○鈴木和美君 私も
丸谷委員の
質問にダブらない範囲でお聞きしたいと思うんです。私の持ち時間が十二時十分までですから、私は本
法案を
審議するに当たって問題点というようなものを幾つか感じておりますので、それを先に述べますから、各
答弁のときにちょこちょこ私の言った趣旨を入れて
答弁していただければまた効率的ですから。
まず
一つは、
丸谷委員もお話がありました、今回の
先物取引市場をどうして二本立てにしたのか。これは私は
参考人にお尋ねしたこともございますが、実はよくわかりません。もちろん
日本の風土の中で、
銀行界と
証券界の垣根というのが現実に存在することは事実です。けれ
ども、今
答弁のように、
投資家のニーズであるとか国際的な一体感であるとか、それから金融が
証券、
銀行も含めて余りそう大差はなくなったじゃないかというような問題などなどがあって、なぜこういうふうにしなきゃならぬのか。ましてや、
平澤局長の話を聞けば、二年後に見直すからいいじゃないかと。だけれ
ども、見直すと言ってないんですよね。見直すかどうかについてというあなたのお話ですね。だから私は、ここははっきりしておかなきゃいかぬことだと思うんです。そういう点について何としても疑問を持ちます。
二つ目は、
先物市場への参加の問題であります。これは御案内のとおり、今回は金融業界の方は
証券に入れないということになっていますね。しかし、
外国のいわゆる
証券会社、金融業者は
日本に子会社を持っていますね。子会社を持っていると資格は持てるわけでしょう。そうすると、そこに金融業界の中で差別が出てきはせぬかという問題を
一つ感じます。この
制度をずっと続けていくとすれば、
日本の業界はそれこそ
アメリカに子会社をつくって逆上陸してくるということだって
考えられますね。そのとき
大蔵省は一体認可するのかしないのかというような問題も私は疑問に感じています。
もう
一つは、参加の問題と会員権の問題について幾つかの
答申の中で、厚みを厚くして幅広くやらないとこういう
先物市場というのはもたないのじゃないかというような
意味から、生保とか保険会社をなぜ入れないのか。全銀協の素案には排除されたみたいな形になっていますね。
大蔵省は一体これに対してどういう見解を持つのか、この辺も私はお聞きしておかなきゃならないことだと思うんです。
もう
一つの問題は、これは竹内理事長にもまた田淵
参考人にもお尋ねしたんですが、
アメリカでもニューヨークにああいうものがつくり上げられたけれ
ども、結局は情報とか流通が一元化している
シカゴにどうしても集まっちゃうわけですね。それがやっぱり情報とか流通の効率性ということだと思うんです。だから鳴り物入りで
日本でこういうものをつくって一体市場が成り立つか、大丈夫なんですかと。それは株先五〇にしてもいろんなことで成績を上げていることは十分
承知しています。けれ
ども鳴り物入りでやって大丈夫かというような、市場のつまり活性化というような展望は一体どういうことなのかな、そんな感じも実は疑問として持っています。
もう
一つは、
先物取引が本当に
リスクの回避ということに機能を果たすのか。これは
丸谷委員も今御
質問のように、今回の大暴落の問題についてプログラム売買というものがいわゆる引き金になったと、いろんな
検討が
アメリカでも進められていることも新聞で
承知しています。だから、本当にこういう問題が
リスク回避につながるのかなというふうな
意味で、別なことを言うのであれば別な副作用というものが出ているということだと思うんですね。そのときに、そういう状態を展望しながら、一体どういう対策をとるのかというようなこともこれは大きな問題だと私は思っています。
それからその次は、レバレッジ効果の問題です。三百万積めば一億の
取引ができる、大変なことだと私は思うわけです。ある
意味では喜ぶ人もおるかもしれませんし、それだけ大変な被害をこうむるかもしらぬ。こういう問題を内在していると私はこの
法案について思うんです。
もう
一つの問題は、金融の
先物取引所と
証券の
取引所の中の清算
制度というものを今度新しくつくりましたですね。この清算
制度というものは
証券の方にはないんですけれ
ども、現行のままで会員の責任分担というものは一体大丈夫なのかというようなことも私は疑問に思うのであります。
次は、開示書類のわかりにくさだと思うんです。これはどっちかというと、後ほど細かに時間があれば
質問しますが、開示の問題というのは、大体株をやるというような者は世間から見ると、新聞を読んだりテレビで
指数がぱっと出たとか何とかかんとか、その程度じゃないでしょうかね。なるがゆえに、企業の側なり業界の側で開示の問題は余り詳しくやらなくてもいいじゃないか、そういう
意味でこの
制度の問題の簡素化が行われているんだけれ
ども、
投資家の
保護の立場というようなそういう立場じゃなくて、業界ばかりのサイドから
大蔵省は取り扱いが行われているんじゃないのかなというような私は気がするんです。
それから次は、何といってもタテホの問題で、いつも
議論になるタイムリーディスクロージャーの問題だと思うんですね。本来であれば公的な
機関において
取引所に上場されているような会社というのは、何か変化があったらその
証券取引所において正式な記者会見とか何かをやってみんなに早くわからせるようなことをしなきゃいかぬと思うんですね。そういうような問題が一体どういうように行われているのか。
それから次は、未公開情報の内容を
取引法の中に入れられた
理由。これも今と同じです。インサイダー
取引の罰則という問題が出てまいりましたけれ
ども、業界や
参考人のお話を聞くと、どっちかというと
日本は天国だというような話があるけれ
ども、実は
法律にはっきりしていないから処罰の対象になり得ないということで大変困っていると。はっきりさえしてもらえばそれはそれでよろしい。なぜかというと、私は、
先物にしても
証券にしても、
日本の風土というものはどっちかというと情報を早目にした方が勝ちなわけでしょう。だからセールスもいろんなことを言うですよ。欲の突っ張りというものがありますけれ
ども、それが
日本の
証券の風土だと思うんですね。そういう風土の中で、ここに例えばこういうものこういうものは会社の中で重役は言っちゃいかぬぞとかなんとかと言うけれ
ども、一体それで本当に取り締まるということができるのか。もっと皮肉った言い方をすれば、国際的にある程度ルールを同じくしようというような要請が強いものだから、何かのっけておかないと市場を開設するのにどうもばつが悪いぜというような皮肉った感じにしかとれないんですわ。後ほど時間があればまた詰めさせてもらいます。
それからインサイダー
取引の罰則ですが、証取法の現行の五十八条との
関係から見るとえらい安いですな。これは一体どういうことになっているのかというようなこともお聞きしたい。
それからもう
一つは、店頭登録株とインサイダーの
関係。今
丸谷委員も御
質問のように、非常に
バイオがどんどんどんどん発達していますし、それからベンチャーもありますね。そういうような問題があるから、どっちかというと今は店頭登録のそっちの方が実は関心の度が案外強いんですよ。それが今回は対象から外されているということになると、一体本当に温床というものを改善というか、それができるのかというような疑問を持っています。
最後ですが、
参考人に聞いたら、
取引所取引税というものが諸
外国にないから、何とかしてくれという意見がどうも強い。同時に、手数料の問題というものが
外国から出てくれば、だんだんこの手数料自由化というものが進めば、現行の固定
制度の手数料がありますね、ここまでずっと直さなきゃならぬような時代が来るんじゃないのかな、私はそんなふうに展望しているんですが、それに対してどういうような見解を持つのか。
結論として、私は今回思うのには、
丸谷委員指摘のとおり、大変重要な内容を持っている
法案だと実は思っています。ですから、そういう
意味ではこの
審議のあり方というのは一体これでいいのかなということの疑問は私も抱いています。しかし、ここまできたことですから、結論からいえば、早く、細かく、そして先を見通した対策というものをしっかり立てなさいよというのが私の結論でございます。
さてそこで、時間のある中でお尋ね申し上げますが、この
先物市場への参加の差別の問題について、私は先ほど会員権の問題と含めて二つ述べました。
外国の子会社は金融の子会社であっても
証券の
先物に参加できる、垣根があって今度は
我が国ではできない。もしもそういう
制度がずうっと続いているとするならば、
日本の企業が、
アメリカに出て行って子会社をつくって逆上陸してこっちに来たときに参加を認めるのか認めないのか、これが
一つと、生保と損害保険のこの人
たちが全銀協の素案には排除されているんですが、これは一体その全銀協の素案というものを
大蔵省はどういうふうに受けとめておられますか。また、
大蔵省はこれに対してどういう態度をとろうとしていますか。これをまず最初にお尋ねします。