○正森
委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、当面するさまざまな問題について
総理並びに関係大臣の見解をただしたいと思います。
まず第一に、いわゆる新
大型関接税の問題について伺いたいと思います。
最近、自民党のさまざまな要職にある方、特に渡辺政調会長が、八六年の衆参同時選挙で自民党は
直間比率の見直しを含め抜本的
税制改革をちゃんと言っていたから公約違反ではない、こういう趣旨の答弁をされております。これはとんでもない話であります。ここに同時選挙の自民党の公約を持ってまいりましたが、そのどこを見ても
直間比率の見直しだとか、いわんや新
大型間接税などということは一言も書いてないわけであります。そういうものが書いてないのにそれを言っておいたなどというのは、政治家として全く許されないことであると言わなければなりません。そして逆に、同時選挙では自民党衆議院議員の八五%、二百五十七名が
大型間接税に反対であるということを選挙公約で行う、あるいは反対をしておられる業者団体にアンケートを出す、確認書を出す、あるいはそれらの大会に出席するということをしておられるわけであります。
そこで私は、この問題について
昭和六十一年十一月五日の
予算委員会で、中には選挙公報で
大型間接税反対を訴えている議員もいるではないかということを
指摘いたしましたら、当時の
中曽根総理がこう答弁になりました。NHKのテレビで当時の藤尾政調会長が
大型間接税に賛成ととられる発言をした。そこで、「自民党は
大型間接税賛成というような報道が流れました。私はそれを聞きまして、これは私が議会で今まで皆さんに御答弁して申し上げた点と誤解を受けるおそれがある、そういうことを感じまして、すぐ党本部に電話をかけて、全国の公認候補者へすぐ伝達せよ、私は今こういう演説をした、すなわち、党員も反対し国民も反対するような
大型間接税というものは賛成しない、そういう演説をした、それを公認候補者にすぐ連絡させまして、公認候補者はそれを演説で採用したわけです。 そういう事実があって今の選挙公報にもなっておる。」こういうように答えているわけであります。
ところが、ここに二つの問題点があります。まず第一に、ここに
中曽根総理の当時のたび重なる演説をまとめたものを持ってまいりました。これを分析すると、政治家というものはおもしろいものだなとわかるのですが、選挙の序盤戦はなるほど国民や党員の反対するような
大型間接税は導入しない、こう言っておられた。しかし、選挙が過熱して中盤になり終盤になると、いつの間にやら国民や党員が反対するというものは抜けてしまっているわけであります。これはテープレコーダーに基づいて起こしたものですから、間違いがありません。特に六月二十八日ごろになりますと、私の住んでおる大阪市の難波高島屋駅前あるいは寝屋川市の駅前というところで演説しておられますが、「よくいう
大型間接税とかマル優の廃止とかそういうようなことを私がやるもんですか。」こういうことをはっきりと言っておられて、「六月になると四谷怪談の時期だからお化けをうんともってくる。お化けにだまされないようにしてくださいよ。」こういうことを言っておられるわけであります。
最後の方になると、「
大型間接税とかいうものはやらんのです。この
中曽根がウソを言う顔をしていますか。よく見て下さい。ほかに宣伝することかないものだから、あの人たちは、やるんだやるんだという。」こういうように言うておられるのですね。
ですから、こういう事実がありますから、昨年
売上税が導入されたときに、百貨店を含めて「拝啓
中曽根内閣総理大臣殿」という
意見広告が一面にわたって出たのですね。そして有名な川柳ができました。「この顔がうそつく顔かとうそをつき」というのであります。非常によくできた川柳でありますが、これがずっと広がって
中曽根前
総理は、あれだけ演説の好きな方が六十二年の一斉地方選挙ではとうとうどこからもお声もかからないし、行けない、官邸で桜を植えておるというような状況になったのです。そこでまた川柳ができまして、「その顔はもう要らないよと断られ」という川柳であります。どこからもお呼びがかからなくなったのです。こういういきさつなんですね。
そこで、失礼ですが石原運輸大臣、あなたを名指ししてえらい申しわけありませんが、代表としてここに選挙公報を持ってまいりました。あなたも、党員やあるいは国民が反対するような
大型間接税、これはやりませんなんて言っておられませんね。無条件で「景気の刺激と
大型間接税反対」こう言っています。「安易に
大型間接税の導入を唱えるむきがありますが、私は、まだまだ本当に血のにじむような行政改革の努力を怠っていると思います。」「七年前、都市出身の自民党議員が結束して、
一般消費税の導入を回避したように、今後も、増税なき
財政再建の姿勢をつらぬいて、斗います。」こう書いていますね。国民や党員が反対するというようなことは一言も言っておられない。それ、認めますか。