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1988-05-13 第112回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月十三日(金曜日)    午後一時一分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         川原新次郎君     理 事                 大城 眞順君                 北  修二君                 中村  哲君                 及川 順郎君                 市川 正一君     委 員                 伊江 朝雄君                 板垣  正君                 岩本 政光君                 大浜 方栄君                 岡田  広君                 志村 愛子君                 高木 正明君                 矢野俊比古君                 大森  昭君                 鈴木 和美君                 中野  明君                 井上  計君                 喜屋武眞榮君                 木本平八郎君    国務大臣        通商産業大臣   田村  元君        国 務 大 臣        (沖縄開発庁長        官)       粕谷  茂君    政府委員        沖縄開発庁総務        局長       勝又 博明君        沖縄開発庁振興        局長       塚越 則男君        通商産業政務次        官        倉田 寛之君        通商産業大臣官        房総務審議官   山本 幸助君        通商産業大臣官        房審議官     安藤 勝良君        資源エネルギー        庁長官      浜岡 平一君        資源エネルギー        庁公益事業部長  植松  敏君    事務局側        第一特別調査室        長        荻本 雄三君    説明員        環境庁企画調整        局環境影響審査        課長       櫻井 正昭君        環境庁自然保護        局企画調整課長  鏑木 伸一君        外務省北米局安        全保障課長    岡本 行夫君        大蔵大臣官房参        事官       沖津 武晴君        大蔵省主計局主        計官       永田 俊一君        大蔵省主税局税        制第三課長    野村 興児君        運輸省航空局飛        行場部計画課長  堀井 修身君        建設省河川局水        政課長      横田 猛雄君    参考人        沖縄電力株式会        社代表取締役社        長        座喜味彪好君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  まず、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会沖縄電力株式会社代表取締役社長座喜味彪好君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 次に、沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 鈴木和美

    鈴木和美君 この委員会は沖振法の一部を改正する法律案審議を行うわけでございますが、審議時間が前段後段に分かれているようでございますので、前段につきましては、かねてから問題となっておりました石垣島空港問題について質問をしたいと思います。なお、後段のときに沖振法の問題を審議したいと思います。  そこで、まず開発庁にお尋ね申し上げます。  白保地区建設予定でありました空港滑走路二千五百メーターが二千メーター変更されるという報道がされているわけでございますが、どのように変更される見通しなのか、また、なぜ変更しなければならないのか、その点について、開発庁として知り得る範囲で結構ですから、御答弁をいただきます。
  6. 塚越則男

    政府委員塚越則男君) お答え申し上げます。  新石垣空港でございますが、昭和五十七年三月に航空法に基づきまして設置許可が与えられまして、工事着手に向けて準備が進められてきたわけでございますが、その過程で環境アセスメント手続を進める中で、空港予定地南側に存在しますアオサンゴ群生保全問題をめぐりましていろいろの論議が出てきたわけでございます。これが空港建設反対する方々の最も大きな反対理由一つとなってまいりました。県といたしましては、これに対しましてアオサンゴ群生の詳細な分布状況を調べるなど補足調査をいたしまして、その結果をもとにいたしまして、建設工法の工夫などによってアオサンゴ群生保全は可能であるという形の結論を出しまして、関係省庁との意見調整を行ってきたわけであります。  ただ、アオサンゴ群生保全についてはいろいろな意見がございまして、昨年の八月十九日の衆議院の沖特におきまして、環境庁からの御答弁で、現行計画のままでアオサンゴが確実に保全し得るとはなかなか言いがたいんではないかというような御意見もありました。  こうしたことで、県といたしましては、現在の空港滑走路千五百でございまして、本来の基準から申しますとジェット機は着陸できないところでございますが……
  7. 鈴木和美

    鈴木和美君 簡単でいいですから。
  8. 塚越則男

    政府委員塚越則男君) はい。非常に航空需要も多いものですから、どうしてもジェット機を飛ばす必要があるというので、暫定空港になっております。その暫定状態を早く解消しなければならない、そういう緊急性があるものでございますから、この問題で調整に手間取っているよりは、なるべく早く建設した方がよいという結論に達しまして、関係住民理解とか関係省庁理解が得やすいように、最初の計画では二千五百でございま したが、アオサンゴ群生との距離を置きまして空港建設を行うことにしたいということで、五百を南側カットいたしまして二千メートルというふうに計画変更をいたしました。現在、県において計画変更に伴って必要となる手続を鋭意進めているところでございます。
  9. 鈴木和美

    鈴木和美君 今の答弁でも、反対というか変更しなければならない理由の中で、最も強い反対に遭ったのはアオサンゴという表現ですね。ほかの反対理由は何と何と何ですか。
  10. 塚越則男

    政府委員塚越則男君) いろいろな反対理由はそのほかにもございまして、例えば白保方々生活をどうするというような話とか、あるいはこの空港が軍事的に利用されるんじゃないかというような反対意見もあることはございます。ただ、非常に組織立って理由立てられておりますのはアオサンゴの問題というふうに承知をいたしております。
  11. 鈴木和美

    鈴木和美君 私が理解をしている大きな反対理由というものについては、沖縄の自然を守る、つまりあのアオサンゴに限らず、魚のわくああいう海を埋め立てるということについては、自然保護の立場からどうだろうかというような問題、文化財を保護するという問題、今お話しのように住民生活を守るという問題、それから円満に話し合いで解決するというような問題、今の軍事目的に使われるんじゃないかというような問題などなどが私はあったと思うんですね。したがって、五百メートル縮まったから今まで問題になっておったものが解決したというようには私は理解しないんですが、あなたはどうお考えになりますか。
  12. 塚越則男

    政府委員塚越則男君) いろいろな公共事業を進めるに当たりまして、住民方々からいろいろな御意見があることは常にあることでございますが、それぞれについて解決をしていかなければならない、そういうことで円満に事業を進めていかなければならないことはもちろんでございますが、自然保護ということで一番問題になっておりますのがアオサンゴ群生の問題というふうに理解をいたしております。
  13. 鈴木和美

    鈴木和美君 いずれ総括的に意見は述べますが、もう一つ開発庁にお尋ねしますが、現在、環境影響評価準備書作成のための縦覧というのが行われているようです。この目的と、現状はどのくらい進んでいるのか、これもお答えいただきます。
  14. 櫻井正昭

    説明員櫻井正昭君) 環境庁でございますが、お答えをさせていただきます。  本件に係る環境アセスメントは、昭和五十九年八月に閣議決定をされました環境影響評価実施要綱に基づいて行われるものでありますが、この要綱に基づく環境影響評価準備書縦覧をすることの目的でございますけれども、これは事業内容環境への影響内容などを公表いたしまして、住民意見を聞くために行われるものであります。  新石垣空港に関する環境アセスメント手続につきましては、本年の四月二十七日から準備書縦覧が開始されまして、五月七日に住民に対する説明会地元で開催されたというふうに聞いております。
  15. 鈴木和美

    鈴木和美君 意見を述べる前にもう一つ、今度は運輸省にお尋ねしておきたいんですが、新聞報道によりますと、まだよくわからないんですが、二千五百メーターを二千メーターに、つまり五百メーター南側をカットするという新聞報道の後の方に、県はとりあえず五百メーターを切ることに対して大変残念だけれども、いずれ北側に五百メートル延ばして所期の目的である二千五百メートルにしたいという計画を持っているという報道も、私は新聞持っていますが、書かれているんですが、運輸省に聞きたいことは、二千五百メートルで許可したものを今度は二千メートルに変更するということであれば、改めてその変更許可というものをするんですか、二千五百メートル以内だからもうそれはいいんじゃないかというような見解に立たれているんですか、運輸省見解を聞きたいと思います。
  16. 堀井修身

    説明員堀井修身君) お答えいたします。  現在、設置許可運輸大臣がしておりますのは、先生御指摘のように二千五百メーター計画でございますが、このたびアオサンゴの群落を保全するという観点から、南側を五百メーターカットして二千メーター空港になるわけでございますが、そうなりますと、当然二千メーターの新たな計画として航空法手続を経なければならないというふうに考えておるところでございます。
  17. 鈴木和美

    鈴木和美君 もう一回お尋ねしますが、二千五百メーター許可した、変更になったから二千メーターでもう一回申請してもらって許可する。その場合、県は一期工事としてやりたい、二期工事北側に五百メートルまた延ばしたいというような構想があるときには、二千メーター変更許可と、北側に二期工事でもう一回やるというときには二回申請するということになりますか。
  18. 堀井修身

    説明員堀井修身君) 私ども県の方から伺っておりますのは、二千メーター設置許可をといいますか、航空法手続を経たいというのが県のお考えのようでございます。  したがいまして、その後、これは技術的に可能であるかどうかつぶさにまだ検討はしてございませんが、北の方に五百メーターを延ばすというようなことがあれば、またその時点で変更手続をとっていただくということになろうかと思っております。
  19. 鈴木和美

    鈴木和美君 もう一つ運輸省にお尋ねします。  二千五百メーターというものの空港の長さがなぜ必要か。その許可申請があったときに、県の経済的展望とかお客様の数とか、貨物がどうなるかというようなことなどを含めて二千五百メーターでなければ申請された中身を十分に満たすことができないという意味で二千五百メーター許可したわけですね。二千メーターになったということで五百メーター切られたら、今まで許可したときのいろんな状況についての分析と今回の影響というのはどういうことに関連しますか。
  20. 堀井修身

    説明員堀井修身君) お答えいたします。  私ども空港整備を行っていく際にどのような規模で空港をつくっていくかというようなことにつきましては、一般的な標準的な物の考え方を持っておるわけであります。年間の一路線当たり旅客数が五十万人を超えるというようなことが想定されるということになりますと、輸送効率性というような観点から、大型ジェット機が就航し得るような空港施設をつくるというのを一般的な考え方にしてございまして、現に、これまでもそういう考え方大型空港といいますか、大型ジェット機が就航できる空港をつくってきたということでございます。  このような考え方をとりますと、現石垣空港は、既に那覇路線につきまして五十万を年間突破しておるわけでありまして、そういう観点から申し上げますと、現在の需要であっても大型機が入り得るようにすることが望ましいというふうに運輸省考えておるところでございます。しかし、先ほど来の御議論にもございますように、いろいろな問題もあり二千メーターに縮小してやらざるを得ないということになってまいりますと、やはり中型ジェット機しか入れないということになりますので、そのような状態航空需要に対処するためには便数をふやさざるを得ないというようなことを考えておるわけでございまして、中型ジェット機を増便させることによって航空需要に対応するという考え方をとっていこうというふうに考えておるところであります。
  21. 鈴木和美

    鈴木和美君 もうちょっとお尋ねしますが、そうしますと現在の空港に入っているジェットがありますね。千五百メーターですから、それよりも五百メーター長くなりますか、五百メーター切ってもね。それでも大型はなかなか入れないということだとすると、現在の空港とこれから白保地区につくりましょうという、そしてジェットを入れようというものは、機種というか大分違うんですか。
  22. 堀井修身

    説明員堀井修身君) 現石垣空港に入っておりますジェット機小型ジェット機でございまし て、ボーイング737型機でございまして、百二十人強の提供座席数でございます。今回二千メーターというようなことで中型ジェット機が入れるということになりますと、例えばボーイング767型機、これでありますとそれの倍ぐらいでありますので、二百四、五十人ぐらいは提供座席があるということでございます。提供座席数としては二倍以上になるというようなことでございますので、二千メーターでも相当の輸送需要に対応できるということでございます。
  23. 鈴木和美

    鈴木和美君 運輸省にばかり聞いて申しわけないんですが、とにかくそれで皆さんの見解ですからそれなりにわかります。  さて、五百メーター切らなければならないんであれば、従来から問題にされておった幾つかの候補地がございますね、現在の空港も含めて。そういうものをもう一回検討し直すということはやらなかったんですか。特に、もう御案内のとおり、あなたのところの親分さんが、できたところの方がいいんじゃないかという発言衆議院で行われているわけですね。新聞読むと、何か翌日寄ってたかっておかしいということを言ったもんだから、何だかトーンが下がっちゃったというような報道があったかと思うと、テレビチャンネルでは、相変わらず別の方がいい、こういうような話もしていることを聞くわけですね。ですから、五百メートル変更するんであれば、もう一回別なところも総合的に検討するという措置はなぜとらなかったんですか。
  24. 堀井修身

    説明員堀井修身君) まず、場所選定等についての基本的な考え方を申し上げますと、第三種空港でございますので、基本的には空港設置管理者でありますところの県知事の方で一義的にお決めになるものであるというふうに私ども考えておりますし、それを運輸省としては最大限尊重をしていくというようなスタンスであるわけであります。  今回、昨年二千メーター変更したいという県知事意向表明があったわけでありますけれども、県におかれましては当然他の場所についての二千メーターでの空港可能性ということにつきまして詳しく御検討をされたわけでありまして、その結果、この白保海上案が出てきたというふうなことでございます。私どももそれをまずは第一に尊重していかなければならないというふうに思っております。  それから、私ども大臣発言につきましてお話がございましたけれども大臣予算委員会お答えになってございますように、基本的にはこの問題に対する姿勢はいささかも変わっておらないんだというふうにおっしゃっておるわけであります。それは一つは、現空港状況にかんがみますと、新しく本格的にジェット機が就航できる空港が必要だという認識でございますし、ただその際に、空港予定地南側にありますところのアオサンゴ群生、これの保全という観点も重要である。そのようなことから、環境アセスメントについて十分やってほしいという趣旨発言だというふうに私どもは受けとめておるわけであります。
  25. 鈴木和美

    鈴木和美君 県が事業主ですから、事業主の方から申請をされてくるものを軸にしながら運輸省がこれを検討するという手続、これはこれなりに手続ですからよくわかります。けれども石垣の問題に関する限りは、長い間大変混乱を生じさせておって、それで予算も二年間とにかく使えないというほど全国的な問題になっているわけです。たまたま環境庁アオサンゴという言葉を使ったからアオサンゴだけが今問題になっているんですが、アオサンゴだけを守るというだけで全体を守れるかというと、私はそうじゃないと思うんですよ。現空港を拡張するのが一番いいと私は個人的には思っているんです。それが、せっかく石原大臣が、海のことをわかり、環境庁長官もやったというような経験からやはり白保はちょっとまずいんじゃないかということの見識をあらわしているのに、なぜ運輸省はその意見をもう少し取り上げて十分な検討をしなかったのかということが疑問でならないんですが、もう一度お答え願います。
  26. 堀井修身

    説明員堀井修身君) お答えいたします。  運輸省の第三種空港に対します立地点決定についての基本的スタンスは先ほど申し上げたとおりでございます。今回につきましても、県が一義的に御検討されたわけでありますし、私もそれを尊重していきたいということでありますが、石垣島におきますいろいろな問題というのがございます。特に、他の候補地点につきまして見ますと、やはり農地を多くつぶさなければならないとか、あるいは今先生からお話がありましたような現空港の拡張問題につきましては、周辺に遺跡があるとか、あるいは騒音問題があるとか、いろいろと他候補地についてやはり難点があるというようなことでございまして、私どもとしても現候補地点、つまり白保海上案というのが最適ではないのかなというような感じがしておるわけであります。
  27. 鈴木和美

    鈴木和美君 どうもその説明になると突っかかりたくなるんですけれども、ほかのところには農地とか騒音とかで大変問題がある、白保は何やっても我慢せいということですか。論理的に合わないんですよね。むしろ世界的に今問題になっている沖縄のあのサンゴ礁というか群というか海というか、そこを世界的に自然破壊しちゃいかぬよと言われているときに、それを守りながら、今度、他方のところで住民理解を求めるような作業をやってもいいんじゃないかと思うんです。それがもう白保に決めちゃったからということで、何が何でもそこでなければならぬというような国の指導が入るということは私は納得できないんですが、いずれもう一回運輸省に尋ねますけれども、時間がありませんので、またもう一回あなたに聞きますから。  建設省にちょっとお尋ねしたいんですが、現在、先ほど環境庁から話があったように、環境アセス縦覧が行われていますね。現地の人たちに聞いたところが、この縦覧建設省が所管で意見を取りまとめているということを聞いているんですが、現在の環境アセスをやっているときの住民意見というようなものを聞くのに建設省は適切な指導をされますか。
  28. 横田猛雄

    説明員横田猛雄君) お答えいたします。  現在、新石垣空港環境影響評価準備書縦覧が行われているわけですが、この縦覧中に地元住民意見を提出することができることになっておりまして、その意見の概要とこれに対する見解を記載した環境影響評価書、これを作成して、さらに公告、縦覧をするということになっております。さらには埋め立ての方の手続ですけれども、この場合も免許に際しまして出願図書を三週間縦覧をいたします。それに対しまして利害関係人意見を求める、あるいは議会議決を経た地元市町村長意見を聞く、このようなプロセスを経ることになっておりまして、その辺の手続につきましては県とも打ち合わせ済みでありますので、このような手続が当然なされてくると思っております。
  29. 鈴木和美

    鈴木和美君 現在行われている縦覧について建設省はこうしたらいいじゃないか、ああしたらいいじゃないかというような御指導というのはやられますかと今聞いているんですが、それはやられないんですか。
  30. 横田猛雄

    説明員横田猛雄君) 環境影響評価準備書を初めとするアセスメント手続は、建設省でつくりました実施要綱に基づいてなされるわけですが、これは性格事業者がみずから実施するということになっておりまして、建設省がその都度、事前に個々に事業者指導する、そのような性格のものではないと考えております。
  31. 鈴木和美

    鈴木和美君 そうしますと、いわゆる埋め立て申請をするに当たって、その環境アセスのものを添付するわけですな。そうですな。
  32. 横田猛雄

    説明員横田猛雄君) そのとおりです。
  33. 鈴木和美

    鈴木和美君 だとすると、今度は申請が行われてきてから埋め立てによるいろんな影響があります。それはそれなりにまた縦覧が、今度は建設省というか埋め立てのためのものが行われるわけで すか。
  34. 横田猛雄

    説明員横田猛雄君) 現在、準備書縦覧中でございまして、これが意見等が出まして評価書になるわけですが、それと大体時期的には前後いたしまして、若干後になるかどうかという問題はありますが、別個に埋め立ての方の出願図書縦覧というものがございまして、そこに対してまた意見を申し述べることができる、こういうことになっております。
  35. 鈴木和美

    鈴木和美君 そうすると、これは琉球新報の八八年四月十九日の記事ですが、ここに「公有水面埋立に係る環境影響評価手続き」というのが書いてあるんですが、ずっと読ませてもらったら、今あなたのおっしゃるみたいな埋め立てによる影響というか、それは意見を聞くことは書いてないんですよ。例えば準備書作成周知、それから準備書に対する意見表明評価書作成及び周知、そして免許等処分への反映、公有水面埋立法手続、こうあって、大臣認可まで意見を聞くということがないわけです。ただ、石垣市へ諮問するということが書いてありますけれども、諮問するというのをやって、いわゆる埋め立てによって影響が出てくる者に対する住民関係者などなどの意見は聞かれるわけですか。
  36. 横田猛雄

    説明員横田猛雄君) アセスメント手続とは別個に埋め立て手続がございまして、そこで三週間縦覧をいたします期間中に利害関係人意見を聞くということは必ず行われます。市長の意見も同時にもちろん求めます、これは議会議決がありますから。そういう手続は必ず経ております。
  37. 鈴木和美

    鈴木和美君 ぜひ御協力いただきたいんですけれども埋め立てによる被害の意見を聞く場合に、十分住民とか漁民の意見を聞いてほしい。十分ということは単なる意見を聞いたからといって聞き放しというのは困るよということが一つと、これだけ国際的に問題になっているところであるから、住民に限らず、こういうものに非常に関心を持っている方々意見も十分聞いてほしいんですよ、これはお答え要りませんから。これはいずれ開発庁長官が後からおいででしょうから、そこで答えをいただきますが、十分聞いてほしいということだけ頭の中に入れておいてほしいと思うんですよ。それで残り時間、今そういう意味で環境庁にお尋ねしますから、それも頭に入れて対応してほしいと思うんです。  環境庁に尋ねたいことは、この前沖縄で日本環境会議のシンポジウムが開催されたと思うんです。これは都留重人さんがやっております。そのときの沖縄で行われたシンポジウムの様子と結論というものを環境庁御承知なら聞かしていただけませんか。——ないんですか。  これも私は新聞で拝見したんですけれども、あそこで行われたシンポジウムの総論というものがございまして、こういうことを言っています。  七〇年代における地域開発は、世界じゅうどこでも環境保全や歴史的文化財の保存を前提としない開発は地域開発とは言えない、こういう見解を述べていますね。そして、特に開発というものを都市づくりという立場から三つの方式を提起して注意を喚起しているわけです。  その一つは、マンハッタナイズ方式という言葉を使っていますね。つまり、これは自然とか町並みとかというものを度外視して、開発を優先さして都市をつくっていく、これはどっちかというと五〇年代、六〇年代などなど日本でもこういう開発が多く行われて、今自然破壊が問題になっているという形態だと思うんですね。第二の問題は、ベニス方式という言葉を使って、つまり古いものを大切にしていこう、しかしこれはいずれ人が住めなくなってしまう、これでもいかぬのじゃないか。そして第三の都市づくりとして、いわゆるボローニア方式というものがある。これは自然を取り戻すようにするための新しい理念に基づいた都市づくりである、これが一番大切だ。だから、今沖縄というものを考えたときにこの第三の開発というものを進めることがこれから大変大切じゃないのかということをこのシンポジウムは総論として述べているわけです。  また、コスタリカで行われた国際自然保護連合、IUCN、ここでの決議というのもあるわけです。そういう決議を受けて沖縄のシンポジウムが開催されたと思うんです。  そこで、環境庁一つだけこの時間にお尋ねしておきたいことは、このコスタリカで行われた自然保護連合に日本政府が出席をしてこの白保の問題についてとった日本政府の態度はどうであったのか、これを聞かしてください。
  38. 鏑木伸一

    説明員(鏑木伸一君) お答えいたします。  先般行われましたIUCN総会では、新石垣空港に関する件も含めまして百十六件の決議案が提出されたわけでございますが、本件につきましては、報告書等に基づきます具体的な論議は行われていないと承知しております。  総会には私ども自然保護局の計画課長出席いたしまして、決議の採択に当たりまして特に発言を求めまして、新石垣空港建設問題の経緯を説明いたしますとともに、沖縄県の方で改めて行っておられます、当時はその準備中でございましたけれども環境アセスメントを行う準備を進めておられる、環境庁としては、国内のアセスメント手続に基づきまして、アオサンゴ保全について必要な措置がとられるものと考えているという旨の御説明をいたしまして、御理解を求めたところでございます。
  39. 鈴木和美

    鈴木和美君 あと残り時間二分でございますので、いずれにしても環境庁からもう少し細かいことも聞きたいし、建設省には、これから埋め立てのいわゆる縦覧が行われるときの、先ほどちょっと述べたそのときの態度についてももうちょっと聞いておきたいと思うんですが、時間なものですから、前段の部分はこのくらいにして、後段審議のときにちょっとだけ入れさしてもらって、あなた方都合があるでしょうけれども、お待ちいただいて質問をすることにしたいと思います。
  40. 矢野俊比古

    矢野俊比古君 私は、今回の沖縄電力の民営移行に伴う問題につきまして、若干の質疑を行いたいと思います。  昨年の三月でございますが、第百八回通常国会で、先輩の伊江議員からこの民営移行につきまして幾つかの御指摘、御質疑がありました。今回の法律改正がそういうことを踏まえて具体化したということについて、政府初め関係当局の御努力を私は多とするものでございます。  この前、国会で御質問があった中でお答えでございますが、民営化ということについて、第一歩としては本土並み料金水準の確保という見地から経営体質の強化を図る。その一つには内部留保の充実を図るということで、資本金を二分の一に減資をしていきますと。それから第二は、沖縄電力そのものについては、経営の効率化など民営化のための社内体制の整備ということをうたっておられるわけでありますが、この辺が少なくともいわば実現をしてきたという認識で当時その改正に移ったと思いますが、その辺の経緯がどう推移したか御説明をしていただきたいと思います。
  41. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) 基本的には御指摘のとおりでございまして、沖縄の復帰以来、沖縄電力を民営化することは、沖縄県民のいわば悲願というべきものでございまして、御高承のとおり、必ずしもそうした条件が当初は整っていなかったわけでございますけれども、御指摘のように鋭意関係者による努力が積み重ねられてまいったわけでございます。  経営面につきましては、昭和五十五年度には累積損が百六十八億に達しておりましたけれども、企業サイドの努力、さらには石油価格の低下といったような状況にも恵まれまして、最近ではこの累積損は全部解消されるというような状況に至っているわけでございまして、六十一年度末には七十七億円の累積益が存在をするというような状況になっております。  また、経営基盤の強化という観点からは、六十二年の六月に二分の一減資が行われまして、配当基盤の強化、さらには内部資本の充実等が行われているわけでございます。さらに、当初から大きな 問題になっておりました石油依存一〇〇%といった状況の手直しにつきましては、電源開発株式会社によります石川石炭火力の建設が進められていたわけでございますけれども、六十一年度から稼働するに至りました。六十二年度にはこの成果といたしまして石炭依存度が四二%にまで上がってまいりました。言いかえますと、石油依存度は五八%まで低下してきたというような状況になってまいりまして、いろいろな面から考えてみまして、いわゆる民営化の基盤といったものが整ってきたというぐあいに考えられるわけでございます。  もちろん御指摘のように、今後に対しましての備えというものも必要でございまして、移行後の対応体制、特に助成措置の取り扱い等につきまして関係省庁間で意見調整を進めてまいりましたことも、ほぼその点につきましても合意を見るに至りましたものですから、今回この法案を早急に取りまとめを行いまして提出をさせていただいた次第でございます。
  42. 矢野俊比古

    矢野俊比古君 長官の懇切な御説明よくわかりますが、時間もありませんので端的に御返事をいただきたいと思うんです。  要するに私が聞いたのは、資本金二分の一に軽減する方針、そういうことはできましたかと聞いたのが一つと、もう一つは、社内体制の整備ということをやりますとおっしゃったが、それはどういうことをおやりになったのかということを伺ったわけです。しかし、時間の関係でそこいらはもう結構ですから、御返事要りません。  ただ、今後、民営化するんですから当然配当はせざるを得ないんですね。従来は確かに累積赤字があった。しかし、もう六十一年度ぐらいからは七十八億ですか、そういうことで早く言えば相当収益が上がってきた状況ですが、民営化していった場合に配当率を一体どのくらいに考えておられるのか。それから、民営にすればすぐ配当できるというふうな見方をしておられるか。二点だけちょっと御返事をいただきたいと思います。
  43. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 民営化いたさなくてもそうでございますけれども、利益が上がりますと、沖縄電力の場合には、当然のことながら配当をするのがノーマルでございます。民営化いたしました場合は、一層その配当ということになるわけでございますが、現在九電力のそれぞれ配当率は一割を限度というのが通常でございまして、沖縄電力につきましても、民営化いたしました後は一割配当というのが目標であろうかと思います。
  44. 矢野俊比古

    矢野俊比古君 時期の方はどうでしょう、民営化したらすぐやれますか。
  45. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 時期につきましては、本年度は六月が株主総会で六十二年度の決算をするわけでございますが、これにつきましては民営化以前の特殊法人としての形でございますので、六十三年度決算以降の課題かと思っております。
  46. 矢野俊比古

    矢野俊比古君 それから民営後の電力料金問題になるんですが、たまたまデータもいただきましたし、昨日また偶然、沖縄の経済界の有力者から資料も届きまして、とにかく電力料金が六十年の二十七円七十銭というところから急速に下がりまして、六十三年は二十二円三十五銭ということで、民営移行していくという基盤ができたこともよくわかるわけです。ただ、そこからの要望から見ますと、そう言うけれども、どうも本土並み料金といいながら、確かに電灯あるいは業務用電力は非常に低く設定されておる、平均より低い。しかし、いわゆる大口電力については非常に高いんですと、こういう点で、この辺をもう少し考えてくれという御要請が出ておりました。  確かに沖縄は離島でございますし、それから人口の問題とかあるいは産業立地の関係とかいうので、そういった規模という面から電力料金がコストの面からいってなかなかかかる、したがって、どうしても高目にならざるを得ないということも理解はできますけれども、少なくとも本土並み料金の維持ということを言われていますし、沖縄の場合には、やはり今後産業もふやして、特に雇用が全国平均より倍くらい失業率が高いですね。ですから、やっぱり産業というのを、先ほど鈴木先生がおっしゃったように、環境とか安全という問題は十分配慮しなきゃいけませんけれども、やっぱり産業振興ということを進めなきゃいけないと思うんです。そうすると、それはある程度電力料金が平均より下がるというくらいな設定は、特に大口電力について必要になってくるんじゃないかと思うんです。いわば本土並み料金の維持ではなくて、共通した料金は本土の平均以下に下げるという目標が民営移行に際してはむしろ必要なことなんじゃないかというように認識をするわけであります。  今回の税負担、県の御要望もありましたのにも沿いまして、これもデータをいただきましたが、販売電力量一キロワットアワー当たり税の関係で十五銭優遇されておる。それから公庫の借入金の支払い利息の軽減というところで、これが二十七銭、これで全部で四十二銭軽減でございますということが出ているわけであります。逆に言えば、今の二十二円三十五銭は、こういう措置がなければ二十三円にほとんど近いと、こういう計算になるんだろうと思うわけでございます。  こういった面で税制措置というのは、今回当然優遇措置は残したわけでございますが、これは将来ともに、そういう制度がなくても沖縄電力が自立をしているという前提に立って少なくとも本土並み以下の料金になれば別として、それまでは継続をいたします、それから公庫の借入利息の支払い軽減措置もつなげますということは、これは政府というか、そういう立場で考えていかなきやならぬと思いますが、その辺に対するエネ庁当局というか、通産省当局はどうお考えになっているか。この点はちょっと政策的方向ですから、倉田政務次官が大臣の代行、副大臣で御出席でございますので、あるいは政務次官からその辺の決意なり見通しを教えていただければ幸いと思います。
  47. 植松敏

    政府委員(植松敏君) まず、電気料金の関係だけちょっと説明をさせていただきますと、確かに先生おっしゃいますとおり、総平均で申しますと沖縄の電気料金は依然としてかなり高い水準にあります。十電力合わせて見ますと後ろから二番目というようなことになりますが、これは需要構造が、電灯用でございますとか業務用とか、比較的コストの高い、これは流通コストも含まれますので、高い分野のウエートが高いということが一つ原因になっております。需要構成まで考慮に入れまして、いわば九電力各社の料金表を沖縄に持ってきましてその料金表を適用してはじいてみますと、むしろ沖縄電力の現在の料金表というのは真ん中辺、上から四番目ぐらいに位置するというような試算も出てまいります。  それから産業用と申しましても、いわゆる製造業分野と、それから沖縄の場合には特にサービス産業が多うございますが、ホテルを含めましてこういった分野はどちらかというと業務用の電力を使っておりますので、業務用の電力の平均水準で申しますと、むしろ九電力と比べましても上位に位置するということがございます。しかし、いろいろとまた構造的にも沖縄は問題を抱えておるということでもございますので、私どもとしてもできるだけ料金コストを下げる、原価を下げるというために従来も沖縄電力を支援してまいりました。今後も、民営移行しましてもできるだけの支援はしてまいりたいと思っております。
  48. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) 現在沖縄電力に講じられております助成措置につきましては、既にこの法律で沖縄振興開発法の存続期間中は継続をするという条項が入っているわけでございますが、そこから先につきましては、私どもとして申し上げさせていただければ、先ほども申し上げましたように、なお石油依存度が高いというような状況もございますので、できればその先もという心情があることは事実でございますが、沖縄全体の振興開発措置がどういうぐあいに扱われていくかということにつきましては、現行法の終わりますころに、沖縄経済の状況とかいろんなことを勘案して総合的な御判断があるものかと存じております。  ただ、別途私どもの方も、先生御承知のとおり、 電源開発税といったようなものをベースにいたしまして電源多様化政策というようなものも進めているわけでございまして、これは必ずしも期限がないわけでございますので、こういった電源多様化政策といったようなものは、沖縄の電力の安定供給というような観点から、かなり積極的あるいは傾斜的に適用していくというような姿勢は維持し続けたいと考えている次第でございます。
  49. 矢野俊比古

    矢野俊比古君 衆議院審議でも、議事録を拝見しましたが、いわば今の石油火力、まだ五八%の依存度だとか。しかし、何か長官の御答弁で、六十八年ですか、あるいは七十二年、もうちょっと石炭火力の増強という形で、石油は恐らく七十二年というような時期になってどうなるか本当に不安定でありますから、そういう点でも石炭火力という、もっと供給源が安定しておるようなものも活用していきたいという御答弁もあったようです。ですから、そういう点も大いに進めていただきたいと思います。  それから税制、そういった優遇措置も残していかなきゃいけない。私は、本土並み料金じゃないと思うんです。むしろ本土平均より下がった料金ぐらいにしなければ、相当遠くに離れている離島なんですから、産業というのはなかなか来ないんです。それはバイオとかいろいろ土地の気候、風土に適した物の考え方は別途また、いわゆる総合的なエネルギー対策でも考えて、技術革新の世界で考えなきゃいけないと思いますけれども、今の立地条件という点でやはり非常に制約される。ですから、何かそういう点で税制体制も残していかなきゃいけない。それから、今の公庫の支払い利息の軽減というようなものも残しておかなきゃいけない。  例えばその中で、最近よくいろんな民活法とかあるいはリゾート法とかでNTTの無利子融資というようなものを使っているわけです。恐らく電力の施設に対する融資というのは、そういう特定目的ありませんので対象になっていないように思うんですけれども、六十八年とか七十二年に石炭火力が仮に動くというのならば、その前の準備段階というか、あるいは工事段階があるわけですから、そういうようなところにも無利子融資的なものも活用して、利息の軽減額というのがもっと下げられるような努力を、これはまさに通産省で御検討願っておいてほしいなと、こう考えるわけでございます。少なくとも本土並み料金じゃないと、私は、本土並みより下の料金だというくらいな気持ちで皆さんが取り組んでいただくことをぜひお願いしたい、御要望しておきます。  それから、今申し上げたように、やはり立地の促進というのが進まないと大口電力需要というのが拡大されません。したがって、コストをできるだけ皆で分担していくという態勢をとるには産業立地というのは大いに進めなきやいけないのでございます。昭和五十五年に計画された糸満団地が、果たして充足するかしらという当時の危惧を見事杞憂に終わらせまして、既に現在あの団地は立地したいという企業の方が多いということを、ついこの間、私は国民生活調査会の委員派遣で勉強してまいりましたし、また最近は沖縄市、たしか中城湾の一部と思いますけれども、卸団地の形成というのも本年度予算で進められてきているということで、現地の御努力というのは、私大変評価しなきゃいかぬと思うのでございます。  そういったほかに開発プロジェクト、今民活という声もございます。そういう点で沖縄開発庁の方にお伺いしますけれども、どんなプロジェクトが現在あって、いつごろにそれが完成していくのか。個別個別に言われてはもう時間ありませんから、総体的にひとつ沖縄開発庁から御説明願いたいと思います。
  50. 塚越則男

    政府委員塚越則男君) 二次振計後期においていろいろなプロジェクトを実施中でございますが、一々申し上げるのも時間の関係で難しゅうございますので、まとめて申し上げたいと思います。  まず水の関係でございますけれども、北部河川総合開発事業、これは六十五年ぐらいまでにやり遂げるつもりでございます。それから漠那ダムでございますとか、あるいは北西部河川総合開発事業、これは着手したばかりでございますので、ちょっと時間がかかります。そのほか西系列の水道水源開発事業といったようなものをやっております。  また、交通関係で申しますと、道路関係で那覇空港自動車道、高規格道路でございますが、これを本年から事業として採択をすることになっております。港湾関係では那覇港、平良港、石垣港のほかに、お話のございました中城湾、これは第一期計画が五十八年から六十五年ということになっております。空港関係で、先ほども御質問のありました新石垣空港の建設、あるいは久米島空港の建設。農業関係では、宮良川、名蔵川、羽地大川、宮古地区の地下ダムといったような水源開発の問題がございます。  それから、生活関連施設といたしまして首里城の復元の問題、これは復帰二十周年ということで六十七年ぐらいまでには完成をする予定でございます。そのほか、天久地区の土地区画整理事業といったようなものが主要なプロジェクトというふうに考えてございます。
  51. 矢野俊比古

    矢野俊比古君 進行中のプロジェクトができるだけ早くできるような対応というのを、これは予算にも絡みますけれども、ひとつ考えてほしいと思うのと、それからもう一つは、あるいはお話があったかもしれませんが、私は民活関係のいろいろ勉強をしているつもりですが、泊埠頭の開発であるとか、あるいは現在の開発計画よりももっと拡大をする。例えば泊埠頭みたいな場合は、あの周囲を考えるともう少し都市再開発につながるということを主張しているんですけれども、まあお話聞いていると思いますが、そういうような今あるプロジェクトをさらに拡大していくというようなあり方。それから、天久あたりも今非常によく動いていますが、そこにどれだけ企業というのが本当に立地できるのか、そういう点をよく突っ込んで、計画の促進とあわせて充実を考えてもらいたいということを御要望しておきたいと思います。  時間がありませんので次に移りますが、この要望にもございますけれども、過去の割高料金により積み立てられた含み資産の沖電株の払い下げは、沖縄県民、特に需要家を中心に多く割り当てられるべきものと思いますと書いてあります。決して全部を割り当てるとは書いてないんで、多くということで沖縄県民あるいは経済界の方々の非常に謙譲の意識が出ているというふうに私は理解をします。この前の御答弁でも、今回民営化をいたしました暁には、少なくとも電力の経営安定ということのために沖縄主軸の株主構成、もちろん所有権処分としての適正価格の払い下げということでございます。それが御答弁にあったわけであります。この点については、既に田村通産大臣衆議院で県民主軸型ということには十分理解をしていくということでございました。  もう時間がありませんから、私の方からの要望にしておきますが、財政当局から言えば、これは国有財産中央審議会の処分でありますと。それが始まる前に、これは元大蔵大臣である竹下総理のお言葉になってくるわけですが、そういうときに予見を差し挟むべきでないというので、いいお返事はなかなかしないんだということはわかりますけれども衆議院のときのそういった審議の事情ということもよく頭に置かれて、審議会に諮問するのはやはり財政当局、国有財産当局なんでありますから、そういうことを十分に頭に置いて、要望申し上げたような、できるだけ県民主軸と言われる株主の構成ができるように、これ技術的にいろいろと議論があることも聞いておりますけれども、ぜひそういう方向を明らかにしていただきたいと思っております。これはまあ御答弁はもう必要ございません。  それからもう一つは、株の払い下げができた後の早く言えば売却益というものをどうするかというのが私はこれから先非常に大きな問題になるんだろうと思うんです。当然これは予算措置へ、仮 に六十三年度秋にこういうことが可能になったときは六十四年度予算というものの表面に出てくるということがございます、八月三十一日の予算枠という中にはそれは織り込めないかもしれないが。私は、これは沖縄開発庁だと思うんです。そういうやつは何かシーリングがあるもんだから、電力株の放出なんだから、その株で出てくる予算というのはやっぱり通産省の枠じゃないかとか、いやそうじゃない、これは沖縄開発庁のいわゆる枠になるんじゃないかとか、シーリングがあるからうっかり枠とられちゃ大変だとかというようなうわさを耳にするわけでありますが、その辺で余り縦割りという議論にならないように、少なくともそういう処分は沖縄経済あるいは県民生活安定のための問題だと思うので、私が予見を言ってはいけませんが、やはりそれを担当するところに責任を持っていただかなきゃならないというふうに思っているわけであります。  当然ながら八月三十一日に間に合わないだろう。間に合わなければそれはよく言われるひもつき予算というようなやり方というのも決してないわけではないのでありますから、またシーリングがどうという議論も当然にあるけれども、それを乗り越えるという手は十分いろいろ尽くされ得るだろうと思う。特に振興局長はそちらの方のエキスパートでおられるはずでありますから、ぜひその辺の認識を持っていただきたい。  ただ、そう言いましても、さっき御提示されましたが、開発プロジェクトというものが予定される、あるいは使途というのを長期的に考えるとか、そういったことが立たないとこれはやはり迫力がなくなるわけでありますので今開発プロジェクトがどうかということを申し上げたんですけれども、むしろ県あたりからのお話として耳にするのは、そういった売却資金、これは今百四十七億の資本金ですね。今のような状況においてこれから先証券市場というのがどう変化するのか、あるいは沖縄電力に対する早く言えば経営安定の認識というのがどうあるかということで変化はあると思いますけれども、NTTのように二十倍なんかというのはできないと思いますが、少なくとも低いところで五、六倍のことは当然考えられるわけでありまして、沖縄にとっては大変大きな資金になるはずであります。  国有財産のことだからまず全部国なんだというふうなことの意見もございますけれども、県民主軸のいわば株主構成とかいう声とあわせて、また沖縄の過去の電力の設立経緯ということも考えて、これはまだ具体的でないんですから私は主計局に来てもらうということはしませんでしたけれども開発庁の方でよく考えて、できるだけ、私とすればここで申し上げるのは全額沖縄開発と県民生活安定のための予算にむしろ充当すべきだ。仮に五倍と考えたところで百五十億の五倍の七百五十億ぐらいのお金というのは入ってくるわけです。全額入れば七、八百億の金が沖縄経済の振興、県民生活安定に使い得る額だと私は思っているわけであります。けれども、そういうことに対応して、その年だけじゃない、長期的にこういうプロジェクトでいけるんだとか、そういったことをやはりつくっていかないと財政当局に対する要求迫力というのは余りないだろうと思うわけです。その点についても今ここで、先の話ですから事務当局のお答えは無理と思うんですけれども、あえて御要望をしておきたいと思うわけであります。  そういうようなことを踏まえて、もう時間があと二、三分だそうでございますので、政務次官に締めくくっていただきたいと思いますが、沖縄電力の民営移行というのは五十八年の閣議決定ということに基づくということもございますけれども、むしろ先ほど来お願いしましたようにやはり沖縄経済の発展あるいは県民生活の向上ということにおける大きな役割を果たすという認識があってこそ民営移行、そしてできるだけ国の統制などの干渉がない電力会社にしましょうということだろうと思うわけでございます。  したがって、そういう民営移行が今申し上げたような課題にこたえられることができる、それが今来たということなんだと思うんでございますけれども、今後ともそういう課題を引き続き果たさなければならない。先ほど来主張しましたように沖縄電力の料金というのは本土並みではなくて、本土より下回るんだというくらいな形でいろいろと対応していただくために、先ほど申し上げました産業立地の促進というようなための沖縄振興開発特別措置法があるんですから、特別な支援策ということを講じていかねばならないと思っております。そういう点に対して、実は通産大臣出席ではございませんけれども、ぜひ国務大臣代行のお立場で倉田政務次官から御決意のほどをお示ししていただきたいと思います。
  52. 倉田寛之

    政府委員(倉田寛之君) 県民主軸ということは当然であろうというふうに存じます。と同時に、民営後の沖縄電力に対しましては通商産業省としても適切に指導をしてまいりたいと考えているところでございます。
  53. 中野明

    ○中野明君 質問が二回に分かれますので大臣が来られてからまた聞くことといたしまして、最初に民営化が今日まで見送られてきた理由なんですが、五十四年には五十六年末を目途に民営化しなさい、同じく五十五年にも閣議決定で五十六年度末までに諸般の措置を完了しなさい、五十六年になって早期に民営に移行しなさい、こういうふうに何回か過去に閣議決定が行われておるわけです。はっきり五十六年度末を目途に民営化しなさいという閣議決定も二回あるわけです。それが今日まで見送られてきた理由、それをちょっと説明をしてもらいたい。
  54. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) 基本的には民営化という方向が地元におきましても強く要望されておりましたし、また政府といたしましても御指摘のように絶えずそういう方向を求め続けてきたわけでございます。端的に申し上げまして、その支障になってまいりましたのは収支状況であろうかと思います。過去を振り返ってみますと、経営状況が非常に悪くなりましたのが四十九年度、五十年度、五十一年度、それから五十四年度、五十五年度でございまして、いずれも第一次石油ショックあるいは第二次石油ショックの影響をいわばまともに受けたということでございまして、やはりそうなりますといわゆる地元主軸の独立民営化にいたしましても、あるいは当時一度議論がございました他の電力会社との合併というような方式にいたしましても、現実的にはなかなか対応が難しくなるわけでございまして、残念ながら御指摘のような経緯をたどってまいりましたけれども、ようやくその問題点も最近解消されるに至ったということでございまして、かねての懸案を何とか実現をしたいというのが今回のねらいでございます。
  55. 中野明

    ○中野明君 今のお答えにもありましたが、五十四年、五十五年、このころ財政は確かに悪化しているわけです。五十六年末を目途に民営移行しなさいというような閣議決定があるのにおくれているということはいかがなものかなというふうに感じておるわけですけれども、それはそれとして、この民営に移行するにいろいろクリアしなきゃならない条件があったんでしょうけれども、もう一度どういう準備をしてこられたか、それをお聞きしたい。
  56. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 幾つかの越えなければならないハードルがあったわけでございますが、第一には、発足以来、配電会社が別々に本島には五つばかりございまして、それが統合された上で発送変配電一元化ということがまず民営化を目指す第一の条件でございました。この点につきましては、五十一年の春に五配電会社が特殊法人沖縄電力株式会社に吸収合併されまして発送変配電一元化が成立したわけでございます。  その次が、二度にわたる石油危機で収支状況が悪化し巨額の累積赤字を抱えることになったわけでございますが、この点は料金改定、さらに石油の値下がり等もございまして、六十年度には累積赤字を解消し、六十一年度決算では七十七億円の黒字を計上するというふうに至ったわけで、累積赤字が解消したということでございます。  それから第三番目、一番大きい問題は石油火力 で、一〇〇%石油依存型の電源構成でありました点。この点が二回の石油危機にまさに大きな打撃を受けたわけでございまして、沖縄電力にとってのアキレス腱であったわけでございますが、この点も電発に石炭火力を石川地区に建設をしてもらいまして、石炭火力二基、合計三十一万キロワットの石炭火力発電所が六十一年度末に運転開始ということになりまして、六十二年度には四割以上が石炭火力による電気を供給するという形で、電源構成についても改善が図られた。  加えて、百四十七億円の資本金でスタートしたわけでございますが、ほかの電力会社等と比べますと若干過大資本金であるかなというようなことで、いよいよ民営化いたしますと配当を常にしていかなければならないという点から見ますと、配当負担も大きくなる。片や内部留保も十分でないということから、二分の一の減資を六十二年度にいたしまして、現在は七十四億円弱の資本金ということで、残りは資本準備金に組み入れるということで、内部留保の充実を図りながら配当負担の軽減を図る、こういったことをいたしてまいったわけです。  その他につきまして、それぞれ技術水準等の問題もございまして、技術レベル等も復帰当時に比べますと格段のレベルアップがなされておりまして、民営化いたしましても九電力並みに十分やっていけるという企業体力なり技術レベルに達したということで民営化に踏み切るということになった次第でございます。
  57. 中野明

    ○中野明君 沖縄電力来ておられると思うんですが、これで民営化されて大丈夫なのかという心配を私も一部するわけなんですが、その点、電力の方としては今までの状況から民営化されても大丈夫、そういう見通しを持っておられますか。
  58. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 沖縄電力の座喜味でございます。  中野先生の民営化以降の経営の見通しは大丈夫かという御質問に対してお答えさしていただきます。  環境条件に大きな変動はないという仮定をいたしまして計算しておりますけれども、年次的に波動的変動はあるが、経営努力により現行料金体系を維持しながら、健全な経営は可能であるという見通しになっております。
  59. 中野明

    ○中野明君 それで、先ほども議論になっておりましたが、沖縄電力というのは、発電電力量では九電力の中で最小の北陸電力の半分強、こういう状況の中で特殊の存在でありますが、この管内に重工業が非常に少ないということで、大口電力の比率が他社の平均より一〇%以上低い。そういうことで大口電力の需要家育成が急務であろう、このように思います。本土の九電力というのは積極的に企業誘致を行って需要の創出に努めておるんですが、沖縄電力においてはどういうふうな対策を講じておられるか。また、将来の誘致の見通し等についてお聞きをします。
  60. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 企業の誘致に関してどういう見通しがあるか、沖縄電力はどういう積極的な努力をしたかという御質問についてお答え申し上げます。  沖縄県は、復帰以来、本土各県に比べまして産業構造上非常に、特に製造業を中心とした部門で劣っているということで、県を中心にしまして産業誘致活動を積極的に進めてまいりましたけれども、観光業の進出を除きますと余り芳しい成果を上げておりません。沖縄電力も、県の方針に従いまして産業誘致に協力してまいりましたけれども、今までは特殊法人ということもありまして、沖縄電力がみずからのイニシアチブでそういうことをやるということはやっておりません。今後民営化されますと、沖縄のリーディングカンパニーとしての立場から、他の経済団体、企業などと協力いたしまして企業誘致に積極的に取り組んでいかなければならないと思っております。
  61. 中野明

    ○中野明君 それからもう一つは、負荷率の低さですね。これが心配なんですが、負荷率が低ければ低いほど平常使わない過剰設備を持たなきやならないということで、通産省は現在の沖縄電力の負荷率の点についてどのような見方をしておられるのか、その点お聞きいたします。
  62. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 御指摘の点でございますが、おっしゃいますとおり、沖縄電力は九電力平均に比べますと負荷率が悪うございます。六十一年度の実績で見ますと、沖縄電力は五六・四%、九電力の平均が六〇・一%ということで、いわゆる電力設備の利用率が悪いわけでございます。これは一言で申しますと、それぞれ電気を使います需要家の電気の使用パターンがいろいろございまして、電気多消費型素材型の産業というのは、比較的これは昼も夜も季節の変動を問わずに大量の電気を消費する関係から、冬でも夏でも春でも秋でも、あるいは夜でも昼でも同じようなパターンになるということで設備の利用率が上がるわけでございますが、家庭用でございますとかビル関係の電気の需要ということになりますと、主として冷房用でございますとか、あるいは電灯、照明用ということになりますので、夏の熱いときあるいは夜間、宵の口とか、こういったところになるわけでございます。沖縄の場合には需要構成がそういった電灯あるいはサービス産業等が中心でございまして、ビル関係の電気需要が多いということでどうしても設備の利用率、つまり負荷率が悪くなるという面がございます。  ただ九電力につきましても、個別に見ますと必ずしもいいところばかりではございませんで、例えば関西電力などは六十一年度の実績を見ますと五五・二%ということで、沖縄電力よりもむしろ負荷率が悪いというような面もございます。  いずれにいたしましても、負荷率が改善されることが全体の電気の発送電のコストを下げ、その結果料金水準を下げることにもなりますので、できるだけ利用効率を上げるような努力をしていかなければならないと思いますし、また電気料金の面でも、本年一月から、沖縄電力も含めまして産業用電力につきまして季節別、時間帯別料金というものを試行的に入れることにしております。これは、いわば季節別に電気の需要の少ないときには比較的安目にするというようなことをやりまして、ピークシフトを図るということで、結果として電気の需要につきまして負荷率改善に役立つような形の料金制度も取り入れるということになっております。今後少しでも負荷率の改善が図られるような努力を電力会社にも期待したいと思っておりますし、私どもとして料金制度等について改善すべき点があれば今後さらに検討していきたいと思っております。
  63. 中野明

    ○中野明君 それから沖縄電力の従業員の年齢構成なんですけれども、非常に年齢構成が高いということですね。従業員のこの年齢構成を見てみますと四十四・五歳ですか、六十一年度。例えて言えば、四国電力と比較をすると十歳程度年齢が高くなっております。このことは、将来に予想される大量退職時に負担を覚悟しなきゃならぬのじゃないかという心配があるんですが、会社としてはその対策等、どういうふうにお考えになっておりますか。
  64. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 沖縄電力の民営化後、今現在の年齢構成が高くて、退職者が急激にふえる可能性があるがどういうふうに考えるかという御質問の趣旨だと考えましてお答えしたいと思います。  御指摘のとおり沖縄電力の年齢構成は、その設立の経緯などからしまして非常に高くなっております。そして、この数年のうちに定年退職者が急激にふえてくるという計算になっておりますが、その持っている経験、知識等を急激に失うということは非常な損失でございますので、沖縄電力の関連会社、その他今まで培ってきた経験、知識を必要とするような周辺の会社などにできるだけ確保しておくというようなことと、それから、できるだけ有能な人材を採用いたしまして、先輩たちがいなくならないうちに徹底的に訓練していただくということで何とか切り抜けようということで計画をしております。
  65. 中野明

    ○中野明君 それからもう一つは、送配電の損失率をちょっと見せてもらったんですが、これが六 十年度と六十一年度、数字が違うんじゃないかというような気がするんです。六十年度に送配電の損失率が六・一%、六十一年度になって六・七%とふえているんですが、これは数字が違うのか、それとも何か理由があるのか、その辺わかりましたらちょっと教えてもらいたい。
  66. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 私どもの得た資料によりますと、おっしゃられるとおりでございます。なぜここで送電ロス率が上がったかという原因までちょっと把握しておりませんけれども、おっしゃられますように、六十年度六・一%、六十一年度は六・七%という数字が出ております。
  67. 中野明

    ○中野明君 電力会社、わかりましたら後で教えていただきたいと思います。
  68. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) はい。
  69. 中野明

    ○中野明君 それで、沖縄電力の事故の停電回数というのが九電力と比較すると約十倍になっているような気がいたしますが、これは島が多いとか台風の影響等による面が多いと考えられるわけですが、今後ますますコンピューター等を使う際に、停電というのは致命的であります。今後の企業誘致にとってもマイナスになります。  それで、去る二日にも沖縄で大規模な停電があって、これは台風以外の平時の停電としては戦後最大と言われておるんですが、通産省の方からも九日に調査員を沖縄に派遣して、十一日に帰る予定ということになっておりますが、その状況をちょっと説明をしてもらいたい。
  70. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 先ほどの御質問に関連してのことでございますが、送配電のロス率で、私ちょっともう一度調査いたしますが、実は石炭火力発電所が六十一年度後半に入っておりますので、これが石川地区にできておりますので、それからの送電の距離がかなり長うございまして、その関係であるいは少しふえているということでなかろうかと推測されます。  それから、次の御質問の今回の五月二日に起こりました停電事故でございますが、今御指摘のとおり通産省からも担当官を派遣いたしまして原因の究明に努めておりますけれども、とりあえずわかりましたところでは、牧港の火力発電所の一号起動用の変圧器についております避雷器が損壊をいたしまして、その損壊のショックが同じくこの起動用変圧器についていますブッシングに損傷を与えまして、広範な停電が生じたということのようでございます。  ただ、全体の停電の範囲が非常に広うございましたこと、さらに復旧にもかなり時間がかかりましたこと、この点につきましてはさらに詳細の調査をしませんと即断は許されないということでございまして、沖縄電力株式会社の方にも、十分に担当者に原因究明に努めること、さらに再発がないように徹底的な調査とそれから必要な対策をするように注意しておるわけでございます。沖縄電力の方におきましても早速事故究明のための検討委員会をつくりまして原因究明に入っておるというところでございます。
  71. 中野明

    ○中野明君 電力の方からも。
  72. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 昭和六十三年五月二日の停電の状況につきましては、公益事業部長の御報告されたとおりでございます。  また、一体何が原因で起きたのかということでございますが、現在、社内に調査委員会を設置しまして詳細に調査中でございますが、事故後の現場の状況から、牧港発電所起動用変圧器一号機の避雷器が損壊し、これが同変圧器のブッシングに波及して停電事故に至ったものと推測されます。また、会社といたしましては、沖縄電力の社員による調査だけではよくないというふうに思いまして、外部の先生方にもお願いして第三者としての究明もしていただくよう手はずを整えております。  それから、停電対策、安定供給対策はどうなっているかという御質問に対してでございますが、沖縄県は、台風、塩害が多く、電気設備にとって厳しい自然環境下にあります。また、会社は電力他社と異なり単純系統であるという不利性がございます。当社では、これまでもこのような不利性を克服し、供給上の信頼性を確保するため、設備の形成、保守、運用に配慮してまいりました。当社では、今年度は次のような供給信頼度向上対策工事計画いたしておりますが、さらに、事故の原因調査結果を待ちまして所要の対策を講じることといたします。信頼度向上対策工事といたしましては、電源開発の推進、変電所間における送電線路の建設、配電系統のループ化の拡大充実、配電系統の柱上開閉器遠方監視制御化、配電線路の改修工事における無停電工法の採用等でございます。
  73. 中野明

    ○中野明君 後半は後に譲って、終わります。
  74. 市川正一

    ○市川正一君 まず、沖電の座喜味社長にお聞きいたしますが、社長は新聞のインタビューに答えて、ここにございますが、「リーディングカンパニーとして沖縄経済へ貢献していく」、先ほども中野委員の質問に、リーディングカンパニーという言葉を述べられたわけです。その具体的な内容なんですけれども、公益事業である沖縄電力は、低廉で安定した電力の供給を確保する、また沖電の設備投資などの諸発注を可能な限り県内企業に発注することなどがあくまでも基本になるべきだと思うんですが、この点でのお考え方をまず伺いたいと思います。
  75. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 新聞報道によると沖電はリーディングカンパニーとして寄与するということであるが、具体的な中身はどうであるかということと、沖縄電力の工事等において沖縄県内の企業に発注することによって寄与するべきことが基本になると思うがどうであるかという御質問についてお答えしたいと思います。  民営化されますと、沖縄電力は沖縄におけるその大きさ、特に沖縄県経済に対するインパクトの大きさ等から考えまして、リーディングカンパニーとしての役割を果たすよう要請されることになります。沖縄はその地理的、歴史的経緯からいたしましても、プリフェクチュラルアイデンティティーともいうべきものが強くて、一県でありながら社会、経済、文化の各面で我が国の他の地域と比べかなり独立した形で互いに作用し合うわけであります。  沖縄電力は種々の経済団体のアクティブメンバーとして主要な役割を果たす必要があり、それを期待されております。特に経済活動の面で申しますと、沖縄電力は長期経営戦略を立てる上でも、例えば独自で経済分析を行う必要があり、これはまた、沖縄県経済発展のための民側のアプローチといたしましても重要な役割を果たし得るものと考えられます。このような沖縄電力の考え方等が御指摘のような新聞報道になったものと思われます。  それから、沖縄電力の発注を通じて沖縄県経済に寄与するべきじゃないかということは御指摘のとおりでございまして、会社といたしましてもそのような線に従って努力いたしているところでございます。
  76. 市川正一

    ○市川正一君 私が御質問したことを繰り返しておっしゃる必要はないんで、肩の力を抜いてどうぞお答えくださったら結構です。  念のために伺うんですけれども、おっしゃっている沖縄経済への貢献ということの中には、ここに沖電の定款を持ってまいりましたが、この定款を改定して電気事業以外にも進出していくということをお考えになっていらっしゃるのか。もしそうだとすれば、今考えていらっしゃる分野にはどういうものがおありなんでしょうか、お伺いしたい。
  77. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 民営化されますと、そういうことに対する制約がなくなるわけでございますので、将来は電力の供給以外にも仕事をしていかなければならないというふうに考えておりますけれども、今のところ具体的に計画を持っておりません。
  78. 市川正一

    ○市川正一君 ですから、私、第一問で、沖電は公益事業なんですから、低廉で安定した電力の供給を確保すること、そしてまた、県民経済、県内の企業に大いに発注してそれに貢献していくというふうなことを基本に据えるべきだということを この機会に強く要請いたしておきたいと思います。何でも手を広げたらいいというわけじゃありません。  次に、沖縄における電力の安定供給を考える場合に、やはり最大の需要家である在沖米軍の需要とその今後の動向をどう見るかというのが決定的に重要だと思うんです。  そこで、沖電は米軍基地などの需要動向をどう予測していらっしゃるのか、また、現在の米軍関係の電力消費や料金収入はどうなっているのか、それらは仲電全体にどれぐらいのウエートを占めているのか、そういうことについてお教え願いたいのです。
  79. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 米軍の需要につきましては、将来そんなに伸びないという予測で進んでおります。  また、米軍の占める割合、あるいは契約の種類、料金収入等につきましては、これは米軍といえども沖縄電力のお客様に関する情報でありますので、私たちの方から御報告申し上げることは遠慮させていただきたいと思います。
  80. 市川正一

    ○市川正一君 それ細かく聞いているわけじゃなしに、全体のウエートはどれぐらいかというんですが、この点通産省いかがでしょうか。消費電力、あるいは料金収入がどれぐらいのウエートなのかというラウンドな数字で結構です。
  81. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 今、会社の方からお客様情報でありますので出しづらいということでございますが、非常にラウンドな数字で大変恐縮でございますが、私どもがいろいろな形であちこちから集めた情報で最近の状況を申し上げますと、沖縄電力が全体で販売しています電力量のうち一割強が米軍関係ではなかろうかなというふうに推測いたしております。あと具体的な中身につきましていろいろな供給形態があろうかと思いますが、大半は業務用の電力ということでなかろうかというふうに推察いたしております。
  82. 市川正一

    ○市川正一君 別にそんな軍事機密を聞いているわけじゃありません。  ここに持ってきましたのは、八六年十二月の沖縄タイムスでありますが、それによりますと、八五年度の米軍の電力消費量は四億八千七百二十五万キロワット時で、全体の一三・七%。今一割強とおっしゃいましたが、一三・七%。電力料金は約百十億で、全県の電力料金の一一・五%を占めているというふうに報道されているわけです。私、これにほぼ変わりはないと思うんであります。  そこで、参考人にお伺いしますが、在沖米軍への電力供給体制でありますが、沖縄の本土復帰直前に琉球電力公社と米軍が駆け込み的に契約を結んで、当時米軍が持っていた電力供給における優先権を将来にわたって確保したと言われておりますけれども、これは今も継続されておりますか。
  83. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 沖縄電力が現在、米軍に対して優先的な供給をしていないかという御質問だと思いますけれども……
  84. 市川正一

    ○市川正一君 契約があるのかどうか、それは今も続いていますか。
  85. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) そういう契約はございません。供給規程どおりの供給をいたしているところでございまして、優先的に取り扱っていないかという御質問に対しては、例えば例を申し上げますと、今度の五月二日の大規模な停電でございますが、一番最後に復旧いたしましたのが嘉手納米軍基地でございました。
  86. 市川正一

    ○市川正一君 それでは伺いますが、外務省お見えになっているようですから外務省で結構だと思うんですが、米軍には日米安保条約に基づくところの地位協定第七条に定めた優先権があるんですが、在沖米軍への電力供給の場合にもこれは適用されているんですか、またされるんですか。
  87. 岡本行夫

    説明員(岡本行夫君) 地位協定の規定は、在日米軍、沖縄在沖米軍を含めまして、すべての米軍に適用されます。
  88. 市川正一

    ○市川正一君 時間が参りましたのであとは後半にいたしますが、社長、そういうことになっているんです。ということは、私、この機会にお聞きしておきたいんですが、例えば米軍基地の中で電力消費量が一番多いと言われているのは、参考人も今おっしゃったように嘉手納基地なんです。この嘉手納基地の場合に、大口電力、それも特別高圧扱いが適用されていると聞いております。嘉手納基地の米軍住宅は千九百六十二戸ございます。そこには業務用電力の二十三円四十七銭よりも約十円安い大口電力、これは十三円八十七銭、もしくは特別高圧の十一円ないしは十二円台の電力料金ということになっていると聞いておりますが、間違いございませんか。
  89. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) お客様に関する情報でございますので具体的な中身についてお答えするわけにはまいりませんけれども、業務用と特高、両方ございまして、特別に米軍を安くしているということはございません。
  90. 市川正一

    ○市川正一君 否定されなかったということを確認して、後半の質問に譲ります。
  91. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 前半の部でございますので、まず民営化するという、民営に移るということは、すべての面にメリットがなければいけない。いわゆる民営化してよかったと、しかもそのよかったということが、民営化して一時はよかったが将来に向かったら民営化するんじゃなかったという、こういうデメリットが付随するということになるとこれは重大な問題であります。それで先ほどから各委員からも触れられた面もありますけれども、私は沖縄の出身でありますので特にその面から気になる点を幾つか今お尋ねいたしたいと思います。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕  まず通産省に尋ねたい第一点は、沖縄の電気料金が本土の電気料金と比較して適正であるかどうかの判断の一応の指標を挙げてもらいたい。本土にある九つの電力会社はそれぞれの地域の供給構造の違いから一律に比較することは難しい点もあるかと思いますが、しかしこのことは沖縄にとりましても非常に参考になりますので、県民生活とのかかわりの大きい分野での指標をわかりやすく説明していただきたい。そして漏電しないように、身だけ骨だけ答えていただければ結構です。
  92. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 今先生御指摘になりました需要構造の変化というものを考慮に入れませんとなかなか比較が困難でございます。簡単に申しますと、各電力会社はそれぞれこういった供給規程というのを持っておりまして、その中に細かく契約種別に料金表ができております。その料金表を沖縄に持っていきまして、その料金表で電気を供給した場合に結果としてどうなるかというのでやりますと一番比較がしやすいのかと思います。そういう点でやりますと、先ほどからるる申し上げておりますけれども、電灯につきましては、現在の沖縄電力の料金水準は十電力の中で三番目というようなことになりますし、比較的電力が高いと言われておりますが、例えば小口電力や大口電力でも全体の五番目ぐらいに位置するというようなことで、総合いたしますと十電力の中の四番目の水準にある、こういう試算ができます。
  93. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 次に、もう一つ通産省にお尋ねしますが、衆議院における附帯決議を見ますと、適正な料金水準が確保されるようにという非常に大事な文言がうたわれておりますが、沖縄における適正な料金水準ということは本土並みの電気料金ということであるかどうなのか、この言葉の持つ意味いかがですか。
  94. 植松敏

    政府委員(植松敏君) なかなか解釈は難しいかと思いますが、従来から民営移行その他に関係いたしまして、沖縄の電気料金につきまして本土並み料金の水準の確保ということを私ども再三にわたりまして要望を受けております。この附帯決議にあります適正な料金水準の確保という意味も同じ意味ではないかというふうにそんたくをいたしておる次第でございます。
  95. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 なぜ私がこれを念を押すかといいますと、電気事業法の第十九条の二項によりますと原価主義の原則に立っておりまするゆえに、沖縄の電気料金もこの原則に立つとなると、構造的に不利な条件を抱えておるわけですから、沖縄 の場合には電気の供給事業は必然的にコスト高が予想されるわけですね。そこで電気料金水準も本土並みといえなくなる。そうなった場合には、必然的に違ってきますね。それでは沖縄の産業とか県民生活に悪影響を与えることになるわけですから、沖縄における適正な料金水準とはどういう意味に通産省は受けとめておられるかということなんです。
  96. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 電気料金につきましては、沖縄電力を含みます特殊法人でありましても、また九電力の場合でも、電気事業法の十九条によりまして供給規程の認可をいたしております。その料金の設定の原則は今御指摘のございました原価主義によっておりまして、現在の特殊法人である沖縄電力の料金も原価主義に従って査定され、認可を受けたものでございます。  現在の料金水準が先ほど申し上げましたようにいわゆる本土並み料金の水準の範囲内に入っておるという点で、今後民営移行いたしましてもこの料金水準を維持していけるであろう、あるいは本土並みというような料金水準を維持していけるであろうという先ほど参考人からもお話がございました。適正な料金水準についてはそういう意味で理解をいたしております。
  97. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 今の点はわかりました。  次に、通産、大蔵にお尋ねしたいと思います。  昭和五十七年十二月の沖縄電気事業議会の中間報告では「本土からの大幅かつ永続的な援助がない限り、将来にわたって確実な本土並み電気料金水準を確保するという前提条件を満たすことができなくなる恐れが大きい。」ということを指摘しております。本土から遠くかけ離れていること、さらにはよく言われております離島を抱えておるということなど、構造的に不利な条件下にありますゆえに、そのためにも現行の優遇措置が民営化後も当分の間継続するように努めることとする衆議院の附帯決議の指摘は重要である、こう私は思うがゆえにこれを聞くわけなんです。  そこで、参議院においてもぜひ附帯決議の中でと思っておりましたが、ちゃんと用意がされておることを知りましてほっとしておるわけであります。そういうことで、附帯決議に言う当分の間継続される現行の優遇措置とは一体どういうことか、項目を挙げて御説明を願いたい。
  98. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 衆議院の方で御決議いただきました附帯決議の中身でございますが、私ども理解といたしましては、現在沖縄電力に対しまして税制面、金融面で特別の優遇措置が講じられております。  具体的には、税制面では特に地方税でございますけれども事業税の軽減、固定資産税の課税標準の特例という形での軽減措置、さらに石油関税の免税、これは発電用の石油、重油とか軽油でございますが、    〔理事北修二君退席、委員長着席〕 につきまして免税措置が講じられている。国税につきましては、登録免許税の軽減、さらに金融面では沖縄公庫から沖縄電力に対しまして設備資金の貸し付けをいたしております場合に、これは特別低い金利を適用いたしております。こういった優遇措置につきまして継続をすべきであるという趣旨であると理解をいたしております。
  99. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 漏電はすぐ消えましたから、私もこれで質問を終わります。
  100. 木本平八郎

    木本平八郎君 私、座喜味社長にお伺いしたいんですが、私がお伺いしたいと思っていたことは、同僚議員からもうほとんど言い尽くされたので改めてお聞きする必要もないかもしれないんですけれども、私の基本的な考え方は、私は完全自由化論者であり、民営化論者なんです。何でも民営できるものはみんな民営化しろ、自由化しろというのが私の基本的なスタンスなんです。殊にこの沖縄電力の問題は県民の皆さん方の悲願で、どうしてもこれやっぱり民営化したいという長年の悲願だということで、私もそういう面からは大賛成なんです。  大賛成なんですけれども、先ほど喜屋武委員から話がありましたように、これ民営化しても後でうまくいかなかったらえらいことだと。それで、もしも将来経営が苦しくなって料金値上げしなきゃいかぬ、あるいは九電力とのアンバランスがあってまた国から補助しなきゃいかぬというふうなことになるくらいなら、それはもう一度今の国営のままでずっと続ければいいじゃないか、国営でしたら国の方が面倒見るわけですから。そういう点はあるんです。しかしながら、とにかく沖縄の皆さんの悲願を何とかここで実現させる、しかも将来の経営をどうして安定させるかというところに、ひとつこの委員会としても知恵を絞らなきやいかぬと思うんです。  そういうことでまず社長にお伺いしたいんです。私、電力事業というのは全然知らないんですけれども、普通の生産工場なんかの経営を考えました場合に、こういうふうな装置産業では非常に固定費が高くて、損益分岐点が高いわけです。こういうところというのは販売量が多くないとなかなかやっぱり経営が苦しいだろう。特に沖縄電力の場合、先ほどもお話がありましたように台風とか塩害だとか、あるいは離島サービスとか、そういったところで変動費も高くなるわけです。そうしますと、先ほど喜屋武委員が心配されていましたけれども、将来原油だとか何かがどういうふうに変わるかわからない。そのときの社長としての不安の程度、あるいは逆に言えば、九電力の社長さん方は非常に楽だけれども、おれはこういう沖縄電力を抱えていて本当に大変だという嘆き、ぼやきでもいいんですけれども、その辺はどういうふうに今後の経営についてお考えになっているか、所感的で結構ですから感想をお伺いしたいんです。
  101. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 沖縄は、先生が御指摘なさいましたような不利な点がたくさんございますけれども、また有利性もないわけではございません。九電力と比べてみましてどこが有利であるかということを考えてみますと、沖縄は、気候的にも位置的にも本土各電力の供給地域と比べて特異的であるために我が郷土としての意識が強くて、郷土のためになら協力しようという傾向が非常に強い。それから、人情が穏やかで、理屈の通ることに対しては理解を示すなどのほか、発電所とお客様が非常に近接している、地形が複雑でない、人口分布が適度である、冬の寒さが厳しくない、会社が大き過ぎず帰属意識を高めることが難しくなく小回りがきく、一県としてまとまった供給地域と電力会社が一対一に対応することができる等の有利性があります。  そういうことなどもございまして、環境条件に大きい変動がないという仮定のもとで、年次的には資本費の増加などによる波動的変動はございますが、経営努力により現行料金体系を維持しつつ健全な運営が可能であるという見通しになっておりまして、九電力の社長さん方に比べまして、ぼやかなければならないとは思っておりません。
  102. 木本平八郎

    木本平八郎君 非常に張り切っておられるので非常にありがたいんですけれども。  それで、今おっしゃったけれども環境条件がそう大きく変化しなければという前提、これは話としては確かにそれでいいんですけれども、やはり将来の原油の問題、ドルの問題、金利の問題、非常に大きな変化というのはあるわけです。ところが、こういう公益事業というのはそれに耐えていかなければいかぬという非常に苦しい立場にあるわけです。  そこで、ちょっと時間がなくなりますので、社長にしかお伺いできないことをお伺いしたいんです。  一つは、先ほど出ました株式を幾らで譲渡するのか。大蔵省がこれを決めるというので、これはちょっと後でまた問題にしようと思うんですけれども、とにかく例えば五百円株を五千円だなんて言われたら、もう民営化されたときにどうしても経営していけなくなっちゃうとか、そういう問題がありますので、とりあえず現地としてはどのぐらいで譲ってもらいたいというふうな希望が出されているのか。皆さん方、酒を飲みながら、このぐらいで譲ってもらいたいなとお考えになってい るような線があれば教えていただきたいということ。  それから、ちょっと時間がないからまとめてお聞きしますけれども、原子力発電所、これについては、原発反対だとかいろいろ国民感情的な問題がいっぱいあるんですけれども、コストの面から考えますと原子力発電所というのは一番安いんです。今後とも安くなるでしょう。経営とか採算とかということを考えると、やっぱり原子力発電所というのを考えていかなきゃいかぬわけですけれども、私はよくわからないんでお聞きしたいんですが、沖縄の県民感情として原子力発電所というものに対してはどういう受けとめ方があるんだろうという点です。時間がありませんのでこの二つだけちょっと社長の御所見を承りたいんです。
  103. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 原子力発電に対して県民感情としてどう考えるかということでございますけれども、私たちの現在の計画、将来の見通しなどにつきましても、また我々が研究している発電技術の中にも原子力発電は全く含まれておりませんので、そういうことについて世論を調査したり分析したことはございません。  それから、株をどのぐらいで譲ってもらいたいかということでございますけれども、みんなで話し合ったりするときに、余り高いと困るなということは言いますけれども、これは国の財産であるし、国が適正な価格を決めていただくということでございますので、そういうことが決まれば、沖縄県の電力であるからみんなで分け合って持つしかあるまいというふうにみんな言っております。
  104. 木本平八郎

    木本平八郎君 非常に沖縄方々はお人柄がいいので、私もいつもこの委員会で感激するんですけれども、そういうふうに経営の方もそれでやっていただければ非常にありがたいと思うわけです。  それで、最後にもう一度お伺いしたいんですけれども、原子力発電所に対して、もうこれは新聞なんかで御存じだと思いますけれども、いわゆる内地側で、反対があり、賛成の意見もあり、いろいろあるんですが、私がお聞きしたいのは、沖縄というのは復帰が大分おくれましたので、特別に県民の皆さん方がそういうものに対して特にアレルギーが強いのかどうかという点だけを最後にお伺いしたいんです。
  105. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 原子力につきましては、例えば米軍の原子力潜水艦とか原子力空母が立ち寄るというときに一部の人たちがかなり騒いでいることはございますけれども、発電についてどうであるということを議論したことはございませんので、一緒にして考えることはできないのではないかと思っております。
  106. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) これより田村通商産業大臣及び粕谷沖縄開発庁長官に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  107. 鈴木和美

    鈴木和美君 まず最初に、開発庁長官にお尋ねを申し上げます。  前段質疑の際に私は、古くて新しい問題ですが、石垣島空港問題を質疑させていただきました。運輸省に対しては、空港が五百メートル縮小されるということになった問題について、なぜ計画変更が行われたのか、また手続はどうなるのか、ほかの五つの候補地をなぜ一緒に検討しなかったのかなどを質問してまいりました。建設省には、これから環境アセスが終わりますと埋め立ての問題が出ます、その埋め立ての問題のときにも住民なり関係者の意見を十分聞いてもらえるかというような問題を質疑してまいりました。環境庁に対しては、自然を守るという立場から環境行政問題について質問をしてまいりました。補償の問題である農水省の問題についてはちょっと時間がなくてできませんでした。つまり、白保地区では八重山漁協に県から補償金が出た問題に対して、何人かの人がまだ補償金を受け取っていない、そのうちに五百メートル縮小されたということになれば、一体漁業権の問題はどういうように発展するのかというような問題などについて質疑をするつもりでした。今長官にそのことをお尋ねしようとは思っておりません。  つまり、私が前段に質問をしてきた底流は、県が余り拙速主義に走ることを十分国が指導すべきであるという立場に立った質問であったわけです。特に最近この石垣島空港問題をめぐって新しい問題点が幾つか生じていると思うんです。  まず一つは、先般、コスタリカで国際自然保護連合、つまりIUCNの総会がございまして、日本の政府も態度として白保の問題については十分配慮するという見解を出されました。二つ目には、その会議を受けて先般日本環境会議、代表委員が都留重人さんですが、その方々沖縄で会議をされてその総論発表をしたんです。その紹介をしました。三つ目には、衆議院において堀内環境庁長官環境問題について新しい見解を出されました。四つ目には、石原運輸大臣が、ほかの地も検討の対象にしたらどうかという発言を行いました。五つ目は、小渕官房長官に対して、土井委員長、鯨岡先生、田先生などなどが超党派でこの問題について申し入れ、小渕長官も十分わかったというようなお話がされています。  それから六つ目は、社会的に影響力を持っている学者先生が皮肉っている声明も出しています。なぜかというと、五百メートル縮小されたからといって問題が解決したことにはならないんじゃないのか、なぜ県は急ぐんだ、なぜ拙速なんだ。翻って見れば、六十六年に沖振法が切れる、だから高率補助があるときにこの際一挙にやってしまったらどうかというように見られることもあるというような皮肉った声明を出しています。こういう新しい事態というものが今日発生していると思うんです。  そこで、長官に、こういうような新しい状況を十分踏まえた上で国がどう対応するかというときに、私はこう思うんです。さっきも述べたんですが、自然と調和した開発、つまり都市づくりには三つあるよということを述べたんです。第三のボローニア方式でいったらいいんだ、それは自然を取り戻そうということを中心にした開発、これが七十年代の、二十一世紀を迎えて私は大変重要なことだと思うんです。世界的にもこの潮流になっているわけです。こういうような問題を十分取り上げてほしいと思う。  それから沖縄の解放、平和と人権と自治という三本柱が成り立たないと沖縄の真の解放ということはないんじゃないか。そこで言いたいことは、賛成反対意見が多くあることは私も承知しています。けれども白保の地区の人が、ただ自分たちがわがまま言っているというような受けとめ方ではなくて、住民が完全に理解をする、納得する、そういうような自治行政でなきゃならぬと思うんですね。  そういう意味で、私は、結論として長官にお願いをしておきたいんですが、今開発庁は必ずしもアセスとか準備評価するに当たっての所管省ではないです。けれども運輸省とか建設省とか環境庁に対してやはり住民の意思及び今白保の問題というのは世界的にも日本全体の問題ともなっているわけです。そういう意味で、アセスをする、また埋め立て免許が切れる場合でも十分関係者の意見を聞いた上で措置しろということを開発庁長官から関係省庁に伝えてほしいと思うんですが、いかがでございますか。私の今までの意見と感想と私のお願いをどうお考えかお聞かせください。
  108. 粕谷茂

    ○国務大臣(粕谷茂君) 先生御指摘のように、手続の点では運輸、建設、環境、それから事業者であるところの県とか、それぞれ省庁が関係をするわけでございますが、私どもとしては、この事業が円満に進められていくことを願っておるわけでございます。しかし今の先生のおっしゃるようなこともありますから、今後関係省庁と連絡をとってまいりたいと、こう思っております。
  109. 鈴木和美

    鈴木和美君 いろいろ意見があると思うんですけれども、本当に納得ずくの開発をする、おくれたっていいじゃないですかという意味で、ぜひその気持ちを伝えてほしいと思うんです。  それでは、沖縄のこの法案に入らせていただきます。  まず最初に、これも開発庁長官にお尋ねしたいんですが、沖縄の経済社会というものは復帰後目覚ましく着実に前進はしているというように、どの資料を見ても私も実感的にそうは思います。けれども、まだまだ本土から見ればいろんな面で格差というものは生じていると思うんですね。そういう観点からすると、沖縄のこれからの開発と開発施策の展開ということにやっぱりエネルギーというものは欠かすことができないと思うんです。とりわけ電力でしょう。  そこで、そう考えたときに、たまたま通産大臣から先般趣旨説明をいただきました。そして、沖縄の振興、開発の立場から、沖縄の電力の民営化という問題が出てまいりました。これについて、沖縄開発、経済、一雇用に及ぼす影響が非常にあるわけですから、粕谷沖縄開発庁長官としてはこの民営化という問題についてどういう御見解をお持ちか、まず聞かしていただきたいと思います。
  110. 粕谷茂

    ○国務大臣(粕谷茂君) 民営化されましたらば、民営企業としての特徴といいますか創意、それから弾力的な経営、こういうことをぜひ発揮していただきたい。特に、御指摘のように沖縄はさきの大戦で地上戦を含めた大変な被害を受けておりますので、そういう犠牲を受けた沖縄にお報いをするという意味でも、沖縄の中心的な企業としての役割を果たしていただいて、これから先もひとつ沖縄のために大いに活躍をしてもらいたい、こんなふうに思っております。そういう点で、開発庁としても言うべきときには、民営化された後、法案が成立しなければまだちょっと話すのには早いかもしれませんが、後も私どもも大いにこの電力問題については沖縄のために発言もしていきたい、こう思っております。
  111. 鈴木和美

    鈴木和美君 提案理由を承っておりまして、田村大臣趣旨説明の中には二つのことが述べられております、この民営という問題に対して。沖縄復帰以来の課題であるということが一つ述べられておって、もう一つは行政改革というようなこともあるということで、二つの立場から民営というようにしたいというように述べられております。これはどういうふうに理論づければいいんですか。片方の行政改革の方の民営化というものと復帰以来の課題であったという民営というものが同質かと思うと、どうも違うんじゃないのかなと思うんですが、その辺はどんなふうに理論づけますか。簡単でいいですから、余り長々しいと時間がなくなるから。
  112. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) 基本的には理念は一致しているんではないかと考えております。沖縄復帰以来の課題ということでございますが、まさにそこで目指されておりましたのは民営会社による効率的な経営ということであったんではないかと思うわけでございます。他方、現在の行政改革でございますけれども、基本的には活力ある福祉社会の建設ということが目指されておりまして、自助自立を原則とする活力と創意を生かしていくんだ、そういう観点から官民の事業分野を望ましい方向に調整していく、こういう考え方ではないかと思います。そういう意味では、やはり民間の創意を生かして効率的に考えていこうという理念は基本的に一致をしていると理解をいたしております。
  113. 鈴木和美

    鈴木和美君 時間の関係で、復帰以来の懸案であったというところについて余り触れませんけれども、私が一番心配することは、たまたま資源エネルギー庁の諮問機関である沖縄電気事業議会というのがございます。ここである心配を提起していると思うんです。  つまり、沖縄県のみを供給地域とする、いわば独立した民営によるということでの供給方法の問題点を挙げれば、「将来にわたって本土並みのコストで電気の供給ができるということでは期待できない。したがって、本土からの大幅かつ永続的な援助がない限り、将来にわたって確実な本土並み電気料金水準を確保するという前提条件を満たすことができなくなる恐れが大きい。」と指摘しています。これと今回の問題とはどういうふうに関連させますか。
  114. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) ただいまの中間報告に指摘されておりますような問題意識というものにこたえるために、累次幾つもの手を打ってまいったわけでございます。先ほど来御説明申し上げているわけでございますけれども、経営体質の改善のために二分の一減資を行うというような対応もいたしました。また、石油依存度を引き下げるためにへ電発による石川石炭火力の建設というような手も講じたわけでございます。それにその後の環境の改善と申しますか、石油価格の低下というような状況も加わってきたわけでございますけれども、現在では何とか料金水準も本土並みと言える範囲に入ってきているわけでございます。  今後の対応といたしまして、現在の助成措置沖縄振興開発法が存続する間はこれを維持いたしてまいりますと同時に、さらに沖縄電力自身が考えておられます石油依存度の一層の低下、具体的には石炭火力の増設といったような面につきましても可能な限りのバックアップを講ずるというようなことを考えているわけでございます。こうしたことによりまして五十七年に指摘されました問題点というものは基本的には克服されつつあると考えている次第でございます。
  115. 鈴木和美

    鈴木和美君 今のお話は、沖振法があるうちはいわゆる財政上というか、そういう特例というかを続けるということですね。それはそうでしょう。だが六十七年から切れるわけです。それから何もないんだと思うんですよ。あるのかどうかは、私はこれからもっと考えろということを言いたいんですけれども。  なぜかというと、沖振法があるなしにかかわらず、沖縄県の電気供給事業ということを考えた場合の構造的な問題というのは依然としてあるわけでしょう。例えば地理的に離れているとよく言われるんです。沖縄県全体が小さい島から成っているために離島間の連携がとれず、小規模型の発電形態とならざるを得ないとか亜熱帯気候下にあるというような問題、これも全く構造的なものとしてあるわけです。だから、幾ら民営化したからといっても、こういう問題がある限り、沖振法が切れたからといってまあ自力でやれやということだけではちょっと突っ放したことになりはせぬかということが私は心配なんですが、いかがですか。
  116. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、税制上の優遇措置あるいは沖縄開発公庫からの融資等につきましては沖振法が背景になっていることは御指摘のとおりでございます。六十六年度以降の問題につきましては、沖縄振興対策全般の展望の中で論議がされるべきものかというぐあいに考えております。  ただ、私の方から改めて申し上げさしていただきたいと思いますのは、例えば石川石炭火力の建設、それに対する補助といったものは、これはむしろ電源多様化政策というような一つ違った角度からの施策として展開をされているわけでございます。沖振法の六十六年度以降の取り扱いがどういう方向になったといたしましても、電源多様化政策といったものは引き続き推進できるわけでございまして、私どもとしましては、こういう電源多様化政策というような角度からの従来沖縄電力に対して講じてまいりました対策、今の石炭火力のほかに例えば太陽エネルギーの利用とかそういった面での研究開発等も行っているわけでございますけれども、こういうものは引き続き六十六年度以降も実施できるというぐあいに考えている次第でございます。
  117. 鈴木和美

    鈴木和美君 今のお話によりますと、ある程度の国としての援助ですか、そういう助成ということはできるというようなお話のようなんですが、私が今問題にしている、どっちかというと財政上の優遇の問題は、まあ登録免許税というような問題はこれは何百万単位でしょうから大したことはないと思いますが、地方税ですね、こういうものの優遇というものが今日までとられてきたわけでしょう。沖振法がなくなるということになると、これは全部消えるということになります。ところが、地元からはこういう問題を慎重に考えてほしいということで十分要望があったと思うんです。 だから、沖振法があるうちはまだいいんですけれども、なくなった場合のこういう地元からの要請というものに対しては一体どういうふうにおこたえになるつもりですか。
  118. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) 私どもといたしましては、率直な希望を申し上げさせていただければ、六十六年度から先につきましても現在の助成措置がある程度存続されるというようなことが講じられればそれにこしたことはないと思っておりますし、またそういったチャンスがあるようでございましたら、私どもとしてはそういう方向で関係省庁との意見調整ということを図るべき立場にあろうかと思っておりますが、これは全体の推移の問題かと考えております。  ただ、例えば融資につきましても、九電力に対しましては日本開発銀行からの融資というのは行われているわけでございます。もちろん沖振法があるかどうかによりまして金利水準等の違いはあろうかと思うわけでございますけれども一つの例としましてはそういう手がかりもあるわけでございますので、先ほど申し上げましたように、全く様相が違ってしまうというようなことにならないのが望ましいなというぐあいには、そっちの面でも考えている次第でございます。これは今後の課題ということで受けとめさしていただきたいと思います。
  119. 鈴木和美

    鈴木和美君 田村大臣にお尋ねしますが、この法案は検討中ということになっておったんです、この国会に対しては。私は、検討中というものは、今問題になっている沖振法が切れてからの取り扱いというようなものも十分対応を検討した上で提起されるという意味で検討中というふうになっておったんだと思うんですが、そこのところがきちっと決まらないのに、ぱっと早くこれ出してきたということは、どういうことに考えたら大臣よろしゅうございましょうか。
  120. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) これは既に御承知と思いますが、昨年十二月に閣議決定されました行政改革大綱で「民営移行のための諸条件を早急に整備し、それが整い次第速やかに完全民営化を行うこととする。」というふうになっておりました。税制、金融上の助成措置を当面継続すること等について関係省庁といろいろと協議をしておったわけですけれども、十分には調整がついていなかったということも率直に言ってございました。当初は検討中ということにしておったわけです。余り言いわけにならない理由なんですけれども調整がなかなかつかなかった。それがようやく調整ができまして、そして沖縄電力の政府保有株式を売却すること、それから税制、金融上の助成措置を当面継続すること、沖縄公庫からの借入金について一般担保制度を設けることなどについて関係省庁間の合意が得られました。これなら法案提出は可能だなという判断をしたわけでございます。同じするならなるべく早く民営化してあげた方がいいのではなかろうかという判断でございました。  今回の民営化に先立ちまして、累積赤字の解消、累積赤字の原因となった石油依存型の電源構成の改革を促進する、減資による配当負担の軽減等、減資分約七十四億円の資本準備金への繰り入れというようなことで財務体質を改善する、強化するというような各般にわたる措置を講じておるわけでございます。従来から講じてきました税制や金融上の助成措置は民営化後も当面継続する、それから沖縄電力の資金調達の多様化に資するために沖縄公庫からの借入金について一般担保制度を設けることとするというような措置を講じて、民営化後の沖縄電力による沖縄の電気事情の安定化というようなこと、つまり安定かつ適切な供給ということが確保されるというような段取りができたものでございますから法案提出に踏み切ったと、こういうことでございます。
  121. 鈴木和美

    鈴木和美君 もう一度戻しますけれども、私が非常に心配なことは、一回制度がえを行えばまたもとに戻すことなんかできっこないんですから、制度がえをするときに慎重な、将来を展望した、俯瞰したそういう対応というものをすべきだということを常に思うんです。今のお話じゃないんですけれども、沖振法があるうちはいいんですが、そうでなくなると——今回の民営化は、地元からも要望がある、県からも要望があるということが踏み切る場合の一つの大きな要素になっていると思うんですよ。片方の行政改革の方はどっちかというとみそもくそも一緒にというみたいな感じだと思うんです。本来持っている沖縄の電力民営化というのとはちょっと質が違うと思うんです。けれども、何としても構造的なそういう不利な条件というものがあるものだから、地元も要望しているからということで民営化して、後はおまえらやれや、わしは知らぬぜというようなことになることを大変私は心配するんですよ。ですから、沖振法の問題がどうなるかという新しい議論もこれから出てくるんだとは思いますが、その沖振法がなくなっても十分現地が対応できるみたいな援助、施策、これを大臣しっかりやってほしいと思うんですが、もう一度御見解をいただきます。
  122. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) おっしゃるとおりといいますか、そういうふうに私ども考えております。民営化を現地から強く求められた、私もお聞きをしましたし、ちょうどあの国鉄時代に当事者能力がなくて手足を縛られた、JRになってからいろんなことができるというのとよく似た話で、やはり何といっても沖縄の主軸たる企業でございますから、これの当事者能力をフルに駆使させて、そして沖縄経済、産業の発展に資するということ、それがたまたま、おっしゃるとおりなんですよ、たまたま行政改革にうまく合うということでございますけれども、政府としても行政改革ということをちょっと提案理由に入れませんとあれでございますので、しかし、実際には現地の要望を強く入れて、言うなれば企業の自由化ということが言われてもいいんじゃないかと思います。  そういうことでございますが、今後もこの問題につきましては、沖縄電力のみじゃございませんが、事沖縄に関しましては私は政府も十分の対応をしていくと思いますが、第一、行政がよしんば仮に、そういうことはありませんよ、行政も一生懸命やると思いますが、行政が仮に今おっしゃったような疑念を抱かざるを得ないような行為をとったとしても政治が許さないと思います。私はその点で非常に安心しております。と同時に、言葉の責任もございますから、これを提案して御可決いただいた以上は、私はまた野に下ってもこの法律に対しては、つまり沖縄電力については私も責任ある立場で振る舞っていきたいというふうに考えております。
  123. 鈴木和美

    鈴木和美君 せっかく呼んでおりますので、大物大臣の後の答弁ではなかなかきついかもしれませんけれども、大蔵省おいでになっていますか。——今の大臣お話を聞きまして、大蔵省としてはどういう見解をお持ちになりますか。
  124. 野村興児

    説明員(野村興児君) 私は主税局の課長でございますので、税について担当している者でございます。  具体的に申し上げますと、先ほど先生が御指摘ございました登録免許税の問題でございますが、これにつきましては、本来特別措置によりまして六十四年三月三十一日まで適用期限となっているわけでございます。したがいまして、今回民営化がございましてもそのままその効果は継続する、今後の問題については六十四年度の税制改正におきまして御議論されるべきもの、こういうふうに考えております。
  125. 鈴木和美

    鈴木和美君 いずれにしても、沖縄の実情を十分しんしゃくの上、対応を間違えないようにしていただきたいと思うんです。  せっかく社長もおいででございますので、皆さん御質問があったんですが、社長、石川の発電所がございますね。今度あなたのところでも十五万六千キロ、何かをつくるようですね。これ競合してしまうんですけれども、どういう御見解でございますか。
  126. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 石川に電源開発がつくりました十五万六千キロワットの石炭火力発電所がございます。沖縄電力は、電発の石炭火力一、二号、各十五万六千キロワットでございますが、 合わせて三十一万二千キロワット、それぞれ六十一年十一月及び昭和六十二年三月に運転を開始しておりまして、本社は同石炭火力と供給契約を締結し電力の供給を受けております。次期電源計画は、当社の現有電源設備と石川石炭火力発電設備を前提として計画しておるものでありまして、競合するものではありません。したがいまして、今後とも安定供給の一翼を担ってもらうことについて変わりはございません。  また、私たちが計画しております十五万六千キロワットの石炭火力発電所は、石川に建設するのではなくて他の適当な場所をほぼ決定しているわけでございます。
  127. 鈴木和美

    鈴木和美君 最後に、どうぞ社長さん、民営化によって職員の問題というものが必ず出てまいりますので、職員に不安のないように対処していただきたい、これは要望しておきます。  一番最後ですが、先ほどの皆さんの議論と重複するかもしれませんけれども沖縄に原子力発電所をつくるお気持ちはございませんですな。答弁してください。
  128. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 原子力発電につきましては当社の発電設備計画の中に含まれておりません。また、将来の計画といたしても考えておりません。新しい発電技術に関しまして、燃料電池、太陽光発電、風力発電、石炭を燃料とする新しい技術等について研究いたしておりますが、原子力発電については研究しておりません。
  129. 中野明

    ○中野明君 通産大臣にまずお尋ねをいたします。  先ほどもお尋ねをしたんですが、この民営化法案が閣議決定をされて提出するのにかなり時間がおくれたという理由をお聞きして、大体のことはわかるんですけれども、最終的におくれた理由というのは、株式の売却方法をめぐって大蔵省と通産省との意見のすり合わせができなかったというのが一つ理由じゃないかと思っておるんですが、大体その点も話がついて、地元に優先的に売却するということで合意ができたというように新聞記事などを見ておるわけなんですが、大臣衆議院で、地元に優先的に割り当てをしようというようなニュアンスでお答えになっておるんですが、もう一度その点大臣のお考えをお聞きしたい。
  130. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 先ほど鈴木委員に申し上げたとおり、余り言いわけにもならないような、各省庁とのすり合わせがうまくできなかった点はありました。けれども、大体すべての条件が整ったものでございますからこの法案提出に踏み切ったというわけでございます。もちろん、この株式につきましては沖縄県重点主義ということは当然のことでございます。
  131. 中野明

    ○中野明君 大蔵省来ておられますか。——大蔵省としてはこれなかなか答えにくいと思うんですが、今の通産大臣のお考え理解できるんですか、どうですか。
  132. 沖津武晴

    説明員(沖津武晴君) 沖縄電力の株式処分に関する地元の御希望、お考えというものは、つとに関係省庁であります通産省からもお伺いしておりますし、また直接地元の方からも伺っているところでございます。沖縄電力の株式は言うまでもなく国有財産でございますので、この処分の具体的なやり方につきましては、国有財産中央審議会に大蔵大臣から諮問をお願いいたしまして詳しく御検討いただくことになろうと思います。その場合に、地元の御要望というものは十分御紹介して御議論いただくことになろうと、こういうふうに考えている次第でございます。
  133. 中野明

    ○中野明君 それで、株式の価格なんですが、これも後のことになると思いますが、余り高い価格ではちょっと困るという面もありますので、この点もよろしく御検討をいただきたいと思います。  それから売却益の使途なんですが、これについても地元から振興開発のために役立ててもらいたいという強い要望が出ておりますが、この点どういうふうにお考えになっておるか。
  134. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 株式の放出あるいは価格等は、これは国有財産中央審議会でこれから御審議をいただくわけでございます。当然沖縄県民の声に耳を傾けていただけるものと私は信じております。  それから、売却益でございますけれども、売却益というものをつかんでそのまま沖縄へ持っていくということは、これは法制上できません。でございますから、一たん国に入りまして、今度は予算の編成のときに十分沖縄県を念頭に置いて、従来も例えば傾斜配分その他で各省庁のお世話になりましたが、予算面で一層の御協力を願えるように、関係省庁に通産省からもお願いを申し上げるし、当然開発庁はそれ以上に強く要請されるであろうと思います。
  135. 中野明

    ○中野明君 今の通産大臣の一連の答えなんですが、株式の売却方法あるいは売却益の使途その他について通産大臣のおっしゃっていること、それについて開発庁長官、お答をいただきたいと思います。
  136. 粕谷茂

    ○国務大臣(粕谷茂君) 通産大臣が申し上げたとおりであろうかと思います。特に黒字部分について、予算編成時にこれは沖縄にぜひ十分な配慮をしてほしいという私どもの願いを込めております。
  137. 中野明

    ○中野明君 株の売却方法についても、地元の要望というものは開発庁としてもぜひ側面から御協力をいただきたい、このように思うんです。
  138. 粕谷茂

    ○国務大臣(粕谷茂君) 株の配分につきましては、県の要望というものを私どももしばしば耳にいたしております。当然そうあるべきではなかろうかという心情でおります。
  139. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 今、実は衆議院において御答弁申し上げましたことをふと思い出しまして、重ねて申し上げておきますが、予算面等につきまして、私は沖縄県民の心情はよく理解できますという言葉まで使って答弁いたしました。今ちょっと思い出しましたものですから、こちらでも同じ答弁をさせていただきたいと思います。
  140. 中野明

    ○中野明君 それでは参考人沖縄電力の社長なんですが、先ほど時間がなくて私も言いそらしたんですが、今回の五月二日の大停電に際して、やはり民営化になってくればくるほど、社長以下従業員もよりサービス向上に努めなければならないという責任もありますし、とにかく大停電が起こったことに対しての責任と、そして県民に対する多大の迷惑をかけたという、そういう点について、社長からやはり一言あってしかるべきじゃないか、このように私は感じております。今後、民営になったらますますその点は重要になってくると思いますので、ぜひこの際一言。
  141. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 今回の停電に際しましては、需要者の皆様を初めとしまして関係省庁方々に御迷惑をかけ、また御心配をおかけしたことを深くおわびいたします。
  142. 中野明

    ○中野明君 原因究明については引き続いてぜひ精力的にお願いをしたい、このように思いますので、よろしくお願いします。  それでは最後に、関連して通産大臣並びに資源エネルギー庁に聞きます。  資源エネルギー庁の電力二百ボルト利用懇談会というのがありますけれども、昨日、第四回の会合を開いて欧米視察の報告と中間まとめを行われたそうでありますが、その状況について教えてもらいたいんです。  現在、日本で二百ボルトの普及率、電力会社から家庭への引き込み線までの達成率が幾らぐらいあって、そして屋内配線になると大体幾らぐらいになるかということ、それが一つと、それから二百ボルトを実施するに当たっての安全性と経済性、国民負担の問題点、これなんかが出てくると思うんですが、その辺も含めてお答えをいただきたいと思います。
  143. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 今御指摘いただきました二百ボルトの件でございますが、昨年の秋以来、資源エネルギー庁の中の電力二百ボルト利用懇談会で、学識経験者その他の方にお集まりいただきましていろいろ御議論をいただいておるところでございます。  その問題意識は、最近の国民生活の高度化とい いますか豊かな国民生活を求めて電気の供給面でもいろいろそのニーズにこたえていかなければならないのではないか。諸外国などを見ますと、ヨーロッパもアメリカもそれぞれ二百ボルト体制ということで、各家庭まで二百ボルトの利用体制というのが普及しておる。そういう意味では、我が国は配電の面でいいますと配電後進国ではないかという反省がございます。  一方、国民生活の面で見ますと、電気機器の利用面で見ますと、百ボルト利用ではなかなか十分にニーズに応じ切れない面がある。例えば最近は、女性の社会進出も著しくなりまして、むしろ家庭における食生活等もより便利にしてほしい、あるいは高齢化社会の中でより安全なエネルギーの使用ができるようにしたいというようなことで、電気の利用につきまして、一遍にたくさんの電気を使ってもヒューズが飛ばないような、百ボルトでございますと利用の容量も限られておりますので、たくさんの電気機器を一遍に使いますとヒューズが飛んでしまう。あるいは冷房一つをとりましても、大きな部屋に十分効果があるクーラーを入れますと、これも百ボルトでは限界があるというようなこともございまして、二百ボルトの利用ができるような供給基盤の強化をすべきではないかというのが問題意識でございます。  現在、どのぐらい二百ボルトが利用できるかということにつきましては、難しく言いますと、単相三線方式か単相二線方式というふうに言っておりますが、通常の引き込み線につきましては、現在全国平均いたしますと六六%程度が単相二線方式の引き込み線ということになっておりまして、百ボルトしか利用できません。ところが残りの約三分の一につきましては単相三線方式ということで三つの線が来ておりまして、その組み合わせの仕方では二百ボルトも利用できるようになっております。あとは屋内の配線が二百ボルトが利用できるようになっておれば、三分一は二百ボルトが今でも利用できるようになっております。  残念ながら、現在の各家庭の状況を見ますと、屋内配線が二百ボルトが利用できるようになっておりますのはほんの数%というのが実態でございます。ただ、新築の家屋その他につきましては、最近では二百ボルト利用ができるような屋内配線までするような形になりつつございます。これもニーズの多様化が進み、またニーズがそれだけ進んでおるということだろうと思います。そういった面を含めまして現在体制整備をどうすべきかを議論していただいているわけでございます。  なお、安全性につきましても、やはり百ボルトと二百ボルトでは感電いたしました場合でもそれだけ影響が大きいということもございます。現在の単相三線方式でやります場合には、実は通常の感電でございますと、アースいたしますので百ボルトの電圧という形になるという技術的な問題がございまして、今の単相三線方式による二百ボルト利用につきましてはそれほど危険が少ないのではないかというような議論もございますが、いずれにいたしましても、安全問題というのは非常に重要でございますので、それまで含めて今議論をしていただいているわけでございます。
  144. 中野明

    ○中野明君 通産大臣はこの電力二百ボルトの推進ということについてどういうお考えをお持ちですか。
  145. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) どういうと言いますと、私個人でございますか。
  146. 中野明

    ○中野明君 そうです。
  147. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 実は便利になればいいなという程度のことでございますが、聞いてみますと百ボルトと二百ボルトと両方使えるようにしようという、アメリカ方式をとりたいというようなことも考えられておるようでございます。それならばいいかな、便利になるのはいいけれども、そのために各家庭に、つまり庶民に多大の出費、何もかもつくり直さなきゃならぬという多大の出費を強いては大変だなということで私も若干慎重に構えておったんですけれども、両方使えるというんならそれは便利の方がいいかな。特に最近のようにクーラーやヒーター等がどこの家庭でも完備してきたということになればなおさらそれにたえるようにした方がいいかなというふうには思っておりますけれども、事務方から聞きましてその点やはりあった方がいいんだろうねというような気持ちで今はおります。
  148. 市川正一

    ○市川正一君 先ほど前半の質疑を行いましたが、それを踏まえてまず通産大臣にお伺いしたいんでありますが、沖振法における沖縄電力株式会社にかかわる条項を削除して、そして沖振法の期限の前にあえてなぜ沖縄電力を民営化しなければならないのか、また民営化が県民にとって、県経済にとってどういうメリットがあるのかなどについてお伺いいたしたい。
  149. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 沖縄電力の民営化は、この会社の設立以来地元において強く要望されておったものでございます。また、政府の側におきましても累次にわたる閣議了解等でうたわれてきたものでございます。しかし、これまでは御承知のように石油依存度が一〇〇%というような非常に経営基盤が脆弱でございました。二度にわたる石油危機の結果、収支が急速に悪化して赤字が累積したために民営移行は非常に困難でございました。最近に至りまして、累積赤字の解消、これが昭和六十年度でございます。それから電源開発石川石炭火力発電所の運転開始による石油依存度の低下、減資による配当負担の軽減等減資分約七十四億円の資本準備金への繰り入れ等々によりまして財務体質の強化等が図られまして、民営化のための環境が整ったと考えられることから民営化に踏み切ったということでございます。  なお、先ほどもちょっと申し上げたように、やはり沖縄県民にとっては、沖縄県の最も基幹企業であると言ってもいい沖縄電力でございます。この沖縄電力に民営企業として余り拘束を受けない当事者能力を与える、そうして思う存分の働きをさせて沖縄県の経済、産業の活性化の牽引車になってもらう、そういうことで沖縄県民もこれを望んだと思いますが、私はその選択は正しかったというふうに思っております。
  150. 市川正一

    ○市川正一君 果たしてそうなのかどうかということが論点であります。以下、時間の許す限りその問題について議論を交わさしていただきたいと思う。  まず伺いたいのは、そういうことになりますと、先ほど参考人の沖電社長も申されたんでありますが、電気事業以外の事業をも実施していくということに相なってくるんですが、今あります沖電の定款、これですが、その第二条、目的ですが、「本会社は、沖縄県における電気の安定的かつ適正な供給を確保するため、次の事業を営むことを目的とする。 一 電気事業 二 電気事業に附帯する事業」とあるんですが、この部分を含む定款はそうすると変更するということに相なるんですか。
  151. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 御参考までに他の九電力会社がどんな定款になっているかをちょっと御紹介さしていただきますと……
  152. 市川正一

    ○市川正一君 いや、これは変わるのか変わらぬのかだけで結構です。変わりますか。
  153. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 定款の変更につきましては、これまでは通産大臣の認可が必要になっておりました。特殊法人が民営化いたしますと定款変更につきまして認可は不要となります。ただし、電気事業法が適用になっておりまして、兼業につきましては許可が必要になっております。本業であります電気事業の的確な執行に必要のないものといいますか支障を来すような場合につきましては許可をしてはならないことになっております。  それで、先ほど申しましたように、ほかの電力会社につきましての定款をちょっと見てみましたら電気事業と附帯事業以外に「電気機械器具の製造及び販売」と定款に入っているものがございますが、それ以外にはないようでございます。
  154. 市川正一

    ○市川正一君 いずれにしても、この電気事業以外の事業を実施していくということは公益事業である電気事業の収益、つまり県民が負担している電気料金がそれに使用されるということに相なります。それに充当されることになるわけです。民 営化されればほかの事業への資本出資は自由になる。沖縄電力の基本的使命である沖縄県民への本土並みの電気の安定供給、それについてはあと時間があれば少し論じたいんでありますが、その本業がおろそかになるおそれはなきやということについて、絶対に心配ないと、こう断言なさいますか。
  155. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) それは経営者がそんなばかなことをするはずはないと思います。やはり本業中心、そしてあとは関連ということになるんでしょう。関連、それに附帯。私はどうなるか知りませんが、ほかの電力会社は関連に附帯というのがついています。沖縄は関連でとまっております。——逆でした。
  156. 市川正一

    ○市川正一君 思いつきで言うてくれたら困るな。
  157. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 東京電力は、「電気事業 電気機械器具の製造及び販売 前各号に附帯関連する事業」と、こういうふうにあります。沖縄電力は、「電気事業 電気事業に附帯する事業」というふうに限定されています。
  158. 市川正一

    ○市川正一君 今のですよ。
  159. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) ええ、今のは。
  160. 市川正一

    ○市川正一君 これがどうなるのか聞いているのです。
  161. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) だから、それが仮に広がっても主事業である電気事業をおろそかにするはずはありません、経営者が。これは信じましょう。
  162. 市川正一

    ○市川正一君 ここに社長がいらっしゃるから、何も社長が足りないとかそんなこと言うてるのと違います。  成り行きとして伺いたいのは、今の沖電の設備投資はこの十年間で千二百四十億円に上っておる。また、提出された資料によっても電源開発株式会社の石川石炭火力発電所の総工事費は九百八十億です。国の補助は三〇%の二百八十六億円になっている。じゃ、この沖縄電力の設備投資並びに石川火力発電所の工事沖縄県内企業への発注とそれから本土企業への発注の比率はどうなっていますか。
  163. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 今御質問の点でございますけれども、残念ながら私どもも把握できません。これは例えば石川石炭火力をつくります場合に電発が発注しますが、どこに発注しているかというのは私どもとしてもわからないわけでございます。沖縄電力が工事をする場合につきましてもそういった統計資料等ございませんものですから、残念ながら数字を把握できない状況でございます。
  164. 市川正一

    ○市川正一君 私は大臣にあえて申しますが、その主要な事業一つとして安定した電力の県民への供給と同時に、前半戦で大分やったんですが、沖縄県の県民生活沖縄県の経済にそれを還流していく、そういういわば地元への貢献という側面があるんじゃないか。社長もそうだと言われました。  それで、私は、今のはいわば官公需と同じじゃないからというような意味でおっしゃったんだろうと思うんだけれども地元と本土、この分類は必ずしもしていないと、こうおっしゃったんだけれども、やはり沖縄県の経済の拡大再生産として県経済に還流していくということは、言うならば、社長のお言葉をかりればリーディングカンパニー、大臣のお言葉をかりれば基幹産業というものとしての沖電の果たす役割は非常に大きいと思うんです。しかも、沖縄の県民所得は全国の七四%です。失業率は本土の二倍以上あります。だからこそ沖振法でも対策を講じているのであります。  私は、従来からこの電気事業者事業が、沖縄においてやっぱり大企業、特に本土企業への発注が中心になっておると思うんです。これは後で申しますが、今後膨大な開発計画があるという場合に、県内企業への発注、沖縄経済への還流ということをもっと重視すべきでないかと思うんですが、この点はどうでしょうか。
  165. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) 私どもも地域経済の中核としての企業活動という意味はまず本業だと考えております。先ほど社長からもお話ございましたように、民営化ということで動いていくとすればやはり電源の多様化といいますか、例えば石油依存度を下げるために新しく石炭火力発電所をつくろうと、これはまさに創意工夫だと思います。その過程におきまして、地元重視、発注についても地元企業に十分配慮していくというような姿勢は当然とられていくわけでございまして、それがまさに地域経済の中核としての役割ということになるんだと思います。  また先ほど、これも社長がおっしゃったことでございますけれども、今まで企業誘致活動にはほとんど力を入れていなかったけれども、今後は積極的に力を入れていきたい、これはまさに今の定款を直さなくてもやれることでございますし、それが地域経済の振興につながっていくことは明らかでございます。まず本業の中で地元経済の振興に寄与するように活動をされていくこと、本業に影響を及ぼさない範囲で、かつ電気事業法で許される範囲でさらにほかの事業ということも考えられるかと思いますけれども、おっしゃるように基本は本業だと思います。本業の中でもっと弾力的に、意欲的にやれることはたくさんあると思っております。
  166. 市川正一

    ○市川正一君 では、具体的に伺うんですが、通産省からいろいろ資料をちょうだいいたしました。これについてはまた別途申しますが、その資料によりますと、沖電の六十三年度の施設計画は、設備工事資金がことし二百四十六億、来年度二百五十一億円となっています。これはこの十年間の平均の工事費年百二十四億円に比べて約二倍のペースになる。なぜこういう膨大な設備計画あるいは設備投資が必要なんでしょうか。
  167. 浜岡平一

    政府委員(浜岡平一君) やや長い目で見ますと、基本的には先ほど来諸先生から御指摘になっておりますような、まだ石油依存度が高いというようなウイークポイントを乗り越えていくために、電源面での工夫あるいは投資が一段と必要であるというようなことがあろうかと思います。特に当面離島のディーゼルの更新というような課題もあると承知をいたしております。また、先ほど来問題になっておりますような今回の停電等にかんがみますと、送配電体制の整備、これはやはり本土九電力と比べますとなお立ちおくれのある面があることは否みようがないわけでございまして、この辺についての一段の投資というようなものが必要になってきているかと思います。  幸いにいたしまして、ほかの九電力と比べてみますと需要の伸びは相対的には高いわけでございまして、需要の伸びに伴う電気料金収入の期待というものもあるわけでございます。また、幸いにいたしまして、最近の経営環境の改善によりまして累積益というものがかなり存在しているというようなことも当然配慮の中に入っているというぐあいに思うわけでございます。私どももそうした面での創意工夫が必要であることは当然だと思っておりますけれども、同時に、経営面にいたずらに大きなインパクトを与えないようにというような配慮というものも当然必要だと思っておりますし、そういう観点から注意深くこの沖縄電力の活動ぶりというものを見守ってまいりたいと考えております。
  168. 市川正一

    ○市川正一君 年間二百四十六億、二百五十一億、二百数十億というのは収入のほぼ四分の一を上回る額です。そういう過大な設備投資がにわかに必要だということは、私は二つの点で疑問があるんです。  一つは、結局民営化の土台づくりのために今まで必要な設備更新をやってこなかったということを意味するのか、それとも利益を圧縮するための投資かというふうに思わざるを得ぬのです。もし前者だとすれば、なぜあえて民営化によってこれを実施しなければならぬのか。むしろ、そういうふうに本当におくれているというのだったら、沖振法に基づいての国の支援の必要性を示しているのじゃないか。もし後者だとすれば、県民に電気料金の引き下げを実施して還元すべきじゃないか。これだけの設備投資ができるというのは、結 局は八〇年のあの大幅値上げがございました。これによる利益とか円高による差益を十分に還元していないことになるんじゃないかと思わざるを得ぬのですが、この点はどう認識されておりますでしょうか。
  169. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 設備投資が過大ではないかというお話でございますけれども、それぞれ需要が伸びてまいりますと、その供給責任がございますので、その供給がショートしないように十分な供給体制を整備していかなければなりません。これは発電部門だけでなく送電、配電部門も含めてでございます。  ちなみに、九電力の設備投資規模、これは御案内のとおり三兆四千億円ぐらいの規模の設備投資をこの二、三年いたしております。九電力の売上総額は十兆円から十一兆円の間でございますが、一言で申しますと売り上げの三割ぐらいの設備投資を年々していかなければ供給責任を果たし得ないというのが実態でございます。沖縄電力につきましても、たまたまこの数年間は電発の石川石炭火力のおかげで、メーンの部分につきましては、電発の設備投資に依存して電源部門が少なかったわけでございますが、これからは電源部門についてもまた拡充をしていかなければならないということ、それから送電流通部門につきましても、今回の停電事故にかんがみましても、送電ルートにつきましてもできるだけループ化でございますとか二ルート化とか、いろいろな形で供給の安定を図っていくということが供給信頼度を向上させるためにぜひ必要でございまして、必要な設備投資をしていかなければならない。  それから、それが料金に転嫁されるではないかということでございますけれども、これは先生御高承のとおり、設備投資いたしましたものはそれぞれ償却費あるいは金利という形でかかっていきますが、これは一遍にかかるわけではございませんで、それぞれ十数年の耐用年数を持つものが多うございまして、平準化をしてかかっていくということでございます。ちなみに、この沖縄本土復帰以来沖縄電力の設備投資の額は、年々ごらんいただきましてわかりますように場合によっては二百億円近い設備投資をしたときもございますし、百億円を割っている年もございます。それぞれ需要に応じて供給責任を果たしていくための必要な投資ではないかと考えております。
  170. 市川正一

    ○市川正一君 僕は設備投資そのものを否定しているんじゃないんですよ。今までの二倍のペースのものがばあんと一遍に出てくるのはおかしいじゃないか、それまでは結局何していたんだということになるわけです。前半の質疑の中で、同僚の中野委員の何でおくれたのかという質問に対して、浜岡長官がいみじくも収支問題が民営化をおくらしてきた原因だと、それが解決したのでというふうにおっしゃいました。先ほど来政府も盛んにそういうふうに言っておられるのは、結局極めて人為的に黒字に持っていくという一翼として設備投資を今まで抑えておいて、今度民営化になったら二倍のペースで歴年やっていくというのはおかしいじゃないかという問題なんですよ。  それから、もう時間がないので次の問題を伺いたいのは、民営化後の沖縄電力は今の供給力七十六万三千キロワットの約五割に当たる三十八万二千キロワットの電源開発が六年後、十年後には必要になっているというふうにいただいた資料で明らかにされております。ところが、税制あるいは財政上の支援措置は三年後の九一年度まででありますから、その計画沖縄電力が自力で実施しなければならぬことになります。そうしますと、結局今でさえ九電力平均よりも四円八十八銭、二一・八%高い電力料金を県民が料金の形で負担せざるを得ないことにはならないでしょうかということをお伺いしたいんです。
  171. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 先ほど十分な御答弁にならなかったかという感じはしておりますが、もうかったから利益隠しのために設備投資をしているというようなことはできません。設備投資の場合には資産になってしまいますものですから、経費としてはそれぞれ償却費として年々少しずつ落ちてくるという形で、いわゆる還元が不足して、それが利益隠し的になっているということはございません。  それから、設備投資をいたしました場合に、それが料金にはね返ってくるというのも、これは先ほども申しましたように耐用年数に応じてそれぞれ年々償却をしていくわけでございまして、その償却費負担分がいわばその年のコストになってくるということでございます。もちろん設備投資量が多ければ償却費もふえますので、その分だけふえるわけでございますけれども、そういうふうに御理解いただければと思います。
  172. 市川正一

    ○市川正一君 もう時間だそうです。それで、最後の結び的質問でとどめを刺したいんでありますが、残念ながら与党の矢野委員が先ほど質問なすって、それでいまお見えにならぬのです。矢野委員は通産行政にも詳しい方ですが、先ほど御質問の中で、大臣御不在でしたが、立地条件から沖縄電力の場合、本土並みではなしに本土よりも低くすべきだということを二度三度にわたって力説強調なさいました。私はここで繰り返しませんが、沖振法の精神はそうだと思う。特に三本柱の中の二番目は電気事業振興のための特別措置ということであえてやってきたわけですね。  そうしますと、沖縄の電力事情というのは、離島関係で二十億円の負担があります。また米軍関係で少なく見ても三十億円あります、前半にちょっとやりましたけれども。それに加えて一〇%の配当で七億円、税の減免措置の廃止関係で十六億円、合わせて七十三億円の負担が電気料金としてのしかかってくる。しかも沖縄電力の脆弱性は、燃料費の費用に占める割合が本土の九電力の一六・四%に対して二三・九%であります。そうしますと、非常に脆弱な基盤にある。原油価格の上昇でもろに影響を受けることは明白であります。としますと、不可避的に予想されるところの電力料金の値上げに対して、今回の措置をあえて行う政府の責任というのは極めて重大であります。今、具体的に矢野委員がおられたら大いに意を強うするところでありますが、残念ながらいらっしゃいません。与党の委員ですらそういう問題をやっぱり提起している。ここにまた沖縄出身の先生方いらっしゃいますけれども、大いに我が意を得たりという顔をなすっていらっしゃいますが、時間が参りましたので、この問題について見解をお伺いして質問を終わりたいと思います。
  173. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 我々が講じようとしておりますことはすべて沖縄県民のためを思ってのことでございます。
  174. 市川正一

    ○市川正一君 そうならぬです。歴史が明らかにしております。
  175. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 大臣、私は冒頭に、民営化は沖縄百二十万県民にとっても、また政府におかれましても民営化してよかったと、現在及び将来に向けても心から喜べる、また子孫に対してもこういう民営化でなければいけないということを先ほど申し上げました。その心で二つの問題を尋ねたい。これは衆議院においても、また今日の沖特においても触れられた問題でありますが、私はまた私の立場から確認いたしたい。  その一つは、株の売却方法をめぐっては、衆議院やあるいはきょうの委員会でも述べられましたが、私は、沖縄県民を主軸とする民営移行が株主構成の面からも実現するように関係当局の配慮をお願いいたします。このことは既に昭和四十八年七月十三日の沖縄電気事業議会中間報告の中に明記されております。「沖縄県民を主軸とする民営への移行を可及的速やかに実現する必要がある」と、こう明確に報告されております。  そこで主軸というものを私はこのように考えます。広く沖縄県民あるいは自治体、各種団体が公平に株を保有し、沖縄電力の安定供給により県民生活の向上を考える基盤をつくるということでなければいけない。  そこで通産大臣、株の売却方法と株主構成について、お気持ちは先ほど来述べられましたが、本当にそういった縄張りという域を越えて、政治家通産大臣というこの姿勢で言ってもらうなら百二 十万県民は本当に心から喜ぶだろうと、喜屋武も含めて、そういう気持ちでひとつ大臣の所感を求めたい。
  176. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 今、具体的に申し上げることができないことを非常にもどかしく思いますが、この株式の売却方法につきましては、国有財産中央審議会で御審議を願うものでございますから、審議会の審議経過あるいは結論が出ていないときに私が先走って審議会をリードするというがごときは国務大臣として避けなければならぬと思います。非常にもどかしくさえ思っております。けれども、この株式についての安定株主というような面において、沖縄県民の願いというものは必ずや審議会に反映させてくれるであろうと、私はこのように信じて疑っておりません。政治家として、あえて答弁要旨を無視した表現で申し上げましたけれども沖縄県民を主軸とした株主構成というものは、私は必ず実現するであろうと信じております。
  177. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 事実は何よりの真実だと私は言うんです。今の大臣のお心が具体的に実ることを私は期待いたします。  次に、株の売却益の活用についてお伺いしますが、このことも衆議院でもあるいはこの委員会でもそれなりに触れられたと思いますが、私はぜひ沖縄の振興開発と県民生活の安定向上のために使用していただきたい。今年度予算ではNTT株の売却益の貸し付けが行われましたが、沖縄電力の株の売却金は具体的に目に見える形で、例えば沖縄における電力安定基金のような構想のもとにその造成に継続して活用してもらいたいということなんです。  なぜかと申しますと、特に沖縄の出身であるがゆえにまたこのことについても十分理解しておるわけでありますが、理解といいますのは、この沖縄電力はもともと県民の財産であったという事実なんです。アメリカ占領軍の統治下において、戦後の米軍の払い下げのディーゼル発電機による夜間点灯から始まった沖縄の電気事業は、その後琉球電力公社に引き継がれました。これは施政権返還で資産買い取りの対象となりましたが、その資産は米国の施政権下にあって県民が営々と働いて築き上げたものであり、買い取りの対象にすべきでないというのが私たちの主張でありました。今もこの見解は変わっておりません。  政府は、こういういきさつは十分承知していただいておると思いますが、こういう事情は民営化に当たって反映されてしかるべきであり、先ほど申しましたように株の売却益は目に見える形での活用をぜひお願いしたいと思います。このことについて、財政当局及び沖縄振興の立場から通産大臣そして開発庁長官の所見を求めます。
  178. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) この株式売却益は、それなりのルールで国庫に入るものでございます。でございますから、これを特定財源という形で最初から割り切ることは、これは法的にも難しいと思います。  でございますが、ただ沖縄県民のお気持ちというものは痛いほど私にわかります。どういう形にするということはとにかくとして、予算編成のときに十分の配慮をするということで県民にお報いをしたい、またそうあるべきであるというふうに考えておりますので、関係省庁に対して私どもからも強くお願いをし、沖縄県民のお気持ちを、また喜屋武先生のお気持ちを十分に伝達をいたすことをここでお答えをしておきたいと思います。
  179. 粕谷茂

    ○国務大臣(粕谷茂君) お尋ねの問題につきましては、今田村通産大臣からお話のありましたように、この売却益は一定のルールに基づいて国庫納入でございます。予算編成の問題とも絡んでいるかと思います。今の段階で私がこれこれこうというようなことを断定的に申し上げることはできませんが、沖縄の振興開発を担当する大臣として、先生のおっしゃるように、ぜひひとつ沖縄の皆様のためにこういうことが用いられたらありがたいことだなと心情的にそう考えております。せっかく田村先生が今御答弁なさいました御趣旨を私も承っておりましたが、有力大臣でもございますので、御理解ある沖縄に対する御支援をお願いをしながら努力していきたい、こう思っております。
  180. 永田俊一

    説明員(永田俊一君) ただいま先生から財政当局の方からもというお求めがございましたので、両大臣からお答えありましたですが、あえて私の方からお答えを申し上げます。  両大臣からお答えありましたように、この問題につきましては、国全体の財政状況あるいはその施策の必要性あるいは緊急性等を総合的に勘案しながら、予算編成過程において慎重に検討すべき問題だと財政当局としても考えております。
  181. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 次は、通産省と座喜味沖縄電力社長に尋ねます。  那覇市内中心部の市街化密集地における電線の地中化、これは観光立県を目指し国際化を図る沖縄にとって今後の大きな課題であります。今のところコスト負担をどうするかが問題ですが、台風常製地帯である沖縄県にとって停電事故の減少にもつながるわけであり、メリットも大きいと思うので、関係省庁との連絡、バックアップを受けながらぜひ推進していただきたい、これが一つ。  さらに、それと関連します那覇の仲井真小学校と松城中学校のちょうど校舎の真上を六万六千ボルトの高圧線が通っておりますが、児童生徒の安全のためにも、これはもう生命にかかわる重大な問題であり、危険でありますが、ぜひ地中化を図ってその解消をしていただきたい。これはぜひ通産省の指導を待って沖縄電力の社長もこの問題を真剣に取り上げてもらいたいと思います。そのことについて見解を求めます。
  182. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 配電設備の地中化でございますけれども沖縄電力といたしましては配電設備を近代化いたしまして、配電設備の近代化と申しますと主として配電自動化でございますが、他社に比べておくれておりますので、当面停電回数の減少、停電時間の縮小などにつながる配電設備の拡充強化をまず第一のプライオリティーで推進してまいりたいと思います。しかしながら、将来六十四年度以降は地域社会の受け入れ条件の整備状況等にらみ合わせながら、極めて需要密度の高い市街地について、特に再開発地区等においては電線の地中化も考えなければならないんではないかと思っております。  それから仲井真小学校の送電線の件でございますが、これはいきさつから申しますと、送電線ができてからそういう学校の施設ができたということでございますけれども、学校でございますし、早急に移設しなきゃならないということで学校の方、教育委員会とそれから沖縄電力とでその移設の方法などについて検討、打ち合わせ中でございまして、できるだけ早い機会にそういう問題は解決したいと思っております。
  183. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 この願いを解決してもらっただけでも民営化してよかったと、こういう答えが出るわけでありますので、ぜひひとつ頼みます。  次に通産省に、第二次沖縄振興開発計画の中に、沖縄の有利な自然条件を活用した太陽エネルギー、風力、海洋エネルギー等のローカルエネルギーの開発利用の推進が事業化を含めてうたわれておりますが、その計画期間中における事業化がどの程度進む見込みであるか、お聞かせ願いたい。
  184. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 御指摘の太陽エネルギーを利用いたしました発電でございますが、現在サンシャイン計画の一環といたしましていろいろな研究開発を実施しております。研究開発の成果がだんだんと出てまいりまして、発足いたしました昭和四十九年のころに比べますと太陽電池の価格で当時の二十分の一ぐらい、太陽光発電システムによる発電コストで見ますと十分の一ぐらいに低下をいたしております。太陽光発電のコストで現在申しますと、現段階で大体一キロワットアワー当たり二百円から二百五十円程度というところでございます。まだまだ実際の沖縄電力のコスト、大体料金が二十二円とか離島でも三十円ちょっとでございますので、まだ目標にはなかなか到達できませんが、これからさらに研究開発を進めまして、六十五年度には一キロワットアワー当たり百 円、さらに最終目標の二〇〇〇年には二十円から三十円程度まで持っていこうということで鋭意開発を進めております。  具体的に現在沖縄地域におきましても、離島用の電力供給システムの開発ということで、新エネルギー総合開発機構が二百五十キロワットのパイロットプラントをつくりまして、離島用の電力供給システムの研究を進めておりまして、六十二年度以降いよいよ二百キロワットのプラントをつくって運転試験を進めていくというようなところまでまいっておりますし、その他ピーク対策用の分散配置型の発電システム等につきましても研究を進めております。  さらに一言付言さしていただきますと、燃料電池自身も、離島用の発電機が将来有望であるということで、これにつきましても現在研究開発を進めております。
  185. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 最後になりますが、今のこともぜひ今のお答えの方向に実らせていただきたい。  では、はるばる沖縄からはせ参じてもらった座喜味社長に激励と期待の心を込めて結びたいと思いますが、座喜味社長、現在の沖縄電力の経営環境は最高にいい状態だと私は思います。円高であり、原油安である。しかし数年前には資本金を上回る累積赤字を抱え、また、たしか五十五年だったと思いますが、一年間に二度にわたり大幅な料金改定、値上げを行わざるを得なかったことを考えますと、エネルギー事情、経済事情の変動では再び経営が悪化し、県民生活に悪影響を与えるような事態にならないとも限らない。それなるがゆえに私は先ほど来見通しをつけて質問を展開したわけでありますが、民営を機会に、後戻りはもう許されません。まかりならないわけでありますから、今後の経営見通しをしっかりした上で、本社及び関連企業の従業員に不安を与えないよう企業努力をしてもらいたいが、沖縄電力の経営の責任者としての決意をここで承りたい。
  186. 座喜味彪好

    参考人座喜味彪好君) 燃料価格その他の世界経済情勢の変化に伴う経営上の困難は、近年私たちが経験したほどのドラスチックなものではないにしても、これからも皆無とは言えないということは御指摘のとおりでございます。また、電力供給規模が小さく、そのための資金需要の波が大きくなることからくる圧迫要因等もございます。沖縄電力はそのような変動の影響を最小限に食いとめ、健全な経営を確保するため、石炭火力の導入を含めた多様化、発電、送電、配電技術の向上、その他の経営努力に全力を尽くします。  沖縄電力の現状を一つ一つ点検していきますと、まだまだ改善すべき点がたくさんございます。私たちはこれは沖縄電力はまだまだよくなっていく余地があるということだと考えております。燃料価格、世界経済情勢の影響沖縄電力だけに不利に動くわけではなく、また電力会社の経営環境としての沖縄県は不利な点ばかりでもございません。需給構造、人口の分布状況、会社のサイズなど有利な点などもあり、努力次第では立派な経営を維持していくことができると考え、またそのように努力していきたいと思います。
  187. 木本平八郎

    木本平八郎君 もういよいよ委員会も最後の段階になったわけですけれども、きょうのこの委員会の論議の流れではっきりしていることは、この沖電の民営化については皆さんほとんど異議がない。特に沖縄県民の長年の悲願を達成させるということについては皆さんもろ手を挙げ大賛成なわけです。ところが問題は、民営化した後これがうまくやっていけるのかという点で、きょうずっとこの委員会はその議論に終始したと言ってもいいと思うんです。皆さんいろいろなことをおっしゃいましたし、政府側もいろいろな答弁されましたけれども、私、今現在やはりどうもきれいごとで、本当にそううまくいくのかなという感じがあるわけです。  私は、長い間民間で特にこういう企画業務をやっておりまして、しょっちゅうそろばんとか採算ということをやっていたわけです。そういう直感からいきますと、やはり沖縄電力の今後の経営というのは非常に厳しいだろうなという感じはぬぐえないわけです。  そこで私、一つの提案をしたいと思うんです。民営化して今後いかに経営をうまくやっていくというか沖縄の電力問題をいかに解決するかという点からなんですけれども結論的に言いますと、これ二段階で民営化を進めた方がいいんじゃないかという気がするわけです。それで、ちょっとこの提案、一問一答の形式でやっていますと木を見て森を見ないような形になりますので、初めにずらっと私のアイデアというのを申し上げて、そして皆さんの御意見を承りたいと思うわけです。  それで、その二段階というのは、まず第一段階は、この委員会で多分きょう可決されるでしょうけれども、まず民営化する。それで民営化した後どうするかという問題なんですけれども沖縄電力が今度は民営化されたわけですから、本土の九電力のうちの一つと合併するということにする。合併といっても大きさが全然違うわけです。四十分の一ぐらいから、あるいは二十分の一あるいは半分ぐらいの規模が違うんですけれども結論的に誤解のないように申し上げますけれども、私はあくまでこれは対等合併をするという条件なんです。  それで、九つの電力会社がありますけれども、私この辺がよくわかりませんが、九州電力については歴史的にいろいろありまして、あるいは沖縄県民の皆さんにアレルギーがあるかもしれない。それは除いたにしても、あと本土にはいろいろ中部電力、関西電力あるいは東京電力というすごい大きなマーケットを持っている電力会社があるわけです。そのうちの一つと合併というのを検討してみたらどうだろうかというわけです。  これは民間会社になったわけですから、合併といっても対等合併です。対等合併というのはもうこれは皆さん御存じのように正式の結婚なわけです。体は小錦みたいなでっかいのとちょっときゃしゃなお嬢さんであっても、これは結婚は結婚なんです。支配関係はないわけです。それでめかけ奉公でも何でもないわけですから、堂々とこれやれるわけです。少なくとも私たち民間の感覚では対等合併というのはもう大威張りだ。私も三菱商事なんで何回も経験していますけれども、そういう感覚で考えてみたらどうだろう。  そうしますと仮に、いろいろありますけれども、一番株価が高いのは東京電力です。東京電力は大体六千円なんです。沖縄電力というのは大体規模が四十分の一ぐらいなんです。対等合併したら沖縄電力の株価は六千円になると思うんですよ。それにほとんど近くなるでしょうね。これは後からまた問題にしたいと思うんですけれども、仮に五百円の株価で政府から肩がわりしたとすれば、六千円になると五千五百円のプレミアムが一遍にぽかっと入るわけです。五千五百円といいますと、これは千四百万株ぐらいですか、これ計算しますと八百十億円ぐらいのプレミアムが一遍にどさっと入っちゃうわけですよ。先ほどから株の利益を沖縄に配分しろとか何とか言ってもなかなか一般会計で難しいという面があるんですけれども、こういうふうにやれば一遍に少なくとも沖縄にぼかっと八百十億円入るわけです。八百十億円あればハイテク産業であろうがIC工業であろうが何だって相当なことがやれるわけです。観光投資でもリゾートでもやれる。  だから第一段階は、こういうことがどうか知らないが、検討いただきたいんですけれども、まず国から県が全額株式を譲り受ける。それで合併しておいて、六千円になったものを県内の企業に持ってもらうというふうにすれば、もちろんこれは沖電の株じゃなくて東京電力の株になるでしょうけれども、そういうふうにすればあらゆる問題が一遍に解決するんじゃないか、あれだけの東京電力ですから。まあ多分東京電力はこういうのを抱えさせられるのは嫌がると思いますけれども考えたら四十分の一の面倒を見るんですから。東京電力もやっぱり小笠原とか伊豆七島とかそういったところの離島サービスやっているわけですから、決してそうそう異質なものでもないんじゃないかという気がするわけです。  そういうふうにすれば、将来どんな変動があってもそれだけ大きな器の中なら、電力料金が揺さぶられる、少なくともこの東京並みになるわけですから、その将来の電力不安というのはなくなるのじゃないか。それから八百十億円をどういうふうに使われるか、相当いいチャンスじゃないかという気がするんです。これにはやっぱり通産省が中に立って嫌がる東京電力を口説いてもらわなきゃだめだと思うんです。初めからだめだと思ってあきらめずにやってみる価値はあるんじゃないかと思うんです。私、東京電力全然知りませんけれども、その辺の感触はいかがですか、浜岡長官の御所見を承りたい。感触でいいです。植松部長からで結構です。
  188. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 大変難しい御質問でございまして、なかなか直ちに感触というわけにいかないんでございますが、ちょっと経緯だけを先にまず御参考のために申させていただきますと、沖縄電力が発足いたしましたときに、琉球電力公社から日本政府が引き継いだ財産を現物出資して特殊法人沖縄電力をつくったわけですが、その当時に、できれば地元で五配電会社等が一本になって、民営で発送、配電一元化のまさに独立単独民営型のものをつくりたいという、これが念願であったというふうに承っておりますが、残念ながらまだ統合ができないということでこれをあきらめた。  次に、別のアイデアとしてやはり本土の九電力なり、あるいはその他電発も含めてだと思いますが、電力会社と一緒になる、結局吸収型になるかと思いますが、吸収合併型。それからもう一つは、県営ないし県の特殊法人型というアイデアがあったと承っておりますが、まず県営型につきましては、やはり県の財政負担等から、とりあえず本土並みの電気事業法が適用されますと電気のそれぞれ安全技術基準等が適用されますので、法令適合のために必要な設備投資、改良しなきゃならない、そのための負担がかかるのでちょっと県では負担ができかねる。最後に残った本土の電力会社との統合ということについては、これは地元としては反対である、こういうことがあったというわけでございます。  その後、民営移行をいずれにしても進めようということで、今日まで至る過程で第二回のオイルショックを受けまして、やはり単独で民営移行は難しいかなということを真剣に検討された時代もございます。結果的には五十九年に地元県知事の諮問機関である協議会におきまして、地元の関係者が集まっていろいろ御議論いただいたときに、やはり地元の単独の民営移行でやるのが一番いいだろうという結論に達した。  そのときの理由一つは、先ほど来諸先生方からも御質問、御意見がございましたけれども、単独民営移行でいきますと本社機能としては地元沖縄県に本店が置かれる。そうしますと、単に電気の供給だけでなくて、沖縄電力というのはやはり沖縄におきまして大きな企業であり、物資の調達あるいは雇用の面でいろいろな波及効果がある。その場合に本店がやはり沖縄にございませんと、物資調達あるいは雇用の面でかえって地元にいろいろ支障があるのではないかというような議論もございまして、それも一つの有力な考え方として単独で民営移行していこう、不利性があるけれども。  先ほど来参考人の社長が言っておられますように、例えば北海道でございますと、一言で広大、過疎、積雪寒冷地といって北海道は北海道電力のまたいろいろな構造的不利性を持っておりますが、沖縄の場合には、需要密度が高いので送配電コストはむしろ逆に安くつく。あるいは積雪寒冷地ではないので保守にも非常に楽であるというような点など有利性もあるので、それも含めて努力をすれば、むしろ地元で単独で民営化した方が、ユーザーも地元の県民でございますから、かえって理解が得られるんじゃないか。そういう背景で六十年来県知事からも要請あるいは要望、意見が私どもの方にも寄せられまして、やはりいろいろな前提条件はあるけれども単独の民営移行でいきたいというふうに要請を受けたという経緯がございます。
  189. 木本平八郎

    木本平八郎君 やっぱりこの問題の一番大きなのは、県民感情とそれから大体押しつけたという、受ける方がそれは嫌だと言えばしようがないから、これはもうその辺が一番問題だと思うんです。ただ私が心配するのは、先ほどからの議論で、今後とも政府なり国なりが相当協力していかにゃいかぬということなんです。これは当然にしても、余りそういう補助をいつまでもやりますと、逆に今度県民の方にプライドを傷つけられるというか、卑屈な感情が出てくるので、やはり援助するならあるところでぱっと援助して自立できるように持っていくというやり方が必要なんです。そういう点で、私の言っていることが必ずしもいい方法だとは思いませんけれども一つの解決方法じゃないかという気がするわけです。ぜひそういうことでひとつ今後の課題として御検討いただきたいし、チャンスがあれば皆さんで考えていただきたいというふうに思うわけです。  最後に、話は全然違うんですけれども、先ほど来沖縄電力に対する株式を幾らで払い下げるんだという問題があったわけです。これは何か国有財産中央審議会で検討するんだという話なんです。ところが、幾らで株式を払い下げるかというのは今後の経営問題として大問題なんですよ。この沖特で審議するにもこれ一番大事な問題なんです。これが例えば五千円で払い下げると言われたら、もうこんな委員会でやったってしようないんですよ、もう全然だめなんですからね。そういう重要な問題をこの委員会に出さずに審議しろというのは私はちょっとおかしいんじゃないかと思うんです。  先ほど大蔵省は、聞いていますと、地元からの希望も聞いているし通産の意見も聞いていると。多分頭の中では大体このぐらいで払い下げるという数字も浮かんでいると思うんですよ。それから通産省だって、皆さん、地元意見も聞いているし、いろいろな諸般のなには聞いておりますけれども、この中央審議会の決定にまたなきゃいかぬと。いいですか、きょうこれ、法案決まると思うんです。民営化は決まると思うんですよ。民営化は決まるけれども、株の方はこの委員会、お前ら関係ない、政府が勝手に決めるんだと、悪いようにはしないから任せておけ、知らしむべからず、よらしむべしでしょう。沖縄電力にしても、ここはまだ私弁護士だと思うんです。一生懸命沖縄電力は考えてくれるけれども、大蔵省がどこまで考えてくれるかわかりませんよ。そうすると、弁護士がなくなっちゃって、検事の前に行って検事が刑期決めるようなものでしょう。  国会のあり方ということで、行政府と立法府、私は立法府が国権の最高機関だとか、そんなおかしなことは言いませんけれども、こういう重要な材料を出されないと、あるいは大体このくらいの見当になるとか、過去のなにでいけばこのくらいになる見込みだとか、そういう数字ぐらいはやっぱり出されなければいけないんじゃないかと思うんです。そういう重要なデータを出さずにこの委員会でやって、ある意味じゃ、ここから見ていたらあなた、いい気なものだというか、もうばかに見えますよ、本当に。私はこういう審議のあり方というのは極めて不愉快だと思うんです。これは通産大臣としてじゃなくて、政治家としての田村さんに御意見を承っておきたいと思うんです。
  190. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) おっしゃるお気持ちはよくわかるんですけれども、やはり審議会というものは我々その権威を尊重しなきゃいけませんし、審議会があらかじめ審議をして結論出したらどうだと、これはちょっと国会が民営化を決めるか決めないかわからぬときに審議会が結論を出すわけにもいかない。さりとて今度は審議会があるのを担当大臣がそれを無視して、そして先走って大臣主導型の答弁をするということもなかなかこれは難しい。率直に言いまして、こういう問題でございますから審議会がどうあろうと早く出せということもおっしゃるわけでございますけれども、これはまた全然違った非常に政治的な難しい審議会 のことを、やれ保険審議会だなんだいろいろあると思うんですが、そういうのを今度は大臣が先走って物を言ったらまたえらいことになって国会は大紛糾すると思うんです。  でございますから、そこいらもございますので、お気持ちはよくわかります。私がその席へ座ったら同じことを言うかもしれません。言うかもしれませんが、この立場になりますとこういうお答えしかできない。これはひとつ木本さん、お酌み取りを願いたいのでございます。特に今はこういう時期でございますので、特にこういう時期にうっかり大臣がばかなことを言ったらまたえらいことになる可能性もございます。こういう非常にセンシティブなときでもございますから、どうぞひとつその点は御理解を願いとうございます。
  191. 木本平八郎

    木本平八郎君 今、田村大臣のおっしゃることはよく理解できるんです。それから、そういう仕組みになっているということは確かなんです。審議会で決める、そういうふうになっていますから、きょう現在はそういうステップを歩まざるを得ないということは確かなんです。  ただ、私が申し上げているのは、立法府と行政府の関係なんです。審議会というのはあくまでこれは行政府なんです。我々から見たら同じ穴のムジナなんです。行政府と立法府のあり方が果たしてこれでいいかどうかということを申し上げているので、この委員会の問題じゃなくて、参議院だけの問題じゃなくて、衆参両院合わせた国会として、立法府として今のこういう状況で、審議の方法でいいんだろうかと。例えば非常に重要なデータを出してくれと言っても、個別のことは出せないとか秘密だからだめだとか、それで行政府だけが知っていて、我々はそれを知らされずに何か審議だけやれと言われても、人間神様じゃなくて、データがなくて審議というのはやっぱりできないだろうと思うんです。こういうことをここで議論しても切りがないし、答弁求めても非常に難しいと思いますので、一応非常に不愉快であるということを表明申し上げまして、私の質問を終わります。
  192. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  193. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  194. 市川正一

    ○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。  沖縄電力は、琉球民政府時代の琉球電力公社の資産を買い受けたものでありますが、その資産は、公社発足の当初こそアメリカのガリオア資金からの出資を受けたものの、本土復帰に当たって日本政府が買い取り、百数十億円と評価されるに至ったのは、公社が沖縄県民から膨大な利益を上げてきたからにほかなりません。つまり、沖縄電力は、文字どおり沖縄県民の共有の財産と言うべきであります。  したがって、特殊法人沖縄電力株式会社は、利益を優先する民間企業としてではなく、県民と県経済に長期にわたり低廉かつ安定的に電力を供給する真の公益事業として存続発展させる必要があるのであります。  さらに、本法案によって沖縄電力が民営化されるならば、利益本位の企業経営が行われるばかりでなく、株式に対する配当金の支払いが必要になるなど県民は電気事業を通じて新たな負担を強いられるおそれがあるからであります。  また、沖縄電力がエネルギー源のすべてを海外に依存していること及び多くの離島に需要家を抱えていることなど沖縄県の特殊な事情を内包しており、エネルギー価格の予想外の変動やこれまでの支援措置が将来打ち切られることになれば電力供給に支障を来し、県民の料金負担も増大し、県民生活と県経済に大きな影響を与えることは明らかであるからであります。  以上、反対理由の主要点を述べ、討論を終わります。
  195. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  197. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  大城君から発言を求められておりますので、これを許します。大城君。
  198. 大城眞順

    ○大城眞順君 この機会をおかりいたしまして、まず私は、本法律案につきまして諸先生方から熱意あふれる御審議を賜りまして、沖縄出身議員の一人といたしまして心から厚く御礼を申し上げます。  ただいま本法律案は御可決いただいたわけでございますが、私は、本法律案が成立後、その施行に当たっては、沖縄の振興開発とその発展に資するよう政府におかれましては特段の御配慮と御努力をいただきたく、ここに自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘及びサラリーマン新党・参議院の会の各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   沖縄電力株式会社の民営化に当たっては、沖縄県における電力の安定的かつ適正な供給を確保し、もって沖縄の振興開発に資するため、政府は次の点に配慮すべきである。  一、沖縄の産業振興及び県民の生活向上の観点からみて、適正な電気料金の水準が確保できるように、現行の優遇措置について民営化後も当分の間継続するよう努めること。  二、政府保有株の売却に当たっては、同社が沖縄県地域のみを対象とし、また沖縄の経済に重要な役割を果たす公益事業であることに十分配慮して行うこと。   右決議する  以上でございます。  何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  199. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) ただいま大城君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  200. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 多数と認めます。よって、大城君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田村通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村通商産業大臣
  201. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、慎重な御審議の結果、御可決いただきありがとうございました。  ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、十分その趣旨を尊重して努力する所存でございます。どうもありがとうございました。
  202. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  203. 川原新次郎

    委員長川原新次郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三分散会