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及川一夫君 そうすると、また改めて一万三千名体制であるとか、一万四千名体制であるとか、そういうお話が何となく出てくるような感じがするんですけれ
ども、ただ皆さんもお考えいただかなきゃならぬというふうに思うのは、何といってもやっぱり働く労働者、一雇用不安というのは一番困るんですね。力が入らない。ですから、やはり企業
経営者として行う場合には、そういった展望というものを明らかにした上で仕事を、お互いに
責任を果たしていくということでなければ私はならないだろうというふうに思うんですよ。そういった点ではぜひ
会長にもお考え願いたいというふうに思うんですが、私も別に未来永劫一万五千名体制で、そのままで動かないものだとは思っていませんよ。時と場合によればふえることだってあるわけですからね。あるいはそれは減ることもあるでしょう。しかし、それはありとあらゆる文化とかあるいは科学の発展によって裏づけられるときもあれば、
内容的に仕事が減ってなんというようなことだってあるわけですね。ですから一概に、画一的に考えてはいません。
ただ、皆さん方にぜひとも、恐らく御存じだと思うんだけれ
ども、よく民放との対比が出るわけですね。ところが民放も確かに
大臣がおっしゃられるように、百五十社以上超えていますよ。百五十社あるんだけれ
ども、結構系列化されておりましてね、中央にある民放の系列を受けて放映をしている。こういう
放送会社というものを全部調べてみて、一体それの人数というのはどのぐらいいるんだろう。つまり全部集めれば
全国ネットですね。
NHKは
全国ネットでやっておるわけですから。
そういう
前提で、非常に機械的かもしらぬけれ
ども、実際にどのぐらい要員がおられるのかということで各都道府県にある
放送会社を全部調べてみますと、合わせると二万八千九百名もおられるわけですよ。このほかに俗に言う下請といいますか、請負会社というか、
放送番組をつくっている、またそれを請け負って飯を食べている、そういう労働者も実はおられるわけですよ。請負率というものを見ますと、
NHKと民放では、民放の方が非常に多い。
NHKは少ない。これをどうするかというようなこともそれはあるかもしれませんが、問題は、下請に出すというのは、下請の労働者が今度は泣いているわけですよね。
これは、私はかつて自分の過去の経歴で、組合の代表として中曽根総理
大臣にお会いをしたときに話が出たんです。つまり、ここにいる代表は、全部大企業労働者の代表であるけれ
ども、総理、何とかなりませんかね。何ですか。大体、
政府から十億円の工事料でもって元請が受けて、工事が始まって、実際に仕事をしている労働者の関係会社がどのぐらいの値段で請け負ったのかと、ばあっと足してみたら四億にしかならない、四億にしか。つまり四億円でできるというわけですね、これ。それじゃこの間の六億はどうなったんだと、ここが問題なんですよ。だから何でも下請に出せばいいというものでは私はないように思うが、いずれにしても、これは下請がいいか悪いかというよりも、こういう構造をどうするかという大きな
課題ですからね。ここでそれは論ずることはできないでしょう。
そういったことを横に置いても、実際問題として、
放送局におられる本社員だと言われる人たちの人数というのは調べてみますと二万八千九百人もおられると。こういうことですから、それは
NHKに比べれば、
数字上では一万三千名も上回っていることは事実ということになるわけですわね。ですから、余り観念的に、世の中の目があるからというだけでもって、もしこの新営業構想というものを考えているとすれば、私は非常に間違いを起こすことになりやせぬかということと、もう一つは、先ほどお話がありました、集金をされる労働者の皆さんのことなんであります。
私が聞く限りにおいては二つの
意見がこの新営業構想にはあるようですね。一方では、今の立たされている
NHKの現状というものをまともに受けて、そして受けて立とう、つまり話し合いに乗ろう、こういう立場の人と、真っ向から反対ということで、第三者機関といえば裁判ないしは労働委員会ということになるんでしょうが、そういうものに持ち込んででも争って、この新営業構想というものについて改めるというのか、撤廃するというのか、そういう
意味合いのことを主張される方と二つあるということを実は私はお聞きするわけなんであります。
この問題、特に四十歳から六十歳の人が中心だというふうにもお聞きします。それだけに人生の上では最も大事なところじゃないですか。減税の話が出てくるとこの辺ですわね。まあ六十歳のところはどうのこうのあるかもしれませんけれ
ども。いずれにしてもそういう人たちが主流になって、十五年もあるいは二十年も働いておられるということなんですから、そういう
意味ではこういう人たちに不信を買うような、このことが起点になって大変な問題に発展するようなことのないようにしないと、いかに
受信料集めようたって集めることはできない。これは夜の夜中まで行こうという発想ですからね、この新営業構想は。これ自体にも私は疑問を持ちますよ、さら金の集金と違いますからね。
受信料ですから。公器の
受信料ですよ。それを夜の夜中まで、もちろん前もって電話かけて行くんだ、会ってくれるということが
前提だとかいろんな
説明はついているようだけれ
ども、話をするように、そううまくいくものではなかなかないと思いますね。だから大変な私は
負担になるように思うんです。したがって、この辺は私は非常に疑問持っているんですが、いずれにしても労使の話し合いで決めることですから、問題点だけは指摘しておきたい、こう思っております。
そういった点で、ひとつ
会長いかがですかね、この問題どうお考えですか。この一万五千名体制では
会長とも論議をした記憶がありますので、ぜひお答え願いたいと思います。