○吉岡
吉典君 ついでですから、私はこの事件自体でもこんな一冊の本も出ていますし、それから私、二十数年前国会図書館でずっとこれを調べた時期には、憲政資料室にまだ未整理のままこうりに入ったいろいろなこれに関連する資料もありますから、その資料の
一つを角田さんはこの中で引用しながら、ここから先は私はよう書けない、書けないことが書いてある。それは要するに、王妃を殺害して死体を辱めて石油をかけて焼き払ってしまっちゃった、そういう現物もありますよ、国会図書館には。ですから、僕はそういう事実を踏まえてみると、六五年ですけど
外務省のこういう文書というのは、これはもう表面幾ら日朝がうまくいっていると言っても本当の
関係にはならないと思います。
私、なぜこういうことを言うかというと、おとといの
委員会で
大臣、経済大国が軍事大国にならないという発言がありました。
日本が軍事大国になっているかなっていないかということはこれは
大臣とまたそれ自体として論議しなくちゃならない問題もありますが、私がここで言いたいのは、経済大国が軍事大国にならないというだけでは諸
外国の不安は消えないということなんですね。
一九八二年に
日本の教科書問題がでかい問題になったときに、韓国の新聞でいろいろなキャンペーンがやられました。私はそのキャンペーンを見て非常に重要なことだと思いましたのは、こういう三点の不安を述べておりました。
日本が専守防衛である限り我々は何も言わない。しかし八一年の
日米共同声明で専守防衛を乗り出して領域外防衛にまで乗り出したから、
我が国には不安が生まれる。二番目には、自民党が
憲法を改正して
海外派兵が可能な
憲法にしようとしていることに不安を覚える。その次は、教科書の改正によって
日本が過去の侵略を肯定し出した。だから、ここで我々の不安は募るんだ。つまり歴史認識それ自体が不安のもとになるということですね。
そういう点で私は何も奥野発言だけが今特殊な発言じゃなしに、
大臣も、勉強をよくしていない若い諸君の中にそういう認識があるかもしれないということがありましたが、これは若い人だけじゃなくて、やはり戦後政治の総決算以来の前中曽根
内閣以来打ち出されていた考え方に私はそういう根本があると思います。
韓国の対日広報雑誌でアジア公論というのがありますけれ
ども、こういう韓国の広報雑誌に載った論文の中でさえも、
日本人の認識というのは
戦前のままの認識が今も続いているんだということを言い、韓国との友好を主張するいわゆる親韓勢力というのも過去の侵略については全部肯定論者であり、反共という点で一致しているだけだと、そういう論文もあります。私はこの際、
世界の経済大国になったこの
日本が
世界で、とりわけアジアで正しくその役割を果たす上ではそういう過去の認識をきちっとすることの
重要性を強調して、
大臣の意見をもう一度お伺いして、この問題を終わって次に進みたいと思います。