四追加いたしましたが、まだまだ日本、北から南までいろんな地域で、いろいろなニーズのある中で、どういうサービスを始めてみればいいかという検討はいろいろしたいものですから今回追加したわけでありまして、この追加したことによって新聞販売店に対して特に脅威を大きくするといいますか、恐怖感を大きくするというようなことのないような注意は十分してまいりたいと思っております。
  30. 及川一夫

    及川一夫君 そういうお気持ちなら、少なくとも新聞協会から四回も何か要望書、意見書のたぐいが出ておりますわね。それに回答しているものもあれば回答してないものもあるというふうな実態とか、そういうのは改めてもらいたいと思うんですよ。しかも法律の問題としても、中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律なんというのがありましてね、これに違反したものではないかという指摘もされているわけでしょう、これは。第三条に、「当該事業と同種の事業を営んでいる中小企業者の利益を不当に侵害することのないように配慮しなければならない。」侵害されたと向こうは思っているわけですからね、新聞協会の皆さんは。四十五万人の人を抱えている話ですから、これも大変な問題だと思いますよ。  ですから、別に郵政省がこういう事業を拡大をしていく、郵政省は企業なのか事業なのか、企業と事業の違いはどこにあるのか、これもうるさい議論になるんですよ、やるとすれば。だから、それは郵政省あたりからいえば、そんな中小企業の事業活動云々のこの法律なんかはおれたちは適用されねえなんていうような説だってないわけではないですからね。しかしどっちにしても、実際に仕事の面で食われていくということになれば、やはり大きな摩擦が起こるわけでしてね、しかも国の事業なんですから郵便事業は。その国の事業が何か全部中小関係を追い払うような、そういうやり方になったということになると、これは単に事業者を追いやるだけじゃなしに、当該の新聞配達をされている労働者といいますか、そういう方々にまで大変な影響を与えるわけですから、もう少し誠意を見せて協議してもらいたい、そして問題解決を図ってもらいたい、そしてやることは堂々とやってもらいたい、こういうことをお願いをしておきたいというふうに思います。いかがですか。
  31. 田代功

    政府委員(田代功君) 新聞協会と私ども今までにも何回かお話し合いをしておりますし、これからも私どものこの試みは、実施しております状況などだんだん材料を集めまして、誤解のないよう十分意思の疎通を図ってまいりたいと考えております。
  32. 及川一夫

    及川一夫君 それでは郵便法の一部改正の問題の中で絞って御意見を申し上げたいというふうに思います。  まず第一点として、これは質問の部分なんですが、料金を値上げする条件として累積欠損金、あるいは平年度の欠損金ということを理由にされているんですが、特に累積欠損金というものが「政令で定める額」というふうに書いていますね。政令で定める額とは一体どのくらいなんだろう、これが一つ。  それから二つ目には、累積欠損金と平年度の欠損金の二つとそれから物価云々というのがあります。値上げをする場合の条件ですね。これは物価の範囲内というのはともかくとして、審議会にかけて値上げを諮るというのは、累積とそれから平年度と両方二つの条件が満たされて初めて審議会、そして省令で決めるという意味なのか。どちらか一方に引っかかれば、どっもでもできるというものなのか。この辺がどうも定かでないようですから、ひとつ明確にしてもらいたいというふうに思います。  そして三つ目に、これは意見を含めた質問になるんですけれども、要するに、特例というものをこのままやっていこうというわけでしょう。素直にそれを受けとめて、やっていた形を考えて、そこで値上がっていったということを想定しますと、とにかく封書で言えば六十円が八十円になったり、八十円が百円になったりしますわね。これは当然のこととして。ところが、本体の法律の方には依然として六十円というやつが書かれているということになる。法律というのは、いかに特例といいながら、そういう二本立てでずっと永久にいってしまうのかどうか、どこかでやはり本体自体を整理しなきゃならぬということが出てくるはずだというふうに思うんですが、またそうしなければ国民の方から、料金幾らだといって法律見たら、あっちもこっちも引っ張り出さなきゃわからぬなんというんじゃ私はかなわぬと思いますよ。したがって、特例は特例としてと、こうあるんだけれども、一体、本体の法律との関係をどう整理されるつもりなのかということについて、その三点お伺いします。
  33. 田代功

    政府委員(田代功君) まず第一点の、累積欠損金の額が政令で定める割合にまで達したときという条文ございますが、これは現在のところ、年間の郵便事業の収入の五%に達したときこういう政令をつくる予定にしております。つまり最近の例でいきますと、一兆三千億ほどの郵便事業収入ございますので、それの五%ということで、七百億弱ぐらいまで累積がたまったらこの条件が発動できるというふうに考えております。  それから第二点の、累積欠損金と単年度、その年度年度の欠損金、両方生じた場合に限るか、あるいは片一方かという御指摘ですが、これは両方でございます。加重要件でございまして、一年赤字が出て、まだ累積がないようなときはこの発動はできない。したがって、何年か赤字がたまって、累積が今の五%になり、かつその年もまた赤字である。累積があっても黒字になった場合にはこの条件は発動できないと、こういうことでございます。  それから第三点ですが、法律には四十円、六十円、その他という料金が書いてあって、あと今のようないろんな条件、厳格な条件のもとではありますが、省令でその料金を値上げできることになりますので、将来的には法律に書いてある料金と省令の料金の乖離といいますか、その差が出てくることは予想されます。この点、私ども現在この郵便事業に携わっている者としては、今の物価の安定が続き、私どもの郵便に対するお客さんの信頼がある限りは、しばらくの間は値上げしないで郵便事業を経営したいし、またできると思っておりますので、近い将来この乖離が大きくなるということは私ども想定しておりません。しかしながら、理論的には将来乖離両離がだんだん大きくなってくることもあり得ますが、その場合には、将来のことでございますので、法律の手当てをどうするかというのは、またそのときに御相談させていただきたい、かように考えております。
  34. 及川一夫

    及川一夫君 これは法制局なんかにも意見聞かなきゃならぬ問題だろうと思うんですけれども、特に特例、特例というと、赤字国債のことを頭にふと思い出すんでしてね、特例なんか認めちゃったから、百五十九兆の大変な赤字になっちゃったあみたいに演説されるでしょう。だからこれなんかでも特例を認めちゃうと、特例、特例って、勝手に郵便料金値上がっていくんじゃないかと。大体ずるい方法じゃないか。どうもこれは永久に特例でいくのかなと、こういうふうになってきますと、非常にずる賢い提案になるよと、これは。むしろ本体自体の中にちゃんと入れるなら入れるというふうに言った方がいいんじゃないかと。はっきり言うならば、料金の決め方として法定主義にするか、そうでない方法にするかという今問題ですよね。論議をするなら大胆に論議をした方がいいんじゃないかと、こういう気さえするんですよ。ですから、僕はこの特例措置というのは、できればそれは値上げしなければ一番いいわけで、だから特例措置があるというだけに終わるんですが、具体的に値上がっていく形を考えると、特例と本体の関係はそのまま放置できない。やはりどちらにしても整理をしなきゃいかぬと、こういうふうに思っておりますから、その点はしっかり踏まえて、法制上の問題としても、特例というあり方が、こういうあり方が正しいのかどうか、検討しておいてもらいたいということを申し上げておきたいというふうに思います。  それから、ざっくばらんな話、カードの発売問題では一つだけお願いしたいんですが、前払い金を受け取るわけですから、その集まった金を運用して利子稼ぎができますわな。だから、JRにもNTTにもあのカードに対してはサービス料金はないのかと、こういう話になって、何か度数でサービスするような話になっちゃった。そういうものは考えているかいないかということと、もう一つは、郵政審議会の構成の問題もあるんですが、これは残すことにして、実はこれだけちょっと申し上げておきたいのですが、ここに就職あっせんの資料請求カードというやつがあるわけです。これは別納料金に全部なっているんですけれども、これが来年卒業の大学生に向けて、五冊、この種のものが。これ、全部ここに何か書き入れて、そしてそれぞれの会社に送り込むわけです。要するに、会社の資料をもらうというやつですね。これがこのぐらいあるんです。しかも、今やっているのは五社あるんです。私のところに大学生が一人おりまして、やたらと小包が来るわけですよ。それで、何だと思って楽しみにしてあげると、みんなこれなんです。  これは正直に言って、何か資源のむだ遣いという感じもする。腹が立つから戻そうと思って郵便局に持っていくことを考えてみたら、これは料金がかかるんですね。だから腹が立って送り戻そうとしたら料金がかかるという話になっちゃってね、何かこう自分の不満のやりどころがなくなってしまうと。端的に言えば、そういうときにこれを発送したところが料金を負担してくれるというふうな、そういうサービスというのは考えられないかどうか、こういうふうに実は思っているわけです。  これはきょうはお答えはいただきませんけれども、そういう問題がちまたにあるということ。もう大変な量なんですから、本当に山になるんですからね。そういう状況にあって、必ずそういうような意見が出てくるんじゃないかというふうに思いますので、以上、与えられた時間が参りましたので終わりますけれども、ぜひひとつ御検討いただきたいと思います。カードの問題だけお願いいたします。
  35. 田代功

    政府委員(田代功君) プリペイドカードでございますが、結論から申しますと、私ども今のところ割引を考えてはおりません。と申しますのは、カードで買える切手そのものが実はプリペイドでございまして、私ども切手を売って、それをすぐ使うお客もありますけれども、しばらくの間は私どもお金を預からしてもらう状態のものもありまして、そういう性質のものなものですから、今のところちょっとこのカードに割引を入れると全体の体系の中で非常に複雑になりますので、とりあえずは割引なしで売らせていただきたいと思います。
  36. 大森昭

    ○大森昭君 まず最初に、今日の郵便の財政状況についてどうなっているか、質問したいのであります。  実は非常に不愉快なわけでありますが、三月の二十八日に当委員会で私が質問した際には明確な御返事がないのにもかかわらず、一カ月もたたないうちに日経、朝日等のマスコミを通じまして、当面黒字になるというようなことが発表されておるんですが、こういうことなら国会軽視も甚だしいと同時に、むしろこういう法案を出して、責任ある経営を目指して法律改正をしたいなんというのは、正直申し上げて、ちゃんちゃらおかしいということになりますので、一体今日における財政見通しについてはどうなっているのか、初めにひとつ回答してもらいたいと思います。
  37. 山口武雄

    政府委員(山口武雄君) 郵便事業財政でございますが、六十二年度予算上、単年度二百八十五億円の欠損計上ということでまいりました。現在、年度が終わりましたので、鋭意決算の作業に取り組んでおる最中でございます。  その過程で損益の一つの面、収益の方の大宗を占めます郵便業務収入でございますが、これが実績、概算では約一兆三千二百十億ということでございまして、予算との対比では、およそ四百四十億円余り増加いたしております。  一方、支出等でございますけれども、これにつきましては現在鋭意計算中でございまして、なお時間を要する状態でございます。したがいまして、現時点におきましては、昭和六十二年度の郵便事業の損益見通しを明確に申し上げることは困難なのでございますけれども、単年度の予算上の欠損、先ほど申し上げました二百八十五億、それから累積の欠損金十億円、いずれも解消の見通しというふうに現時点で考えてございます。
  38. 大森昭

    ○大森昭君 正確な数字は無理であることはわかるんだけれども、考えてもらいたいんだが、会社で一つの経営をしておればどこでも、いいですか、私が質問したのは三月の二十八日ですよ、三月の三十一日で年度は終わるわけですよ。赤だったらどうするんですか、会社だったら。どこかの銀行から金借りてこなければいかぬですよ。黒だったら一体全体、こういうことを言っちゃよくないけれども、税金を幾ら払ってどうなるかという問題だってあるでしょう。そうすると、少なくとも企業を経営する限り見通しが、それは半年前だとかなんとかというんならまた別ですよ、私が質問したのは三月の二十八日ですよ。三月の三十一日にはその会計年度が切れるんですから、ですから私の言っているのは、その正確な数字を幾らだというんじゃなくて、少なくとも黒になるのか赤になるのか、大体どのぐらい黒になるのか、どのぐらい赤になるのかくらいの見通しが立たないようなことで、もしかそういうことが今後ともできないというんなら、こんな法案を私は提案する資格がないと思うんですよ。  しかし、今まではそうであったけれども、これから少なくともある程度一定の、今の及川先生じゃないけれども一定の条件があって、あるいは値下げをしたり、そういうこともこれからやると、大転換ですわな、値下げなんて今までしたことがないんだから。だから、すばらしいその考え方でこれからやるということになれば、少なくとも経営見通しについてなければいけないと思うんですが、私があえてでかい声で言っているわけじゃないんです、声がもともとでかいんですが、大体そういう私の考え方について、今後改めるという考え方があってこの法案を提出しているのかどうか、郵務局長どうですか。
  39. 田代功

    政府委員(田代功君) 確かに民間の経営者に比べますと、郵務局長の仕事の仕方、非常に何といいますか、羅針盤なしに航海しているような感じがしないでもないという感じがします。  例えば、売り上げ一つとりましても、同じ郵政省の中でも貯金と保険は、これはオンラインが完備しましたもので、翌日の朝には貯金局長、保険局長のもとにきのうまでの売り上げ幾らというのが出る仕組みが既にでき上がっております。残念ながら郵便につきましては、いろんな推計値を入れて、非常にアバウトな数字を集めようとしましても、やはり一カ月近くかかる、数週間はかかってしまうというのが現状でございます。ましてや、その支出面になりますと、今、経理部長が申し上げましたようないろんな事情がございまして、なかなかわかりにくいということで、現状はそういうことでございますが、やはりこれだけ変動の激しい、しかも競争の激しい世の中で、郵便事業をまともに運営していくためには、今、先生がおっしゃいましたように、もう少し時々刻々の、例えば民間でいいますと、月次決算のようなもので、経営の現状がわかるような仕組みをつくっていく必要があろうかと思いまして、会計の専門家の方にもいろいろお願いし、私どももいろんな推計その他の方法をとれないかということも検討したい、かように考えております。
  40. 大森昭

    ○大森昭君 この郵便の、さっきも指摘がありましたけれども、決定方法を省令にゆだねるということは非常に問題があるんですよ、率直に申して。  ただ、今日の郵便事業を見たときに、国営事業であるから何もかも国会の中で決めていくということも少し無理があろうと、今日の状況の中で。そういう意味で自主性を持たせると同時に責任を持たせて、また機動性を持たせて郵便料金の決定をやることがいいんじゃないかということで、私どもは実は割り切っているわけです。貯金なんか見てみますと、三月は非常に落ち込んだと、四月はやや伸びたと出ていますね、新聞に。そういうように少なくとも三事業ともというか、二事業はそういうデータができるのに郵便ができないというようなことであっては、これは省令で任したってやみくもじゃないですか、これ。六十二年の決算が六月ごろになったら、七月ですか、これはっきりして、それから対応を立ててなんていったら、これはもう料金を値下げする問題についても非常にいいことでありますけれども、これも一年か二年ずれちゃうんですね、そうでしょう。  だから、値上げする問題だってさっき言ったように、物価だとか、あるいは累積赤字だとか、あるいは短年度赤字だとか言ったって、一年たってすぐ出るわけじゃないですから。だから、そういう意味からいくと、今私どもが考えておるこの法案に対する態度は、そういう意味合いで機動性があって、自主性があって、責任あるいわゆる経営をしっかりやってもらうという意味合いで、いろいろ問題点は、決定方式についていろいろ問題点はあるけれども、まあやってもらおうじゃないかという意味合いで考えているんですが、今郵務局長は、そういうシステムの中でこれから改善をしていくという今の御意見だったですから、恐らくそういうふうにしなきゃ何の意味合いもないと私は思いますので、どうですか、大臣、私の言っていることは間違いですかな。
  41. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 先生の御指摘になっておられる問題というのは、我々もこれからの大きなお金をお預かりをするその郵政省としても、いろいろ郵便事業の方でも心してまいらなければならないところだと思っておりますが、郵便は国営、独占である点では、国の制度としてある程度の制約はやむを得ませんけれども、独立採算制のもとで健全な経営を維持していくためには、可能な限りの民間的な手法も取り入れて、ひとつ郵便事業、十四万人の巨大な組織でありますので、職員の士気が低下することのないようないろいろな手だてを講じてまいりたい、かように思っております。今も私、隣の官房長に、一般で言う出納閉鎖みたいなものはないんですかという、ここで私語を実はいたしておりましたような次第でございまして、これからの問題として、先生の御指摘を肝に銘じて進んでまいりたいと思っております。
  42. 大森昭

    ○大森昭君 私がなぜこういうことを強調するかといいますと、例えば今日現在なら今日現在で、六十二年度の決算がどうなるかということで聞いて明確な答弁があれば、六十三年度は大体郵便料金は上げていくか、上げないで済むか、いわゆる省令で郵政省が決める以前に私ども意見言えるわけですよ。今度は、今までは国会で法案を審議して、国会でそれはだめだということになれば郵便料金の値上げはできない、こういうシステムですね。しかし、ある一定の条件はありますけれども、省に任せるわけですよ。そうなれば、事前に私どもがよほど郵便財政について現状を把握しなければチェックすることがなくなっちゃう、ちょっと言い過ぎかもわからないけれども、省は省で一定の条件下で上げるわけですから、まるきりなくなっちゃうわけじゃないけれども、やっぱり責任範囲の中で私どもが事前にそのことが察知できないということになるから、今のようなことを私が言っているわけです。  少なくともどのような時点でも、それは間違いも起きるかもわからぬし、推定ですからそれは確実な、完全な数字じゃないにしても、経営者らしく見通しについて述べられるように今後はひとつやってもらいたいということを私は言っているわけですから、そういう意味理解してもらいたいんですが、しかし何といっても今大臣からも答弁がありましたけれども、国営事業であることはこれは間違いないんでありまして、そうなってまいりますと、やはり財政法第三条に明記されております、その料金というものは「法律又は国会の議決に基いて」という従来のことになりますと、前回も私、実はこれ反対したんですが、今回は賛成をするという意味合いでちょっと聞くんですが、そういういわゆる財政法第三条に明記されている問題について、財政民主主義要請をどのようにとらえてこの法律の提案をしたのか、ちょっとその辺について伺いたいんですがね。
  43. 田代功

    政府委員(田代功君) 財政法三条では国の独占事業、まあ郵便がそうでありますが、国の独占事業の料金は、「法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」、これは財政民主主義という考え方のもとにこういう規定がございます。法律または国会の議決に基づいて定める、この定め方には立法政策の問題ではございますが、いろいろな方法があろうかと思います。法律に直接定める従来のやり方もありますれば、法律上先ほどのいろいろ厳格な要件を付した上で行政府に一任をするといった方法もあります。いろんな組み合わせがあろうかと思います。  郵便事業について考えますと、法律上独占ではありますが、その中でもやはり競争、競合といいますか、通信のメディアもたくさんふえております電気通信、その他厳しい競争環境の中で事業運営していかなければいけない。そしてまたお客さんの方から見ましても、郵便だけに頼らなければならなかった時代に比べますと選択の幅が広がっている、こういったことを考えますと、郵便の料金の決め方も、従来の決め方以外の決め方もあるのではないか、かように考えまして、今回の提案のような改正をお願いした次第でございます。
  44. 大森昭

    ○大森昭君 局長の答弁でいくと、ある程度独占の程度というものが変化をしていくと、国民生活に与える影響の度合いについてもという意味合いのお話でありますが、いずれにいたしましても、財政法第三条との関係はなしとはしないわけでありまして、もう少しこの七年間、前回この法案を提案をして七年たつわけでありますが、その間にもう少し具体的に郵便がどういうように変わってきたということは明確にできませんか。
  45. 田代功

    政府委員(田代功君) 昭和五十五年に今の弾力化条項をお願いいたしましたが、その後七年間の状況をいろいろ調べてみますと、例えば当時なかったいわゆるダイレクトメールの宅配便でございますが、昭和五十四、五年当時はまだほとんど全国的に見当たらなかったわけでありますが、現在では全国組織の会社までできる、あるいは地方の新聞紙あたりまで、先ほどの新聞販売店あたりもこの世界にどんどん進出してきておりまして、信書以外のものについてはかなり民間でも扱う業者がふえてきております。  それから、電気通信につきましてはもっと急速な発展を遂げておりまして、従来記録の分野は郵便がメーンでございましたが、最近ではファクシミリが各家庭にまで普及いたしまして、昭和五十五年当時十四万台しかなかったファクシミリが、昨年度ではもう既に百万台に達したと、こういった数字もありますし、またファクシミリ通信網サービスの契約件数、これも五十六年に七百九十件程度だったものが六十一年度で八万五千件まで飛躍的にふえてきたりしております。あるいは通信教育といえばもう郵便だけだと思っておりましたが、ファクシミリを使った塾などが最近広告で生徒を募集しております。これは通信教育にとって、私どもにとっても大きな競争相手だと存じております。また、企業関係の金銭の決済も昔は郵便で大分行っておりましたが、最近ではデータ通信システムで非常に簡便に実施することができますが、このデータ通信システムの端末の数をとりましても、五十五年当時八千にすぎなかったものが六十一年度で二万を数えるに至っております。  そのほか電子メールといいまして、コンピューターの中にいろいろな伝言を蓄えておいて、お客さんはいつでもそれを引っ張り出して見ることができるような仕組みも実用化になりましたし、パソコンやワープロも単体で使っておったものが、今通信回線を使って相互に連絡し合いながら使えるということで、私どもにとっても強敵でございます。  それからもう一つ、フリーダイヤルといいまして、これは通信販売の先ほどの返信用のはがきとの競合でございますが、電話料は通信販売業者が持つ、ただでかけられる電話といったものがございまして、こういったものも六十年の十二月に始まったばかりでありますが、既に一年八カ月で二万五千回線にまで達している。こういったもろもろのことがございまして、私ども現場の郵便局で実際に営業活動しておりましても、ついこの前までは郵便局のお客さんだった大手の利用者が民間に流れたとか、あるいは電気通信の設備を入れたから、ファクシミリを入れたから使わなくなったとかいう話も現場から上がってきておる状態でございます。  このようにいろいろ数字を申し上げましたが、私どもの事業をめぐる環境は大きく変わった、大変だなという感じをいたしております。
  46. 大森昭

    ○大森昭君 確かに局長が言われるように、小包でも一時はもうまるっきり減っちゃって、どうなるかということで大変職場でも心配をしていたわけでありますし、五十五年の法案の改正で一挙に倍に値上げしまして、はがきなどについても全然物数がふえないという状況などがあったことで、確かにこの七年間にはいろんなことが起きて、その反省の上に立って恐らく法案を提案して、少なくとも今までにないように値下げもやれるというようなことも、これは歴史上始まって以来なんですけれども、しかし、値下げもやれるからひとつ省の方に任せてくれということだけではちょっと私どもも、値下げもしないくせに、一応値下げのできるように言ってあるだけの法案だというのではちょっと困りますので、一体値下げをやれるというようなことの法案が通ったら、具体的に何か値下げをすぐできるようなことがあるのか、さらに去年の郵便法改正で広告郵便の割引制度が導入されたわけでありますけれども、その成果などについてはどうなっていますか。
  47. 田代功

    政府委員(田代功君) 初めに、昨年十月から実施しました広告郵便物の割引の成果でございますが、まだことしの三月までの半年の数字でございますので、はっきりした傾向をつかむまでには至っておりませんが、当初私ども割引を実施するときに予想しました物数が、割引をしなければ広告郵便は例えば月六千万程度出ていたのではないかと推定しておりまして、これが八千万ぐらいになるのかなという実は見通しを立てましたが、実績を見ますと、やっぱり八千万を超えていまして、九千万程度までふえているということが言えるかと思います。六十二年度のトータルの数字を見ましても、封筒の郵便物数がトータルで一割伸びておりますが、全体が八%の中で封筒が一割ということは、その後半の半年間にDMがそれだけふえたということのあらわれだろう、こういう分析をいたしております。  それで、今回の法案で値下げを何を考えているかということでございますが、この省令による値下げは、値下げをすることによって、それが需要増につながって事業の運営が安定するという、事業運営の健全化につながるような場合にのみこの省令による値下げが可能な仕組みとなっております。  そういった観点から現在考えておりますのは、一つは市内特別郵便でございまして、これは現在の法律では、重さ百グラムまでに限られております。これを二百五十グラムまで重たいもの、これも市内特別郵便の対象に入れて需要拡大につなげたいというのが一つでございます。もう一つは、定形外郵便の比較的重いところ、五百グラムを超えるものですと、例えば五百グラムから一キロまでは今七百円という非常に高い料金ですし、これは四キロまでですが、四キロになりますと二千八百円という、小包の最高が四キロで九百六十円ですので、それに比べまして非常に高い料金を設定しております。この辺が需要を殺しているのではないかという今気もいたしております。ただ、この辺は非常に事業財政に与える影響が大きゅうございますので、この七月に出ます決算のきちんとした数字を見た上でないと、幾らに値下げして大丈夫か、ふえるだろうかといった、そういった検討も必要かと思いますが、いずれにしてもこの辺は値下げの対象として考えていきたい、かように考えております。
  48. 大森昭

    ○大森昭君 局長の発想といいますか、今の考え方というのは非常にいいんですが、ただ問題は、そういうことで少し発想を変えて事業の活性化を図っていただきたいと思うんですが、ただ、値上げをするときには郵政審議会の役割が非常に大きくなるわけですね、従来と違って。ということになりますと、郵政審議会の役割の重大性にかんがみまして、今までと同じような委員の構成でやるのか、あるいはこういう形の中で郵政審議会の機能強化を図っていくのか、その点はどうですか。
  49. 森本哲夫

    政府委員(森本哲夫君) 御指摘のとおり、郵政審議会は、これまでも郵政事業全般の経営に関して大変重要な役割を担っておるわけでございます。さらにまた、今回の改正で一段とその重要性を増すわけでございますが、この委員につきましては政令がございまして、全体として二十五人の委員をもって構成し、できるだけ広く国民意見が反映されるよう、各界の有識者を網羅して構成される必要があるということになってございまして、その趣旨に沿って現在の委員が任命されているものと理解いたしておるわけでございますが、御指摘のとおり、今後ともこうした重要な役割に照らして、できるだけ審議会の意見が広く国民意見を反映したものになるように、委員の人選については、各界各層の分野から慎重な人選をしていく必要があると考えておりまして、そうした意味でさらに努力を重ねてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  50. 大森昭

    ○大森昭君 官房長ね、前々からそうなんだけれども衆議院でも参議院でも各委員の人は、与党の人というのは余り発言しないから別だけれども、全部言ってるんだよ、これ。何年も前から言っているの。恐らくまた人事で、今答弁してね、官房長もあと二、三年官房長をやるならひとつ信用して、まあきょうはこの辺で質問をやめてもいいやと思うんだけれども、どうもまた人事の発令でもあって、また官房長かわっちゃうんじゃないかと。大体官房長も一年ぐらいで、今言ったような答弁してね、大体皆終わって、すっすすっすいっているけれども、何にもやらないんだよ、はっきり言うと。  それで、こういう委員会で少なくともいろんなことが、聞いたり言ったりすると議事録に残ったりしてうまくないということなら、委員会じゃなくて別な機会を設けて、一体、先生方異口同音に郵政審議会のことについて意見を言うけれども、具体的に社会党はどう考えているんですかと、公明党の先生方は何を考えているんですかということを聞いて、いや、私どもはこういう立場でこうだというのをもう少し、この委員会じゃ無理なら無理なような仕組みで、毎回同じことをやらしておいて、毎回同じ答弁をしておいて、何にもやらないで官房長ばかりかわっているんだけれども、郵政審議会はちっとも変わらないんだ。官房長だけがかわっているんだよね、これ。だから、まあひとつ少しね、きょうの場はこれでおしまいにしますけれども、これは衆議院でも参議院でも全部言っているんですよ、これ何回も。それで官房長が言うようなことで大体終わっているんですよ。だからもう一つ、今度は法改正をして、郵政審議会の役割分担というのは大変なことになるんだという意味合いも含めて、人数もそれでいいのか、あるいは学識経験者というけれども、今までやってきたような何とか社長だ、何とか会長だというのがいいのかどうか、もう少し今後別な機会に、これは委員長に一任しておきますがね、そういう場をつくって、十分にひとつ聞いてだね、あなたが二、三年残るというなら別だよ、また官房長で。これは大臣に質問するわけにいかないけれども。  さてそこで、さっきから私が言っていますように、郵便の事業の運営の化方を大きく変えて、少し公共性と企業性の役割分担——私も学者じゃありませんが、別にここで公共論だとか企業論について論じるわけじゃないんですが、変化していることはわかるわけですね。この変化に基づいて、問題は、どう職員をこの変わっていく需要に対応さしていくかということをやらなきゃならないと思うんですが、普通の会社でいきますと、郵便局長がこういう提案をして、事業を運営していきたいということになると、大体郵便事業を活性化するには一体どのぐらいの予算が要る、人間の訓練だとか任用だとか採用だとか、あらゆることについてはこうしなきゃいけないというんだけれども、残念ながら役所の方は、郵務局長は郵便事業について、こういう問題で提起をして、こうやりたいと言うけれども、人の訓練だとか、人の採用だとか、人の問題というのは人事部長がやっているんだ。郵務局長が見識があって、人事部長がないと言うと、また怒られるからそこまでは言いませんがね、郵務局長がいろいろいいことを答弁したって、人事部がやらなきゃいけないわけなんだけれどもね。  そこで、僕は人事部長にちょっと聞くんだけれども、この活性化計画、ここにあるんだけれども、余り細かいことをいつも質問しちゃうと、あいつばかだと言われるから、あなたの方の書いたやつを言うんですけれども、私はやっぱりさっきから議論していますように、郵務局長は、例えばはがきだとか封書を値上げした、しかし、値上げばかりしたって郵便がふえるわけじゃない。値下げをして、今度ひとつ郵便をふやしていこうということになれば、それはやはり過去の経過を見ながら、反省をしながら事業の運営をどうしようかということになるんですな。ところが、人事部の発想というのは、そんな発想ないんだよ、悪いけれども。これ読んでも、従来の延長線上にとどまるんじゃなくて、新たな見地から敢然と挑戦しようというんですね。確かに、何だって今までの延長線でやるなんということはだめだということは全部わかっているわけです。それ以前に今まで労使の関係だとか、あるいは職員に働いてもらうために、どこにどういう欠陥があるんだと。  この間、郵務局長が何か新聞に書いてあったよね。あなたが労使関係で、年賀のことで、何かそういう意味合いの、何新聞だったかちょっと忘れたけれども、郵務局長は割合に素直な書き方しているんだよね。なぜかというと、余り労使関係にこの方は携わってないから、非常に常識的にあの新聞は書いてありましたけれども、別にここで私は郵政省が悪かったとか、組合が悪かったとか、よかったとかと言っているんじゃないんですよ。私は、大出さんが今国対委員長やっているけれども、二人で郵政省側にも行ったし、組合側にも説得して年賀を通すべきじゃないということで随分苦労しましたけれども、結果的に年賀はああいう状態になっちゃったんですけれども、しかし、そういう意味合いで人事部が、従来のそういう職員のもろもろのことに携わっている人たちが何ら反省なくて、ただ、今までと同じじゃいけないよなんという前書きがあって、しかもその次のページへいきますとね、人事部長ね、これがまた、とぼけておるのも甚だしいんだけれども、事業の発展こそ労使関係改善の原点である。事業の発展が頭に来ているわけだ。違うんだよ。労使の関係の改善が事業の発展に結びつくんだよ。全然書いてあることが逆さ。個別に答弁しなくたっていいよ。いいですか、これを見たら、本当に今一生懸命仕事やろうなんていう気は起きないね。  いいですか、主任というのがいるんですよ。大臣もよく御存じないかもわかりませんが、大体郵便局に五人に一人ぐらいいるんですよ。偉くなるというのは、やっとこ主任になるのが偉くなるんですよ。ここに並んでいる人というのは、主任やったことないんです。みんなもうすぐ偉くなっている。その郵便局の主任の人というのは、他局に任用するのが原則だ。貯金だって保険だって、あそこの娘は結婚して子供がもうそろそろできるから、じゃ貯金でも入ってもらおうかとか、あるいは保険にも入ってもらおうか。主任になるのにどうして他局、あなた、小岩の郵便局の一般の人が主任になって、渋谷へ行って何ができるんですか。郵便やるのに、配達するのに。そういうばかげたことを書いてあるし、同時にまた、もっとひどいですよ。降格の問題、降格させなきゃいけないというわけだ。それはそうでしょう、悪いことをしたら降格させなきゃいけない、当然の話ですけれども、その降格の問題もですね、「役職機能が充分発揮できない者に対しては降任、降格制度等の適正な運用を図る。」、だれが図るんですか、これ。大体この条項に引っかかる管理者がやるんじゃないの、これ。例えばこういうことがあったにしても、本人が降任だとか降格されるといったら大変なことなんです、これは。そうでしょう。そういうものをばらまいておいてですよ、何が郵政事業の活性化ですか。活性しますか。職員はどこへ飛ばされちゃうかわからない。  しかも自分を勤務評定する人というのは、尊敬している、敬っている人ならいいですよ。今あなた見てごらんなさい。現場の課長やって二年でしょう。局長やって三年でしょう。そしたら、今守住先生ここにおられますけどね、それはおまえの言うとおりだと、二年じゃ短いから三年におれはするんだと言って、やや三年がふえたんですかな。何かそうらしいですけど。二年ぐらいいた人がですよ、この人間は成績が悪いから降格だ、降任だ、それで、この人間はもう主任になるから、小岩の郵便局から渋谷の郵便局へ、他局に主任でやっちゃう。管理者が他局でもってやるんなら、まだ話はわかりますよ。貯金外務員だとか郵便外務員だとか、保険の外務員が主任になることによって他局に任用するようなことだとか、あるいは降格が一方的に、どの上司が降任、降格するかわからぬけれども、厳格にやるべきだというものを出しておいて、これ、なぜ言うかというと、人の言うこと聞いて、ああこの活性化計画は間違いでしたと、もうちょっと修正しましょうなんという考えがあればいい。ところが、お役人というのは、一回出した文章というのは絶対直さない。メンツを重んじるわけ。つまんないメンツなんだよ。いいメンツならまた別だけどね。  郵政事業の活性化計画なんて出しているセンスでもって、まとめて考えてみますと、郵務局長非常にいい答弁しているんだけど、果たして郵便事業にこういうことを任しちゃって本当にうまくいくだろうかという疑問。人事部からあんたの方に話が飛んじゃって悪いけれども、だからその辺のところを人事部長総括して、今貯金でも保険でも、もうしっちゃかめっちゃかで一生懸命事業の活性化図ってやっているんだけど、一体人事部なんというのは何を考えているんですかね、これ一体。総論でいいから。
  51. 白井太

    政府委員(白井太君) せっかくの先生のお言葉ではございますけれども、私ども認識といたしましては、先ほど来先生各般にわたっての御指摘があったわけでありますけれども、郵便、貯金、保険、それぞれが抱えております問題というのはなかなか容易ならぬものがあるということで、そういう事業の環境というのを背景にいたしまして、私ども人事部の受け持ち領域の問題につきましても、過去の殻から抜け出し新しい対応をしていかなきゃならぬというような気持ちで実はそういう活性化計画をまとめ、また新たにいろいろな施策を打ち出したりしておるつもりでございます。ただ、体が十分ついていってないじゃないかというような御指摘は、これはあり得ることかと思いますけれども、しかし、考え方としては、私どもとしては、先生がお話のようなことを十分に頭に入れてやっておるつもりでございます。  それから職員の任用、転勤なんかの問題につきましても、実は過般の当委員会においても先生からの御指摘もあったところでございますけれども、そのときも十分お答えもできなかったわけでありますが、私どもとしては、主任の任用などの問題につきましては、他局で任用するということを原則にするというような極端なことまで実は言っておるわけではございませんが、従来考えてみますと、とかくその局で主任に任用するということにどちらかというと、むしろこだわり過ぎておったために適材適所の配置というようなこと、あるいは人事上のバランスをとるというような観点から考えますと、余り局に限定をしてしまいますと、かえって適材適所の配置をするという点で不都合なことも出てまいるもんですから、その辺につきましては、むしろ余り自局任用、その局で任用をするということにこだわらずに、ほかの局も含めて適材を探そうじゃないかというようなことを、むしろその辺に力を入れて言っておることが先生のお話のようになったんではないかと思いますけれども、いずれにしても人事につきましては適材適所、あるいは今日の事業の置かれた環境というのを十分に頭に入れまして、むしろ今までのやり方というのにもう余り縛られずに、新しい発想をどんどん取り入れてこれからの事業に当たっていきたいというふうに思っておるところでございます。
  52. 大森昭

    ○大森昭君 皆さんの手元にこれはないから、何となくあなたの言っておることがもっともだと、そうじゃないんだって、これ読んでみますか。「主任の任用に当たっては、積極的に他局任用を図っていくこととする。」と書いてあるんだよ、これ。今の答弁と同じかね。今あなたが言ったことと同じことの意味なの。これは通じませんよ、それは日本語として。「積極的に他局任用を図っていく」ということと、あなたが今言ったのは、いや、自局で余り主任にこだわっていますと、うまくないのでと、何全然違うじゃないか。そういうようにここの問題をやったら、これはあなたを何かとっちめるようなことにもなるから、そういうことは嫌らしいことだから、これ以上やらないけれども、余りそういう詭弁は使わずに、私が言ったように、確かにこの文章は、「積極的に他局任用を図っていく」ということを書いてあるんだから、原則的にもう他局の任用だと、主任は。というふうにとられるでしょうね、というぐらいあなた素直にならなきゃ、これ読んだ人というのは、人事部長がここで答弁したようなことで理解しませんよ、だれも。  しかも、私がもっと言いたいのは、いいですか、郵便を配達しているというのは、幾ら今住居表示制度ができたって言ったってね、そんな簡単なものじゃないでしょう、郵便の配達するんだって。主任になれたって、今十五年も二十年もかかるんです、人によっては。そういうせっかく新しく入った人間に仕事を教えるような人が、他局へ行って何に使いものになるの。だから、例えば管理者の問題として他局に任用するとか、あるいは人事が詰まると、その人が主事なら主事を長くやっていると、事業もマンネリ化すると、だからこの人はほかのところへ行ってもらってやってもらおうじゃないかというのはいいんですよ、僕は全然認めないと言っているんじゃないですよ。ところが、郵便だとか貯金だとか、保険の主任さんになる人を他周に任用したら営業妨害だよ、本当に。僕はきょう予定してないから、卸務局長、どうですか、見解ね。経理部長きょうおられますけれども、一体あなたの見解どうですかって一人一人聞いたっていいんだけれども、そうすると、人事部長意見が違っちゃうと、また大変なことになっちゃうから、これ以上質問しないけれども、だから総括的に私が言うことは、人事部長ね、あなたが、いずれにしたって郵政事業が大きな変革を迎えている、事業の活性化を図らなきゃならないという気持ちはわかります。  だけれども、一たん出したものであっても、よく一体これについて職員はどう反応しているのか、対応する組合もあるんだから、全郵政もありゃ全逓もあるし、郵産労もあるし、三つも四つもあるんだ組合は。みんな組合によく聞いて、私はこう思ってこの活性化計画を出しているけれども、一体皆さん方はどういう、この活性化計画については意見をお持ちですかと聞いて、私が言うようなことでなきゃいいですよ、あなたが言うようなことでもってみんな理解しているならいいけれども、そうじゃないということになれば、やっぱりこの点は直さなきゃいかぬというようにして、とにかく労使の関係というのは、その郵務局長の文章の中にも、今郵便事業が非常に活性化してよくやってくれている、累積赤字も解消したことは、まさに労使一体で事業の運営をやりてくれたからだと。人事部長ならもっと違うんじゃないかなという感じもするんだけれども、それはちょっと人事の介入で言い過ぎになっちゃうけれども、そういう視点で、ひとつ労使の関係というのはもう少しやってもらわないと、それは各事業局の局長さん方が、もう厳しい状況の中で民間と競走しながら幾ら一生懸命やったってだめ。それから経理部長も、これは僕はあえて言うんだけれども、少しは黒字になりそうだったら、郵務局もいろいろな施策でもって金を使わなければならないだろうというんだったら、いや、黒で残しておいて、むだな金使えという意味じゃないけれども、各事業局としては、もう少しここでこういう金を使いたいけれども、当初予算があるからなかなかそうはいかないだろうということなどについて遠慮している点もあるんだろうから、黒字になるときにはなったように、やっぱり各事業局長さんがこの際少しお金を投入して、事業がうまくいくということになれば、やっていくということにならないとまずいと思うんですよ。  だから僕は、そういう意味でいくと、少しこの事業全体が今非常によくなっているところの中で、経理部だとか人事部がこれに即応して——いや、そんなこと言わなくたって即応していると経理部長は言いたそうな顔をしているけれども、即応して対応してやっていただくことをお願いをしておきます。  それで、きょうは実は建築部長見えているんですけれども、三事業一体だとか、地域に密着してとかいろいろ言っておりますが、従来の建築基準に従って局舎を建てるのじゃなくて、用地が少し余っているところはどう活用していくかとか、あるいは新しく局舎を建てるときにはどういうように今日の事業の状況からやらなきゃいけないかとか、何か考えていますかね、建築部長
  53. 黒川暢一郎

    説明員黒川暢一郎君) 先生御指摘のとおり、ただいま郵政事業の経営は営業の側面を重視しなければならないという状況の中で、郵便局舎につきましても当然これに対応していかなければならないというふうに我々思っております。そういう観点から従来の機能中心、あるいは内部の業務処理の観点に立った設計、あるいは職場の作業環境の充実といったことは従来からやっておるわけでございますけれども、それらを踏まえた上で、これからは窓口の店舗性を重視し、お客様の視点に立った設計を心がけるべきだというふうに考えております。  また、地域の情報拠点、あるいはコミュニティー活動の拠点としての役割も重要性を増してきております。そういった観点から最近の局舎の建築、特に窓口回りの設計におきましてはスペースを拡大する、それからサービスを向上する、それから局舎イメージを一新する、この三つの柱を基本理念として計画をしております。  具体的に何点か申し上げますと、個性的な建築のデザインを採用する。あるいは二点目、町のアクセントになる局前広場を整備する。三点目、地域に開放できるコミュニティールームを設置する。それから四点目、郵便局の所在をわかりやすくする。あるいは局前のスペースから窓口に至るまでの表示の関係でございますが、これをわかりやすい体系的なものにする。あるいは五点目、ハイテク機器、あるいはニューメディア端末等を窓口に導入する。六点目、拡大する時間外サービスに対する対応等々を現在行っておりまして、お客様に利用しやすい郵便局をつくっていきたいというふうに思っております。  また、地域によりましては歴史的な景観の保全に対処しまして、町並みに合った設計を採用しております。これら新築の局舎につきましては、従来とはイメージが一新したものになっているということは先生も実物を見ていただければお感じいただけるんじゃないかと思うんですけれども、大半を占めております既設局の窓口につきましては、まだまだ古いものがございますので、これを今年度予算をつけていただきまして、現在の最新の水準にこの既設局を近づけるというふうに考えまして、ことしから七年計画でもって実施する計画でございます。  郵便局舎のあり方につきましては、従来からさまざまな調査研究を行っておりますけれども、今後ともお客様の動向、あるいは有識者の意見等を反映させまして、時代のニーズに合った局舎づくりということを進めてまいる所存でございます。
  54. 大森昭

    ○大森昭君 いろいろ工夫して、確かに非常にすばらしい局舎が、旭川の方へこの間行ってきましたけれども、すばらしい局舎ができ上がっていることも見ているんですけれども、何せ土地が非常に上がっちゃって、東京都内だって高いビルができていて、郵便局が何か谷間の中にぽこっとあって、ちょっと調和がとれないような局舎があったりいろいろありますので、特に今建築部長が言われたように、ひとつ工夫をしていただきまして、ぜひひとつ地域に密着をし、同時にまた親しまれる郵便局舎になることをお願いしておきたいと思うんです。  そこで資材部長、今お祭りだとかなんかで、テレビを見ていますと、郵便局員が全部出ていくんですよね。営業所——営業所というか、小さいあれですね、そして、何とか祭りといったら、祭りのはっぴを着たりして、なんかやっているわけですけれども、そういうのは被服規程にはないんだけれども、何か援助しているのかね、そういうのは。
  55. 岩島康春

    説明員(岩島康春君) 先生のお話の、今地方でイベントなどございますときに、臨時出張所などを郵便局が出すときにそういったカラフルなブレザーなどを着ているのが多くなっております。これは全国統一したユニホームとは違いまして、地方ごとに地方郵政局、あるいは大きな郵便局で独自で調達いたしまして、近隣局に必要なときには貸し出したりしてやっておるものでございます。
  56. 大森昭

    ○大森昭君 この間銚子でもって、イワシを郵便小包で送ってもらうというので、銚子の郵便局員の人が行ってやっていたけれども、あんなのは制服を着てやっていたよ。だけれども、やっぱり今この法案の提案で郵務局長が言うように、値下げをして需要を図るというような話もあるけれども、もう被服も何年来同じような、郵便局員が制服着てイワシ詰めたりして、そんなお祭りに参加したって、とても本当に地域の人と溶け合うなら、それはあんた、みこしが出たらみこしを担ぐぐらいなことにならなきゃ、ただ制服着て、出張所にいて記念切手いかがですかなんて言ったって、なじまないんだよ。そうなればやっぱり被服の方も、それは国の予算ですから大蔵折衝もあるだろうし、難しい点もたくさんあると思うんですけれども、少し大きく発想を変えて、出すところは出してもらうことをお願いをしておきます。  それからもう一つ、郵務局長、記念切手なんだけれども、テレホンカードがいいか悪いかというのはいろいろ議論があるんでしょうけれども、ある地方へ私が行きましたら、実は非常にここ観光に来るんですけれども、記念切手を何とか本省に言ってもらえないでしょうかという話があるんだけれども、今日まで記念切手を出す経過というのはいろいろありまして、余りたくさん出しちゃ、切手を集めている人に対して値上がりしないからどうだとか、どうか知りませんが、そんなこともあるんじゃないかと思うんですが、いずれにしてもこの記念切手の発行というのは、依然として昔から変わらないんだけれども、一体こういう記念切手なんかも何か改善の方法はないんですか。
  57. 田代功

    政府委員(田代功君) 記念切手でありますが、記念切手は私どもの郵便の仕事の基本になるお金をちょうだいする手段であるとともに、趣味の世界でも非常にこれは関心の強いものでございまして、お話のような記念切手を出してほしいという要望は毎年大変たくさん参ります。私どももそれをどうやって絞るかに実は苦労しているところでございます。  お話のように、今日本では記念切手は、全国どこででも同じものが買えるようにということで、要するに全国一律のものしか出しておりません。そろそろこれも見直してみようかという議論も実は内部でしているところでございまして、ただ長年の経験なり、それから切手というのは、やっぱりある面ではお金にかわるところもありますのと、それから非常にきれいなものでなければならない、いろいろ実務的には難しい問題もありますが、もう少しバラエティーに富んだ、あるいはローカル色のある切手なども試しに出せないかという勉強も今しております。
  58. 大森昭

    ○大森昭君 はがきなんかは全部、東北へ行けば東北の各県の風景を入れて四十円で売っているわけでしょう。僕は素直に回答を聞けないんだけれども、だから、趣味で実は記念切手の問題をというだけじゃないんじゃないかと思うんです。別にここで何も解明しようという気はありませんが、ただ、記念切手を本省の権限で、今地方には何の権限もないわけだからね、本省の権限で、そして年に十四回かな、大体十二回だか十四回だか決まっているわけですね。そういうやり方で記念切手を発行していくことが、今局長が言うように趣味に適合するかどうか。とにかく押しつけなんだから。国宝シリーズなんて、国宝のお城を出して買わないかというんだからね。自分が松本へ行って、松本城の記念切手買ってくるならいいけれども、そうじゃないわけでしょう。  だから今局長が言うように、にわかにここでどうのと言っても無理ですが、こういう点も十分検討してもらうのと、この前もちょっと指摘をしておきましたけれども、寄附金つきの年賀はがきの寄附金の配分。これもだれがどこへ幾ら渡しているんだか、何だかさっぱりわからないんだけれども、聞くところによると多くの団体に渡しているようなんだけれども、どういうぐあいになっているんですか。もう少しこの辺は、例えば福島県に何とか団体があるのでその団体に渡すということになれば、福島の統括局長がその方を呼んで、その方に渡した方が、ああ福島局の局長さんというのは、こういうことで年賀はがきを発行して、その寄附金を活用してやってくれているのかということで、それは多分福島民報に恐らく出るよ、局長室へ呼んで贈呈式があれば。そういうことも必要だと思うんだけれども、我々実際の話、何か新聞のこんなところで記事読むだけでね。あれだけ年賀に苦労してですよ。  そうすると、あの年賀はがきというのは本当はもうやめた方がいいんじゃないかというぐらい僕も考えたことがあるんだけれども、もう殺人的な作業ですからね。郵便労働者にしてみれば、あの年賀というのは集中して、あれだけ苦労してやって寄附金を取って、それが何だかさっぱりわからないというんじゃだめだとこの間指摘をしておいたんだけれども、何かお考えありますかね。
  59. 田代功

    政府委員(田代功君) 三月二十二日の当委員会で今の御指摘がございまして、私ども今内部で検討中でございます。  御指摘のとおり、今まではこの寄附金の配分というのは、配分を受ける団体を所管するいろんなそれぞれ専門がございますもので、どちらかというと、そちらの意見をできるだけ取り入れるという気持ち実施してきておりましたが、寄附金を集めるのはうちの職員でございますので、できるだけやっぱり地元の郵便局の意向が反映できるような方向に行けないかというつもりで現在検討しておりますが、まだちょっとやり方についての結論が出ておりませんので、もうしばらく結論をお待ちいただきたいと思います。
  60. 大森昭

    ○大森昭君 時間が来ましたからこれでおしまいにしますが、先ほどからいろいろ私も言いたいことを言っているわけでありますが、なかなか役所の機構、制度、こういうことから見ますと、思いついたり考えたからといってそうにわかにできるものじゃないことは十分知っているんですが、どうかひとつこの郵便法改正を契機として、単に口先だけで営業の時代だとか何とかかんとかと言うばかりではなくて、一つ一つひとつ改善をしていただいて、とにかく今回この法案が通ることによって経営の責任も持たにゃいかぬ。そして従来の多くのことについて見直しもしなきゃいけないし、職員が一体何を考えて、どういうふうにやったら気持ちよく職員が働いてくれるのかというようなことも十分ひとつ考えて、やっぱり物事を謙虚にこういうときには取り扱っていきませんと、さっきの活性化の問題じゃないんですけれども、省側が決めたことを組合側にこのとおりやってくれと言ったって、それは組合側の方だってそのとおりにはいかないという事情だって十分あるわけですからね、ひとつそういうことでやっていただきたいということをお願いしたいんですが、大臣、いろいろ私が言いましたけれども、所感をひとつ述べてください。
  61. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 現場の御体験の大変豊富な先生の御発言を貴重な御発言だという受け取りをいたしました。特に私はほかの役所等を見ておって、郵政省の中へ入ってみて、郵便事業という伝統の事業なんかは民衆と同じ高さで、目の高さが同じような感じで、割に柔軟ないろいろな対応をしていらっしゃるんじゃないかなという感じがいたしたわけでございます。今そういう気持ちで役所の中におるわけでございますが、いろいろな御指摘、非常に貴重な御意見もございますので、官房長がわずかの間しか官房長の職にいないとおっしゃいましたが、大臣はもっとわずかな間しかいないみたいでございますので、それがどんなふうなことになりますかは別といたしまして、いろいろと新しい郵便行政、郵政行政をするために少しでもそういう民衆の心みたいなものが、私が政治家、民衆の中から出てきた政治家として、そういう心を残していければいいな、そんな意味先生の御意見を大変気持ちよくといいますか、現場の働く人が動かなくなったらどんな事業も全部崩壊するわけでございますので、そういう働く人の立場を考えての郵政行政というものを実施しながら、それが民衆との利益で一致点を見出せるような決着をつけてまいるようなことにいたしたいと、かような気持ちで拝聴いたしました。
  62. 大森昭

    ○大森昭君 どうもありがとうございました。
  63. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会
  64. 上野雄文

    委員長上野雄文君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、郵便法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  65. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 郵便は、私たちの日常生活や産業活動になくてはならない基本的な通信手段であり、また、大変に身近で簡易な小型物品の送達手段でございます。全国津々浦々まで独自のサービスネットワークが形成されておりまして、郵便事業は我が国の社会経済全体のインフラストラクチュアとして、今日国民に親しまれ、また信頼されながら、我が国の社会、経済、文化の発展に大きく貢献していると、私はかように考えているわけでございます。そして、これからもこの郵便事業は高度情報化、国際化、サービス経済化などの社会経済環境の変化が進む中で、郵便の持つ種々の特性や機能を存分に生かしながらその社会的責務を全うし、さらなる発展を遂げていくことがいよいよ重要になってきていると思うのでございます。  そこで、今後の健全な郵便事業の経営と利用者にとって利便性の高いサービス提供を願って、若干の質問をさしていただきたいと思います。  まず初めに、郵便事業は五十五年度に二千五百億円もの巨額の累積欠損金を抱えていたわけでございますが、その後、物価、賃金水準の安定など社会経済のいろいろな要素があったとは言いましても、六十一年度には十五億円まで減少し、六十二年度にはこれを解消しそうだというところまでこぎつけております。この経営努力には大いに評価すべきものがあると思います。そこで、このような好調な原因を郵政省はどのように分析しておられますか、まずお伺いいたしたいと思います。
  66. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵便事業は人手に頼って運営しているものでございますので、事業がうまくいくか否かというのは、専らこれを担う職員のいかんによると考えております。  で、ここ七、八年前から私どもの郵便事業大変好転してまいりましたのは、労使関係が安定いたしまして、ある意味での職員の意識改革が進んだのではないかと、かように思っております。そういう環境が出てきますと、私ども例えばスピードアップですとか、壊れ物の取り扱いですとか、そういったいろんな新しいサービスを提供することができますので、そういった新しいサービスの提供と相まって、郵便がますます便利になった。いいことが重なりますと、これでまたお客さんの信頼が郵便局に戻ってくると、こういったことが重なって、この今日の好調の原因になったと、かように考えておる次第でございます。
  67. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 こういう事業が好調な時期に郵便料金を弾力的に省令で決定できるようにしようということですので、そこには十分な必要性やメリットをお考えになっておると思うわけでございますが、その点についてお伺いしたいのと、同時にこれは私の懸念ですけれども、郵便料金の特例措置を認めることによって、料金が比較的容易に決められるというふうになった場合に、健全な経営の大事な基盤であります職員の士気の高揚といいますか、そういったものが崩れるようなことになっては困ると思うわけですが、このような点についてお伺いいたしたいと思います。
  68. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵便事業は明治以来、国による独占事業ということで運営してまいりましたが、近年郵便事業をめぐって、例えば電気通信の発達に見られますように、郵便だけがお客様にとって唯一の通信手段ではなくなったと、郵便以外にもいろいろな通信手段が出てきまして、私どもの郵便の周りにいろいろな競合状態が出てまいりました。  また、郵便と似たようなサービスにしましても、例えば小包一つとりましても民間の力が大変強くなってまいりました。こういった環境にさらされながら、やはり国営事業としての郵便がこれから先も安定的にサービスを提供していくためには、料金の上げ下げが機動的にできるようなシステムをつくっていただく必要があると、こういうふうに考えたわけでございます。  私どもこういう競合の中で精いっぱいの経営努力はいたしますけれども、人力に頼る私どもの仕事が、私どもの経営努力だけではどうしようもない事態が起こることも想定されますもので、そういったときに備えて機動的な料金政策がとれませんと、やむを得ず大幅な値上げなどに踏み切らざるを得なくなって、これがまた郵便離れを引き起こすことになる。これでは将来にわたって郵便を健全に維持することが困難ではないかと考えまして、今回の法案の改正をお願いした次第でございます。そういう環境の中での弾力化でございますので、こういう法改正をお認めいただいたといたしましても、郵便局の運営に当たる者としては決して安易に流れるとか、あるいは士気が緩むなどということは許されませんし、またそういう雰囲気でもないと、かように考えております。
  69. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 現在第一種及び第二種の郵便料金が法定されておりますのは、これは私信の送達の独占が保障されているので、その利用者の保護の立場から料金の合理性を確保していくということであろうかと思います。  したがいまして、このたび省令で弾力的に料金が決定できるようになっても、この条項を乱用して値上げを行い、国民に負担をかけるようなことがあっては困るわけですが、今の局長さんのお話を聞くと、そういうことにはならないという強い御発言でございますので、私も安心したわけでございますが、どうか経営努力を怠らないようにする。また、事業運営が安易にならないように重ねてお願いしたいわけでございます。
  70. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 先生御指摘いただきましたように、私どもといたしましては、みずから律してサービスの徹底に努めることに専心してまいりたいと思っておりますが、民間との競業の問題等がありますので、また厳しいその条件をつけておりますので、安易な値上げによって糊口をしのぐというようなことのないようなシステムになっておりますし、むしろ自主的にいろいろ決めさしていただくことによりまして、皆さん働く現場の人たちの意欲も高揚してまいりますし、そういうことで自主性という、みずから律するという、その厳しさの中で安易な運営をしないように私どもは心がけてまいりたいと思っております。
  71. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 大臣のお言葉をいただきまして、ぜひそうあってほしいと、さらに強くお願いしたいわけでございますが、そこで今後の問題といたしまして、サービスの改善等についていろいろと具体的なお考えをお持ちではなかろうかと思いますが、そういう点についてお聞かせいただきたいと思います。
  72. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵便事業と申しますのは、速くて安くて、そして確実に届けるというのが基本でございます。したがいまして、私どもいろんなサービス改善を実施いたしますが、あくまでも基本はこの三つの要素をこれから先もどんどん追求していく、これが私どもの仕事の基本であろうかと思います。  そのために、例えば今不在のお宅がふえてまいりましたので、こういう社会の変化に対応して、なるべく在宅時に書留などを配達できるような仕組みもこれから考えていきたいというようなことも考えております。そのほかに最近の需要にこたえるという意味でのサービス開発といたしましては、ことしの十月から、小包の追跡システムと私ども言っておりますが、お客様からお預かりしました小包が先方に配達になったかどうかということが瞬時にわかるようなシステムを現在構築中でございまして、ことしの秋からはそれが実用になると思います。これでまたお客様からの問い合わせにも非常に便利に応対できるようになります。そのほか今回の法案でお願いしておりますプリペイドカードの発行も、これも一つの利便性を高めるのに役立つかと考えておりますし、それから昨年の法律改正でお認めいただきました、くじつきの切手も今着々と準備中でございまして、これもことしの暮れの年賀状用の切手には間に合うように作業をしたい、こういうことを現在考えております。
  73. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 郵便事業がこの七年間にわたって黒字経営を行ってきた原因としては、先ほどの局長のお話にもございましたように、大変サービス改善による郵便の需要拡大に努める一方で、コスト上昇をできるだけ抑えるよう努力してきたことにあると思うわけであります。郵便事業財政は、その八割が人件費であると聞いておりますけれども、今後とも安定した事業経営を維持していくためには、やはり省力化の施策を進めて、そしてその面からコストの抑制に努めていかなければならないと思うわけでございますが、この点についての今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
  74. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵便は昨年一年間をとりましても約八%の物数の増加を見ております。このまま郵便がふえていきますと、大変人手がかかるものでございますから、私どもそれをいかにして人手をふやさないで、大量にふえる郵便を処理するかというのが非常に大きなテーマになっております。  従来から、例えば昔は徒歩で、そのうち自転車で、そのうちオートバイでというふうにいろいろな手段も講じてきましたし、今でも差し出す方の郵便は番号で、封筒に書いていただいております郵便番号を機械が自動的に読んで仕分けをする、こういう機械はどんどん郵便局の中に入れておりますが、まだまだこれで終わったというふうには考えておりませんで、例えば今検討中なのは、封筒の上に書いてあります受取人の住所を機械が自動的に読んで、それを配達区分、町名ごとぐらいには機械がひとりでに区分するようなことを今開発中でございまして、これも日本の電子技術からいいますと、近い将来実用化のめどもついてまいりました。  こういったことを今考えておりますし、それから今、定形郵便物といいます小型の郵便しか機械にかかりませんが、もう少し大きな郵便もこれにかかるような工夫も現在進めてもらっております。それから、窓口が大変お客さんが込んできますと、手間がかかりますと並んでしまうというようなことがございますので、いろんな作業をできるだけ簡単に機械で、料金もぱっと出るような、そういうものも今開発を進めております。こういういろいろな手だてを講じながら、増大する郵便をなるべく人手をふやさないで効率的に実施できるようなことを考えていきたい、こういうふうに考えております。
  75. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 省力化によるコストの抑制というのは大事な問題でありますけれども、これには先を見越してのいろいろな施設に対する、あるいは技術に対する研究開発投資とか、あるいは設備投資というものがますます必要になっていく、重要だろうと思うわけでございます。今後の事業経営には、そのための内部留保がなければならないと思うわけでございます。ぜひ料金の今後の決定に当たっては、そういった面からの、そういった観点からの配慮もしていただくように、これは要望でございますけれども、お願いしておきたいと思います。  さて、サービス改善について、今いろいろとお話ございましたけれども、私の身の回りといいますか、感ずるところを二、三お伺いさせてもらいたいと思います。  その一つは、郵便局舎の有効な利活用の問題でございます。郵便の利用についてのサービス改善が必要なことは言うまでもございませんが、せっかく郵便局という施設を全国至るところに持っているわけでございます。知らないところに行っても、郵便局を起点にしていろいろ行き先を案内してもらえるというようなことさえあるような状況でございます。したがいまして、この局舎を開放して、おのおのの地域の方にもっと利用してもらうというような地域密着のサービスを提供し、より一層国民に親しまれる郵便局づくりに取り組んでいったらどうかと思うわけでございます。いかがなものでしょうか。
  76. 田代功

    政府委員(田代功君) 御指摘のとおりでありまして、最近地方の時代ということが言われるようになりまして、この地方の時代というのは、これから先当分続いていくのではないか。私どもの持っております郵便局二万数千の拠点というのは、地方の時代には非常に有力な武器といえば武器で、非常に貴重な宝だと思います。  そういった意味で、ここ数年来郵便局をできるだけ地元の人に親しんでもらう、利用してもらうという観点でいろいろな施策を構じておりまして、直接直ちにそれが収入増につながるというものではありませんけれども、郵便局に来ていただくことによって郵便局を愛してもらう、そしていろいろな機会に使ってもらえると思って奨励をしております。郵便局にはもともと年末のためにある程度の予備のスペースもとっておりますもので、こういったものは普段は外部のお客様に十分に利用してもらおうということで、例えば切手展とか手紙の書き方教室ですとか、果ては盆栽の展覧会まで実施しているとか、そういうことまで実施しておりますし、いろいろなカルチャー教室などもそれぞれの局の事情、あるいは地元の事情に応じて現在実施いたしております。郵便局舎を建てかえたり、あるいは新しくつくるときにも今まで以上にそういった地元とのおつき合いといいますか、利用がよりやりやすいようにということで、局舎の建てかえのときの基準なんかも少しずつ変えて、一定要望にこたえられるように持っていっているところでございます。
  77. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 地域社会における郵便局の有効な利活用というのは、郵便事業の発展に必ずつながっていくと思いますので、どうか積極的に御努力をお願いしたいと思います。  次に、郵便に親しんでもらうということでは今でもあるわけですが、郵便友の会とか文通サークルの結成、こういうものをもっと助成して、積極的に郵便ファンをつくっていくというような、こういうことも大事ではなかろうかと私は思うわけでございます。こういうことによりまして、将来の郵便利用者が育ち、あるいはひいては事業財政に貢献することになると思うわけでございます。この辺のことについて現在の状況、あるいは今後の取り組みがありましたらお伺いさせていただきます。
  78. 田代功

    政府委員(田代功君) 電気通信が発達するにつれてといいますか、あるいは世の中がだんだん変わるにつれまして、なかなか若い人が手紙を書かなくなってきたという傾向が戦後ずうっと続いております。郵便は個人の手紙だけで成り立っているものではございませんが、やはり郵便の原点は、皆さんに手紙を書いてもらうことだという考えが私ども中心でございますので、今御指摘の郵便友の会とか、あるいは文通サークルについてはできるだけのことを地元の郵便局でお手伝いをし、そしてそれを振興するということにいたしております。  郵便友の会は全国で三万数千人の会員がおりまして、毎年若干ずつふえておりますが、もう既に来年で四十年を迎えますので、またこれを機会にいろいろPRをしたり、新しい活動を奨励していこうかと思ったりしております。友の会活動だけでなくて、学校教育の中でもできるだけ手紙のことを取り上げてほしいと思いまして、教育指導要領の中にも何かの形で入れてほしい、あるいは入れなくても、小学校の授業のどこかで手紙について教えてください、そして、できれば郵便局にも見に来てくださいと、こういうことを各郵便局で積極的に指導しておりまして、それぞれの地域地域でいろいろ工夫を凝らしながら、手紙を書く習慣を広げる運動をしているところでございます。
  79. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 これは私の地元の話題ですけれども、ある町で郵便友の会の中学生がポストを掃除しているということが写真入りで大きく報じられておるわけでございます。郵便友の会のこうした気持ちを大事にしながら、また今お話にございましたけれども子供のころから郵便を通じて手紙文化、あるいは文字文化へ貢献させる意味もあろうかと思います。どうか郵便、郵政事業の発展のためには、こういう郵便友の会など大いに育て、活用していくように努力されることを願うわけでございます。  次に、「ふるさと小包」についてお伺いしたいと思います。これは村興しにも役立っており、なかなかいいアイデアだと私は思っております。これまで私も建設行政を通じまして地域づくりに関係してきた一人として、これを注意深く見守っておるわけでございます。ところで、現在この小包代金というのは、郵便振替を使って発送をもとに行われておりまして、郵貯が一体となったサービスということではございますけれども、さらに一歩これを進めまして、「ふるさと小包」の代金を郵貯口座から引き落とせるようにしてはどうかというふうに考えるわけでございます。これは、特にこれから海外へも多く人が住むような時代になりますと、海外の人へ国内からいろいろ物を頼まれて送る場合にも、こういうシステムがあれば大変便利じゃないかというような気もするわけでございますけれども、それは別としまして、郵便口座から引き落とせるようなことは考えられないのかどうか、お伺いしたいと思います。
  80. 田代功

    政府委員(田代功君) せっかく郵便局で郵便と貯金、あるいは保険も一緒にサービスを提供しているわけでありますので、今御指摘のように、この「ふるさと小包」の代金も郵便貯金の口座から引き落とせますと、それなりに大変便利なシステムだろうと思います。ただ、実務的にはいろいろ面倒くさいといいますか、非常に多くの業者がこれに絡んでおりまして、なかなかぱっと実現できるものではございませんが、方向としては、非常に将来当然私ども考えていかなきゃいかぬなあという感じがいたしております。お客様の需要がどの程度あるかなあというのもちょっと気にはなりますので、この辺また顧客の動向などを見ながら、そしてこのシステムを構築するにはどういうことが可能なのか、どこに問題があるか、もう少し実務的に詰めた上で、できるものならこういう方向でいきたいというふうに考えております。
  81. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 次に、プリペイドカードに関してお尋ねをしたいと思います。  今回の法改正におきまして、郵便のプリペイドカードを発行して、それで切手やはがきなどを入手できるようにしようとしておられますが、このカードをどこでもいつでも利用できるようにするには、かなりの数の自動販売機というものを配備する必要があろうと思います。このカードの使える自動販売機の配備計画をお伺いしたいのが一つでございますが、もう一つは、このカードの利便性を高めるには今申し上げました、例えば「ふるさと小包」の料金をこのカードで支払えるようにするというのも、このカードの幅広い利用一つの方法ではなかろうかと思うわけでございます。この点についてはいかがでしょうか。
  82. 田代功

    政府委員(田代功君) カードが使える自動販売機、切手、はがきの自動販売機でございますが、今回法案が通りますと早速準備に入りますが、ことしは初年度でもありますので、とりあえず大都市を中心に三百台程度からスタートさせていただきたいと考えております。ただ、これは数がふえないことには効果がございませんので、来年以降大いに予算をつぎ込んでふやしていこうかと考えております。  それから、このカードで買える品物の範囲でございますが、現在の法律ですと、一枚のカードで何でも買えるというわけにはいきませんで、今お願いしますのも切手、はがきを中心として郵便の利用上必要なものというふうになってございます。したがって、切手、はがきや封筒のほかに、郵便小包を送るときに使います箱ですとか、袋ですとか、その辺までは現在の法律で大丈夫でございますけれども、それ以外に今御指摘の、「ふるさと小包」の小包の方の中身の代金までこのカードでというのは確かに便利ではございますが、これは多目的利用と申しますか、カードの性格が、今の一つのものを買う目的のためだけでなくなりますので、これはいろいろな法律の手当てをしないといけないということで、政府部内でも今検討が進んでおりますので、こういった動きに合わせて、郵便のこのプリペイドカードも、それを使って買える範囲を将来的には広げていきたいと、かように考えております。
  83. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 最後に、外国と日本の一人当たりの年間の郵便の文通量を比較してみますと、日本は非常に少ないようでございます。まだそういうことから考えると、どんどん郵便需要というのはふえていくような気がするわけでございます。したがいまして、これを今後円滑にさばいていくということは非常に大きな課題だろうと思いますが、そういう際に経営の合理化、あるいは効率化を図るという意味で従来も活用しておられますけれども、民間への委託、こういったものも必要になろうかと思います。その点についての基本的な考え方を最後にお伺いをして終わります。
  84. 田代功

    政府委員(田代功君) これからますますふえる大量の郵便をすべて郵便局の職員で処理するというのは、これはもう限りがございますので、不可能なことでございます。したがいまして、現在でも既に輸送部門は原則として民間に委託をいたしております。このほかにも例えば取り集めですとか、あるいは辺地の配達ですとかといったところで一部民間の手をかりて業務を運営いたしております。今後ともどこまでがうちの職員でどこまでが部外の人の手にゆだねるかという単純な線の引き方というのは非常に難しゅうございますが、郵便事業の信用とか、あるいは郵便事業運営上の支障がないかとか、そういったことを総合的に勘案して、外部委託によって乗り切らざるを得ないところは外部委託をということで考えていきたいと、こういうふうに考えております。
  85. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 近年の電気通信メディアの発展というのは本当に目をみはるものがございます。これが同じ通信手段としての郵便に少なからず影響を与え、あるいは競合関係を強めていくだろうと思いますし、また小型物品の送達分野におきましても、民間宅配便や急配便などが発達して、その面での競合性も強まっていくだろうと思います。そして一方では、利用者が通信や小型物品の送達に当たって求めるサービスレベルというのがますます高くなっていくだろう、こういうことを考えますと、これからの郵便は、こういった時代のニーズの変化に適切に対応していただきたいと願うわけでございます。この点を最後にお願いいたしまして、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。
  86. 田代功

    政府委員(田代功君) 御指摘の点は、私ども今郵便事業が抱えている一番基本的な問題だと思っております。これから先も、民間との間でもあるいは電気通信との間でもお互いにいいところを伸ばしながら、郵便事業も健全に、そして国民に喜ばれるような郵便局を目指してこれからも努力してまいりたい、かように考えております。
  87. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 この郵便法改正にちょっと関係はないんですけれども、最初に一、二問、大臣含めてお尋ねをしたいんですが、昨年廃案になりました大型間接税の導入問題についてのいわゆる世論調査の賛否の公表についてでございますけれども、先日放送法が改正をされたわけでございます。その際にも、NHKは公共放送公共放送と、また受信料制度をとっているいわゆるNHK、これは国民の信頼を受けるNHKであるとか、こういうことで盛んにNHKのいわゆる公共性というものがあの法案の審議のときに出てきたわけでございますけれども、この十二月ですか世論調査が行われまして、その際賛成が四六%、この調査は公表された。しかし、反対の四八%の調査は発表されなかった。この問題については、先ほど昼休みの時間にNHKの放送で私見たんですけれども、ニュースで見たんですが、午前中に衆議院の方で審議されたようでございますけれども、私ももう一度、この監督官庁である大臣、もちろん御存じだと思いますので、どのようにこの点について感じておられるのか、思っておられるのか、大臣からお願いします。
  88. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 放送法審議の際にも再三申し上げましたように、放送の内容についての私どもとやかく意見を付する権限がございませんので、私も先ほどの昼のニュースで見ておりまして、いろいろ世論調査の結果は、調査資料として集めたものであるので、政府税調等との関連から、その問題を公表しなかったというようなニュースを拝見いたしました。それなりの理由だという気持ちで聞いておったわけでございますが、NHKから来られておりますので、また放送行政局長もおりますことでございますので、詳しくはNHK並びに私ども局長から御聴取いただければと存じます。
  89. 成川富彦

    政府委員(成川富彦君) NHKではいろいろと世論調査をやっておりますが、今回の調査は当面する時事問題を中心といたしまして、国民政治と生活についての意識を把握して、放送の資料あるいは素材とするために本年三月に「くらしと政治調査を行ったところでございます。この中に新型間接税導入に対する賛否の意見調査が含まれておりまして、この調査結果の一部については、三月二十三日以降放送によりましてニュースとして流されたわけでございますが、新型間接税に関する部分につきましては、同時期に政府税調の方で行政改革についての素案の骨格が発表されたということがございまして、その素案の骨格に対する意見として誤解を招くのではないかというようなことをNHKとして判断いたしまして、ニュース放送に含めなかったというふうに聞いておるところでございます。  放送番組につきましては、先ほど大臣から御答弁ございましたように、放送事業者の放送番組編集の自由という問題がございまして、みずからの判断で決めるべきものでございまして、私どもどのような取り扱いを行うかは、放送法三条によりまして、番組編集の問題として考えられますので、私ども行政立場としては、意見を述べることは差し控えるべきものだというふうに考えているところでございます。
  90. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 それではNHKが来ていますから、NHKの方からそういうふうに聞いておりますと、監督官庁としてはそういうふうにおっしゃっているんですけれども、NHKとしてはこれをどういうふうに今思っているのか、おっしゃっていただきたい。
  91. 尾西清重

    参考人(尾西清重君) お答え申し上げます。  「くらしと政治」というテーマで世論調査を大体年に二回やっております。この調査は、かなり広範な政治意識の調査と申しますか、時事的な諸問題についての国民意見を吸収しようというねらいでやっているものでございます。この三月の調査でも、例えば土地改革の問題、あるいは貿易摩擦の問題、あるいは予算の問題、その他かなり数多くのテーマについて、国民世論の意向というものを調査したわけでございます。  私どもといたしましては、この三月の十二、十三両日に調査の日にちを設定いたしましたのは、大体二月中には政府税調の骨格と申しますか、素案というものがまとまるであろう、それが公表されれば、その骨格なり素案なりというものについて、国民世論の動向というものを知りたいということで設定したわけでございます。十二、十三の両日に調査いたしましたものをまとめますと、どうしても十日ぐらいの時間がかかります。そして、二十三日の午後に私どもで申しております放送文化調査研究所というところでまとめて、放送の現場に説明をしたわけでございます。ところが、政府税調の骨格というものが二十二日に公表されまして、私どもは二十二日の七時のニュース以降、この新しい骨格についてかなり詳しく報道したわけでございます。新聞各社は、いずれも翌日の朝刊のトップでこれを伝えるという状況だったわけでございます。  したがいまして、政府税調の骨格が公表された翌日、つまり、その日の新聞は皆トップで伝えるという状況の中で、この税制に関する調査というものは、政府税調の骨格を見た上での世論の調査ではございませんので、その時点で放送するということは、かなり誤解を招くということで、国民の一般的な税に対する関心、そういったものも調査しておりますので、その方は詳しく報道したわけでございますけれども、この数字については担当の部長の編集判断に基づいて放送しなかったわけでございます。  私は、NHKが常に正しいことをしている、無謬性と申しますか、過ちがないというようなことは毛頭考えておりません。常に一つ一つの経験を踏まえて、打ち返しそれを次の取材、あるいは放送に生かしていきたいと思っておりますけれども、この時点におけるこの編集判断というものは誤っていなかったというふうに考えている次第でございます。
  92. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 今いろいろ申されましたけれども、放送法四十四条の二項には御存じのように、「協会は、公衆の要望を知るため、定期的に、科学的な世論調査を行い、且つ、その結果を公表しなければならない。」、これは御存じですわね。この公表するのに雑誌に公表すればいいというものじゃないと私は思うし、また、今あなたのおっしゃった、政府税調とかち合うとか、素案のいわゆる調査と間違えられるとか、これは私から言わせれば、へ理屈だと思うんですよ。  結果として、何か賛成の方はこれは発表して、反対の方は発表しない、こういうことになれば片手落ちですから、片手落ちになったということは、結果として国民になぜ公表しなかったとか、そういう疑問を持たせたことは、これは間違いないわけですから、そういった意味から、また法律上厳密には明記されていないと、それは確かに今言ったような条文ですから、明記はされていない。ですけれども、私は片手落ちではなかったか、こういうふうに思うんですよ。誤解をもし招くならば何か注釈をつけて、かち合うんだったらば、かち合うように、こういうことで政府税調はこういうふうに素案を発表しましたと、これはいついつ調査したものですと注釈をつければ、何ら私は差し支えないことだと思うんですよ。また最後に、人間だから間違いもあると、こういうことで多少引っ込んでいるようですけれども、私はそれは強弁だと思うんですよ。  本当にNHKに今回のこの件については反省の意思があるのかないのか、もう一度答弁してください。
  93. 尾西清重

    参考人(尾西清重君) お答えいたします。  調査というものは、やはり前提条件が狂えば、その調査の結果というものは必ずしも意味がなくなるというか、それはそれなりに一つの参考にはなるかもしれませんけれども、私どもとしては、この時点における編集判断としては、これが妥当であったというふうに考えております。
  94. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 なおしつこく言えば、編集判断に任せるということで、そういうことならば自己規制をしてもいいと、こういうことになってくるわけです。  これは幾ら言ってもしようがありませんから、これで終わりますけれども、それではこの三月に調査したものを現実に放送してないわけですから、これはいつ放送されるのか、予定はどうなっているのか、その点をお伺いいたします。
  95. 尾西清重

    参考人(尾西清重君) この新型間接税の問題は私どもも最大の政治的な課題だという認識を持っておりますし、国民にとっても最大の関心事だというふうに認識しております。  先生も御承知かと思いますけれども、私どもは四月の十日、十七日の日曜日のNHK特集で、通常四十五分の番組を一時間以上も割いて二週連続この税制の問題を扱いました。これは私どもの今度の新型間接税に対する取り組みの端緒と申しますか、これからさまざまな形で取材をし、それをまた番組に結実させていきたいというふうに思っておりまして、決して腰が引けるとか、あるいはこの問題について自主規制しようというような考え方は毛頭持っておりません。  今度の調査につきましては、先ほど申し上げましたような理由で放送しなかったわけでありますけれども、私の知る限りで申し上げますと、党税調に移って論議が始まり、それがいろいろと世の中で議論の対象になっていく時期がこれから予想されるわけでございますけれども、私どもとしては、そういう時期の中で、タイミングを見計らって調査をして、その結果を公表するつもりにしております。
  96. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 それでは本題に入りますが、近年の郵政事業の推移を見てみますと、順調に伸びておるわけです。これは非常に結構なことだと思います。五十五年当時の二千四百九十四億円の赤字が六十一年度末においては十五億円まで縮小されたわけです。さらに郵政省の昨年度の予算では二百八十五億円の欠損、これを予想していたとは反対に、実績では今までの累積損金を解消して、その上に百億円以上の黒字になると、こういうことになるようでございますけれども、まずここ数年、郵政事業がこのように順調であった理由、順調できた理由はどこにあるのか、この点はどういうふうにお考えですか、大臣にお伺いします。
  97. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 五十七年の全逓の大会のときに、郵政事業にこれからひとつ大いに協力をしていこうという全逓の方針みたいなものが打ち出されて、大変労使関係がいい方向に向かってきたのが、私はまず最初の郵政事業が大変円滑なものになってきた理由ではないだろうか。それから、いわゆる国鉄改革というものがありまして、国の事業に対するいろんな動向みたいなものを、三十一万の職員の方々がいろいろな自覚を芽生えさせてきていただいたことが基本的なものではないかという感じがしておりますし、それからサービスの改善とか、それから営業努力、現場の人たちの大きな行政当局と一致した方針が打ち出されたこと。それからまた、お客様の信頼の回復といいますか、郵政事業に対するいろいろな信用度が増してきたというのが私は三つ目の理由ではないだろうかという感じでおります。  それからまた、五千三百種類になると思いますが、「ふるさと小包」なんというものが地域振興というものと結びついてきたこと。それから北海道から沖縄まで全国二千八百キロの長さ、それから三十七万平方キロのこの日本列島が翌日には郵便が配達される。また、生の新鮮なもの——先般もちょっとヨーロッパへ行って、ストラスブールで郵便局の方々と語り合いましたときにも、北海道のサケが九州にすぐ送られていく、それから九州のエビが北海道へ翌日着きますというのを驚きの目をもって、生のままですよという話をいたしましたら、驚きの目で私どもを見ていただいておりましたが、そういうサービスの徹底みたいなものがいい方向に向かった原因ではないかと思っております。
  98. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 昨年度の決算で、先ほど私申しましたように百億円以上の黒字が出る、こういう予想のようでございますけれども、これはいつごろはっきりするんですか。
  99. 山口武雄

    政府委員(山口武雄君) 決算の確定ということでございますけれども、仕組みのお話ということになりますと、総体の決算の確定ということになりますと、これは秋以降ということでございますので、これはさておきまして、決算の内容を構成いたします数字、計数の確定ということで申し上げまあすと、これはそれぞれの国全体の各会計におきまして数字をいろいろまとめ、それを財政当局に書類として持ち込む、送り込む、そして財政当局の方でその帳簿を締め切る、その日が七月三十一日ということに定められておりまして、その時期ということに相なります。もっとも、それまで時間があるからゆっくりやっているということでは毛頭ございませんで、これは郵政の会計、いろいろその他、非常に多数の二十を超える他の会計、あるいは政府関係機関との受け払い、いろいろな仕事を受託しております関係もございますので、そういう面もございますし、それから二万を超す郵便局で非常にたくさんの契約、あるいは現金の受け払い等をやってきたその最後の取りまとめということでございますので、やはり実態的にかなり時間を必要とするということもございます。現在、相当膨大な作業でございますが、関係者挙げて鋭意作業中という状態でございます。経営のために、できるだけ必要なデータというのは早く把握したい。もちろんそういう内部的な要請もございますので、せめて概数なりとも少しでも早くつかむようにということで、現在やっておる最中でございます。
  100. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 予防線張ってゆっくりやっているわけじゃないなんて、こういうことですけれども、私から言わせれば、確かに郵便局も二万以上あって、膨大な数字が出てくるわけですけれども、七月にならないと決算の数字がわからないと、こういうことでは私、七月の決算というのは余り聞いたことがないんですけれども、大概三月とか九月とかでね。  それに関連して、事業の経営上やはり三月に締められるんだったら三月に締めた方が、これからの計画にしても何にしてもやっていくのにスムーズにいくんじゃないかなと、こういうことで今申し上げたわけなんで、民間では月次計算をやり、常に市場と実績を見詰めて、どういう経営をしていったらいいのか、経営努力をしていったらいいのかと、こういうふうにやるのがこれは民間であるわけです。官業だから、それで七月でいいと。今ゆっくりやっているわけじゃないと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、私はコンピューターの時代でもありますし、計算するのはそんなに難しいことじゃないと、こういうふうに思いますので、こういうことについては、やはり三月なら三月に早目に締めて、そして次の経営努力にそれをやっていくと、こういうことでやってもらいたいと思いますけれども、こういう点については早くすると、決算を早くするということについては何かお考えがございますか。
  101. 山口武雄

    政府委員(山口武雄君) 先ほどちょっと申し落としましたが、もちろん三月の三十一日、前年度の年度の終わりに帳面をいわば締めまして、それから決算の総取りまとめの作業に入るわけでございます。  先ほども若干申し上げたわけでございますけれども、国の会計であるということから、やはり法令に基づいた決算を行うという、その計数の最終的な確定の時点というのが七月三十一日ということに相なっておりまして、実態的に申し上げますと郵政会計、例えば年金、恩給の支給でございますとか、それから国庫金の受け払い、収入印紙の売りさばき等々、国、それから他の政府関係機関等から大変たくさんの事務を受託しております。そういう事務を取り扱っておるということで、それぞれの会計と受け払いをやっております。これらの受け払いの確定のためには現実問題として相当な時間がかかるわけでございます。  また、内部的にはたくさんの郵便局で扱っております現金の集計、それからまた、固定資産の増減にかかる計数の取りまとめ等々ございまして、やはり相当の手間と時間を必要としておるという現実をひとつ御理解賜りたいと存じております。  なお、郵便業務の収入額でございますとか、経営上必要なデータにつきましては、概数ででも極力早く把握するよう、事業に資するという観点から今後とも十分努力してまいりたいと、このように考えております。
  102. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 次に、通常郵便のうち、第一種郵便物と第二種郵便物の一通当たりのいわゆる原価を見てみますと、六十一年度は第一種は五十七円、第二種のはがきについては三十九円と、こういうふうになっておりますけれども、郵便物は九割が人件費と、こういうことですので、将来は料金の値上げになるのではないかと、こういうふうに思われますけれども、現状の経済状態で将来とも今の状態が続くと仮定して、この郵便料金の値上げの件ですけれども、いつごろまで現状の料金体系が維持できるか、この辺はいかがお考えですか。
  103. 田代功

    政府委員(田代功君) 仰せのとおり、私ども人手に頼っている仕事でございますから、物価がどの程度安定してくれるかが非常に大きな要素を持っております。今の時点で何年もつという見通しをはっきり立てることは非常に難しゅうございますが、郵便事業が置かれているこの環境ということから考えますと、一年でも長く今の料金を維持し、むしろ安くできるところは安くしてでも需要を拡大していくことが私どもの責務だろうと思っておりますので、そのような気持ちでこれからも進んでいきたいと思っております。
  104. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 今回の改正案は、郵便料金の決定方法の弾力化と、先ほども質問が出ましたけれども、今までは昭和四十九年度からの累積欠損金が解消されるまでの間に限り一定の条件のもとで省令で改定できると、こういうふうにされてきたわけでございます。これを累積欠損金が解消された後でも省令で改正できるというのが今回の改正内容になるわけですが、条文の二十七条の四に、「政令で定める額を超える郵便事業に係る累積欠損金が生じたとき」等に限り、郵政大臣が郵政審議会に諮問した上、省令で引き上げることができるとありますけれども、この「政令で定める額を超える郵便事業に係る累積欠損金」とほどのぐらいの額を言うのか。先ほどたしか五%とか六%と聞いたんですけれども、額にしたらどのぐらいになるのか、教えてください。
  105. 田代功

    政府委員(田代功君) 今回の法律改正では値上げすることができる条件を幾つか並べてございますが、その中の一つに、累積欠損金の額が政令で定める額を超えるということになっておりますが、これは社会経済環境の変化に伴いまして判断をする必要がございますが、当面今の時点で私ども考えますのは、この政令で五%と、つまりその年度の収入の五%を超える額に達したときと、こういうことを考えております。したがいまして、例えば六十二年度でいきますと一兆三千億、二千何百億か、一兆三千億前後の売り上げになりますので、これの五%と言いますと、六百五十億程度の額になろうかと思います。
  106. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 弾力的に引き上げる、引き下げるということですけれども、ここで問題になるのは、この審議会に諮問をして値上げをする、値下げをする、こういうことですけれども、いつもこの審議会については、ほかの部門でも問題になるんですけれども、この審議会の構成メンバーですが、この構成メンバーになるメンバーの選出基準というのは、どんな人たちを選ぼうとしているわけですか。
  107. 森本哲夫

    政府委員(森本哲夫君) 郵政審議会につきましては、根拠規定を御案内のとおり政令で郵政審議会を置くと、そして、こうこうした役割を担うという決めがございまして、それで審議会の人選については、この審議会令という政令では学識経験のある者と、それから郵便貯金の預金者の利益を代表すると認められる者、あるいはまた簡易保険の契約者の利益を代表すると認められる者、こういう枠を示しておるわけでございまして、これは沿革的にかつて簡易保険の部会、簡易保険の審議会があったときに、行政改革の一環で、そういう審議会をつぶして郵政審議会に統合した、あるいはかつて法律で貯金の利率を決めておりましたが、これを政令でゆだねられたときにこの審議会で諮るようにと、こういったときに次から次へと付加されてきたというような経緯でございますが、したがいまして、ここの趣旨は、できるだけ郵政事業が広く国民の意向に沿った運営になるように各界各層の分野から人選をすると、こういう趣旨だという理解のもとに現在できるだけ、先ほども御質問ございましたが、多角的に、多方面から人選をしたい、これもネームバリューだとか肩書だとか、そういうことにできるだけこだわらないようにやりたいということで人選をいたしておる次第でございます。  現在は言論界、評論界、あるいは学界、あるいは経済・実業界、あるいは労働界、それからまた消費者代表、あるいは行政経験者とか、各般の分野から選んでおる次第でございますが、先ほどのお話にもございますように、審議会としての役割が重要でございますので、できるだけ幅広の人選を進めていかなきゃならぬと考えておるところでございます。
  108. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 広く国民の意思を反映する、こういう意味で各般の各分野からと、こういうことですので、学識経験者はもちろんですけれども、そこに二十五人以内とされているようですが、この構成メンバーの中に、それこそごく一般の方を入れるというふうに理解してよろしいんですか。
  109. 森本哲夫

    政府委員(森本哲夫君) ごく一般という抽象的な話は非常に難しゅうございますが、私どもとしては、先ほど申し上げましたとおり、郵政審議会が担う役割に照らしてみて、それにふさわしい学識なり見識なりをお持ちの方と、しかし、それは必ずしも会社の社長であったり、団体の理事長であったりということを意味するものではないわけでございまして、審議会のメンバーは二十五人、数多くいらっしゃいますが、例えば去年人選して、まだ一年ばかりの任期の方で、照明デザイナーというお仕事をおやりの石井幹子委員なぞも、これは女性の方でございますが選任をさせていただいて、斬新な意見を反映させていただきたい。女性の方といえば、この方に限らず、例えば鯉淵鉱子さんとおっしゃる母子・寡婦の福祉団体の役員をなさっておる方なども入っていただいておりますが、できるだけ広い範囲で人選に努めてまいりたいという気持ちでおるところでございます。
  110. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 時間がないので、次にちょっと進ましてもらいますけれども、この新聞ですけれども、「書留、夜間も配達へ」と、このことですが、夜型志向といいますか、核家族というか、女性の社会進出というか、そういう時代になってきて、書留の夜間配達、本人や家の人が不在のときでも、深夜営業のコンビニエンスストアですか、こういうところで小包を受け取れるようにする、こういうことを今秋をめどに実施するというんですけれども、このサービスの概要についてはどのように考えておられるわけですか。
  111. 田代功

    政府委員(田代功君) 実はこの新聞の記事、一面のトップに出ておりまして、郵政省はこういう方針を固めたと書いてございますので、私自身ちょっとびっくりしたわけでございますが、その議論は実は前々から、最近は不在の家庭が昼間多くなってきた、あるいは夕方再度配達してもいらっしゃらない、あるいは郵便局に取りに来てくださいと言うには遠過ぎる、いろいろ不便をかけておりますし、私ども仕事の上でもなかなか難しい問題を生じております。したがいまして、これから先、こういう世の中の変化に対応して郵便の配達をどういうふうに持っていったら一番ふさわしいかという検討は常時しているわけでございます。  したがいまして、そういう検討、別にないしょのところで検討する必要はございませんもので、ある程度いろいろな人に意見を聞いたり、オープンな場でしておりますもので、恐らく新聞記者の方の耳にも入ったんだと思いますが、まだ問題いろいろございまして、人の差し繰りもございますし、コストがどのくらいかかるかとか、いろいろな角度、どういう方法が一番効率的かという問題も含めて検討しなきゃいかぬと思っていますが、いずれにしても方向としては、こういうことをいろいろ取り入れていかないといけないんじゃないかと思っております。これもまた、全国一斉にというのもこれ非常に難しゅうございますので、こういうことにふさわしい地域を選んで、また試しに始めてみようかという考え方で今詳細を検討の真っ最中でございます。
  112. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 局長びっくりされたというのは、何がびっくりされたのか知りませんけれども、じゃあそういう予定はないということですか。
  113. 田代功

    政府委員(田代功君) 誤解を与えて申しわけございません。「方針を固めた」というくだりと、それからこれだけ大きく取り上げられるほどのまだ中身が固まってないうちに、これだけこういう誤解を新聞記者に与えたということを実は驚いたわけでございまして、方向としては、ここに書いてあるようなことは私ども前々から検討しております。
  114. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 わかりました。  いずれにしてもこういうサービスをするということは国民にとって、消費者にとって、我々にとって非常にいいことであることには間違いございませんけれども、ただ、どこで始めるのか、どういう形でやるのか。深夜ということになりますと、例えばコンビニエンスストアでやった場合に、アルバイトの人が一人で留守番をして、それで商売をやっている、こういうことで、最近新聞なんかにもよく出ておりますように、いわゆる金融的な犯罪があるわけです。そういった点も考えなければこれは心配だなと、こういうことで、秋にやるならばきちっとどういう計画でやっているのか、そういうことで私はお聞きしたかったわけなんで、検討中ならば検討中で結構なんですけれども、そういうことをきちっと計画した上でやっていただきたい、こういうことで申し上げておきます。  それから、プリペイドカード等についてお聞きしたいんですが、時間が来てしまいましたので、最後に信書についてですけれども、三月二十八日の本委員会で、宅配便に入っている手紙等について、郵政省が独占してやることには限界があるんではないかと、これをある程度認めることにしたらどうかと、こういうふうに私申し上げたわけでございますけれども、三月二十四日の新聞によりますと、経済団体連合会から行革審の公的規制委員会ですか、に意見が提出、中間取りまとめということで提出されたその中に、郵便関係のもので、ギフト商品に簡単なメッセージ並びに請求書等が添付できるよう検討することを要望すると、こういう意見が出されておりますけれども、これに対して郵政省は、この要望について現在どのように受けとめておられるか、これをどういうふうに考えておられるのか、この点をお聞かせ願いたいと思う。
  115. 田代功

    政府委員(田代功君) 御指摘のとおり、経団連から審議会に要望が出ました。その要望の趣旨は、ギフト商品に簡単なメッセージ並びに請求書などが添付できるよう検討することを要望すると、こういう趣旨でございます。  これは前々から議論がございまして、ギフト商品などを送るときに、送りましたということを別な手紙で出すというのが、あるいは請求書をまた別に送るというのが大変、面倒といえば面倒だということで、これを入れてもいいではないかという御意向でございます。これは近年、うちの小包も含めまして流通が大分変わってきましたし、通信販売などもふえてきましたし、そういったことで個人あての荷物などもふえて、こういった要望もふえてきたことのあらわれだと、こういうふうに考えております。ただ、これはやはりメッセージ、請求書というのは、これはやっぱり信書でございますもので、信書を小包の中に入れるというのは、これはもうそれこそ明治以来長年郵便事業の、要するに郵便の独占とのかかわりで大変に線の引きにくい問題なものですから、そういった意味で、この取り扱いをどうするかというのは、今いろいろな角度から検討しているところでございます。
  116. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 終わります。
  117. 山中郁子

    ○山中郁子君 本日の午前中には衆議院でも集中的に議論をされたというように聞いておりますけれども、今、新大型間接税の問題をめぐってNHKの調査、そしてまたその報道のあり方などが問題になっております。  今国会の当委員会におきましては、私もこの問題については、一つはNHK予算をめぐって、そしてまた放送法改正をめぐってなど繰り返し指摘してきたところであります。衆議院予算委員会における我が党の質問に対するNHKの予算委員会の放映の問題、そしてまた、放送法にあってはNHKの業務拡大に絡む政府の、例えば広報番組をNHKが請け負ってつくるということなどについて、放送法上のNHKの政治的中立公正をめぐるその問題点の私は強調をしてまいりました。今回のこの問題は、まさに私は、今国会においてこの二つの問題をめぐって私が繰り返し指摘をしてきたことだけをとってみてもその問題の根の深さ、つまり報道の政治的中立公正をいかに保障するか、その問題の重要さを改めて浮き彫りにしたものだと痛感をしております。  まあ幸い、今国会中に近くNHKの六十年度決算の審議が行われる予定になっておりますので、私はその機会に改めて全面的にこの問題について再度明らかにしなければならないと思っておりますが、ぜひこの機会に放送法や電波法、関連する直接の官庁である郵政省の方々のこの問題についての認識を改めて問い直すとともに、その政治的姿勢を振り返っていただきたい、このことをまず初めに強調をしておきたいと思います。  さて、郵便法改正の問題でありますけれども、今回の郵便法改正は、八年前の九十三国会で累積赤字がなくなるまでの間に限って郵便料金の改正法律改正しないでもやれるようにしたということでありますけれども、それをこれからは無期限に国会の議決なしに料金改正ができるようにしよう、そういうものであることは私が今申し上げるまでもないと思います。  この問題は、九十三国会のときも財政法違反として大きな議論になり、我が党も反対をしたところでありますが、改めて御紹介するまでもなく財政法第三条は、「国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」としております。前回は赤字がなくなるまでの間だから法定制緩和を認めてほしいというのが政府の言い分でございました。いわば期限つき法定制緩和だったといってよろしいと思います。ところが、今回は期限なし、つまり、無期限に法律改正をしないでも料金改正ができるようにしようということでありますから、この無期限法定制緩和という問題は、郵便事業が国の独占事業であるのかどうか、財政法に照らしてそういう問題から議論をしなければならないという重大な問題をはらんでいる、本質的にそういう問題だと私は考えています。  そこで、まず初めにお伺いするわけですけれども郵政省は、郵便事業は国営事業でなければならないと考えていらっしゃるかどうか。もしそう考えていらっしゃるのであれば、その理由をまずお聞かせいただきたい。
  118. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵政省は、郵便事業は国営であることが望ましいと、かように考えております。これは諸外国でもほとんどの国が、まだ完全に民営化したところがございませんように、やはり国民の基本的な通信手段は、国が直接運営をするということが公共の利益のために望ましい、かような考えで私ども国営が一番いいと、こういうふうに考えております。
  119. 山中郁子

    ○山中郁子君 今までにも折に触れて郵政省見解として伺っているところでありますけれども、今もお話がありましたように、郵便は、国民の基本的通信手段として国が責任を持つべき事業である。国営独占事業であるからこそ料金が法律で定められている、そのように理解をしております。そして、料金改正や事業内容の変更による新設料金や料金の改正などについては国会で審議をしてきたというところもそこのゆえんである。これは国営事業としては当然のことだと。それを今回の改正では国会での審議、議決をしないでやれるようにしようというのでありますから、財政法第三条にも反するし、また、それとの関連であなた方が常々おっしゃっている、なぜ郵便事業が国の事業としてあるのかということにも反するものだと言わざるを得ないと私たちは考えております。  その上、私どもがどうしても理解ができないのが、五十六年一月の料金改正以来一度も値上げをもちろんしないで、そしてきょうまでずっと黒字を続けてきた。この中にはいろいろな働く方々を初めとする御努力がありました。赤字もなくなった。それなのに、なぜ今急いで法定制緩和を無期限に続けるというように法律を変える、そういうことをしなければならないのか。つまり、法定制に戻したら郵便事業が非常に困る、現実に困るという、そういう事態があるのか、その辺を説明いただきたい。
  120. 田代功

    政府委員(田代功君) まず財政法三条との関連でございますが、財政法の三条は、国の独占事業の料金については、「すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」となっているのは御承知のとおりでございます。この法律に基づいて定めるという基づき方につきましては、料金そのものを法律で直接定める方式もありますし、法律では料金額の決定に関する条件、要件を定めて、具体的な金額そのものについてはその要件に従って、直接法律によらないで、例えば省令で定める方式もありますし、これらのいろいろな組み合わせがあると思います。財政法三条というのは、三条でどの方式をとるかという範囲はいろいろございますし、これは立法政策の問題だというふうに考えております。その選択に当たりましては、その事業の独占性の程度ですとか、あるいはその事業によって提供しますサービスが、国民生活上の必要性がどの程度かとか、こういったことを勘案して一番ふさわしい料金決定方法をとることができる、こういう考え方で私どもおります。  この五十五年に、当時の累積欠損金が残っている間ということで暫定的に現在のような制度をお認めいただきましたけれども、それ以来確かに値上げは一度もしておりませんけれども、こういうように弾力的に、小刻みに必要ならば料金がいじくれるという条件を整備していただいたことがほかの条件と相まって、この七年間郵便事業が非常にうまく経営してこれたというふうに私ども考えておりますので、これから先も、やっと累積がなくなったこの状態で、いつまでもこのいい経営を維持するためには、ぜひとも今後ともこういう弾力的な措置ができるような立法をお願いしたいと、こういうことで提案した次第でございます。
  121. 山中郁子

    ○山中郁子君 過去にも既に財政法三条の問題を含めた議論を繰り返し行ってまいりました。ただいま財政法三条をめぐる議論をしている時間がないのは大変残念でありますけれども一言だけ申し上げるならば、それは法律の曲解だということです。じゃ、どうして最初からそうなっていないのか。それをなし崩しにだんだん料金を法律で決めなくていいようにしてきているということは、実際にはもともとは法律で決めるようになっていたわけでしょう。それはだから曲解だというんです。曲解というよりは、それはすりかえであり、ごまかしである。そういう議論はもうさんざんしてきましたし、今ちょっと時間がありませんからもの点だけ指摘しておきますけれども、いずれにしても私が今伺いたいのは一般論でなしに、現在法定制に縛られているために必要な対策がとれない、そういう具体的な問題があるんですかということを伺っている。私はないと思う。だけれども、そういうのがあるんですか。つまり、この法律を通して法定制を取り払って、そして自由に料金を変えることができるようにしておいて、すぐにでもしたいと。要するに、これをそういうふうにしたいためにこの法律案を出しているんですというものがありましょうか。
  122. 田代功

    政府委員(田代功君) 値上げにつきましては、私ども現在のところは、当分値上げの必要はないと考えておりますので予定ございません。値下げにつきましては、これはむしろ需要をふやすために、これまだもうちょっと決算を見ませんと数字ははっきり結論出ませんが、値下げできることによって増収が図れるものもあるようだということで、それは今検討中でございます。
  123. 山中郁子

    ○山中郁子君 要するに、当面料金法定があるから非常に困るんだと、したがってこれを変えたいという、何にもないわけね、具体的な必然性、必要性が。もし仮にあったとしても、将来何か考えられるとしても、値上げがないというんなら値下げがあるのかどうか。少なくともそういうことがあるなら国会に出せばいい、法律で出せばいい、私らはいつだって審議していますでしょう。そういうふうにすればいいのにもかかわらず、今回の法改正は、永久に国会議決なしに料金改正ができるようになる、そういう内容ですよね。これからずっと、この法改正ができればね。  私はこれは余りにも国民をばかにした話だと思いますよ。結局は郵政省は、同氏や国会のチェックを受けないで、自分たちの好きなように料金を決めていきたい、そういうことができるようにしたい。そういうことのために、いろいろな理由をおっしゃっているけれども世の中が変わってきて、郵便の行政が変わってきて、民間との競争をしなきゃならないとか、いろいろおっしゃっているけれども、私は問題の本質は、そこに国民国会のチェックを郵政省がやはり積極的にどういうふうに評価するか、そこのところの姿勢の問題だというふうに思います。  ところで、けさほどからの論議の中でも、郵政省は郵便物をふやす、そのことが今郵便事業を守る上でとても大切なんだし、重要な課題なんだということを強調しておられる。今までの審議の中でもそれはたびたび聞かされました。そのことだけをあなた方今前面に出しておっしゃっているけれども、それが一体、日本の郵便事業をどこに導いていくかということをちょっと冷静にひとつ考えてもらいたい。もっと基本的な問題。私は郵便物扱い数、事業を広げていくということが必要でないとか間違っているとか、そんなことを言うつもりはないんです。だけれども、基本は何かということを考えてほしいというのが、私のきょう申し上げたいところなんです。  具体的な問題を一つ提起をいたしますけれども、基本的問題を解決しないままに事業の拡大、あるいは扱い物数をふやすというようなそういう問題が次々と出てきていますために、いわゆる黒字転換策の推進ですね、そういう中で働く人たちに対するしわ寄せやあるいは郵便サービスのゆがみがいろいろ生み出されてきています。例えば、郵便事業の危機を郵政省が叫んで、そして効率化として一度配達を強行するとか、あるいは深夜勤の導入を行うなど働く人たち、労働者に対する深刻なしわ寄せ、あるいは利用者へのサービスダウン、そういうものがさまざまな面で出てきています。配達の点で言うならば、配達区の拡大、物数の増大によって従来の確実、迅速、その原則がだんだんと弱まってきて、そして配達時間が遅くなってくる、そういう事態生まれてきているということを、私はここでぜひ改善をするというお約束をいただきたいと思うわけであります。事前に郵政省にもある程度詳しく状況を伺ったりしておりますので、お答えいただけると思うんです。  例えば杉並南郵便局、一つの例として申し上げるわけですけれども、これは比較的やはり大変な局所です。だけれども、ここだけが特別にということではなく、類似のそういう局所もほかにもちろんありますけれども、割合大変なところですね。相当大変なところに入ると思うんですが、町内によっては郵便配達が夕方の五時、六時、七時、一度配達ですから、郵便が夕刊後に来るという、そういうのが恒常化しているというところがあります。それで、住民要求としてあるんですけれども、せめて夕刊がポストに入るぐらいの時間までには郵便物配達してほしい、こういう声が高まっています。  また、労働組合のとったアンケートによっても、百三十七人の回答をされた方のうち、誤配があると答えている方が六十四と半数近くに上っているんですね。やはり物数がふえて、それで人は十分にいないから、それでたくさんの物数を抱えて急いで配達をするということもあるし、また、区分けやなんかにも管理者が動員されて、なれない区分けをやるから、当然誤まった区分けをするというようなことが出てくる。あるいは転居だとか、あて先不明など転送を要するいわゆる事故郵便物、こういうものもふえてきている。そういう状態が今ありますけれども、ここでちょっとぜひとも明らかにもしていただきたいし、今後そういうことで努力もしていただきたいと思うのは、郵政省は普通郵便物の配達を原則として何時までにするということになっているのか。また、そうしよう、それが一番いいと思っているのか。そこをちょっと明らかにしていただきたい。
  124. 田代功

    政府委員(田代功君) 通常郵便物の配達時間は全国一律に決めているわけではございませんで、その郵便局の職員の配置といいますか、あるいは勤務時間の組み方その他によって若干の差はございますが、ほとんどの郵便配達が、早いところでは朝の七時ごろの出勤、あるいは八時ごろの出勤、七時ないし八時に出勤しまして、それから夕方の例えば四時とか五時の間までの勤務でございますので、ほとんどはその時間帯に配達をされるという仕組みでございます。
  125. 山中郁子

    ○山中郁子君 ちょっとよくわからなかったんですけれども、私が伺ったところによりますと、基本的には四時四十五分に局を離れる、集配の働く方たちですね、普通、昼間ですね。ですから、四時四十五分に局を離れるというのは、つまり帰るわけだから、配達が終わって帰ってみえてからいろんな処理があるようですね。その処理に大体要する時間を約三十分と見て、まあどこから帰るかということにもよりますけれども、だから一概には言えないのですが、四時前後には一応配達が済んで局に帰るというふうに当然なると思いますけれども、その点はどうですか。
  126. 田代功

    政府委員(田代功君) 今具体的な例を挙げられました杉並南郵便局は、聞きましたところ八時から四時四十五分だそうでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、これは地域地域で、あるいは郵便局の規模その他でいろいろございますので、これが全国同じではございませんということを申し上げました。  それから、四時四十五分までの例ですと、やはりその何分か前までには帰ってあとのいろんな処理をしたりということでございますので、通常であれば四時少し過ぎ、四時半ぐらいの間には郵便配達を終わって郵便局に帰る、これが普通でございます。
  127. 山中郁子

    ○山中郁子君 一つ私は具体的に杉並南郵便局のことで申し上げたし、事前にもお話ししていましたので、それは確認していただきたいけれども、もう一つ、何かすごい全国の郵便局の勤務が千差万別みたいなことをおっしゃるけれども、そんなことないんでしょう。局によって全部違うんですか、杉並南だけがうんと特別なんですか、その勤務時間ですよ。ちょっと余りよくわからないようなことをおっしゃらないで、大体そういうことは標準なんでしょう。
  128. 田代功

    政府委員(田代功君) はい。ほとんどの郵便局は、この杉並南の例と同じだと思いますが、やはり配達する郵便局も何千とございますので、その郵便局に着くいろんな自動車便の時間その他によって、勤務時間はいろいろに全国的には変えておりますということを申し上げております。
  129. 山中郁子

    ○山中郁子君 ちょっとそういうのに余り余計な時間をとりたくないんだけれども、常識的に答えてくださいよね。大体そうだということでしょう、要するに。それで、だからそれまでに終わるというのが基本ですよね。だけれども、杉並南の場合も必ず連日超勤があるんですよね。一人の人が、特定の人が連日超勤しているという意味じゃありませんよ。だけれども、毎日だれかが超勤をしているという、そういう事態はあるんです。このことは多分郵政省の方も調べてそうだとおっしゃっていました。ということは、働いている方からいってもそういう問題がある。  それから配達順路というのはおのずと決まりますょね。私もそれはそうだと思いますよ、きょうはこう回って、あしたはこう回ってというわけにはいかないでしょうと思いますから。そうすると、いつも遅くなる時間、いつも遅くなるというお家は決まるわけですわね。遅くなる家はいつも遅くなるんですね、毎日ね。毎日夕刊が入った、まだ郵便物は来ていない、もっと遅くなって六時、七時に郵便物が入ってくるみたいなお家が固定的になっちゃうわけでしょう。だから本来、さっきも局長認められましたように、そういう四時前後が大体最終の配達時間、常識的に考えて、それからまた勤務体制からいってもそうであると。そうだとすれば、やっぱりこういうふうに恒常的に慢性的に超勤が行われなければならない状況、そしてまた、その結果恒常的に、夕方夕刊が入る、まだ後もっと遅くにならなきゃ郵便物が来ないというふうなお家があるわけですね、全部が全部そうじゃないということはもちろんなんですけれども、特定の人たちが。その問題はやっぱり何とか解決をしなきゃいけないというふうに私は思うんですけれども、その改善策についてどのようにお考えになっていらっしゃるか。  それから誤配を少なくする問題、あるいは自故郵便の処理の問題などについて御見解も伺いたいし、それから、これから今後改善をしていくための努力についてもお約束をいただきたいと思います。
  130. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵便の流れには、日により季節により時間によりいろいろ波がございますので、全部の職員が毎日四時四十五分に仕事が終わるというものではございません。杉並南も御指摘がございましたので東京郵政局を通じて聞きましたけれども、職員一人平均に直しますと、月七時間程度の勤務でございますので、これは人によって多い少ないはあろうかと思いますが、恒常的に夕刊よりも遅いというのは少し極端じゃないかと私思っております。もちろん、ですから日によっては四時四十五分までに終わらないで、五時とか六時までかかって配達する日もございます。そういうときには、最後の配達の人は恐らく夕刊より後になろうかと思いますが、これももう前々から議論になっていますが、効率的に郵便事業を行うために配達一度化をしたわけでございますので、この中でそういった、夕方になってしまうケースが出てくるのは、これはやむを得ないということでお客様に御理解をいただくしかないというふうに考えております。  それから、誤配その他ですけれども、これも郵便局の職員にはふなれな者もおりますし、ベテランもおりますし、いろいろでございますので、これはお互いに自分がプロとして、毎日の業務研究会やら打合会など利用しまして、誤配のないようによく配達区域の状況を把握するような訓練は十分いたしておるつもりでございます。
  131. 山中郁子

    ○山中郁子君 違うの。私の言っているのは、さっきも申し上げましたけれども、一人の人が毎日超勤しているとは言わないですよ。それは一人何か七、八時間だとおっしゃるんでしょう。でも一人七、八時間、月でやっているわけでしょう。ということは毎日必ずだれか超勤しているのよね。だからこれが慢性的な超勤、超勤というのは、そもそも本来は例外でしょう。三六協定にしても例外の精神ですよね。にもかかわらず、必ず超勤を何人かがするというのが連日続いているの。これはそうでしょう、これはお認めになるでしょう。それは郵政省の方、事前に私調べていただいて認められているところなのよ。だからそこは、ごまかすと言うと、またごまかしていないとおっしゃるから、そこは違わないように真実を述べていただきたい。必ずだれか超勤しているでしょう。つまり、だから私の言うのは、必ずだれか超勤をしているということは、必ず規定の時間内に毎日すべて終わらないという郵便物が残るんですよ。それで残るのは、結局配達順路が決まっているから、当然必然的に一定の、特定の人がいつも遅くなると、これもまたそうなるでしょう、現実にその問題を言っているんです。
  132. 田代功

    政府委員(田代功君) だんだん具体的な話になりますと、大変事実関係があれになりますが……
  133. 山中郁子

    ○山中郁子君 細かくなくていいから、基本を言ってくださればいいの、私が言っていることに。
  134. 田代功

    政府委員(田代功君) はい。申しわけありませんが、この杉並南の郵便局は配達が五十何区あるんですね。ですから五十何人の配達人の中のだれかは多分、資料先ほど見ましたけれども、毎日だれかが残るというのは、あるいはあり得ることだと思います。これはしかし、先ほど申しましたように郵便の流れというものが一定でございませんので、この毎日だれかが残る状態がないような職場をつくるというのは、これは私どもの郵便事業にとってはもう不可能に近うございますので、これはある程度職員には御苦労とは存じますけれども、超過勤務もお願いをせざるを得ないという気持ちでおりますので、御勘弁願いたいと思います。
  135. 山中郁子

    ○山中郁子君 私の言っているのは、だから毎日必ず超勤がやっぱりあるんでしょう。あるということは、つまり勤務、本来なら四時ぐらいまでに配達が終わるべきだとあなた方も考えているし、勤務もそう組んであるにもかかわらず、それ以降に配達をされる家がたくさん出てくるということよね、どのくらいかは別として。出てくるところが決まるというの、配達順路が決まっているんだから。それは頻度が高くなるわけよ。すると、その家は、もっと言うならば、サービスとしては随分不公正な話ですね。公平なサービスでなくなるわけよね、その配達順路は。だけれども、そこまで言ったらそれは私は不可能だと思いますよ。配達順路を毎日あちこち順路を変えてというのはできないでしょう。だから、そういうことが慢性的でないように改善しなきゃいけないじゃないですか、それで改善する努力を約束してくださいと、こう言っているの。だから素直に聞いていただいていいんじゃないですか。  私は一人といえども超勤を出すな、そういう約束をしろとか、一時間といえども超勤をさせるななんて今言っているわけじゃないのよ。だけれども、その結果、今の状態というのは、まさにそういうふうに夕刊より遅くなるような家が、毎日遅くなるような家が結局出るんです。出る部分があるんです、どうしても出るんです、それは配達順路が決まっているから。そのことをなくすようにしてほしいというのが労働者の希望でもあるし、同時に、これはまた利用者というか、国民の希望でもあるんですね。そういうことをなくすように改善してくださいな、だからそのために努力をしてください、どういう努力をなさるかは、あなた方専門家だからいろいろあれなさると思うけれども。私は要員の手当てが大事だと思っていますけれども、そのこと、今要員交渉できないから、そのための時間とるわけにもいきませんから、そういうことを申し上げているの。
  136. 田代功

    政府委員(田代功君) 杉並南郵便局を例にとってのお話でございますが、やっぱり今の郵便事業を考えますと、ピークに備えて人の配置はもちろんできませんので、ある程度の超過勤務もしてもらわざるを得ない状態にあります。ただ、それによってお客様にどういう迷惑をかけているかというお話も今ございますので、東京都内の郵便局を抱えております東京郵政局でかなりこれきめ細かく各局の業務運行状況ですとか、あるいはお客様の苦情、その他を把握しながら必要な実態調査をするなどして改善に努めておりますので、その一環として杉並南も東京郵政局によく検討するようにさせたいと思っております。
  137. 山中郁子

    ○山中郁子君 杉並南だけの特別な状況ではない、ほかにも類似の状況が生まれているということも重ねて申し上げておきます。  同じようなことで、先日の四月十二日の委員会で、私は為替・振替法の改正案の審議の際に、練馬郵便局の問題を例にとって、書留等の受領確認を要する郵便物のサービスの問題を申し上げました。そして、それについて調査もなすったり、あるいはその結果資料も持ってきてくださいましたけれども、そのとき田代さんは、一日当たり八百以上の持ち戻りや窓口交付二百以上の局はざらにある。正確に議事録をとれば、「都内の局では非常に多うございます。多数の局がこの程度の処理をいたしております。」と、こうおっしゃっているんですけれども、やっぱりそうじゃないのね。私もまたさらに、だからよく調べてもらいました。そうしましたら、そうではなくて、やはりこの場合、練馬はダントツに多いんです。その後またさらにいろいろ資料も持ってきてもらったんですが、そしたら、三月の十五日から三月十七日の一日平均ということで持っていらしたんですよね。それで練馬は窓口交付物数が百九十で、世田谷が二百四で、成城が百四で、板橋西が四百三十二だと、こうおっしゃって、余り大したことがないような数字を持っていらしたのね。  私は、今これを蒸し返すつもりもないし、また時間もありませんから、指摘だけしておきますけれども郵政省にそれでは、三月十六日から四月の十五日まで全部の物数を練馬郵便局でどうだったのかということを持ってきてくれ。で、何でこれが三月十五日から三月十七日の三日間だけ平均して持ってきたのって聞いたんですよ。そうしたら、全国調査がどうのこうのっておっしゃっているんだけれども、要するに一カ月間を全部持ってきていただいたら、この三日間の数字だと百九十になるのが結局、そんな数字ではなくて、この全日数を平均いたしますと二百三十二。それからまた、特別に忙しいのは月曜日、金曜日、土曜日ですよね、窓口の交付が。この特別に忙しい日を平均すると二百七十通からある。そしてまた、そういう数字が出るにもかかわらず、三月十五日から十七日の三日間を平均すると百九十通、こうなるのね。  私、こういうこそくなことを余りやらないでほしいって思うのね。都合のいい、非常に例外的に少なかった日を三日間取り出してきて、それで数字を並べてくるのよね。こういうことをやられると、あなた方が出してきてくださる資料を本当に信用して見られないんですよ。だから、そういうことを、こそくなことをやらないでほしい。それは郵政省の品位にもかかわると思いますよ。今までも随分そういうふうに思うことはあるし、答弁聞いていても、もっとちゃんと率直に言えばいい、話早くわかるのにと思うのに、ああでもない、こうでもないって、ぐだぐだ持って回って、余計な時間を使うんです。  そういうことをうんともう私経験するので、本当にがっかりするというか、もう残念だというふうに思うんですけれども、みずから品格を落としているんじゃないかというように思うんだけれども、あなた方が持ってきてくだすった、この前私が指摘した練馬郵便局の数字も、今申し上げましたように、特別に低い三日間の数字、結果的にですよ、動機はどうあれ、今言いわけは聞く時間はありませんから、動機はどうあれ、結果的には特別に低い三日間の数字を持っていらしたんです。こういうことは周りを調べればわかることです。この三日間だけじゃなくて前後を調べれば、この日が特別にやっぱり少ないんだと、もっと全体を見れば、私が指摘したように、特別に練馬郵便局の混雑は大変なんだということがおわかりになるはずなんです。そういうこそくなことはやめていただきたいということが私の申し上げたいことであります。  次に、もう時間がありませんからもう一つだけ。これも全体を通じて共通する問題ですけれども、具体的な問題として、大手町の東京国際郵便局で昨年十二月とことしの三月に、ある大手カメラメーカーから、カレンダーやあるいは書籍が大量に持ち込まれて、そして、あて名書きから包装、発送まで無料でサービスをしているということが訴えられました。こういうことは一体どの程度行われているのかということで、それで私はぜひ明らかにしたいと思っているんです。  仕事をとる、民間と競争しなきゃならぬというようないろんな問題があるんですとおっしゃっているんですけれども、それで郵政省の方にこの問題はどうなのかということを伺ったら、Nという会社だということで報告が来たのですが、六十二年の十二月にカレンダー、一般小包として四千二百六十個、これをあて名書き全部無料でやっているんですね。それから雑誌の書籍小包、これが二万一千二百十三個、これがやはりあて名の貼付というのですか、名前を張りつけるサービスですね、それとこん包ですね。それから六十三年四月にやはり雑誌、書籍小包二万一千三百七十四個、それもみんなあて名の貼付、それからこん包です。  そういうものをみんな無料でやっているんですね。しかも、非常勤の職員が何人も当たるだけじゃなくて、常勤者もみんな、課長やなんかも総出でやって、しかもそれで大変な超勤があるわけでしょう。そういう状態で、こんなに莫大な無料サービスを結局大口の利用者、大口の利用者だから、大口だからとりたいわけでしょう、あなた方はね。大口の利用者には結果的にどういう理屈があろうと、こういうサービスを、あて名書きのサービスから、こん包から貼付から、そういうサービスをみんな無料でやっているわけね。全国でどのくらいそういうことを実際にやっているのかと聞いたら、資料を持ってきてくださいましたけれども、随分たくさんほかにもやっていらっしゃるところありますね。  そういうことは郵政事業、郵便事業のやはり基本を本末転倒するものなんじゃないですか。つまり個人が、個人だって十通や二十通、十個や二十個の小包というか、書籍小包出すことがありますね。それでもあて名書きしてくれますか、郵便局が。そんな十個や二十個のものは宅急便にとられたって、あなた方は目じゃないわけでしょう。一万、二万、三万だからとりたいわけでしょう。つまり、それはまさに国として国民の基本サービスを確保しなきゃならない郵便法のよって立つところも、自分たちが取り崩しちゃっていくという方向に、なっていっているのではないでしょうか。ここのところを私はぜひ考えていただきたい。いかがでしょうか。
  138. 田代功

    政府委員(田代功君) 私ども郵便局でも、今御指摘のようなサービスをしないでお客がとれれば、こんな幸せなことはございませんが、特に小包は民間との競争の中で大きくなってきているものでございます。今お挙げになりましたような例は、いずれも民間でこういうサービスを受けておりました、同じサービスを郵便局でやってくれるならば、郵便局に出しましょうというものばかりでございます。手をこまねいていたら、大口のお客はとれないというのが現実でございます。  したがって、国営事業としての節度とか、そういったことも私ども念頭にはございますが、やはり現場で営業を進めていく上では、民間並みのサービスはしないと生きていけないというふうに考えております。したがいまして各郵便局長、それぞれ自分の局のいろんな業務運行上の違いがございますので、その局その局の局状に応じてできるだけのことをしながらお客をふやしていく、これはまた私どもの仕事にとっては必要なことだと。これはDMの割引のときにも議論ございましたが、やはり大口の利用者というのは、大変一つ当たりのコストが安うございますから、郵便事業全体を安定的に維持するためには、大口利用者の仕事というのはぜひともふやしていかなければいけない、こういう宿命がございますので、これはある程度やむを得ないものだと考えております。
  139. 山中郁子

    ○山中郁子君 そうすると、この種の無料のサービスですね、つまり、あて名書きだとか包装だとか差し出し、それからあて名の貼付、そういうものは一体、今のお話だと何か幾らでも大口利用者であればあるほど幾らでもやると、何のそれについては基準もないというふうにしか受けとめられないのですけれども、もう時間がありませんから、私はそこのところをぜひ考えて、どういう何か基準をお持ちですかということもひとつ明らかにしてほしい。おのずと節度があるだろうということを私は一つは言いたい。  資料をいただいたら本当に相当な、私さっき二万ぐらいのことを言いましたけれども、三万とか四万とかという数字の、そういうサービスをしている局もあるんですね。そういうのは何の根拠も基準もなしに現場の責任者に任せて、とにかくとりさえすればいいんだと、そういうふうにして販売額か何か目標で競い合わせているんですか。それは何の基準もなくて、やれやれということで奨励なすっているんですか。それはまずいんじゃないですかということを今私は申し上げて、おのずと節度があるんじゃないですかということと、もう一つは、そのことによって利用者に対する、利用者間のサービスに対する不公正が出てくるということなのね。さっきも言いましたように、個人が出す場合にそういうサービスしてくれないでしょう、郵便局ね。それはしてくれるところだってありますよ。目の不自由な方が行って、そうしたら、あて名を書いてくだすって、こんなのは当たり前な、私は当然なことだし、全国でたくさんそういうことをやってくださっているところもあると思うの。だけれども、普通の人たちが十個、二十個、三十個と仮に書籍小包持っていくわね。あて名書きしてください、こん包もしてくださいと言ったって、してくれないでしょう、郵便局はね。そういうやっぱり不公正という問題が出てくる。ここに私は、だから、あなた方が仕事をふやすのが目的なんだ、そうしなきゃ今の郵便事業の生命線はそこにあるんだっておっしゃっている、一面のそこだけを追求して、いろんな矛盾を引き起こしてきている問題点があるということを指摘をして、ぜひともその点については本質のところに、郵便法の、そして郵便事業のよって来るそこのところに立って、しっかりと考え直してもいただきたい。基準の問題だけについてだけお答えをいただきたい。
  140. 田代功

    政府委員(田代功君) 基準の問題ですが、統一的に基準というものをつくって示しているものではございません。おのずとそれぞれの郵便局が自分のところの局状、局の業務量とか仕事の繁閑の度合いとか流れとか、そういったものを見ながら実施しているものでございまして、おのずと制限といいますか、おのずと限度はございますが、今はその中で各郵便局、精いっぱいの努力をしているというのが実情でございます。
  141. 山中郁子

    ○山中郁子君 ありがとうございました。
  142. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 郵政事業の決算関係についてお尋ねしたいと思いますが、最近の六十一年、六十二年度の決算が非常に好決算な状況になっていくであろうというお話がございました。その理由として今大臣の方から、いわゆる労使関係改善だとか、あるいは企業努力並びに新商品の開発、それからいろんな委託業務とか、労働集約産業であるだけにそういったいろいろな工夫を凝らされて、全体として郵政自身の信用回復と、こういうことによって好決算に至っておるというお話ございましたんですが、私聞き落としたかどうか知りませんけれども、やはり四十九年から赤字になりまして、五十五年で約二千五百億の大幅赤字と。その後は料金値上げをなさいました。それも大幅な値上げをなさったわけでありますが、それが一番大きな私、要因ではなかったんかと思うんです、ほかは全部軽視するわけじゃありませんけれども。これはやはりこの法律そのものに非常に影響してくるわけですから、私の聞き落としであればそれは訂正しなきゃならないと思いますけれども、そういう点について、値上げによる影響がどういうふうにこの決算と結びついておるのか、その理由については何か説明あったらお知らせ願いたいと思います。
  143. 田代功

    政府委員(田代功君) 昭和五十年と五十五年に実は大幅な値上げをしたわけであります。五十年のときは、封筒の方がたしか二十円から五十円にと二倍半。これで、これ値上げしたことによりまして、その値上げ前の物数に伸びるのに四年か五年かかりました。  それから五十五年、これは二段階ではありましたけれども、はがきを当時の二十円から三十円を経て四十円に、これも二倍にいたしました。この五十五年のはがきの値上げによりまして、これがまた値上げ前の物数に戻るのに実は七年かかったわけでございます。今回この法律改正をお願いしましたのは、実はこういう経験が私どもございまして、こういう二倍の値上げをするような事態になったら、お客は郵便から逃げていくという、実は非常につらい経験を当時したものですから、こういうことのないように、もちろん値上げを私ども好んでするわけでございませんが、こういう形の値上げは非常に郵便事業の安定という上では望ましくないと考えて、今回お願いした次第でございます。
  144. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 赤字に関係する問題ですけれども、先ほどからのお話でも、現在の時点で想定して、激しい物価の値上がりがない限りという前提を置いて当分値上げの見込みはないと、こういうふうなお話もございました。間違っておったら訂正していただきたいんですけれども、そうしますと今回の法改正、五十五年の改正の弾力化を法制化するという、その本当の理由というのはどこにあるんですか、重複するかもわかりませんけれども、お伺いします。
  145. 田代功

    政府委員(田代功君) 実は五十五年に当時の累積がなくなるまでの間、暫定的にということで省令での料金引き上げができるようなお願いをいたしましたが、累積は確かにもうことしでなくなるところまでまいりました。しかし、この七年の間に郵便をめぐる事業環境というのは一層厳しさを増しております。したがいまして、これ一たん黒字に転換はいたしますが、再度赤字に転落したときに備えて、今の黒字のうちにこういう制度を整備しておきたい。これが今のこの好調な郵便事業をこれから維持していく上で、この料金の決め方を整備するというのが郵便事業の基本にかかわる問題なものですから、これをこの機会にぜひお願いしたいという理由でございます。
  146. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 取り巻く経済環境なり非常に変化をしていく。どのように見通しをつけるかということは非常に難しい、変化に対応するための改正ということですけれども、そうしますと、何か現時点で改定を予定されておるというものはあるんですか。
  147. 田代功

    政府委員(田代功君) 現時点で郵便料金を値上げする計画はございません。当分の間、なるべく長い間この今の料金を引き上げないで運営していきたいというのが私ども気持ちでございます。  それから、値下げにつきましては、値下げによって需要がふえるということを考えたいと思いまして、現在二つの点で検討しておりますが、一つは、市内特別郵便という制度がございますが、これは現在法律で、重さが百グラムまでという制限がございます。今回これを省令で変えることができましたら、二百五十グラムまでの重い市内特別郵便を設定しようかと、これによってコストの安い分野で需要がふえるんじゃないかと思います。  もう一点は、定形外郵便物でございます。大型封筒でございますが、これの重いところ、今私ども五百グラムを超えるところで検討をしておりますが、これが小包に比べてだんだん重くなると非常に高い金額になっておりまして、需要を殺している疑いがございますので、これも値下げによって需要喚起ができるんじゃないかと思って今検討中でございますので、法律改正後、またこの事業財政の行方なりを見ながら早急に結論を出したいと考えております。
  148. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 とりあえずはそういう方向での企画がされているようでありますけれども、やはり事業体でありますから、もちろん単年度における決算状況を見なきゃなりませんけれども、ある程度値下げをして需要の拡大を喚起していく。初年度は仮にそのことによって収入の伸びが悪くても、さらにそれを受けて次年度に、次のとき拡大していくという、いわゆる商売のこれは普通当たり前のことですけれども、そういった面での長期計画というものはないんですか。
  149. 田代功

    政府委員(田代功君) 今後の料金の長期計画というものは今つくっておりませんが、基本的な考え方は、今先生おっしゃったとおりでございまして、目先、値下げによって収入が減っても、長期的に見てこれが需要増につながって収入増につながるならば、むしろ値下げした方がいいと、こういう気持ちでいろいろ検討しております。
  150. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 じゃ、プリペイドカードに関連する問題についてお尋ねしたいと思います。  これもいろいろ御質問ありましたけれども、このカードの利用に伴って安全の確保ということも非常に重要になってくると思います。いろいろな偽造だとか、その他機器に対する、そのものに対する安全とか、いろいろ問題あるんですけれども、そういった問題についてどのような対処を考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
  151. 田代功

    政府委員(田代功君) 御指摘のとおり、カードを悪用されますと、私ども大変信用をなくすことにもなりますので、この安全確保というのは非常に大事だと思っております。ただ、これ難しいのはどういう方法で偽造を防止するかという、そのテクニック自身が実は秘密でございまして、各企業からも今内々にいろいろな話を聞いたり、企業の持っているいろんな方法を伺っておりますが、企業自身も、やはり現在委託を受けているお客さんとの関係があって、なかなかむしろ出さない、それが本来の商道徳だと思うんですけれども、そういう中で郵便のプリペイドカードは、街角で飲み物を買うようなカードよりは、むしろこちらの方が安全性が高くなければいけないんじゃないかという気持ちで、いろんなスペックを今検討しております。安全性の確保については十分気を配っていくつもりにしております。
  152. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 現在、切手やはがきの自動販売機が全国に約七百台、まだ七百台しかないわけでありまして、これには一台二百万円という高い価格もしているようであります。あるいはまた、設置する際には、近くに郵便局職員も配置しなければならないという余り条件のよくない機器のようでございますが、これは拡大する方向にあるのかないのか、それからプライベートカードとの関連もあるわけですけれども、いかがなものですか。
  153. 田代功

    政府委員(田代功君) 今度カードを発行するのに伴いまして今考えていますのは、切手やはがきがカードで自動的に買える自動販売機、これが一つでございますが、これは局の例えば待合室ですとか、あるいは局の周辺ですとか、そういうところに置いていこうと思いますが、これは初年度はひとまず三百台からスタートいたします。将来どんどんこれをふやしていきたいと思いますが、それが一つのグループでございます。  それからもう一つは、郵便局の窓口の職員のところに置きまして、お客が来たときに小銭で、現金でなくてカードで支払うことができるようにしよう、私たちはカードリーダーと言って、カード減算と言っておりますが、これは窓口事務も簡単になりますし、小包のように多額なものもそれで払うことができるということにいたしますので、これは初年度四千数百台、ですから二万の郵便局の中から四千局ぐらいにまずスタートとして置いていこうというふうに考えております。
  154. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 今の自動販売機はいいんですがね、プリペイドカードそのものも局で金を入れて買えるという自動販売機のことなんですが。
  155. 田代功

    政府委員(田代功君) 失礼しました。カードの自動販売機は、スタート時点ではまだ設置の計画ございません。あれもこれも一度にという能力もないものですから、当面は郵便局の窓口なり、あるいは切手の販売店なり、こういうところでカードを売っていこうかと考えております。
  156. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 カードには例えば既に発行されておるJRのカードとかあるいはNTTのカードがあります。この利用範囲というのもある程度限定されておりますね。この郵便のプリペイドカードの場合には先ほどおっしゃられた、このカードを持っていって、切手のかわりにやってもらえるとか、そういういわゆる利用範囲について、何か今までのこのNTTとかJRという以外の、幅広い利用の方法というようなことについて将来も含めて考えられているような計画ございますか。
  157. 田代功

    政府委員(田代功君) 現在の法制上、紙幣等取締法とかいう法律ございまして、現在のその法制度のもとでは一枚のカードで何でも買えるというものはまだできないわけでございまして、これは政府部内でいろいろなことに絡みございますので、いろいろな検討なされておりますので、その辺の法整備ができましたら、これ多目的カードと言っておりますが、こういったものがどんどん出てくることになろうと思います。したがいまして、私どもも現在考えておりますのは、郵便の利用上必要なものということで、JRなりNTTのテレホンカードと似たようなものですけれども、郵便の利用上必要なものということで、郵便はがきや切手や現金封筒ですとか、あるいは小包を入れる箱とか袋とか、そういったものをとりあえず対象にしていこう。これが多目的にほかへもいろいろ使えるようになりましたら、例えば「ふるさと小包」の代金もこれでそのまま払えるとか、あるいはもっとほかへも広げていく夢は持っております。
  158. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 次に、先ほども出ておりましたけれども、民間のDM、宅配便、これとの関係について二、三お尋ねしたいんですけれども、ダイレクトメールでもあて名なしというのがどんどん入ってくる、これは郵便物じゃありませんとしましてね。もう一つは、あて名も書いて、しかも郵便物じゃありませんと、あて名まで書いてくるやつが飛び込むわけなんですけれども、これなんかまさに郵便、いわゆる郵便事業の独占という城郭と完全にラップしてきておるという、非常にその対策も苦慮されているようでありますけれども郵政省としてこれとの関係をどのようにこの矛盾を解決していくお考えがあるのか、お尋ねしたいと思います。
  159. 田代功

    政府委員(田代功君) 確かに今民間の方大変知恵を働かされまして郵便まがいといいますか、非常に郵便に似たものを売り出しておられる方がふえてきております。郵便は郵便局の独占なんですが、なぜ独占かといいますと、やっぱり郵便事業というのは、山間僻地も含めて全国均一料金で、しかも安い料金で、しかも国民の基本的な通信手段、最後のよりどころという意味で今のような仕組みができ上がっていると思いますので、この仕組みが成り立たないようなことを放置するのはいかがかと思いますので、私どもその法律を振りかざしてどうこうするだけが能ではございませんけれども、どう見ても今の郵便と同じではないかというものも二、三見受けますので、今いろんな角度から検討しておりますが、昨年一年間でしたかね、去年の十二月に実はいろんな資料をとってみましたところ、郵便局に誤配がありまして、私あてでないのが入っておりましたと言って持ってきたのが二百二十三件ございます。全部郵便じゃないんですね、実を言いますと。民間の方が間違えて配ったのを、お客さんはそれは郵便局が配ったと誤認をしておられた、こういうのが非常に最近ふえてきておりますので、このまま放置しますと、やっぱり私どもの事業運営にとっても非常に厄介な問題になりますので、何らかの手を打たなければいけないのじゃないかと思っていろいろ検討しているところでございます。
  160. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 これ非常にいろいろな新手新手を考えてきますので、やはり早いうちにこういうものはきちっとしていかないと、やはり独占という問題との矛盾が出、しかもまた、そこから逆に郵政自体もそれと同じようなことをやり出したら、それ自体を認知していくことになってきますし、非常に問題がこれ解決しにくくなっていくんじゃないかと思いますので、その点を意見として申し上げたいと思います。  それから次に、国際郵便についてお尋ねしたいのですが、国際郵便も円高、あるいはその前の料金値下げ等で非常に値下げされましたし、これある意味においては、私はこれからの郵便事業の成長株の一つだと思うんです。現在、この値下げ実施に伴ってどのような効果が出ておるか、まずお尋ねしたい。
  161. 田代功

    政府委員(田代功君) 国際郵便の料金の値下げは昨年の四月とことしの四月の二度にわたって実は行いました。昨年が平均一〇%、ことしは一二%ですが、特にことしは平均は一二%ですが、需要の多い例えばアメリカあてなどは二〇%を超える割引などいたしまして、これも需要喚起をねらったわけでございます。  その効果でございますが、一年間の郵便物の数で見ますと、昨年の四月の値下げ以後の一年間、つまり六十二年度の一年間は前年度に比べて郵便物が二%の増加にとどまっておりますが、しかし、これは実はじり貧でございまして、実は六十年までは若干減っておったものでございます。前の年は七・六%減っておったものが、六十二年度二%の増加に転じたということで、この値下げの効果が数字としてあらわれたんじゃないかと、こういうふうに思っております。  それからまた小包ですが、失礼しました、ことしですが、まだ四月が一カ月分ですので、余り傾向を占うにはちょっと早過ぎますが、これも前年の四月に比べますと、通常郵便では二・七、小包では八・二%という伸びを示し始めました。こういう意味で、やはり値下げによる価格弾力性といいますか、それが如実にあらわれているというふうに分析しております。
  162. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 ではそれと関連しまして、これも新聞の報道ですけれども、最近五月からですか六月からですか、ちょっと日時がはっきりいたしませんが、多分その辺からだと思いますけれども、米国最大の宅配業者のDHLというんですか、もう御存じだと思うんですが、専用の航空機を日本に乗り入れてサービスをやる、郵政省では、大げさに言えば、まさに黒船伝来だなんというふうなことで受けとめられているようでありますけれども、この国際ビジネス郵便ですね、これとの、しかもこれは二十四時間体制で宅配を行うというふうなことも言っておるようでありますけれども、最初は東京と大阪だけかもしれませんが、成長部門の一つとして、これに対抗する対策といいますか、を含めてどのように考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
  163. 田代功

    政府委員(田代功君) 仰せのとおり、国際間の郵便というのは、これから国際化が大いに進展いたしますと非常に有望なマーケットでございます。また、そこをねらって外国の業者も入ってきたんだろうと思っております。御指摘のような新聞記事も出ておりまして、何かいろいろまだトラブルがあるようですので、若干延びたりはしておりますが、いずれにしてもアメリカからはかなり大々的に、大規模に専用の飛行機を使って日本、あるいは日本のみならず東南アジア周辺とアメリカとの間の小型物品の運送といいますか、こういうものを目指して参入してくる動きはございます。  私どももこういう動き前々からございましたので、これは国内の小包と同じでございまして、競争の分野でございますから、まずは商品の内容として民間に負けないようにということで、実はもう数年前から、この国際ビジネス郵便のサービス改善をいろいろ実施してきております。ここ三年ほどの間に、スタート時にはいろいろ制限をつけておりました取り扱いの内容とか、相手先の国ですとか、そういったもの、それから重量ですとか、こういったものをどんどん緩和しまして、かなりのものがこの国祭ビジネス郵便で送れるようになりました。これもアメリカの主要な都市へは翌日か翌々日には着けるような飛行機の便を利用してサービスしております。おかげさまでこの国際ビジネス郵便も、例えば六十二年度だけとりますと、前の年に比べて倍増いたしております。まだトータルの数は少のうございますが、三十万から六十万へと倍増するような勢いで伸びておりまして、値段は高いけれども、速いサービスというものが顧客に受け入れられているという側面があらわれているように思います。  しかしながら、外国からの乗り入れ、あるいは国内業者もこの辺非常にいろいろまた新しいサービスを提供してきますので、私どももこれに負けないような覚悟でいきたいと思いますが、今具体的に考えていますのは、国内でも実施します追跡システム、これはお客から預かりました国際ビジネス郵便が、アメリカならアメリカへ配達になった後どうなったかというのが瞬時にわかるような仕組みを現在構築中でございまして、アメリカとの間ではおおむね話がつきましたので、ことしの十月から日米間でまずそういうシステムを採用しよう、あと順次カナダやフランスその他のヨーロッパ諸国とも広げていこうかと。これによって荷主の信頼がまた高まると思います。そのほか、お客様のところに取りにいくサービスなどもこれからも一層強化したい。こういうことをしながら、民間に負けず劣らずいい意味での競争によってパイを大きくしていきたいと、かように考えております。
  164. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 最後に、通告してありませんけれども大臣にちょっと、退屈のようですから。  先日、ヨーロッパへ行かれまして、VAN国際会議に出席なさいまして、いろいろと国際的なそういう関係についてのお話し合いがあったと思いますが、可能な範囲でひとつその結果について御説明願いたいと思います。
  165. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) この間二十八日から連休を利用させていただきまして、フランスとそれから英国へ行かせていただきました。  フランスへ入りまして、フランスでは、パリという町は、ヨーロッパに五カ所に向かって放射状に出ておりますが、リヨンという南の方へ向かいます駅に参りまして、TGVの超特急郵便列車というのを見てまいりました。日本は、郵便局のマークは赤がイメージでございますが、向こうは黄色のようでございまして、真っ黄色に塗った最新型の新幹線が全部郵便車になっていまして、中から見ますと、通路両側に郵袋がずっと全部積まれている。そして、一人で真夜中に運ぶそうでございます。日本では狭いところにたくさんの人口がありますので、ああいう郵便列車は走らすことができないという感じで見ておりましたが、ほかには飛行機も十八機持っておるということを言っておりました。夜中に飛行機で運ぶんだそうです。ターボプロップのプロペラ機で、音が低いように配慮をしているという、ストラスブールの飛行場で偶然本物がとまっているところを見ました。  リヨンの駅で超特急郵便列車を見せていただいて、それから四時間半で今度はドイツとの国境に近いストラスブールという町に参りまして、そこの郵便局を見せていただきました。ストラスブールというのは国際交換局になっておりますようで、日本からフランスに行きます国際便が大体三百五十万通、フランスから日本に来ますものが四百五十万通で、百方通の差があるようでございますが、シベリア経由で入りますものはみんなそのストラスブールの国際交換局に入るようでございまして、その郵便局の建物の中を上から下まで見せていただきましたが、おもしろいと思いましたのは、郵便番号はありませんで、みんなこうバーコードで打ち込んでいくようでございました。なかなか手の込んだことをしているような印象を受けましたが、中には判読不可能なものは拡大機にかけまして、五十分働いて十分休むんだそうですが、そういうものではっきり判読しがたいものをずっと明確に書いていくということもいたしておりました。それから、判読機は東芝の機械が入っておりましたのが非常に印象的な感じがいたしました。  ストラスブールの局の方々と夜も話をしましたが、国境の町でございますので、昔、フランスになりましたり、ドイツになりましたり、いろいろ問題が起こったところで、紛争の場所になったところでございまして、郵便局長が、自分は五回国箱が変わったということを言っておりました。私は小学校が五回変わりましたと、戦争中のお互いの悩みみたいな話まで出ましたが、そのストラスブールというところがそういう紛争解決の象徴的な場所だというので、ECの本部がありますものですから、ECの本部にも伺いまして、ユングというECの、十二カ国でございますが、ほかにポルトガル、それからスペインも入りました二十一カ国の評議会の議長にもお目にかかってまいりました。  それから今度は、取って返りましてパリへ行きまして、ロンゲという郵電大臣にお目にかかりまして、電気通信に関しまして、英国と同じように、ひとつ国際VANというものを何とかフランスとの間でもやりたいものだという話をしてまいりましたが、大変誇りに思いましたことは、日本の電気通信事業法を参考に取り寄せて、それを今翻訳をして、それで法制を確立したいという思いでおるということでございましたが、大統領選挙の結果によっては総辞職をシラク内閣がするので、総辞職をした後三、四カ月すると国会が解散になるであろうと。国会が解散になると、少しその方もおくれるというような見通しを話しておりましたが、御承知のような結果で、シラク内閣が総辞職をいたしましたから、四十一歳の若い大臣でございましたが、大臣がかわるようでございます。  それから英国へ入りまして、英国とは五回目の電気通信国際VAN協議をいたしまして、その結果文書の交換を、国際VANに関するいろいろなプロトコルの問題で文書の交換をいたしました。それから、電気通信関係の新しい光通信とか、それからバイオ通信に対する協議を始めると、そんな約束も取り交わしてきたというのが、大体大ざっぱなフランス、英国を旅行させていただきました内容でございます。いろいろお世話になりましたこと、ありがとうございました。
  166. 橋本孝一郎

    橋本孝一郎君 終わります。
  167. 青島幸男

    ○青島幸男君 先ほど来皆さん方の御質疑をお伺いしておりまして非常に不安に思いましたのは、料金の決定方法の改善と申しますか、改悪と申しますか、この法律が決まりますと、従来の法定による料金の決め方の枠が外れて、省令でいじれるということになるということで、現在の状況から考えますと、大変に収支もいいようでありますし、値上げが即に行われるということではなさそうなので、そこのところはちょっと胸をなでおろすところもあるんですが、これはこのまま今のような状態が幸いに続けば結構でございますけれども、一回法律になってしまいますと、局長もそれぞれの思いがあってこれ御提案になっていると思うんですけれども、その思いが局長もかわられ、大臣もかわられ、我々もいなくなりましても法律はそのまま存続するわけですから、つくった人あるいはそのこもった願いがそのまま反映されるとは限りませんで、勝手にひとり歩きしますと、その状況が変わった場合に勝手にどんどん値上げができるというようなことも現実として起こり得るわけですね、理論的には。  その辺考え合わせますと、多少の危惧がないでもないんですけれども、いろいろなたがもはまっておりますし、るる説明を聞いておりますうちに、そういう状況はなかなか幸いにして来ないだろうと。ですから、その思いがそのまま反映できて、弾力的に運営することで一層郵政が活力ある行動ができるんじゃないかというところに期待をしまして賛成をいたしますけれども、その危惧の念だけ私持っていることはここで明らかにしておきたいと思います。  それから、引き続きまして、災害時における郵便料金の問題などは、これ問題ないと思うんですが、プリペイドカードですけれども、先ほどからお話伺ってまして、だんだんイメージがつかめてきましたけれども、余り期待はできないんじゃないかという認識がありますね。  と申しますのは、郵便局へ行って、何がしかのお金を払ってカードを買うわけですね。そのカードで切手なりはがきなりを買う。大抵の場合、具体的には郵便局へほかの目的で行くわけじゃない。切手を買うか、はがきを買うかで行くわけですから、大抵の家では、その都度郵便物を出すために切手を買うんではなくて、切手というのは大抵買い置きがありますね、はがきもそうだと思いますけれども。わざわざ出かけて行くんだったら、切手かはがきそのまま買って、カードは買わないんじゃないかという気がしますね。  そのプリペイドカードを発行することを思いつかれたその根源にあるものは、やっぱりNTTのあれがやたらに便利で、非常にもうかっているというところから、何とかあれに倣って、うまいぐあいに利潤を上げると申しますか、漁夫の利が得られることがもしかしたらあるんじゃないかというようなことで、そういうお考えが根底にあって出されたんじゃないかという気がしますね。  というのは、ここでもさんざん議論がありましたけれども、NTTの場合は、まさにあれは歴史的な成功のように見えます。とりあえず先に金は取っちまう、それから一々の公衆電話に人が行って、かぎをあけてお金を取ってくるという手間がまず省ける、それから勝手にコレクションとして死蔵してしまう分がある、少し残った分は使わずに捨てるだろう、あるいはなくしてしまう人もいるかもしれない、そういうようなあまたのことを考えますと、何得にもなるわけですね、あれは。まさにあれは電話機、公衆電話という、ああいうシステムがあってこそ有効なんでありましてね、あれから比べますと、オレンジカードにしても地下鉄のカードにしても、それほど魅力のあるものとは思えません。ましてや、当面切手とはがきしか買えないというカードが、そう人々の名刺入れやポケットに一枚ずつ渡るというようなことを期待なすったら、これは無理だと思いますね。  それから、どんな魅力的なデザインを施しても、恐らく今あるテレホンカードが市場で何倍だか何十倍だかで取引されておるというようなことも聞きますけれども、そんなようなことになるはずもないかもしれませんし、またそれを期待して出されるのはむしろおかしな話でありましてね、それこれ考えますと、このカードを発行して、しかもそのカードで、そのカードを持って郵便局へ参りましてね、局の何というか減算機ですか、それでやってもらうくらいだったら、金払って済ました方が速い。  このカードが最もその機能を発揮するのは、機械にカードを差し込むと、その機械に内蔵された機能が自動的に切手を出し、はがきを出し、しかも減算も行うということが一体になって、初めてカードの機能というのが出てくるわけでしてね、そういう機械を各郵便局の局舎だとか、あるいは局舎にあってもむしろ意味がないと思いますね。そこに人がいて、窓口があるんですから、金出せばいいわけでしてね、むしろカードが意味を持つのは、日曜とか局が休みの日にも表にそういう機械があって、そこにカードを入れると切手が出てくる、そういう状況こそこのカードの意味があるわけですね。  ですから、先ほどもお話出ましたけれども、切手の自動販売機だけでも二百万も三百万もかかるという、カードを入れて即座にそれが機能する機械をつくって、それを各郵便局の局舎に配付するという金額を考えますとね、これは出入りを考えると、決して得な勘定にはならないと私は思いますね。こういうことをお考えになって、やはりやってみなきゃわからないことは確かですけれども、それこれ考え合わせますと、どの程度のことをお見込みになっているかわかりませんけれども、そんなに魅力あるものにはならないように私は思いますが、その点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  168. 田代功

    政府委員(田代功君) 私ども今回の法律改正にこのカードの導入を御提案いたしましたのは、社会がだんだんカード時代といいますか、キャッシュレス時代といいますか、そっちの時代に移っております。そういう意味では、郵便局のサービスもカードで買えるようにしておくというのは、これは時代の流れとして必要だろうというのがまずは出発点でございまして、いずれはこういうカード社会に取り残されてしまう、放置しますと。こういうことのないようにというのが、実はもともとの基本的なスタートの考えでございます。お話のように、テレホンカードほど爆発的に売れるとはやはり私ども今のところ考えられませんが、便利は便利になりますので、どの程度ふえるか、これはまた本当にやってみなきゃわかりませんし、私どもやる以上はできるだけ売れるようにしたいとは思っておりますが、テレホンカードとは確かに違うと私も思っております。  それから、もう少し長期で見ますと、多目的なカードもいずれは世の中に出てくる時代になりますので、このカード一枚でいろんなものが買える時代が来るんじゃないだろうかということ、それに備えておく必要もあろうかと思います。郵便局だけとりましても、今お話にございました、一々切手を買わなくても、カードを差し込めば手紙に切手相当分の証紙がついてポストにポトンと落ちるという仕組み、これは私たち夢物語ではなくて、例えば、今小包について実はこういうことできないかということを本気で検討しております。つまり、郵便局の窓口が閉まっておっても、例えばロッカーのようなものをデパートにでもつくっておいて、そこにお客さんに来てもらって行き先と重さと、ぽん、ぽん、ぽんとボタンを押してカードを入れれば、もう自動的にストンと小包が中に落ちるという、そういう仕組みも技術的には可能なようなものですから、将来こういう方向へ行くには、やはりカードも使えるようにしておく必要あるかな、あれやこれやの思いを込めまして提案した次第でございます。
  169. 青島幸男

    ○青島幸男君 実は切手の自動販売機というのは明治のころからあったそうですね。一銭五厘入れると切手が出る。その機械を私、さるテレビのクイズの番組で見たんで、定かじゃないんですけれども、それは郵便物を入れる窓口がついていましてね、ですから、はがきなり封書なりを持ってその場へ行って自動販売機に一銭五厘入れる、何がしかの金を入れると、それに相当する切手が出てくる。それをその場で貼付をして、しかも、それと直結といいますか一体になった郵便ポストがありまして、そこに挿入できるようになっておる。大変すぐれた機械のように私も見ましたけれども、ただ、いずれにしても明治のころですから、まだ人件費も安いころで、それほど機械に価値が認められずに流れてしまったそうですけれども、現在の自動販売機が隆盛をきわめているのは、やはり簡便さもさることながら人件費の問題もありますしね、それからそういう機械の機能もよくなったということもありますね。  貨幣の選別の能力だとかというのは非常に高くなっていますから、そういう総合的な力が今日の自動販売機の隆盛を見ているんだとは思いますけれども、だから、例えば郵便局あるいは郵便局のそばのたばこ屋なんかで売っているわけですね、切手なんかも。そこで両方休みだというようなときに、ポストのそばにその機械があって、カードを入れると切手が出てくるというようなことになれば、これは理想的だと思いますし、それから局長今言われましたように、ロッカーのようなものがあって、そこに適当に決められた大きさのものを置いて自動的にかぎが締まる。そこへカードを差し込むと、カードから減算して自動的にそれが運ばれてしまうというようなことができれば、それは確かに便利にはなりますけれども、その機械をつくること自体に相当の金もかかることは事実でして、それを各所に配置するというぐらいだったら、今の窓口を改善する方がもっと早いんじゃないかという気がしますね。  このカードは、いずれにしても今切手とはがきの販売だけにしか用いられないけれども、先々そういう夢を込めているんだというお話で、これを端緒にするというのならわからないじゃありませんが、この上に非常にユーザーの利便を考えて、どんなに宣伝をしても、呼びかけても、実際便利なものでないと利用されないということも腹の底に据えまして、どうしたら使ってくれる方々に大きな利便を与えるかということを基本に据えてお考えにならないと、ただ追随型にテレホンカードもいい、オレンジカードもいい、じゃうちも出しましょうというような精神でやりますと、むしろ足をすくわれることになりはしないかということを考えておりますけれども、その点もう一度お尋ねします。
  170. 田代功

    政府委員(田代功君) 確かにカード時代ではありますが、カードを出したからといって、すべてが受けるというつもりは毛頭ございませんし、テレホンカードとは機能的にも大分違いますので、郵便のカードの普及というのは、あの爆発的な伸びはないと思います。ただ、申しましたように、これからのカード時代にそなえて、いろんな準備をこれから私どももしていかなきゃいけない。そのためには今からこういうことを手がけておく必要があるということは必要なことだと思ってこういうことをした次第でございます。  それから、先ほどお話ございました明治のときの、昨日御指摘ございまして調べてみましたら、確かに逓信博物館に現物がございます。明治三十七年に当時としてはやはり画期的なアイデアのポストだと思いますが、そういうポストも私どもの先人が既に研究してきた形跡もございますので、私どもこれから先、将来にわたって魅力のあるシステムといいますか、そういったものをつくることを考えていきたい、こういうつもりでおります。
  171. 青島幸男

    ○青島幸男君 なるべくその線で御研究になられるように要望をいたします。  それで、先ほど来気がついておることですけれども大臣局長もお客様という言葉をお使いになっているんですね、先ほどから。これはやっぱり十年ぐらい前はなかったことだと思います。やっぱりユーザーとか利用者とかと言ってましたよね。ところが、局の方々があえてお客様という言葉の使い方をなさるというその精神が、そのお心遣いが今日こういういい経営状況をもたらしているんだと私は思いますよ。やっぱり郵便局の窓口を訪れる方々が、このごろ郵便局変わったねという認識をかなりの方がお持ちになっているように見受けます。それはやっぱり局の、あるいは省のそういう姿勢が表に出てきて、ユーザーといいますか、お客様方に理解をされて、信頼されてきているんじゃないかと思いますが、それは高く私は評価したいと思っています。  それにしてはちょっとおかしいということもあるんですよ。というのは、こういう投書があるんですけれども、「新しい図柄の四十円切手が発行されたことを知り、さっそく買いに行ったところ、旧切手を売り尽くすまでは売れない」と言って断られたと、こういうのですね。お客様はお客様として、ユーザーを大事にしている割には、これちょっとおかしいんじゃないか。それでその方はこう言っております。「あいさつ状に使おうと思った百枚の切手は、いつもと同じものになってしまいました。こんなことなら、わざわざバスに乗って本局まで行く必要はなかった、」こういうことを言っておるんですね。こういうことは指令を出しておられるんですか、ここにあるように。あるいは手続の違いがあったのかどうか、お尋ねします。
  172. 田代功

    政府委員(田代功君) 全く恥ずかしい話で、完全なその郵便局の職員のミスでございます。  新しい図柄の切手を出しましたのは、従来四十円が菜の花で、六十円がつり鐘でございましたけれども、もうあのデザインになりましてから十数年たちますし、あのつり鐘がちょっと余り評判がよくないというようなことがございまして、今の四十円、六十円というのは一番たくさん使われる切手ですので、図柄も一つにしないで複数にしようというつもりで、まず手始めに貝のシリーズで四十円と六十円を出しました。したがいまして、私どもの指導は、売り出し直後だったものですから、あるいはその局にストックが少なくてそういう気持ちになったんだと思うんですけれども、お客の希望に応じてどれでも差し上げられるようにするというのが郵政省の考え方でございます。指導不行き届きで申しわけございませんでした。
  173. 青島幸男

    ○青島幸男君 それを聞いて安心しましたけれどもね。リップサービスだけになってしまうと、やっぱりそれはそれこそ本末転倒ということで、こういう事故のないようによろしく御指導のほどを要望しておきます。  それからもう一つ、極めて基本的にこのごろ考えるんですけれども、十年一日と申しますけれども、百年一日のごとくに切手の裏ののりのありようは変わりませんね。最近ああいうのはないですよ。あれ、タックラベル方式とかいうそうですけれども、ちょっと何かべたべたしたのりがついていまして、その裏につるつるの台紙についていますね。子供のお菓子のおみやげに入っている、何かあれを子供に渡すとタンスやなんかに張ってしようがないんですけれども、ああいう簡単に張れる粘着性のものがついたのりがありますね。ああいう形にどうしてできないんでしょうかね。あれにしたからといって、さほど金のかかるものでもないし、あれ本当に百年一日のごとくに、いまだに我々切手をこうやって張りますけれども、あれは余り新しくないと言っては何ですけれども、百年変わらないというのも何か特別の理由があるのかないのか。あるいは今までこうしてやってきているんだから、あれはあれでいいじゃないかということなのか。あるいは自動販売機なんかに入れまして作動させる場合、ああいうのりは、それこそ六月の梅雨どきなどにお互い同士がくっついちゃったりなんかしてよくないんじゃないかという気がするんですね。ですから、あのやり方を変える方が、一般のそれこそお客様のためにも利便を供するんじゃないかという気がしますけれども、何か特別な理由があってあののりに固執しているのか、そうでないのか、お聞かせいただけますか。
  174. 田代功

    政府委員(田代功君) ちょっと私、事前に調べていませんので、的確なことは申し上げられませんから、結論としては宿題としてお預かりしたいと思いますが、一見変わってないようですけれども、たしか専門家の話ですと、あの裏につけているのりには随分苦労していまして、なめない間はなるべくくっつかないでという、何かそれなりの苦労をして改善を重ねてきていることは事実でございます。しかし、今お話しのようにあの方法、今までののりでない、基本的に変えるかどうかという議論は、まだちょっと私、今ここでにわかに御説明するほど知識ございませんので、宿題としてお預かりさせてください。
  175. 青島幸男

    ○青島幸男君 接着剤に関する化学は大変に進んでおりまして、局長今御答弁になったように、あれはきっと変わっているはずです。非常に分子構造をいろいろ究明したりして、あれはきっと百年一日のごとくじゃなくて、いろいろ構造も変わっているんだと思いますけれども、いっそそれならそういうタックラベル方式といいますか、シールというようなあの格好にしても決して悪いことではないという気が、あれはシールにするとかさばるからとか、そういうことじゃないと思うんですよね。  ですから、例えば切手に、私、このことを自分で持ち出しておいて、余り感心できないと思っているんですけれども、何でも懸賞にして、ナンバーを振って、くじをつけて売ればそれでいいという筋合いのものじゃないと思うんですよ。切手にまで数字を打ってくじにしようと、こういうお考えでしょう。しかも切手に消印があると、切手に打ったナンバーが非常に判読しにくくなるんじゃないか。ところが、それはちゃんと新しいインクを開発したから、消印で煩雑に読み違えるようなことのないような工夫もしておりますと言うくらいでしたら、いっそのことシールにして、そのシールの台紙の方にナンバーを入れておくとか、あるいはシールの台紙の余白に広告をとるとか、そのぐらいのアイデアを出してやってみたらどうだろうという気さえするんですよね。何でもナンバーが打ってあって、くじになっていれば売り上げが伸びるからというので、切手にまでやればいいんじゃないかと、それこそ追随型で余り知恵のないやり方じゃないか。あの台紙を考えていったら、きっとまた違ったアイデアが出てくるんじゃないか、その辺御検討いただけますでしょうかね。
  176. 田代功

    政府委員(田代功君) 切手にくじをつける話は実は昨年の通常国会法律改正をお願いしたばかりでございますので、ことしの暮れに出すような今準備をいろいろいたしております。くじのつけ方その他は、今お話しのように、消印でも消えないようなとかいろいろ苦労はしておりますが、ひとまずそれはそれで実行させていただきたいと思っておりますが、それ以外にやはり切手を使っていろいろ夢のある、そして私どもの商売にもプラスになる切手の使い方については、またひとつ勉強さしていただきたいと思います。
  177. 青島幸男

    ○青島幸男君 さまざまなアイデアが局員の方々の中にだってあるはずですから、なるべく広く皆さん方のお知恵をおかりして、それこそお客様方も喜び、省にも経済上の利益をもたらす、値上げをしなくていいように、一日でも先延ばしできればいいんですから、そのようにしていただきたいと思いますし、そういう工夫を持っていらっしゃる方かなりおいでになるはずだと思いますね。  それからもう一つは、小包の問題なんですけれども、現在のところは小包持って局へ行っても、祝祭日休みですから発送できませんね。ところが、一般の宅配便という民間の業者は日曜でもやっているわけでしょう。そうすると、どうしても日曜分というのはとられてしまいますね。それで一般の二、三私も近辺で聞いてみたんですけれども、普通の勤労者、普通は朝勤めて夕方帰ってくるということを日常的なパターンにしている大方の勤労者の方々は、例えば新たに夏物を出してみたけれども、どうも子供が成長して着られない、じゃ田舎へ送ろうじゃないかというようなときに、主婦の方が、お父さん荷物こしらえてくださいと言うと、わかったわかったと言いながらなかなかできないですね。でも大抵の場合、日曜とか祭日にやるそうですよ。それでつくったものはすぐ発送したいと思いますが、あっ、きょう郵便局休みだということになると、宅配に流れるわけですね。その辺も小包の発送の曜日による偏り方とか、小包を発送する方々の動向ですね、大体どういうときに小包をつくって出すかという、その時期なり行動パターン、そういうものをやっぱり研究しておいた方が、それはお客様の利便にも供するし、物数も当然多くなりますわね。そういう配慮でアンケートみたいなものをとったことおありですか。
  178. 田代功

    政府委員(田代功君) 残念ながらまだそういう調査をしたことはないようであります。
  179. 青島幸男

    ○青島幸男君 でも私の言っていることはわかるでしょう。一般の普通の勤労者の方々が郵便局で小包を利用するメーンのお客様だと考えてもいいと思いますね。そういう方々の生活の動向なり小包を出す動機なり、曜日なりというものを明確に調査してみれば、日曜にやることがあるいは利便を図ることになりはしないかなあとか、そういうことは当然考えられると思うのですね。そのために郵便局のすぐ近くにいて、いつも御利用していただいている方なのに、その方に民間の宅配業者に行かれてしまうということだってありそうな気がしますし、夜間サービスまでもやろうというようなお考えがあれば、例えば局の方々の労働を過重にさせてしまうということも考えなきゃなりませんけどね、それはそれなりにローテーションを組んできちっとやればできないことはないというような気はするんですがね。その辺、必ず祝祭日は休みで一切受け付けませんということは堅持していかなきゃならないことなのか、あるいはその日でも受けられるようなサービスの門戸の広げ方も検討できるんじゃないか、労働過重にならない範囲でとか、さまざまの工夫がなされてしかるべきだと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
  180. 田代功

    政府委員(田代功君) 非常にお話の趣はよくわかりながら難しいなあという気がしますのは、やはりうちの職員の問題でございます。ですから、土曜、日曜という皆さんが休むときにむしろ開くべきじゃないかという意見もございます。交代で休んではどうかとかいろいろございますが、今の時点で郵便局の窓口を日曜日にあけるというのは、かなりのこれはうちの内部のいろいろな手だてを考える上では大きな問題だと思います。現在でも集配郵便局は午前中だけはせめて開いておりまして、午前中窓口に持ってきていただければ受け付けられるようになっておりますが、これではやはり今のお話のようなパターンの方にはどっちかというと夕方になろうかと思いますので、必ずしもその役には立っておりません。  あと、今考えられますのは、郵便局以外の例えばスーパーだとか、切手販売店とか、そういうところで小包をお預かりするような仕組みは今どんどんふやしておりますので、これを利用していただければなあという気もございますが、いずれにしてもちょっとこれは大きな問題ですので、これまたひとつ宿題にさしていただければと思います。
  181. 青島幸男

    ○青島幸男君 それでいいんですよ。ですから私、正規の社員あるいは職員の方に日曜出勤してもらって、きちっと取り扱いをしなさいということを別に要求しているわけじゃないんです。ただ、今言われたような日曜でも扱えるような手だては逐次広げていくと、ほかに委託するにしても何にしてもですね。そうしていけばきめ細かなサービスが一層できるんじゃないかという気がしていますので、そういう御要望を申し上げたわけです。  それからもう一つは、手数料の一通につき三十円という、払い戻しといいますか、手数料ですね。例えば、私のところへ局員の方が訪ねてこられて、郵便料金不足しております、十円不足しているんですけどと言ってこられて、手数料がありますからと、四十円取られるわけですね。そうすると、一般の方々やっぱりこれは直した方がいいとは思いますよね。例えば、ちょっと手がすいたから、うとうととくつろいでいるというところへどんどんとたたかれて、はいって言って出てみると、お宅の郵便物ですけれども十円不足しています、そのほかに手数料三十円いただきますというと、おれがミスを犯したわけじゃないじゃないかと。とろとろしているところをたたき起こして四十円持っていくとは何事だというお怒りは当然のことだと思います。これは今度やめるわけですね、三十円。  それはそれでいいんですけどね。私もうかつでわかりませんでしたけれども、同じ定形の封書でも二百五十グラムを超えると七十円になるんですか、二十五グラムですか、二十五グラムを超えると。それで、そのトラブルが多いようですね、伺ってみますと。というのは、このごろは写真などを同封しますと、便せん六枚程度で二十五グラムとか伺っていますけれども、そういう多少とも思いを込めて手紙を書いて、その上写真なんか同封しますと、二十五グラムを超えることは割合間々あることですよね。そうすると、いつもの習慣で、同じ六十円で届いているからというんで、六十円の切手を張って投函すると、先ほど申したような結果になるわけですね。ということは、十グラムふえますと七十円になりますよということのPRが足りないんじゃないかという気がするんですね。  私も二十年間、逓信委員としてここに御厄介になっていますけれども、うかつにもそのことは失念しておりました。ですから、出す方も悪意がなくて六十円の切手を張って出すんだろうと思うんですね。受け取る方は何も知らないから、たたき起こされて四十円取られて、不愉快な思いをする。しかも、局員の方はそのためにわざわざ出かけていって、請求をしなきゃならない。受け取る方も出す方も三者嫌な思いをしてそうなるということは、よってもってもとはどこにあるかと言えば、二十五グラムを超したら十円余計になりますよということの周知徹底の至らなさがそういう誤解とむだな労力を生むんだと思うんですね。ですから、二十五グラムを超えても十円余計取らないというシステムにするか、あるいはするんならするように周知徹底せしめる手段を講じるか、どっちかしないと、このトラブルは直りません。その点はどんなものでしょう。
  182. 田代功

    政府委員(田代功君) 二十五グラムを超えると料金が変わるというのは昭和四十一年から実施していますので、もう既に二十数年今の仕組みをとっております。私どもPRしているつもりではございます。例えばいろいろな手帳などに全部入っておりますが、こういうところにも郵便料金を入れてもらうようにとか、そういう働きかけもしておりますし、いろいろ手を打ったつもりではありますけれども現実に今のようなお話がございます。残念といえば残念、私ども手の打ち方が何かまだ抜けていたのかなとか今いろいろ反省はいたしますが、いずれにしても一本の料金にするのも、これまた六十円に統一できればいいんですけれども、全体で今一五%程度が七十円でございまして、定形だけとりますと。六十円のが八五%で、七十円のが一五%ぐらいでございまして、ですからそれを全部六十円に統一する、これ一種の値下げみたいなものですけれども、それも今の時点ちょっととりにくい、じゃ途中の料金というのもどうだかと思う。いろいろございまして、ちょっと結論的にはやっぱり今の料金体系にして、せっせともう少しPRの方法を考えるべきなのかなあというのが、今の時点での私どもの考えでございます。
  183. 青島幸男

    ○青島幸男君 その辺のところをもうちょっと詰めていただけると、むだなトラブルといいますか、三者嫌な思いをしてというようなことは避けられるのじゃないかという気がします。ダイレクトメールみたいに決まっていつも出すその一五%は、もう既にわかってやっているわけですからね、トラブルも少ないでしょうけれども、私信ですね、問題は。ですから、私信とダイレクトメールとの区別を局で一々やるということもこれはなかなか面倒なことかもしれませんけれども、その辺のところをもう少し詰めて考えると、このトラブルを避ける手段が見つかるかもしれないということだけをアイデアとして申し添えまして、御検討いただくように要望します。  終わります。
  184. 平野清

    ○平野清君 せっかく青島先生がユニバースに御質問されたんですが、そこでちょっと田代局長さんにお伺いしたいのですが、切手や印紙は売ってやるのか、置いてあるから買いにこいというのか、買っていただくのか、どちらですか。
  185. 田代功

    政府委員(田代功君) 切手やはがきは、大事なお客様に買っていただくというのが私どもの基本的な考えでございます。
  186. 平野清

    ○平野清君 そこで、ちょっと大臣にお伺いしたいのですが、先般、今出ております法律の提案理由の説明書、大臣恐らく何げなくお読みになっているんだろうと思うんですが、「この法律案は、郵便事業の現状等にかんがみ、第一種郵便物」ずうっと書いてあります。「利用者に対するサービスの向上を図るため、切手類等の給付を受けることができるカードを」発行する。三カ所「給付」「給付」と出てくるのですね。先ほど青島先生もお客様というお言葉がしょっちゅう出てきて、大変今の公共事業の好成績につながったと褒められたわけですけれども、私、よく逓信委員会で、郵便局さんの文章は非常に官僚的な文章が多いので、何回も御指摘申し上げて、特に例の不在者とめ置き郵便物の、Aさんから私に送ってくるものを取りに行くときに、交付するから取りにこい、何で人が僕のところに送ってきたものをもらいに行くのに郵便局から交付されなければいかぬのか、早速前の唐沢大臣は訂正をしていただきました。大変よかったと思いますけれども、このように、こういう場合も、幾ら法律案趣旨説明でも、こういう言葉を使われると、一生懸命お客様だ、お客様だと委員会で御発言なさっても、ちっとも我々ぴんとこないのですよね。大臣、所感をお聞かせ願いたいと思います。
  187. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 確かに一般の目にはなじみにくい言葉のようでございます。「切手類等の給付を受けることができるカードの販売についてであります。」という部分でありますけれども、まあできるだけ法令上の用語を使うということでございまして、営業活動に当たりましては、そのときのセールスにふさわしいわかりやすい言葉を使っている、例えば交付するというのは、お渡しするとか、それからお届けすると、それから定形郵便物は封書、それから第二種郵便物ははがき、それから広告郵便物をダイレクトメールとか、それから郵便書簡というのをミニレターとかいうような言葉を使っているようでございます。  法制局、衆議院にも衆議院法制局、参議院には参議院法制局というのがあって、私も議員立法した経験がありますけれども、なかなか専門家にかかると、ああこんなことがこんなふうになるのかなあと奇異の感じさえ受けるようなこともありますから、お客様に便利に使っていただけるということで、子供にでもわかる用語みたいなものをどういうふうに法律の中に織り込んでいくかというのは、なかなかこれ難しい問題ではあります。長い間の言葉の慣習の上に法律用語というものを決めていくことでございますので、私も先ほど局長と話をしておりますときに、下の方にはカードという言葉が使ってあるんだから、プリペイドカードとか、そういうわかりやすい言葉が入れられないものだろうかという話をちょっとしておりました。カードという言葉でもやっと入ったんだというような説明を受けておりまして、その辺の難しさをしみじみと感じるところでございます。
  188. 平野清

    ○平野清君 時々議長さんが舌をかむような長い法律案がありますよね。法律案法律そのものはいいと思うんですよ。何も大臣趣旨説明法律用語をそのままお使いにならなくたって私たちわかるわけで、試みに字引きを引いてみましたら、給付というのは、特定の相手に何らかの物品もしくは便宜を与えること、やっぱり与えるんですよね、何か上から。そういう意味でひとつ、やっぱりお客様というんだったら用語の面からも、それからお客様に出す手紙の文句からも、郵便文化をしょっていらっしゃるという意味から、言葉遣いにも印刷物にも十分注意をしていただきたいというふうに思います。  じゃ二番目に入りますけれども、四月十二日の為替法のときに私、郵便貯金のオンラインシステムについてお尋ねをいたしました。協和銀行の例もあったんで、もしかしてオンラインが故障するようなことがあったら大変だぞというような御警告を申し上げたつもりです。そうしましたら、民間よりも十年おくれたから、その分だけ技術も進歩していて大丈夫だと思うという確固たる何といいますか、御答弁をいただいたんですけれども、あっと言う間に四月の三十日と五月の二日ですか、連続大トラブルを起こして、一万五千人が手作業で、すごい額の合計七億五千万円ですか、手作業で支払いをやった、受け入れをやったということなんですけれども、新聞では休日、連休を控えた合間に一斉に利用したので、パンクしてしまったんだということなんですけれども、こういうことも想定して私警告申し上げたつもりだったんですけれども、本当の原因と今後の対策はいかがでしょう。
  189. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 本当にゴールデンウイークのさなかに、協和銀行事件の先生の御指摘がありましたと同じように土曜日に発生をいたしまして、しかも四月三十日と五月二日という二回にわたって事故を起こしましたこと、大変申しわけなく思っております。  事故の原因でございますけれども、他管内支払いといいますか、自管内でおろされるカードにつきましては問題がなかったんでありますが、ゴールデンウイークのさなかということで、人の移動も大変予想を超えるような状況であったせいもあるのかもわかりませんが、他管内支払いが非常に集中をしたということでございまして、そういう場合に交換システムを通すことになっておりますが、その交換システムと東京の計算センターを結んでおります通信回線の一部にデータが集中をし過ぎたというところに原因があったわけでございます。  早速このデータ処理方法の見直しをいたしまして、データが特定の通信回線に集中するということのないように対処いたしまして、五月六日以降は順調に稼働しておるところでございます。まあしかし、今後ともそういった利用が一時的に急増するという可能性というものはあり得るわけでありまして、今回の事故につきましてなお詳細に原因の分析を行いまして、システムの見直し等も含めまして検討してまいりたいというふうに考えております。大変御迷惑をおかけしました。
  190. 平野清

    ○平野清君 去年でしたか、長時間大停電がありました。そのときも高校野球とか、いろんなものが猛暑が重なって需要を大幅に上回った結果だと。結果的には皆同じことなんですね。だから、需要の最大限をどこまで見るかということだろうと思うんで、詳細に今原因を検討されるとおっしゃいましたので、二度とそういうことがないようにお願いしたいと思います。  ちょっと次に、がらりと変わりますけれども、今カセットテープというのが大分流行いたしまして、特に御老人とか耳の悪い方、その方たちが講演の内容だとか、肉親間のテープによる通信だとか、いろんなことでカセットテープが愛用されております。これを郵便で送るとしますと、さっきも定形の話が出ましたけれども、厚さがひっかかってしまって、小さなカセットテープ一本を送るのでも百四十円かかるようなふうに聞いています。それを定形の厚さを何とかもう少し許容範囲を広げていただけたら高齢者対策、それから福祉対策、いろんな意味で便利になるんじゃないか。かえって郵便料金、郵便のそれを扱う量もふえて、かえって増収になるような気がします。  ただ、機械で判別すると思いますので、余り厚いと、どうしても手作業の方に回って作業がそれだけ手数がかかって困るということもあると思いますけれども、何かいい方法で、今多分十ミリですか、私、厳密にはかったら、箱を合わせると平均十六ミリぐらいなんですね、カセットが。何とか十六、七ミリの厚さまで定形を許可していただけたら、もっとカセットの郵便というものがふえるんじゃないか。どうしてもだめなら、特別料金をお考えになることができないかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
  191. 田代功

    政府委員(田代功君) 定形郵便物は、自動読み取りのあの機械にかかることを想定して大きさを決めております。したがいまして、縦横の長さもそうですし、厚さも一センチということで、これを超えますと、機械にひっかかってしまうということなものですから、現在こういう条件をつけておりまして、これを例えば盲人の方や老人の方のテープのために緩めるとなりますと、これ全体の定形の郵便が今、年間八十億か九十億通ございますもので、全体の仕組みがおかしくなってしまいまして、ちょっとこれは無理かと思います。  それからもう一点の、じゃ定形外が高いから定形を安くするといいましても、これもまた定形外のこの辺の重量の郵便物は大変な数でございますので、このことを理由に定形外の料金をいじくるというのも、これまた私どもの事業運営上は非常に大きな打撃になるものですから、ちょっとこれも今のところとり得ない。そういうわけで、ちょっとせっかくの御指摘なんですけれども、今のところいいめどがございませんで、御承知と思いますが、点字図書館なんかとの往復は無料で、私ども当然今の法律その他で無料でやりとりしておりますので、老人相互、あるいは盲人の方相互間のやりとりのケースだと思います。したがって、これはどうも郵便の制度の定形、定形外をいじくることではちょっとこの救済策というのは考えられませんので、むしろやるとすればこれは福祉政策の一環として、そういう方々の郵便をどうするかという問題だろうと思うんです。今のところちょっとこれ、現在既に福祉対策にはいろいろ無料郵便物やらあるいは小包の半額の措置とか、いろんな角度から実施しておりますので、今の時点でこれを広げるということも実はまだ検討しておりません。ということで、ちょっと非常に難問だなあという感じで実は受けとめておる次第でございます。
  192. 平野清

    ○平野清君 じゃ将来考えていただくこととして、先般来郵政のいろんな施策が問題になっていますけれども電波とかそれから衛星、ハイビジョンということは、もう大臣がしばしば二十一世紀の花形だというんで、バラ色の夢が盛んに振りまかれているんですけれども、郵政そのものの事業というと、何か話を逓信委員会で聞いていましても、何か未来に対して展望が開けないんですね。値下げの話が出ると思えば値上げの話が出たり、何かもうちょっと二十一世紀を展望した長期的な郵便事業の将来像といいますか、青写真といいますか、そういうものが描けないのかなというような気がするんです。現実の六十三年度の重点施策を含めて、将来展望というものをお聞かせいただけますか、この際。
  193. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵便事業というのは電気通信と違いまして、どっちかというとこれは地味なといいますか、百年前から基本的な仕組みは変わらないままにサービス提供しておりますために、今お話しのように、二十一世紀の夢が描けないという印象を与えていると思います。  郵政省として公式に、じゃ二十一世紀の郵便どうなるかというものを描いたものがあるわけではございませんが、もう数年前から二十一世紀に向けて、これは郵便だけではございませんで、全国にある二万幾つの郵便局がどういう役割をこれから果たしていくべきだろうかという議論は、いろんなところでしております。その議論から推察しますと、これから先はやはり地方の時代と、二十一世紀は地方の時代ということで、二万の拠点を持っているこの郵便局が、それぞれの地域社会で非常に大事な役割を果たしていくだろうと、基本的には。  その場合に私ども三つの角度からこの話をしておりまして、一つは、郵便局が郵便も貯金も保険もサービス提供しておりますので、こういったものを組み合わせて総合サービスといいますか、健康ですとか福祉とか教育とか、いろんなものを郵便局に行けば、郵便、貯金、保険、トータルとしてサービスが受けられるようなものへ将来持っていくべきじゃないか。これは総合サービスセンターとしての郵便局の機能をこれから強化していくべきではないかとかというのが一つの側面。  それからもう一つは、コミュニティーセンターといいまして、そこの郵便局を地域の足場にして、そこに行けば例えば生涯学習の場もあるし、地域活動の拠点にもなるしということで、そこの町に来ればいろんな地域活動ができるような方向へ持っていこう、そのためには今の会議室も地元の人に使えるようにしなきゃいかぬとか、そういったことをこれから少しずつ広げていこうではないかというようなことが一つございます。  それからもう一つ、三点目は、情報の拠点といいますか、郵便局というのは郵便が中心でありますけれども、情報が集まるところ。だからそこに、最近の例えばニューメディアの機能などもつけ加えまして、郵便局に行けば町の情報がわかる、あるいは新しいいろんなニューメディアの設備も自由に使えると、こういったものを目指すべきではないかといった、こういう三つの観点から、将来の二十一世紀の郵便局のあるべき姿というものを追求していこうじゃないか、こういう議論を私ども役所の中ではいろいろしているところでございます。ただ、まだそれを世間に訴えるほどまとまって郵政省としてこうしますというのがないものですから、なかなか歯がゆいような、あるいは人それぞれが違った表現でこういったものを説明している段階でございます。  そういう二十一世紀の夢は別としまして、じゃ六十三年度、今現在始まっております六十三年度の郵便の重点施策と申しますと、これは三本の柱をつくっておりまして、一つは豊かな地域社会への貢献と。これはやはりこれから先地方の時代ですから、地域社会のそれぞれのニーズに合ったサービスをことしも大いに開拓していこうという意味では、豊かな地域社会に貢献しようというのが一つあります。  それからもう一つは、郵便の量をふやそうというのをことしも一つの大きなテーマにしております。たびたび御説明しておりますように、郵便の量をふやすことによって経営の効率化、安定につながるという意味ではこれからも量をふやしていかなきゃいかぬ。そのためには新しいサービスの提供ですとか、先ほど来の料金割引によって需要増が図れないかとかいったことを今年度重点的に考えていく。  それから三つ目の柱は、業務運行の基盤を充実していこうと。これは郵便がふえますと、それなりにやはり郵便局大変な作業になりますので、人的にも施設的にもいろいろ整備していかなきゃいけませんし、一方ではそこに働いている職員が十分気持ちよく働いて能率も上げるという、そういった施策も講じていかなきゃいかぬという、こういう三つの柱をことしの郵便の方針として、今郵便局の方に流しているところでございます。
  194. 平野清

    ○平野清君 次に、郵トピアの他部面のことについてお尋ねをしようと思ったんですが、午前中に及川先生わざわざ私の名前を挙げて御質問してくださいましたので、ダブリは避けますけれども、この販売店のチラシの問題は、低賃金で働いている新聞販売店の配達員の方の副収入として大きなウエートを占めているんですね。単なる、新聞を何部運んだから幾らでは、なかなか食べられるようなシステムになってないわけです。あれだけのチラシを自転車に、そのチラシの分だけ重くなります、それを一生懸命運んでいるわけで、彼らの収入としては、これが相当なウエートを占めているということをもう一度申し上げておいて、どんどん指定されるときにもそういうことに随分の御配慮をお願いしておきたいと思います。  次に、「ふるさと小包」が極めて好調だと言われていますけれども、苦情などはどういうことになっているんでしょうか。例えば不在の場合は、生ものや何かで腐ってしまうような場合もあると思うんですね。そういうときに、じゃそれは果たして責任は郵便局にあるのか、発送業者に負わされてしまうのか、その責任の所在も含めてお伺いしたいと思います。
  195. 田代功

    政府委員(田代功君) 「ふるさと小包」に関する苦情は、昭和六十一年の数でございますが、一万件当たり四件ということでございます。で、それ以外の苦情、「ふるさと小包」でない一般の苦情はもう一けた、十万件で四、五件ですから、一般の小包よりはやはり多うございますが、トータルとして私どもこの程度の苦情であれば比較的円滑に運営されているのではないかと、かように考えております。  これは民間とのいろんな競争の中で、郵便局がお客さんと折衝する過程で、料金は例えば郵便局少し高いけれども、郵便局のいいのは事故が少ないからだというお褒めの言葉をしょっちゅういただきますもので、そういうことから見ますと、民間のペースよりは恐らく一けたぐらいうちの方が事故は少ないと踏んでおります。ただやっぱり、たとえ一万件に四件でも事故は事故ですので、これは減らさなきゃいかぬし、事故が起こったときの体制はきちんととらなきゃいけませんが、苦情はやはり壊れた、あるいは腐っていたとか、それから着かなかったとか、こういうものがやはり多うございます。  で、その場合の処理でございますけれども、やはり「ふるさと小包」、商品はこれは郵便局のものじゃなくて、地元の業者のものなんですけれども、やっぱり窓口で勧めたのは郵便局ですから、苦情は全部郵便局で受け付けます。そうして、この「ふるさと小包」システムの全体の中に、取りまとめ役として財団法人のポスタルサービスセンターというのがございまして、ここに例えば業者からも必要な経費ももらうし、郵便局もいろんなお願いをしていくという、そういう中心になるところがございますので、ここが保険会社ともいろいろ取り決めしまして、事故が起こったときには、例えば腐っておれば新しいものを直ちに届けるとか、壊れておればまた新しいのを届ける、着かなかったときにもということで、お客様には迷惑をかけないような仕組みができ上がっておりまして、これらの着かなかったとか、腐ったとかいう苦情にもすべてそういうことで処理をしております。
  196. 平野清

    ○平野清君 マル優が廃止されて二カ月近くなるわけですけれども、対象預貯金の三百兆円をめぐって激しい争奪戦が展開されているわけです。郵政省もいろんなことで努力されているようですけれども、その成果といいますか、今どのような形になっているかをちょっと御説明願います。
  197. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) 六十二年度末、いわゆることしの三月には、四月から非課税制度が改定される直前ということでございまして、マスコミにも非常にその辺の動きが喧伝されたというようなこともございまして、郵便貯金のいわゆる純増加額というのはマイナスに転じまして、八千九百九十二億円という減を記録したところでございます。例年三月というのは、就職の準備であるとか入学の準備であるとか、あるいは行楽のシーズンだとかということで数千億減少する月ではありますけれども、九千億近い純減というのは、前年度の約倍近い減少でございます。私どもも大変心配をしていたところでございますが、四月に入りましてこの支払いの方も非常に落ちついてまいりまして、ことしの四月の実績を見ますと、郵便貯金の純増加瀬は七百四十四億円、前年の四月は八百七十二億円の純減でございましたから、そういう意味ではことしは増加に転じているということでございまして、支払いの方も落ちついてきております。定額貯金の伸びなんかを見ても非常に比較的順調にいっている、九百億程度の増加になっておるという状況でございます。  その原因としましては、やはり限度額が三百万円から五百万円に引き上げられたというようなこともございますし、また職員の営業努力の効果も出てきたのかなあということでございます。非課税制度の改定は伴いまして競争が激しくなっていることは事実でございますが、今の状況から申しますと、それほど一方的に郵便貯金からほかの金融商品に出ていってしまうといったような状況ではないというふうに私ども判断しております。
  198. 平野清

    ○平野清君 今局長のお言葉の中にも国債定期預金ですか、の言葉が出てきましたけれども、何か新聞、雑誌では大蔵省と郵政省がこの国債預金をめぐってまるで対立をして、報復説まで書いてあるような雑誌もありましたし、そんなことはないと言って、中村局長がにこっと笑っているでっかい写真が載っている雑誌もありましたし、きのうちょっといろいろお聞きしましたら、郵便局の国債の方は民間と比べてそれほど利があるわけじゃないんだそうですね、ずっと長期に見ていきますと。なぜそんなにまで新聞紙上をにぎわすほど大蔵省との対立とか、やれ大蔵省が報復説に出るんだとか、いろんなことが言われているのがちょっとわからないんですけれども、金利の表なんかを見ましてもそれほど変わってもいませんし、それほど郵便局が有利になるとも思えませんし、どういうことになっているんでしょう。それとも何かマスコミのレクの大蔵省と郵便局との違いなんでしょうか。
  199. 中村泰三

    政府委員(中村泰三君) そもそもの構図としまして、マスコミの取り上げ方が何か郵便貯金で新しいサービスをするとか、新しい商品を売り出すとかすると、いわば官民戦争が起こるかのごとき扱いをされがちなところがございまして、私ども記者会見等の席でも、あるいはあらゆる機会にもっと事実に即して冷静に取り扱ってもらいたいという話をしているわけでございますが、私どもからすれば、この四月に発売させていただきました国債定額貯金の扱いがあのように騒がれるということは大変心外でございまして、民間でも五十八年からとっくにああいった国債と定期預金との組み合わせの口座はございますし、郵便局も四月から国債を売り出すことになったということになれば、郵便局を御利用の方も、当然利払いを半期ごとに郵便局に来て利子を受け取るよりも、通常貯金なりあるいは定額貯金なり希望を聞いておきまして、自動的にそこに入ってくるといったようなサービスは私ども当然であろうというふうに思っておりました。まだそういう点につきまして、民間の方ではあるいはすぐには、いずれはそういった組み合わせ商品を発売するであろうけれども、四月の段階ですぐ発売することはないんじゃないかといったような期待もあったやに伺っておりまして、そういった点が非常に驚いたといいますか、そういう受け取り方をされたんではないかというふうに思っております。  しかし、私どもも十分大蔵とも意思疎通を図ってまいりましたし、十分な理解を得られたというところまでは至らなかったわけでありますけれども、それなりに私ども立場なり、預金者の利便向上のためのみをねらいとして発売させていただいたわけでありますから、その後は冷静な受けとめ方をされているものというふうに考えております。
  200. 平野清

    ○平野清君 郵政省にいらっしゃるマスコミの方は社会部の人が多分多い。大蔵省には経済部出身の記者が多分大勢いらっしゃる。大蔵省詰めの経済部記者と郵政省の社会部出身の記者との何か違いがあるような気がするんですね。そこらの記者レクのことももうちょっとお考えになった方がいいような気がします。これ余計なことですけれども、参考のために申し上げます。  今、一生懸命やっていらっしゃるもので郵便販売促進手当というのを何かお考えになっていて、新聞によりますと十一億九千万円も用意されているというのですが、これはどういう方法で販売促進手当をお払いになるのか。例えば局あてに出されるのか、個人にお渡しになるのか、それともやっぱり成績に応じて配分されるのか、簡単で結構ですから。
  201. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵便販売促進手当は、従来郵便には営業努力に報いる手当がございませんでしたものですから、この六十三年度予算で初めて予算で計上したものでございます。それの具体的な手当の支給方法は今事務的にいろいろ詰めておりまして、これは最終的にはまた関係の労働組合とも協議をしなきゃいけないことでございまして、まだ案が最終的に固まったわけではございませんが、基本的な考えとしては、職員の営業実績を反映して支給をするというのが基本の考えでございます。あと細かくいろいろと局単位どうするか、個人単位どうするかとか、いろんな問題まだ煮詰めている最中でございますが、そういうことで進めさせていただきたいと思います。
  202. 平野清

    ○平野清君 郵トピア構想のところで、ちょっと飛ばしちゃったんですが、何か変わったポストが、何か絵を見ましたら夜でもポストが光るようになったり、次の集配時刻がディジタルで表示されたり、郵便を入れるとピンポンとか何か音がするんだそうで、佐倉の人から電話がありまして、一体一台幾らかかるのか、郵便局に聞いたら、よくわかりませんけれども百万以上かかるんじゃないですかと。私聞きましたら百三十万かかるんだそうですね。その人が、郵便局苦しいのに、まあ景気のいいことやって、百三十万もするつまんないポストをつくって、何が郵便入れてピンポンだというような電話があったんですけれども、私自身は、これだけの大国になったんだし、全国に二十や三十、おもしろい郵便ポストがあったっていいような気がしますけれども、設置されてから大分たちますので、その反応というのはどうなんですか。
  203. 田代功

    政府委員(田代功君) 郵トピアに指定しました都市は、地元の郵便局もいろいろ大変ですし、地元の市町村の方もやはり郵便局のためにいろんな手を尽くしていただくわけですので、一つ百三十万というのは高いか安いか議論はありますけれども一つのお祭りと言っては何ですけれども、郵トピアをPRしていただく一つの材料ということで珍しい音の出る、あるいは明かりのつくポストをつくって配付いたしました。これは郵トピアの都市からは大変喜ばれまして、これを置くときには市長さんみずから出てきて記念のお祝いを開いてくれるところまで出てまいりました。やっぱり郵便局は地味なサービス改善だけでなくて、ある程度目立つ、実際郵便ポストとしての機能はそれほど変わりはございませんが、こういうことで地元の人に喜ばれ、話題になり、そしてまた、ポストを愛してもらい、郵便局を愛してもらうきっかけになるような施策というのはそれなりにやはり効果があったのだなと、かように考えております。
  204. 平野清

    ○平野清君 どんどんポストも丸型から四角いのにかわったりします。古い丸型なんか交換されるときに、ただ回収してつぶしてしまうんじゃなくて、学校とか、例えば郷土資料館とか、そういうところにお話しすれば、文化財的な価値といいますか、そういうことでも利用できると思うので、ただ新しいポストができたから古いポストは捨てちゃうというのじゃなくて、特に数の少なくなってほとんど東京では見られなくなったあの丸型なんていうのは、地方にまだ幾つか残っていますので、そういうときも、ぜひ地元のそういうところと協議されて残していく、何らかの形で残していく方法もぜひとられたらいかがかと思います。
  205. 田代功

    政府委員(田代功君) 御指摘のとおり、昔からありますあの丸い型のポストというのは大変人気がございまして、ただ、小そうございますので、郵便の量が多いところにはさすがにもうあれ使えませんので、あの不格好な四角いのに今切りかえつつございます。全国では約一割、一万四千個が昔からのあの丸いポストでございまして、毎年少しずつこれが角型に切りかわっております。  で、この使い古しました丸型ポストは、博物館とか学校とか公園とか、そういったところ、あるいは保育所とか、そういうところに希望に応じて寄贈しております。ただ、それは何といいますか、もう記念品ですから、間違えてお客さんが郵便入れると困りますので、そういうポストとして使えないように口をふさいだりはしてもらいますけれども、やっぱり教育のためということでいろんなところにお分けしております。
  206. 平野清

    ○平野清君 時間もありませんので最後に、先般四月二十九日ですか、春の叙勲や春の褒章がありました。業界の新聞見ましたら、相当郵便に、郵政に努力をされた方が勲一等だとか勲三等だとか、偉い人がずらっと並んでいますけれども、第一線で働いて、山の中を何十年間郵便配達しているとか、雪国でもって長いこと苦労されているとか、いろんな方がいらっしゃると思うのですが、そういう方たちの表彰の比率といいますか、どういうことになっているんでしょう。
  207. 白井太

    政府委員(白井太君) お答え申し上げます。  褒章は主として民間の分野でいろいろ働かれた方に授与されるものでありますので、私ども郵便局などで仕事をされた方が対象になりますのは勲章の方でございますけれども、勲章については御案内のように、かなりこの数の上での厳しい枠がございまして、春、秋、年に二回叙勲がありますが、いわゆる通常の生存者叙勲について言いますと、郵政省関係では全部でそれぞれ二百七十人程度が授賞の対象になっております。  それで、これは郵便局で働いた方だけじゃなくて、例えば電話局で仕事をされた方とか、あるいは放送などの分野で仕事をされた方、それらもすべて含めまして一回につき約二日七十名前後というような数字になっておりまして、大変厳しい枠になっております。したがいまして、いろんな方が本当は叙勲の対象になるということではあろうかと思いますけれども、そういう枠の中でどうしても限られた方を選考しなきゃいかぬというようなことから十分なことにはなっておりませんが、あえて申し上げますと、郵便局で課長とか部課長とかいう、私ども管理者と呼んでおりますが、管理者として呼んでおる方とそうでない方との勲章をお受けになった比率というのは大体半々ということになっております。  特に、この目立たない分野で仕事をされるというような方につきましては、例えば年齢などにも別の基準を設けまして、比較的若い段階で選考ができるような方途がとられております。できるだけ勲章の実が上がるように、これは私どもだけでどうこうできるというものでもございませんけれども、そういう方向でいろいろ関係のところにもこれからもお願いなどをしてまいりたいというふうに考えております。
  208. 平野清

    ○平野清君 偉い人だけに余りいかないように、本当に第一線で働いている人にうんといくようにちょっと今後も努力していただきたいと思います。  終わります。
  209. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  210. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  211. 山中郁子

    ○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、郵便法改正案に対する反対の討論を行います。  反対する第一の理由は、今回の法改正が財政民主主義に反し、国権の最高機関である国会の審議権、議決権を制限するものであるからです。  財政法第三条は、「法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」と明記しています。  郵便事業は、郵便法第五条で、「何人も、郵便の業務を業とし、又、国の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない。」とうたわれているように国の独占事業でありますが、これは郵便が文化国家にとって必要不可欠な国民の基本的通信手段であるからであります。それだからこそ、この事業の料金は郵便法第二十一条、同第二十二条及び第二十七条に明記され、料金改定に当たっては常に国会での審議を行ってきたのであります。  今回の法改正には、料金を改定する場合の条件を幾つか付しているとはいえ、国会での審議、議決を経ないで事業内容や料金を政府の判断で決定、実施できることになっています。我が党は、このような法改正は到底認めるわけにはいかないのであります。  反対する第二の理由は、今回の法改正が料金値下げを自由にできるようにすることにより、大口利用者に多大の便宜を与えようとする点にあります。  これは本日の審議で私も指摘したことでありますが、郵政省は、通信事業の状況の変化、類似業者との競争の激化を口実に、現在でも大口利用者には過剰なサービスを提供してきているのに、今回の法改正によってなお一層この方向が促進され、そのしわ寄せが一般国民へ押しつけられることになるなど、郵便の公共的性格が脅かされる危険が大きい点を指摘しなければなりません。  なお、最後に、本改正案のうち料金不足郵便の取扱手数料の廃止や、災害時の郵便物の無料取り扱いの範囲の拡大については当然行われるべきサービス改善であると受けとめていることを表明して、私の反対討論を終わるものであります。
  212. 守住有信

    守住有信君 私は、自由民主党を代表して、郵便法の一部を改正する法律案に対し賛成の意を表するものであります。  改正法案は、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金の決定の特例制度を整備するとともに、利用者に対するサービスの改善を図ることとしております。  まず、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金の決定の特例制度の整備についてでありますが、現行法の法定制緩和措置は、昭和五十五年の法改正により、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでの間、一定の条件のもとで省令で定めることができるよう特例措置が設けられたのであります。  昭和五十五年度末に二千四百九十四億円にも上った巨額の累積欠損金は、その後の各種サービスの改善や職員の営業努力などにより、昭和六十一年度末で十五億円にまで縮小し、昭和六十二年度においてはすべて解消する見込みとなっております。この間の郵政省、郵便局職員の努力を高く評価するものであります。しかしながら、近年、情報通信メディアの多様化、高度化により郵便事業を取り巻く環境は極めて厳しく、今後これまでと同様に事業財政の改善を図っていくことは容易ではない状況となっていますことは、政府当局の説明により十分理解されるところであります。  このような状況の中で、今後とも郵便事業が健全な経営を維持していくためには、一層の効率化の推進、各種サービスの改善及び営業努力を行うことはもとより、機動的に料金値下げができるようにするとともに、一定の額の累積欠損金が生じた段階で小幅な料金改定ができる体制を整えておくことは適切な措置と考えます。  今回の措置は、期限がなく恒久的なものであり、財政法第三条に反するのではないかとの指摘もありますが、財政法第三条は、具体的な料金の額を法律自体で直接定めることまで要求しているものではありません。法第三条の要請を満たすには幾つかの方式が想定されますが、どのような方式とするかは立法政策により決定されるものであります。  前述したごとく、最近における郵便の独占性の程度は昭和五十五年当時と比べて大きく変化し、国民生活に及ぼす影響の程度も相対的に低下している状況下において、その料金は原則として法律改正により定め、法律で定める一定の要件、すなわち発動の要件としては、累積赤字が収入の一定割合に達すること、またその場合の値上げ幅は物価等変動率の範囲内であること、さらに手続については郵政審議会の議を経て定められるなど、厳格な要件が満たされたときにのみ省令で定めることとしても、財政法第三条に基づく料金決定方法としては許容されるものと考えます。  次に、サービス改善についてであります。  今回の法案には、新しく郵便切手などの給付を受けることができるプリペイドカードを発行し、販売できるようにしています。このほか災害時における郵便料金の免除の範囲の拡大、料金未納または料金不足の郵便物に係る手数料の廃止などが盛り込まれておりますが、これらはいずれも国民要望を取り入れたもので、妥当な措置と考えます。  我が党は、以上のような視点から本改正案に賛成するものであります。  最後に、郵便事業が健全に生き生きと運営され、国民にとってさらに利便性の高い郵便サービスの提供が推し進められ、より自主的、自律的で責任を持った事業の経営に取り組まれることを期待して、私の賛成討論を終わります。
  213. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  214. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  郵便法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  215. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  216. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  217. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 次に、郵便年金法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、中山郵政大臣から趣旨説明を聴取いたします。中山郵政大臣
  218. 中山正暉

    国務大臣中山正暉君) 郵便年金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、最近における年金需要の動向にかんがみまして、郵便年金の加入者の利便の向上を図るため、所要の改正を行おうとするものであります。  第一は、郵便年金契約の加入申し込み時に掛金を一時に払い込むことができることとするものであります。  第二は、掛金を一時に払い込み郵便年金契約に加入した場合、その効力が発生した日から年金の支払いをすることができることとするものであります。  このほか、郵便年金契約が掛金払い込み猶予期間の経過により失効した場合、一定の条件のもとに、その復活の申し込みをすることができることとすることを内容といたしております。  なお、この法律施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日からといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。  ありがとうございました。
  219. 上野雄文

    委員長上野雄文君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に謝ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十七分散会