○関嘉彦君 農水
大臣は就任以来、
自由化の問題で日夜御苦労されていると思います。御同情申し上げます。
前回、渡米される直前に、私は
予算委員会の
一般質問のときにも
質問したんですけれ
ども、ちょうど交渉中でありましたので、詳しいことは
質問いたしませんでした。しかし、そのときに私
感じたんですけれ
ども、どうも農水
大臣はせっかく交渉に行かれるんだけれ
ども、何か手足を縛られておいて無理に泳げと言われているようなものじゃないかと思って、大変その
立場に御同情申し上げた次第です。恐らく今月末また行かれると思いますけれ
ども、今度はもういよいよ五月四日のタイムリミット直前でございますので、ぜひとも
解決されるように希望する次第でございます。
牛肉、
オレンジの問題につきましては、ほかの同僚議員からもいろいろ取り上げられました。また、ただいま同僚議員の
佐藤委員から、
アメリカの
自由化要求に屈服するなという趣旨の御
質問がございました。また、
新聞の
報道によりますと、自民党の内部においても強硬論が非常に強い。
自由化の要求に譲歩すべきじゃないんだという声が強いそうであります。私は共産党と自民党というのは正反対の
立場かと思っておりましたけれ
ども、事ナショナリズムに関しては両方一致する点があるんだと思って改めて
見直した次第でございます。しかし、私は少し意見が違っております。その
立場から
質問、
質問というよりも意見を述べます。
大臣、今の
段階では
お答えにくい問題、したがってあえて
答弁を求めませんけれ
ども、こういう意見もあるんだということをお伝えしたいと思いますので、私の意見を申し上げたいと思います。
前の農産物十二品目、十品目が焦点になったわけですけれ
ども、あの交渉を見ておりましても、もっと早くあのガットの規約に従った
解決をしておればもっと日本に有利な
立場で
解決ができたんじゃないか。それを少し延ばし少し延ばし、国内の意見がまとまらなかったこともあるんですけれ
ども、延ばし延ばししたためにかえって不利な条件を押しつけられることになった。そういう印象を私は持っているんですけれ
ども、その経過から我々は学ぶ必要があるんじゃないか。つまり、日本が国際社会で生きていく限りは、やはりガットの精神に従わざるを得ない。
また、そうであるならば、むしろ日本が積極的にガットを擁護する
立場に立って、必ずしも農産物については、ECであるとか
アメリカなんか合法的でありますけれ
ども、ウエーバー条項なんかで実質的にはその精神に反している国もあるわけで、むしろそういう国に対して門戸開放を進めていく、そういう積極的な
立場をとるべきではないか。そのためにはやはり
政府が指導力をもって、国内にいろんな意見があると思いますけれ
ども、リーダーシップをとって決断をしていく。引き延
ばせば引き延ばすほど私は事態はもっともっと悪くなっていくというふうに思います。もちろん、それによって被害を受ける、損害を受ける国内の
農家に対しては十分の補償措置を、国内措置をとる必要がございますけれ
ども、しかし、原則としては私はやはり
自由化を目標を立てて、そしてそれに向かって一歩一歩進んでいくというふうに努力すべきであると考えております。これは私の意見ですから、御
答弁は必要ございませんけれ
ども、こういう意見が国会にもあるということを私は言っておきたいと思います。
それで、
牛肉の価格の問題ですけれ
ども、これは
アメリカからの要求があろうとなかろうと、そういう問題と離れて、国内の消費者の
立場から
牛肉の価格が高いと考えている人は私は相当多いと思います。その
立場から、消費者の中にも
牛肉の価格を下げるという
立場から、
自由化に賛成している人もいるんじゃないかと思う。外国のために
自由化するのではなしに、国内消費者の
立場から、もっとこれの価格を下げる方策を講じていく必要があると思います。
それで、日本の
牛肉は国際価格との比較において、こういう問題は直ちに国際比較をするということも、為替の変動なんかもありますので簡単にはできないと思いますけれ
ども、やはり
アメリカ、豪州なんかに比べて四倍ぐらい高いと言われております。
総務庁の統計をいただきました。総務庁が実施しました
牛肉の小売価格の資料をいただいたんですが、輸入
牛肉は
昭和五十七、八年ごろに比べますと確かに三、四割、三割以上下がっております。これはしかし、為替がその間に変動しているわけで、実際的には日本国内に輸入する
牛肉価格はそれほど下がってないと思いますが、全体の小売価格はほとんど横ばい。
昭和五十七、八年、これが
昭和五十八年が三百五十一円ですか。
昭和五十七年が三百四十六円、百グラム
当たりです。そして、六十三年の一月が三百五十四円、二月が三百五十三円ですからほとんど横ばいです。そういったふうに、
牛肉の値段が高い原因はどこにあると
農水省としては認識しておられるのか。そのことをまずお伺いしたいと思います。