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小笠原貞子君 その抑制濃度は五ppmということがわかりました。
ところで
JRは、この塩化水素発生に対する
対策はゼロと言っていいですね。
対策は何にもありません。どのくらいの濃度が出ているかということも
調査していないんです。労働者が独自に
調査しているわけです。
どういう
調査をしたかといいますと、北川式ガス検知器というので行っている。これは労働省の作業環境測定基準をクリアしている器械なんだけれ
ども、通常作業している状態ではかったんですね。はかったんだけれ
ども、ちょっと離れたところではかっても、こういうのがあるんですけれ
ども(
資料提示)ぱっと二二ppmまで上がっちゃったというんですね。それで、近くになったらもっと強く出ているはずなんだけれ
ども、残念ながらこの器械では二二ppmしかはかれなかったということなんですよ。一メートル離れて二二ppmぱっと出てくる。煙がずっと流れている。あっという間に五メートル、八メートル流れていく。そこのところへ持っていってもやっぱり二二ppmぱっと出ているということなんですね。抑制濃度が五ppmだから、はるかに超えたものだ。
そして、先ほどおっしゃいました労働省労働衛生課でお出しになっている「特定化学物質等作業主任者テキスト」、これを見ますと、作業をする者には保護具として、「酸性ガス用防毒マスク、保護衣類、保護眼鏡、ゴム手袋などを使用する。」、こう書いてあるわけですよ。ところが
JRの方では、作業にそれを使わせないどころか、そういうものを持っていないんですね。だから何にもなし、無防備でやっているという状態なんですよ。
そこで私は、これは大変だと。私が大変だと言うのではなくて、そこで働いている労働者が、物すごく心配だといって、これを持ってきてくれたんです。これは上着ですが、見事に切れちゃっているんですよね。肩が切れてますよね、上着。それからもう
一つ、こんなのをいっぱい持ってきて、きれいなものじゃないんだけれ
ども、これはズボンの方なんです。ズボンもここからここら辺が皆裂けている。これは着用して一週間なんです。着用して一週間で、そして洗濯したらこういうふうにみんなぴっと裂けちゃうんですよね。まだあるけれ
ども、もういいわ、やめましょう。こういうふうに裂けちゃう。
それでその労働者は、何でこんなになっちゃうんだろうと。首のところと、さっき見せた手のこの下ね。ここは何だといったら、前かけをしていないところなんですね。前かけをしているところは防げるけれ
ども、前かけから出ている肩だとか、襟の下だとかというのがこういう形になってくる。こんなにぼろぼろ裂けちゃうんだ、これはただごとではないと。自分でも、のどが痛いというような症状があったり、吐き気がしたりということがある。それで
鉄道病院に行って診てもらったら、いや風邪でしょうと、こう言われた。だけど、風邪にしてはというので、心配で、またほかの病院に行ったら、これは単なる風邪ではないと、こう言われた。こういう問題なんですね。
先ほどの、防具をしなければならないとかいうふうな労働安全法の問題は製造過程における規定だから、この作業場は外で作業しています、だからここには適用されないというような、そういうお答えでありましたね。そこで私、
大臣に聞いてもらいたいんだけど、こんなことが外の作業で起きるとはだれも予測していないわけです。だから製造過程でと、こういう
法律、規則というものがつくられたわけだ。だけど、その後のが大変だということは、これは事実なわけですよね、塩化水素。工場の中であろうと、それから外で作業をしていようと、塩化水素は同じなんですよ。工場用の塩化水素が出るわけじゃないんだから。同じ塩化水素が出てきている。そうすると、
法律的には工場内の製造過程での規制でございますから、屋外では対象になりませんというのは、まことに官僚的発想です。法があって
人間が生きていくんじゃなくて、
人間の命、健康を守るために法というもので安全を守っていくわけですよね。そうしたら、当然中にいても外にいてもそれを受ける労働者にとっては危険なんだから、だから労働者は不安だといってこういうのを持ち込んできて、私もびっくりしたというような状態なんですよね。
だから
大臣にお願いしたいんですけれ
ども、このことはまだ
調査をしていないんです。
調査してくれないから、労働者が忙しいのにそういう器械を買って
調査したんだから、だから早急に
調査してもらいたいということですよね。そして現実に、こういうふうにみんなぼろになっちゃうというくらいであれば、当然肉体的にも大変だということを本人たちも言っていますから、だから
調査すること、そして塩化水素というのは特に規制された有害物質なんだから、
JRとしても、マスクをつけるとか防具をきちっとさせるということをはっきりさせて、労働者の健康を守ってもらいたいというのが私の願いなんです。それについて、お約束をいただきたいと思います。