○青島幸男君 研究していただきたいと思いますね。
極めて
日本的な風土に基づいたやり方でして、私はこの
制度自体を否定してはおりません。歴史的な経緯を踏まえましても、多くの方々の協力に基づいて
NHKはかなり高い精度といいますか、率で徴収をしていますね。雑誌でも新聞でも、こんなに高い、確実に収益を上げている、収入というか、徴収しているところはないぐらいにきちっとできていると思います。ということは、何となく我が国の
国民性といいますか、大変従順といいますか、
政府あるいは
政府機関に協力的といいますか、中には今でも
NHKは国営だと思っている方もおいでになるわけでして、郵便局の方が取りに来たと同じ感覚で、払わなかったら手が後ろに回るんじゃないかというような気持ちでお支払いいただいている方もいると思うんですよ。
しかし、そういう感覚で実に
日本の風土に合ったやり方があるからこそ、今まで高い収益といいますか、徴収率をおさめていると思うんですけれ
ども、でもそれにいつまでも甘えすがっていたんではいけないと思いますね。もうちょっと
理解を深めて、その上で成り立っているんだということをお
考えいただきたいと思いますし、この
制度を否定しないというのは、一時、不払いの方が多くなったりして
経営基盤が危ぶまれるという時期に、これはやっぱり法律で集めることに枠をかけたらいいじゃないかというお話も出まして、
しかし、これは
NHKと
郵政省との間で話し合いがついた経緯も私は
承知しております。
これはいかに何でも法律で罰則まで科して、
料金として徴収してしまうというのはなじまないんじゃないかと。今までだってこれで結構上手にいっているし、これからも
NHKは、
国民の皆さん方に
理解を求め、協力を仰いでいく
体系をきちっと整えていけば、必ずや所定の
効果を得られるであろうということのもとに行われてまいりまして、
しかも幸いなことに今そうなっておりますね。ですから、これは
世界的にもまれに見るケースだと思いますけれ
ども、これは一にかかって
国民の皆様のそういう御
理解のたまものだというふうに
NHKさんはお
考えになっていらっしゃると思いますけれ
ども、その辺を損なわないようにしていかないと、本末転倒と申しますか、不払い同盟の急伸展みたいなことに遭いまして、
理解がいただけないということに結びつきはしないかというのを不安に思っているわけです。
今までの経緯を見ましても、その辺もおかしいんですが、
衛星放送の発足自体がおかしいんですよ。
大臣はきっとこの経緯を
御存じだと思いますけれ
ども、まず、古い話になりますけれ
ども、VHFをやめまして、全部UHFにしたらいいじゃないか、それで
国民の財産である電波の有効活用の上から、今あるVHFをあければ、ほかにたくさん有益に使えるから、そうしましょうという方針を
郵政省がかつて打ち出したことがあるんです。
私はそれに対しまして、今でもカバーし切れないように難視聴
地域が多いのに、Uにしたらもっと金がかかるし迷惑もかけるしうまくいかないから、Vでこのままおさめておくぐらいがいいんじゃないかと言って、延々反対しましてやっと十年後に、Uに一斉に転換することは不可能だということをお認めになりまして、
郵政省はこの旗を下げられたわけです。その後、じゃどうして難視聴
地域解消しようかという話になりまして、やがては有線というものが発達してきて有線になるか、あるいは
衛星というものが将来はできて、そこから地上波と違った格好でおろしてくれば必ずや難視聴
地域は解消できるんじゃないか、だからこそVをこのまま一遍にやめるのはやめなさいというのが私の主張の中にあったんですけれ
ども、やがて星が上がりまして、幸いに星でカバーできるようになりました。そうすると、さまざまの離島までもこれは割に比較的楽にカバーできるようになりまして、着実に絵と音が送れるようになりました。これはこれで結構だと思うんです。
しかし、この星を上げるについては、まずそもそもの
目的は、難視聴
地域でよく
テレビがごらんになれない、音が聞けないという方々の御不自由をなくするために、
しかも
放送法上の建前もありますから、
NHKは
衛星に頼って
放送を始めて、難視聴
地域解消に当たったわけです。これは成功したんです。そもそもそこから始まったんですけれ
どもね。
難視聴解消はそれでいいと。
しかし星には大変な可能性がある。音もきれいだし、絵もきれい、
しかも
ハイビジョンまで流せるという可能性がある、この可能性を全く無視しておいてはこれはしようがない。だから総合と違った波を一波別に流
して、より一層エンジョイといいますか、御利用いただくようにしたらどうだろうという、ここが私はちょっと出っ張り過ぎたと思うんですね。そこで総合
放送と
教育放送の
番組の編成と同じものだけを流せば何ら問題はないんです。
しかし可能性があるから、そこへ全く新たな
番組の編成を組み込んで、新たな一波として流し始めたわけです。
しかもそれは
視聴者の了解を得てという段取りを踏んでないという認識を私は持っているわけですね。ですからその辺が、全くずるずるべったりに新しい一波を
NHKは獲得したわけですね。このことをそのまま放置して、何の法制上の枠もなしに、勝手に可能性があるからといって、積み重ねていっていいんだろうかという疑念が今でもあるんですけれ
ども、その点について、経緯を踏まえた上で、
大臣どうお
考えになりますか、御所見を伺います。