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渡辺四郎君 この消防通信社が出しております、ここに私一枚コピーをして持ってまいりましたが、これが「はしご車等安全
基準 全国の消防で
基準として使用」という大きい見出しで出されておるわけです。
宮崎で訓練中の事故がありまして、それで使用者責任、いわゆる安全面の対策が落ちておったという非常に厳しい
指摘の裁判の判決が出たわけです。これは確定をしました。そういう事故が起きて議論をされているころ、院内でも地方行政
委員会ではかなり議論をされてきたわけです。
そういう中で、全国の消防長会の方が何とかひとつ安全対策をやろうじゃないかということで、最初は
昭和四十八年の五月一日に消防長会議で「はしご付消防自動車のはしごに係わる保安
基準について」というのが議論になりました。そして、それから何回か議論を重ねていく中で、四十九年六月五日に会長名で消防庁の長官あてに「はしご自動車等特殊車両整備技術の習得に関する教養課程(はしご自動車等特殊車両の整備要領)の新設について」という文書で要望した。これが最初なんです。その後何回も会議をし、消防庁も一緒にこの会議に参加をしておる。その中で、一体どうなっておるかという質問もされておるわけです。ところが、消防庁の方はこれに対してついに出さないものですから、その中で五十九年の四月に小樽で操作中にはしごが折れて消防士が亡くなった、こういう事故が再発をしたものですから消防長会議の方では自分たちで議論をしてそして「はしご車等の安全
基準の制定と安全管理の徹底について積極的に取り組んでいく」、こういう申し合わせを全国の消防長会議でやったという経過がず
っと出されておるわけです。
ですから、先ほど私が申し上げました公務
災害との
関係の
部分で、消防職員というのは自分の命をなげうってでもやれ、それが本務だというその感覚が消防庁にあるものですから、だからこういうことで十年間ほったらかしてきたのではないか。その中で事故がたくさん起きてきたんではないか。だから、全国消防長会の方では消防庁に
お願いしてもなかなか出てこぬものですから自分たちでこういうものを決めていったんではないか。
ここで実は大変問題のある発言があるわけです。ここで消防庁の
考え方も述べられた、一番最後です。「国で安全
基準を定めるとなると、」、これは消防庁が言った言葉です。「性能検査とか、操作員の資格の問題、定期整備の
問題等各分野において専門的、技術的に慎重な
検討をしていくこととなろう。」、これが十年経過した後、消防長のその会議の中で出た消防庁の回答になっておるわけです。その中である
委員から「十年に及ぶこの問題。いい加減に結論を出しては」という発言が飛び出したというふうに書いてあるわけです。消防の職員ですから
労働組合はありません。しかし、
労働組合を持っておる
関係の部門であったら、これは大変な発言なんです。人の安全問題について消防庁に
お願いをして、そして議論をしてきて十年経過をした。なおかつ結論が出ていない。消防庁に対する腹いせがあったかもしれませんけれ
ども、もう大概で「いい加減に結論を出しては。」そういうふうに
労働者の生命を安く見ておるのかという問題があるわけです。
その後、消防庁の方は安全
基準については六十二年の五月ですか出したようですけれ
ども、これだって何もはしご車そのものについての安全
基準ということでなくて、いわゆる補助金を支出するためのその条件として、これこれの条件を整理をしなさいということになっておるわけでしょう。そうしますと、私も県に長年おったわけですけれ
ども、そういうことを申請するのは財政当局ですよ。消防の方ではしませんよ。そうすると、消防の方ではしご車についてこれこれこれという、いわゆる補助金を中央からもらうのに条件がついておるということについては、消防署の職員そのものは余り知らないんじゃないですか。市町村消防施設等整備費補助金交付要綱の中にあるわけでしょう。
ですから、
大臣、私が申し上げるのは、人の命、安全というのを確かに人事
委員会規則なんかで幾らかやっているところもあります、さっきもおっしゃったけれ
ども。しかし、人事
委員会というのは、もう御承知のとおり、この間も申し上げましたけれ
ども一般の事務職ですよ。医療の経験者がおるわけでなし、
機械に詳しい人がおるわけでなし。ですから、
労働省が出しておりますそういう安全
基準なんかを
中心に人事
委員会規則をつくっていくと思うんです。
そういう点から見て、こんなに事故率が高くて、おたくに入ってくるのは恐らくどうも私は一割だろうと思うんですよ。
〔
委員長退席、理事
曽根田郁夫君着席〕
大概、共済の保険証を持っておりますからちょっとしたけがぐらいだったら公傷の申請はしませんよ、保険証を持って医者に行きますからね。それにしても余りに事故の件数が多過ぎるじゃないか。
ですから、さっきから言いましたように、私は、責める
立場で言っているわけじゃありませんが、ブロックごとで消防の安全対策、特にはしご車の安全対策についてはやっていただかなければ、前は四階建てぐらいのはしごでよかったわけですが、今はどんどん高層ビルが建ち並んできたものですから、もう七階、十階建てのはしごが必要になってきたわけですよ。
そういう点から見て、安全面の教育をぜひひとつ徹底していただきたいと思うんですが、御
見解を。