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政府委員(勝見嘉美君)
公害等調整委員会が
昭和六十二年中に行いました
公害紛争の処理に関する事務及び
昭和六十三年度総理府所管一般会計
公害等調整委員会予算案について御
説明申し上げます。
まず、
公害紛争の処理に関する事務の
概要について申し上げます。
昭和六十二年中に、当
委員会に係属しました
公害紛争事件は合計四十六件で、その
内訳は、
水俣病に関する調停事件三十七件、
大阪国際空港騒音被害に関する調停事件一件、仙台湾における養殖ノリ被害等調停事件一件、スパイクタイヤ粉じん被害等調停事件二件、森浦湾における養殖真珠被害責任裁定事件二件、東京都世田谷区上馬における道路
騒音等被害責任裁定事件一件、壱岐における養殖真珠被害原因裁定事件一件及び
大阪国際空港騒音調停申請事件の調停条項に係る義務履行の勧告申し出事件一件であります。
これに対して、
昭和六十二年中に事件が終結しましたものは、二十九件であります。このうち、二十八件は
水俣病に関する調停事件であり、
水俣病と認定された患者四十三人に対するチッソ株式
会社の損害賠償について、患者個々人ごとに具体的な支拡い金額等を定める調停を
成立させたものであります。他の一件は、
大阪国際空港騒音被害に関する調停事件であり、申請人は申請を取り下げております。
その他の係属中の事件につきましては、目下手続を進めているところであります。
次に、
公害苦情の実態について申し上げます。当
委員会の
調査によれば、
昭和六十一年度において、全国の
地方公共団体に寄せられた
公害に関する苦情の総件数は、約六万五千件となっております。この苦情件数は、四十七年度の約八万八千件をピークに以後減少傾向を示したものの、六十一年度は、五十八年度及び五十九年度と同様若干の増加を示しております。
これを
公害の種類別に見ますと、
騒音に関する苦情が最も多く、二九%となっております。次いで、悪臭一九%、
大気汚染一四%、
水質汚濁一一%の順であり、これらで全体の約四分の三を占めております。
これらの苦情につきましては、都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、当
委員会といたしましては、これらの
地方公共団体に対し、
公害苦情相談指導者研修会等の
実施、苦情処理に必要な情報の提供、あるいは個別の事案についての指導、助言等を積極的に行っているところであります。
続きまして、
昭和六十三年度の
公害等調整委員会の
予算案について、その
概要を御
説明申し上げます。
昭和六十三年度
総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、
公害等調整委員会の
予算要求額は四億三千八百四万円であり、これを前年度の当初
予算額四億二千四百九十七万七千円と比較いたしますと、一千三百六万三千円の増額であり、その増加率は、三・一%であります。
次に、
予算要求額の
内訳について御
説明申し上げます。
第一に、当
委員会に係属する
公害紛争事案の審理及び
公害の因果関係の解明に必要な
調査並びに職員基本給等の人件費を含む一般事務処理のための
経費として四億一千百五万五千円を計上しております。
第二に、
公害紛争の処理について、都道府県等と連絡協議するための
経費として四百三十八万四千円を計上しております。
第三に、
公害苦情の実態
調査及び
公害苦情の処理を担当する
地方公共団体の職員に対し指導、研修、情報提供等を
実施するための
経費として二千二百六十万一千円を計上しております。
以上が、
昭和六十二年中に
公害等調整委員会が行ってまいりました
公害紛争の処理に関する事務及び
昭和六十三年度の
公害等調整委員会予算案の
概要でございます。
よろしくお願い申し上げます。