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上田耕一郎君 私どもも地方に視察に
建設委員会で参りますと、
道路要望が非常に強いことはよく知っています。その強い
道路要望というのは、自分の住んでいるところの生活の上であそこが渋滞しているとかあそこは不便だ、歩道がないとか、そういう要望が強いんですよね。先ほど引用しました社会資本の
整備に関する世論
調査、内閣官房広報室でも、居住地
周辺の社会資本、この世論
調査ではトップは
道路なんです。特に、
整備してほしいものと聞いたところ、
道路二七・九%で最も多いんです。以下、下水道二一・四%、それから
公園緑地等と続くんですね。居住地
周辺、生活
道路と我々言いますけれども、また
地域道路、こういうものの要望が非常に強いんです。その点では大臣の
感じていることも一致点があるんだけれども、そういった
道路要望が多い。
道路要望が多いのは居住地
周辺の
道路要望。ところがそういうことをやっぱりゆがめるんですな。昨年六月の
道路審議会の建議、こう引用してやっぱり
道路が多い、居住地
周辺。
その点で我々は問題に
感じている
中心問題は、やはり四全総にかかわって今度の十次五計は九次五計と比べても悪くなる、我々の
考えで言うと。生活
道路、そういう
地域道路を低めて、我々、四全総の
中心というのは東京一極集中ではないかということを批判してまいりました。
皆さん方は多極分散型と言うんだけれども、実際にはそうでなくて、例えば四全総の中にも、「世界都市機能が常時円滑に機能するよう、東京圏の
地域構造の改編を進める」というような
言葉があります。実際には多極分散型と言いながら、客観的には東京一点集中、二十一世紀の世界都市東京などというようなスローガンのもとに進めようという点が出ているんですよ。そのために生活
道路へのしわ寄せ、生活
道路の
整備のおくれが生まれるのではないかという点を今度の五カ年
計画についても我々非常に憂慮している。
現に、第九次五計の基本方針と第十次五計の基本方針は明確に違っている。例えば第九次の五計は、基本方針の一として、「地震、豪雨、豪雪などの災害に強い
道路の
整備及び歩行者、自転車利用者の安全で快適な通行空間の確保」というのがトップに挙がっている。これは私が先ほど
指摘した世論
調査にもこたえようとする姿勢がありますよね。二番目、「地方定住を促進するための効率的な
地域道路網の
整備」、これが二番目に挙がっている。九次五計ではこういうふうになっているんですよ、一応一と二は。三番目が、「豊かで住みよい
環境の形成をめざすバイパス・環状
道路及び都市内
道路の
整備」というふうになっている。
ところが今度の十次
整備五カ年
計画の大綱、これですな、これはトップが、「交流ネットワークの強化」ということになって、こう書いてある。高規格幹線
道路網について、
昭和七十五年までにおおむね九千キロの
完成を目標に
云々と。だから高規格幹線
道路が今度はトップに上がってきた。それから二番目は、「よりよい都市のための
道路づくり」というふうになっているんだが、大都市圏における自動車専用
道路網、バイパス環状
道路もありますけれども、こういう点が出ている。そして三番目に、「地方部の定住と交流」というのも、地方についても、テクノポリスやリゾート
開発などの
地域振興
プロジェクトを支援する
道路の
整備というのが上がってくる。
ですから、第九次五計にあった災害防止、歩行者、自転車利用者の安全、こういうトップにあったのがすっぽり今度なくなっちゃったんです。すっぽりなくなって、高規格幹線
道路網、交流ネットワーク、大都市圏の自動車専用
道路等々がずっと表に出てきて、それが僕はこういう五十三兆円、昨年に比べて一・三九倍という急増の
道路計画として出てきたと断ぜざるを得ないんですが、こういう変化をどう説明されますか。