○
鈴木(宗)
主査代理 御
異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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〔藤本国務
大臣の
説明を省略した
部分〕
次に、
厚生省所管
一般会計予算を主要
経費別に、その
概要を御
説明申し上げます。
第一は、社会保障関係費のうち、
生活保護費であります。
生活扶助基準につきまして、一般国民の消費水準の動向等を考慮し、
昭和六十二年度に比し、一・四%引き上げることとしたほか、
教育扶助基準の
改善等を行うこととし、被保護人員の最近の減少傾向を勘案して、総額一兆八百九十七億円余を計上いたしておりますが、これは
昭和六十二年度に比し二百四十九億円余の減額となっております。
なお、
生活保護については、引き続き制度の趣旨に沿って適正な運用を図ってまいります。
第二は、社会
福祉費であります。
老人
福祉関係では、本格的な
長寿社会に備えた総合的な
施策を
推進するため、在宅
対策に
重点を置きつつ、寝たきり老人
対策等緊要度の高い
施策に
重点的に
配慮を行ったところであります。
まず、寝たきり老人等の介護問題への
対応が急務であることにかんがみ、ショートステイ(短期保護)事業の拡充及び家庭の介護技術習得を目的としたホームケア
促進事業の
創設、デイサービス事業の拡充及び痴呆性老人介護加算制度の
創設、家庭奉仕員の大幅な増員、総合相談体制の拡充等を図ることといたしております。このほか、引き続き、老人クラブ活動等社会参加
促進事業等を
実施することとしております。
また、老人医療費については、九千七百七十九億円余を計上いたしております。
心身
障害者等の
福祉対策につきましては、「国連・
障害者の十年」の後半の初年度として、特に、
障害者が家庭や
地域社会で
生活しやすい条件を
整備するため、在宅
障害者デイサービス事業、心身
障害児通園事業、小規模作業所に対する助成事業等について
実施箇所数、対象人員等の拡充を図ることといたしております。また、身体
障害者、
精神薄弱者の各相談員を増員し、
障害者社会参加
促進事業、日常
生活用具給付等事業等を
充実するほか、
障害者の住みよい町づくり
推進事業の拡充等、社会参加
促進対策の
推進を図ることといたしております。
保育
対策、母子・寡婦
福祉対策及び児童健全育成
対策につきましては、新たに家庭
基盤に関する
調査研究を
実施するほか、保育需要の多様化に
対応するための乳児保育の対象
拡大、児童扶養手当の
改善等を図ることといたしております。児童手当については、
昭和六十年に支給対象児童を就学前の第二子以降の児童とするなどの
改正を行い、段階的に
実施を図ってまいりましたが、
昭和六十三年四月から完全に新制度に移行いたします。また、児童健全育成
対策の拠点となる児童厚生施設の
整備、運営につきましても引き続きその
推進を図るとともに、新たに、児童厚生施設
地域交流事業を行うことといたしております。さらに、母子保健
対策につきましては、先天性代謝異常等検査を
充実するとともに、乳幼児健康診査の
充実を図ることといたしております。
社会
福祉施設の
整備につきましては、特別養護老人ホーム等重度施設及びデイサービス施設等需要の多い施設を
重点的に
整備するとともに、防火安全
対策として、スプリンクラー設備や非常通報装置の設置を図ることといたしております。また、社会
福祉施設の運営の
改善につきましては、施設機能
強化推進費の中に新たなメニューとして、総合防災
対策強化事業を加え施設の防火安全
対策の
強化を図るほか、一般
生活費等の
改善を図ることといたしております。
以上のほか、
地域社会における民間社会
福祉活動の
推進を図るため、
福祉活動専門員を増員するほか、
福祉ボランティアの町づくり事業、婦人保護事業及び
地域改善事業の
実施等につきましても所要の措置を講じております。
以上申し上げました社会
福祉費の総額は二兆八百二十六億円余でありまして、
昭和六十二年度に比し六百六十八億円余の
増額となっております。
第三は、社会保険費であります。
まず、社会保険国庫負担金でありますが、
政府管掌健康保険及び厚生年金保険につきまして、
昭和六十三年四月から常時一人または二人の従業員を使用する法人事業所への適用
拡大を行うとともに、医療費適正化を図るための
施策を強力に進めることとしております。
また、
政府管掌健康保険の国庫補助につきましては、健康保険法の規定により算定した額から六百五十億円を控除して得た額を繰り入れる特例措置を講ずることとし、六千五百九十五億円余の国庫補助金繰り入れ、船員保険につきましては、七十五億円余の国庫補助繰り入れをそれぞれ計上しており、総額七千四百六十二億円余を計上いたしております。
次に、厚生年金保険国庫負担金につきましては、
昭和六十三年四月から
昭和六十二年暦年の消費者物価上昇率に応じて特例的に年の改定を行うこととしております。国庫負担については、厚生保険
特別会計法の規定に基づき三千六百億円を一時繰り延べる特例措置を講ずることといたしました結果、一兆五千九百九十四億円余を計上いたしております。
次に、国民年金国庫負担金でありますが、拠出制国民年金につきまして、
昭和六十三年四月から厚生年金と同様、特例的に年金額の改定を行うこととしております。
なお、
一般会計から国民年金
特別会計への繰り入れの平準化を図るための特例措置が引き続き講じられております。また、
福祉年金につきましても、
昭和六十三年四月から拠出制年金に準じて年金額の改定を行うこととしております。さらに、旧国民年金法に基づく
障害年金等について、受給者に対するサービスの
向上のため、年四回支払いを年六回支払いに改めることとし、
昭和六十四年二月から
実施することといたしております。これらの結果、国民年金
特別会計への繰り入れに必要な
経費として、一兆四千九百七十三億円余を計上いたしております。
国民健康保険制度につきましては、その運営の安定を
確保するため、
昭和六十三年四月から所要の制度改革を行うことといたしております。また、医療費支出の適正化
対策を引き続き強力に
推進することとし、療養給付費等負担金一兆七千六百四十七億円余、療養給付費等補助金一千七百十億円余及び財政調整交付金四千七十九億円余を計上いたしております。これらの結果、国民健康保険助成費につきまして総額二兆三千四百七十五億円余を計上いたしております。
以上のほか、健康保険組合の助成については、運営の安定化
対策を講ずることとしております。さらに、児童手当国庫負担等に要する
経費を含め、社会保険費の総額は六兆二千四百三十二億円余でありまして、
昭和六十二年度に比し二千四百五十二億円余の
増額となっております。
第四は、保健衛生
対策費であります。
人生八十年時代を迎え、明るく活力ある
長寿社会を築くため、生涯を通じる健康づくりは、ますます重要になっております。このような見地から、新たな国民健康づくり
対策「アクティブ80ヘルスプラン」を展開することとし、また、老人保健事業については、
基本健康診査の導入を一層
促進するとともに、この事業を円滑かつ適正に
実施するために必要な保健婦等マンパワーの拡充、市町村保健センターの
整備等保健事業の
基盤整備の
強化を図ることといたしております。
救急・僻地保健医療等
地域医療
対策につきましては、引き続き救急医療体制の体系的
整備と機能の
強化を図るとともに、僻地中核病院を
中心とした僻地保健医療
対策を
推進するための諸
施策の
充実を図ることといたしております。
特定疾病
対策といたしましては、まずエイズ
対策につきまして、正しい知識の普及、相談・
指導体制の
充実、
国際協力及び研究の
推進等の
充実強化を図ることといたしております。また、がん、難病、循環器疾患等に関する研究費の
充実、専門医療機関の
整備を
促進するとともに、腎不全
対策として、都道府県における腎移植
推進体制の
整備を図ることといたしております。このほか、看護婦等医療従事者の養成
確保につきましては、看護婦等養成所の
整備、夜間看護体制の
強化に伴う処遇
改善等を行うこととしております。
次に、精神保健
対策につきましては、精神
障害者の社会復帰、社会参加を
促進するため、新たに、精神
障害者福祉ホーム、精神
障害者通所授産施設の運営費に対する助成を行うほか、精神科救急医療体制の
整備等地域精神保健医療の
確保のための諸
施策の
充実を図ることとしております。また、痴呆性老人
対策の一環として、痴呆性老人専門治療病棟の
整備、スタッフの専門研修等の
施策に力を入れることとしております。
原爆被爆者
対策につきましては、医療特別手当等各種手当額の引き上げ、健康診査の
充実等を図ることとし、所要の
経費を計上いたしております。
以上のほか、保健所運営費について、その活動の
充実を図るために必要な
経費を計上したほか、公的病院の助成費、保健医療施設の
整備費、血液
対策推進費、エイズ・ATLワクチン
開発費、重要医薬品及びアヘンの供給
確保対策費など所要の
経費を計上いたしております。これらの結果、保健衛生
対策費は総額五千六十四億円余でありまして、
昭和六十二年度に比し六十五億円余の
増額となっております。
第五は、恩給関係費のうち、遺族及び留守家族等援護費であります。戦傷病者戦没者遺族等に対する遺族年金等につきましては、恩給の
改善に準じて額の引き上げを行うこととしております。
また、中国残留孤児等の援護
対策につきましては、帰国孤児等の定着自立
促進対策を
充実強化するため、中国帰国者自立研修センターの設置を図ることといたしております。このほか、戦没者の父母等に対し交付国債による特別給付金の継続・
増額支給を行うことといたしております。
これら遺族及び留守家族等援護費として、総額一千五百二十七億円余を計上いたしておりますが、これは
昭和六十二年度に比し三十二億円余の減額となっております。
第六は、公共事業関係費のうち、環境衛生施設
整備費であります。
水道施設
整備費につきましては、簡易水道及び水道水源
開発等の
整備等を引き続き
推進するとともに、新たに高度浄水施設の
整備を進めることとして、八百九十一億円余を計上いたしております。
廃棄物処理施設
整備費につきましては、第六次廃棄物処理施設
整備計画の第三年度として
整備を
促進するとともに、新たに廃棄物処理輸送の効率化を図るための廃棄物運搬中継・中間処理施設の
整備及びクリーンタウン事業を
推進することとし、六百十三億円余を計上いたしており、環境衛生施設
整備費の総額は一千五百四億円余であり、これは
昭和六十二年度に比し二億円の
増額となっております。
以上のほか、健康
増進施設(クアハウス等)及びシルバーサービス(有料老人ホーム等)に対する融資制度の
創設、医薬品、食品等の安全
対策、麻薬・覚せい剤
対策、環境衛生関係営業
対策、厚生科学技術の振興及び国際保健医療
協力事業等諸
施策の
推進を図るため、所要の
経費を計上いたしております。
以上、
昭和六十三年度
厚生省所管
一般会計予算の
概要を申し上げました。
次に、
昭和六十三年度
厚生省所管
特別会計について申し上げます。
第一に、厚生保険
特別会計につきましては、
政府管掌健康保険につきまして、
昭和六十三年度における保険料率を引き続き
昭和六十二年度と同様千分の八十三とすることといたしております。また、国庫補助につきまして、健康保険法の規定により算定した額から六百五十億円を控除した額等を、厚生年金保険国庫負担金につきましては、厚生保険
特別会計法の規定に基づき三千六百億円を減額した額を、それぞれ
一般会計から繰り入れることとし、
一般会計から二兆三千七百七十五億円余の繰り入れを行い、各勘定の歳入、歳出
予算を計上いたしております。
第二に、船員保険
特別会計につきましては、
一般会計から七十五億円余の繰り入れを行い、歳入、歳出
予算を計上いたしております。
第三に、国立病院
特別会計につきましては、
一般会計から一千四百四十八億円余の繰り入れを行い、各勘定の歳入、歳出
予算を計上いたしております。
第四に、国民年金
特別会計につきましては、
一般会計から国民年金
特別会計への繰り入れの平準化を図るための特例措置を引き続き講じることとするほか、旧国民年金法に基づく
障害年金等について年四回支払いを年六回支払いに改めることとしており、
一般会計から一兆四千九百七十三億円余の繰り入れを行い、各勘定の歳入、歳出
予算を計上いたしております。
以上、
昭和六十三年度
厚生省所管
特別会計予算について申し上げました。
何とぞ、本
予算の
成立につきまして、
格別の御
協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
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