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及川一夫君
大蔵と
郵政省が対立しているとは思わないということなんですが、私も対立してくれとは別に願ってないわけでして、対立をしてもらいたくないという
気持ちの中には、少なくとも
郵政の行う郵貯については、あるいは
郵政省が行う
仕事については、
民間との対比では補完だというふうに言い切られること、これは非常に私は問題ではないかというふうに思っているわけですよ。やっぱりもう
お互いに成熟しているんですから、先ほど三
局長が
答えられたように、
お互いに競い合ってこそ、本当のいい
サービスが出てくるとおっしゃられるなら、補完なんというようなことについては
郵政省としては認めるわけにいかないんだろうと思いますよ。
大蔵省は勝手にいろんなことを言っているということでは私はないと思うが、いずれにしても勝手に聞こえますよ、私から言えば。
ですから、ぜひ次のことを意識されて、ぜひとも
大蔵も考えてもらいたいし、同時にまた、
郵政省もその気になって
対応してもらいたいというふうに思うのは、一つは、やはり本流意識というものがありませんと、なかなかこの
仕事に熱中しないものですよ。これが一つですね。それから、附属物というふうに言われたら、これは
仕事に
誇りが持てませんね。これは
民間企業だったら特にそうですよ。僕は
民間の人が苦労していることはわかっていますよ。だから大いに学ばにゃならぬことはあるんだけれ
ども、少なくとも
郵政省だって、そういう附属物ではない、君らの
仕事は本流だよと言われて初めて
誇りが持てるわけでしょう。そういう気構えの問題。
あるいはまた、
民間企業と
官業という
言葉がありますけれ
ども、もう
官業と言ったって
郵便事業だけじゃないんですか。ほとんど
民間化されていっていますよね。だから残されたのは
郵政事業だということになっちゃうんだけれ
ども、どちらにしても
企業経営という面ではかなり
民間は成熟してきているし、むしろ
官業の方が落ち込んでいる。まだまだ直さなきゃならぬ問題があるという時点に今立っているわけでございます。三点目には、やはりそういう条件も考えた上で
言葉の使い方も考えるべきだろうと思うし、それから
競争の原理は、先ほどから言われているように
利用者のためにこそある。それが第一義だというふうに私は思いますよ。だからそういった点で、
企業のために要するに
競争の原理があるんじゃないということを、これはすかっと言い切っちゃうと問題なんだけれ
ども、ニュアンスはもう自分ではあるつもりですが、いずれにしてもこの
利用者のためというのは第一義じゃないかということを基本にしながら、ただ問題は、
民間企業から言わしめれば、郵貯
事業に法人税はあるのであろうか、こうなってきますわね。いろんなところで
仕事をやる条件が違うじゃないかということはあるわけですから、これは当然考えなきゃいかぬと思いますね。
そういった点で、乱暴な
意見になるかもしれませんけれ
ども、一つには、では税金に類するものを納めたらいいのかという
意見も出てくるだろうし、あるいはまた、そんなことを言ってみたって、実際に郵貯で働いている労働者、
簡保で働いている、集配をしている労働者の場合に、
民間の
銀行の労働者と比べて一体賃金はどうなんですか、あるいは保険契約をした、
貯金を新しく集めたということに対する手当というのは、
民間と郵貯、
簡保の場合どうなんでしょうか。そういう比較などをしますと、結局、
民間より賃金が低いとすれば、税金も出さない上に人件費まで抑えている、そして
利用者に奉仕しているという理屈にもなっちゃうですね、これ。あくまでも比較論ですけれ
ども。
ですから、黒と言えば白という
意味じゃなしに、やはりAという
意見があればBという
意見があるんだ、だからお互に出し合って、けんかになるようなことについては僕は改めたらいいと思いますよ。できるだけ公正
競争の条件というものをつくり上げていった方がいい。
官業だからそんなことはつくれない、そんな理屈は僕は成り立たないように思いますよ。もちろん
独占禁止法とか諸法の関係とか、いろいろなことが出てまいりますから単純ではありませんけれ
ども、いずれにしても以上のようなことは考えてやはり
対応すべきだ、そして補完なんという
言葉はなくしていくべきだ。と同時に大
企業ですから、郵貯の場合、
簡保の場合でも、もう
簡保局長なんか、みずから世界一、
日本一を誇っているわけですから、もう大
企業であることは間違いないと思いますよ。したがって、大
企業横暴と言われるようなこと、力に任せて押し切るというようなこと、あるいは
社会的影響、
社会的
責任というものを度外視して、何でもいい、利潤追求というか、要するに集めればいい、
金利を高くすればいいというだけのものではないということだけは、これは私も自分に言い聞かせなきゃならぬ問題だと思っています。
そういう立場に立ちながら、少なくとも
大蔵と
郵政の関係について、補完という
言葉というのはなくしてほしい、こういうふうに思うんですが、いかがでしょう。