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1988-05-12 第112回国会 参議院 商工委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月十二日(木曜日)    午後二時一分開会     ─────────────    委員異動  五月十二日     辞任         補欠選任      杉元 恒雄君     永田 良雄君      青木 薪次君     渡辺 四郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         大木  浩君     理 事                 下条進一郎君                 前田 勲男君                 福間 知之君                 市川 正一君     委 員                 小島 静馬君                 永田 良雄君                 平井 卓志君                 降矢 敬義君                 松浦 孝治君                 松尾 官平君                 向山 一人君                 梶原 敬義君                 渡辺 四郎君                 伏見 康治君                 矢原 秀男君                 井上  計君                 木本平八郎君    国務大臣        通商産業大臣   田村  元君    政府委員        環境庁大気保全        局長       長谷川慧重君        通商産業大臣官        房総務審議官   山本 幸助君        通商産業大臣官        房審議官     末木凰太郎君        通商産業大臣官        房審議官     野口 昌吾君        通商産業省通商        政策局次長    吉田 文毅君        通商産業省産業        政策局長     杉山  弘君        通商産業省立地        公害局長     安楽 隆二君        通商産業省基礎        産業局長     鈴木 直道君    事務局側        常任委員会専門        員        野村 静二君    説明員        環境庁企画調整        局環境研究技術        課長       清水  浩君        環境庁水質保全        局海洋汚染・廃        棄物対策室長   岡澤 和好君        厚生省薬務局審        査第一課長    齋藤  勲君        気象庁観測部管        理課長      山中 陸男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○特定物質規制等によるオゾン層保護に関する法律案内閣提出衆議院送付) ○特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 大木浩

    委員長大木浩君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として渡辺四郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 大木浩

    委員長大木浩君) 特定物質規制等によるオゾン層保護に関する法律案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 梶原敬義

    梶原敬義君 五月十日の本委員会、そしてきょうの環境との連合審査にずっと出ておりまして質疑を聞いておりました。いろいろな専門的なお話も出ましてずっと聞いておったんですが、どうもわからないのは、オゾン層破壊オゾン破壊は本当にフロン原因破壊されているのか、あるいは南極オゾンホールフロン原因だったのか、そ辺の問題は連合で少しは環境庁も出るからわかるんじゃないかと思ったんですが、ああやこうやのお話が出まして、結局私もフロン原因説というのは本当によくわからないのです。上まで上ってみなきゃわからぬのかもしれませんが、もう一度その辺について幾つかお尋ねをしてみたいと思います。  問題は、本法律案は疑わしいから生産を規制し、消費を規制するというそういう内容でありますから私は原則的に賛成ですが、しかし、どうして我が国として確信を持ってもう少し物が言えないのか、その辺が幾ら聞いておっても非常に残念でしようがありません。  そこで、非常に幼稚な話でございますが、フロンの重さとかあるいは炭酸ガス、NO2、SO2、これらの重さを最初にお尋ねをしたい。  それから、フロンとかハロンがどうして大気中に重いのが拡散して舞い上がって成層圏にずっととどまるのか、その辺の状況、それが第二点。  それからもう一点は、例えばフロン、ハロン以外の物質で要するにオゾン層破壊するものは全く考えられないのかどうなのか、それが第三点。  それから南極におけるオゾンホールが、きょうの高桑先生質問ではないが、大気気象現象によって起こる可能性もあるという学説の話も出ました。我が国気象現象によってそういう状況が起こるかどうかということに対する研究体制、この辺は一体どうなっているのか。  それから、オゾン生成の仕組みについてもう一つお尋ねしておきます。  それだけちょっと専門的というか、我々にわかりやすいようにひとつ環境庁答弁してくれませんか。
  5. 長谷川慧重

    政府委員長谷川慧重君) お答えいたします。  まず第一点の、それぞれの分子の重さというお尋ねでございますが、空気の重さが大体二十九ぐらいということで……
  6. 梶原敬義

    梶原敬義君 空気を一にして何倍とかやってくださいませんか。
  7. 長谷川慧重

    政府委員長谷川慧重君) 空気を一としますと、CFCフロン11が大体五倍ぐらいの重さになろうかと思います。それからCO2二酸化炭素炭酸ガスにつきましては二倍弱というぐらいの見当になろうかと思います。まず第一点はそんなことでございます。  第二点の、地上から放出されましたフロンがいわゆる空中に放出されますと、対流圏の中におきましては対流現象ということで空気が攪拌されるという形になっているわけでございますので、比較的短い期間内においていわゆる対流圏の中のフロン濃度が均一化される。それで、期間がいろいろ御意見がございまして、三年とか五年という説もございますし、十年、二十年という説もいろいろあるわけでございますけれども、比較的短い期間内において対流圏の中では対流現象によって大ざっぱに申し上げますと一様な濃度になる。そういうことで、対流圏がそういう形になりますと、成層圏の近いところにあるフロン等につきましては、いわゆる成層圏の方と対流圏フロン濃度対流圏の方が高いために対流圏フロン成層圏の薄い方へ拡散していく、分子拡散という言い方をするわけでございますけれども、濃いところから薄いところの方へ徐々にしみ出ると言ったら語弊があるのかもしれませんけれども、拡散していくという現象対流圏フロン成層圏の方に上がっていく。それが徐々に上に上がっていきまして、いわゆる四十キロメーターのところで一番強い紫外線影響を受けてオゾン破壊するということが言われていると思います。  それから、オゾン破壊の問題でございますが、実験室内におきましていわゆるフロンと四十キロメーター上空における紫外線紫外線の中の強い紫外線でございますけれども、それを当てて反応させますとフロン等が壊れまして、フロンの中に含まれております塩素分子が放出される。その放出された塩素分子オゾン反応いたしまして、オゾンはO3でございますので、そのうちのO2、酸素分子塩素酸素原子反応していわゆるClOという形での生成物ができる。そういうことでそれは実験室内で確認されているわけでございますが、それがいわゆる四十キロメーター上空において先ほど申し上げましたようにフロンが壊れて、塩素を放出しオゾンを壊していく。そのClOがまた紫外線影響を受けてClとOがまた分離してしまいましてCl単独になって、その単独になったClがそのO3と反応して順繰り順繰りオゾンを壊していくという現象がいわゆる四十キロメーターのところを中心にして起こっておるということでございます。  それから、生成関係でございますけれどもオゾンは大部分が成層圏に生存しておるわけでございますけれども、この成層圏におきまして特定の長さの紫外線によりまして酸素分子O2がまた壊されまして酸素原子になってしまう、O2がOというO一つ酸素原子になるという反応がまた起こるわけでございますが、そこで出されました酸素原子が周りにあります酸素分子O2と反応を起こしてオゾンO3をつくるというようなことがまた成層圏内におきまして自然にそういう形で反応が繰り返されておる、そういうことで、普通でございましたらそういう酸素分子が壊されて酸素原子酸素分子反応してオゾンということが生成され、一方においてはまたO3のオゾンが壊されておるというような現象が恒常的に行われておるわけでございますけれども、それで大体のオゾン層バランスがとられておったわけでございます。  最近はCFCクロロ化、いわゆるフロン等によりましてそういう壊される反応の方がより強まっておるということで、バランスがとられておったオゾン層オゾンの量が減ってきておるという現象であろうかと思います。それが極端にはっきりあらわれましたのが南極の空であるということと理解いたしております。  その南極の空となりますと、通常でございましたらいわゆる赤道の上から南極の上の方にオゾンが、成層圏の中でも循環があるわけでございますけれども、一年じゅう同じような気候でございますとそれは絶えず均等にオゾン供給されるわけでございますけれども、冬季間になると南極の上にはオゾン供給がとまってしまう。とまっている状態で、とまるということは逆に言うと、そのところに既にあったオゾンなりフロンなりはいわゆる凍った形になっておりますので、それが春先になると解けてきてオゾンフロン反応が起きてオゾンが減ってくる。しかも春先はまだそれ以外のところのオゾン供給が十分にいっていないということから、短い期間においてオゾンが減ったのが目立つということでオゾンホールができておるというぐあいに理解いたしておるわけでございます。よろしゅうございますか。
  8. 梶原敬義

    梶原敬義君 いや、何かわからぬし、もうさっぱりわからぬ。  大気中のオゾン組成割合、例えば窒素が七八・一%、酸素が二一・〇、アルゴンが〇・九、CO2が〇・〇三というような形でいくと、オゾンは何%ですか。――ちょっとそれなら後でいい、それ後でいいです。  それでは、実験室フロンを入れてオゾン破壊をする実験をしたときのその状態というのは、大気中の状態と同じ状態の中にフロンもこのくらいの量だというのを想定して実験室でやったんでしょうね、そういう結論というのは。
  9. 長谷川慧重

    政府委員長谷川慧重君) 実験室の中でやりましたのは、フロン濃度的には実際の予測されている今の濃度とは違ってかなり濃い濃度でやっております。ではございますけれども、いわゆる紫外線の強さといいますか、程度については、それは四十キロの上空における紫外線の強さで濃い濃度フロンに当てて反応を起こさせたという実験をやっているというぐあいに理解いたしております。
  10. 梶原敬義

    梶原敬義君 だから、あなたたち実験室でやっている状況がこうだからという話もずっと何回も聞きましたけれども、それも同じような条件の中である程度やってみなきゃ、フロンをたくさん入れてそれで破壊した破壊したという、これもちょっとよく理解ができません。  いずれにしても次に進みますが、ちょっとその前にもう一つ、今局長の話を聞いていて疑問に思ったんだけれども南極の上でもあるいは我々のこの上でも紫外線の量というのは大体同じなんですか、季節によって変化はあると思いますけれども
  11. 長谷川慧重

    政府委員長谷川慧重君) 太陽から出されるものでございますから、太陽との角度関係で多少は違うとは思います。いわゆる赤道の上は一番強い紫外線量、それから緯度が下がるといいますか、上がることによってだんだん違うということになろうかと思いますけれども、そう大きな差はないと思います。
  12. 梶原敬義

    梶原敬義君 南極でいうと春先にオゾンホールが出たというんですね。そうすると、南極の冬は南極の春とか夏に比べて紫外線は多いんですか少ないんですか、同じなんですか。
  13. 長谷川慧重

    政府委員長谷川慧重君) 紫外線の量的な話におきましては南極の春とそう大きな差はないと思います。しかしながら、南極の冬の時点は何といいますか、全般的に温度が下がっておっていわゆる凍っておるような状態でございますので、そういう面でオゾンといいますか、紫外線が同じ量当たりましても反応自体は進まないという形になろうかと思います。それが春になると急激に反応が始まるということで、南極の十月の時点に、比較的短い期間においてオゾンの減少した状態が続くということでございます。
  14. 梶原敬義

    梶原敬義君 オゾンは、紫外線酸素に当たって、そしてどうもオゾンがまた形成されるというようなことをいろいろ書いておられますよね。そうすると紫外線の量とも非常に関係がありますね。  気象庁お尋ねしますけれども日本上空における紫外線の量というものは季節変動というのはあるんですか。
  15. 山中陸男

    説明員山中陸男君) お答えいたします。  環境庁の方からお答えいただいたように、太陽角度で多少変わると思いますけれども太陽から来るものですからそう大きな変動はないかと思います。
  16. 梶原敬義

    梶原敬義君 いや、私はどうもいろいろ見ていますと、炭酸ガスは物すごくふえていますね。それでフロンもふえておりますけれども、ふえている量というのは、カーブは上っておりますけれども、もともと炭酸ガスの場合は十のマイナス六乗だと。フロンの場合は十のマイナス十二乗かなんかですけれども大気中における量というのは非常に少ないわけですね。少ないけれども、まだどんどんふえているという、そういう状況ですから、どうも言われているようなことでそんなにぽっかり南極の上でフロン原因オゾンホールができたりするというよりもっと何か大きな別な要因があるような気がしてならないんです。もう素人ですけれども、直感でね。  そういう面においても、我が国経済大国と言われておりますから、本格的にやっぱりフロンならフロンというもののもうちょっと確証を得るまで、幾ら局長の話を今私も聞いてみても、それは本に書いていることをあなたが読んで理解して言われるということはそれはわかるんですけれども、もう一つこれだというのがわからないものですから非常に残念です。  次に移ります。  通産省フロン規制についてはつい最近まで非常に何かふらふらしていたような感じがします。昭和六十一年十一月六日の業界紙を持っておりますが、「アンモニアからフロンへ」、通産省がそういう指導をして、「冷媒冷凍設備更新貸付金」という見出しで、これは六十二年度予算でやったんでしょうが、全部読む暇はありませんが、「開発銀行中小企業金融公庫、国民金融公庫の融資枠を、現行の融資条件を改定することで、フロン化推進にバックアップできるとしている。」云々、こういう記事が載っております。確かにフロン22ですか、ああいうものを考えておるのかもわかりません。多分そういう答弁をなさると思いますが、しかしいずれにしてもやはり大きな国際化の流れの中で、ついこの前までフロンを使え、フロンを使え、アンモニアから切りかえよと、こういう指導をされております。そういう点について通産省お尋ねします。
  17. 安楽隆二

    政府委員安楽隆二君) 今先生の御指摘の点については、確かに私ども保安対策の面から、冷凍倉庫等冷凍事業所でございますけれども、これについて冷媒アンモニアからフロンへの転換を進める必要があるということで、指導、助成ということで開発銀行融資制度なんかも使ったわけでございます。実はアンモニアについては毒性、可燃性があって死傷者をもたらすような事故がずっと多数生じてきたというようなことがありまして、保安対策からこうやったわけでございますが、その場合にもちろん今回規制対象となっているフロンというものはよくないわけでございますので、それ以外のフロン融資規制対象とするということで、そういう意味で今回のフロン規制方向と矛盾するものではなくて、むしろ安全保安対策観点からそういうことをやらしていただいたということでございます。
  18. 梶原敬義

    梶原敬義君 全く矛盾しないと、そう言われますとちょっと引っ込みがつかないんですが、では今進めょうとしているのはフロン22ですか、今言われておるのは。どこら辺を指しているんですか。フロン13から14、21、22、その辺のことを言っておられるんですかね。
  19. 安楽隆二

    政府委員安楽隆二君) 実質的にはフロン22がほとんど全部でございます。
  20. 梶原敬義

    梶原敬義君 フロン22というのは沸点がマイナス四十度ぐらいで、大きなルームクーラーとか低温冷凍装置なんですね。今ここで言っているのは低温冷凍装置だけのことを言っているんですか、この業界紙で先ほど私が言った内容は。あなた方が指導しているのは。もっと広い意味のことを言っているんじゃないんですか。フロン22を中心に言っているんですか。
  21. 安楽隆二

    政府委員安楽隆二君) 大規模冷凍装置でございまして、実質的にほとんどフロン22を考えているわけでございます。
  22. 梶原敬義

    梶原敬義君 フロン22でも、今回は特定して五つにしているんだが、じゃ将来にわたって22はそういう方向で行って規制はせぬでもいいと、こういう考え方ですか。今回は五つに限ってということじゃなかったんですかね、大体の考え方は。違うんですか。
  23. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 今回条約及び議定書フロン規制議論をする際に一番問題になりましたのは、やはり対流圏の中で何ら分解をされないで成層圏に行くフロンという考え方でございまして、考え方といたしましては完全にハロゲン化されたフロン、すなわち水素原子が入っていないフロンでございます。これは結局対流圏の中で分解が非常にしにくいというような考え方であるわけでございまして、今御指摘になりましたフロン22は実はこの中に部分的に水素原子が入っておりまして、対流圏の中で分解しやすい、こういう見方を私どもとっております。  ただ、御指摘のように、それじゃ全く安全性に問題はないかどうかという点についてはもちろん今後調査研究すべきだという観点は残してありまして、お認めいただいた、批准いただきましたウィーン条約別表附属書というのがございまして、調査研究すべき物質というのがずっと並んでおりますが、その中にももちろん入れてございます。しかし、一応私どもといたしましては分解しやすいフロンというふうに考えておりまして、今このフロン22といいますのは一般的に家庭用クーラーに使っておりまして、例えばこのような大きなビルには余り使われておりませんけれども、むしろその辺をフロン22に切りかえていった方がいいのではないか、このように我々は考えているわけでございます。
  24. 梶原敬義

    梶原敬義君 次に移ります。  それからフロン規制による業界への影響、特にきょうの午前中の質問の中でも環境庁長官は、大手五社についてはそんなに心配はない、しかしューザーの三万三千の中に中小企業が非常に多い、この辺の問題だと。私はこういう急に規制をかけていく場合に非常に心配なのは、やはり雇用労働者ですね。非常に雇用影響が出てくるわけですよ、こういう転換が激しい場合には。そこで、いつもそういう変化によって泣くのは雇用労働者ですね。まじめに働いている労働者はやっぱり苦しいわけですから、雇用問題についても相当影響が出る可能性がありますから、この辺についても十分通産省としても指導し、よくそこを見張っていただきたいと思います。  それからもう一つ、半導体の関係の113ですか、ICの工程の中での洗浄に使っている113の代替はどうも環境庁長官は無理だと、だから大気中にフロン113が逃げないようにする、そういう方向で行っているということでございますが、これについてどのぐらい進んでいるか、見通しについて。
  25. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 第一の点、私ども大変重要な問題だと考えております。来年規制に入りました場合におきますユーザーサイドの問題というのは非常に私どもも真剣に考えておりまして、特にお話のように大変中小企業が多うございます。今たまたま第二問で御指摘なさいましたフロン113を利用している中小企業が大変多いわけでございまして、この方々が円滑に削減、つまり利用するフロン削減に適応しなくちゃいけない、かように考えております。  具体的な措置は、やはり当面既存代替品を活用するかあるいはまた回収・再利用設備を導入するか、いずれかでございます。前者の代替品につきましてももちろん積極的に考えますが、特に中小企業の場合大きな問題なのはむしろ回収・再利用設備の導入でございます。私どもは、今国会お認めいただきました予算税制の中でそのような回収・再利用施設を導入する際の税制上の特典をお認めいただいたわけでございますので、そのような特別償却制度とかあるいは固定資産税減免措置、これを活用してぜひ中小企業の協力を得たいと考えているわけでございますけれども、いずれにいたしましても極めてきめの細かい指導をしていかなくちゃいけないのではないかと考えております。  第二点の113の問題でございますが、御指摘のように確かに代替品につきまして有力なものはこの分野に関しては今のところございません。私どもも何かいい方法はないかということで、本年度予算の中でエタノール、これはアルコールでございますが、これは既存のある意味代替品と言えるかもしれませんけれども、これをフロン113の代替品として活用できないかどうか、これは技術的な調査を真剣にやりたいと思っておりますけれども、いずれにいたしましても中長期的に代替品開発という点のポイントの一つだと思いますが、短期的には先ほどの回収・再利用設備をいかにうまく普及するかという点であろうかと思っておりまして、この辺につきましては御指摘の面十分考慮しながら指導してまいりたいと考えております。
  26. 梶原敬義

    梶原敬義君 最後観測等の問題ですが、気象庁もおいででしょうが、先ほどいろいろお話を聞いて、我が国も四カ所でオゾン観測やなんかもやっておられるようでございますが、この観測監視やあるいはそのオゾン層保護に関する調査研究関係省庁一体となって力を入れてもっとやる必要があるんではないか。同時に、我が国だけがやってもこれは地球規模の問題ですから世界的な規模での観測監視調査研究、こういうものをもっと我が国が積極的に世界に呼びかけてやっていただきたいと思いますが、この点につきまして、最後通産大臣の決意をお聞きしまして、終わります。
  27. 田村元

    国務大臣田村元君) 我が国は、国際的に今や非常に重要な地歩を占めております。特に経済においては非常に重要な立場にあります。でございますから、一層このかけがえのない地球を守るという考え方の上に立って、他国に先駆けていろんな方途を講じていかなきゃならぬと思います。  このフロン問題だけでなしに、まだほかにもあると思いますが、これから二酸化炭素などによる地球の温暖化問題をどうするかとか、あるいは酸性雨の問題をどうするかとか、いろんな問題あると思います。でございますから、今梶原委員おっしゃいましたように、とにかく国際的な議論の場で積極的に日本参加発言をしていく、あるいは行動をとっていくことは必要なことであるというふうに考えます。
  28. 伏見康治

    伏見康治君 フロンガスの問題は、要するに新しい化学物質自然界にない物質を使い出したときに思いがけない悪さをするということを後から発見したということだと思うんでございますが、いわゆる公害というもので出てきた問題もみんな同じようなものだと思うんで、少し古いお話を思い出したいと思っているんでございますが、つい先日神岡鉱山へ行きました。これは全くイタイイタイ病とは関係のない話で行ったわけでして、小柴昌俊東大名誉教授が去年の二月に大発見をしまして、神岡鉱山の中に三千トンの非常にきれいな水のタンクを置きまして、その中に走ってくる高速粒子によるチェレンコフの光をつかまえることによって、昨年の二月の半ばにマゼラン星雲の中にあらわれた超新星からのニュートリノをつかまえたというので非常に有名なお話になっております。  それを見学しに行ったんですが、そこで大変感心して帰ってきたんですけれども、そのとき鉱山の方とお話をしてみましたら、いまだにイタイイタイ病の補償をずっと鉱山としては続けてやっておられるというお話を承って、一たび公害問題を起こすというと、それを償うということがいかに大事な問題であるか、厄介な問題であるかということを痛感させられてきたわけでございます。  しかし同時に、そのイタイイタイ病というものを単に補償問題だけに限定して考えるのも間違いだと思うんですが、つまりイタイイタイ病の原因になったカドミウム汚染というものがどういうふうにして起こったか、それからカドミウムがなぜ悪かったのかとかいうようなそういう基礎的な学問の方が、知識の方が、その後いささかでも深められたのだろうかと思うと少し怪しいんではないかという感じがするんです。  イタイイタイ病のことですぐ連想いたしますのは水俣病なんですけれども、水俣病というのは水銀によって起こされたものだと思うんですが、私の子供のころあるいは学生のころの水銀に対する感覚は非常に違っておりまして、例えば私は飯倉の天文台の近所に住んでいたものですからよく子供のときに遊びに行って、天文の先生が夜星の観測をなさるときに、人工水平と申しましてお皿の上に水銀を入れて、その平らな面に星を反射させて観測なさるわけですが、その後へ行きますと大抵水銀がこぼれているわけです。それで、私たち子供はみんなそれを喜んで拾ってきて、それでいろんないたずらをする。例えば銅貨に水銀を塗りつけて銀色になって銀貨になったとか言って喜んだりした。ある子供なんというのはひどいもので、弁当箱の中に水銀を入れて持ち運んでいたりしたことがあるんですが、その割には案外中毒症状を起こしていないですね。  それから、私が物理教室へ行ったときにも、大変な量の水銀を使って例えばマノメーター、真空測定器といったようなものを水銀を使っていろいろやるわけですが、大変な分量の水銀を使っていろんな仕事をしているわけですが、この年になるまで別に水銀中毒の症状は出てこないんです。  ですから、単に水銀ということで恐れるのではなくして、水俣病はその条件が何かあったんだと思うんですね。それはよく言われているとおり、無機水銀と有機水銀との相違であって、水俣の場合には有機水銀がたくさん流れてしまったせいだと思うんですが、しかし、その工場の人は御自分たちは無機水銀を使っておられるつもりだったと思うんです。ですから、水俣病を繰り返さないためには、どういう水銀がどういう条件のもとで中毒症状をあらわすかといったようなことをもっとちゃんと究明しないといけないと思うんですが、私の理解するところでは、あらゆる工場から全部水銀を追い出すということで話がおしまいになってしまったような感じがするんです。  その辺のところは、そういう有名な公害事件の後でお役所としては一体どういう追跡をしてきたか、殊に環境庁としてはどういう方針でやってこられたかということを伺いたいと思います。
  29. 清水浩

    説明員(清水浩君) お答えいたします。  先生指摘のように、水俣病などのような公害問題は二度と発生させてはならないものであり、環境庁といたしましてはこうした公害問題が再び引き起こされることのないよう各種有害物質等による環境汚染の未然防止を目的とした環境保全施策の推進に努めておるところでございます。  具体的には、大気や水質の常時監視、あるいは化学物質環境安全性総点検調査等による環境状況の把握とか、あるいは水銀等汚染対策推進会議等の活用による関係省庁の公害防止対策の総合調整、あるいは環境保全総合調査研究促進調整費によります関係省庁の調査研究の促進、さらには私どもの国立公害研究所を初めといたしまして、現在では十三省庁、約五十の研究所で各種の公害関係の研究を推進しておるところでございます。
  30. 伏見康治

    伏見康治君 もう一つ思い出すのは、六価クロム問題というのがあるんですが、これは今割合に近い新聞情報で、何か六価クロムがまた問題になっていたように思うんですが、どういう状況になっているんでしょうか。
  31. 岡澤和好

    説明員岡澤和好君) お尋ねの東京都の六価クロム汚染問題でございますが、昭和五十年ごろに汚染が問題となりまして、その後、東京都が実態把握を行うとともに、無害化の処理などの対策を進めてまいったところでございます。  今般、五月になりましてから、二回ほど新聞報道がなされておりますけれども、その第一点は、江戸川区で公園の建設予定地で汚染土が野積みされていたというふうな報道が一回。その後、都内の工事現場など六カ所で汚染土が放置されていたというふうな報道がなされていたわけでございます。  このうち、江戸川区の公園建設予定地の問題でございますが、汚染が発見されました当時、鉱滓以外のいわゆる二次汚染土について還元処理を行った上で埋め戻しを行っているわけでございますが、それが今回掘り出された。その中にごく一部でございますが、処理が十分に及んでいない部分が残っていたというふうなことであるようでございます。これにつきましては、東京都の指導によりまして還元処理が施され、また粉じん飛散防止のための散水、芝張りが施されるということになっているというふうに聞いております。  それから、その他の数カ所の地域の問題でございますが、公園予定地と同じような事情でございまして、土の中に一部未処理のものが残っていたというふうなことでございますので、これにつきましても覆土をした上で芝張りを行うなど、東京都の方で措置が要請されているというふうに聞いております。
  32. 伏見康治

    伏見康治君 これは毒というわけではないと思うんですが、フロンガスと同じように、むしろ化学的に安定なためにかえって困るというのはプラスチック製品だと思うんですね。私の先輩の物理学者で、プラスチック製品が戦後あらわれたころに、いち早く、こういうものでつくったコップなんというものは、捨てたときにいつまでたっても腐らなくて困ることになるよ、金属でつくったものは自然界にほっておきますとやがてさびて、酸化物に変わっていってしまうわけですが、プラスチックはいつまでたってもなくならないから困ることになるよと言われて、今になって先見の明があるのに非常に感心しているわけです。  非常に大量のプラスチック製品が、現在のいわゆる使い捨て文化の中でそこらじゅうに散らかっているんですが、これの害が、よく鳥やけだものが知らないでプラスチックの製品を飲んで死んでいるような報告がしょっちゅうあるわけです。海の底あたりに行くというと、東京湾の底のあたりはもうプラスチックがうようよしているように思いますが、そういうものが一体、長い目で見たときにどういう害を与えるかといったようなことを研究しておられますか。環境庁どうでしょう。
  33. 岡澤和好

    説明員岡澤和好君) いわゆるプラスチックのようなものは環境中に長くとどまるわけでございまして、それに伴います被害というものは、それが存在することによる被害でございますので、特に健康障害とかそういう形ではあらわれてこないわけでございます。ただ、最近、特に言われておりますのは、海の中にプラスチック廃棄物が入ったりした場合に、野生生物に絡まりまして、野生生物に危害を及ぼすというふうなことが指摘されております。
  34. 伏見康治

    伏見康治君 そういう障害があり得るということは認めておられて、それに対する対策のようなものは考えておられるかどうかということを伺いたいわけです。
  35. 岡澤和好

    説明員岡澤和好君) プラスチックの廃棄物の発生場所といたしましては、陸上で廃棄物として発生するものと、それから船舶から廃棄されるものとがございます。このうち、陸上から発生される廃棄物につきましては、既に我が国の海洋汚染防止法によりましてプラスチック系の廃棄物は海洋等における処分が禁止というふうな措置が講じられております。また、同じ海洋汚染防止法におきまして、船舶から発生する廃棄物のうち船舶の通常活動に伴って発生するものについては、陸上で発生するものと同じような形でプラスチックとしては廃棄処分が禁止されております。  残りますのは、いわゆる船の中での日常生活に伴って発生する廃棄物でございますが、実はこれにつきましては、野生生物保護というような観点から、プラスチックの海洋投入を全面的に禁止すべきであるというふうな国際的な動きがございまして、実はことしの十二月三十一日から、MARPOL条約の附属書Ⅴと申しまして、船舶からの廃棄物の規制に関する条約がございます。それが十二月三十一日に発効いたしまして、それが発効いたしますと、あらゆる船舶からのプラスチック系の廃棄物については全面的に禁止されるというような措置になりますので、私どもといたしましても、海洋汚染防止法の体系の中で全面的にプラスチックの廃棄を禁止するというふうな措置を講じていくというふうに考えております。
  36. 伏見康治

    伏見康治君 海の話は大体わかりましたが、陸上でたくさんたまっているのはどういうふうに処分するんでしょうか。
  37. 岡澤和好

    説明員岡澤和好君) 現在のところどういう処分の実態にあるかということを申し上げますと、ただいま産業廃棄物として発生いたします廃プラスチックの量は年間約二百万トンでございます。このうち、約四分の一は再生利用されておりまして、残りの四分の三が最終的に環境中で処分されることになっておりますが、この大半は埋め立て処分ということになっております。ただ、もちろんどこに埋め立ててもいいということではございませんで、処分場としての区画に覆土をしながら埋め立てていくというふうなことで措置しております。
  38. 伏見康治

    伏見康治君 プラスチックをそれをつくったもとの元素に分解するといったような考えはあるんですか、ないんですか。
  39. 岡澤和好

    説明員岡澤和好君) そのような技術的な問題になりますと、むしろ厚生省とか通産省とかでお答えいただいた方が適当なのかもしれませんが、私どもの方でも、最終処分という立場から、最終処分量を減らす上でできる限り廃棄物の発生量を減らす、そのためには有効利用をしていくようなことが必要だというふうに考えております。  調査研究のレベルでございますけれども、プラスチックを分解してもとの分子に戻すとかいうことは一部研究レベルとしてはやられております。ただ、いろいろ採算性の問題等ございまして、今出てまいりますプラスチックをそのような形でもとへ戻すというようなことは、なかなか難しいというふうに理解しております。
  40. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 通産省としてお答えいたしますが、プラスチックの処理の問題、非常に重要な問題だと思っております。非常に利用範囲が広がってまいってきましたが、やはり当然ながら、それをいかに処理を最終的にするかというのがやはりその普及の大前提だろうと考えております。  私どもメーカーを指導いたしまして、プラスチック処理促進協会という財団法人をつくりまして、廃プラスチックの処理技術等につきましての開発なり普及ということに大変努力しているわけでございますが、例えば今環境庁で申し上げましたように、産業廃プラスチックの中の四分の一にようやく達したわけでございますが、再生をするということで、これは細かく粉にし、さらにまたそれを何らかの製品に再びつくるわけでございます。通産省の玄関にベンチが置いてございますけれども、実はそのベンチはすべて廃プラスチックで加工したものであるというようなことでございまして、現在ようやく四百社ぐらいの企業が出てきておりますが、だんだんと再生利用そのものが事業化し得る段階になってきているのではないかと思っておりますので、そういうものは育てたいと思っております。  それから、埋め立てに回る分につきましては、先ほどもお話ございましたように、ばらばらになってしまいますと、それが何らかの問題を別途起こすというようなことでございまして、現在私どもは容量を減らす、減容化ということを言っておりますけれども、すなわち圧縮して固めましてある大きさにしてしまう、そして埋立地へ持っていく、こういうことを推進しているわけでございます。  それから燃やす問題でございます。焼却ですけれども、これは従来非常に高熱になりますので、焼却炉を壊すとかいろいろな問題がございましたし、ガスが出てきますから、それに対する対策が非常に重要であるということで、先ほどの財団法人におきまして、やはり高熱に耐え得る焼却炉、技術を開発するというようなことで、それを開発した後、おやりいただいている市町村に普及をする等々、今一生懸命努力はしているつもりでございます。
  41. 伏見康治

    伏見康治君 私たちのようなジェネレーションにとりましては、現在の使い捨て文化というのは非常に抵抗がございまして、何も缶ビールを飲まなくたって、普通のガラス瓶で何度でも使えばいいじゃないかという、牛乳の紙パックというのも、なぜ昔の牛乳瓶ではぐあいが悪いのかと思いますし、昔の同じ器を何度でも使えるようにするという文化の方が僕ははるかにいいと思うんですが、使い捨て文化の方がそろばんに乗るからそれがはやるんだというお話を承っているんですね。そう言えば、そろばんだけであらゆることが片づくんだったら日本の食管問題なんというのは、お米の問題なんというのはとっくの昔に片づいているはずだと思うんです。経済要因以外の要素でも ってリサイクル文化を再現するということは考えられないかどうか。これは大臣に伺った方がいいかな。  僕は大臣に対してもう一つ伺いたいことがあるんですが、前回の最後の段階で、田村通産大臣から、私も薬害でひどい目に遭っているんですというお話を承りまして、大変ショックを受けたんですけれども、薬害というものはしばしば聞くお話ではございますけれども、それに対しては、厚生省ですか、そういうことをやってられる方はどういうことでやっておられるか、まず伺って、それから大臣のお話を伺いたい。
  42. 齋藤勲

    説明員(齋藤勲君) 医薬品の安全性の確保でございますが、この点につきましては、承認時におきまして厳格な審査をいたしまして、また新薬につきましては、承認後一定の期間の後に再審査を行うということをしております。また、市販された医薬品につきまして副作用情報等を幅広くかつ迅速に収集しまして適切な措置を講ずることとしております。  まず、医薬品の承認審査につきましては、承認基準を明確化するとともに、承認申請の際に添付すべき資料などについての規定を設けておるところでございます。また新医薬品につきましては、原則としてその六年後に安全性等を再確認する再審査を義務づけているところでございます。  次に、承認後の医薬品について副作用モニター制度等により国内における副作用情報を収集するとともに、国外からもWHO等を通じまして諸外国の情報を収集しているわけでございます。これらの情報は評価、検討を行いまして、その結果に基づきまして必要な行政措置を講じているところでございますが、また、医薬品の安全な使用を図るために、医師等の医療関係者に対しまして、これらの副作用情報の迅速、正確な伝達に努めているところでございます。  さらに、医学、薬学等の学問の進歩に即応しまして、医薬品の有効性及び安全性の見直しを行うために医薬品の再評価というものも実施しているところでございます。
  43. 田村元

    国務大臣田村元君) 薬害の問題が出たわけでございますが、御質問の御趣旨はリサイクルの問題だと思うんですけれども、せっかくのことでございますので、薬害のことでちょっと私の経験を申し述べて、まあ所管外で妙な話でございますけれども、いい機会でございますから、厚生省に一つの実例として私の体のことを言っておきたいと思います。  私は痛風、いわゆるガウトですね、痛風患者でございます。三度ショックを起こしました。今まで私は薬剤アレルギーは何にもなかったんですけれども昭和三十年代の終わりごろに、痛風のコルヒチンという薬でショックを起こしました。場所は関東労災病院です。このときはもうだめというところまで行きました。血圧が生存にぎりぎりのところまで下がりました。それで、これはだめだというんで、分子式が非常によく似た薬だったので、お医者さんに過失がなかったとは言えないんですけれども、グリセオフルビンという薬がございます。これは水虫の飲み薬のような薬だそうですが、非常に痛風によく効くということで……
  44. 伏見康治

    伏見康治君 何という薬ですって。
  45. 田村元

    国務大臣田村元君) グリセオフルビン。これは、要するにグリセオフルビンでもコルヒチンでもアタックをとめるという薬なんですけれども、これでやっぱりまたショックを起こしました。  そこで体が狂ってしまいまして、そうしてBSPでショックを起こした。BSPのときは肝臓の機能検査ですが、たまたま心電図をとるのに、心電図のベッドの上に横になって調べてもらっておるときにショックを起こしたということで、すぐにわかりまして助かりました。なぜああいう薬を、まあBSPはとにかくとして、もう今はああいう薬は余り使わないと思うんですが、聞きますと、まだコルヒチンなんか使っておるようでございますけれども、ザイロリック等、非常にいい予防薬が出ておりますし、なぜああいうものを使わせるんだろうか。私は、医学、薬学を担当する人に対していささかの不信感を抱いております。  それから、先般申し上げましたのはフルイトランという降圧剤でございますけれども、これを続けて飲んだら、非常に軽い降圧剤なんですけれども、白斑病が出ました。これはもう明らかにフルイトランの薬害である。  そういうことで体が非常に狂ってしまいまして、軽い自律神経失調症のようなこともあって、夏のクーラーにはもう耐えがたい体になってきたというようなことで、予算委員会なんかでもいつも内々でこそっと、クーラーをもっと弱くしてくれぬかと言って頼んだりいたしておるようなことなんです。  そういうことをちょっと申し上げましたが、今厚生省のお話によると、十分検査もし監督もしておるから薬害なんというものはないよというようなことでございましたから、私は自分が実際の経験者として薬の名前も述べて申し上げたわけであります。  さて、それから、リサイクルの問題でございますけれども、まさに私は世の中リサイクルの時期が来たと思います。  例えば、デパートでなぜ紙にしないんだろうか、わざわざあんな下水道の処理場が泣くようなああいうビニールのようなものをなぜ使うんだろうかと、いつも不思議に思っておりますが、今のプラスチックにしても何にしてもやはりリサイクルの時代が来たんじゃなかろうかという感じは率直にいたします。  例えば、下水道一つ例にとりましても、もう今この首都圏は絶対大丈夫という水の保証はございません。ダムは利根川水系でもほとんどつくり尽くされておるというようなことでございますから、当然活性汚泥法によります二次処理というものから踏み出して高度処理である第三次処理へ移行をして、そして下水道の処理水というものを水洗便所とか消防用なんかの水に、あるいは工業用水に使ったらどうだろうか。そのようにすればこの首都圏の飲み水は絶対に保証されるわけでございます。川から来る水よりも、下水道を完備した場合は下水道で捨てる水の方が多うございます。なぜか。天水が入りますから。そういうこともございますから、世の中万事リサイクルの時代が来たということは率直に言えるんじゃなかろうかというふうに思いますので、ちょっとお答えになったかならぬか、私も思いつきで申しまして恐縮でございますが、今先生からそういうお話があったものですから、薬害やらリサイクルやら、もう薬害のリサイクルは御勘弁願いたいけれども、そういうことでちょっと感想を申し述べた次第でございます。
  46. 伏見康治

    伏見康治君 ありがとうございました。  終わります。
  47. 市川正一

    ○市川正一君 冒頭大臣に一問だけお伺いいたしたいんでありますが、大臣は、また席の温まる暇もなしに、OECD閣僚理事会出席のために今週末出発なさるわけでありますが、報道によりますと既にコミュニケ案が固まっており、我が国に対しては税制とか流通システム、市場開放等々を迫るというふうに伝えられており、御出席される大臣の毅然とした態度が求められると私は思うんであります。  特に通産省所管の問題で申しますと、大店法の規制緩和の問題が出されることも予想されております。しかし中小企業、特に小売業の実態は、緩和どころかむしろ規制強化が要請されております。また、通産省が現在進めている出店規制指導ともこれは矛盾するものであります。したがって、仮にこの会議で大店法の規制緩和が要求されるならば、これはきっぱりと拒否されるものと私は存ずるところでありますが、いかがでございましょうか。
  48. 田村元

    国務大臣田村元君) まず、それはそうと明後日からOECDへ出発いたします。いつも御迷惑ばかりおかけしておりますが、よろしくお願いいたします。  OECDの閣僚理事会のコミュニケ案が決まったというわけではありません。事務方で一応出し合いまして、そしてそれを事務局が一応のまとめをする、それをたたき台に我々が議論をするわけでございますから、いつも、昨年も案が相当変えられたということもございますから、これは単なる事務局の案。ただし、事務局といいましても加盟各国の事務当局がそれぞれ議論してのことでございますから、権威のないものとは言いませんけれども、それを閣僚理事会へ持ってくる。そこで、マクロ経済中心にした一般経済問題、ウルグアイ・ラウンドの推進を中心とした貿易問題、構造調整というようなことに大体集約してくるんでしょうか。  それで、今の大店舗法の問題でございますけれども、まだ私は聞いておりません。今度のOECDでは確かに構造調整の推進というものが非常に大きな柱になります。先進経済各国、特に日本やアメリカやドイツに対しては相当厳しい要請になるでしょうし、各国に対しても厳しい要請になると思います。その問題の一環として、我が国の流通機構なんかを外国が出してくるかもしれません。かもしれませんといいますのは、今御質問があって、御質問にお答えするとすればあるいはそうかもしれませんねというようなことで、くるかもしれない。アメリカが出してくるかどうか、まだ私全然聞いておりませんけれども、ただアメリカが大店舗法の問題を特掲して発言してくるということは私は全然聞いておりません。  いずれにしましても、私としては国内各界の声を十分に踏まえて、日本国の代表として、日本国の通産大臣として、主張すべきは堂々と主張してくるつもりでございます。
  49. 市川正一

    ○市川正一君 ただいま私が伺いました問題に即して申しますと、ことしの三月一日の衆議院商工委員会で、我が党の工藤委員質問に答えて大臣は、「輸入拡大と大店法の規制とを短絡的に直結させる議論には疑問がある、そういうことを先方」、この場合はアメリカでございますが、「に指摘してございます。」とお答えになっておりますが、今御答弁なすった日本の代表としてという見地、また今御紹介したようなこういう見地を堅持して臨まれ、大いに奮闘されることを切に期待したい。どうぞ気をつけて行っていただきたい。  本論に戻りますが、おとついの審議で、私はフロン規制に取り組む政府の姿勢について伺いました。また、田村大臣の積極的立場も確認した上で法案の具体的内容について質疑をいたしてまいりました。  前回は、フロン規制が総量規制であるため、部分的な需給ギャップによって社会生活上重要な分野の必要に支障を来さないかまでただしました。本日は、そのもう一つの側面として、力の強い者がフロンを独占ないし優先的に確保して、相対的に弱い立場にある者に行き渡らないおそれが起こらないかという問題についてお聞きしたいんです。  例えば、洗浄用のフロンを大企業であるIC工場が押さえてしまい、そして中小企業であるメッキ工場やクリーニング店が必要量を確保できないおそれはないだろうか、こういう点について配慮がなされているかどうかということからまず伺いたいと思います。
  50. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) フロンを利用されている方は、おおむね私どもの試算でございますと三万三千社と一応申し上げておりますが、その多くが中小企業でございます。今回の生産削減という規制をスタートいたしますと、そのような方々に対する配慮というのは非常に重要になってくるわけでございまして、当面の対策は、今おっしゃいました洗浄用でございますと代替品がございませんので、回収・再利用設備の導入、こういうことに相なると存じます。  回収・再利用設備そのものの値段はいろいろ幅がございまして、五百万から千五百万と言われておりますけれども、いずれにいたしましても、中小企業にとりますと相当の負担だと私ども認識しておりまして、そういう意味からまいりますと、政府自身が財政上あるいはまた税制、金融上の措置というのは考えなくちゃいけないということで今回それを含めているわけでございますが、同時に、今後そのユーザーで特に中小企業にしわが寄らないかどうかと、こういう御指摘につきましては、私どもは特にやはり注意をしなくちゃいけないと考えております。  ただ、あらかじめそういう用途別、品目別に細かく配付先を決めたような規制をするということはかえって硬直性をもたらしまして、柔軟に需要の変化だとか、技術の変化だとか、今おっしゃった経済的な負担力の有無とか、そういうことが考慮できなくなりますので、私どもといたしましては市場メカニズムに任せるという原則でまいりたいと思っておりますけれども、しかし、それによりまして、過渡的な措置として、例えば中小企業の特に困っているところに行き渡らないというような問題があってはならない、これは私どもそう思っておりますので、御指摘のような点をあらかじめ十分配慮すると同時に、具体的な事例が起こった場合におきましては当然機動的に行政指導をしていく、こういう態度でございます。
  51. 市川正一

    ○市川正一君 私はあえて、例えて申しますならば石油需給適正化法並みの規制をやるとか、そういうことはともかくとして、国民生活を守る上で必要な分野に供給のそごが生じないような仕組みといいますか、システムといいますか、そういうものを考慮しておく必要があるということだけをこの際は指摘しておきたいと思います。  次に、第十一条でありますが、破壊の確認を前提に生産の特例を定めておりますが、この破壊の方法と、それが確実に破壊されたかどうかを確認する方法並びに基準、これについてどういうふうに考えていらっしゃるのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
  52. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 破壊の方法につきましては、実はまだ最終的に国際会議におきましては決まっておりませんで、今後締約国会議におきまして決めることになっております。したがいまして、それに基づきまして今回の法律に書いてございます私どもの省令の中で具体的に決めるということに相なると思っております。  今後予想されます破壊の有力な方法はやはり焼却ということかと存じますけれども、しかし、焼却に伴いますいろんな問題、例えば焼却直前に気化をしてしまいましたら、一見焼却したようではございますが実際上は外へ出ていっている、こういうこともあり得るわけでございますので、恐らく国際会議で決める基準の中には、どのような設備でどのような条件下で焼却するか、こういうことは決められるだろうと存じます。したがいまして、私どももそのようなことを前提に仕組みを考えなくちゃいけないし、現実にその確認につきましても十分遺憾なきを得たい、必要に応じて立入検査をしてでも確認をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
  53. 市川正一

    ○市川正一君 今おっしゃった破壊の方法、二つあるというふうに伺いましたんですが、触れられました酸素焼却法、これによりますと、フロンをメタン、プロパン、軽油、廃油などの助燃剤及び空気とともに吹き込んで、千度以上で焼却分解するというものですが、これで完全に無害化できるというふうにお考えでしょうか。
  54. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 焼却いたします場合の問題点は、先ほどの設備の問題もございますが、同時に焼却後のガスの問題もございます。その焼却後のガスの問題も当然配慮しなくちゃいけませんし、現実にその辺につきましては既に規制のための法制度ができておりますので、それで当然チェックをしていく、かように考えております。
  55. 市川正一

    ○市川正一君 確かにそうでありまして、新たに弗素とか塩酸とか、こういうものが出てくると承知しております。これはいずれも劇薬であります。ちょうどPCBの焼却の際と同様の問題が生じると思うんでありますが、やはりこれに耐え得る装置、また回収方法を確立し、コストの問題についても研究を大いに進める必要があると思いますが、それに対する対応を伺っておきたいと思います。
  56. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 今まさに御指摘のとおり、単純なる焼却ということを考えますと、有害なるガスが出てまいりますので、恐らく国際会議で議論をいたします焼却の方法につきましては、そういうものは何らかの形で防ぐということが当然の条件として私どもはついてまいると考えております。  それから、別の廃棄の方法といたしまして、恐らくそういうような有害なガスが出ないような方法、これは例えば最近議論されておりますのは還元方法によります廃棄というようなことでございまして、そのような副生して有害ガスが出ないような方法もあり得るわけでございますけれども、そのようなことにつきましても今後十分経済的な面も含めて研究を進めなくちゃならない、かように考えております。
  57. 市川正一

    ○市川正一君 今おっしゃったもう一つの方法、還元反応ですね、私どもがちょうだいした資料やその他勉強したところによると、試薬分解法というふうに総称されているようですが、これによりますと、ナトリウムとナフタレンを使うことになっておりますが、これも実用化されているんですか、どういう段階として受けとめればよろしゅうございますか。
  58. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) この技術につきましては既に関西方面の大学におきまして開発が終わっておりますけれども、問題はこれが一体経済性があり得るかどうかという点が今後の課題だと思っております。すなわち、今御指摘ございました試薬というのはやや高価なものでございますので、これがある程度の価格で入手し得る、あるいはまた装置そのものが経済性を持つように大量に処理できるとかいうような方法さえ確立すれば活用できる方法ではないかと思っておりますが、当面その試薬の値段の問題はちょっと大きなネックになるように聞いております。
  59. 市川正一

    ○市川正一君 ずっと伺いますと、やはりまだ未確定あるいは未確立の技術的分野が残っているという前提で、私はやはり通産省が大いにその開発や確定、確立のために取り組まれるということをこの機会に強く要請しておきたいと思います。  午前中の連合審査でも、規制対象フロン代替物質開発、研究について幾つかのやりとりがございました。したがって、私はその問題については省略いたしまして、ストレートに伺いたいんでありますが、代替物質であるフロン123やフロン134aは大気中で分解されるということなのですが、その場合、今問題になっている塩素は放出されるおそれはないんでしょうか、いかがでしょうか。
  60. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 現在この議定書に基づいて議論されております規制対象フロンは、いわゆるハロゲン化されたフロンということで水素原子が入っていないものが議論になっております。これは非常に反応しにくいということが前提でございますが、今おっしゃいました代替品として議論されておりますフロン123あるいは134a、既にございます代替品でございます先ほど御議論ございましたフロン22というのは、すべて水素原子が入っておりまして、成層圏に行く前、つまり対流中で分解する可能性が非常に高い。例えば今のお話でございますと、ちょっとお聞きしますと、塩酸になって、まあこれは当然非常に薄いものだと思いますが、それが雨によって地上に戻るというような形で分解をするというようなふうに聞いております。
  61. 市川正一

    ○市川正一君 私どももにわか勉強で研究してみると、確かに成層圏オゾンを直接破壊はしないかもしれませんけれども塩素あるいは塩酸ガスが放出されることによって、代替使用が進むと大量にそれが放出されて、逆に大気中で塩酸となっていわゆる酸性雨などの新しい大気汚染の原因になるんではないかということが午前中もいささか出ましたけれども、その点に対する認識と対応でもしわかっていることがあったらお聞きしておきたい。
  62. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 御指摘の点は非常に重要でございまして、実はこのフロン123あるいはまた134aにつきまして、日本の化学メーカーも当然その開発途上にあるわけでございますし、アメリカの企業も開発はほぼ終わっているように聞いておりますけれども、毒性試験、つまり安全性に関する十分なる毒性試験が今後の実用化の前提になっていると存じます。  この辺につきまして各企業とも同様に考えておりまして、これは国際的な協力という形でございますけれども、この一月に世界の主力化学メーカー十四社が共同で安全性のための毒性試験を実施する、こういうことを決めております。約五年ないし七年かけて慢性毒性も含めた試験をやる。その上で安全性を確認し、そしてそれで可能であれば実用化に移す、このような考え方でまいると存じます。
  63. 市川正一

    ○市川正一君 この点はやはり慎重にも慎重を期していただきたいと思うんでありますが、もう一つ代替物質でお聞きしたいのは、我が国で一番大量に使われておりますのは洗浄用のフロン113と承知しておりますが、この代替物質というのはあるんでしょうか。
  64. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) このフロン113が今後非常に私どもとして難しい問題でございます。すなわち、有力なる代替品が当面ございません。  したがいまして、当面の対策といたしまして私ども考えておりますのは、回収・再利用設備の導入ということでございますけれども、しかし、現在私ども年度予算で考えている方法の一つに、エタノールでございますけれども、これは既存の商品でございますが、これを洗浄用に使えないかどうかという研究を進めたいと考えておりまして、二千万強でございますが研究をし、でき得ればこれも洗浄用に導入できないかということを考えているわけでございます。  また、私どもが得ている情報によりますと、アメリカにおきましては天然のものを使った洗浄剤というようなことをフロン113の代替品として考えているようでございますが、これは天然材料でございますので当然限界がございますし、大量に活用するという点につきましても問題があるようでございますが、いずれにいたしましても今後の重要な技術開発課題だと考えております。
  65. 市川正一

    ○市川正一君 当面の問題としては、やっぱり代替物質がすぐにはないとすれば、やはり初めにおっしゃった回収装置の導入とおっしゃいましたが、それに対する例えば設備の設置ですね、助成と義務づけというふうな施策の上での配慮がさしあたって必要だと思うんですが、その点はいかがでしょう。
  66. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 先ほども申し上げましたとおり、フロン113を洗浄用に使っております企業の大部分が実は中小企業でございます。恐らくその生産数量の大幅削減で最初にある意味影響を受ける企業だと存じますので、そういう方々が生産削減に有効に対応していくという面からいきますと、私どもはその中小企業施策なりあるいはまた税制、金融施策で、そのような中小企業回収・再利用設備を導入しやすいような環境をつくるのが非常に重要だと思っておりますが、ただ、義務づけといいますのは、技術の進歩もございますし、いろんな設備もございますし、企業もいろいろございますので、やや問題があるかと考えております。むしろ促進という点で考えたいと考えておるわけでございます。
  67. 市川正一

    ○市川正一君 時間が参りましたので、最後環境庁にお伺いいたします。  第二十六条に定める研究の推進でありますが、この分野での取り組みが日本は決定的に今までの議論を通じてもおくれているというふうに思います。フロンオゾン層破壊の因果関係を含めて、これからの研究で科学的知見を一層深めていく必要が求められていると思うんです。  それを推進する体制あるいは予算、また国際協力の体制はどうなっているのか、環境庁長官がいらっしゃいませんので、ひとつそういう責任ある立場から環境庁としての見解を確認さしていただいて、質問を終わりたいと思います。
  68. 長谷川慧重

    政府委員長谷川慧重君) 先生の御指摘のとおり、二十六条に国の責務ということで研究の推進等がうたわれているわけでございます。  環境庁といたしましては、国立公害研究所におきましてみずからレーザーレーダーによります観測監視、あるいは国立公害研究所におきます研究費を使いまして、いろいろ議論がございます将来予測モデルの精密なものもつくるという作業をやるとか、あるいは紫外線による生体影響、植物影響というものについての勉強、研究をするというようなことについては公害研で予算をいただきましてやってまいりたいというぐあいに思っておるわけでございます。  それ以外に、環境庁でいわゆる環境関係の研究費ということで一括研究費というのがございますので、それを使いまして、各省庁が持っております研究機関におきまして、オゾンフロン関係の研究につきましてはこの一括計上研究費を使っていろいろ促進をしていきたいというぐあいに思っております。  また、文部省の方でも学術研究費等があるわけでございますので、そちらの方とも十分連携をとりながら、いろんな研究費を使いまして、先生の御指摘のございましたフロンオゾンとの関係、将来予測、あるいは代替品開発等もいろいろあるわけでございますので、そういうものにつきまして総合的な研究をやってまいりまして、これから日本もそういう面での研究を進めまして、国際的にもまあリーダーシップをとるとは言いませんけれども、十分に日本で研究した知見を持って国際会議にも臨んで対処してまいりたいというぐあいに考えております。
  69. 市川正一

    ○市川正一君 終わります。
  70. 井上計

    ○井上計君 十日の質疑、さらにきょうの午前中の連合審査等の同僚議員の質問、また政府側の適切な答弁を聞いておりまして、化学には全く無知な私もややこの法案の必要性、緊急性についての理解ができました。幾つか法施行後の問題について質問をいたしたい、こう考えておりましたが、先ほど市川委員質問にもう既に出ておりますので、あえて重複して申し上げる必要はなかろう、こう考えております。  特に私がお伺いしたいと思っておりましたのは、フロンの有用性といいますか、現在国民生活あるいは産業活動に広くさらに深く使用されておりまして、さらにまた今後ますます需要が増大するであろう、こう考えます。したがって、今回これらの規制が行われることによっていろんな多くの問題が派生するんではなかろうか、この懸念も同時にあるわけであります。  それは一つは、フロン規制によって価格が高騰するんではなかろうか、あるいは中小企業の多くのユーザーの入手難、あるいはそれによって用途別の製造許可が仮に行われるということになってきた場合には、配給制というか配分の方法がどうなるのか、これは数多くのユーザーにとっては大変なことであろう、こう考えますが、それらについてはひとつ行政指導の中で十分配慮していただいて、大きな混乱やあるいは被害、影響等を受けないようにぜひお考えをいただかなくてはいかぬ。先ほど局長の御答弁ありましたからもう御答弁要りません。あえて私からもさらに重ねて要望をしておくということにしておきます。  それからもう一つは、消費規制というものがもし強制的に行われると、家庭生活に相当やはりフロンが今浸透しているわけでありますから、なかなかこれは大変なまた混乱がその面で起きるんではなかろうか。同時にまた、これが今すぐ目の前で被害が起きるというふうな物質ではないわけですから、国民の理解を得るためにはなかなか大変であろう。きょう午前の連合審査でも、そのために国民に対する啓蒙指導というふうなことがいろいろと言われておりましたからお考えになっておるようでありますけれども、消費面での強制的な使用規制ということについてはやはりやるべきでない、こんなふうに考えますが、それについても先ほど似たような質問でお答えがありましたから後でまた一緒にお答えいただければ結構であります。  それからもう一つは、フロン規制によって生ずる各種の問題に対しての金融あるいは助成、税制等の助成の問題であります。これは先ほど局長御答弁がありましたけれども、実際にこれがいろいろと法律が施行されて各種の規制が現実のものになってくると、三万数千社というユーザーの中には、これは大変なやっぱり影響が起きるんじゃなかろうか、こういう懸念がございますので、六十三年度の予算にもやや計上されておるようでありますけれども、果たしてその程度のもので足りるのかな、実効が上がるのかなという、若干そのような懸念がしますが、それらについてもっと具体的に、さらに積極的にお考えいただく必要があるであろう、こう思います。  あと、まだ時間はなんですが、皆さんもお疲れだし、早く切り上げる意味でもまとめて全部申し上げておきます。  最後の私の提言といいますか、質問という形ですが、人類が生み出したものというか人類の知恵というものはまことに偉大なものだ、こう思います。特に、戦後、科学技術の発展、進歩等によって、大きくやはり文化の向上あるいは生活の向上あるいは産業振興に大変役立つ、貢献したものがそれぞれ開発されてきております。同時に、それがまた人類の生活のやはり破壊、脅威というふうなものになっておるというものがたくさんあるわけです。これからもそういうふうなことがやはり起き得るであろう、こう考えるわけですが、したがって、同時に今回のフロン問題だけではありません、過去にも幾つかの問題がありましたが、それらのものを考えるときに、これから日本の化学産業を発展させていくためには、化学産業全般に対する総括的なといいますか、総合的なといいますか、将来を見通した総合的な政策というものがますます重要になってくるであろう、こう思うんです。  最近、どうも公害防止というふうな問題あるいはそのような環境保全という問題が先に立って、産業政策が何か、おろそかとは言いませんけれども、いわば産業政策は公害あるいは環境保全というふうな、そういうふうなことのためには、いろんな面でやはり抑えていくべきだというふうな風潮がどうもあるのではなかろうかという、そういう感じがするんですね。しかし、やはり私は産業政策、特に化学産業の政策というものにはますます重点を置いていかなくてはいけない、こう考えますので、そういう面を含めた総合的な産業政策、特に化学産業政策というものを通産省としてはさらに積極的に進めていただく必要があるんではなかろうか。  あくまでも、もちろんそれは環境保全あるいは公害防止というふうな面との整合性がなくてはいけませんし、もちろんそれを考えていかなくてはいけませんが、そのために産業政策が何かおくれをとるとか、後回しになるとか犠牲になるとかというようなことがあってはいけない、こんなふうに考えますので、これらの点を要望し、またどういうお考えでありますか、まとめて時間の関係で申し上げましたけれども、お答えをいただければありがたい、こう思います。  質問は以上です。
  71. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 最初に御指摘なさいました規制導入時の問題点でございます。確かにお話しのように、現在フロンは国民生活の面あるいはまた産業活動の面で非常に幅広く利用されておるわけでございますが、それを今後規制をするわけでございますけれども、例えば来年、規制導入時期に六十一年の水準に規制するわけでございます。これは実質的には約三〇%近い削減になるわけでございますので、これをいかに円滑に実施に移すかということが当面の課題でございますし、それ以降さらに二割削減、さらには五割削減ということでございますので、相当厳しい実は生産削減になってくると思います。  そうなりますと、当然、今おっしゃいましたように、需要家に対します影響は非常に大きいだろうと想定されますので、私どもはそれを事前に、いかにそのような混乱にならないように手を打つかということを非常に重要視しております。そういう意味で、今後、私ども需要業界と十分にお話し合いをしながら、かつ、きょうもいろいろ御議論ございましたけれども、絶対供給しなくちゃならないような分野につきましては、あらかじめ当然ながら手を打っていくし、またその規制を強化していく過程では、過渡的な問題といたしまして、御指摘のように価格の問題が出てくるかもしれません。これにつきましても十分手を打っていかなくちゃならないと思っております。  ちょっと仄聞でございますけれども、例えばアメリカなどは、むしろ価格を上げた方がいいのではないか、価格を上げればむしろその消費が減る、あるいはまた代替品開発が進む、こういう議論がややまじめに議論されております。ただ、政策の選択といたしましては、そういうのをとりませんで、やはり今回のような生産規制でいくということを最終的には決めておりますけれども、我々といたしましては、日本の行政の手法としては、そういうような価格を引き上げて進めるというよりは、むしろやはり着実に需要業界経済的な面、あるいは技術的な面を十分配慮して、しかしまた円滑に規制を進めるという態度で柔軟な、何といいますか行政指導で対応するのがいいのかもしれない、かように考えておりますし、私どもはそういうものを選択しようと思っておるわけでございます。  それから、むしろ消費段階で厳しい規制をした方がいいのではないかという意見があるがというようなことでございますけれども、もちろんそういう議論もございましょう。ただ、このフロンというのは非常に使われ方が多様でございまして、発泡剤でございましたり、冷媒でございましたり、あるいは洗浄剤でございまして、非常に使われ方が千差万別でございますから、それを公平に同じような負担を与えながら規制をしていくということは非常に技術的に灘しゅうございますし、このフロンの非常に特殊性でございますけれども、どこで使われましてもフロンフロンでなくなるということはなく、ずっとフロンでございますので、やはり一番合理的で公平な規制は生産段階であるというようなことで、今回は国際的に生産規制という手段を選んでいるわけですけれども、ただお話しのように、それですべてかとおっしゃれば決してそうではございません。やはり消費サイドに規制という観点よりも、むしろいかにその削減を円滑化するかというような観点で、むしろ助成策を有効に活用しながら円滑に転換をしていく、あるいはまた回収・再利用設備の導入をしていただく、こういうような発想がいいんではないか、かように考えているわけでございます。  そういう意味で、先ほど御指摘ございましたように、ことしの予算なり税制で助成策を立てておりますけれども、ただ、これ今後さらにまた規制が厳しくなってまいりますので、それに対して十分有効かどうかという点については私ども見直しまして、必要がございますれば、御支援をいただきましてさらなる助成策の強化などを考えたいと思っているわけでございます。  それから、最後に御指摘ございました化学産業の総合的な視点、これは安全性とか環境とかという視点と、むしろ産業自身が国民生活なり経済産業構造の中でいかに定着していくかという両方の視点があると思いますけれども、その前者の視点では、実はOECDの中に環境委員会というのがございまして、実は小島委員が私どもの政務次官をしていただいているときに副議長としてそれに参加していただきまして、その会議で非常に重要な決定をしていただいたわけです。やはり有効に化学品を開発して普及をしていく、その前提としてやはり安全性のチェックをしなくちゃいけない、各国それぞれ実はやっておりますけれども、従来その情報交流は必ずしも十分いっていなかったわけでございますが、おいでいただいたときに、それを今後積極的に情報交換をするということをお決めいただいておりますので、今後その面で国際的にデータベースが次第にできてくると思います。そういうことをベースに、化学品そのものが実際上有効に機能を果たすようにしていきたいと考えております。  化学産業そのものでございますけれども、これは昨今私どもこういう位置づけをしているわけです。日本の産業の中で、例えば加工組み立て産業、それからエレクトロニクス、これは非常に世界的水準に達しておりますけれども、実はそれは電子産業だけの力でそこまで達しているのではなくて、やはりそこに非常に性能のいい電子材料、これを化学産業が供給しているからこそ発展しているわけでありまして、やはり化学産業と素材産業と加工組み立て産業、それぞれが技術向上に関しましてフィードバックをしていくというような形で発展しているわけでございますので、やはり今後、化学産業そのものが、より産業構造全体の中の上昇に非常に寄与していく重要な産業であるという位置づけもございます。  さらには、中長期的にはバイオテクノロジーだとか新素材とか技術革新の種が今後あるわけでございますし、それをてこにして私ども発展していかなくちゃならないわけでございますが、実は、新素材もバイオも化学の分野の問題でございます。実は半導体製造技術というのも化学、ケミカルの問題でございまして、化学産業は、たまたま現在世界的な水準までは実は達していないわけでございますけれども、ますます今後の重要性は増してくるだろうと考えておりますので、特に技術開発の問題を重要視してまいりたいと思います。  さらには国際化の問題が別途ございますけれども、これはいろいろ御議論いただいていると思いますが、技術開発国際化というものにいかにこたえるかということが化学産業の今後の大きな課題だと思っておりますので、先生方のお知恵もいただきながら、その辺につきましては遺憾なきを期したいと考えているわけでございます。
  72. 井上計

    ○井上計君 どうもありがとうございました。  終わります。
  73. 木本平八郎

    木本平八郎君 いよいよこの法案審議も最後になったわけですけれども、それで最後に少しまとめて、今までの議論の中でもう一歩突っ込んだものを二、三お伺いしたいわけです。  まず、梶原委員が先ほど大分いろいろ突っ込んで、フロンがどういうふうにしてオゾン層破壊するんだということを言われて、なかなかいい結論になっていなかったんですよね。  それで結論的に一つだけお聞きしたいのは、いわゆる伏見先生クラスの日本の一流の権威が、やはりこれはフロンオゾン層破壊していると、少なくとも破壊している可能性が非常に強いというふうに結論されているのかどうか。逆に言えば、この結論がアメリカの話だけなのか。私の疑問は、例えば捕鯨禁止にしても、北洋のサケ・マス資源にしても、日本の学者の意見は必ずしもそれには賛成していない。しかしながら、政治的に、国際的に仕方がないから従っているというケースもたくさんあると思うんですね。その辺で、学問的に本当に日本の権威も極めてクロに近いというふうに結論が出ているのかどうか、まずその辺をお伺いしたいんですがね。
  74. 長谷川慧重

    政府委員長谷川慧重君) 日本におきましては、いろいろ御議論があったわけでございますけれども、こういうオゾン層フロンとの関係についての科学的知見につきましては、日本自身がいろいろデータを出したという部分は、端的に申し上げまして非常に乏しいわけでございますが、世界各国におきましては、特にアメリカを中心として過去十年来にわたりましていろんな調査研究が行われているわけでございます。  そういう調査研究の知見を集めまして、環境庁におきましては、日本の第一線の専門家から成ります成層圏オゾン層保護に関する検討会といいますものを六十三年の二月に設置いたしまして、先ほど申し上げましたようなアメリカを中心とした世界各国のこの問題に関する文献、科学的知見を集めまして、その整理、評価を行ってきたところでございます。  この検討会の御結論といたしましては、将来のオゾン層破壊量の予測につきましてはさらに精緻な研究が必要とされるものの、フロンガスによるオゾン層破壊の機構については専門学者の間には異論は認められないということでございまして、そういう面では日本の学者も、あるいは世界の学者の中におきましても、このフロンガスによりますオゾン層破壊の機構につきましては異論がないというぐあいに理解いたしているところでございます。
  75. 木本平八郎

    木本平八郎君 次にお伺いしますが、このウィーン条約とかモントリオールの議定書に参加する国ですね。先進国はみんな入っていると思うんですけれども、NICS、これは南米のNICSもありますね、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、あるいはASEAN、あるいはLDC、LLDC、そういったところ、どの辺まで入っているんですか。
  76. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) これは実は今後の課題でございます。先進国共通の認識は、やはりそういう国の協力を得なくてはならないということは非常に重要な認識になっておりまして、実はその条約なり議定書の中で、そういう発展途上国をこの条約にいかに入れるかというある意味の工夫がいろいろしてございます。  例えば、一人当たりのフロン消費量が非常に少ない発展途上国につきまして、条約に参加をしてもその規制の実施スタート時期は十年以降である、こういう規定を設けておりましたり、あるいはまた、仮に条約に入っていない発展途上国がございますとすれば、それに対してはフロンの輸出はもちろん、技術あるいは経済協力すべてとめようではないかと。しかし、逆に条約に参加しました発展途上国に関しましては、積極的に代替品の技術も含めて技術移転をやろうではないか、こういうような規定まで含めてあるわけでございますので、現在はまだそこまでいっておりませんが、先進国共通の認識は、ぜひそういう発展途上国の協力を得なくちゃならないと、こういうことになっていると存じます。
  77. 木本平八郎

    木本平八郎君 もうこれは言い古されたことですけれども経済というのは統制されればされるほどサプライヤーが有利になるわけですね。有利になった結果というのは、先ほどもありましたけれども、値段が上がっていくとか、値段を抑えるとやみが出てくるとか、ついこの間の訪問販売法じゃないけれども、取り締まりをやるとまた悪いやつが出てくるというのは、これはもう当然なんですね。  私が心配するのは、先進国の方では仮に自主規制をやって生産量を抑えても、LLDCとかLDCなんかで、例えば発泡スチロールなんかはもう向こうの方じゃどんどんつくっちゃうと、チャンスだからやるわけですね。それで、先進国の方じゃその発泡スチロールなんかにもったいなくてフロンなんか使っていられない、そうすると、そういうLDCなんかでつくられちゃうというふうなことが非常に出てくるんですね。  その辺で、私はこれはもう代替品開発を急がないと、その数量制限では抑えても抑え切れないんじゃないかと思うんですね。そういう懸念を日本が国際的な場でどういうふうにリードしていくかというのはもう非常に大きな問題だと思いますが、通産省いかがですか。
  78. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 実はこの四月でございますけれども、アメリカのEPAの人たちが日本に寄りまして、その後中国に行っております。実は、今おっしゃったように、発展途上国にこのフロン規制について協力を求めるというのがアメリカの政府の人たちの意向でございまして、日本に寄った際におきましても、日本に同じようなことについての協力を求めておりましたが、特に、その中で今御指摘のとおりの代替品開発技術、これが仮に確立したら、それをむしろ積極的にLDCに移転をするべきではないか、こういうことを主張しておられるように聞いております。同じような認識を各国とも持っているように思います。  それから、もう一つつけ加えますと、この条約議定書の中で、今後実は全体の生産量が削減されていくわけでございますが、ある先進国が発展途上国に輸出をしているといたします。実は、その国が今後生産削減していきますと、輸出をやめて国内の消費に回すということは可能なわけです。そうしますと、ある発展途上国は自分で生産せざるを得なくなってくる。これはやはり望ましくないということで、実は上乗せ一〇%という規定が入っているわけです。これはまさに発展途上国でかつこの条約に参加した国がより円滑にこの問題に適応できるようにと、こういうようなことも考慮しているんだろうと考えております。
  79. 木本平八郎

    木本平八郎君 それで、次の問題に入る前に一つお聞きしたいんですが、先ほど市川理事から話がありましたけれども、これを焼却する場合、フロンというのは焼却するとホスゲンになるんじゃないですか。毒ガスになると思うんですけれども、その辺はいかがですか。
  80. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 今おっしゃったのは、焼却しただけではそうならなくて、むしろほかの物質、例えばNOxと反応する可能性があると、このようなことが専門家の意見のようでございます。
  81. 木本平八郎

    木本平八郎君 その焼却炉の中で燃しますと、いろいろなものがありますから、一番危ないのはやはり毒ガスになっちゃう可能性がある。それで、煙突から今度下の方へすうっとおりてこられたら、もうたまったもんじゃないということがありますね。  その問題はちょっと別にして、先ほどの続きなんですけれども伏見先生も先ほど質問しておられましたけれども、最近やっぱり一番問題なのは、天然自然にある物質というのはそんなに害を起こさない。必ず生成されると分解されるとか、天敵と言ったらおかしいですけれども、必ずそれを制御する物質がある。ところが、人間がつくり出した物というのは非常に危ない。このフロンももちろんそうですけれども、先ほどのプラスチックの問題もそうですし、それから、先ほどの有機水銀ですね、メチル水銀なんというのは、あれはもう人工でしかできないわけですから、PCB、プラスチック、そういうもの。  ところが、先ほどリサイクルの問題で、それを分子に戻したらどうだという伏見先生お話ですけれども、それじゃちょっと採算が合わないという話だったんですね。採算が合うとか合わないとか、リサイクルの考え方というのは基本的にはそうじゃないですけれども、そこで、これ一つ非常に大きな問題だと思うんですよね。日本が今後転換していかなきゃいかぬ方向として、こういう人間が人工でつくり出したものは必ずもう一度、金がかかっても分解してちゃんと分子に戻すというふうなことを率先してやらなきゃいかぬのじゃないかと思うんですね。  日本経済大国になったわけですからその辺を研究開発して、そういう技術も開発して世界にも供給してやっていくということが必要なんで、今までは便利であれば、まあ薬害なんというのは困りますけれども、そういうものをどんどん人工的につくってしまったわけですね。そのつくったものがやっぱり害になっているんだから、今後の産業政策、日本全体は世界のためにそういうもののむしろ分解技術とかそういったものを積極的にやっていかなきゃいかぬと思うんですけれども、いかがですか。
  82. 鈴木直道

    政府委員鈴木直道君) 確かに御指摘のとおり、例えば新しい化学物質を世に出す場合にはそれの最終処理というものを当然前提に考えなくちゃならないし、その方法の一つとしてリサイクルというのは非常に重要だと思っております。現在私ども素材産業を担当しておりまして、例えば鉄とかあるいはアルミとか銅とか、こういう素材が非常に有効に依然として強い産業として残っているというのは、やはり御指摘のとおりリサイクルシステムができているからだろうと、かような面も当然あるわけでございますので、御指摘の点、十分留意して考えたいと思っております。
  83. 木本平八郎

    木本平八郎君 環境庁最後に、質問というんですか、要望申し上げたいんですけれども、これは先ほどの連合でも私申し上げましたように、どうもこういう問題については国際的な要求があって受け身でやっていることが非常に多いんじゃないか。それから、確かにフロンの問題、オゾン層破壊されるというのは大変な問題なんですけれども日本が今抱えている環境汚染、大気汚染の問題は、例えば、私もこれはよくわかりませんけれども、ジェット機の排気ガスですね、あれが成層圏にどんどんNOxあるいは微粒子、それをまき散らしているとか、私、午前中も申し上げましたけれども、ディーゼルエンジンの排気ガスの問題なんかも、どうしてもこれはメーカーとか生産サイドの抵抗がありますので、やっていくのは大変だと思うんですね。大変だと思いますけれども、こういう問題をもっとやっぱり積極的に取り上げていただかなきゃいかぬ。  それで、外国から言われて、外圧がかからないとこういうのが国会でも問題にならないというんじゃちょっと情けないので、やはりこういう、またフロンあるいは紫外線の問題はある意味じゃ日本人にとっては二十一世紀の問題かもしれないですね。ところが、現実にはどんどん環境汚染、大気汚染が進んでいるので、その辺をぜひやってもらわなきゃ、まあやるべきだと言ったらやりますとおっしゃるに決まっているんですけれども、この辺は田村大臣にも後でお聞きしたいと思うんです。  環境庁というのは、私知りませんけれども、失礼なら許していただきたいんですけれども、二流官庁だと思うんですよね。やっぱり環境庁を一流官庁にしていかなきゃ、通産省とむしろ地位を逆にしたぐらいのことをやらなきゃいかぬのじゃないかと私は思っているんですけれども、その辺まず長谷川さんの御所見を承って、それから大臣の御所見を承りたいんですがね。
  84. 長谷川慧重

    政府委員長谷川慧重君) きょうは先生環境庁への励ましの言葉をいただいたということでありがたいと思っております。  先生お話の中にございましたが、自動車の問題につきましては私どもも各省ともどもいろいろな研究を進めているところでございまして、特に今一番問題になっておりますディーゼルエンジンにつきましては、この排気ガスによります東京都を中心としたNOx問題あるいは黒煙問題あるいは先生が非常に関心を持っておられますアレルゲンの問題等、ディーゼルエンジンにつきましてはいろんな問題を抱えているわけでございます。そういう面で、私ども専門家の中におきましても十分現在の技術開発の動向を見ながら自動車の単体の規制値といいますのを決めておるわけでございまして、現在も中公審の中におきましても審議を続けておるところでございます。  それ以外にいろいろの問題が全般的に指摘されておるわけでございますが、環境庁といたしましてはいろんな事象、いろんな問題等につきましては広く研究を進め、あるいはいろんな学者の御意見を聞きながら、そういう情報につきましてはできるだけ早く集めまして、それにつきましては必要な対策等がありまする場合には関係省庁と連携をとる、あるいは関係省庁とともどもに一緒になって研究をするというようなことで、全般的に直接一つの事業をやるというわけじゃございませんけれども環境問題にかかわります問題につきましてはいろんな面での調査研究を進めてまいりたい、そういうことで私どもの生活環境を守ってまいりたいというぐあいに思っておるところでございます。
  85. 田村元

    国務大臣田村元君) それでは、御質問の御趣旨に私は政治家としてお答えをしたいと思います。  私は幾つかの閣僚をしましたけれども、いつも考えますことは、経済企画庁とか環境庁というのは大号令を発する官庁になるべきだということであります。マクロ経済を初めとして企画庁が大号令を発して、時に大蔵省も引きずっていく。環境庁環境保全というものに対して、厚生省であろうと通産省であろうと何省であろうと、しかってでも引きずっていくということは私は絶対に必要だと思います。  私は医者じゃありませんから医学のことは全くずぶの素人でございますけれども、例えて言いますならば環境庁とか、若干企画庁の場合は意味は違うかもしれませんが、環境庁を例にとりますと、環境庁は私は基礎医学の殿堂だと思うんですね。そして、通産省とか運輸省とか厚生省とかそういうのは言うなれば臨床医学の現場屋だと思うんです。でございますから、この基礎医学の殿堂である環境庁がよほどしっかりしなきゃいけないと同時に、また現場屋である我々の役所等々が環境庁の存在の重大さ、重みというものをつくっていかなければならぬ、このように思います。  木本さんには大変申しわけないんですが、私は環境庁を二流官庁だとは思っておりません。環境庁というのはなる人によって、大臣によっても違いましょうし、例えば中曽根さんもやったんじゃなかったですかね。私なんかは通産大臣より環境庁長官になりたいと思っております。そういうことでございますが、みんなで盛り立てて、そのためには環境庁もしっかりしてもらわなきゃならぬが、そうして我々が皆で先取りをしていく、特に環境庁に先取りのデータをいただいていくということが必要なんじゃないでしょうか。
  86. 木本平八郎

    木本平八郎君 終わります。     ─────────────
  87. 大木浩

    委員長大木浩君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、杉元恒雄君が委員を辞任され、その補欠として永田良雄君が選任されました。     ─────────────
  88. 大木浩

    委員長大木浩君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 大木浩

    委員長大木浩君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  特定物質規制等によるオゾン層保護に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  90. 大木浩

    委員長大木浩君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、福間君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。
  91. 福間知之

    ○福間知之君 私は、ただいま可決されました特定物質規制等によるオゾン層保護に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、サラリーマン新党・参議院の会各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    特定物質規制等によるオゾン層保護に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、我が国の先進工業国としての国際的責務にかんがみ、地球規模環境問題の解決に向け積極的に貢献するよう努めるとともに、以下の諸点について留意すべきである。  一、オゾン層状況等の観測、監視及びオゾン層保護に関する調査研究に当たっては、関係省庁間の連絡、協力を緊密にするとともに、諸外国と協調した監視体制の整備、調査研究の充実強化に努めること。  二、特定物質の製造量が規制されることに伴う特定物質の需給、価格動向については十分な監視を行うとともに、不当な供給制限、価格の引き上げに対しては適切な措置を講ずること。  三、特定物質の排出抑制及び使用合理化設備等の設置に当たっては、資金力の乏しい中小企業者等が多数存在していることにかんがみ、金融上・税制上特段の考慮を払うこと。  四、代替物質開発に必要な施策を積極的に推進するとともに、その毒性試験、安全性等の確認を十分に行うこと。   右 決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
  92. 大木浩

    委員長大木浩君) ただいま福間君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  93. 大木浩

    委員長大木浩君) 全会一致と認めます。よって、福間君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田村通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田村通商産業大臣
  94. 田村元

    国務大臣田村元君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
  95. 大木浩

    委員長大木浩君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 大木浩

    委員長大木浩君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  97. 大木浩

    委員長大木浩君) 次に、特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田村通商産業大臣
  98. 田村元

    国務大臣田村元君) 特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  特定産業構造改善臨時措置法は、二度にわたる石油危機を契機とする基礎素材産業の構造不況に対処するため、昭和五十八年五月に特定不況産業安定臨時措置法の一部改正により、昭和六十三年六月三十日を期限とする時限法として成立した法律であります。  同法の制定以来、二十六業種が特定産業に指定され、構造改善基本計画のもとで、過剰設備の処理、事業提携の推進、原材料・エネルギーコストの低減等の構造改善に努めてまいりました。これらの努力により、過剰設備の処理につきましては、当初の目標がほぼ達成され、また、事業提携、原材料・エネルギーコストの低減等による事業の集約化、合理化についても大きな成果が得られております。  このように、二度にわたる石油危機を契機とする構造不況への対処という特定産業構造改善臨時措置法の目的はおおむね達成されたということができます。したがって、同法については、規定どおり昭和六十三年六月三十日をもって廃止することとし、あわせて所要の経過措置を講じ関係法律の改正を行う特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案を提案した次第であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  99. 大木浩

    委員長大木浩君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四分散会