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薮仲分科員 大臣、今お話があったように、一万数千という数が行っているわけでございますが、きょうはこういう
関係官庁しかおりませんので、この間に大臣が心にとどめておいて、やはり関心を持っていただきたいのはリクルートの
関係でございます。リクルートの
関係でやはり数万の子供たちがいろいろな形で
海外へ行っております。これはきょう問題にはできませんので、それは後日また御検討いただきたいと思うのでございます。
先ほ
ども申しましたように、私のところに電話があったわけです、このホームステイの問題で。どういう電話かと申しますと、ちょっと長くなりますけれ
ども、事情を大臣に正確に御理解いただくためにお話をしたいと思うのでございますが、そのお母さんからなんです。ロスへ行っている娘に電話をしたんだけれ
ども通じないということなんですね。なぜかといいますと、ちょうどお母さんが前日留守のときに娘さんから電話があった。そのときお母さんがいなかったものですから、お友達に、お母さんに電話をくれるように言ってと、こういうことでおったわけです。また電話しますよとは言っていたのですけれ
ども、お母さんに電話ちょうだいという言づてがあったのですね。お母さんがどうしようかと思って困ったのですね。
ちょうどその日が土曜日だったものですから、旅行業者に
連絡をしたのですけれ
ども、担当者が
連絡をとれなくて対応できない。心配で
日本橋とか成田の営業所へも電話をしました。しかし事柄がうまく進まないということで、私の方へ
関係者から電話があった。私も、土曜日の午後なものですから、御承知のように役所も会社の方もしかるべき方がいらっしゃらない。
連絡のとりようがなくて、非常に私も心を痛めたのです。ところが翌日になりまして、どうやら
連絡がとれましたということで電話があって、一件落着かなと思ったのです。その相談を受けた方が非常に
海外に詳しい方で、よくお母さんと相談をするからあとは何とか善処しますということで、私は終わったと思っておったのですが、そうしたら、このお母さんとお父さんから手紙が来たわけです。
薮仲さん、この問題について親として思うことがあります。この問題はやはり将来のために
考えてください。手紙ですので、ちよっと一部読みますけれ
ども、非常に感情的な部分もございますから、ポイントだけちょっと読んで、あとは避けたいと思うのです。これは会社の名前や個人名が出てきますけれ
ども、これは避けさせていただきます。
娘が○○社の主催のホームステイに参加いたしました。娘の方から
連絡が参りまして、ホームステイ先の子供に
日本円をとられそうになったり、また食事な
ども毎回食べる支度をしてもらえなくて大変困っておる。リーダーの名前が出ておりますが、その地区リーダーというのですか、その地域のリーダーの方にそのことを話して、ホームステイの変更をしてくださいとお願いしたというのです。そうしたら、勝手な行動をするなら強制送還する、こうこの女の子が言われたのですね。それで恐ろしくて
申し出ることもできませんでした。中間は省きます。楽しかるべき
アメリカの旅行が恐ろしい旅行となり、親としてまことに残念に思います。
その他いろいろ感情的な話がありますから、これはちょっと避けさせていただいて、もう一つ読みますと、やはりこれも会社の名前が出て、同じことなんですが、これは御両親です。
娘から
国際電話があったが、私が不在のため話をすることができませんでした。私も英語が話せませんので、また娘から電話があることを待っていたのですが、心を決して電話をしてみました。これが別紙のように――旅行業者ですね。よこされた電話番号が先方では使われていない電話とのことです。夜十一時でしたが、東京の留学センターに電話をいたしますと、○○さんという方が出てくださいました。その旨を話し、こんな時間ですが、よこされた番号が使われてないという返事がある。
日本でなく全く知らない国で娘はどうなっているのでしょうかと、矢も盾もたまらず電話をいたしました、この時間に済みませんということを言いました。ところが応対に出た○○さんは、やたら勝手に電話をされては困ります、この番号は調べて返事をいたしますが、三日ほどかかります、このような返事で、
海外に娘を出した親の心情がわかっているようにも思われません等々、ここでるると感情的な話がありますが、これは私がドライに整理してみますとどういうことになるかといいますと、一つは、有名な旅行業者が出している、大臣も御承知のパンフレットがあるわけでございます。これは、有名な
日本の各社が出しているホームステイのこういうパンフレットですね。こういう有名な旅行業者を信用してホームステイを経験させようと思いました。ところが、困ったときのバックアップといいますか、相談に乗ることが非常に適切を欠いておる。
これは双方に誤解も感情もあると思うのですけれ
ども、言いたいことを先に一方的に聞いたとおりに言いますと、一番問題になったのはホストファミリーの件であります。相手の家が、そのお嬢さんが行ったうちが家具も余りなかったというのですね。お母さんと子供さんが二人だったのです。そのお嬢さんが行っている間九人のお友達が来て、娘はその部屋にいたのですけれ
ども、ドアをあけるとほとんどごろ寝といいますか、これは余り具体的に言うとちょっと
国際問題になりますから細かいことを避けますけれ
ども、そういう状態でありました。食事も満足に用意のできる家庭でなかったし、いわゆるホームステイというのは本来ボランティアであるということですが、とてもボランティアで受け入れられるような御家庭の様子には思えませんでした。しかし心配なのは、娘が帰った後、その次の人が入ることになっております。それで心配して私に手紙をくれたわけですね。この
説明の中では、土曜、日曜はそのホストファミリーが計画を立てていろいろ楽しい経験をさせてくれます、こういう
説明をオリエンテーションで受けた。ところが実際はそういうことでは全くなくて、他のホストファミリーが気の毒に思って一緒に連れていってくれた、こういうことなんですね。
それで、もっと困ったのはホストファミリーについて、どういう紙かといいますと、こういう一枚の紙なんですよ。これなんですね。これが一枚来たっきりなんですよ。大臣、ちょっとごらんになれると思うのですが、この電話番号が五一〇七と五一七〇の間違いなんですね。ただ入れかわっただけですけれ
ども、これでは絶対に通じないわけです。ホストファミリーについてこういう紙が一枚来るっきりなんですね。このホストファミリーが
連絡を受けて、間違っていますよと、こういうファックスが来たわけです。これしか来ないのですね。こういうホストファミリーの一番知りたい家族構成とかいろいろなこと、あるいは行く前に、例えば文通してお互いに意思の疎通を交わそうかということになるのですけれ
ども、そのホストファミリーについては、うちの場合は全く知らされておりません。娘が家族構成について知らされたのは、ロスからホストファミリーの家に行くバスの中で、あなたのお宅はこういう家ですよと、その地区リーダーの方から話を聞いたというのです。ですから、いかにせん非常にぐあいの悪い話なのです。しかも、募集したのはJALで募集して、ほかの航空会社を使ったり、これはよくあることですけれ
ども、運賃の問題でこれもおもしろくないという感じになって、すべてが不愉快の連続になってしまうわけです。
こういう問題で、ホストファミリーの状況の中で、お母さんが言うのは、エイズであるとか麻薬であるとか最近いろいろ騒がれることについて、私はやはり心配です、こういう話なんですね。私、これは避けて通れないことだと思うのですが、やはり親御さんにしますと、こういう家族の構成とか家族に対するしっかりとした、何というのですかね、安心できる相手の受け入れ態勢であってほしいと思うのは当然かなと私は思うわけです。
私は、親御さんの言っていることだけが必ずしもすべて正しいとは決して思っておりませんで、うちの
事務所の二人の秘書に、ちょっと東京駅の周辺の有名な旅行業者に行って、今どうなっているか聞いていらっしゃいと行かせたのです。これは大臣もどなたか行かせればおわかりのとおり、ことしの夏のプログラムは五月ごろにならないとできませんということです。一番問題であったホストファミリーについてどうなんですかと聞きましたらば、やはりここが一番ウイークポイントだと思うのですね。先方からの
連絡を待つしかありません、当方から、こういう家庭であるとかこういう条件だとかいうことは今私の方としてはできないのです、こういうことなんですね。
私は、こういう実情の中で一番感じたことが幾つかあるわけです。それは、今申し上げましたように、相手側の受け入れ態勢がボランティアであるということでありますけれ
ども、その選考については今のような状態でいいのかどうか。これから五万、十万とだんだんふえていって、今は事故が表立ってきませんけれ
ども、事故があっては大変心配です。ですから私は、やはりこのホストファミリーの決定についてのことを少し
考えていただかないと困るかなというのが一つです。
それから、
海外に初めて行く子供ですから、やはりオリエンテーションというのは非常に大事だと思うのです。食生活も
文化も全部違うと思うのですね。しかし、そういうことをきちんと教えてあげて、それに立ち向かっていくということも、あながち向こうだけの責任じゃなくてこっちにもあるのかな、子供自身の教育も必要かなと今思っているのですが、そのオリエンテーションの時間も、聞いてみましたら、出発前にわずか数時間で終わりなんですね。ですから、しっかりとした知識を持って行ったわけではない。
また本人の語学力、これについても、今の旅行業者がおやりになる場合にはもう無
審査で通っていくわけですから、本人の語学力が災いしているのかもしれませんし、これはあながち相手にばかり責任は負わせられないかなと思うのですが、いずれにしても、それは一つ一つチェックをする機関がないわけです。
しかも、事故があったときに、今回のように二十数時間通じないというのは、電話番号が一番間違っているだけで、お父さん、お母さんにすれば、本当に
アメリカに行っている友人に電話をして、何とか子供を引き取ってくれというような騒ぎになったのです。ですからこういうことを
考えますと、私はこの問題を、まだ事故の起きないこの段階で、
海外の最も正確な情報をつかんでいらっしゃる
外務省のお立場から、今運輸省とか文部省のやっていらっしゃるそういうことにやはり関心を持っていただいて対応していただくことが非常に大事じゃないかなと思うのです。
ただ、ここで私もいろいろ一方的に言ったわけでございまして、文部省のお
考えもあるでしょうし、運輸省の私に対する反論もあるかと思うのですが、それは、現に私は自分でそういう困ったという相談を受け、自分で旅行業者の実態を聞いて、これはやはり何とかしなければならないと思って言っているわけでございますから、文部省は教育的な見地から非常にしっかりやっていらっしゃるようですけれ
ども、その辺を含めて文部省に特にお伺いしたいのは、今問題にしたホストファミリーの決定であるとかあるいは研修の
内容であるとか、あるいは事故があったときのバックアップシステム、そういう点を含めて、ごく簡単に要点だけ文部省の言いたいことをちょっと言っていただけますか。続いて運輸省、何か御
意見があればおっしゃってください。